JPH10182861A - フッ素処理装置および被処理物の表面処理方法 - Google Patents

フッ素処理装置および被処理物の表面処理方法

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JPH10182861A
JPH10182861A JP35614996A JP35614996A JPH10182861A JP H10182861 A JPH10182861 A JP H10182861A JP 35614996 A JP35614996 A JP 35614996A JP 35614996 A JP35614996 A JP 35614996A JP H10182861 A JPH10182861 A JP H10182861A
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gas
fluorine
tank
processing
treatment
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JP35614996A
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Inventor
Hiroshi Kawakami
博 川上
Mitsuaki Nishino
充晃 西野
Kazuo Niwa
一夫 丹羽
Makoto Yamashita
誠 山下
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ素ガスの歩留まりを一層高めることが出
来かつ一層安定した表面処理が出来るフッ素処理装置お
よび当該フッ素処理装置を使用したプラスチック成形品
などの被処理物の表面処理方法を提供する。 【解決手段】 フッ素処理装置は、フッ素ガス供給手段
(1)から供給されたフッ素ガスを含む処理ガスが貯留
される処理ガス調製槽(3)、被処理物を表面処理する
処理槽(4)、当該処理槽から排出されたガス中のフッ
酸を除去するフッ酸除去装置(5)を含み、フッ酸除去
装置(5)によってフッ酸が除去されたガスを処理ガス
調製槽(3)に返流可能に構成され、処理ガス調製槽
(3)がフッ素ガス濃度の検出機構(33)を備え、フ
ッ素ガス供給手段(1)が電解槽(11)を使用したフ
ッ素ガス発生装置によって構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素処理装置お
よび被処理物の表面処理方法に関するものであり、詳し
くは、フッ素を含有する処理ガスによってプラスチック
成形品などを表面処理するにあたり、フッ素ガスの歩留
まりを一層高めることが出来かつ一層安定した表面処理
が出来るフッ素処理装置および当該フッ素処理装置を使
用した被処理物の表面処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、ポリプロピレン等から成
るプラスチック成形品は、フッ素含有ガスに曝すことに
よってその表面を改質することが出来、例えば、塗料や
接着剤の付着性を高めたり、あるいは、撥水性を高める
ことが出来る。フッ素ガスによる表面処理に関する技術
は、例えば、特公昭54−31992号公報に表面処理
装置および方法として開示されている。
【0003】上記の公報に記載された表面処理装置は、
被処理物を処理する反応室(処理槽)と、フッ素ガス源
および窒素ガス源に接続される保持室(処理ガス調製
槽)とを備えており、窒素ガスで希釈調製されたフッ素
ガスを予め処理ガスとして保持室に蓄え、処理する際に
反応室へ処理ガスを供給し、処理後は残余のガスを保持
室に返流する様になされている。従って、処理後に反応
室から廃棄される処理ガスの量を少なくすることが出来
ると言う利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の表面
処理装置において、反応室に供給された処理ガス中のフ
ッ素は、反応に寄与する以外に、処理前に被処理物と共
