JPH10182935A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents
熱硬化性樹脂組成物Info
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- JPH10182935A JPH10182935A JP8346800A JP34680096A JPH10182935A JP H10182935 A JPH10182935 A JP H10182935A JP 8346800 A JP8346800 A JP 8346800A JP 34680096 A JP34680096 A JP 34680096A JP H10182935 A JPH10182935 A JP H10182935A
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- Japan
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- resin
- compound
- component
- thermosetting resin
- resin composition
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- Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】硬化物の電気的特性の低下がなく、吸湿性の少
ない難燃性に優れた熱硬化性樹脂組成物を提供するこ
と。 【解決手段】ジヒドロベンゾオキサジン環を有する樹脂
を含有する熱硬化性樹脂と有機リン系化合物(リン元素
として0.5〜10%)を必須成分とする。
ない難燃性に優れた熱硬化性樹脂組成物を提供するこ
と。 【解決手段】ジヒドロベンゾオキサジン環を有する樹脂
を含有する熱硬化性樹脂と有機リン系化合物(リン元素
として0.5〜10%)を必須成分とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジヒドロベンゾオ
キサジン環を有する樹脂を含有する樹脂組成物と有機リ
ン系化合物および、必要により無機充填剤を含む熱硬化
性樹脂組成物に関する。
キサジン環を有する樹脂を含有する樹脂組成物と有機リ
ン系化合物および、必要により無機充填剤を含む熱硬化
性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ジヒドロベンゾオキサジン環を有
する樹脂を含有する熱硬化性樹脂を難燃化する手段とし
ては、特開平2−69567号公報、特開平4−227
922号公報、あるいは特開平7−3121号公報に示
されるように、ハロゲン化化合物を用いる方法、無機充
填剤あるいは無機リン系化合物を用いる方法、有機金属
化合物を使用する方法が提案されている。特開平4−2
27922号公報に記載されたハロゲン化化合物を用い
る方法では、燃焼時に有毒ガスを発生し環境上の問題が
発生する。また、特開平2−69567号公報では、無
機系リン系化合物、無機充填剤を使用している。この場
合、無機系リン化合物では、元素状赤リン、リンの酸素
酸類の無機、有機塩、ポリリン酸塩類、ホウ酸類及びホ
ウ酸の塩類、無機充填剤としては、水酸化アルミニウ
ム、水和炭酸カルシウム、マグネシウム、水酸化マグネ
シウムが用いられている。しかしながら、無機系リン化
合物を用いる場合、これらの化合物が有しているイオン
成分による硬化物の電気的特性の低下,並びに吸水率が
大きいことに由来する硬化物の吸水率の増大が認められ
る。また、無機充填剤を用いた場合、合成充填剤でない
とイオン性不純物が多いため電食性に問題があり、合成
充填剤は高価であるため使用に際し制限がある。また、
充填剤を用いた場合、硬化物の可撓性がなくなり金属と
の接着性、配線板として使用する場合はドリル加工性が
低下する。また、ガラスクロスに樹脂ワニスを含浸させ
てプリプレグを作成する場合には、充填剤を使用すると
ワニスの含浸性、塗工時の充填剤の沈降に注意しなくて
はならない。更に、特開平7−3121号公報には、難
燃剤としてフェロセン等を用いることが記載されている
が高価な有機金属化合物を使用しなければならないとい
う問題点がある。
する樹脂を含有する熱硬化性樹脂を難燃化する手段とし
ては、特開平2−69567号公報、特開平4−227
922号公報、あるいは特開平7−3121号公報に示
