JPH10180023A - フィルター用不織布 - Google Patents

フィルター用不織布

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JPH10180023A
JPH10180023A JP8357689A JP35768996A JPH10180023A JP H10180023 A JPH10180023 A JP H10180023A JP 8357689 A JP8357689 A JP 8357689A JP 35768996 A JP35768996 A JP 35768996A JP H10180023 A JPH10180023 A JP H10180023A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱成形性にすぐれ、成形フィルターへの成形
を良好かつ容易ならしめると共に、コストの低減をはか
り、経済性を向上せしめた不織布を提供する。 【解決手段】 100℃〜220℃の温度で溶融する接
着繊維を20%以上含み、残りが前記接着繊維の溶融温
度より30℃以上高温の融点を有する被接着繊維である
繊維により構成し、処理流体の流入側より流出側に向か
って平均デニールが大から小になるよう2層以上の繊維
層を積層し、細い繊維層側からニードルパンチを施し、
構成繊維を互いに絡着させた密度勾配型不織布であっ
て、流体流入側の繊維層を構成繊維の平均デニールが4
〜12d、空隙率が95〜99%、流体流出側の繊維層
を構成繊維の平均デニールが0.6〜3d、繊維密度が
0.07〜0.35g/ccとし、かつ不織布を構成す
る各繊維層を接着繊維の溶融開始温度以上の温度で加熱
して接着繊維により被接着繊維を固着せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種空気清浄機や流
体処理装置に用いるフィルター用不織布、特に袋状等に
成形されてエレメントとなる成形フィルターに好適な不
織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車エンジン吸気用クリーナー
に用いられる濾材としては、如何にして高い清浄効率を
維持しつつ、高いダスト保持量を確保し、寿命を延ばす
かという課題に対して、各種密度勾配型不織布材が利用
されている。
【0003】この密度勾配型不織布は主に繊維径を異な
らしめた複数の繊維層を空気の流入側から流出側に向か
って順次小さくなるように配列させた構成よりなり、こ
の繊維層構造体は通常、エマルジョン系接着剤や粉末接
着剤、更にこれらと接着繊維の複合等により繊維同士が
固着され、力学強度等が確保されると共に、密度勾配の
度合いが高められている。
【0004】この種の部材の製造方法としては、従来乾
式不織布と湿式法の紙や不織布がある。例えば、乾式不
織布では、繊維径の異なる複数の繊維層とスパンボンド
繊維層を用いたもの(特公昭59−23847号公報参
照)や、繊維層が一部融着用繊維を含む密度勾配を有
し、粉末状樹脂を用いたもの(特公平2−45484号
公報参照)が知られており、また湿式不織布では繊維層
が熱接着繊維と捲縮繊維を有し、樹脂接着剤を用いたも
の(特開平4−59007号公報参照)が提案されてい
る。
【0005】また、自動車エンジン吸気用クリーナーで
は限られた容積に収まり、有効な濾過性能を確保するた
め、濾材にプリーツ状加工を施し、フィルターエレメン
トとして利用することが行われている。これらエレメン
トは濾材を薄くしてプリーツの間隔を狭くし、濾材濾過
面積を上げて性能を確保したり、濾材を厚くして濾材自
身の単価面積当りの濾過性能を向上させてプリーツ間隔
を広げ、濾過面積を低減させてエレメントの性能を確保
するという技術が用いられている。
【0006】なお、上記の如きプリーツ状濾材は、別部
材の側面部やつば部を接合されてエレメントに形成され
るため、プリーツ形状等の変形に耐え得る強度と伸度を
有し、濾過特性を維持する剛性を有することが肝要であ
る。
【0007】一方、上記方法と異なり、製造コスト低減
のために同一濾材を用い、プリーツ部と側面部あるいは
つば部を熱プレスにより一体成形させることが提案され
ている。(特開平8−24546号公報参照) この場合、濾材には熱に対して変形し易く、変形に対し
