JPH10182455A - メラトニン含有貼付剤 - Google Patents

メラトニン含有貼付剤

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JPH10182455A
JPH10182455A JP34327996A JP34327996A JPH10182455A JP H10182455 A JPH10182455 A JP H10182455A JP 34327996 A JP34327996 A JP 34327996A JP 34327996 A JP34327996 A JP 34327996A JP H10182455 A JPH10182455 A JP H10182455A
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melatonin
sensitive adhesive
pressure
adhesive composition
patch
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Application number
JP34327996A
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English (en)
Inventor
Nagafumi Hidaka
修文 日高
Toshiyuki Kato
俊幸 加藤
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Teysan Pharmaceuticals Co Ltd
Original Assignee
Teysan Pharmaceuticals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経皮吸収性、生体本来のメラトニン血中濃度
パターンに合わせてメラトニンを放出することが容易な
メラトニン含有貼付剤を提供する。 【解決手段】 支持体の上に、メラトニン(A)を含有
する粘着組成物(B)が形成された貼付剤であって、 1)該粘着組成物(B)中の該メラトニン(A)の重量
比率が下記式[1] B×0.05<A<B×0.4 [1] であり、 2)該粘着組成物(B)中に、エタノール、メタノー
ル、アセトン、及び酢酸エチルからなる群から選ばれる
1種又は2種以上の放出促進溶媒(E)を含み、該放出
促進溶媒(E)の重量比率が下記式[2] B×0.05<E<B×3 [2] であるメラトニン含有貼付剤及びその製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はメラトニン含有貼付
剤に関する。さらに詳しくは、本発明は経皮吸収性、血
中濃度の安定性及び/又は皮膚刺激性の少なさ等に優れ
た、不眠症やその他免疫系に関係する様々な疾病の治療
に有用なメラトニンを含有する医療用貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】メラトニンは松果体より分泌されるホル
モンであり、その薬理作用については成書(例えばラッ
セル・J・ライター他著、メラトニン、講談社、平成7
年発行)等に記載されており、ヒトの生活リズムや免疫
系に重要な役割を果たしていると推定されている。既
に、不眠症等の治療薬として、主として経口剤が広く臨
床に使用されている。しかし、メラトニンを経口で投与
したときはその約99%が肝臓で代謝されるといわれて
おり、薬物利用能(BA)が著しく低い。メラトニンに
ついては臨床での報告例は少ないが、このように肝臓で
多く代謝される薬物の場合、通常、肝臓に対する負担が
大きくなり、肝臓での脂質代謝等に影響を与え長期的に
は人体の肝機能やその他の生殖器、副生殖器等に悪影響
を与えることが懸念される。
【0003】さらに、メラトニンを不眠症等の治療薬と
して使用するとき、血中濃度の曲線をできるだけヒトの
自然の曲線に合わせることが望まれるが、このような曲
線は経口投与では得にくいことも分かっている。かかる
考えから、メラトニンを経皮的に投与することも提案さ
れている。例えば、特表平7−503232号公報やW
O95/02404号明細書である。いずれも、メラト
ニンを安定して、ヒトの自然のリズムの血中濃度パター
ンに合わせ、しかも患者のコンプライアンスを高めた製
剤を提供することを目指しており、それぞれ異なるアプ
ローチの提案をしている。しかしながら今だ、経皮吸収
性が高く、安全性や安定性の高い、十分に有用なメラト
ニン含有貼付剤はなく、商品化もされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明の目
的は経皮吸収性が良好であり、したがって貼付面積を小
さくすることができ、しかも、生体本来のメラトニン血
中濃度パターンに合わせてメラトニンを放出することが
容易なメラトニン含有貼付剤を提供することにある。ま
た本発明の目的は、経皮吸収性が良好であり、したがっ
て貼付面積が小さく、生体本来のメラトニン血中濃度パ
ターンに合致し、かつ血中濃度が安定したメラトニン含
有貼付剤を提供することにある。
【0005】更に、本発明の目的は経皮吸収性が良好で
あり、従って貼付面積が小さく、生体本来のメラトニン
血中濃度パターンに合致し、血中濃度が安定しており、
貼付部位での皮膚刺激性が少ないメラトニン含有貼付剤
を提供することにある。また、更に本発明の目的は経皮
吸収性が良好であり、従って貼付面積が小さく、生体本
来のメラトニン血中濃度パターンに合致し、血中濃度が
安定しており、貼付部位での皮膚刺激性が少なく、かつ
皮膚への粘着力が適度であって除剤時に痛みが少ない、
患者のコンプライアンスも高いメラトニン含有貼付剤を
提供することにある。本発明者らは、このような従来技
術に鑑み鋭意研究の結果、メラトニンを粘着組成物中に
高濃度に含有させること、さらに、メラトニン含有貼付
剤からの放出を助け、吸収を促進するために、エタノー
