JPH10182449A - 易嚥下性イブプロフェン含有製剤 - Google Patents

易嚥下性イブプロフェン含有製剤

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JPH10182449A
JPH10182449A JP34565496A JP34565496A JPH10182449A JP H10182449 A JPH10182449 A JP H10182449A JP 34565496 A JP34565496 A JP 34565496A JP 34565496 A JP34565496 A JP 34565496A JP H10182449 A JPH10182449 A JP H10182449A
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JP
Japan
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ibuprofen
preparation
jelly
swallowable
containing preparation
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JP34565496A
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English (en)
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Kazuo Hayata
和生 早田
Yoshie Andou
嘉枝 安藤
Kiyoshi Mitake
清 三武
Isamu Takahashi
勇 高橋
Hiroshi Yamaga
洋 山我
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KOBAYASHI SEIYAKU KOGYO KK
Original Assignee
KOBAYASHI SEIYAKU KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イブプロフェンの経口投与製剤
についてイブプロフェンが有する不快な味、刺激感及び
特有なにおいが隠蔽され、容易に嚥下・服用することが
できる製剤を提供する。 【解決手段】 イブプロフェンとゲル化剤を含
有させてゼリー状製剤としたり、このゼリー状製剤を乾
燥させて固形状(板状)製剤としたり、さらにはこの固
形状(板状)製剤を粉砕し、粉末状製剤とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イブプロフェンの
経口医薬品に関し、詳しくはイブプロフェンにゲル化剤
を含有させることにより、イブプロフェンが有する不快
な味、刺激感及び特有なにおいを隠蔽し、容易に嚥下・
服用可能となるイブプロフェンとして新規な経口投与形
態であるゼリー状、固形状(板状)及び粉末状の製剤に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】イブプロフェン(2−4−{isobu
tylphenyl}propionic acid)
は、非ステロイド性の解熱、鎮痛及び消炎作用の優れた
薬物であるが、原末が不快な味、刺激感及び特有なにお
いを有するため、従来よりカプセル剤や錠剤(フィルム
コーティング錠、糖衣錠)等の剤型だけが用いられ、顆
粒剤、細粒剤、散剤及びシロップ剤の剤型はほとんど用
いられていない。
【0003】しかし、顆粒剤、細粒剤及び散剤等の粒状
製剤は、他の粉末製剤との混合性に優れ、しかも服用し
易いという理由から、一般用及び医療用医薬品として汎
用されている剤型であり、シロップ剤も小児あるいは嚥
下障害のある患者等には有用な剤型であり、イブプロフ
ェンについてこの剤型が適用できないのは不便である。
【0004】一般に、薬物の不快な味を隠蔽する方法と
しては、ワックスや水不溶性高分子物質などの口中で溶
解しにくい物質を粒状製剤にコーティングする方法があ
る。しかし、従来の方法によりマスキングを施した製剤
は、服用したときに口中でざらつき感等の不快感があ
り、また製造時に有機溶媒を使用することが多いため、
その残留の危険性も完全には否定できなかった。
【0005】また、イブプロフェンの刺激的な苦みの隠
蔽には、水酸化アルミニウムの添加(特開昭63−10
1321号広報)や胃溶性高分子化合物でイブプロフェ
ンを錬合し細粒剤や散剤を製造する方法(特開平3−8
3922号広報)などがあるが、その効果はいまだ十分
なものではない。
【0006】さらに、イブプロフェンは水にほとんど溶
けず、不快な味、刺激感あるいは特有なにおいを有する
ため、シロップ剤及びドリンク剤等の液剤に配合するこ
とは考えられなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