されるように、ハロゲン化化合物を用いる方法、無機充
填剤あるいは無機リン系化合物を用いる方法、有機金属
化合物を使用する方法が提案されている。特開平4−2
27922号公報に記載されたハロゲン化化合物を用い
る方法では、燃焼時に有毒ガスを発生し環境上の問題が
発生する。また、特開平2−69567号公報では、無
機系リン系化合物、無機充填剤を使用している。この場
合、無機系リン化合物では、元素状赤リン、リンの酸素
酸類の無機、有機塩、ポリリン酸塩類、ホウ酸類及びホ
ウ酸の塩類、無機充填剤としては、水酸化アルミニウ
ム、水和炭酸カルシウム、マグネシウム、水酸化マグネ
シウムが用いられている。しかしながら、無機系リン化
合物を用いる場合、これらの化合物が有しているイオン
成分による硬化物の電気的特性の低下,並びに吸水率が
大きいことに由来する硬化物の吸水率の増大が認められ
る。また、無機充填剤を用いた場合、合成充填剤でない
とイオン性不純物が多いため電食性に問題があり、合成
充填剤は高価であるため使用に際し制限がある。また、
充填剤を用いた場合、硬化物の可撓性がなくなり金属と
の接着性、配線板として使用する場合はドリル加工性が
低下する。また、ガラスクロスに樹脂ワニスを含浸させ
てプリプレグを作成する場合には、充填剤を使用すると
ワニスの含浸性、塗工時の充填剤の沈降に注意しなくて
はならない。更に、特開平7−3121号公報には、難
燃剤としてフェロセン等を用いることが記載されている
が高価な有機金属化合物を使用しなければならないとい
う問題点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる状況に
鑑みなされたもので、硬化物の電気的特性の低下がな
く、吸湿性の少ない難燃性に優れた熱硬化性樹脂組成物
を提供することを目的とするものである。
鑑みなされたもので、硬化物の電気的特性の低下がな
く、吸湿性の少ない難燃性に優れた熱硬化性樹脂組成物
を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる目的は本発明によ
れば、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する樹脂を含有
する樹脂組成物に、有機リン系化合物を主成分とし、必
要により無機充填剤を添加した難燃組成を用いることに
より、電気的特性、吸湿性の低下なしに難燃化が達成さ
れる。
れば、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する樹脂を含有
する樹脂組成物に、有機リン系化合物を主成分とし、必
要により無機充填剤を添加した難燃組成を用いることに
より、電気的特性、吸湿性の低下なしに難燃化が達成さ
れる。
【0005】
【発明の実施の形態】ジヒドロベンゾオキサジン環を有
する樹脂は、吸湿性かつ耐熱性、機械的強度に優れた硬
化物を与え、難燃性にも優れていることが特開昭49−
47387号公報に記載されている。しかしながら、電
気、電子分野の配線板の薄物化に伴い、更なる難燃性の
向上が要求されている。本樹脂は、対応するフェノール
性水酸基を有する化合物、ホルマリン、1級アミンから
下式1従って合成することができる。この樹脂は、米国
特許5152939号に示されるように加熱により開環
重合反応を起こし、揮発分を発生させることなく優れた
特性を持つ架橋構造を形成する。
する樹脂は、吸湿性かつ耐熱性、機械的強度に優れた硬
化物を与え、難燃性にも優れていることが特開昭49−
47387号公報に記載されている。しかしながら、電
気、電子分野の配線板の薄物化に伴い、更なる難燃性の
向上が要求されている。本樹脂は、対応するフェノール
性水酸基を有する化合物、ホルマリン、1級アミンから
下式1従って合成することができる。この樹脂は、米国
特許5152939号に示されるように加熱により開環
重合反応を起こし、揮発分を発生させることなく優れた
特性を持つ架橋構造を形成する。
【0006】
【化1】
【0007】フェノール性水酸基を有する化合物として
は、ビスフェノール化合物、ビフェノール化合物、トリ
スフェノール化合物、テトラフェノール化合物、フェノ
ール樹脂としては、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、フ
ェノール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール樹脂、