ル等の特定の放出促進溶媒を特定の割合で使用すること
により、例えば経皮吸収性に優れた貼付剤を得る等の本
発明の目的が達成されることを見出して、本発明に到達
したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、支持
体の上に、メラトニン(A)を含有する粘着組成物
(B)からなるメラトニン含有粘着組成物層が形成され
た貼付剤であって、 1)該粘着組成物(B)中の該メラトニン(A)の重量
比率が下記式[1] B×0.05<A<B×0.4 [1] であり、 2)該粘着組成物(B)中に、エタノール、メタノー
ル、アセトン、及び酢酸エチルからなる群から選ばれる
1種又は2種以上の放出促進溶媒(E)を含み、該放出
促進溶媒(E)の重量比率が下記式[2] B×0.05<E<B×3 [2] であるメラトニン含有貼付剤、及び支持体上に、メラト
ニン(A)を含有する粘着組成物(B)を、該粘着組成
物(B)中の該メラトニン(A)の重量比率が下記式
[1] B×0.05<A<B×0.4 [1] となるように形成して支持体とメラトニン含有粘着組成
物層からなる積層物を得、ついで該積層物の該メラトニ
ン含有粘着組成物層面を介して、エタノール、メタノー
ル、アセトン、及び酢酸エチルからなる群から選ばれる
1種又は2種以上の放出促進溶媒(E)を、該放出促進
溶媒(E)の重量比率が下記式[2] B×0.05<E<B×3 [2] となるように該メラトニン含有粘着組成物層に含有せし
めることを特徴とするメラトニン含有貼付剤の製造法で
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の支持体としては、例えば
ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸ビ
ニル、ナイロン、アルミ蒸着したフイルムやアルミ箔又
はEVA等公知のフイルム又はシートが挙げられるが、
本発明においては貼付剤中に放出促進溶媒を用いること
から、これらの溶媒を揮散させにくいもので柔軟なもの
が好ましく、さらに粘着剤に対する圧着性の点から、ポ
リエステル、なかでも主としてポリエチレンテレフタレ
ートからなるフイルム等が好ましい。かかる膜状物は、
例えば単独のフイルムでもよく、それらを積層したもの
でもよく、また、それらに不織布、織物、編物を積層し
たものでも、かかる積層物が全体として柔軟で水分透過
性又は水分半透過性であるのが好ましい。そのような積
層支持体として、例えば、厚みが1〜10μmのポリエ
チレンテレフタレートのフイルムと、例えば0.1〜1
0デニール/フィラメントのポリエステルフィラメント
からなる目付8〜300g/m2の編物とがアクリル系
粘着剤等の粘着剤を介して積層された支持体を好ましい
ものとして挙げることができる。該編物の自由となって
いる面に粘着剤を介して、さらに1〜10μmのポリエ
チレンテレフタレートフイルム等が積層してあってもよ
い。このような支持体は、粘着組成物の厚みを薄くしつ
つ、経皮吸収性を高めることができ、しかも薄い貼付剤
でありながら取扱性に優れ、且つ皮膚刺激性が少ない等
という効果を有する。かかる膜状物は肌色等に着色して
あってもよく、使用方法等が印刷してあってもよい。
【0008】本発明の貼付剤においては、かかる支持体
の上に、メラトニン(A)を含有する粘着組成物(B)
が形成されている。該粘着組成物(B)中の該メラトニ
ン(A)の重量比率は下記式[1] B×0.05<A<B×0.4 [1] を満足する。粘着組成物(B)中のメラトニン(A)の
重量比率が0.4を越えると、粘着組成物中でメラトニ
ンが結晶化し、経皮吸収性は逆に低下傾向となり、さら
に粘着力も低下しがちであるため好ましくない。一方、
この重量比率を0.05未満としたときは十分な経皮吸
収性が得られにくい。メラトニン(A)のさらに好まし
い範囲はB×0.1<A<B×0.3である。本発明に
おいてメラトニンとしては天然の又は合成のメラトニン
を用いるが、本発明の粘着組成物と十分な相溶性を有す
る限りにおいてはそのようなメラトニンに代えて、メラ
トニン誘導体やメラトニン性リセプターに対して非常に
強い親和性を有する化合物を用いることができる。
【0009】また本発明の貼付剤においては、かかる粘
着組成物(B)中に、エタノール、メタノール、アセト
ン、酢酸エチルの中から選ばれる1種又は2種以上の放
出促進溶媒(E)を下記式[2]の重量比率 B×0.05<E<B×3 [2] で含有させる。粘着組成物(B)中の放出促進溶媒
(E)の重量比率が3を越えると、経皮吸収性は逆に低
下傾向となり、さらに粘着力も低下しがちであるため好
ましくない。一方、この重量比率を0.05未満とした
ときは十分な経皮吸収性が得られにくい。すなわち、放
出促進溶媒(E)のさらに好ましい範囲はB×0.1<
E<B×3である。また、放出促進溶媒のなかでもエタ
ノールが好ましく、その場合の粘着組成物中の含有量と
してはB×0.1<E<B×3が好ましく、例えばその
貼付剤の製剤1枚当りに添加する絶対量が1〜20μl
であるのがより好ましい。
【0010】本発明の粘着組成物中の粘着剤としては、
公知のゴム系、アクリル系、シリコン系等の粘着剤を単
独に又は混合して用いることができる。
【0011】本発明者らは、粘着剤とメラトニンの相溶
性についてさらに検討した結果、粘着剤中にポリ酢酸ビ
ニルを含有せしめると、メラトニンが粘着剤中に10〜
40%も相溶するなど相溶性が高くなり、これにつれて
粘着組成物中のメラトニンの濃度を高めることが可能と
なり、貼付剤の経皮吸収性をより高めることが可能とな
ることを見出した。しかも、酢酸ビニルを共重合して作
ったポリ酢酸ビニル系粘着剤ビニルを含有せしめると、
粘着組成物の粘着力が低下がより少ないことを見出し
た。すなわち、本発明の粘着剤のなかでも、ポリ酢酸ビ
ニルを10重量%以上含有する粘着剤が好ましく、中で