ような問題点が提起されている現状において、イブプロ
フェンの経口投与製剤について、その不快な味、刺激感
及び特有なにおいが隠蔽され、容易に嚥下・服用するこ
とができるような剤型を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決すべく、イブプロフェン含有製剤につい
て、経口投与する際に容易に嚥下・服用可能な剤型とし
て、より効果的なものを種々検討してきた。その結果、
イブプロフェンにゲル化剤を添加することでゼリー状の
製剤としたり、さらにゼリー状製剤を乾燥し、固形状
(板状)にしたり又はこの固形状の物を粉末化したり、
さらにはこの粉末を水に懸濁することで、これらの問題
を解決することが可能となることをみいだし、本発明を
完成させた。
【0009】すなわち、本発明はイブプロフェンにゲル
化剤を添加することにより、イブプロフェンの不快な
味、刺激感及び特有なにおいが隠蔽された、ゼリー状の
製剤を調製することができる。
【0010】また、本発明のゼリー状製剤を乾燥(凍結
乾燥等)することにより、イブプロフェンの不快な味、
刺激感及び特有なにおいを隠蔽させたまま固形状(板
状)の製剤にしたり、この固形状製剤を粉砕して粉末状
の製剤にすることも可能である。
【0011】さらに、この粉末状の製剤は、水に懸濁可
能であり、シロップ剤等として使用可能であり、また発
泡による分散懸濁化を意図とした発泡剤との併用あるい
は発泡成分との配合製剤にも利用可能なものである。
【0012】本発明におけるイブプロフェンは、0.1
〜20重量%を含有し、ゲル化剤は0.1〜25重量%
を含有するものがよい。
【0013】本発明の製剤に使用するゲル化剤として
は、多糖類又はペプチド類を用いることができ、特にア
ルギン酸又はその塩(たとえば、ナトリウム塩)、カラ
ギーナン、グァーガム、カードラン、ゼラチン、寒天、
でんぷんなどが使用できる。これらの1種または2種以
上を組み合わせて用いることができる。なかでも、アル
ギン酸ナトリウム、カラギーナン、グァーガムが好まし
い。
【0014】本発明のゼリー状製剤には、上記成分以外
にさらに適当量の甘み成分、香味剤を加えることができ
る。香味剤としては、通常、食品に用いられるものが使
用できる。
【0015】さらに抗菌剤を加えることにより、製剤の
安定性を向上させることができる。抗菌剤としては、安
息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、p−ヒドロキ
シ安息香酸メチル及びp−ヒドロキシ安息香酸プロピル
などを使用することができる。
【0016】また、本発明のゼリー状製剤は、ゲル化剤
としてカードランを用いることにより、耐熱性の易嚥下
性イブプロフェン含有ゼリー状製剤とすることができ
る。この製剤は耐熱性のため、オートクレーブによる1
15℃、30分の滅菌を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により詳細
に説明する。なお、本発明の易嚥下性イブプロフェン含
有製剤は実施例に記載された処方例に限定されるもので
はない。
【0018】(実施例1) (1)処方 成 分 配合量(重量%) グループA イブプロフェン 15.0 グァーガム 1.0 精製水 適 量 グループB カラギーナン 1.0 乳酸カルシウム 0.009 ソルビン酸カリウム 0.1112 白糖 10.0 精製水 適 量
【0019】(2)調製法 上記成分及び分量を用いてゼリー状の易嚥下性イブプロ
フェン含有製剤を調製した。すなわち、ゲル化剤として
グァーガムを適量の精製水に溶解させ、さらにイブプロ
フェンを加えて攪拌し分散させてグループAを調製し
た。別に、カラギーナンを適量の精製水に添加し100
℃に加温して溶解し、さらに白糖及び他の添加剤を加え
て攪拌し溶解させてグループBを調製した。グループA
とグループBの比率が1:9となるように混合し、冷却
して本発明の製剤を得た。
【0020】(実施例2) (1)処方 成 分 配合量(重量%) グループA イブプロフェン 15.0 アルギン酸ナトリウム 2.5 精製水 適 量 グループB カラギーナン 1.0 乳酸カルシウム 0.009 ソルビン酸カリウム 0.1112 白糖 10.0 精製水 適 量
【0021】(2)調製法 上記成分及び分量を用いてゼリー状の易嚥下性イブプロ
フェン含有製剤を調製した。すなわち、ゲル化剤として
アルギン酸ナトリウムを適量の精製水に溶解させ、さら
にイブプロフェンを加えて攪拌し分散させてグループA
を調製した。別に、カラギーナンを適量の精製水に添加
し100℃に加温して溶解し、さらに白糖及び他の添加
剤を加えて攪拌し溶解させてグループBを調製した。グ
ループAとグループBの比率が1:9となるように混合
し、冷却して本発明の製剤を得た。
【0022】(実施例3) (1)処方 成 分 配合量(重量%) イブプロフェン 1.5 カードラン 1.0 白糖 10.0 精製水 適 量
