JPH10180224A - 廃棄物焼却飛灰中の重金属固定化剤及び無害化処理方法 - Google Patents

廃棄物焼却飛灰中の重金属固定化剤及び無害化処理方法

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JPH10180224A
JPH10180224A JP8349596A JP34959696A JPH10180224A JP H10180224 A JPH10180224 A JP H10180224A JP 8349596 A JP8349596 A JP 8349596A JP 34959696 A JP34959696 A JP 34959696A JP H10180224 A JPH10180224 A JP H10180224A
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melamine resin
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JP8349596A
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Mikio Tsuchida
美喜夫 土田
Michio Suzuki
三千雄 鈴木
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Nissan Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 都市ゴミ、産業廃棄物などの廃棄物を焼
却炉で焼却した際に排出されるアルカリ性飛灰中の有害
重金属を固定化して溶出防止に有効な廃棄物の処理方法
を提供するものである。 【解決手段】 本願発明は、(A)成分:スルホン化メ
ラミン樹脂のマグネシウム塩又はカルシウム塩と、
(B)成分:キレート化剤を含有する廃棄物焼却飛灰中
の重金属固定化剤である。廃棄物焼却飛灰100重量部
に水20〜100重量部、(A)成分のスルホン化メラ
ミン樹脂のマグネシウム塩又はカルシウム塩1〜20重
量部及び(B)成分のキレート化剤0.1〜5重量部を
添加した後、70〜120℃の温度で加熱と混練を行う
廃棄物焼却飛灰中の重金属の固定化処理方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ゴミ、産業廃
棄物などの廃棄物を焼却炉で焼却した際に排出されるア
ルカリ性飛灰中の有害重金属を固定化して溶出防止に有
効な廃棄物の処理方法に関するものである。特にカルシ
ウム水酸化物、カルシウム酸化物、カルシウム塩化物等
のカルシウム化合物を含み、鉛の溶出制御が困難な廃棄
物焼却飛灰中の鉛等の有害重金属を固定化して溶出防止
に有効な廃棄物の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ゴミや産業廃棄物等の廃棄物を焼却
炉で焼却した際に発生する塩酸ガスを抑制する目的で、
消石灰を排ガス洗浄に使用する。この様な運転条件下で
生成する電気集塵器捕集飛灰やバグフィルター捕集飛灰
はアルカリ性飛灰である。従来、分子量1万以下のキレ
ート樹脂が廃棄物焼却飛灰中の重金属の固定化に用いら
れているが、固形化時の造粒強度アップが困難であるこ
とや、廃棄物焼却飛灰のスラリーがpH12以上の高い
pHを有しているので、酸化鉛がヘキサヒドロキソ鉛酸
イオン〔Pb(OH)62-又はPbOO2-を形成しキ
レート樹脂では除去が不完全となるので、セメント固化
体からの上記イオンの溶出を十分に防止できない。ま
た、キレート樹脂を用いる方法では有害ガスの発生も見
られ好ましくない。
【0003】特開平6−134436号公報では飛灰に
pH調整用の硫酸を添加してpH12以下として、2価
鉄を加えフェライトを形成し鉛等の重金属をフェライト
中に固化して重金属の溶出を防止する方法が開示されて
いる。特開平8−103747号公報では飛灰に水を添
加し、更に硫酸第一鉄を飛灰に対して30重量%以上添
加して撹拌と加熱によりフェライトを形成し鉛等の重金
属をフェライト中に固化して重金属の溶出を防止する方
法が開示されている。
【0004】特開平8−155416号公報では飛灰に
ゲル化剤(例えば、ミョウバン)を加え、次に別の水ガ
ラス溶液を添加して混練する方法が開示されている。特
開平6−182318号公報では飛灰にメチロール化チ
オ尿素を含む水溶液を用いて造粒し、100℃以下で乾
燥した後120〜150℃で加熱固化する方法が開示さ
れている。
