JPH10182156A - ジルコニア粉末及びその製造法 - Google Patents

ジルコニア粉末及びその製造法

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JPH10182156A
JPH10182156A JP8338460A JP33846096A JPH10182156A JP H10182156 A JPH10182156 A JP H10182156A JP 8338460 A JP8338460 A JP 8338460A JP 33846096 A JP33846096 A JP 33846096A JP H10182156 A JPH10182156 A JP H10182156A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明では、このような従来方法における欠点
を解消した、成形性のよい、即ち、分散性がよく、か
つ、成形体密度の高いジルコニア粉末の提供;ならびに
そのジルコニア粉末を簡易なプロセスにより製造するこ
とのできる方法の提供を目的とするものである。 【解決手段】BET比表面積が1〜5m2/gであり、
かつ、(電子顕微鏡で測定される平均粒径)/(BET
比表面積)から求められる平均粒径の比が0.9〜2.
0の1次粒子からなるジルコニア粉末、及び、水和ジル
コニアゾルまたは該ゾルとY,Ca,Mg及びCeのう
ち少なくとも1種の化合物との混合物を仮焼してジルコ
ニア粉末を製造する方法において、水和ジルコニアゾル
の平均粒径φ(μm)が0.4〜2.0μmであり、該
ゾルを1000〜1500℃の範囲で、かつ、 200×φ+900≦T≦200×φ+1100 を満たす温度T(℃)で仮焼することを特徴とするジル
コニア粉末の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池用固体電
解質,酸素ポンプ,酸素センサー,NOxセンサー,遮
熱コーティング材等の機能性セラミックス、及び粉砕機
用部材,精密機械部品,光コネクター部品等の構造用セ
ラミックスに使用される、とくに成形性に優れたジルコ
ニア粉末及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ジルコニア粉末およびその製造法
としては、 ジルコニウム塩水溶液の加熱加水分解により得られる
粒径0.3μm以上の水和ジルコニアゾルを、1000
℃以下の温度で仮焼してジルコニア粉末を得る方法(特
公平4−72772公報)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、の方法で得
られるジルコニア粉末は、加熱加水分解で得られる粒径
0.3μm以上の水和ジルコニアゾルを1000℃以下
の温度で仮焼したものであるが、この方法で得られた粉
末は、1次粒子の内部に多くの気孔が存在するため、成
形時にその気孔が原因となって粒子−金型壁面間および
粒子間の摩擦が大きくなり、得られる成形体の密度が低
くなって、かつ、多数のラミネーション,割れおよびエ
ッジ部の欠けが発生するために成形しにくいものとな
る。
【0004】本発明では、このような従来方法における
欠点を解消した、成形性のよい、即ち、分散性がよく、
かつ、成形体密度の高いジルコニア粉末の提供;ならび
にそのジルコニア粉末を簡易なプロセスにより製造する
ことのできる方法の提供を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水和ジル
コニアゾルまたは該ゾルとジルコニア系セラミックスの
製造に常用されるイットリア,カルシア,マグネシア,
セリアなどの安定化剤との混合物を仮焼してジルコニア
粉末を得る際の水和ジルコニアの微細構造変化と分散性
とについて詳細に検討して、平均粒径0.4〜2.0μ
mの水和ジルコニアゾルを仮焼して得られるジルコニア
粉末のBET比表面積が1〜5m2/gになるように制
御するだけで、従来、得られていない、1次粒子間の強
固な凝集がない高分散性のジルコニア粉末が得られるこ
とを見い出し、本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明は、BET比表面積が1〜5
2/gであり、かつ、(電子顕微鏡で測定される平均
粒径)/(BET比表面積から求められる平均粒径)の
比が0.9〜2.0の1次粒子からなるジルコニア粉末
に関するものであり、水和ジルコニアゾルまたは該ゾル
とY,Ca,Mg及びCeのうち少なくとも1種の化合