も特に酢酸ビニルと(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルからなる共重合体であって、該共重合体における酢酸
ビニルの共重合比率が30重量%以上であるポリ酢酸ビ
ニル系粘着剤(C)を好ましいものとして挙げることが
できる。ここで言う(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルとしては、(メタ)アクリル酸の平均炭素数3〜14
の直鎖状又は分岐状のアルキルエステルを挙げることが
できる。かかる(メタ)アクリル酸アルキルエステルと
しては、例えば、プロピル(メタ)アクリレート、n−
ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレ
ート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルブチ
ル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレー
ト、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)
アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデ
シル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。こ
れらのなかでも、共重合成分の1つとして2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレートを好ましいものとして挙げ
ることができ、なかでも特に2−エチルヘキシルアクリ
レートを好ましいものとして挙げることができる。
【0012】本発明のポリ酢酸ビニル系粘着剤(C)
は、酢酸ビニルとこれら(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルからなる共重合体であるが、さらに粘着力を高め
るために、(メタ)アクリル酸との共重合ポリマーとす
ることも好ましい。すなわち、本発明のポリ酢酸ビニル
系粘着剤(C)としては、酢酸ビニルと(メタ)アクリ
ル酸の平均炭素数3〜14の直鎖状又は分岐状のアルキ
ルエステル、なかでも例えば2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレートを成分とするのが好ましい。さらに
(メタ)アクリル酸を成分とする場合には、酢酸ビニル
と、(メタ)アクリル酸の平均炭素数3〜14の直鎖状
又は分岐状のアルキルエステル、なかでも例えば2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリ
ル酸との3元又は3元以上の共重合ポリマーが好まし
い。この場合の組み合わせの例としては、 1)酢酸ビニル、2−エチルヘキシルアクリレート、ア
クリル酸 2)酢酸ビニル、2−エチルヘキシルアクリレート、メ
タクリル酸 3)酢酸ビニル、2−エチルヘキシルメタクリレート、
アクリル酸 4)酢酸ビニル、2−エチルヘキシルメタクリレート、
メタクリル酸 が挙げられるが、なかでも酢酸ビニル、2−エチルヘキ
シルアクリレート、及びアクリル酸とからなる共重合体
を好ましいものとして挙げることができる。
【0013】本発明のポリ酢酸ビニル系粘着剤(C)に
おいては、該共重合体における酢酸ビニルが30重量%
以上の共重合比率として配合されるのが好ましいが、酢
酸ビニルと(メタ)アクリル酸アルキルエステルの好ま
しい共重合比率としては、酢酸ビニル:(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル=30:70〜90:10、なか
でも50:50〜80:20の範囲を好ましいものとし
て挙げることができる。特に酢酸ビニル:(メタ)アク
リル酸アルキルエステル=約70:30が好ましい。す
なわち、ポリ酢酸ビニル系粘着剤(C)における酢酸ビ
ニルの共重合比率としては、30重量%以上〜90重量
%以下が好ましい。酢酸ビニルの共重合比率が30重量
%未満ではメラトニンの相溶効果が十分でなく、90%
を越えると粘着力や内部凝集力が十分でなくなる傾向が
ある。かかる共重合比率の中でも50重量%以上〜80
重量%以下が好ましい。またポリ酢酸ビニル系粘着剤
(C)中に共重合させる場合の(メタ)アクリル酸は、
該共重合体における(メタ)アクリル酸の共重合比率が
0〜10重量%が好ましく、特に1〜5重量%が好まし
い。
【0014】本発明者らは、以上説明したような粘着組
成物(B)からなるメラトニン含有貼付剤についてさら
に検討した結果、この粘着組成物(B)にα−トコフェ
ロール及びその誘導体の1種又は2種以上(D1)を含
有させると、メラトニンの経皮吸収性をさらに高められ
ることを見出した。かかるα−トコフェロール及びその
誘導体としては、例えばα−トコフェロール、酢酸トコ
フェロール、ニコチン酸トコフェロール等を挙げること
ができる。これらのα−トコフェロール及びその誘導体
は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。本発明の
粘着組成物(B)中にα−トコフェロール及びその誘導
体の1種又は2種以上(D1)を含有させるとき、その
粘着組成物(B)中におけるその重量比率は下記式
[3] B×0.05<D1 <B×0.4 [3] を満足するとき、著しくメラトニンの経皮吸収性を高め
ることができるので好ましい。
【0015】本発明においては、安全性の高い粘着剤と
添加物を用い、経皮吸収性が良好で、そして貼付面積が
小さく、貼付部位での皮膚刺激性が少ない等を、又は患
者のコンプライアンスを高めること等をも1つの目標と
しているが、粘着組成物(B)中のα−トコフェロール
及びその誘導体の1種又は2種以上(D1)の重量比率
を0.4を越える量としても増加によるその効果は少な
い傾向にあり、また0.05未満ではその効果が必ずし
も十分でなかった。特に好ましい範囲は0.08〜0.
