JPH0824535A - 濾過材および濾過方法 - Google Patents

濾過材および濾過方法

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JPH0824535A
JPH0824535A JP16968594A JP16968594A JPH0824535A JP H0824535 A JPH0824535 A JP H0824535A JP 16968594 A JP16968594 A JP 16968594A JP 16968594 A JP16968594 A JP 16968594A JP H0824535 A JPH0824535 A JP H0824535A
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filter
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 濾過材表面にケーキ層のできる濾過操作にお
いて濾過精度とライフのバランスに優れた濾過材および
その濾過方法を提供する。 【構成】 極細繊維からなる不織布とより太い繊維から
なる不織布とが接着接合されている濾過材および該濾過
材を用いて極細繊維面を上流側に設けて濾過する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不織布よりなるフィル
ターであって、濾過精度とライフのバランスのよい濾過
材および濾過方法に関する。
【0002】さらに詳しくは、本発明は、軽量で襞折加
工性のよい濾過材であり、さらには濾材に含まれる細い
繊維により濾過精度がよく、また濾過によって生じる被
濾過物のケーキ層の剥離性がよいために濾過ライフが長
い濾過材および濾過方法に関する。
【0003】
【従来の技術】従来より、繊維を均一に分散した不織布
がフィルターとして用いられてきた。このフィルターの
濾過ライフを長くするために、繊維径の異なる不織布を
上流側ほど繊維径が細くなる様に積層し、且つ空隙率を
一定にした方法が特開昭60−216818や上流側の
平均流量孔径を下流より大にした方法が特開平4−19
3316により知られている。しかしながら、これらの
濾過材は同一不織布を積層した構成の濾過材よりライフ
を改善できたが、被濾過物の分散濃度が高い場合や粒子
径の大きい場合には、フィルターの表面にできる被濾過
物のケーキ層が比較的粗い濾過材側の内部にまで被濾過
物が入り込んでしまいアンカー効果を持つためか、ケー
キの剥離が起こりにくく濾過ライフがあまり長くないと
いう欠点があった。また、極細繊維を用いた無機質粒子
分散廃液を処理する方法が特開昭63−7812に開示
されているが、不織布の充填密度が0.35g/cm2
と高いためか濾過材の目詰まりが速くライフが短かっ
た。また、カートリッジ化して使用する際に襞折加工が
良くないという問題があった。さらには、特開平3−2
78810には緻密層間に拡散層を有するカートリッジ
フィルターも提案されているが、濾過材の使用量が多く
コスト的に問題があり、かつ濾過材表面にケーキ層がで
きる濾過操作においては、上流側より2層目以降の緻密
層はほとんど濾過精度やライフの向上に寄与しないこと
がわかっている。また、現状使われている放電加工やワ
イヤーカット加工などの産業資材関連用途のフィルター
は、エンボス加工スパンボンド不織布や樹脂加工紙が主
流であるが、前者は精度確保のため目付が250g/m
2以上の不織布を用いているため加工時のハンドリング
に問題があったり、充填率を上げるために強くエンボス
加工されているため熱融着により目が詰まって閉塞した
部分が多く濾過抵抗が大きいという問題を生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、濾過精度が
高く、かつケーキの剥離性を良くしてフィルターライフ
の長い軽量の濾過材および濾過方法を提供することを課
題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために次の手段をとる。すなわち、本発明は、
平均繊維径が10μm〜30μmの間にあり、目付が8
