JPH10180266A - 無電解ニッケルめっきのめっき廃液処理方法 - Google Patents

無電解ニッケルめっきのめっき廃液処理方法

Info

Publication number
JPH10180266A
JPH10180266A JP34921896A JP34921896A JPH10180266A JP H10180266 A JPH10180266 A JP H10180266A JP 34921896 A JP34921896 A JP 34921896A JP 34921896 A JP34921896 A JP 34921896A JP H10180266 A JPH10180266 A JP H10180266A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plating
phosphorus
treatment
waste liq
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34921896A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshimasa Ozaki
吉方 尾崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamato Electric Ind Co Ltd
Original Assignee
Yamato Electric Ind Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamato Electric Ind Co Ltd filed Critical Yamato Electric Ind Co Ltd
Priority to JP34921896A priority Critical patent/JPH10180266A/ja
Publication of JPH10180266A publication Critical patent/JPH10180266A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】無電解ニッケルめっきの濃厚めっき廃液を対象
に、処理方法が簡単で、特に、りんの除去率がよく、比
較的小規模な設備で、効率的に処理が行え、りん、CO
D、BOD等を一般工場排水との混合排水処理を可能と
するまでに低減させる廃液処理方法を提供する。 【解決手段】めっき廃液を50〜80%濃度好ましくは
75%濃度の硫酸の添加攪拌によりpH0.5〜1.5
好ましくはpH0.5〜0.8の高酸状態とした後、3
0〜50%の消石灰等石灰液の添加攪拌により、pHを
10〜12とすることにより、めっき廃液中のりんをり
ん酸カルシウムの沈殿物として除去する処理方法を、ま
た、前記めっき廃液に予めパラジウム等ニッケル析出促
進剤を添加して自己分解により強制的に金属ニッケルを
沈殿させ、次亜りん酸をカルシウムと反応し易い亜りん
酸に変えておく処理方法を提案する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無電解めっきの廃液
処理方法に関し、特に、廃液からりんを除去するための
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】次亜りん酸塩を還元剤とする無電解ニッ
ケルめっきは、電子部品や機械部品等に広く利用されて
おり、めっき液としては、ニッケル塩と次亜りん酸塩を
主体に、錯化剤、pH調整剤、反応促進剤等が補助剤と
して添加された酸性浴またはアルカリ性浴が用いられ、
特に、金属ニッケルを4〜5g/lを含むpH4〜5の
酸性浴が多用されている。
【0003】そして、この酸性浴による無電解ニッケル
めっきの廃液には、ニッケル塩、次亜りん酸塩、錯化
剤、pH調整剤の他、分解生成物として多量の亜りん酸
塩及び硫酸塩が含まれており、pHの他、含まれている
ニッケル、COD、BOD、りん、硫酸塩の点からその
放流が規制されている。りんの場合、 通常その酸性め
っき廃液には、20〜40g/lを含むが、その放流規
制値は、例えば、湖沼に関係しては16mg/l以下と
されている。
【0004】このような、無電解ニッケルめっきのめっ
き廃液の処理方法においては、例えば、めっき廃液に水
酸化カルシウムを添加してpHを10〜12に調整し、
ニッケルや硫酸塩を沈殿させた後、処理液を攪拌しなが
ら強酸化剤である次亜塩素酸塩または過酸化水素を添加
し、次亜りん酸を亜りん酸塩に転化させ、亜りん酸塩は
またりん酸カルシウムとして沈殿させて濾過する中間処
理方法が行われている。なお、その濾過液については、
希硫酸で6〜7のpHに中和し、水で希釈してCODを
低減させて放流するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法においては、処理方法が複雑で、反応の管理が難
しく、また、処理に比較的時間がかかることから、時間