に流入し、反応室に残留した微量な空気中の水分と結合
してフッ酸を生成する。その結果、処理後に保持室へ返
流される残余のガスの組成は、通常、フッ素濃度が最初
の濃度よりも低くなっており、フッ素ガスと窒素ガスを
所定の比率で再び保持室へ追加供給しただけでは所期の
フッ素濃度が得られず、安定した表面処理を繰り返すこ
とが出来なくなる。
【0005】一方、保持室に対するフッ素ガスの供給
は、一般的には、容器に充填された混合ガスによって行
われる。そして、斯かる混合ガスは、窒素ガス等によっ
て比較的低いフッ素ガス濃度に希釈されているため、仮
に、保持室において、都度、濃度を再調整するとして
も、多量の混合ガスを供給しなければならない。従っ
て、保持室の圧力限界などの問題から、実際には、反応
室の残余のガスを保持室に十分に返流できないと言う実
情がある。
【0006】本発明は、上記の様な表面処理装置におい
てフッ素ガスの利用効率を高めることを主眼になされた
ものであり、その目的は、フッ素を含有する処理ガスに
よってプラスチック成形品などを表面処理するにあた
り、フッ素ガスの歩留まりを一層高めることが出来かつ
一層安定した表面処理が出来るフッ素処理装置および当
該フッ素処理装置を使用した被処理物の表面処理方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明のフッ素処理装置は、フッ素ガス供給手段か
ら供給されたフッ素ガスを含む処理ガスが貯留される処
理ガス調製槽と、当該処理ガス調製槽から供給された処
理ガスによって被処理物を表面処理する処理槽と、当該
処理槽から排出されたガス中のフッ酸を除去するフッ酸
除去装置とを含み、前記フッ酸除去装置によってフッ酸
が除去されたガスを前記処理ガス調製槽に返流可能に構
成され、前記処理ガス調製槽がフッ素ガス濃度の検出機
構を備え、かつ、前記フッ素ガス供給手段が電解槽を使
用したフッ素ガス発生装置によって構成されていること
を特徴とする。
【0008】すなわち、上記フッ素処理装置において、
処理ガス調製槽は、濃度検出機構を備えており、処理槽
から処理ガス調製槽に返流された処理済みのガスを再調
製する。その際、フッ素ガス供給手段は、高濃度のフッ
素ガスを処理ガス調製槽に供給できるため、処理ガス調
製槽において、返流されたガスの殆どを有効に利用して
所期のフッ素濃度に調製することが出来る。
【0009】また、本発明の被処理物の表面処理方法
は、上記フッ素処理装置を使用した表面処理方法であっ
て、処理ガス調製槽において所定のフッ素濃度の処理ガ
スを調製し、処理槽に処理ガスを供給して被処理物を表
面処理した後、前記処理槽から排出された残余のガス中
のフッ酸をフッ酸除去装置によって除去し、フッ酸の除
去されたガスを前記処理ガス調製槽に返流して再び所定
のフッ素濃度の処理ガスを調製することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図面に基づい
て説明する。図1は、本発明のフッ素処理装置の概要を
示す系統図である。図2は、処理装置の運転工程と各機
器の作動状態を示す操作説明図である。以下、実施形態
の説明においてはフッ素処理装置を「処理装置」と略記
する。
【0011】先ず、本発明の処理装置について説明す
る。本発明の処理装置は、従来公知のフッ素による被処
理物の表面改質を行う装置であり、処理に使用した処理
ガスの残余の一部を循環利用する装置である。被処理物
としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレ
ン、ポリスチレンの他、種々の有機重合体から成る所謂
プラスチック製品が挙げられる。プラスチック製品は、
各種の成形体に限られず、ウェブ等であってもよい。ま
た、被処理物としては、各種の繊維製品、紙などを対象
とすることも出来る。
【0012】処理に使用される処理ガスは、フッ素ガス
と一種以上の不活性ガス又は反応性ガス、例えば、窒
素、酸素、二酸化硫黄、塩素、臭素、酸素混合物、ある