て強度と伸びがあり、冷却後は硬いことが要求される。
また、同様の目的で濾材の構成繊維に熱接着繊維を含む
ものが提案されている。(特開平8−309136号公
報参照) 他方、濾材が超音波ウエルダーにて接合され、エレメン
ト側面部やつば部を形成する技術もある。この場合も濾
材には前記同様の要求と共に、超音波ウエルダー加熱に
よる変色耐性が要求される。
【0008】以上のような各種既知の技術以外にも更
に、複合接着繊維を30%以上含有し、ニードルパンチ
を施した後、熱処理した密度勾配型フィルターがある。
(特公昭53−33787号公報参照) この種の濾材は建造物空気調和用や塗装用フィルターあ
るいは液体用フィルターとして使用されているが、エレ
メント成形に関しては全く使用の事実は記載されていな
い。
【0009】また、複合接着繊維が70%以上含まれた
繊維層と、30%以下含まれた繊維層を一体にニードル
パンチし、熱処理後、さらに繊維層の表面を加圧、平滑
化した液体用濾材が提案されている。(実開昭60−1
44922号公報参照) しかし、この濾材は平滑面に除去物を集積させる液体フ
ィルターについてであり、処理流体の流れ方向に粗密の
構造を有したものではない。
【0010】また別のものとして、濾材の密層面の毛羽
の発生を防止するために、芯鞘型の複合繊維を用いるこ
とも提案されている(特開昭61−82819号公報参
照)が、未だ十分なものではないので密層側に織物や割
布などを張り合わせている現状である。
【0011】
【発明が解決しよしとする課題】本発明は上述の如く従
来技術が夫々一長一短を有するが全体として成形用フィ
ルター用不織布の適性に未だ十分に満足すべき状態を得
るに至らないことに鑑み、その改善を試み、特に従来の
バインダータイプの不織布では熱成形性に不具合を起こ
し、例えば側面部が破れたり、フランジ部の密度が上が
らなかったりした事実に着目し、構成繊維の種類ならび
に流体流入側と流体流出側の各繊維層の平均デニール及
び密度に適性を見出すことにより上記欠点を解消し、熱
成形性にすぐれ、成形フィルターへの成形を良好かつ容
易ならしめると共に、コストの低減をはかり、経済性を
向上せしめることを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、上記目的に適合す
る本発明は100℃以上、220℃以下の温度で溶融開
始する接着繊維が少くとも20%配合され、残りが前記
接着繊維の溶融開始温度より30℃以上高温の融点を有
する被接着繊維である繊維により構成され、処理流体の
流入側より流出側に向かって平均デニールが太いものか
ら細いものになるよう2層以上の繊維層が積層され、細
い繊維層側からのニードルパンチ加工により構成繊維が
互いに絡着された一体型の密度勾配型不織布であって、
流体流入側の繊維層が構成繊維の平均デニール4〜12
デニール、空隙率95〜99%で、流体流出側の繊維層
が構成繊維の平均デニール0.6〜3デニール、繊維密
度0.07〜0.35g/ccであり、かつ前記不織布
を構成する各繊維層は接着繊維が溶融開始する温度以上
の温度で厚さ方向に全体に加熱処理されて接着繊維によ
り被接着繊維が固着されている不織布である。
【0013】上記不織布における接着繊維としてはポリ
プロピレン繊維か、あるいは高融点成分と、低融点成分
が複合された繊維を用いることが好ましく、後者の場
合、高融点成分にはポリエステル、一方、低融点成分に
は変性ポリエステルを用いることが好ましい。低融点成
分の変性ポリエステルは非結晶性であってもよいが、結
晶性でもよく、むしろ好ましい。また不織布を構成する
繊維層が加熱処理された後、さらに流体流出側の繊維面
を接着繊維の溶融開始温度より高い温度で接触加熱処理
することにより繊維の毛羽立ちを防止し、密度を上げる
場合もあり、不織布を構成する繊維層の流体流出側の繊
維面に熱可塑性樹脂を塗布して繊維の毛羽立ちを防止
し、密度を上げる場合もある。
【0014】
【作用】本発明不織布を用いて成形フィルターに成形す
るときは、接着繊維の溶融により接着繊維と被接着繊維
が固着するのでバインダー使用の如く硬くなることがな
く、柔軟性を有して加工性を良好とし、熱プレスによる
一工程での成形を容易かつ効率よく行うことを可能とす
る。しかも、接着繊維の配合量、繊維デニールを変化さ