物との混合物を仮焼してジルコニア粉末を製造する方法
において、水和ジルコニアゾルの平均粒径φ(μm)が
0.4〜2.0μmであり、該ゾルを1000〜150
0℃の範囲で、かつ、 200×φ+900≦T≦200×φ+1100 を満たす温度T(℃)で仮焼することによる、ジルコニ
ア粉末の製造法も要旨とするものである。以下、本発明
を更に詳細に説明する。
【0007】本明細書において、ジルコニア粉末に係わ
る「電子顕微鏡で測定される平均粒径」とは、電子顕微
鏡写真により観察される個々の1次粒子の大きさを面積
で読み取り、それを円形に換算して粒径を算出したもの
の平均値をいう。
【0008】「BET比表面積」は、吸着分子として窒
素を用いて測定したものをいう。「BET比表面積から
求められる平均粒径」とは、粒子の形状を球に換算して
BET比表面積および理論密度から算出される直径をい
う。この算出に使用する式は以下の様な式である。
【0009】 平均粒径=6/(BET比表面積×理論密度) (1) また、水和ジルコニアゾルに係わる「平均粒径」は、光
子相関法によるが、上記のジルコニア粉末と同様に電子
顕微鏡によって測定したものとほぼ同じ値を示す。
【0010】本発明のジルコニア粉末は、BET比表面
積が1〜5m2/gであることを必須とする。ジルコニ
ア粉末のBET比表面積が1m2/gよりも小さくなる
と焼結しにくいものとなり、また、5m2/gよりも大
きくなると粒子間の付着力が大きい凝集性の強い粉末と
なるために、成形しにくくセラミックス原料粉末に適さ
ないものとなる。好ましいBET比表面積は1〜4m2
/gであり、さらに好ましくは2〜4m2/gである。
【0011】また、本発明のジルコニア粉末の平均粒径
比は、0.9〜2.0でなければならない。この範囲に
あれば、電子顕微鏡の観察から1次粒子間の焼結がほと
んど見られず、かつ、粒子内部に存在する気孔が観測さ
れない緻密な1次粒子を形成している。等方性の緻密な
1次粒子であればこの比が1となるが、ジルコニア粉末
の粒子形状に歪みがあるため0.9〜2.0で緻密な1
次粒子となるのである。この比が0.9よりも小さくな
ると、電子顕微鏡により1次粒子間のネックが多数観察
され;このような硬い凝集粒子を多く含む粉末を成形す
ると、得られる成形体中に硬い凝集粒子がそのままの形
状で残り、それによって気孔径分布が広がるので成形体
密度が低下し、いっぽう、2.0よりも大きくなると、
ジルコニア粉末の分散性は見掛け上はよいものの、1次
粒子内部に数多くの気孔が存在するために成形体密度が
低下するからである。より望ましい平均粒径比は、1〜
1.5である。
【0012】水和ジルコニアゾルを仮焼して本発明のジ
ルコニア粉末を得るにあたっては、該水和ジルコニアの
平均粒径は、0.4〜2.0μmでなければならない。
水和ジルコニアゾルの平均粒径が0.5μmよりも小さ
くなると、下記の本発明の仮焼条件で得られるジルコニ
ア粉末のBET比表面積が5m2/gよりも大きくな
り、いっぽう、2.0μmよりも大きくなると1m2
gよりも小さくなるからである。より好ましい水和ジル
コニアゾルの平均粒径は0.5〜2.0μmであり、さ
らに望ましくは0.5〜1μmである。水和ジルコニア
ゾルの平均粒径φ(μm)が上記の範囲のいずれであっ
ても、その仮焼温度T(℃)は1000〜1500℃で
あって、かつ、 200×φ+900≦T≦200×φ+1100 を満足するものでなければならない。1000℃または
200×φ+900℃よりも低くなると、得られるジル
コニア粉末の前記平均粒径比が2.0よりも大きくな
り、いっぽう、1500℃または200×φ+1100
℃よりも高くなると、得られるジルコニア粉末の前記平
均粒径比が0.9よりも小さくなって、本発明の分散性
のよいジルコニア粉末が得られなくなるからである。よ
り好ましい仮焼温度は、1100〜1400℃である。
【0013】仮焼温度の保持時間は0.5〜10時間が
よく、昇温速度は0.5〜10℃/minが好ましい。
保持時間が0.5よりも短くなると均一に仮焼されにく
く、10時間よりも長くなると生産性が低下するので好
ましくない。また、昇温速度が0.5℃/minよりも
小さくなると設定温度に達するまでの時間が長くなり、
10℃/minよりも大きくなると仮焼時に粉末が激し
く飛散して操作性が悪くなり生産性が低下する。この仮
焼における雰囲気ガスは、一般に乾燥空気あるいは水蒸
気を含む空気とからなり、以上の条件はこの雰囲気の場
合のものである。
【0014】さらに、上記の水和ジルコニアゾルの平均
粒径及び仮焼温度の2条件の他に、仮焼して得られるジ