3である。このように本発明の粘着組成物中にα−トコ
フェロール及びその誘導体の1種又は2種以上(D1
を含有せしめることは、メラトニンの経皮吸収性を高め
得るという効果を有するが、特に本発明の粘着組成物
(B)の粘着剤がポリ酢酸ビニル系粘着剤(C)である
場合に、ポリ酢酸ビニル系粘着剤(C)にα−トコフェ
ロール及びその誘導体の1種又は2種以上(D1)が5
〜40%も相溶し、しかも粘着剤としての性質が維持で
き、そして経皮吸収性の効果は顕著に大きかった。
【0016】また本発明者らは、以上説明したような粘
着組成物(B)のメラトニン含有貼付剤についてさらに
検討した結果、この粘着組成物(B)に炭素数12以上
の高級脂肪酸及びそのエステルの1種又は2種以上(D
2)を併用すると、メラトニンの経皮吸収性をさらに高
めることを見出した。かかる高級脂肪酸及びそのエステ
ルとしては炭素数12〜18の飽和又は不飽和の脂肪酸
及びそのエステルを挙げられ、例えばミリスチン酸、オ
レイン酸、パルミチン酸、及びラウリン酸等、例えばミ
リスチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、パルミチ
ン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、及びラウリ
ン酸エチル等を挙げることができるが、なかでも、ミリ
スチン酸イソプロピルやオレイン酸エチルのような高級
脂肪酸エステルが経皮吸収促進効果や安全性の面で好ま
しい。本発明の粘着組成物(B)中に、このような高級
脂肪酸及びそのエステルの1種又は2種以上(D2)を
用いるとき、その粘着組成物(B)中におけるその重量
比率は下記式[4] B×0.01<D2 <B×0.4 [4] を満足するとき、その効果が大きい。
【0017】本発明の粘着組成物(B)の粘着剤が前述
のポリ酢酸ビニル系粘着剤(C)の場合に、このような
高級脂肪酸及びそのエステルの1種又は2種以上
(D2)を用いると、経皮吸収性や安全性の面でより効
果が大きいので、特に好ましく、なかでも炭素数12以
上の高級脂肪酸及びそのエステルの1種又は2種以上
(D)の重量比率がB×0.01<D<B×0.2
の範囲である場合がより好ましい。本発明のメラトニン
含有貼付剤は、支持体上に、メラトニン(A)を含有す
る粘着組成物(B)を、該粘着組成物(B)中の該メラ
トニン(A)の重量比率が下記式[1] B×0.05<A<B×0.4 [1] となるように形成して支持体とメラトニン含有粘着組成
物層からなる積層物を得、ついで該積層物の該メラトニ
ン含有粘着組成物層面を介して、エタノール、メタノー
ル、アセトン、及び酢酸エチルからなる群から選ばれる
1種又は2種以上の放出促進溶媒(E)を、該放出促進
溶媒(E)の重量比率が下記式[2] B×0.05<E<B×3 [2] となるように該メラトニン含有粘着組成物層に含有せし
めることによって製造することができる。一般的に本発
明のメラトニン含有貼付剤の製造法は、このような本発
明の粘着組成物(B)を、例えば、酢酸エチル、ヘキサ
ン、クロロホルム、キシレン、トルエン、メチルエチル
ケトン等の溶媒の単独又は混合溶媒に溶解又は分散さ
せ、これ(混合ドープ)を離型紙又は離型フイルムの上
に乾燥後の厚みが所定となるように塗工し、50〜16
0℃の適度な温度で数分〜60分位乾燥させて蒸発する
ことにより溶媒を十分に除いて得ることができる。
【0018】かかる粘着組成物(B)は、支持体の上に
混合ドープを塗工して乾燥して製造して支持体の上に粘
着組成物(B)を形成してもよく、また、いったん離型
紙や離型フイルムの上に形成させたものを支持体の上に
1層又は2層以上積層してもよい。本発明においては、
通常かくして得られた貼付剤の最終の大きさに裁断して
いない長い、及び/又は広い形状のいわゆる貼付剤原反
の上に放出促進溶媒(E)を、所定量、スプレー、滴
下、グラビアコーター等による接触転写、又は所定の溶
媒雰囲気中に一定時間以上放置する等により、粘着組成
物(B)に対して所定量の放出促進溶媒(E)を含有さ
せる。かかる操作は貼付剤原反を裁断する前の方が生産
性から好ましいが、貼付剤原反を裁断した後に行っても
よい。かくして得られた貼付剤は、放出促進溶媒(E)
を必要以上に逃さないためにアルミニウムラミネート、
アルミニウム蒸着等の処理をした通常の密封包装を行
う。更に具体的に説明すると、例えば、まず粘着組成物
を構成する粘着剤を所定量のメラトニン(A)と共に酢
酸エチル等の溶媒に溶解し、乾燥後の厚みが所定の厚み
(例えば3〜100μm)となるように塗工し、通常用
いられる乾燥条件下(例えば40〜130℃での常圧乾
燥下、又は20〜130℃での真空乾燥下)に乾燥し、