【0005】特開平7−75768号公報では脂肪族ポ
リアミンのジチオカルバミン酸誘導体又はそれらの塩か
らなる重金属キレート化剤と、メラミンスルホン酸塩ホ
ルマリン縮合物やナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮
合物等の界面活性作用を有する高分子からなる混合助剤
とを使用する無害化処理方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開平6−13443
6号公報に記載の方法では、pH調整用に添加した硫酸
により反応熱が発生し、また硫化水素などの有害ガスも
発生するので排ガス処理の問題がある。特開平8−10
3747号公報に記載の方法では、硫酸第一鉄の添加に
より3割以上の重量が増加するので、添加量は少量であ
ることが望まれるが硫酸第一鉄の添加量が30重量%以
下では鉛の溶出を防止する事が出来ない。
【0007】特開平8−155416号公報に記載の方
法でも、やはり鉛の溶出量は1ppm以上であり、溶出
防止には不完全である。特開平6−182318号公報
に記載の方法では、100℃以上の高温で加熱処理する
必要があるので加圧スチーム等を使用するという設備的
な問題がある。またメチロール化チオ尿素を主成分とす
る水溶液の代わりにチオ尿素単独でも重金属捕捉力はあ
るが、チオ尿素は高分子でないので造粒助剤にはならな
いため、嵩比重の小さな処理物となり飛散の危険性が残
る。
【0008】特開平7−75768号公報に記載の方法
では、重金属固定剤として用いるキレート化剤は、処理
時に有害な二硫化炭素を発生し、また鉛の溶出防止の点
でも不完全である。本願発明は上記問題を解決するた
め、100℃以下で硬化する水溶性の添加剤で、有害ガ
スを発生せず、アルカリ性飛灰中に含まれる重金属の無
害化処理方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願第一発明は、(A)
成分:スルホン化メラミン樹脂のマグネシウム塩又はカ
ルシウム塩と、(B)成分:キレート化剤を含有する廃
棄物焼却飛灰中の重金属固定化剤である。そして、本願
第二発明は第一発明の重金属固定化剤を使用した重金属
の固定化処理方法である。即ち、(A)成分:スルホン
化メラミン樹脂のマグネシウム塩又はカルシウム塩と、
(B)成分:キレート化剤を使用する廃棄物焼却飛灰中
の重金属の固定化処理方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本願発明に用いられる(A)成分
のスルホン化メラミン樹脂のマグネシウム塩又はカルシ
ウム塩は公知の製法で得られた如何なるものを使用する
事が出来る。例えば、特開平3−285851号公報に
記載されている方法で製造することが出来る。即ち、水
にメラミン(M)、ホルムアルデヒド(F)及びアミド
スルホン酸のマグネシウム塩又はカルシウム塩(S)と
をM:F:S=1:3.3〜6.0:0.3〜1.5の
モル比に加え、これにより得られた混合物をpH6.5
〜8.0及び温度60〜95℃で加熱するものである。
メラミン及びホルムアルデヒドは市販の工業製品を用い
ることが出来る。ホルムアルデヒドはパラホルムアルデ
ヒドを代わりに用いることもできる。アミドスルホン酸
のマグネシウム塩又はカルシウム塩は公知の方法で得ら
れ、例えばアミドスルホン酸の水溶液に水酸化マグネシ
ウム又は水酸化カルシウムを溶解することにより得られ
る。上記混合物のpHは6.5〜8.0の値を示すが、
アミドスルホン酸、硫酸、硝酸等を添加してpH調整す
ることが出来る。上記反応生成物を得るための加熱は6
0〜95℃で通常5〜12時間で行われる。上記反応
は、ホルムアルデヒドとアミドスルホン酸塩とが反応し
てアミドスルホン酸塩のメチロール化物がまず生成し、
次いでメラミンにアミドスルホン酸塩のメチロール化物
が付加反応し、その付加生成物が縮合反応することによ
り縮重合したスルホン化メラミン樹脂のマグネシウム塩
又はカルシウム塩が生成すると考えられる。この反応混
合物中において上記アミドスルホン酸塩のメチロール化
物の生成反応と、そのメラミンへの付加反応と更にその
付加生成物の縮合反応とが反応混合物の加熱により同時
並行的に起こり、多段階の反応工程を要せずに一段の反
応工程でスルホン化メラミン樹脂のマグネシウム塩又は
カルシウム塩が生成すると考えられる。上記加熱により
固形分濃度20〜50重量%、好ましくは35〜40重
量%、20℃における粘度10〜500mPa・s(ミ
リパスカル秒)、好ましくは20〜50mPa・s(ミ
