JPH10179820A - チタン製ゴルフクラブヘッドの製造方法 - Google Patents
チタン製ゴルフクラブヘッドの製造方法Info
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- JPH10179820A JPH10179820A JP8346384A JP34638496A JPH10179820A JP H10179820 A JPH10179820 A JP H10179820A JP 8346384 A JP8346384 A JP 8346384A JP 34638496 A JP34638496 A JP 34638496A JP H10179820 A JPH10179820 A JP H10179820A
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- club head
- titanium
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 強度、耐久性等の機械的特性に優れているの
みならず、ゴルフボールを打った際に、4〜10kHz の
周波数帯域における打球音響性が低く、金属的な響きが
抑制され、パーシモンのような柔らかい打球音を有する
チタン製ゴルフクラブヘッドの製造方法を提供する。 【解決手段】 チタン製ゴルフクラブヘッドの製造にお
いて、α+β型チタン合金に(β変態温度−100℃)
以上β変態温度未満の範囲内の温度で加工を施し、次い
で、750℃以上1100℃未満の範囲内の温度で熱処
理を施したものを少なくともフェース部に用いることに
より、4〜10kHz の周波数帯域において打球音残響性
が低いことを特徴とする、チタン製ゴルフクラブヘッド
の製造方法。
みならず、ゴルフボールを打った際に、4〜10kHz の
周波数帯域における打球音響性が低く、金属的な響きが
抑制され、パーシモンのような柔らかい打球音を有する
チタン製ゴルフクラブヘッドの製造方法を提供する。 【解決手段】 チタン製ゴルフクラブヘッドの製造にお
いて、α+β型チタン合金に(β変態温度−100℃)
以上β変態温度未満の範囲内の温度で加工を施し、次い
で、750℃以上1100℃未満の範囲内の温度で熱処
理を施したものを少なくともフェース部に用いることに
より、4〜10kHz の周波数帯域において打球音残響性
が低いことを特徴とする、チタン製ゴルフクラブヘッド
の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、チタン製ゴルフ
クラブヘッド、特に打球音残響性に優れたチタン製ゴル
フクラブヘッドの製造方法に関する。
クラブヘッド、特に打球音残響性に優れたチタン製ゴル
フクラブヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ドライバー等のメタルウッドクラ
ブのヘッド部にチタン合金が用いられるようになった。
その理由は、チタン合金は比強度が高いので、ヘッド部
の薄肉大容量化が可能となって、スウィートスポットの
面積を広く取ることができ、その結果打球の方向が安定
する、また、スウィートスポットが拡大することによっ
てシャフトの長尺化が可能となって、飛距離の増大が望
めるといった利点があるからである。
ブのヘッド部にチタン合金が用いられるようになった。
その理由は、チタン合金は比強度が高いので、ヘッド部
の薄肉大容量化が可能となって、スウィートスポットの
面積を広く取ることができ、その結果打球の方向が安定
する、また、スウィートスポットが拡大することによっ
てシャフトの長尺化が可能となって、飛距離の増大が望
めるといった利点があるからである。
【0003】特開昭63−154186号公報(以下、
先行文献1)、特開平4−367678号公報(以下、
先行文献2)、特公平7−98076号公報(以下、先
行文献3)には、種々のTi合金を用いたゴルフクラブ
ヘッドの製造方法が開示されている。先行文献1には、