せることにより成形フィルターの粗密度合いを適切に調
節し高い清浄効率を維持させる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、更に添付図面を参照し、本
発明の具体的実施の形態を説明する。
【0016】先ず、本発明不織布はバインダーを使用す
ることなく接着繊維を用い、これを溶融せしめて被接着
繊維を固着せしめた不織布である。接着繊維と被接着繊
維とは少くとも融点が30℃以上の差を有し、後者即ち
被接着繊維が接着繊維より30℃以上高温の融点を有す
る繊維であり、接着繊維は100℃以上、220℃以下
の温度で溶融開始する繊維が用いられる。
【0017】この接着繊維はポリプロピレン繊維、ポリ
エチレン繊維、エチレン−酢ビ共重合体繊維などの単一
繊維でもよいが、高融点成分と低融点成分の2成分から
なる複合繊維が好ましく、複合繊維としてはサイドバイ
サイド型複合繊維と、芯鞘型複合繊維があり、何れでも
よい。しかし、一般的には高融点成分を芯とし、低融点
成分を鞘とする芯鞘型複合繊維が好ましい。この場合、
低融点成分と高融点成分の組み合わせとしては、ポリエ
チレンとポリプロピレン、6ナイロンと66ナイロン、
変性ポリエステルとポリエステル等があるが、変性ポリ
エステルとポリエステルの組み合わせが最も実用的であ
る。上記変性ポリエステルは非結晶性でもよいが、成形
エレメントに耐熱性が要求される場合は結晶性のものが
よい。そして、上記接着繊維は、少くとも20%以上配
合することが必要である。20%以下では充分な強度の
確保が難しい。また、上限は80%以下であることが好
ましい。80%以上になれば低融点成分が目開きして清
浄効率が低下しがちとなり、コストも高くなる。
【0018】一方、被接着繊維としては前記接着繊維と
の融点差が30℃以上ある繊維であればよく、接着繊維
との組み合わせによって適宜選定するが、使用される被
接着繊維としてはナイロン等のポリアミド系繊維、ある
いはポリエステル繊維が最も一般的である。しかし接着
繊維との組み合わせではポリプロピレン繊維その他の合
成繊維も使用可能である。
【0019】そして、本発明フィルターは上記繊維から
なる繊維層を少くとも2層以上積層し、ニードルパンチ
加工によって各層の繊維を互いに絡着し、一体化せしめ
るが、積層にあたっては、流体流入側から流出側に向か
って平均デニールが太いものから細いものになるよう積
層することが肝要である。この場合、ニードルパンチ加
工は細い平均デニールの繊維層からニードルパンチする
ことが有効である。ニードルパンチ加工は通常の打込み
本数でよく、略30〜80本/cm2 程度、好ましくは
45〜55本/cm2 である。しかし、これに限らない
ことは勿論である。積層される上記流体流入側の太い繊
維層としては通常、平均デニールが4〜12デニール
で、空隙率95〜99%であることが好ましく、一方流
体流出側の細い繊維層としては平均デニールが0.6〜
3デニールで、繊維密度が0.07〜0.35g/cc
であることが好適である。これら繊維の太さと空隙率、
密度によって捕集効率を高め、濾過効率を向上させる。
特に成形フィルターとして成形の容易性も重要な要素で
ある。
【0020】次に上記積層され、ニードルパンチ加工が
施された繊維層は、接着繊維の溶融開始温度以上の温度
で繊維層の厚さ方向に全体に加熱処理され、接着繊維を
溶融させて、被接着繊維を固着せしめ、フィルター用不
織布に形成する。接着繊維の溶融による被接着繊維の固
着であるため、別途、バインダーを使用する必要はな
い。そのため前述の如く接着繊維は20%以上配合され
る。なお、上記の如く得られた不織布は表面毛羽立ちを
生ずることがあり、これが流体流出側の繊維面に発生す
ることは好ましくないため、必要に応じ毛羽立ち防止を
図ることが有効である。毛羽立ち防止は前述の如く、繊
維層が加熱処理され、接着繊維の溶融により被接着繊維
が固着された後に流体流出側の繊維面を接着繊維の溶融
開始温度より高い温度で接触加熱処理することによって
行うか、あるいは流体流出側の繊維に熱可塑性被膜を形
成することによって行われる。こられは何れも平滑化と
共に、繊維密度を上げることになる。なお、接触加熱に
は既知の熱盤が使用される。
【0021】本発明は以上のような構成からなり、密度
勾配型の一体化されたフィルター用不織布であり、これ