リパスカル秒)のスルホン化メラミン樹脂のマグネシウ
ム塩又はカルシウム塩が得られる。
【0011】本願発明に用いられる(A)成分のスルホ
ン化メラミン樹脂のマグネシウム塩又はカルシウム塩
は、20〜50重量%、好ましくは35〜40重量%濃
度の水溶液で使用することができ、加熱により容易にゲ
ル化する事が出来る。本願発明に用いられる(A)成分
は、下記の理由からスルホン化メラミン樹脂のマグネシ
ウム塩を用いることが特に好ましい。
【0012】都市ゴミや産業廃棄物等の廃棄物を焼却炉
で焼却した際に発生する塩酸ガスを抑制する目的で、消
石灰を30〜50重量%と排ガス洗浄工程で多量に廃棄
物に添加して焼却する。この様な運転条件下で生成する
電気集塵器捕集飛灰やバグフィルター捕集飛灰はアルカ
リ性飛灰である。そして、廃棄物中に含まれる重金属化
合物、例えば鉛化合物は焼却過程で酸化鉛となりアルカ
リ性飛灰中に残存する。
【0013】スルホン化メラミン樹脂のマグネシウム塩
(SMF−Mg)は、消石灰を30〜50重量%と多量
に含有するアルカリ性飛灰のスラリー中では、式(1)
の挙動を示すと考えられる。 SMF−Mg+Ca(OH)2 → SMF−Ca+Mg(OH)2 式(1) Mg(OH)2は溶解度が10ppmと小さく、そのた
めアルカリ性飛灰のスラリーをpH11付近まで低下さ
せることになり、鉛の溶出を防止することが出来ると考
えられる。酸化鉛はpH12以上の高アルカリ性ではヘ
キサヒドロキソ鉛酸イオン〔Pb(OH)62-又はP
bOO2-を形成する事が知られている。本願発明に用い
られるスルホン化メラミン樹脂のマグネシウム塩(SM
F−Mg)を使用した場合は、廃棄物焼却飛灰との混合
スラリーのpHが11付近まで低下して酸化鉛がイオン
化する事を防止するので、酸化鉛が(B)成分のキレー
ト化剤と良好な錯体を形成し、SMF−Mgのゲルに起
因する硬化体中に酸化鉛が留まり、硬化体から酸化鉛の
溶出が起こらないと考えられる。
【0014】一方、スルホン化メラミン樹脂のカルシウ
ム塩(SMF−Ca)は、消石灰を30〜50重量%と
多量に含有するアルカリ性飛灰のスラリー中では独立に
存在するが、SMF−Caのゲルに起因する硬化体中か
らCa(OH)2の溶解量を低下させる事が出来るた
め、廃棄物焼却飛灰との混合スラリーのpHが低下し、
酸化鉛のイオン化を抑制し(B)成分のキレート化剤と
酸化鉛が錯体を形成してSMF−Caのゲルに起因する
硬化体中に酸化鉛が留まり、硬化体から酸化鉛の溶出が
起こらないと考えられる。
【0015】また、一般的にコンクリート減水剤として
広く使用されているスルホン化メラミン樹脂のナトリウ
ム塩(SMF−Na)は、消石灰を30〜50重量%と
多量に含有するアルカリ性飛灰のスラリー中では、式
(2)の挙動を示すと考えられる。 2SMF−Na+Ca(OH)2 → SMF−Ca+2NaOH 式(2) 強アルカリのNa(OH)が生成し、そのためアルカリ
性飛灰のスラリーのpHは上昇し12以上に達する。酸
化鉛はヘキサヒドロキソ鉛酸イオン〔Pb(OH)6
2-又はPbOO2-を形成し、(B)成分のキレート化剤
と十分な錯体を形成することが出来ず、またSMF−N
aはゲル形成能が低いため造粒助剤として適していな
い。
【0016】本願発明に用いられる(B)成分のキレー
ト化剤は酸化鉛等の重金属化合物とキレート錯体を形成
し、有毒ガスを発生しない化合物でチオ尿素、チオアセ
トアミド、チオグリコール酸、又はこれらの混合物であ
る事が好ましい。本願発明の廃棄物焼却飛灰中の重金属
固定化剤は、(A)成分と(B)成分を混合した1液タ
イプにする事が好ましい。
【0017】(A)成分と(B)成分を含有する重金属
固定化剤は、(A)成分:スルホン化メラミン樹脂のマ
グネシウム塩又はカルシウム塩100重量部に、(B)
成分:キレート化剤を1〜50重量部、好ましくは5〜
10重量部の割合で配合し透明液にする事が出来る。
(A)成分と(B)成分を含有する重金属固定化剤は凝
固点がマイナス3℃〜マイナス10℃程度であるため冬
季の使用にも凍結等の支障がない。
【0018】本願第二発明は、(A)成分:スルホン化
メラミン樹脂のマグネシウム塩又はカルシウム塩と、
(B)成分:キレート化剤を使用する廃棄物焼却飛灰中
の重金属の固定化処理方法である。本願第二発明におい
て、廃棄物焼却飛灰100重量部に、水20〜100重
量部、好ましくは30〜80重量部、(A)成分のスル
ホン化メラミン樹脂のマグネシウム塩又はカルシウム塩
1〜20重量部、好ましくは1〜5重量部、及び(B)
成分のキレート化剤0.1〜5重量部、好ましくは0.