Ti−6wt.%Al−4wt.%V製のシェル状部材を相互に
一体化接合して中空状のヘッドを組み立て、且つそのヘ
ッド内部後方にTiより比重の大きなバックウエイトを
固着する方法が開示されている。先行文献2には、Ti
−4.7wt.%Al−2.9wt.%V−2.0wt.%Mo−
2.1wt.%Fe薄板をプレスによってクラブヘッドのシ
ェル状の分割部品に成形し、溶接によってヘッドシェル
の形に組み立て、更に溶体化処理および時効処理を施す
方法が開示されている。先行文献3には、熱間プレスに
よって平均結晶粒径10μmとしたTi−6wt.%Al−
4wt.%V製クラウン部と、板から削りだしたTi−6w
t.%Al−4wt.%V製フェース部およびソール部とを溶
接によってヘッド形状に組み立て、且つクラウン部の剛
性がソール部のそれよりも低くする製造方法が開示され
ている。
先行文献1)、特開平4−367678号公報(以下、
先行文献2)、特公平7−98076号公報(以下、先
行文献3)には、種々のTi合金を用いたゴルフクラブ
ヘッドの製造方法が開示されている。先行文献1には、
Ti−6wt.%Al−4wt.%V製のシェル状部材を相互に
一体化接合して中空状のヘッドを組み立て、且つそのヘ
ッド内部後方にTiより比重の大きなバックウエイトを
固着する方法が開示されている。先行文献2には、Ti
−4.7wt.%Al−2.9wt.%V−2.0wt.%Mo−
2.1wt.%Fe薄板をプレスによってクラブヘッドのシ
ェル状の分割部品に成形し、溶接によってヘッドシェル
の形に組み立て、更に溶体化処理および時効処理を施す
方法が開示されている。先行文献3には、熱間プレスに
よって平均結晶粒径10μmとしたTi−6wt.%Al−
4wt.%V製クラウン部と、板から削りだしたTi−6w
t.%Al−4wt.%V製フェース部およびソール部とを溶
接によってヘッド形状に組み立て、且つクラウン部の剛
性がソール部のそれよりも低くする製造方法が開示され
ている。
【0004】ところで、ゴルフクラブは方向安定性や飛
距離といった単なる機械的な性能のみならず、ボールを
打った際の打球音といった個人の感性に訴える性能をも
要求される。この感覚的な好みは個々の人間によって異
なるものであるため、ゴルフクラブにおいては様々な打
球音が求められることとなる。しかしながら、これら先
行文献1〜3においてはゴルフクラブヘッドの耐久性あ
るいは飛距離といった機械的な性質にのみ着目してお
り、打球音については何ら言及されていない。また、日
本金属学会会報、vol.35(1996)P.8 (以下、先行文献
4)において、星らは、ゴルフクラブの打球音について
検討を行った結果、人間の感知し得るゴルフクラブの打
球音とはボールを打った後の残響音であり、これを特徴
づけるのは木材、ステンレス鋼、チタンといったゴルフ
クラブヘッドを構成する材料であることを開示してい
る。
距離といった単なる機械的な性能のみならず、ボールを
打った際の打球音といった個人の感性に訴える性能をも
要求される。この感覚的な好みは個々の人間によって異
なるものであるため、ゴルフクラブにおいては様々な打
球音が求められることとなる。しかしながら、これら先
行文献1〜3においてはゴルフクラブヘッドの耐久性あ
るいは飛距離といった機械的な性質にのみ着目してお
り、打球音については何ら言及されていない。また、日
本金属学会会報、vol.35(1996)P.8 (以下、先行文献
4)において、星らは、ゴルフクラブの打球音について
検討を行った結果、人間の感知し得るゴルフクラブの打
球音とはボールを打った後の残響音であり、これを特徴
づけるのは木材、ステンレス鋼、チタンといったゴルフ
クラブヘッドを構成する材料であることを開示してい
る。
【0005】従って、従来、ゴルフクラブの打球音を制
御するためにはヘッド部の材料を変更する以外に方法は
なく、チタンを用いることによって、飛距離の増大とい
った機械的特性は向上するものの、それと同時に打球音
を制御することは不可能とされていた。即ち、上述した
ように、先行文献1から3に開示された先行技術におい