を成形フィルターとして成形するに際しては前述した特
開平8−309136公報に記載された成形手段等が用
いられる。即ち、先ず、シート状に形成された上記不織
布をひだ折りし、波状形態とし、一方、同様にシート状
不織布を型抜きしてツバ部と側面部が一体となった外周
部材を作成する。このとき、側面部は上記外周部材と波
状形態板の接合に先立って予め折り立てておく。そし
て、その後、上記波状形態板の側面に対して外周部材の
側面部を挿入し、接合することによりフィルターを得
る。しかし、本発明不織布では更に簡単な手段も可能で
ある。
【0022】即ち、シート状の本発明不織布を筋付けし
てプリーツ加工し、波状形態とした後、該波状形態不織
布をその幅より稍狭い幅をもつ外周枠に被着し、外周枠
に設けた突部に熱型下部の凹部を嵌合着させて位置を決
め、加熱溶融することにより両側面部と、外周枠への固
着が同時に行われ、熱型下降による一工程で一挙に成形
フィルターに作成することができる。なお、外周枠の突
部をプラスチック化することにより強度の向上も図るこ
とができる。
【0023】勿論、本発明不織布は上記の如き成形フィ
ルターに限らず、他の流体処理装置に用いるフィルター
や、乾式複写機のトナーカーボンを集積するためのフィ
ルターなどに対しても使用することができ、適用可能で
あることは言うまでもない。以下、本発明の実施例を説
明する。
【0024】
【実施例】先ず、本発明の実施例1〜9ならびに比較例
1〜2において用いる繊維層の各構成を表1〜表3に示
す。 以下余白
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】次に上記各繊維層による各実施例及び比較
例におけるフィルター用不織布の形成状況を示す。 実施例1:表1に示す繊維層を積層し密層側より、深さ
11mm、打ち込み本数50本/cm2 でニードルパン
チを施した後、200℃熱風のピンテンター式熱処理機
で1分間熱処理し、冷却して本発明のフィルター用不織
布を得た。 実施例2:実施例1の濾材を、更に、密層面を表面温度
が220℃の熱ロールに接触させ、粗層面側は常温程度
の温度であるロールで、両者のロール間クリアランス
は、2mmにして、カレンダー処理し、冷却して本発明
のフィルター用不織布を得た。
【0029】実施例3:表1に示す繊維層を積層し密層
側より、深さ11mm、打ち込み本数50本/cm2
ニードルパンチを施した後、130℃の熱風のピンテン
ター式熱処理機で1分間熱処理し、更に、密層面を表面
温度が150℃の熱ロールに接触させ、粗層面側は常温
程度の温度であるロールで、両者のロール間クリアラン
スは、2mmにして、カレンダー処理し、冷却して本発
明のフィルター用不織布を得た。 実施例4:表1に示す繊維層を積層し密層側より、深さ
11mm、打ち込み本数50本/cm2 でニードルパン
チを施した後、225℃の熱風のピンテンター式熱処理
機で2分間熱処理し、更に、密層面を表面温度が237
℃の熱ロールに接触させ、粗層面側は常温程度の温度で
あるロールで、両者のロール間クリアランスは、2mm
にして、カレンダー処理し、冷却して本発明のフィルタ
ー用不織布を得た。
【0030】実施例5、6:表2の繊維層を積層し密層
側より、深さ11mm、打ち込み本数50本/cm2
ニードルパンチを施した後、200℃の熱風のピンテン
タンー式熱処理機で3分間熱処理し、更に、実施例2と
同様の加工をした。 実施例7、8:実施例1の混率および目付を表2の如く
変えて、実施例1及び2の加工をした。 実施例9:表3の繊維層を積層し密層側より、深さ11
mm、打ち込み本数50本/cm2 でニードルパンチを
施した後、密層面に、水分散系のポリエステル共重合体
樹脂を機会発泡させた、泡状物を塗布し、200℃の熱
風のピンテンター式乾燥機で2分間熱処理し、目付30
g/m2 のくもの巣状樹脂構造体を形成した。
【0031】比較例1:表3の如く混率を変えて、実施
例1及び2の加工をした。 比較例2:比較例1と同様の繊維構成で、実施例9と同
様の加工をした。かくして、以上より得られた各不織布
について不織布自身の力学物性と濾過性能を測定した。
濾過性能測定は、JISD1612に順次、試験風速6
0cm/sec、粉体JISZ8901No.8で行っ
た。密層面の毛羽立ちを外観で判断した。エレメントに