0g/m2〜200g/m2の間にあり、平均流量孔径が
20μm〜200μmの間にある不織布Aと、平均繊維
径が1.0μm〜6.0μmの間にあり、目付が10g
/m2〜60g/m2の間にあり、該不織布Aの平均流量
孔径より小さく平均流量孔径が5μm〜50μmの間に
ある不織布Bとが積層され、前記不織布Aと前記不織布
Bの少なくとも一部が接着接合されてなる濾過材であっ
て、該濾過材の目付が90g/m2〜2 10g/m2
かつ厚みが0.5mm〜1.5mmの間にあることを特
徴とする濾過材である。
【0006】また、本発明においては、該不織布Aの主
たる構成材料がポリエステル素材のスパンボンド不織布
であることが好ましい。
【0007】さらには、本発明においては、該不織布B
の主たる構成材がポリオレフィンのメルトブロー不織布
であることが好ましい。
【0008】より好ましくは、本発明においては、該不
織布Aが樹脂加工されたスパンボンド不織布であること
が好ましい。
【0009】また、本発明においては該不織布Aと該不
織布Bがパウダー状の樹脂で接合されていることが好ま
しい。
【0010】さらに好ましい形態として、本発明におい
ては該不織布Bの表面がカレンダー加工などにより平滑
化されていることが好ましい。
【0011】また、本発明は、前記の濾過材を少なくと
も1層を含んだ濾過材で、本発明の濾過材の不織布B側
を濾過の上流側に配置させて濾過する事を特徴とする濾
過方法である。
【0012】また、本発明の濾過材の最も好適な利用法
として、放電加工またはワイヤーカット加工によって生
じた金属の加工屑を本発明の濾過材を少なくとも1層を
含む濾過材を用い、本発明の濾過材の不織布B側を濾過
の上流側に配置させて濾過する事を特徴とする濾過方法
が挙げられる。
【0013】本発明に用いられる不織布Aの好適な平均
繊維径は10μm〜30μmの間にあり、特に好ましく
は10μm〜20μmである。10μmより繊維径が小
さくなると不織布の剛性が小さくなり寸法安定性が良く
ないために、濾過操作時の圧力により濾材が折れ曲がっ
たり、襞織り加工した際の襞の山がくずれ、隣同志の濾
材が密着してしまう部分を生じ、その結果、該部分が濾
過に使用されなくなり有効濾過面積が低下してしまうた
めに好ましくない。また、襞織り加工性も低下する。
【0014】他方、繊維径が30μmより大きくなると
濾過材としての濾過精度が低下し該不織布の濾過に対す
る寄与がなくなってしまう。また、繊維径の細い不織布
Bと積層した際に接着面に隙間があきやすく、綺麗に積
層接着する事ができない。さらには、太い繊維の紡糸は
冷却が困難となるため操業性が悪く、また繊維の寸法安
定性が悪くなりやすいため濾過材としてあまり好ましく
ない。
【0015】また、該不織布Aの目付は80g/m2
200g/m2の間にあることが好ましい。濾過材の目
付が200g/m2より大きくなると襞織り加工性はよ
くなるが、本発明のように細い繊維径の濾過材と積層し
た際には濾過性能は殆ど変化しない。また、濾過材をカ
ートリッジ化して用いる際に重量が重すぎて作業性が悪
いという問題を生じる。また、濾過材の厚みが厚くなり
すぎるため襞織り数を大きく取って有効濾過面積を大き
くする事ができない。
【0016】他方、目付が80g/m2より小さくなる
と不織布の剛性が小さくなりすぎて濾過操作時の圧力に
より濾材が折れ曲がったり、襞織り加工した際の襞の山
がくずれ隣同志の濾材が密着してしまい、密着した部分
が濾過に使用されなくなり有効濾過面積が低下して好ま
しくない。また、襞織り加工時にレシプロ加工したとき
の跡がはっきりつかず折り目が鋭角的でなくなり悪くな
るという問題を生じる。
【0017】不織布Aのポロメータ測定による平均流量
孔径は20μm〜200μmであることが必要である。
平均流量孔径が20μmより小さいと濾過材全体の通気
抵抗または通液抵抗が高すぎてフィルターカートリッジ
のライフが短くなってしまう。これは濾過材全体の耐圧
が濾過材端部の接着強度で決定されてしまうためであ
る。他方、200μmより大きくなると、不織布Bの補
強材としてのサポーターの役目が果たしにくく、濾過材
が濾過されたケーキ層から受ける力により破れてしまう