ては、ゴルフクラブヘッドの耐久性あるいは飛距離とい
った機械的な性質のみが改善されているに過ぎないとい
う問題点がある。
御するためにはヘッド部の材料を変更する以外に方法は
なく、チタンを用いることによって、飛距離の増大とい
った機械的特性は向上するものの、それと同時に打球音
を制御することは不可能とされていた。即ち、上述した
ように、先行文献1から3に開示された先行技術におい
ては、ゴルフクラブヘッドの耐久性あるいは飛距離とい
った機械的な性質のみが改善されているに過ぎないとい
う問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、この発明の目
的は、上述した先行技術の問題点を解決して、金属的な
響きが抑制され、パーシモンのような柔らかい打球音を
有するチタン製ゴルフクラブヘッドの製造方法を提供す
るにある。
的は、上述した先行技術の問題点を解決して、金属的な
響きが抑制され、パーシモンのような柔らかい打球音を
有するチタン製ゴルフクラブヘッドの製造方法を提供す
るにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、チタ
ン製ゴルフクラブヘッドにおいては、その製造方法を工
夫して、金属組織の形態等を制御することによって、ゴ
ルフクラブヘッドの耐久性または飛距離といった機械的
な性質を改善し、同時に、打球音を変化させることがで
きることを知見した。即ち、α+β型チタン合金に(β
変態温度−100℃)以上β変態温度未満の範囲内の温
度で加工を施し、次いで、750℃以上1100℃未満
の範囲内の温度で熱処理を施したものを少なくともフェ
ース部に用いると、4〜10kHzの周波数帯域において
打球音残響性を低くすることを知見した。
問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、チタ
ン製ゴルフクラブヘッドにおいては、その製造方法を工
夫して、金属組織の形態等を制御することによって、ゴ
ルフクラブヘッドの耐久性または飛距離といった機械的
な性質を改善し、同時に、打球音を変化させることがで
きることを知見した。即ち、α+β型チタン合金に(β
変態温度−100℃)以上β変態温度未満の範囲内の温
度で加工を施し、次いで、750℃以上1100℃未満
の範囲内の温度で熱処理を施したものを少なくともフェ
ース部に用いると、4〜10kHzの周波数帯域において
打球音残響性を低くすることを知見した。
【0008】この発明は、上記知見に基づいてなされた
ものであって、この発明のチタン製ゴルフクラブヘッド
の製造方法は、チタン製ゴルフクラブヘッドの製造にお
いて、α+β型チタン合金に(β変態温度−100℃)
以上β変態温度未満の範囲内の温度で加工を施し、次い
で、750℃以上1100℃未満の範囲内の温度で熱処
理を施したものを少なくともフェース部に用いることに
より、4〜10kHz の周波数帯域において打球音残響性
が低いことを特徴とするものである。
ものであって、この発明のチタン製ゴルフクラブヘッド
の製造方法は、チタン製ゴルフクラブヘッドの製造にお
いて、α+β型チタン合金に(β変態温度−100℃)
以上β変態温度未満の範囲内の温度で加工を施し、次い
で、750℃以上1100℃未満の範囲内の温度で熱処
理を施したものを少なくともフェース部に用いることに
より、4〜10kHz の周波数帯域において打球音残響性
が低いことを特徴とするものである。
【0009】更に、この発明のチタン製ゴルフクラブヘ
ッドの製造方法は、チタン製ゴルフクラブヘッドの製造
において、α+β型チタン合金にβ変態温度以上110
0℃未満の範囲内の温度で加工を施したものを少なくと
もフェース部に用いることにより、4〜10kHz の周波
数帯域において打球音残響性が低いことを特徴とするも
のである。
ッドの製造方法は、チタン製ゴルフクラブヘッドの製造
において、α+β型チタン合金にβ変態温度以上110
0℃未満の範囲内の温度で加工を施したものを少なくと