種の有機単量体などと混合調製されたガスであり、表面
処理によって付与する被処理物の性質に応じて決定され
る。プラスチック製品などの表面改質処理においては、
例えば、フッ素ガスと窒素ガスの混合ガスが処理ガスと
して使用される。以下、斯かる組成のガスを使用した装
置を一例として説明する。
【0013】本発明の処理装置は、図1に示す様に、フ
ッ素ガス供給手段(1)から供給されたフッ素ガスを含
む処理ガス、すなわち、フッ素ガス供給手段(1)から
供給されたフッ素ガスと窒素ガス供給手段(2)から供
給された窒素ガスとを混合状態で貯留する処理ガス調製
槽(3)と、処理ガス調製槽(3)から供給された処理
ガスによって被処理物を表面処理する処理槽(4)と、
処理槽(4)から排出されたガス中のフッ酸を除去する
フッ酸除去装置(5)と、処理槽(4)から排出された
ガス中のフッ素ガスを除去するフッ素ガス除去装置
(6)とを備えている。
【0014】処理ガス調製槽(3)は、所定のフッ素濃
度の処理ガスを貯留し、また、処理後の残余のガスを再
調整するための圧力容器である。処理ガス調製槽(3)
は、調製操作を効率的に行うため、供給されるフッ素ガ
ス及び窒素ガスを予め所定濃度よりも高濃度に混合する
ための予備混合槽(31)と、必要とされる処理ガスを
正確に調製するための調製槽(32)とから構成され
る。調製槽(32)の内容積は、処理槽(4)における
少なくとも1回以上の表面処理に必要な量の処理ガスを
蓄え得る内容積とされる。
【0015】処理槽(4)は、被処理物が装填される気
密可能なチャンバー(圧力容器)であり、被処理物を出
し入れするための扉を備えている。処理槽(4)の形状
や内容積は、被処理物の形状、大きさ、回分の処理量に
基づいて設定される。例えば、被処理物が自動車の内装
部品などのプラスチック成形品の場合、処理槽(4)の
内部は、ラックによって多数の収容空間に分割されてい
てもよい。また、処理槽(4)の内部には、処理ガスを
供給するためのノズル配管(41)が設けられており、
斯かるノズル配管(41)は、被処理物の表面に対し、
効率的に且つ均等に処理ガスを被爆させるため、通常、
分散的に配置された複数の噴射口を有する。
【0016】フッ酸除去装置(5)は、処理槽(4)に
混入した空気中の微量水分によって生成するフッ酸を除
去し、装置全体の腐食を防止するために設けられる。フ
ッ酸除去装置(5)としては、具体的には、フッ化ナト
リウムをペレット状に成形した多孔性の成形体を圧力容
器に充填して成る乾式の吸着装置が挙げられる。斯かる
吸着装置においては、通過するガス中から揮発性フッ化
物を選択的に吸着除去することが出来る。
【0017】フッ素ガス除去装置(6)は、処理槽
(4)を開放する前に処理槽(4)内の残余のガス、お
よび、処理ガス調製槽(3)内の処理ガスを系外に排気
する際、フッ素ガスを除去して排気ガスを無害化するた
めに設けられる。フッ素ガス除去装置(6)としては、
水酸化ナトリウム溶液などを使用したスクラバ−方式の
除去装置を使用することも出来るが、装置の小型化と後
処理の容易性を勘案すると、フッ酸除去装置(5)と同
様に乾式の除去装置が好ましい。乾式の除去装置として
は、酸化アルミニウムを主成分とする粒状活性アルミナ
を圧力容器に充填して成る吸着装置が挙げられる。
【0018】本発明の処理装置は、フッ素ガスを有効に
利用するため、上記フッ酸除去装置(5)によってフッ
酸が除去されたガスを処理ガス調製槽(3)の調製槽
(32)に返流可能に構成される。また、調製槽(3
2)には、返流されたガスを再調製するため、フッ素ガ
ス濃度の検出機構(33)(以下、「検出機構」と言
う。)が備えられている。調製槽(32)における検出
機構(33)としては、紫外線吸収法またはイオン電極
法を利用した機構が挙げられる。
【0019】しかも、本発明の処理装置においては、フ
ッ素ガス供給手段(1)が電解槽を使用したフッ素ガス
発生装置によって構成される。これにより、処理ガス調
製槽(3)の予備混合槽(31)に高濃度のフッ素ガス
を供給でき、調製槽(32)に返流されたガスを有効に