メラミンフェノール樹脂、ポリブタジエン変性フェノー
ル樹脂等のフェノール樹脂を挙げることができる。ビス
フェノール化合物としては、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールS、ビスフェノールF及びその位置異性体、テ
トラフルオロビスフェノールA等を挙げることができ
る。また、フェノール樹脂を用いる場合、ジヒドロベン
ゾオキサジン環を含む耐熱性樹脂が、化2の式(A)で
表される構造単位及び式(B)で表される構造単位を含
み、A/Bがモル比で1/0.25〜9であり、各構造
単位は、直接にまたは有機の基を介している場合、強
度、耐熱性の点で優れた硬化物を得ることができる。
は、ビスフェノール化合物、ビフェノール化合物、トリ
スフェノール化合物、テトラフェノール化合物、フェノ
ール樹脂としては、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、フ
ェノール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール樹脂、
メラミンフェノール樹脂、ポリブタジエン変性フェノー
ル樹脂等のフェノール樹脂を挙げることができる。ビス
フェノール化合物としては、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールS、ビスフェノールF及びその位置異性体、テ
トラフルオロビスフェノールA等を挙げることができ
る。また、フェノール樹脂を用いる場合、ジヒドロベン
ゾオキサジン環を含む耐熱性樹脂が、化2の式(A)で
表される構造単位及び式(B)で表される構造単位を含
み、A/Bがモル比で1/0.25〜9であり、各構造
単位は、直接にまたは有機の基を介している場合、強
度、耐熱性の点で優れた硬化物を得ることができる。
【0008】
【化2】
【0009】但し、R1は、メチル基、シクロヘキシル
基、フェニル基又は置換フェニル基であり、A、Bの芳
香族の水素は、Aのヒドロキシル基のオルト位の一つを
除き、任意の置換基で置換されてもよい。各構造単位の
数は、特に制限はないが、1分子中に含まれる構造単位
(A)の数をm、構造単位(B)の数をnとするとき、
m≧1、n≧1且つm+n≧2であればよく、10≧m
+n≧3であることが望ましい。各構造単位は、直接結
合していてもよく、有機の基を介して結合していてもよ
い。有機の基としては、アルキレン基、キシリレン基等
が挙げられ、アルキレン基としては、例えば、炭素数5
以上の長鎖アルキレン基等が挙げられる。1級アミンと
しては、具体的にメチルアミン、シクロヘキシルアミ
ン、アニリン、置換アニリン等が挙げられる。脂肪族ア
ミンを用いると得られた熱硬化性樹脂の硬化が速いが、
硬化物の耐熱性がやや劣り、アニリンのような芳香族ア
ミンを用いると得られた硬化物の耐熱性はよいが、硬化
性は遅くなる。
基、フェニル基又は置換フェニル基であり、A、Bの芳
香族の水素は、Aのヒドロキシル基のオルト位の一つを
除き、任意の置換基で置換されてもよい。各構造単位の
数は、特に制限はないが、1分子中に含まれる構造単位
(A)の数をm、構造単位(B)の数をnとするとき、
m≧1、n≧1且つm+n≧2であればよく、10≧m
+n≧3であることが望ましい。各構造単位は、直接結
合していてもよく、有機の基を介して結合していてもよ
い。有機の基としては、アルキレン基、キシリレン基等
が挙げられ、アルキレン基としては、例えば、炭素数5
以上の長鎖アルキレン基等が挙げられる。1級アミンと
しては、具体的にメチルアミン、シクロヘキシルアミ
ン、アニリン、置換アニリン等が挙げられる。脂肪族ア
ミンを用いると得られた熱硬化性樹脂の硬化が速いが、
硬化物の耐熱性がやや劣り、アニリンのような芳香族ア
ミンを用いると得られた硬化物の耐熱性はよいが、硬化
性は遅くなる。
【0010】本発明における樹脂は、水酸基を有する化
合物と1級アミンとの混合物を70℃以上に加熱したア
ルデヒド中に添加して、70℃以上に加熱したアルデヒ
ド中に添加して、70〜110℃、好ましくは、90〜
100℃で20〜120分反応させ、その後120℃以
下の温度で減圧乾燥することにより、合成することがで
きる。また、必要に応じてジヒドロベンゾオキサジン環
を開環する効果のあるフェノール性水酸基を有する化合
物、例えばビスフェノールA、ノボラック樹脂、レゾー