もフェース部に用いることにより、4〜10kHz の周波
数帯域において打球音残響性が低いことを特徴とするも
のである。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、この発明を、図面を参照し
ながら説明する。図1は、この発明の方法の1つによっ
て製造されるチタン製ゴルフクラブヘッドを示す概略説
明図である。図1において、1はフェース+フォーゼル
部、2はソール部、3はクラウン部を示す。
ながら説明する。図1は、この発明の方法の1つによっ
て製造されるチタン製ゴルフクラブヘッドを示す概略説
明図である。図1において、1はフェース+フォーゼル
部、2はソール部、3はクラウン部を示す。
【0011】本発明の方法においては、ゴルフクラブヘ
ッドの少なくともフェース部はα+β型チタン合金を用
いるべきである。その理由は次の通りである。即ち、純
チタンを除くα型チタンの場合には、塑性加工に著しい
困難を伴い、ゴルフクラブヘッドのような複雑な形状に
成形し難い。純チタンでは、ゴルフクラブヘッドに要求
される強度を満足しないためヘッドの変形を招く。一
方、β型チタンの場合には、後述するように、所望の音
響特性を得られないからである。
ッドの少なくともフェース部はα+β型チタン合金を用
いるべきである。その理由は次の通りである。即ち、純
チタンを除くα型チタンの場合には、塑性加工に著しい
困難を伴い、ゴルフクラブヘッドのような複雑な形状に
成形し難い。純チタンでは、ゴルフクラブヘッドに要求
される強度を満足しないためヘッドの変形を招く。一
方、β型チタンの場合には、後述するように、所望の音
響特性を得られないからである。
【0012】α+β型チタン合金に加工を施す温度は、
(β変態温度−100℃)以上β変態温度未満の間とす
るべきである。(β変態温度−100℃)未満の温度で
は、塑性加工が困難であり、ゴルフクラブヘッドの形状
に成形することができない。一方、β変態温度以上の温
度では、金属組織が粗大なβ相組織となり耐久性に劣
る。
(β変態温度−100℃)以上β変態温度未満の間とす
るべきである。(β変態温度−100℃)未満の温度で
は、塑性加工が困難であり、ゴルフクラブヘッドの形状
に成形することができない。一方、β変態温度以上の温
度では、金属組織が粗大なβ相組織となり耐久性に劣
る。
【0013】更に、上述した伸長した形態の2相混合組
織を得るためには、30%以上の圧下率の熱間加工を加
えることが望ましい。一般的に、α+β型チタン合金は
2相域で加工される場合、金属組織は板厚方向に伸長し
た形態の2相混合組織である。即ち、2相混合組織であ
ることに加えて、α相およびβ相は共に板厚方向と垂直
な方向に伸長した形態である。このような組織形態は、
8〜10kHz の周波数帯域における打球音残響性を高め
る効果を有している。更に、上述したα相においては、
ひずみが蓄積されており、その結果、4〜6kHz の周波
数帯域における打球音残響性を高める効果を有してい
る。
織を得るためには、30%以上の圧下率の熱間加工を加
えることが望ましい。一般的に、α+β型チタン合金は
2相域で加工される場合、金属組織は板厚方向に伸長し
た形態の2相混合組織である。即ち、2相混合組織であ
ることに加えて、α相およびβ相は共に板厚方向と垂直
な方向に伸長した形態である。このような組織形態は、
8〜10kHz の周波数帯域における打球音残響性を高め
る効果を有している。更に、上述したα相においては、
ひずみが蓄積されており、その結果、4〜6kHz の周波
数帯域における打球音残響性を高める効果を有してい
る。
【0014】上述したように得られたチタン製ゴルフク
ラブヘッドに750℃以上1100℃以下の範囲内の温
度で熱処理を施すと、ひずみは解放され、組織形態も等
軸化するので、4〜6kHz および8〜10kHz の周波数
帯域における打球音残響性を低くすることができ、その
結果、4〜10kHz の周波数帯域における打球音残響性
を低くすることができる。
ラブヘッドに750℃以上1100℃以下の範囲内の温