1〜0.5重量部を添加して混合スラリーを形成するこ
とが出来る。(A)成分は酸化鉛の溶出量を低減させる
点からスルホン化メラミン樹脂のマグネシウム塩を用い
ることが好ましい。(A)成分と(B)成分を混合した
液を水に添加し、廃棄物焼却飛灰と混合してスラリーと
する事が出来る。上記の水、(A)成分、(B)成分の
添加に特別の順序はないが、(A)成分と(B)成分を
含有する重金属固定化剤の粘度は10〜100mPa・
sであり、この重金属固定化剤は水と任意の割合で混合
することが出来るため、この重金属固定化剤に水を添加
して廃棄物焼却飛灰中にスプレー等を行う事により混合
することが出来る。
【0019】混合スラリーは50〜150℃、好ましく
は70〜120℃の温度で加熱と混練を行うことにより
混合スラリーがゲル化して硬化体となる。ゲル化に要す
る時間は一般的に1〜5時間である。このゲル化時間は
加熱温度により異なり、例えば80℃の加熱では約5時
間であり、また100℃の加熱では約1時間であり、1
40℃の加熱では約5分である。本発明では廃棄物焼却
飛灰に重金属固定化剤を添加した混合スラリーは水性ス
ラリーであるが、加熱温度が100℃以下でも混合スラ
リーを硬化する事ができるので、オートクレーブ等の高
温高圧で取り扱う特別の装置を必要としないで簡単な混
練装置で処理する事が出来るので経済的である。
【0020】廃棄物焼却飛灰に添加した(A)成分のス
ルホン化メラミン樹脂のマグネシウム塩は、混合スラリ
ーのpHを低下して(B)成分として添加したキレート
化剤の重金属捕捉能を向上させる為だけでなく、100
℃以下の加熱でも強固なゲル体を形成するのでそれらの
廃棄物焼却飛灰は造粒され、その直後にホッパーに貯留
されてもブリッジングを起こさず取り扱い容易な造粒体
となる。水と通常の低分子添加剤による造粒では混練
後、貯蔵時にブリッジングを起こすため、後乾燥により
充分乾燥する必要がある。ブリッジング現象とは乾燥が
不充分な粉体がサイロ等で互いに付着してサイロから出
なくなる事であって好ましくない事態である。
【0021】混練はヘンシェルミキサー等の装置を用い
て行われ、硬化が進行するにつれて混合スラリーの粘度
が上昇するが、混練を始めてから約1時間程度で造粒さ
れるのでホッパー等に貯蔵が可能となる。
【0022】
【実施例】都市ゴミ焼却施設で生成した電気集塵飛灰
(H)を使用した。この電気集塵飛灰(H)はCa(O
H)2を17重量%含有し、10重量%濃度の水性スラ
リーとした場合のpHが12.1、Pb含有量は360
0ppmであった。 実施例1 スルホン化メラミン樹脂のマグネシウム塩(日産化学工
業(株)製)の40重量%水溶液4.5gとチオ尿素粉
末0.5gを混合して重金属固定化剤を作成し、更に水
50gを加えて希釈した。この混合液55gを、上記飛
灰(H)100gに添加して混練した後、熱風乾燥機を
用いて90℃5時間の乾燥を行い固化させた。室温まで
冷却後、粉砕して目開き5mmのふるいで分級し、ふる
い目を通過したものについて分収して溶出試験を行っ
た。
【0023】実施例2 スルホン化メラミン樹脂のカルシウム塩(日産化学工業
(株)製)の40重量%水溶液4.5gとチオ尿素粉末
0.5gを混合して重金属固定化剤を作成し、更に水5
0gを加えて希釈した。この混合液55gを、上記飛灰
(H)100gに添加して混練した後、熱風乾燥機を用
いて90℃5時間の乾燥を行い固化させた。室温まで冷
却後、粉砕して目開き5mmのふるいで分級し、ふるい
目を通過したものについて分収して溶出試験を行った。
【0024】実施例3 スルホン化メラミン樹脂のマグネシウム塩(日産化学工
業(株)製)の40重量%水溶液2.5gとチオ尿素粉
末0.1gを混合して重金属固定化剤を作成し、更に水
70gを加えて希釈した。この混合液72gを、上記飛
灰(H)100gに添加して混練した後、熱風乾燥機を
用いて105℃3時間の乾燥を行い固化させた。室温ま
で冷却後、粉砕して目開き5mmのふるいで分級し、ふ
るい目を通過したものについて分収して溶出試験を行っ
た。
【0025】実施例4 スルホン化メラミン樹脂のマグネシウム塩(日産化学工
業(株)製)の40重量%水溶液5gとチオアセトアミ
ド(試薬)0.25gを混合して重金属固定化剤を作成
し、更に水70gを加えて希釈した。この混合液75.