再利用することが出来る。
【0020】本発明の処理装置は、処理ガス調製槽
(3)において所望のフッ素ガス濃度に効率的に調製す
るため、フッ素ガス供給手段(1)は、電解槽(11)
を使用したフッ素ガス発生装置によって構成されている
ことが重要である。
【0021】電解槽(11)を使用したフッ素ガス発生
装置は、それ自体は公知であり、斯かる装置は、電解液
としてフッ化カリウム溶液を収容した密閉型の電解槽
(11)と、前記の電解液中にフッ酸を供給するフッ酸
容器とを備えて成り、フッ酸を供給しつつ電気分解して
フッ素ガスと水素をガスを発生させ、陽極側でトラップ
したフッ素ガスからフッ酸を吸着除去してフッ素ガスを
精製する。フッ素ガス発生装置からは濃度が略100%
のフッ素ガスが得られ、得られたフッ素ガスは当該フッ
素ガス発生装置に付設されたバッファタンク(12)に
収容される。
【0022】また、本発明の処理装置において、窒素ガ
ス供給手段(2)としては、窒素ガスを充填した容器を
使用することも出来るが、フッ素ガスの希釈の他に系内
の置換洗浄に多量の窒素ガスを使用することから、PS
A装置(圧力スイング吸着装置)が好適に使用される。
周知の通り、PSA装置は、多孔性の吸着剤が充填され
た複数の吸着塔を備えて成るいわゆる空気分離などに使
用される装置であり、斯かる装置は、気体(又は液体)
を加圧状態で供給することによって気体中の特定の成分
を吸着剤に吸着させた後、減圧することによって吸着し
た成分を取り出す操作を各吸着塔ごとに繰り返して所定
の気体を分離精製する。
【0023】本発明も処理装置は、通常、パソコン又は
プログラムコントローラーを含む制御装置(図示せず)
によって上記の各機器および図1中に示すコンプレッサ
ーや弁などが制御される。
【0024】次に、本発明の処理装置による被処理物の
表面処理操作について図2を併用して説明する。なお、
図2において、機器は図1中の符号で示す。また、図2
中の弁の状態は「−」の表示が「閉」の状態を示し、コ
ンプレッサー及び真空ポンプの状態は「−」の表示が実
質的に機能していない状態を示す。
【0025】本発明の処理装置においては、先ず、処理
ガスの予備調製として混合ガスを製造する。予備調製に
おいては、フッ素ガス供給手段(1)のバッファタンク
(12)に蓄えられたフッ素ガスをコンプレッサー(7
1)で昇圧し且つ弁(91)を開くことにより、配管
(82)を通じて処理ガス調製槽(3)の予備混合槽
(31)に供給する。また、窒素ガス供給手段(2)で
製造された窒素ガスを当該窒素ガス供給手段に備えられ
たコンプレッサー(72)で昇圧し且つ弁(92)を開
くことにより、配管(81)を通じて予備混合槽(3
1)に供給する(運転工程(A))。
【0026】予備混合槽(31)にフッ素ガス及び窒素
ガスを供給する場合、予め設定された処理ガスのフッ素
ガス濃度に基づいてフッ素ガス及び窒素ガスの各流量を
制御する。例えば、ポリプロピレン製の成形品の親水化
処理を行う場合は、処理ガスにおけるフッ素ガス濃度が
1〜10%程度に設定されるが、予備混合槽(31)で
は、処理ガスにおけるフッ素ガス濃度よりも高いフッ素
ガス濃度、例えば、10〜50%のフッ素ガス濃度に調
製される。
【0027】次いで、弁(93)を開くことにより、予
備混合槽(31)で調製された混合ガスを配管(82)
を通じて調製槽(32)に供給する。調製槽(32)に
おいては、供給された混合ガスのフッ素濃度を検出機構
(33)によって検出する。そして、調製槽(32)の
ガスのフッ素ガス濃度が設定値よりも高い場合には、弁
(94)を開くことにより、配管(83)を通じて窒素
ガスを供給し、最終的に処理ガスとして調製する(運転
工程(B))。なお、調製槽(32)の圧力は、処理槽
(4)における処理時の圧力よりも高い圧力に設定され
る。
【0028】一方、処理ガス調製槽(3)で処理ガスの
調製を行うまでの間、すなわち、運転工程(A)及び
(B)を実施する間、処理槽(4)に被処理物を装入す
る。処理槽(4)に被処理物を装入した後は、真空ポン