度で熱処理を施すと、ひずみは解放され、組織形態も等
軸化するので、4〜6kHz および8〜10kHz の周波数
帯域における打球音残響性を低くすることができ、その
結果、4〜10kHz の周波数帯域における打球音残響性
を低くすることができる。
【0015】熱処理を施す温度が750℃未満では、ひ
ずみの解放および組織形態の等軸化が不十分なために、
所望の効果が得られない。一方、熱処理を施す温度が1
100℃を超えると、酸化が激しく、手入れ等に多大な
労力を必要とする。従って、熱処理を施す温度は、75
0℃以上1100℃以下の範囲内に限定すべきである。
この場合、熱処理時間が30分未満では、上述した効果
が期待できない。一方、熱処理時間が2時間を超える
と、ゴルフクラブヘッド表層が著しく酸化して、その手
入れ等に多大な労力を必要とする。従って、熱処理時間
を30分以上2時間以下に限定すべきである。
ずみの解放および組織形態の等軸化が不十分なために、
所望の効果が得られない。一方、熱処理を施す温度が1
100℃を超えると、酸化が激しく、手入れ等に多大な
労力を必要とする。従って、熱処理を施す温度は、75
0℃以上1100℃以下の範囲内に限定すべきである。
この場合、熱処理時間が30分未満では、上述した効果
が期待できない。一方、熱処理時間が2時間を超える
と、ゴルフクラブヘッド表層が著しく酸化して、その手
入れ等に多大な労力を必要とする。従って、熱処理時間
を30分以上2時間以下に限定すべきである。
【0016】4〜10kHz の周波数帯域における打球音
残響性を低くする他の1つに、α+β型チタン合金にβ
変態温度以上1100℃未満の温度で加工を施す方法が
ある。この場合には、金属組織は伸長した2相組織では
なく、更にα相においてもひずみが生じない。従って、
α+β型チタン合金にβ変態温度以上1100℃未満の
温度で加工を施してもよい。
残響性を低くする他の1つに、α+β型チタン合金にβ
変態温度以上1100℃未満の温度で加工を施す方法が
ある。この場合には、金属組織は伸長した2相組織では
なく、更にα相においてもひずみが生じない。従って、
α+β型チタン合金にβ変態温度以上1100℃未満の
温度で加工を施してもよい。
【0017】β型チタン合金を熱間加工ままで用いる
と、音響特性はこの発明と同じようになるけれども、強
度が低いので、耐久性に劣る。更に、溶体化時効を施せ
ば、耐久性は改善されるものの、微細なα相が析出し
て、6〜8kHz の周波数帯域における打球音残響性が高
くなってしまう。
と、音響特性はこの発明と同じようになるけれども、強
度が低いので、耐久性に劣る。更に、溶体化時効を施せ
ば、耐久性は改善されるものの、微細なα相が析出し
て、6〜8kHz の周波数帯域における打球音残響性が高
くなってしまう。
【0018】従って、上述したこの発明のα+β型チタ
ン合金を、少なくともフェース部に用いて製造したチタ
ン製ゴルフクラブヘッドは、4〜10kHz の周波数帯域
における打球音残響性が低い。
ン合金を、少なくともフェース部に用いて製造したチタ
ン製ゴルフクラブヘッドは、4〜10kHz の周波数帯域
における打球音残響性が低い。
【0019】この発明の方法によって製造したチタン製
ゴルフクラブヘッドは、強度、耐久性等の機械的特性に
優れているのみならず、ゴルフボールを打った際に、4
〜10kHz の周波数帯域における打球音残響性が低く、
金属的な響きが抑制され、パーシモンのような柔らかい
打球音をも具備している。
ゴルフクラブヘッドは、強度、耐久性等の機械的特性に
優れているのみならず、ゴルフボールを打った際に、4
〜10kHz の周波数帯域における打球音残響性が低く、
金属的な響きが抑制され、パーシモンのような柔らかい
打球音をも具備している。
【0020】
【実施例】次に、本発明のチタン製ゴルフクラブヘッド
の製造方法を実施例によって説明する。
の製造方法を実施例によって説明する。
【0021】表1に示すA〜Eの成分組成を有するチタ
ン合金A〜Eを用いて、チタン合金の丸棒、板材を調製