十分に溶媒を除去し、メラトニン含有の粘着組成物
(B)を得る。ついで、粘着組成物(B)に所定量の放
出促進溶媒(E)を含有せしめるが、その場合の手段と
しては、前述のスプレー、滴下、又はグラビアコーター
等の転写技術を用いることができる。このようにして得
られた所定量のメラトニン(A)と所定量の放出促進溶
媒(E)を含有する粘着組成物(B)が支持体の上に形
成されたメラトニン含有貼付剤には、透過性、又はほと
んど不透過性のフイルム、金属缶、アルミ箔、アルミ蒸
着袋等の十分なる密封包装がなされる。
【0019】上記のように、本発明のメラトニン含有貼
付剤においては、さらに粘着組成物(B)中にα−トコ
フェロール及びその誘導体の1種又は2種以上
(D1)、高級脂肪酸及びそのエステルの1種又は2種
以上(D2)を単独又は同時に含有せしめるのが経皮吸
収性を高める効果が大きいことから好ましいが、同時に
含有せしめる場合にこれらの成分の配合量としては、以
下の重量比率 B×0.05<A<B×0.4 [1] B×0.05<E<B×3 [2] B×0.05<D1 <B×0.4 [3] B×0.01<D2 <B×0.4 [4] が、好ましく、この場合に粘着剤としてポリ酢酸ビニル
系粘着剤(C)を用いた場合には、例えばエタノール単
独を含有させた場合に比べ、更にα−トコフェロール類
を併存させた場合には経皮吸収性が高く、更に加えてミ
リスチン酸イソプロピルを併存させた場合にはその経皮
吸収性は相乗的に高くできたことは、驚くべきことであ
った。さらに、上記式[1]〜[4]の重量比率の組み
合わせにおいて、 1)α−トコフェロール及びその誘導体の1種又は2種
以上(D1)の重量比率が下記式[5] B×0.05<D1 <B×3 [5] 2)炭素数12以上の高級脂肪酸及びそのエステルの1
種又は2種以上(D2)の重量比率が下記式[6] B×0.01<D2 <B×0.2 [6] 3)放出促進溶媒(E)の重量比率が下記式[7] B×0.1<E<B×3 [7] であるものが好ましく、上記と同様にこの場合でも粘着
剤としてポリ酢酸ビニルを10重量%以上含有する粘着
剤、なかでも前述のポリ酢酸ビニル系粘着剤(C)を用
いる場合が、特に好ましい。
【0020】さらに好ましくは、酢酸ビニル系粘着剤
(C)を用いた本発明の貼付剤の組成が以下の通りのと
きであった。 1)B×0.1<A<B×0.2 [1]’ 2)B×0.2<E<B×2 [2]’ 3)B×0.05<D1 <B×0.2 [5]’ 4)B×0.01<D2 <B×0.1 [6]’ 5)粘着組成物(B)層の厚み5〜30μm 粘着剤の中に高級脂肪酸及びそのエステルの1種又は2
種以上(D2)を単独で使用してメラトニンの吸収を促
進するときは、高級脂肪酸及びそのエステルの1種又は
2種以上(D2)の濃度は10〜40%の範囲で高い
程、好ましい結果を与える傾向があった。一方、高級脂
肪酸及びそのエステルの1種又は2種以上(D2)と放
出促進溶媒(E)を同時に用いるときは、高級脂肪酸及
びそのエステルの1種又は2種以上(D2)の濃度が高
い場合に、それと同量の放出促進溶媒(E)を用いる
と、吸収性がやや低下する傾向が見られ、この場合に高
級脂肪酸及びそのエステルの1種又は2種以上(D2
の好ましい範囲は上記式[6]’である。本発明におい
てポリ酢酸ビニル系粘着剤(C)を用いるとき、その一
部として粘着力や内部凝集力を高める等の目的のため
に、公知のアクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤、又は
ゴム系粘着剤をポリ酢酸ビニル系粘着剤(C)の10〜
70重量%混合併用して用いてもよい。
【0021】本発明では、必要に応じて公知の他の吸収
促進剤、溶解助剤、拡散助剤、充填剤などを単独又は混
合にて含有させてもよい。他の吸収促進剤又は拡散助剤
としては、例えば、ラウリン硫酸ナトリウム、ドデシル
ベンゼンスルフォン酸ナトリウム、アルキルジフェニル
エーテルジスルフォン酸ナトリウム、ジオクチルスルホ
コハク酸塩、ポリオキシアルキルフェニルエーテルサル
フェートアンモニウム塩などの界面活性剤;グリセリ
ン、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール、高級脂肪族アルコールなどのア
ルコール類;ジメチルスルホキシド及びアルキルメチル
誘導体;サリチル酸、オレイン酸、尿素、ジメチルアセ
トアミド、ジメチルホルムアミド、ラノリン、アラント
イン、スクアレン、カーボポール、ジイソプロピルアジ
ペート、ピログルタミン酸ラウリルエステル、エチルラ
ウレート、ニコチン酸メチル、ソルビトール及びドデシ
ルピロリドンのようなピロリドン誘導体、オリーブ油、
ヒマシ油、流動パラフィン、ワセリン、ゼラチン、アミ