確率が高くなり問題となる。
【0018】さらに、該不織布Aの主たる構成材料とし
てはポリエステルを主成分とするスパンボンド不織布で
あることが好ましい。その他の不織布としてはサーマル
ボンドやケミカルボンドの短繊維の不織布が考えられ本
発明にも利用可能であるが、スパンボンド不織布は長繊
維不織布であるためリントフリー性に優れ、濾過材から
繊維が脱落する危険性が殆ど無いために濾過材として最
適である。このスパンボンド不織布はニードルパンチや
水流交絡などを施し不織布の寸法安定性を改善する事も
好ましい形態の一つである。また、不織布の素材として
はポロプロピレン、ポリアミド等でも要求特性を満たす
事が可能であるが、繊維間の接着性を上げるために2成
分以上のポリマーよりなる複合繊維を使う事も好ましい
形態である。特に、濾材の寸法安定性や負荷に対する変
形抵抗が高いという観点からポリエステルが好ましく、
特にポリエチレンテレフタレート単体またはポリエチレ
ンテレフタレートを含む共重合体が好ましい。
【0019】該不織布Aの厚みは7g/cm2荷重下で
0.4mm〜1.5mmであることが好ましい。0.4
mmより薄くなると、繊維の充填密度が高すぎるために
濾過材の圧力損失が高くなりすぎるという問題を生じ
る。反対に厚みが1.5mmより厚いと繊維の充填密度
が低く濾過精度が悪くなる。また、カートリッジフィル
ターとして濾過材を襞織りしたり、巻き廻して使用する
際にケースに入る襞折数または巻数を増やして濾過材の
面積を大きくできないという問題を生じる。
【0020】また、本発明の不織布Aは、樹脂加工され
ている事が好ましい。樹脂加工することで不織布の襞折
加工性や寸法安定性がより改善され、従って少ない目付
の不織布で襞折加工が可能である。また、親水性の樹脂
で加工を実施すると、水系の液を濾過する際に濾過液の
プライミング性が改善でき、濾過操作時の圧力損失も小
さくなる。樹脂加工の方法としては水や溶剤に樹脂を溶
かした液に不織布を浸漬したのちに乾燥して液成分を蒸
発させるのが一般的である。場合によっては樹脂を更に
高温で熱処理して架橋処理などにより安定付着させる等
の手段が用いられる。
【0021】本発明により使用される不織布Bとしては
メルトブロー法により製造される不織布が不織布中に繊
維が均一に分散されており好ましい形態のひとつであ
る。また、フラッシュ紡糸繊維を湿式不織布化したもの
も繊維径や通気性の観点から好ましい。不織布の主たる
構成材料としてはポリオレフィンがケーキが剥離しやす
く濾過材を再生して使えるため好ましい。また、フッ素
を含有するポリマーとポリオレフィンの共重合体が成形
加工性やケーキの剥離性の観点から好ましい。特に、フ
ッ素系のポリマーであるクロロトリフルオロエチレンと
ポリエチレンの共重合体はこの観点から好ましい。ま
た、後加工による撥水処理を実施するのも好ましい形態
の一つである。
【0022】該不織布Bの平均繊維径は1.0μm〜
6.0μmの間にあることが必要である。好ましくは、
2μm〜6μmである。濾過操作時に濾過材表面にケー
キ層の生じる濾過においては、繊維径が1μmより細い
場合には濾過材の開孔が小さすぎるため不織布の閉塞が
速くライフを長く保つ事ができない。他方、6.0μm
より大きくなると濾過対象粒子の濾過材の通り抜けが増
え、濾過精度が小さくなってしまう。
【0023】また、該不織布Bの目付は10g/m2
60g/m2の間にあることが必要である。より好まし
くは、10g/m2〜40g/m2である。不織布の目付
が10g/m2より小さいと濾過精度を高くする事が難
しい。目付が60g/m2より大きくなると、濾過抵抗
が大きくなりすぎて問題となる。また、本発明の目的で
ある、ケーキ層のできる濾過では目付を大きくしても、
濾過精度は濾過開始初期に若干の改善がみられるがその
効果は大きくなる。また、ライフを改善する観点からは
全く効果がない。
【0024】不織布Bの平均流量孔径は5μm〜50μ
mであることが必要である。平均流量孔径が5μmより
小さくなると濾過材の目詰まりが早くライフが短くな
る。逆に50μmより大きくなると、濾過精度が低くな
り問題となる。