25gを、上記飛灰(H)100gに添加して混練した
後、熱風乾燥機を用いて90℃5時間の乾燥を行い固化
させた。室温まで冷却後、粉砕して目開き5mmのふる
いで分級し、ふるい目を通過したものについて分収して
溶出試験を行った。
【0026】実施例5 上記飛灰(H)100gに、98%硫酸6.1gを水5
0gに入れ希硫酸として添加して混練した。次にスルホ
ン化メラミン樹脂のマグネシウム塩(日産化学工業
(株)製)の40重量%水溶液5gにチオ尿素粉末0.
2gを混合した液を添加し再び混練した後、熱風乾燥機
を用いて90℃5時間の乾燥を行い固化させた。室温ま
で冷却後、粉砕して目開き5mmのふるいで分級し、ふ
るい目を通過したものについて分収して溶出試験を行っ
た。
【0027】比較例1 上記飛灰(H)を本願発明の重金属固定化剤で処理せず
に溶出試験を行った。 比較例2 スルホン化メラミン樹脂のナトリウム塩(ポゾリス物産
(株)製、商品名レオビールドNL−4000)の23
重量%水溶液10gにチオ尿素粉末1.0gと水42.
3gを添加して処理液とした。この処理液を上記飛灰
(H)100gに添加し混練した後、熱風乾燥機を用い
て90℃5時間の乾燥を行い固化させた。室温まで冷却
後、粉砕して目開き5mmのふるいで分級し、ふるい目
を通過したものについて分収して溶出試験を行った。
【0028】比較例3 98%硫酸6.1gを水50gに入れ希硫酸水溶液を作
成した。この希硫酸水溶液を上記飛灰(H)100gに
添加し混練した後、熱風乾燥機を用いて90℃5時間の
乾燥を行い固化させた。室温まで冷却後、粉砕して目開
き5mmのふるいで分級し、ふるい目を通過したものに
ついて分収して溶出試験を行った。
【0029】比較例4 上記飛灰(H)100gに水酸化マグネシウム5.0g
を混合した。別に、珪酸ソーダ溶液(日本化学工業
(株)製、JIS3号、濃度38.5重量%)26.0
gに水50gを添加して処理液とした。この処理液を上
記飛灰(H)と水酸化マグネシウムの混合物に添加し混
練した後、熱風乾燥機を用いて90℃5時間の乾燥を行
い固化させた。室温まで冷却後、粉砕して目開き5mm
のふるいで分級し、ふるい目を通過したものについて分
収して溶出試験を行った。
【0030】比較例5 ジチオカルバミン酸系のキレート剤(ポリアミンに−C
SSH基をもつ液体キレート剤)5gに水50gを加え
て処理液とした。この処理液を上記飛灰(H)100g
に添加し混練した後、熱風乾燥機を用いて90℃5時間
の乾燥を行い固化させた。室温まで冷却後、粉砕して目
開き5mmのふるいで分級し、ふるい目を通過したもの
について分収して溶出試験を行った。混練時に異臭が認
められたために、室温で混練したもの100gを1リッ
トルの密閉容器に入れ、80℃30分間乾燥機に入れ、
発生したガスを検知管で硫化水素(H2S)、硫化カル
ボニル(COS)、及び二硫化炭素(CS2)を分析し
た。それぞれ0.5ppm、250ppm、及び100
ppmを検出した。
【0031】なお、上記溶出試験は環境庁告示第13号
の溶出試験に準じて行った。即ち、上記飛灰(H)の処
理済固化体(5mmのふるい目を通過した造粒物)25
gを取り、純水250ミリリットル中で1分間に200
回の振動を計6時間行い、これを静置して、この上澄み
液を取り原子吸光分析装置を用いて鉛含有イオン性物質
の溶出量を定量した。
【0032】また、上記飛灰(H)の処理済固化体(5
mmの造粒物)の強度は、木屋製作所(株)製、商品名
マルチハードメーター(KMH−51型)で測定し、粒
子破壊強度(kg)を求めた。
【0033】