ノ酸、乳酸、乳酸エチル、ニコチン酸ベンジル、L−メ
ントール、カンファー、ドデシルアザシクロヘプタン−
2−オンなどを用いることができる。かかる添加剤は、
粘着組成物(B)1重量部当たり、0.005〜20重
量部用いるのが好ましい。その他の粘着剤の内部凝集力
を高め、粘着剤がべとつくのを防ぐことを目的として、
流動性制御のための添加物として、マグネシウム、カル
シウム、アルミニウム等の2価以上の、例えばアルミニ
ウムアセチルアセトネートのような金属の有機金属化合
物やポリビニルピロリドン(PVP)等を粘着組成物
(B)中における該添加物の重量比率が0.01〜2重
量%となるように使用してもよい。
【0022】本発明で得られた貼付剤は、そのまま通常
の方法で体の各部、特に手足や前胸部、頭部等に貼付し
て使用できる。本発明のメラトニン含有貼付剤を加温す
るとさらに集中して急速に薬物を吸収させることが可能
となるため、よりヒトの正常リズムに近い血中パターン
としてメラトニンを体内に補充することが可能となる。
加温する手段としては、本発明の貼付剤を貼付後に加温
デバイスで加熱してもよく、さらに好ましくは、本発明
の貼付剤の支持体面に貼付したときに37〜60℃とな
る発熱デバイスを本発明の貼付剤に装着しておくことで
ある。かかる発熱デバイスとしては、電気的な発熱体や
発熱シート等が考えられる。例えば木炭カイロ、白金触
媒カイロの如き発熱体、あるいは鉄粉、アルカリ金属の
硫化物若しくは多硫化物又はこれ等の含水塩等を主成分
とする発熱体であって、空気又は酸素と接触させる、若
しくは化学反応によって酸素を発生する物質を混入する
ことにより発熱を示す所謂化学発熱体や、ニクロム線、
カーボンブラックの如き導電性発熱物質から構成される
発熱体及びこれ等の自己温度制御型の発熱体、さらには
熱容量の大きい物質を必要に応じて適当な容器等に入れ
た蓄熱体(例えばアイスノン)を予め加温したもの等が
挙げられる。1つの具体例として、鉄粉末を含んだシー
ト状の袋であり、片面が装着時に空気を吸収するように
したものを貼付剤の支持体側に圧着しておいた場合、本
発明の1つの実施態様となる。このとき発熱温度は、鉄
粉末の量と空気の吸入速度及び鉄の酸化触媒の量で決ま
るが、これらは使い捨てカイロとして広く使用されてお
り、かかる原理を応用することができる。
【0023】本発明で貼付剤を加温する場合は、貼付剤
が貼付後にその支持体の全部又は一部の温度が37〜6
0℃となるように加温する。加温する場合の、より好ま
しい温度は37〜50℃、より好ましくは38〜45℃
である。加温の持続時間は10分〜120分であり、よ
り好ましくは20〜60分である。加温する温度が37
℃未満では加温の効果が少なく、また、60℃を越える
と患者のコンプライアンスが悪く、さらにかかる温度で
長い時間加温すると、加温部の皮膚が赤くなったり問題
が起こる。本発明で加温する目的は、本来経皮吸収しに
くいものを経皮吸収させるためではなく、吸収部位を狭
くし、しかも急速に吸収させるためであるから、加温持
続時間は10〜120分でよい。10分未満でより高温
を採用するのはコンプライアンス上好ましくなく、12
0分を越えると持続が大きくなる。加温時間の調整は、
加温の持続時間が所策する時間となるような加温具の工
夫、例えば鉄粉を用いるときは鉄粉の量や酸化速度の調
整による。さらにはタイマーを用いる方法や、貼付時間
を決める方法がある。
【0024】本発明の貼付剤を貼付して、意図的に入浴
するのも1つの加温手段ではある。本発明においては、
例えば、上記のような柔軟な水分不透過性又は水分半透
過性の膜状物からなる支持体の片面に、上記のような所
定の薬物を含有する粘着組成物(B)を積層することに
よって、さらに加温手段を設けることによって加温手段
を有する貼付剤とすることができる。本発明において
は、公知の超音波やイオントフォレシス技術を用いて経
皮吸収をより短時間に、さらにヒトの体内のメラトニン
血中濃度パターンに近づけることもできる。このような
経皮吸収促進技術を用いることにより、短時間に必要量
のメラトニンを投与できるため、過剰な時間投与した
り、投与のために長時間制約されることもなく好まし
い。本発明のメラトニン含有貼付剤は経皮吸収性が高
い。しかし、メラトニンは生体成分であり、その経皮吸
収量とその結果得られる体内の血中濃度のパターンは、
生体リズムに近いものであることが望ましい。経皮吸収
性の高くない貼付剤を用いたときはかかる最適化は困難
であるが、本発明の貼付剤の場合、サイズを小さくし、
しかも粘着層を薄くすることによりこの目標が達成しや
すくなる。すなわち、経皮吸収性が低い貼付剤は単位面
積当たりの経皮吸収量が小さく、貼付面積を大きくしな
ければならないが、このことで経皮吸収は結果的に初期