【0025】また、不織布Bの厚みは7g/cm2荷重
下で0.05mm〜0.6μmであることが好ましく、
更に好ましくは0.1mm〜0.45mmである。厚み
が0.05mmより薄くなると、繊維の充填密度が高す
ぎるために濾過材の圧力損失が高くなりすぎるという問
題が生じる。反対に厚みが0.6mmより厚いと繊維の
充填が低く濾過精度が悪くなる。また、カートリッジフ
ィルターとして濾過材を襞折りしたり、巻き廻して使用
する際にケースに入る濾過材の面積を大きくできないと
いう問題が生じる。
【0026】本発明に使用される不織布Aと不織布Bは
少なくとも一部が接着接合されている事が必要である。
不織布Bは繊維径が細いため強度が小さく、濾過時に破
れる危険性が高いため、補強層である不織布Aと密着さ
せる必要がある。また、襞織り加工時に該不織布間に隙
間を乗じると濾過材にシワが入るという問題が生じる。
【0027】不織布Aと不織布Bの接合後の厚みは、7
g/cm2荷重下で0.5mm〜1.5mmであること
が好ましく、更に好ましくは0.5mm〜1.2mmで
ある。濾過材の厚みが0.5mmより薄くなると、濾過
材の圧力損失が高くなりすぎたり襞織り加工性が低下す
るという問題を生じる。反対に厚みが1.5mmより厚
いと繊維の充填が低く濾過精度が悪くなる。また、カー
トリッジフィルターとして濾過材を襞織りしたり、巻き
廻して使用する際にケースに入る濾過材の面積を大きく
できないという問題を生じる。
【0028】不織布Aと不織布Bの接着方法としては、
異素材不織布の接着によく用いられる超音波ウェルダー
加工や熱接着性繊維を用いた接着などが可能であるが、
コストや不織布間の密着性の観点からパウダー状の樹脂
を振り落とし加熱融解後に不織布を積層する方法が特に
好ましい。積層後の濾過材の総目付は小さいほど好まし
いが、経験的には上限として210g/m2がカートリ
ッジの組立作業上好ましいことが分かった。他方、目付
が90g/m2より小さくなると濾過精度が低く、襞折
加工性が悪いという問題を生じた。なお、濾過材の平均
流量孔径は3〜40μmが好ましい。3μm未満である
と濾過材の目詰まりが早くなって好ましくなく、40μ
mをこえると濾過精度が低くなって好ましくない。
【0029】また、本発明に用いられる不織布Bの表面
がカレンダー加工などにより平滑化された事が好まし
い。表面を平滑化することによりケーキ層となる粒子と
濾過材の界面の接触面積が低下し、ケーキ層の剥離性が
改善される。濾過を途中で停止した際にケーキ層の剥離
が生じ易く濾過材表面が再生されて濾過ライフがのびる
傾向にある。
【0030】本発明の最も好適な濾過方法は、該濾過材
の不織布B面側を濾過の上流側に配置させる事が重要で
ある。従来の濾過の知見としてはより繊維径の細かい濾
材を下流側に用いるのが常識であった。本発明者は、本
発明の濾過操作の対象である濾材表面にケーキ層が形成
される濾過においては、逆に太い繊維を下流側に配置さ
せる事が濾過ライフをよくすることを明らかにした。原
因はまた十分明らかではないがケーキ層の剥離のために
は濾材表面での濾過が深層濾過より重要であると推定し
ている。すなわち、太い繊維がケーキ層の形成される面
に設置された際には、濾過時にケーキ層の一部が濾材の
中に入り込み、いわゆるアンカー効果を発現しケーキ層
が剥がれにくくなることと、太い繊維が上流にある際に
は、その繊維の直下にある細い繊維の濾過面がデッドと
なって濾過に供されないことがその原因であると推定し
ている。本発明の濾過材は単独で用いてもよいが積層体
の場合には少なくとも1層含んでいればよい。発明者の
経験では濾過対象粒子径の分布が広い系ほどケーキ層が
できやすく、ケーキ層の剥離性が濾過ライフ改善のため
重要となり、従って本発明の効果が高くなる事がわかっ
た。本発明の濾過材を使用する際、他の濾過材と合わせ
て使用したり、活性炭などの吸着材などと合わせて使用
するのも好ましい。
【0031】さらに、本発明の濾過材の最も好適な利用
分野のひとつとしては、放電加工またはワイヤーカット
加工によって生じた金属の加工屑を処理する系があるこ
とがわかった。この系では濾過対象粒子の粒径分布が広
く濾材表面にケーキ層が出来やすいこと、また濾過粒子