ルコニア粉末のBET比表面積S(m2/g)と水和ジ
ルコニアゾルの平均粒径φ(μm)との関係が、 1.7/S≦φ≦2.3/S を満足すれば、さらに成形体密度が高くなり、よりいっ
そう成形性に優れたジルコニア粉末になる。
【0015】上記の水和ジルコニアゾルは、平均粒径が
上記の範囲のものとして得られるものであれば、いかな
る反応条件で得られたものでもよい。例えば、ジルコニ
ウム塩水溶液の加水分解による場合、ジルコニウム塩の
加水分解で生成する水和ジルコニアゾルをジルコニウム
塩水溶液に添加して、反応終了時のH+濃度が0.1〜
0.6mol/リットルとなるように調整して加水分解
させると、得られる水和ジルコニアゾルの平均粒径はジ
ルコニウム塩溶液に添加されたものよりも大きくなるの
で、この一連の加水分解操作を繰り返し行うことによ
り、平均粒径0.4〜2.0μmの水和ジルコニアゾル
を得ることができる。ジルコニウム塩水溶液に添加する
水和ジルコニアゾルの最適添加量は、(ジルコニウム塩
+水和ジルコニアゾル)に対する水和ジルコニアゾルの
モル比率で表した場合、20〜80mol%である。ま
た、反応終了時のH+濃度を制御する方法としては、例
えば、ジルコニウム塩水溶液にアルカリまたは酸などを
添加する;陰イオン交換樹脂によりジルコニウム塩を構
成している陰イオンの一部を除去する;水酸化ジルコニ
ウムと酸との混合スラリーのH+濃度を調整して加水分
解させる方法などを挙げることができる。水和ジルコニ
アゾルの製造に用いられるジルコニウム塩としては、オ
キシ塩化ジルコニウム,硝酸ジルコニル,塩化ジルコニ
ウム,硫酸ジルコニウムなどを挙げることができるが、
この他に水酸化ジルコニウムと酸との混合物を用いても
よい。水和ジルコニアゾルの平均粒径を制御するために
添加するアルカリとしては、アンモニア,水酸化ナトリ
ウム,水酸化カリウムなどを挙げることができるが、こ
れらの他に尿素のように分解して塩基性を示す化合物で
もよい。また、酸としては塩酸,硝酸,硫酸を挙げるこ
とができるが、これらの他に酢酸,クエン酸などの有機
酸を用いてもよい。水和ジルコニアゾルの原料として水
酸化ジルコニウムを用いる場合、その製造法としては種
々の方法を選択することができ、ジルコニウム塩水溶液
をアルカリで中和することにより水酸化ジルコニウムを
得ることができる。
【0016】この反応によって得られた水和ジルコニア
ゾル含有液の乾燥方法に制限はなく、例えば、水和ジル
コニアゾルを含む懸濁液をそのまま、または該懸濁液に
有機溶媒を添加してスプレー乾燥する方法、該懸濁液に
アルカリなどを添加して濾過,水洗したあとに乾燥する
方法を挙げることができる。また、安定化剤の固溶して
いるジルコニア粉末を得るときには、水和ジルコニアゾ
ル含有液に安定化剤、例えば、Y,Ca,Mg,Ceな
どの化合物を添加して乾燥してもよく、あるいは加水分
解のときに前もって添加してもよい。また、必要に応じ
て安定化以外の金属化合物、例えば、Al,遷移金属,
希土類金属,アルカリ金属,アルカリ土類金属などの化
合物も上記と同様に添加してもよい。
【0017】以上のようにして得られた仮焼粉は、粒子
間の強固な凝集がほとんど起こっていないので、容易に
解砕するだけで分散性のよいジルコニア粉末になる。ま
た、解砕前後で、必要に応じて、上記のジルコニア粉末
に、アルミナ,シリカなどの焼結助剤、有機バインダー
などを添加してもよい。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが本発明はこれらの実施例により何等限定されるもの
でない。
【0019】実施例中、水和ジルコニアゾルの平均粒径
は、レーザー回折法により求めた。ジルコニア粉末の電
子顕微鏡で測定される平均粒径は、透過型電子顕微鏡を
用い、100個の1次粒子について画像解析処理を行っ
て求めた。BET比表面積から算出される平均粒径を求
めるのに必要なジルコニア粉末の理論密度は、各結晶相
の組成をX線回折図形の回折線のピーク強度によって求
め、下式によって算出した 理論密度=単斜相率×5.6+正方相率×6.1 ジルコニア粉末の成形は、金型プレスにより成形圧力7
00kgf/cm2で行った。得られた成形体は、15
00℃−2hの条件で焼結させた。
【0020】実施例1 0.2mol/リットルのZrOCl2水溶液10リッ
トルを調製して、加水分解反応を煮沸温度で100時間
行い、平均粒径0.25μmの水和ジルコニアゾルを得
た。その水和ジルコニアゾル含有液4リットルと0.2
mol/リットルのZrOCl2水溶液6リットルとを