の立ち上がりが遅く、そして徐放化する傾向となり、こ
れは生体のパターンと異なる。また、この系で徐放化を
少なくするために粘着層を薄くすると、貼付面積をさら
に大きくしなければならなくなることが多い。
【0025】すなわち、経皮吸収の最大のバリヤーは皮
膚角質層であり、経皮吸収性の低い貼付剤は、皮膚角質
層でのバリヤー比率が高くなるためであると考えられ
る。しかし、本発明の貼付剤は経皮吸収性が高く、貼付
面積が小さく、初期立ち上がりを早くできる。本発明の
メラトニン貼付剤の粘着組成物の厚みは3〜200μm
と任意に選択できるが、放出パターンを徐放性の少ない
即効性に近づけるために好ましい厚みは3〜50μm、
さらに好ましくは3〜20μmである。製剤の好ましい
サイズは0.5〜50cm2の範囲で、小さい程好まし
いと考えられる。0.5〜1cm2のサイズでは、かえ
って取扱い性が悪く好ましくないとする患者も一部には
いる。経皮吸収性が低い貼付剤の場合、小さい貼付剤を
作ることは非常に困難である。特表平7−503232
号公報の実施例3の貼付剤のサイズは19cm2であ
る。初期立ち上がりが大きく、徐放性が少ないという血
中パターンや患者コンプライアンス等から本発明が好ま
しいとする製剤のサイズは0.5〜25cm2であり、
特に0.5〜12cm2であるのが好ましい。
【0026】貼付剤のサイズの差の意義としては、例え
ば50cm2と12cm2では、単に皮膚刺激を受ける面
積が50cm2から12cm2に小さくなったという差だ
けではなく、安定して貼付できる人体の部位が大きく変
えられるということもある。特に12cm2以下となる
と、貼付する部位の制限が大きく異なる。メラトニン含
有貼付剤の場合は、ニトログリセリン、硝酸イソソルビ
ドやエストラジオール等の薬物を含有する従来の貼付剤
が大きな目標としてきた徐放化が必要でなく、むしろ即
効性が好ましい点で異なる。本発明のメラトニン含有貼
付剤の1つの目標は安全性の高い催眠剤であるが、サイ
ズ12cm2以下のメラトニン含有貼付剤は、例えば耳
介の裏側の側頭部や、前頭部、首周辺部、肩、腕等に安
定して貼付でき、プラセボ効果も含めた高い催眠効果が
期待できる。特に耳介の裏側の側頭骨上の皮膚周辺部が
プラセボ効果や経皮吸収のバリヤーのもう1つとなる皮
下脂肪が少ない等好ましい。本発明の貼付剤は、通常1
5時から24時位の時間帯に貼付し、朝起床時位まで貼
付しておいてもよい。しかし、本発明の貼付剤は経皮吸
収性が良好であることから、15時から24時位の時間
帯のみ、またはその時間帯の中で数分〜3時間貼付する
ことによっても、その効果を十分に発揮できる。例え
ば、「食前食後に1枚の催眠テープ」、「風呂上がりに
1枚の催眠テープ」、「寝る前に1枚の催眠テープ」、
「ちょっと貼ってぐっすり催眠テープ」、「1枚で今夜
も安心、ぐっすり」、「1枚でぐっすり睡眠、よい目覚
め」とすることができる。
【0027】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。実施例中の部、%及び比率は、いずれも重量
基準である。実施例で用いたポリ酢酸ビニル系粘着剤
(PVA−1)、アクリル系粘着剤(AP)溶液の作成
は以下のとおりである。 「(1)ポリ酢酸ビニル系粘着剤(PVA−1)の作
成」酢酸ビニル70部、2−エチルヘキシルアクリレー
ト27.5部、アクリル酸2.5部、過酸化ベンゾイル
1部及び酢酸エチル150部を還流冷却機、かきまぜ機
を有する反応容器に仕込み、窒素雰囲気下60℃でゆっ
くり攪拌しながら12時間重合を続けた。重合転化率は
99.9%であった。得られた重合体溶液中の固形分濃
度は約40%であった。これをポリ酢酸ビニル系粘着剤
(PVA−1)という。本品の重量平均分子量(ポリス
チレン換算)は356,000であった。 「(2)アクリル系粘着剤(AP)溶液の作成」2−エ
チルヘキシルアクリレート90部、メタクリル酸7部、
アクリル酸3部、過酸化ベンゾイル1.0部及び酢酸エ
チル100部を還流冷却機、かきまぜ機を有する反応容
器に仕込み、窒素雰囲気下60℃でゆっくり攪拌しなが
ら10時間重合を続けた。重合転化率は99.9%であ
った。得られた重合体溶液に酢酸エチル500部を加え
て固形分濃度を約20%に調節して粘着剤溶液を得た。
得られたアクリル系粘着剤(AP)の重量平均分子量
(ポリスチレン換算)は585,000であった。
【0028】[実施例1] 「(1)薬物を含有する粘着組成物(B)の作成」ポリ
酢酸ビニル系粘着剤PVA−1(C)を15部、すなわ
ちポリ酢酸ビニル系粘着剤(C)として6部相当をと
り、メラトニン(A)1.5部、α−トコフェロール
(D1)2部、ミリスチン酸イソプロピル(D2)を0.