した。合金AおよびBはα型チタン合金、合金Cおよび
Dはα+β型チタン合金、合金Eはβ型チタン合金であ
る。次いで、上記チタン合金の丸棒から、表2に示す温
度で、熱間加工によって、2.5〜3.0mmの板厚を
有するフェース+フォーゼル部を調製し、そして、上記
チタン合金の板材から、熱間加工によって、1.0〜
1.5mmの板厚を有するクラウン部および1.5〜
2.0mmの板厚を有するソール部を調製した。
ン合金A〜Eを用いて、チタン合金の丸棒、板材を調製
した。合金AおよびBはα型チタン合金、合金Cおよび
Dはα+β型チタン合金、合金Eはβ型チタン合金であ
る。次いで、上記チタン合金の丸棒から、表2に示す温
度で、熱間加工によって、2.5〜3.0mmの板厚を
有するフェース+フォーゼル部を調製し、そして、上記
チタン合金の板材から、熱間加工によって、1.0〜
1.5mmの板厚を有するクラウン部および1.5〜
2.0mmの板厚を有するソール部を調製した。
【0022】これらの各パーツは熱間加工後直ちに室温
まで空冷された。加工終了直後の温度から300℃の温
度までの平均冷却速度は板厚に応じて3〜10℃/sで
あった。表2および表3にフェース+フォーゼル部の加
工条件および成形結果を示す。
まで空冷された。加工終了直後の温度から300℃の温
度までの平均冷却速度は板厚に応じて3〜10℃/sで
あった。表2および表3にフェース+フォーゼル部の加
工条件および成形結果を示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】表2および表3から明らかなように、フェ
ース+フォーゼル部として、それぞれ、合金Aを用いた
供試体No.B1、合金Eを用いた供試体No.B3、
ならびに、フェース+フォーゼル部として、合金Cまた
はDを用いて、(β変態温度−100℃)以上の温度で
加工を施した供試体No.A1〜A12、A13、A1
4、B6およびB7は、割れを生じることなく成形が可
能であった。これに対して、フェース+フォーゼル部と
して、合金Bを用いた供試体No.B2、ならびに、フ
ェース+フォーゼル部として、合金CまたはDを用い
て、(β変態温度−100℃)未満の温度で加工を施し
た供試体No.B4およびB5においては、成形時に割
れを生じた。
ース+フォーゼル部として、それぞれ、合金Aを用いた
供試体No.B1、合金Eを用いた供試体No.B3、
ならびに、フェース+フォーゼル部として、合金Cまた
はDを用いて、(β変態温度−100℃)以上の温度で
加工を施した供試体No.A1〜A12、A13、A1
4、B6およびB7は、割れを生じることなく成形が可
能であった。これに対して、フェース+フォーゼル部と
して、合金Bを用いた供試体No.B2、ならびに、フ
ェース+フォーゼル部として、合金CまたはDを用い
て、(β変態温度−100℃)未満の温度で加工を施し
た供試体No.B4およびB5においては、成形時に割
れを生じた。
【0027】次いで、上述したように、フェース+フォ
ーゼル部に割れを生じることなく成形が可能であった供
試体に対して、表2および表3に示すように、各素材か
らなる各部材を成形した後、3つの部材をTIG溶接に
よって、突き合わせ溶接して、ゴルフクラブヘッドを組
み立てた。この時、ゴルフクラブヘッドの容積は約28
0ccであった。次いで、このように組み立てたゴルフ
クラブヘッドに対して、表4に示す熱処理を施した後シ
ャフトを取付けて供試体を調製した。このように調製し
た供試体に対して、耐久試験を行った。耐久試験は、ヘ
ッドスピード50m/sでゴルフボールを5000回試
打して、ヘッド部に曲がりや割れが生じたか否かを調
べ、ヘッド部に曲がりや割れが生じなかったものを合
格、ヘッド部に曲がりや割れが生じたものを不合格とし
た。なお、供試体No.A1−1〜A1−6および供試
体No.A2−1〜A10−1、A12−1は、それぞ
れ、供試体No.A1および供試体No.A2〜A1
0、A12と同一材料を用いて組み立てたクラブヘッド
に対して、表4に示す熱処理を施したものである。表4