【0023】(2)調製法 上記成分及び分量を用いてゼリー状の易嚥下性イブプロ
フェン含有製剤を調製した。すなわち、精製水に白糖を
10%となるように溶解しカードランを加え、約500
0rpm/minで攪拌しながら加温してゲルを調製する。こ
こにイブプロフェンを加えてさらに攪拌し、均一な分散
液を調製する。必要ならば減圧脱気をして容器に充てん
し、沸騰水浴中にてゲル化させ、オートクレーブにて1
15℃、30分の滅菌をして、本発明の製剤を得た。
【0024】(実施例4)(実施例1)で得られたゼリ
ー状製剤を凍結乾燥することにより脱水し、本発明の固
形状(板状)の易嚥下性イブプロフェン含有製剤を得
た。
【0025】(実施例5)(実施例2)で得られたゼリ
ー状製剤を凍結乾燥することにより脱水し、本発明の固
形状(板状)の易嚥下性イブプロフェン含有製剤を得
た。
【0026】(実施例6)(実施例3)で得られたゼリ
ー状製剤を凍結乾燥することにより脱水し、本発明の固
形状(板状)の易嚥下性イブプロフェン含有製剤を得
た。
【0027】(実施例7)(実施例4)で得られた固形
状製剤を粉砕することで、粉末状の易嚥下性イブプロフ
ェン含有製剤を得た。この粉末は水に懸濁可能であっ
た。
【0028】(実施例8)(実施例5)で得られた固形
状製剤を粉砕することで、粉末状の易嚥下性イブプロフ
ェン含有製剤を得た。この粉末は水に懸濁可能であっ
た。
【0029】(実施例9)(実施例6)で得られた固形
状製剤を粉砕することで、粉末状の易嚥下性イブプロフ
ェン含有製剤を得た。この粉末は水に懸濁可能であっ
た。
【0030】上記の実施例1〜3から得られたゼリー状
製剤、実施例4〜6から得られた固形状(板状)製剤及
び実施例7〜9から得られた粉末状製剤及びこの粉末を
水に懸濁した液(イブプロフェンとして150mg相当
の粉末を水180mlに懸濁した液)について味、刺激
及びにおいについて感応試験を行ったところ、イブプロ
フェンによる味、刺激及びにおいは感じられないことが
わかった。試験結果を下記の表1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、イブプロフェンに
ゲル化剤を添加し、ゼリー状製剤としたり、このゼリー
状製剤を乾燥し、固形状(板状)製剤にしたり又はこの
固形状製剤を粉末化したり、さらにはこの粉末を水に懸
濁することで、イブプロフェンの原末の有する不快な
味、刺激感及び特有なにおいを隠蔽することが可能で、
容易に嚥下・服用可能な経口投与製剤が提供できるよう
になった。
フロントページの続き (72)発明者 山我 洋 東京都武蔵村山市本町二丁目11番9号 有 限会社ナックコーポレーション内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イブプロフェン及びゲル化剤を含有
    し、イブプロフェンが有する不快な味、刺激感及び特有
    なにおいを隠蔽したゼリー状の易嚥下性イブプロフェン
    含有製剤。
  2. 【請求項2】 イブプロフェンとして0.1〜20
    重量%を含有する請求項1記載のゼリー状の易嚥下性イ
    ブプロフェン含有製剤。
  3. 【請求項3】 ゲル化剤として多糖類又はペプチド
    類を0.1〜25重量%含有する請求項1又は2記載の
    ゼリー状の易嚥下性イブプロフェン含有製剤。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載のゼリー状
    の易嚥下性イブプロフェン含有製剤を乾燥させた製剤
    で、イブプロフェンが有する不快な味、刺激感及び特有
    なにおいが隠蔽された固形状(板状)のイブプロフェン
    含有製剤。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の固形状(板状)のイ
    ブプロフェン含有製剤を粉砕した製剤で、イブプロフェ
    ンの有する不快な味、刺激感及び特有なにおいが隠蔽さ
    れた粉末状のイブプロフェン含有製剤。
JP34565496A 1996-12-25 1996-12-25 易嚥下性イブプロフェン含有製剤 Withdrawn JPH10182449A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6794411B1 (en) 1999-04-06 2004-09-21 Laboratoire Des Produits Ethiques Ethypharm Drinkable ibuprofen pharmaceutical suspension

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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Effective date: 20040302