当たりの処理廃液量に換算しての処理能力が低いという
問題があった。さらに、処理廃液量に対する処理薬品経
費が高いこと、処理設備が比較的大規模になり易いこと
等、経済性に問題があった。
【0006】従って、本発明は、処理能力が高く、比較
的小規模な設備で無電解ニッケルめっきの濃厚めっき廃
液の処理が行える経済性の高いめっき廃液処理方法の提
供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、めっき廃液を50〜80%濃度の硫酸の
添加攪拌によりpHを0.5〜1.5の高酸状態とした
後、30〜50%濃度の石灰液によりpH10〜12と
することにより、前記めっき廃液中のりんをりん酸カル
シウム沈殿物として除去することを特徴とする無電解ニ
ッケルめっきのめっき廃液の処理方法を、また、予め、
前記めっき廃液にニッケル析出促進剤を添加して自己分
解によりニッケルを強制析出させておくことを特徴とす
る無電解ニッケルめっきのめっき廃液の処理方法を、さ
らに、前記高酸状態がpH0.5〜0.8であることを
特徴とする無電解ニッケルめっきのめっき廃液処理方法
を、またさらに、前記硫酸が約75%濃度の硫酸である
ことを特徴とする無電解ニッケルめっきのめっき廃液処
理方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明を図1のフローシートに従
って説明する。本発明においては、好ましくは、めっき
廃液を自己分解処理に供する。自己分解処理とは、パラ
ジウムをニッケル析出促進剤として、例えば、塩化パラ
ジウムを塩酸酸性溶液に溶解してパラジウムが0.00
1〜0.1%含まれる溶液とし、処理液量に対して、こ
の溶液を3〜10cc/lの割合で添加することによ
り、ニッケルイオンの次亜りん酸塩による還元を強制的
に進行させる処理であって、ニッケルイオンは金属ニッ
ケルとして析出沈殿し、めっき廃液中の次亜りん酸塩は
消費されてカルシウムと反応し易い亜りん酸塩に変わ
る。
【0009】前記自己分解処理を行った後、めっき廃液
を、攪拌機とpH計と温度計を備える処理槽にポンプ移
送し、50〜80%濃度の硫酸を、好ましくは75%濃
度の硫酸を添加してpHを0.5〜1.5、好ましく
は、0.5〜0.8とする。高濃度硫酸の添加は発熱を
伴うことから、めっき廃液を攪拌しながら少量づつ添加
する。
【0010】めっき廃液をpH0.5〜1.5の高酸液
とすることにより、後の石灰液によるアルカリ化におい
て、りん酸カルシウムの生成が促進される。硫酸は、濃
度が50%を下回ると、効果の点から液量を多量に要
し、処理設備も大規模化し、濃度が80%を上回ると、
添加効果以上に危険物としての硫酸液の取扱いが問題と
なる。反応性と経済性と安全性の観点から、好ましい硫
酸濃度は約75%である。なお、pHの制御の点から
は、他の塩酸等の使用も可能であるが、取扱性や反応時
のガス発生を考慮すると、実際的には、硫酸の使用が好
ましい。
【0011】pHが1.5以下の所定値に達した後、さ
らに、5〜10分間攪拌した後、処理槽内の高酸のめっ
き廃液に、30〜50%の水酸化カルシウム等石灰液を
添加し、pH10〜12とする。この石灰液の添加にお
いても、発熱やガス発生がみられるので、めっき廃液の
攪拌状態において、徐々に添加を行うことにより、残存
ニッケルを水酸化ニッケルとし、りんを沈降性のよいり
ん酸カルシウムの沈殿物とすることができる。
【0012】石灰液濃度は30%を下回ると、添加効果
の点から、使用量が多量となり、設備を大とする必要が
あり、50%を上回ると、スラリーの粘度を増すので、
ポンプ容量を大にする等取扱いが問題となる。なお、石
灰液としては水酸化カルシウムが反応性の点から好まし
いが、上記濃度に見合う量の酸化カルシウムスラリーの
添加であってもよい。
【0013】前記のように、めっき廃液をpH0.5〜
1.5、特に、0.5〜0.8の高酸状態とすることに
より、りんの除去率が向上し、沈殿物の沈降性がよく、
作業性が向上することの理由は必ずしも明らかではない
が、高酸状態で、亜りん酸の分解が進み、りん酸イオン
の生成が促進されるものと考えられ、次工程のカルシウ
ムイオンとの反応による沈降性のよいりん酸カルシウム
の生成が促進されるものと考えられる。
【0014】上記の処理により生成した沈殿物を含む処
理槽中のスラリー液は、スラリーポンプによりフィルタ
ープレスに移送して生成沈殿物を濾過する。生成沈殿物
は前記のように、水酸化ニッケルと共に、りんの殆どを
りん酸カルシウム態として含むものであり、濾液におけ
るりんの濃度は1/12〜1/30程度に低減する。め
っき廃液について自己分解処理を行わなかった場合で
も、りんの濃度は1/7〜1/13に低減するものであ
る。処理液のCOD及びBODもまたこのりんの除去に
伴ってめっき廃液の場合の1/2〜1/3に大幅に低減
する。
【0015】前記フィルタープレスからのスラッジを分
離した後の濾液は滞留槽にとり、さらに、一般排水ピッ
トに移送し、一般排水処理工程において工場の一般排水