に耐久試験の結果を合わせて示す。
ーゼル部に割れを生じることなく成形が可能であった供
試体に対して、表2および表3に示すように、各素材か
らなる各部材を成形した後、3つの部材をTIG溶接に
よって、突き合わせ溶接して、ゴルフクラブヘッドを組
み立てた。この時、ゴルフクラブヘッドの容積は約28
0ccであった。次いで、このように組み立てたゴルフ
クラブヘッドに対して、表4に示す熱処理を施した後シ
ャフトを取付けて供試体を調製した。このように調製し
た供試体に対して、耐久試験を行った。耐久試験は、ヘ
ッドスピード50m/sでゴルフボールを5000回試
打して、ヘッド部に曲がりや割れが生じたか否かを調
べ、ヘッド部に曲がりや割れが生じなかったものを合
格、ヘッド部に曲がりや割れが生じたものを不合格とし
た。なお、供試体No.A1−1〜A1−6および供試
体No.A2−1〜A10−1、A12−1は、それぞ
れ、供試体No.A1および供試体No.A2〜A1
0、A12と同一材料を用いて組み立てたクラブヘッド
に対して、表4に示す熱処理を施したものである。表4
に耐久試験の結果を合わせて示す。
【0028】
【表4】
【0029】表4から明らかなように、供試体No.A
1−1からA1−6、A2−1〜A10−1、A12−
1、A1、B6およびB7は十分な耐久性を示して合格
であった。一方、供試体No.B1およびB3は変形ま
たは割れを生じて不合格であった。
1−1からA1−6、A2−1〜A10−1、A12−
1、A1、B6およびB7は十分な耐久性を示して合格
であった。一方、供試体No.B1およびB3は変形ま
たは割れを生じて不合格であった。
【0030】次いで、上述した耐久試験に合格したゴル
フクラブの供試体に対して、下記試験方法によって、音
響試験を行った。即ち、先ず、ゴルフボールをヘッドス
ピード45m/sで試打して、打球音をデータレコーダ
に記録した。次にこれを再生し、FFTアナライザを用
いて周波数分析を行った。その際、周波数帯域を4〜6
kHz 、6〜8kHz 、8〜10kHz の3つに区分し、各帯
域での音圧が60dBに減衰するまでの時間を測定し
て、それを残響時間とした。表5にその結果を示す。表
5において、残響時間が30ms以上を○印で示し、そ
れ未満を×印で示した。
フクラブの供試体に対して、下記試験方法によって、音
響試験を行った。即ち、先ず、ゴルフボールをヘッドス
ピード45m/sで試打して、打球音をデータレコーダ
に記録した。次にこれを再生し、FFTアナライザを用
いて周波数分析を行った。その際、周波数帯域を4〜6
kHz 、6〜8kHz 、8〜10kHz の3つに区分し、各帯
域での音圧が60dBに減衰するまでの時間を測定し
て、それを残響時間とした。表5にその結果を示す。表
5において、残響時間が30ms以上を○印で示し、そ
れ未満を×印で示した。
【0031】更に、音響試験終了後に、フェース断面の
ミクロ組織観察および硬さ試験を行った。表5にその結
果を合わせて示す。表5において、アスペクト比はフェ
ースの展伸方向ほ平均結晶粒径を板厚方向の平均結晶粒
径で除したものを示す。硬さ(ビッカース硬さ:HV、
単位は10kgf )は、組織観察面板厚中心部における5点
における測定値の平均で示す。
ミクロ組織観察および硬さ試験を行った。表5にその結
果を合わせて示す。表5において、アスペクト比はフェ
ースの展伸方向ほ平均結晶粒径を板厚方向の平均結晶粒
径で除したものを示す。硬さ(ビッカース硬さ:HV、
単位は10kgf )は、組織観察面板厚中心部における5点
における測定値の平均で示す。
【0032】
【表5】
【0033】表5から明らかなように、本発明供試体N
o.A1−1〜A1−6、A2−1〜A10−1、A1
2−1、B6およびB7においては、4〜6kHz 、6〜
8kHz および8〜10kHz の周波数帯域において、打球
音残響性が低かった。これに対して、比較用供試体N
o.A1においては、4〜6kHz の周波数帯域および8
〜10kHz の周波数帯域における打球音残響性が高かっ
た。