プ(70)を作動させると共に弁(98)を開き、配管
(86)、フッ酸除去装置(5)、配管(87)、配管
(89)、フッ素ガス除去装置(6)及び配管(90)
を通じて処理槽(4)の内部を例えば10Torr以下
まで真空引きする(運転工程(C))。
【0029】次いで、弁(95)を開くことにより、配
管(84)及びガス移送装置(99)を通じて調製槽
(32)から処理槽(4)に処理ガスを供給する(運転
工程(D))。処理槽(4)への処理ガスの供給量は、
処理槽(4)に設けられた圧力センサー(図示せず)に
基づいて制御する。処理槽(4)における被処理物の処
理は、例えば、常温、常圧の条件下で約1〜5分程度行
う(運転工程(E))。
【0030】処理を終えた後は、弁(97)を開き且つ
コンプレッサー(73)を作動させることにより、配管
(86)、フッ酸除去装置(5)、配管(87)及び配
管(88)を通じ、処理槽(4)内部の残余のガスを調
製槽(32)に回収する。その際、フッ酸除去装置
(5)は、処理槽(4)において生成された微量なフッ
酸を残余のガスから選択的に除去し、フッ素ガスと窒素
ガスだけを調製槽(32)に返流する(運転工程
(F))。
【0031】上記の様にフッ素ガス及び窒素ガスを回収
し、処理槽(4)の内部を10Torr以下まで減圧し
た後は、弁(96)を開くことにより、大気に通じる配
管(85)から処理槽(4)に空気を導入する。同時
に、弁(98)を開き且つ真空ポンプ(70)を作動す
ることにより、配管(86)、フッ酸除去装置(5)、
配管(87)、配管(89)、フッ素ガス除去装置
(6)及び配管(90)を通じて処理槽(4)の内部を
排気し、処理槽(4)の内部を空気置換する(運転工程
(G))。なお、処理槽(4)からの排気ガスは、フッ
酸除去装置(5)及びフッ素ガス除去装置(6)によっ
て完全に無害化される。そして、処理槽(4)の内部を
空気置換した後は、処理を終えた被処理物を処理槽
(4)から取り出す(運転工程(H))。
【0032】また、処理槽(4)の内部を空気置換して
被処理物を取り出す間、すなわち、運転工程(G)及び
(H)を実施する間、次の回分の処理に必要な処理ガス
の調製操作を行う。その際、先の運転工程(F)で回収
された残余のガスが混入しているため、調製槽(32)
内のフッ素ガス濃度が若干低下している場合がある。調
製槽(32)のガスのフッ素ガス濃度が設定値よりも低
い場合には、弁(93)を開くことにより、配管(8
2)を通じてフッ素ガス濃度の高い混合ガスを調製槽
(32)に供給し、再び処理ガスとして調製する。
【0033】また、処理条件の変更などにより、調製槽
(32)のガスのフッ素ガス濃度を下げる必要がある場
合には、弁(94)を開くことにより、配管(83)を
通じて窒素ガスを調製槽(32)に供給して希釈調製す
る(運転工程(B))。そして、斯かる処理ガスの調製
および上記の運転工程(C)〜(H)の操作を繰り返す
ことにより、被処理物の表面処理を効率的に行うことが
出来る。
【0034】なお、予備混合槽(31)における予備調
製(運転工程(A))は、調製槽(32)で処理ガスを
調製する運転工程(B)を除く各運転工程で行われる。
また、調製槽(32)における調製(運転工程(B))
は、処理槽(4)の排気工程(運転工程(G))から新
たな被処理物の装入工程(運転工程(C)までの間に行
われる。
【0035】上記の様に、本発明の処理装置において、
処理ガス調製槽(3)の調製槽(32)は、検出機構
(33)を備えており、処理槽(4)から調製槽(3
2)に返流された処理済みのガスを再調製する。その
際、フッ素ガス供給手段(1)は、略100%の高濃度
のフッ素ガスを処理ガス調製槽(3)の予備混合槽(3
1)に供給できるため、調製槽(32)において、返流
された殆どのガスを有効に利用して所期のフッ素濃度に
効率的に調製することが出来る。従って、本発明の処理
装置においては、フッ素ガスの歩留まりを一層高めるこ
とが出来、しかも、完全に調製された処理ガスを供給し
得るため、一層安定した表面処理が出来る。