の密度が大きいため、濾材面を地面に対し鉛直方向にな
るように濾過材を設置した際に重力でケーキ層が落下し
やすいことがその好適性の原因であると考えている。本
発明の濾過材を襞折加工して用いる際には、濾過材の優
れた剥離性を活かすためには襞の山間隔が従来に比べて
大きい事が好ましく、具体的には山間隔が3mm〜50
mmが好ましく、更に好ましくは5mm〜40mm、最
も好ましくは7mm〜20mmであることが分かった。
【0032】
【実施例】以下に本発明をより明確にするため実施例を
あげて説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。実施例における各物性は、次の方法により測定し
た。 平均繊維径 1000倍(走査型電子顕微鏡)の拡大写真より、50
0本以上の繊維径を読み取り、その算術平均値とした。
【0033】 厚み JIS L1076に従い、7g/cm2荷重下での厚
みを不織布シートの巾方向に10cm毎に測定し算術平
均値を厚みとした。
【0034】 液体フィルター特性 純水8LにJIS8種標準粒子を0.8g超音波分散さ
せ、その液を200ml/分で有効φ42mmの円形の
濾材で濾過テストを実施した。粒子分散液の入り口濃度
と濾過開始後の1分後の出口濃度(この時濾過精度が最
低になった)から以下の式で濾過精度を百分率で求め
た。 濾過精度(%)=〔1−出口濃度/入口濃度〕×100 また、濾過ライフは濾過テスト時の濾過材前後の差圧が
1kg/cm2になるまでの時間とした。
【0035】 平均(流量)孔径 コールター社製ポロメーターIIを用い直径φ25mmの
サンプルホルダーを用い測定を実施した。
【0036】実施例1および実施例2 メルトブロー法により平均繊維径2μmで目付が40g
/m2と55g/m2の2種類のポリプロピレン製不織布
Bを作成した。つぎに、平均繊維径が16μmで樹脂加
工を施したポリエステルスパンボンド不織布A(160
g/m2と100g/m2)に、5〜10g/m2の割合
でポリエチレン製のパウダー粒子を振り落とし、前記不
織布Bを夫々不織布Aに重ねて加熱して積層一体化し濾
過材を作成した。パウダー接着を実施する前の不織布A
及びBの厚みの合計と積層後複合シートの厚みは変化し
ない事が分かった。作成したサンプルは、濾過材特性お
よび液体フィルター性能を評価し、表1に結果を示し
た。なお、表1でPPはポリプロピレン、PETはポリ
エチレンテレフタレート、PEパウダーはポリエチレン
パウダー振り落し加熱融着、エンボスはエンボス加工を
示す。表中の襞折加工性はレシプロ襞折り加工装置で折
り目がまっすぐつくかどうかと、折り目が鋭角的にはっ
きりとつくかどうかで判断した。ケーキ剥離性は、逆洗
を実施した際に表面のケーキ層が面積で10%以上剥離
したものを良好とし、20%以上を極めて良好とし、1
0%未満を不良として記載した。濾過テストの結果につ
いては、経験から好ましい範囲としては濾過精度30%
以上かつライフ5分以上が合格であるとした。
【0037】
【表1】
【0038】実施例3 メルトブロー法により平均繊維径2μmで目付が40g
/m2のポリプロピレン製不織布Bを作成した。つぎに
平均繊維径が16μmのポリエステル製スパンボンド不
織布Aに、5〜10g/m2の割合でポリエチレン製の
パウダー粒子を振り落とし、前記不織布Bを重ねて加熱
して積層一体化し濾過材を作成した。作成したサンプル
をローラー温度60℃、線圧15kg/cmでカレンダ
ー加工し、濾過材特性および液体フィルター性能を評価
し、表1に結果を示した。
【0039】実施例4 実施例1で濾過試験に用いた不織布を上流側と下流側が
逆になるようにセットし、400ml/分の流量で15
分間逆洗を実施し、元の状態にセットしなおし濾過材の
再生を行って濾過性能を評価した。濾過材表面のケーキ
層はかなり剥離しており、実施例1との差があまりなか
った。
【0040】実施例5 メルトブロー法により平均繊維径2μmで目付が40g
/m2のポリエチレンテレフタレート製不織布Bを作成
した。次に、平均繊維径が16μmの樹脂加工を施した
ポリエステル製スパンボンド不織布Aに、5〜10g/