と一緒に処理し、工場排水として放流する。
【0016】本発明により、濃厚無電解ニッケルめっき
廃液を対象とし、処理前の廃液中のりん濃度に対して、
処理後の処理水中のりん濃度を、1/7〜1/13に低
下させることができ、また、予め、自己分解処理した廃
液においては、処理後の排水中のりん濃度を1/12〜
1/30に低減させることが可能になる。これにより、
高濃度無電解ニッケルめっき廃液を、処理後、工場排水
の排水処理工程に添加処理し、一般排水処理として処理
することが可能になる。
【0017】本発明のめっき廃液処理は、石灰液の投入
時のりん酸カルシウムの沈降性がよく、全体としても作
業性がよく、2〜3時間/回のバッチ方式で処理が行え
るので、めっき廃液が例えば5000l/日以下の量で
あれば、約1800l容量の処理槽により、日中処理が
可能であり、さらに、大量の液処理を必要とする場合、
デカンター式による半連続処理も可能である。
【0018】
【実施例】試験実施例1 無電解ニッケルめっきのめっき廃液を100l処理槽に
とり、上記の処理法に従って、75%濃度の濃硫酸を用
い、pHを0.7とし、次いで、40%濃度の水酸化カ
ルシウム液を添加してpHを11に処理し、濾過により
沈殿物の分離処理をした。処理前のめっき廃液と処理後
の濾液におけるりん濃度とCOD濃度を表1に示した。
即ち、りん濃度は1/7〜1/13程度に低下し、CO
D濃度は1/2〜1/3程度に低下した。
【0019】
【表1】
【0020】試験実施例2 無電解ニッケルめっきのめっき廃液を100l処理槽に
とり、予め、塩化パラジウムによる0.05%パラジウ
ム溶液を700cc添加し、85〜90℃の温度で自己
分解処理を行わせた後、処理液を一旦常温まで冷却し、
試験実施例1と同様の条件で高酸性化処理及び高アルカ
リ化処理を行い、濾過処理を行った。処理前のめっき廃
液と処理後の濾液におけるりん濃度を表2に示した。即
ち、自己分解処理を行った場合、りん濃度は1/21〜
1/28程度に低下した。
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、次の効
果を奏する。高濃度のりんを含む濃厚めっき廃液を対象
として処理し、りん濃度を当初の1/7〜1/30に低
減させ、一般工場排水処理に供給して一般排水として処
理することができる。また、基本的にpHを管理するだ
けで濃厚めっき廃液を処理することができることから、
処理方法が簡単である。さらに、反応が短時間で終了す
ることから、処理時間が短く、時間当たりの処理廃液量
に換算しての処理能力がよくなるという利点がある。し
たがってまた、設備が比較的小規模で済み、経済性が高
い。そしてまた、使用硫酸の濃度を75%とすることに
より、バランスがとれたより効率的な処理が行え、ま
た、めっき廃液を0.5〜0.8のpH範囲とすること
により、特に、りんの除去率がより向上するという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のめっき廃液処理方法のフローシートで
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき廃液を50〜80%濃度の硫酸の
    添加攪拌によりpH0.5〜1.5の高酸状態とした
    後、30〜50%濃度の石灰液の添加攪拌により、pH
    を10〜12とすることにより、前記めっき廃液中のり
    んをりん酸カルシウム沈殿物として除去することを特徴
    とする無電解ニッケルめっきのめっき廃液処理方法。
  2. 【請求項2】 予め、前記めっき廃液にニッケル析出促
    進剤を添加して自己分解によりニッケルを強制析出させ
    ておくことを特徴とする請求項1記載の無電解ニッケル
    めっきのめっき廃液処理方法。
  3. 【請求項3】 前記高酸状態がpH0.5〜0.8であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の無電解ニッ
    ケルめっきのめっき廃液処理方法。
  4. 【請求項4】 前記硫酸が約75%濃度の硫酸であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3記載の無電解ニッケルめ
    っきのめっき廃液処理方法。
JP34921896A 1996-12-27 1996-12-27 無電解ニッケルめっきのめっき廃液処理方法 Pending JPH10180266A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34921896A JPH10180266A (ja) 1996-12-27 1996-12-27 無電解ニッケルめっきのめっき廃液処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34921896A JPH10180266A (ja) 1996-12-27 1996-12-27 無電解ニッケルめっきのめっき廃液処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10180266A true JPH10180266A (ja) 1998-07-07