【0036】また、上記の様な処理装置を使用した本発
明に係る被処理物の表面処理方法は、処理ガス調製槽
(3)において所定のフッ素濃度の処理ガスを調製し、
処理槽(4)に処理ガスを供給して被処理物を表面処理
した後、処理槽(4)から排出された残余のガス中のフ
ッ酸をフッ酸除去装置(5)によって除去し、フッ酸の
除去されたガスを処理ガス調製槽(3)に返流して再び
所定のフッ素濃度の処理ガスを調製する方法であり、斯
かる表面処理方法によれば、フッ素ガスの歩留まりを一
層高めることが出来かつ一層安定した表面処理が出来
る。
【0037】なお、図1に示す系統図は、主要部の基本
的なフローを例示したものであり、上記の様な処理装置
においては、通常、窒素ガス等による洗浄流路やバイパ
ス路、コンプレッサーを連続的に作動させておくための
ループ経路、流路中の逆止弁、安全弁、緊急遮断弁など
の機器、流路中でフッ酸をトラップするための吸着機器
などが適宜に配置される。
【0038】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、返
流されたガスを再調製する際、フッ素ガス供給手段によ
って高濃度のフッ素ガスを処理ガス調製槽に供給できる
ため、返流された殆どのガスを有効に利用して所期のフ
ッ素濃度に効率的に調製することが出来る。従って、フ
ッ素ガスの歩留まりを一層高めることが出来、しかも、
完全に調製された処理ガスを供給し得るため、一層安定
した表面処理が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフッ素処理装置の概要を示す系統
図である。
【図2】本発明に係るフッ素処理装置の運転工程と各機
器の作動状態を示す操作説明図である。
【符号の説明】
1 :フッ素ガス供給手段 11:電解槽 12:バッファタンク 2 :窒素ガス供給手段 3 :処理ガス調製槽 31:予備混合槽 32:調製槽 4 :処理槽 5 :フッ酸除去装置 6 :フッ素ガス除去装置 33:フッ素ガス濃度の検出機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 誠 香川県坂出市番の州町1番地 三菱化学株 式会社坂出事業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素ガス供給手段から供給されたフッ
    素ガスを含む処理ガスが貯留される処理ガス調製槽と、
    当該処理ガス調製槽から供給された処理ガスによって被
    処理物を表面処理する処理槽と、当該処理槽から排出さ
    れたガス中のフッ酸を除去するフッ酸除去装置とを含
    み、前記フッ酸除去装置によってフッ酸が除去されたガ
    スを前記処理ガス調製槽に返流可能に構成され、前記処
    理ガス調製槽がフッ素ガス濃度の検出機構を備え、か
    つ、前記フッ素ガス供給手段が電解槽を使用したフッ素
    ガス発生装置によって構成されていることを特徴とする
    フッ素処理装置。
  2. 【請求項2】 被処理物がプラスチック成形品である請
    求項1に記載のフッ素処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のフッ素処理装置
    を使用した表面処理方法であって、処理ガス調製槽にお
    いて所定のフッ素濃度の処理ガスを調製し、処理槽に処
    理ガスを供給して被処理物を表面処理した後、前記処理
    槽から排出された残余のガス中のフッ酸をフッ酸除去装
    置によって除去し、フッ酸の除去されたガスを前記処理
    ガス調製槽に返流して再び所定のフッ素濃度の処理ガス
    を調製することを特徴とする被処理物の表面処理方法。
JP35614996A 1996-12-25 1996-12-25 フッ素処理装置および被処理物の表面処理方法 Withdrawn JPH10182861A (ja)

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