2の割合でポリエチレン製のパウダー粒子を振り落と
し、前記不織布Bと重ねて加熱して積層一体化し濾過材
を作成した。作成したサンプルは、濾過材特性および液
体フィルター性能を評価し、表1に結果を示したが濾過
性能は良好であった。
【0041】実施例6 メルトブロー法により平均繊維径2μmで目付が40g
/m2のポリプロピレン製不織布Bを作成した。つぎ
に、平均繊維径が約28μmで、目付が160g/m2
のポリエステル製スパンボンド不織布Aに、5〜10g
/m2の割合でポリエチレン製のパウダー粒子を振り落
とし、前記不織布Bと重ね加熱して積層一体化し濾過材
を作成した。評価結果を表1に示したが濾過性能は良好
であった。
【0042】実施例7 メルトブロー法により平均繊維径4μmで目付が50g
/m2のポリプロピレン製不織布Bを作成した。つぎ
に、平均繊維径が約12μmのポリエステル製スパンボ
ンド不織布Aに、5〜10g/m2の割合でポリエチレ
ン製のパウダー粒子を振り落とし、前記不織布Bと重ね
加熱して積層一体化し濾過材を作成した。評価結果を表
1に示したが濾過性能は良好であった。
【0043】実施例8 メルトブロー法により平均繊維径2μmで目付が20g
/m2のポリエチレンテレフタレート製不織布Bを作成
した。つぎに、平均繊維径が約16μmの樹脂加工を施
したポリエステル製スパンボンド不織布Aに、5〜10
g/m2の割合でポリエチレン製のパウダー粒子を振り
落とし、前記不織布Bと重ね加熱して積層一体化し濾過
材を作成した。作成したサンプルは、濾過材特性および
液体フィルター性能を評価し、表1に結果を示したが濾
過性能は良好であった。
【0044】実施例9 メルトブロー法により平均繊維径2μmで目付が40g
/m2のポリプロピレン製不織布Bを作成した。つぎ
に、平均繊維径が約12μmのポリエステル製スパンボ
ンド不織布Aを、樹脂加工したのちカレンダー加工によ
り濾材厚みを調整した。該不織布Aに5〜10g/m2
の割合でポリエチレン製のパウダー粒子を振り落とし、
前記不織布Bと重ね加熱して積層一体化し濾過材を作成
した。評価結果を表1に示したが濾過性能は良好であっ
た。
【0045】比較例1 メルトブロー法により平均繊維径8μmで目付が60g
/m2のポリプロピレン製不織布Bを作成した。つぎ
に、平均繊維径が約16μmのポリエステル製スパンボ
ンド不織布Aに、5〜10g/m2の割合でポリエチレ
ン製のパウダー粒子を振り落とし、ついで前記不織布B
と重ね加熱して積層一体化し濾過材を作成した。その結
果を表2に示した。濾過精度が悪く問題である事が分か
った。
【0046】
【表2】
【0047】比較例2 メルトブロー法により平均繊維径4μmで目付が40g
/m2のポリプロピレン製不織布Bを作成し、平均繊維
径が40μmのポリエステル製スパンボンド不織布A
に、5〜10g/m2の割合でポリエチレン製のパウダ
ー粒子を振り落とし、前記不織布Bと重ね加熱して積層
一体化し濾過材を作成した。その性能結果を表2に示し
た。本濾過材の襞折加工時に、濾過材の折り目がつき難
く濾過材が安定して工程を通過しないという問題を生じ
た。繊維径の太いものほどその傾向が顕著であることが
わかった。
【0048】比較例3 メルトブロー法により平均繊維径0.5μmで目付が4
0g/m2のポリプロピレン製不織布Bを作成した。つ
ぎに、平均繊維径が16μmのポリエステル製スパンボ
ンド不織布Aに、5〜10g/m2の割合でポリエチレ
ン製のパウダー粒子を振り落とし、前記不織布Bと重ね
加熱して積層一体化し濾過材を作成した。濾過材の目詰
まりが速く濾過精度の測定ができなかった。濾過ライフ
が短すぎて問題であった。
【0049】比較例4 メルトブロー法により平均繊維径2μmで目付が40g
/m2のポリプロピレン製不織布を作成し、平均繊維径
が8μmのポリプロピレン製スパンボンド不織布上に、
5〜10g/m2の割合でポリエチレン製のパウダー粒
子を振り落とし、加熱して積層一体化し濾材を作成し
た。その性能結果を表2に示した。
【0050】比較例5 市販の放電加工用フィルターとして広く用いられている
エンボス加工されたポリエステルスパンボンド不織布G