ル樹脂、アミノ基を有する化合物、ジヒドロベンゾオキ
サジン環が開環して生成するフェノール性水酸基と、反
応性を有するエポキシ樹脂とこれらの反応に効果的な触
媒、例えばイミダゾール系化合物、ジシアンジアミド系
化合物、リン系化合物等、従来から知られている化合物
を使用することができる。これらの樹脂組成物の難燃化
には、有機リン系化合物、必要により無機充填剤の混合
物を用いることにより、電気的特性の低下、吸水性の低
下を引き起こさずに達成できることが判明した。
合物と1級アミンとの混合物を70℃以上に加熱したア
ルデヒド中に添加して、70℃以上に加熱したアルデヒ
ド中に添加して、70〜110℃、好ましくは、90〜
100℃で20〜120分反応させ、その後120℃以
下の温度で減圧乾燥することにより、合成することがで
きる。また、必要に応じてジヒドロベンゾオキサジン環
を開環する効果のあるフェノール性水酸基を有する化合
物、例えばビスフェノールA、ノボラック樹脂、レゾー
ル樹脂、アミノ基を有する化合物、ジヒドロベンゾオキ
サジン環が開環して生成するフェノール性水酸基と、反
応性を有するエポキシ樹脂とこれらの反応に効果的な触
媒、例えばイミダゾール系化合物、ジシアンジアミド系
化合物、リン系化合物等、従来から知られている化合物
を使用することができる。これらの樹脂組成物の難燃化
には、有機リン系化合物、必要により無機充填剤の混合
物を用いることにより、電気的特性の低下、吸水性の低
下を引き起こさずに達成できることが判明した。
【0011】有機リン系化合物としては、トリフェニル
ホスフィン等のホスフィン類、リン酸エステル、亜ホス
ホン酸エステル、亜リン酸エステル、ホスフィンオキサ
イド等を使用することができる。例えば、トリフェニル
ホスフィン、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリフェニ
ル、リン酸トリメチル、トリフェニルホスフィンオキサ
イド等及びこれらの化合物のエステル部位の脂肪族ある
いは芳香族部位に、他の官能基が置換されているものを
用いることができる。用いる有機リン系化合物は、ジヒ
ドロベンゾオキサジン環を有する樹脂を含有する熱硬化
性樹脂組成物に対してリン含量を0.5%以上添加すれ
ば、難燃性が発現可能となる。好ましくは3〜10%で
ある。併用する無機充填剤としては、水酸化アルミニウ
ム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ジルコン粉
末、石英ガラス粉末、タルク粉末、炭酸カルシウム粉
末、マグネシア粉末、ケイ酸カルシウム粉末、シリカ
粉、ゼオライト、クレイ、マイカ等が単独あるいは併用
して用いることができる。充填剤、繊維剤等の配合割合
は、樹脂100部当たり10〜300部が好適である。
無機充填剤の粒径は、適宜選択することができる。本発
明の樹脂組成物は、必要によりカップリング剤等の樹脂
と有機、無機充填剤、有機、無機繊維との界面接着性を
制御する化合物を使用することも可能である。当然、こ
れら充填剤を予めカップリング剤、液状樹脂で処理する
こともできる。以上の組成からなる樹脂組成物は、充填
剤と組み合わせることにより成形材料、封止材に、ガラ
スクロスに塗工、乾燥し、金属箔とプレスすることによ
り金属箔積層板を容易に製造することができる。
ホスフィン等のホスフィン類、リン酸エステル、亜ホス
ホン酸エステル、亜リン酸エステル、ホスフィンオキサ
イド等を使用することができる。例えば、トリフェニル
ホスフィン、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリフェニ
ル、リン酸トリメチル、トリフェニルホスフィンオキサ
イド等及びこれらの化合物のエステル部位の脂肪族ある
いは芳香族部位に、他の官能基が置換されているものを
用いることができる。用いる有機リン系化合物は、ジヒ
ドロベンゾオキサジン環を有する樹脂を含有する熱硬化
性樹脂組成物に対してリン含量を0.5%以上添加すれ
ば、難燃性が発現可能となる。好ましくは3〜10%で
ある。併用する無機充填剤としては、水酸化アルミニウ
ム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ジルコン粉
末、石英ガラス粉末、タルク粉末、炭酸カルシウム粉
末、マグネシア粉末、ケイ酸カルシウム粉末、シリカ
粉、ゼオライト、クレイ、マイカ等が単独あるいは併用
して用いることができる。充填剤、繊維剤等の配合割合