5部、酢酸エチル81部を混合分散したドープを作り、
ポリエチレンテレフタレートセパレーター(薬添規)の
上に塗工し、70℃熱風乾燥後の粘着組成物(B)の厚
みを10μmとした。 「(2)支持体の作成」一方、(a)厚み1.3μmの
ポリエチレンテレフタレートフイルム(帝人株式会社製
HTタイプ)の片面に、(b)アクリル系粘着剤APか
ら製膜して得た厚み40μmの粘着層を圧着し、さらに
この(b)粘着層の自由となっている面の上に、(c)
20デニール/12フィラメントのポリエステルフィラ
メントからなる目付12g/m2 の高いトリコット編物
を圧着し、さらにこの(c)編物の自由となっている面
に、(e)厚み1.3μmのポリエチレンテレフタレー
トを圧着して支持体を得た。このとき、(e)フイルム
と(b)の粘着層とは(c)編物を介して部分的に圧着
していた。
【0029】「(3)貼付剤の作成」(1)で得た粘着
組成物(B)の自由となっている面を、(2)で得た支
持体の(e)フイルム面に圧着して貼付剤原反(貼付剤
原反1とする)となした。次に貼付剤原反1の薬物含有
粘着層面にほぼ均一に1m2 当り13mlのエタノール
をスプレーにより添加した。かくしてメラトニンとエタ
ノールを含有した貼付剤原反2を得た。該粘着剤原反2
を直径24mmの円形に裁断して1枚(面積4.5cm
2 )当たり0.68mgを含有する貼付剤を得た。貼付
剤はポリエチレンを内貼りした大きさが5cm×5cm
のアルミ袋に入れ、ヒートシールに密封した。 「(4)薬理試験」得られた直径24mmの円形の貼付
剤を4分の1にしたものを(面積1.1cm2)を平均
体重185gのヘアレスラット(雄、10週齢)6匹の
除毛した背部に貼付し、貼付前、貼付後2、5時間に採
血し、血清を分離し、ラジオイムノアッセイ法により血
清中メラトニン含量(μg)を測定した。また、5時間
貼付後に貼付剤を除剤し、除剤後の貼付剤中に残存する
メラトニン含量(μg)を測定し(n=6平均)、貼付
前の平均含量(n=6)との差を経皮吸収量として計算
した。結果を表1に示した。
【0030】[実施例2〜3及び比較例1]実施例1に
おいてエタノールの添加量を表1に記載したように変え
て試験した結果を表1に示した。エタノール添加の効果
は明らかである。
【0031】
【表1】
【0032】[実施例4〜7、比較例2〜5]実施例1
において、C、A、D1、D2の組成を変更して製剤を作
成し、除毛したヘアレスラットの背部に貼付して経皮吸
収量を調べた結果を表2に示した。
【0033】
【表2】
【0034】実施例4〜7及び比較例2〜5に示された
如く、エタノールの添加はメラトニンの経皮吸収性を高
める効果がある。さらに実施例1〜3に示した結果と併
せてみると、D1、D2を併用したときにその効果が特に
大きく、またエタノールの添加量も重要であることがわ
かる。
【0035】[実施例8]ミリスチン酸イソプロピルの
代わりにオレイン酸エチルに変えた以外は、実施例1と
同じ要領で製剤を作り、評価のための試験を行ったとこ
ろ、両者に有意差がなかった。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の上に、メラトニン(A)を含有
    する粘着組成物(B)からなるメラトニン含有粘着組成
    物層が形成された貼付剤であって、 1)該粘着組成物(B)中の該メラトニン(A)の重量
    比率が下記式[1] B×0.05<A<B×0.4 [1] であり、 2)該粘着組成物(B)中に、エタノール、メタノー
    ル、アセトン、及び酢酸エチルからなる群から選ばれる
    1種又は2種以上の放出促進溶媒(E)を含み、該放出
    促進溶媒(E)の重量比率が下記式[2] B×0.05<E<B×3 [2] であるメラトニン含有貼付剤。
  2. 【請求項2】 該粘着組成物(B)を構成する粘着剤と
    して、ポリ酢酸ビニルを10重量%以上含有する粘着剤
    を用いる請求項1記載のメラトニン含有貼付剤。
  3. 【請求項3】 該粘着組成物(B)を構成する粘着剤と
    して、酢酸ビニルと(メタ)アクリル酸アルキルエステ
    ルとからなる共重合体であって、該共重合体における該
    酢酸ビニルの共重合比率が30重量%以上であるポリ酢
    酸ビニル系粘着剤(C)を用いる請求項1記載のメラト
    ニン含有貼付剤。
  4. 【請求項4】 該粘着組成物(B)中に、α−トコフェ
    ロール及びその誘導体の1種又は2種以上(D1)を下
    記式[3] B×0.05<D1 <B×0.4 [3] の重量比率で含有させた請求項1〜3のいずれか1項記
    載のメラトニン含有貼付剤。
  5. 【請求項5】 該粘着組成物(B)中に、炭素数12以
    上の高級脂肪酸及びそのエステルの1種又は2種以上
    (D2)を下記式[4] B×0.01<D2 <B×0.4 [4] の重量比率で含有させた請求項1〜4のいずれか1項記
    載のメラトニン含有貼付剤。
  6. 【請求項6】 該粘着組成物(B)が以下の条件1)〜
    3) 1)α−トコフェロール及びその誘導体の1種又は2種
    以上(D1)の重量比率が下記式[5] B×0.05<D1 <B×0.3 [5] 2)炭素数12以上の高級脂肪酸及びそのエステルの1
    種又は2種以上(D2 )の重量比率が下記式[6] B×0.01<D2 <B×0.2 [6] 3)該放出促進溶媒(E)の重量比率が下記式[7] B×0.1<E<B×3 [7] を満足する請求項1〜3のいずれか1項記載のメラトニ
    ン含有貼付剤。
  7. 【請求項7】 該放出促進溶媒がエタノールであり、そ
    の製剤1枚当りに添加する絶対量が1〜20μlである
    請求項1〜6のいずれか1項記載のメラトニン含有貼付
    剤。
  8. 【請求項8】 支持体上に、メラトニン(A)を含有す
    る粘着組成物(B)を、該粘着組成物(B)中の該メラ
    トニン(A)の重量比率が下記式[1] B×0.05<A<B×0.4 [1] となるように形成して支持体とメラトニン含有粘着組成
    物層からなる積層物を得、ついで該積層物の該メラトニ
    ン含有粘着組成物層面を介して、エタノール、メタノー
    ル、アセトン、及び酢酸エチルからなる群から選ばれる
    1種又は2種以上の放出促進溶媒(E)を、該放出促進
    溶媒(E)の重量比率が下記式[2] B×0.05<E<B×3 [2] となるように該メラトニン含有粘着組成物層に含有せし
    めることを特徴とするメラトニン含有貼付剤の製造法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001013950A1 (fr) 1999-08-20 2001-03-01 Takeda Chemical Industries, Ltd. Agents d'absorption percutanee
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