混合して、煮沸温度で加水分解反応を60時間行い、さ
らに得られた水和ジルコニアゾル含有液と4リットルと
0.2mol/リットルのZrOCl2水溶液6リット
ルとを混合して加水分解反応を60時間行った。得られ
た水和ジルコニアゾルの平均粒径は、0.7μmであっ
た。
【0021】次に、水和ジルコニアゾル含有液に、YC
3を0.062mol添加して、スプレー乾燥させて
水和ジルコニアの乾燥粉末を調製した。得られた乾燥粉
末を水蒸気存在下の空気中で、1180℃の温度で2時
間仮焼した。得られた仮焼粉にアルミナを0.3重量%
添加したあと解砕した。
【0022】得られたジルコニア粉末は、BET比表面
積が2.5m2/gであり、単斜相10wt%および正
方相90wt%であって理論密度が6.05であり、ま
た電子顕微鏡により平均粒径は0.4μmであった(す
なわち、φ・S=1.8)。このBET比表面積及び理
論密度から、既述の(1)式より「BET比表面積から
求められる平均粒径」が、0.4μmと算出され、(電
子顕微鏡で測定される平均粒径)/(BET比表面積か
ら求められる平均粒径)の比が0.4μm/0.4μm
から1.0となり、分散性のよい粉末であることが観察
された。
【0023】次いで、上記で得られたジルコニア粉末を
用いて、成形体を作製したところ、成形体密度は2.8
8g/cm3であり、焼結体密度は、6.02g/cm3
であり、曲げ強度は122kgf/mm2であった。
【0024】実施例2 実施例1で得られた平均粒径0.7μmの水和ジルコニ
アゾル含有液4リットルと0.2mol/リットルのZ
rOCl2水溶液6リットルとを混合して、加水分解を
60時間行い、さらに得られた水和ジルコニアゾル含有
液と4リットルと0.2mol/リットルのZrOCl
2水溶液6リットルとを混合して加水分解を60時間行
った。得られた水和ジルコニアゾルの平均粒径は、1.
2μmであった。次に、水和ジルコニアゾル含有液に、
YCl3を0.062mol添加して、スプレー乾燥さ
せて水和ジルコニアの乾燥粉末を調製した。得られた乾
燥粉末を水蒸気存在下の空気中で、1260℃の温度で
2時間仮焼した。得られた仮焼粉にアルミナを0.3重
量%添加したあと解砕した。
【0025】得られたジルコニア粉末は、BET比表面
積が1.8m2/gであり、単斜相12wt%および正
方相88wt%であって理論密度が6.04であり、ま
た電子顕微鏡により平均粒径は0.6μmであった(す
なわち、φ・S=2.2)。このBET比表面積及び理
論密度から、既述の(1)式より「BET比表面積から
求められる平均粒径」が、0.55μmと算出され、
(電子顕微鏡で測定される平均粒径)/(BET比表面
積から求められる平均粒径)の比が0.6μm/0.5
5μmから1.1となり、分散性のよい粉末であること
が観察された。
【0026】次いで、上記で得られたジルコニア粉末を
用いて、成形体を作製したところ、成形体密度は2.8
9g/cm3であり、焼結体密度は、6.00g/cm3
であり、曲げ強度は109kgf/mm2であった。
【0027】実施例3 0.1mol/リットルのZrOCl2水溶液10リッ
トルを調製して、加水分解反応を煮沸温度で70時間行
い、平均粒径0.13μmの水和ジルコニアゾルを得
た。その水和ジルコニアゾル含有液5リットルと0.1
mol/リットルのZrOCl2水溶液5リットルとを
混合して、煮沸温度で加水分解反応を50時間行い、さ
らに得られた水和ジルコニアゾル含有液と5リットルと
0.1mol/リットルのZrOCl2水溶液5リット
ルとを混合して加水分解反応を50時間行った。得られ
た水和ジルコニアゾルの平均粒径は、0.5μmであっ
た。次に、水和ジルコニアゾル含有液に、YCl3
0.031mol添加して、スプレー乾燥させて水和ジ
ルコニアの乾燥粉末を調製した。得られた乾燥粉末を水
蒸気存在下の空気中で、1090℃の温度で2時間仮焼
した。得られた仮焼粉にアルミナを0.3重量%添加し
たあと解砕した。
【0028】得られたジルコニア粉末は、BET比表面
積が3.9m2/gであり、単斜相11wt%および正
方相89wt%であって理論密度が6.05g/cm3
であり、また電子顕微鏡により平均粒径は0.26μm
であった(すなわち、φ・S=2.0)。
【0029】このBET比表面積及び理論密度から、既
述の(1)式より「BET比表面積から求められる平均
粒径」が、0.25μmと算出され、(電子顕微鏡で測
定される平均粒径)/(BET比表面積から求められる
平均粒径)の比が0.26μm/0.25μmから1.