は、樹脂100部当たり10〜300部が好適である。
無機充填剤の粒径は、適宜選択することができる。本発
明の樹脂組成物は、必要によりカップリング剤等の樹脂
と有機、無機充填剤、有機、無機繊維との界面接着性を
制御する化合物を使用することも可能である。当然、こ
れら充填剤を予めカップリング剤、液状樹脂で処理する
こともできる。以上の組成からなる樹脂組成物は、充填
剤と組み合わせることにより成形材料、封止材に、ガラ
スクロスに塗工、乾燥し、金属箔とプレスすることによ
り金属箔積層板を容易に製造することができる。
【0012】
【実施例】以下に本発明の具体例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。ジヒドロベンゾオキサ
ジン樹脂を含有する熱硬化性樹脂としては、下記に示す
方法により合成した樹脂を用いた。
れらに限定されるものではない。ジヒドロベンゾオキサ
ジン樹脂を含有する熱硬化性樹脂としては、下記に示す
方法により合成した樹脂を用いた。
【0013】ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬
化性樹脂の合成(A) (1)フェノールノボラック樹脂の合成 フェノール1.9kg、ホルマリン(37%水溶液)
1.15kg、しゆう酸4gを5リットルフラスコに仕
込み、還流温度で6時間反応させた。引き続き、内部を
6666.1Pa以下に減圧して未反応のフェノール及
ぴ水を除去した。得られた樹脂は軟化点89℃(環球
法)、3〜多核体/2核体比89/11(ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーによるピーク面積比)であ
った。 (2)ジヒドロベンゾオキサジン環の導入 上記により合成したフェノールノボラック樹脂l.7k
g(ヒドロキシル基16mol相当)をアニリン0.9
8k g(11mol相当)と混合し80℃で5時間撹
件し、均一な混合溶液を調製した。5リットルフラスコ
中に、ホルマリン1.62kgを仕込み90℃に加熱
し、ここヘノボラック/アニリン混合溶液を30分間か
けて少しずつ添加した。添加終了後30分間、還流温度
に保ち、然る後に100℃で2時間、6666.lPa
以下に減圧して縮合水を除去し、反応し得るヒドロキシ
ル基の75%がジヒドロベンゾオキサジン化された熱硬
化性樹脂を得た(m=1、n=2.2)。
化性樹脂の合成(A) (1)フェノールノボラック樹脂の合成 フェノール1.9kg、ホルマリン(37%水溶液)
1.15kg、しゆう酸4gを5リットルフラスコに仕
込み、還流温度で6時間反応させた。引き続き、内部を
6666.1Pa以下に減圧して未反応のフェノール及
ぴ水を除去した。得られた樹脂は軟化点89℃(環球
法)、3〜多核体/2核体比89/11(ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーによるピーク面積比)であ
った。 (2)ジヒドロベンゾオキサジン環の導入 上記により合成したフェノールノボラック樹脂l.7k
g(ヒドロキシル基16mol相当)をアニリン0.9
8k g(11mol相当)と混合し80℃で5時間撹
件し、均一な混合溶液を調製した。5リットルフラスコ
中に、ホルマリン1.62kgを仕込み90℃に加熱
し、ここヘノボラック/アニリン混合溶液を30分間か
けて少しずつ添加した。添加終了後30分間、還流温度
に保ち、然る後に100℃で2時間、6666.lPa
以下に減圧して縮合水を除去し、反応し得るヒドロキシ
ル基の75%がジヒドロベンゾオキサジン化された熱硬
化性樹脂を得た(m=1、n=2.2)。
【0014】ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬
化性樹脂の合成(B) (1)フェノールノボラック樹脂の合成 フェノール1.9kg、ホルマリン(37%水溶液)
1.0k g、しゆう酸4gを5リットルフラスコに仕
込み、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹
脂の合成(A)と同様にしてフェノールノボラック樹脂
を合成した。得られた樹脂は軟化点84℃(環球法)、
3〜多核体/2核体比82/18(ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーによるピーク面積比)であった。 (2)ジヒドロベンゾオキサジン環の導人 以下、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹
脂の合成(A)と同様にしてジヒドロベンゾオキサジン
環を導入した。得られた熱硬化性樹脂は、フェノールノ
ボラック樹脂の、反応し得るヒドロキシル基の71%に
ジヒドロベンゾオキサジン環が導人されたものであった
(m=3、n=5)。
化性樹脂の合成(B) (1)フェノールノボラック樹脂の合成 フェノール1.9kg、ホルマリン(37%水溶液)
1.0k g、しゆう酸4gを5リットルフラスコに仕
込み、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹
脂の合成(A)と同様にしてフェノールノボラック樹脂
を合成した。得られた樹脂は軟化点84℃(環球法)、
3〜多核体/2核体比82/18(ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーによるピーク面積比)であった。 (2)ジヒドロベンゾオキサジン環の導人 以下、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹
脂の合成(A)と同様にしてジヒドロベンゾオキサジン
環を導入した。得られた熱硬化性樹脂は、フェノールノ
ボラック樹脂の、反応し得るヒドロキシル基の71%に
ジヒドロベンゾオキサジン環が導人されたものであった
(m=3、n=5)。
【00015】これら樹脂を溶融状態にした後、有機、
無機のリン系難燃剤及び無機充填剤を添加し、混練し
た。放冷後、粉砕し樹脂組成物とした。有機リン系難燃
剤としては、大八化学製トリフェニルフォスフェート、
トリクレシジルフォスフェート、芳香族縮合リン酸エス
テルCR−757を用いた。無機リン系難燃剤として
は、ポリリン酸アンモニウム、亜リン酸を用いた。無機
充填剤としては、水酸化アルミニウムを用いた。有機金
属化合物としては、フェロセンを使用した。樹脂組成物
は、185℃、90分間硬化した。作成した硬化物は、
次の方法により特性値を測定した。 (1)難燃性−UL規格の方法に従って、1.6mm厚
の硬化物の難燃性を評価した。 (2)吸水率−3mm厚の硬化物を作成後、硬化物をP
CT(121℃、2atm)処理(20時間)した。P
CT処理前後の重量変化を測定し、吸水率を求めた。 (3)被断伸び−4mm厚の硬化物を万能試験機により
測定した。
無機のリン系難燃剤及び無機充填剤を添加し、混練し
た。放冷後、粉砕し樹脂組成物とした。有機リン系難燃
剤としては、大八化学製トリフェニルフォスフェート、
トリクレシジルフォスフェート、芳香族縮合リン酸エス
テルCR−757を用いた。無機リン系難燃剤として
は、ポリリン酸アンモニウム、亜リン酸を用いた。無機
充填剤としては、水酸化アルミニウムを用いた。有機金
属化合物としては、フェロセンを使用した。樹脂組成物
は、185℃、90分間硬化した。作成した硬化物は、
次の方法により特性値を測定した。 (1)難燃性−UL規格の方法に従って、1.6mm厚
の硬化物の難燃性を評価した。 (2)吸水率−3mm厚の硬化物を作成後、硬化物をP
CT(121℃、2atm)処理(20時間)した。P
CT処理前後の重量変化を測定し、吸水率を求めた。 (3)被断伸び−4mm厚の硬化物を万能試験機により
測定した。
【0015】
【表1】 a:トリフェニルフェスフェート b:トリクレシジルフォスフェート c:芳香族縮合リン酸エステルCR−757 d:ポリリン酸アンモニウム e:亜リン酸 f:水酸化アルミニウム g:フェロセン
【0016】
【発明の効果】上記のごとく、有機リン系化合物をジヒ
ドロベンゾオキサジン性樹脂を含む熱硬化性樹脂に配合
することにより、従来から知られているブロム化エポキ
シ樹脂あるいは無機リン系化合物を使用する場合に比
べ、前者に対しては燃焼時に有毒ガスの発生がない、後
者に対しては金属との接着性、ワニスをガラスクロスに
含浸させてプリプレグとして使用する際には、ワニスの
含浸性の低下を防ぐことができる。
ドロベンゾオキサジン性樹脂を含む熱硬化性樹脂に配合
することにより、従来から知られているブロム化エポキ
シ樹脂あるいは無機リン系化合物を使用する場合に比
べ、前者に対しては燃焼時に有毒ガスの発生がない、後
者に対しては金属との接着性、ワニスをガラスクロスに
含浸させてプリプレグとして使用する際には、ワニスの