226を用い液体フィルター性能を評価した。その結果
を表2に示した。驚くべき事に、実施例1よりかなり大
きい平均流量孔径を持つ素材であるにかかわらず、初期
の濾過精度が低く、かつライフも短い事が判明した。
【0051】比較例6 また、比較例5で濾過テストに用いた濾過材を、実施例
4と同じ方法で逆洗を実施してもエンボス加工されてい
ない部分の繊維中に粒子が入り込み粒子を取り除く事が
できなかった。また、表2に示すように濾過性能も良く
なかった。
【0052】比較例7 メルトブロー法により平均繊維径2μmで目付が20g
/m2のポリプロピレン製不織布Bを作成し、平均繊維
径が約16μm、目付60g/m2の樹脂加工したポリ
エステル製スパンボンド不織布A上に、5〜10g/m
2の割合でポリエチレン製のパウダー粒子を振り落と
し、前記不織布Bと重ね加熱して積層一体化し濾過材を
作成した。その結果を表2に示した。濾過精度が悪く問
題である事が分かった。
【0053】比較例8 メルトブロー法により平均繊維径3μmで目付が8g/
2のポリプロピレン製不織布Bを作成し、平均繊維径
が約16μm、目付が160g/m2のポリエステル製
スパンボンド不織布A上に、5〜10g/m2の割合で
ポリエチレン製のパウダー粒子を振り落とし、前記不織
布Bと重ね加熱して積層一体化し濾過材を作成した。そ
の結果を表2に示した。濾過精度が悪く問題である事が
分かった。
【0054】
【発明の効果】本発明の濾過材は、濾過材表面にケーキ
層のできる濾過操作において濾過精度とライフのバラン
スに優れたものである。また、本発明の濾過方法は、本
発明で提供される濾過材の好ましい使用方法を提供す
る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均繊維径が10μm〜30μmの間に
    あり、目付が80g/m2〜200g/m2の間にあり、
    平均流量孔径が20μm〜200μmの間にある不織布
    Aと、平均繊維径が1.0μm〜6.0μmの間にあ
    り、目付が10g/m2〜60g/m2の間にあり、該不
    織布Aの平均流量孔径より小さく平均流量孔径が5μm
    〜50μmの間にある不織布Bとが積層され、前記不織
    布Aと前記不織布Bの少なくとも一部が接着接合されて
    なる濾過材であって、該濾過材の目付が90g/m2〜
    210g/m2、かつ厚みが0.5mm〜1.5mmの
    間にあることを特徴とする濾過材。
  2. 【請求項2】 請求項1において不織布Aの主たる構成
    材料がポリエステル素材のスパンボンド不織布である濾
    過材。
  3. 【請求項3】 不織布Bの主たる構成材料がポリオレフ
    ィン素材のメルトブロー不織布である請求項1または請
    求項2に記載の濾過材。
  4. 【請求項4】 不織布Aが樹脂加工されたスパンボンド
    不織布である請求項1または請求項2または請求項3に
    記載の濾過材。
  5. 【請求項5】 不織布Aと不織布Bがパウダー状の樹脂
    で接着されている請求項1または請求項2または請求項
    3または請求項4に記載の濾過材。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5までのいずれか1
    項に記載の濾過材において、不織布Bの表面がカレンダ
    ー加工などにより平滑化された濾過材。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6までのいずれか1
    項に記載の濾過材の少なくとも1層を含み、該濾過材の
    不織布B側の面を濾過の上流側に配置させて濾過する事
    を特徴とする濾過方法。
  8. 【請求項8】 放電加工またはワイヤーカット加工によ
    って生じた金属の加工屑を請求項1から請求項6のいず
    れか1項に記載の濾過材の少なくとも1層を含み、該濾
    過材の不織布B側の面を濾過の上流側に配置させて濾過
    する事を特徴とする濾過方法。
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