Family

ID=18402284

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34921896A Pending JPH10180266A (ja) 1996-12-27 1996-12-27 無電解ニッケルめっきのめっき廃液処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10180266A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100839828B1 (ko) 2007-12-31 2008-06-19 홍성수 폐절삭유의 유수분리방법
CN102173547A (zh) * 2011-03-29 2011-09-07 苏州市环境工程有限责任公司 电镀企业含镍污泥的资源化回收工艺
JP2013181893A (ja) * 2012-03-02 2013-09-12 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 排水中に含まれるニッケルの検出方法
CN106669658A (zh) * 2016-12-13 2017-05-17 东江环保股份有限公司 废水处理催化剂及其制备方法、废水处理方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100839828B1 (ko) 2007-12-31 2008-06-19 홍성수 폐절삭유의 유수분리방법
CN102173547A (zh) * 2011-03-29 2011-09-07 苏州市环境工程有限责任公司 电镀企业含镍污泥的资源化回收工艺
JP2013181893A (ja) * 2012-03-02 2013-09-12 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 排水中に含まれるニッケルの検出方法
CN106669658A (zh) * 2016-12-13 2017-05-17 东江环保股份有限公司 废水处理催化剂及其制备方法、废水处理方法
CN106669658B (zh) * 2016-12-13 2019-12-03 东江环保股份有限公司 废水处理催化剂及其制备方法、废水处理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20130168314A1 (en) Method for Treating Wastewater Containing Copper Complex
CZ297172B6 (cs) Zpusob zpracování kalu vznikajícího pri zpracování odpadních vod
CN105601036A (zh) 基于臭氧氧化及生化技术处理化学镀镍废水的方法
JP4584185B2 (ja) ホウ素含有排水の処理方法及び処理装置
JP5628704B2 (ja) 無電解ニッケルめっき廃液の処理方法
JPH10180266A (ja) 無電解ニッケルめっきのめっき廃液処理方法
EP0922678A1 (en) Waste treatment of metal plating solutions
US10550026B2 (en) Method for treating ammonia-containing water
CN110981031A (zh) 化学镍废水处理方法
JP2004261640A (ja) 排水の脱リン方法
JP5720722B2 (ja) 難生物分解性有機物含有水の処理方法及び処理装置
CA2450345C (en) A method for the removal of metals from an aqueous solution using lime precipitation
JP5507318B2 (ja) 金属イオン含有排水の処理方法
JPH05337474A (ja) 重金属含有排水の処理方法
JP2833466B2 (ja) 金属含有排水の処理方法
JP2002346574A (ja) ホウ素含有水の処理方法
WO2015155866A1 (ja) 銅含有廃水の処理方法及び処理装置
JP7358202B2 (ja) 排水処理方法および排水処理システム
CN113651411B (zh) 一种磁催化氧化除磷工艺及除磷系统
JPH0487685A (ja) 亜鉛めっき廃液の処理方法
JP4106976B2 (ja) クロム含有排水の処理方法
JP2834082B2 (ja) アンチモン含有水の処理方法
JP2001129560A (ja) リン含有水の処理方法及び装置
JPH09176861A (ja) 無電解ニッケルめっき老化液の処理方法
JP2001070951A (ja) リン含有水の処理方法