含浸性の低下を防ぐことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 義則 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 鴨志田 真一 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 垣谷 稔 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 沼田 俊一 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内
Claims (3)
- 【請求項1】ジヒドロベンゾオキサジン環を有する樹脂
を含有する熱硬化性樹脂と有機リン系化合物を必須成分
とすることを特徴とする樹脂組成物。 - 【請求項2】熱硬化性樹脂に対する有機リン系化合物の
配合量が、リン元素として0.5〜10%である請求項
1記載の樹脂組成物。 - 【請求項3】請求項1または2に記載の樹脂組成物を硬
化して得られる硬化物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34680096A JP3423170B2 (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | 熱硬化性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP34680096A JP3423170B2 (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | 熱硬化性樹脂組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10182935A true JPH10182935A (ja) | 1998-07-07 |
JP3423170B2 JP3423170B2 (ja) | 2003-07-07 |
Family
ID=18385905
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP34680096A Ceased JP3423170B2 (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | 熱硬化性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3423170B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003082099A (ja) * | 2001-09-14 | 2003-03-19 | Shikoku Chem Corp | 熱硬化性樹脂組成物 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0269567A (ja) * | 1988-07-18 | 1990-03-08 | Gurit Essex Ag | 組成物 |
JPH06100760A (ja) * | 1992-08-06 | 1994-04-12 | Asahi Chem Ind Co Ltd | フェノール樹脂組成物 |
JPH073121A (ja) * | 1990-12-21 | 1995-01-06 | Gurit Essex Ag | 難燃性の硬化性1−オキサ−3−アザテトラリン誘導樹脂組成物 |
-
1996
- 1996-12-26 JP JP34680096A patent/JP3423170B2/ja not_active Ceased
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2003082099A (ja) * | 2001-09-14 | 2003-03-19 | Shikoku Chem Corp | 熱硬化性樹脂組成物 |
JP4726172B2 (ja) * | 2001-09-14 | 2011-07-20 | 四国化成工業株式会社 | 熱硬化性樹脂組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JP3423170B2 (ja) | 2003-07-07 |
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