0となり、分散性のよい粉末であることが観察された。
【0030】次いで、上記で得られたジルコニア粉末を
用いて、成形体を作製したところ、成形体密度は2.8
6g/cm3であり、焼結体密度は、6.01g/cm3
であり、曲げ強度は118kgf/mm2であった。
【0031】比較例1 実施例1の仮焼温度を800℃に設定した以外は、同様
の条件で行った。得られたジルコニア粉末は、BET比
表面積が24m2/gであり、単斜相9wt%および正
方相91wt%であって理論密度が6.06g/cm3
であり、また電子顕微鏡により平均粒径は0.6μmで
あつた(すなわち、φ・S=17)。
【0032】このBET比表面積及び理論密度から、既
述の(1)式より「BET比表面積から求められる平均
粒径」が、0.041μmと算出され、(電子顕微鏡で
測定される平均粒径)/(BET比表面積から求められ
る平均粒径)の比が0.6μm/0.041μmから1
5となり、1次粒子内部に多数の気孔が観察された。
【0033】次いで、上記で得られたジルコニア粉末を
用いて、成形体を作製したところ、成形体密度は2.5
5g/cm3であり、焼結体密度は、5.95g/cm3
であり、曲げ強度は90kgf/mm2であった。
【0034】比較例2 仮焼温度を1600℃に設定して粉砕した以外は、実施
例1と同様の条件で行った。得られたジルコニア粉末
は、BET比表面積が0.5m2/gであり、単斜相4
5wt%および正方相55wt%であって理論密度が
5.90g/cm3であり、また電子顕微鏡により平均
粒径は0.4μmであつた(すなわち、φ・S=0.3
5)。
【0035】このBET比表面積及び理論密度から、既
述の(1)式より「BET比表面積から求められる平均
粒径」が、2.03μmと算出され、(電子顕微鏡で測
定される平均粒径)/(BET比表面積から求められる
平均粒径)の比が0.4μm/2.03μmから0.2
0となり、1次粒子間の凝集及びネックが多数観察され
た。
【0036】次いで、上記で得られたジルコニア粉末を
用いて、成形体を作製したところ、成形体密度は2.5
8g/cm3であり、焼結体密度は、5.49g/cm3
であり、曲げ強度は52kgf/mm2であった。
【0037】
【発明の効果】以上、説明したとおり、本発明のジルコ
ニア粉末は、分散性がよく、かつ、成形体密度が高いの
で、成形性に優れている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】BET比表面積が1〜5m2/gであり、
    かつ、(電子顕微鏡で測定される平均粒径)/(BET
    比表面積から求められる平均粒径)の比が0.9〜2.
    0の1次粒子からなるジルコニア粉末。
  2. 【請求項2】水和ジルコニアゾルまたは該ゾルとY,C
    a,Mg及びCeのうち少なくとも1種の化合物との混
    合物を仮焼してジルコニア粉末を製造する方法におい
    て、水和ジルコニアゾルの平均粒径φ(μm)が0.4
    〜2.0μmであり、該ゾルを1000〜1500℃の
    範囲で、かつ、 200×φ+900≦T≦200×φ+1100 を満たす温度T(℃)で仮焼することを特徴とする請求
    項1記載のジルコニア粉末の製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000185919A (ja) * 1998-10-01 2000-07-04 Tosoh Corp ジルコニア微粉末及びその製造方法
JP2005100816A (ja) * 2003-09-25 2005-04-14 Kyocera Corp 燃料電池セルの製法
JP2013091585A (ja) * 2011-10-26 2013-05-16 Tosoh Corp ジルコニア粉末及びその製造方法並びにその用途

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