【表1】 表1 例 有効成分量 Pb溶出量 粒子破壊強度 (対飛灰100重量部) (ppm) (kg) 実施例1 2.30重量部 0.02 3.8 実施例2 2.30重量部 0.08 4.6 実施例3 1.10重量部 0.30 3.5 実施例4 2.25重量部 0.02 3.6 実施例5 8.20重量部 0.01 4.0 比較例1 0 重量部 31.00 0.5 比較例2 3.30重量部 15.00 3.0 比較例3 6.00重量部 1.90 1.0 比較例4 15.00重量部 6.00 5.0比較例5 5.00重量部 0.50 0.5 実施例1〜5と比較例2の対比からスルホン化メラミン
樹脂のマグネシウム塩及びカルシウム塩の水溶液とキレ
ート化剤の組合せは優れたPb溶出防止性能を示し、本
願発明の廃棄物処理方法の効果が明らかになった。
【0034】比較例3と実施例5の対比より本願発明の
処理による効果が明らかである。比較例4の様に予め水
酸化マグネシウムを混合した飛灰と、別に作成した珪酸
ソーダ水溶液とを添加する2段階添加方式に比べ、本願
発明は1段階添加方式で充分に優れたPb溶出防止効果
を示した。比較例5では、比較例2〜4よりPb溶出防
止効果が見られるものの、まだ不完全であり、多量の有
害ガスの発生があり好ましくない。
【0035】
【発明の効果】本願発明の廃棄物無害化処理方法では、
有害ガスの発生が見られず、且つPbの溶出防止効果に
優れる。更に、本願発明の重金属固定化剤は、造粒物の
強度が無処理に比べ数倍の強度を持つことにより、処理
後の貯留の際や輸送によっても粉化がない事も利点であ
る。
【0036】また、本願発明の飛灰無害化処理方法は、
現在多くの都市ゴミや産業廃棄物の焼却炉で飛灰処理の
ため実施されている湿潤設備のスプレー水に本願発明の
重金属固定化剤を供給し、そのまま使用する事が出来る
ため特別な設備を必要とせず、経済的にも極めて有利な
方法である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)成分:スルホン化メラミン樹脂の
    マグネシウム塩又はカルシウム塩と、(B)成分:キレ
    ート化剤を含有する廃棄物焼却飛灰中の重金属固定化
    剤。
  2. 【請求項2】 (A)成分:スルホン化メラミン樹脂の
    マグネシウム塩又はカルシウム塩100重量部に、
    (B)成分:キレート化剤を1〜50重量部の割合で配
    合した請求項1に記載の重金属固定化剤。
  3. 【請求項3】 (A)成分のスルホン化メラミン樹脂の
    マグネシウム塩又はカルシウム塩を、20〜50重量%
    濃度の水溶液として使用する請求項1又は請求項2に記
    載の重金属固定化剤。
  4. 【請求項4】(A)成分がスルホン化メラミン樹脂のマ
    グネシウム塩である請求項1乃至請求項3のいずれか1
    項に記載の重金属固定化剤。
  5. 【請求項5】 (B)成分のキレート化剤が、チオ尿
    素、チオアセトアミド、チオグリコール酸、又はこれら
    の混合物である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載の重金属固定化剤。
  6. 【請求項6】 (A)成分:スルホン化メラミン樹脂の
    マグネシウム塩又はカルシウム塩と、(B)成分:キレ
    ート化剤を使用する廃棄物焼却飛灰中の重金属の固定化
    処理方法。
  7. 【請求項7】 廃棄物焼却飛灰100重量部に水20〜
    100重量部、(A)成分のスルホン化メラミン樹脂の
    マグネシウム塩又はカルシウム塩1〜20重量部及び
    (B)成分のキレート化剤0.1〜5重量部を添加した
    後、70〜120℃の温度で加熱と混練を行う廃棄物焼
    却飛灰中の重金属の固定化処理方法。
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