成形し熱成形部、主に側面部とその周辺の破れ具合を観
察した。結果は下記表4及び5の如くであった。 以下余白
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】上表より、本発明に係る不織布は成形性が
比較例に比しすぐれており、フィルター用として極めて
好適であることが分かる。
【0035】
【発明の効果】本発明不織布は以上のように、100℃
以上、220℃以下の温度で溶融開始する接着繊維が2
0%以上配合され、残りが前記接着繊維の溶融開始温度
より30℃以上高温の融点を有する被接着繊維からな
り、前記不織布を構成する接着繊維の溶融開始温度以上
の温度で厚さ方向に全体に加熱処理され接着繊維で被接
着繊維を固着されており、処理流体の流入側から流出側
に向かって平均デニールが太いものから細いものになる
よう少なくとも2層以上の繊維層が積層され、主として
細い繊維層側からのニードルパンチ加工により各層の繊
維が絡着された一体型の密度勾配型であり、流体流入側
の繊維層は平均デニールが4〜12で空隙率が95〜9
9%、流体流出側の繊維層は平均デニールが0.6〜3
で繊維密度が0.07〜0.35g/ccである不織布
よりなるものであるから、接着繊維により被接着繊維が
固着され、バインダーが使用されていないため、柔軟性
を保持し、成形性が良好であると共に接着繊維を20%
以上配合し、流体流入側及び流体流出側の繊維層の平均
デニール、空隙率などを所定の範囲にしているため、成
形フィルターとしての強度、伸度も確保され、プリーツ
形状などの変形にも充分、耐え得るのみならず、充分な
濾過性能を保持し、成形フィルターとしての実用性を向
上せしめる顕著な効果が期待される。また、本発明不織
布は再度の加熱平滑化、樹脂塗布により、繊維層の流体
流出側繊維面の毛羽を防止することによりダクト捕集効
率を阻害することがないと共に、密度を上昇し、形状を
保持し、強度を高める効果を有する。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 100℃以上、220℃以下の温度で溶
    融開始する接着繊維が少くとも20%配合され、残りが
    前記接着繊維の溶融開始温度より30℃以上高温の融点
    を有する被接着繊維である繊維により構成され、処理流
    体の流入側より流出側に向かって平均デニールが太いも
    のから細いものになるよう2層以上の繊維層が積層さ
    れ、細い繊維層側からのニードルパンチ加工により構成
    繊維が互いに絡着された一体型の密度勾配型不織布であ
    って、流体流入側の繊維層は構成繊維の平均デニールが
    4〜12デニール、空隙率が95〜99%で、流体流出
    側の繊維層は構成繊維の平均デニールが0.6〜3デニ
    ール、繊維密度が0.07〜0.35g/ccであり、
    かつ前記不織布を構成する各繊維層は接着繊維が溶融開
    始する温度以上の温度で厚さ方向に全体に加熱処理され
    て接着繊維により被接着繊維が固着されていることを特
    徴とするフィルター用不織布。
  2. 【請求項2】 接着繊維が高融点成分と低融点成分から
    なる複合繊維である請求項1記載のフィルター用不織
    布。
  3. 【請求項3】 複合繊維の高融点成分がポリエステルで
    あり、低融点成分が変性ポリエステルである請求項2記
    載のフィルター用不織布。
  4. 【請求項4】変性ポリエステルが結晶性ポリエステルで
    ある請求項3記載のフィルター用不織布。
  5. 【請求項5】 接着繊維がポリプロピレン繊維である請
    求項1記載のフィルター用不織布。
  6. 【請求項6】 不織布を構成する繊維層が加熱処理され
    た後、流体流出側の繊維面が接着繊維の溶融開始温度よ
    り高い温度で接触加熱処理されて繊維の毛羽だちを防止
    したと共に密度を上げた請求項1記載のフィルター用不
    織布。
  7. 【請求項7】 不織布を構成する繊維層の流体流出側の
    繊維面に熱可塑性樹脂が塗布されて繊維毛羽だちを防止
    したと共に密度を上げた請求項1記載のフィルター用不
    織布。
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