o.A1−1〜A1−6、A2−1〜A10−1、A1
2−1、B6およびB7においては、4〜6kHz 、6〜
8kHz および8〜10kHz の周波数帯域において、打球
音残響性が低かった。これに対して、比較用供試体N
o.A1においては、4〜6kHz の周波数帯域および8
〜10kHz の周波数帯域における打球音残響性が高かっ
た。
【0034】
【発明の効果】本発明の方法によると、強度、耐久性等
の機械的特性に優れているのみならず、ゴルフボールを
打った際に、4〜10kHz の周波数帯域における打球音
響性が低く、金属的な響きが抑制され、パーシモンのよ
うな柔らかい打球音を有するチタン製ゴルフクラブヘッ
ドの製造方法を提供することができ、工業上有用な効果
がもたらされる。
の機械的特性に優れているのみならず、ゴルフボールを
打った際に、4〜10kHz の周波数帯域における打球音
響性が低く、金属的な響きが抑制され、パーシモンのよ
うな柔らかい打球音を有するチタン製ゴルフクラブヘッ
ドの製造方法を提供することができ、工業上有用な効果
がもたらされる。
【図1】図1は、この発明の方法の1つによって製造さ
れるチタン製ゴルフクラブヘッドを示す概略説明図であ
る。
れるチタン製ゴルフクラブヘッドを示す概略説明図であ
る。
1. フェース+フォーゼル部 2. ソール部 3. クラウン部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 683 C22F 1/00 683 684 684C 691 691B
Claims (2)
- 【請求項1】チタン製ゴルフクラブヘッドの製造におい
て、α+β型チタン合金に(β変態温度−100℃)以
上β変態温度未満の範囲内の温度で加工を施し、次い
で、750℃以上1100℃未満の範囲内の温度で熱処
理を施したものを少なくともフェース部に用いることに
より、4〜10kHz の周波数帯域において打球音残響性
が低いことを特徴とする、チタン製ゴルフクラブヘッド
の製造方法。 - 【請求項2】チタン製ゴルフクラブヘッドの製造におい
て、α+β型チタン合金にβ変態温度以上1100℃未
満の範囲内の温度で加工を施したものを少なくともフェ
ース部に用いることにより、4〜10kHz の周波数帯域
において打球音残響性が低いことを特徴とする、チタン
製ゴルフクラブヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8346384A JPH10179820A (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | チタン製ゴルフクラブヘッドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8346384A JPH10179820A (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | チタン製ゴルフクラブヘッドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10179820A true JPH10179820A (ja) | 1998-07-07 |
Family
ID=18383064
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8346384A Pending JPH10179820A (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | チタン製ゴルフクラブヘッドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10179820A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002192297A (ja) * | 2000-12-21 | 2002-07-10 | Maruman Golf Corp | ゴルフクラブヘッドとその成形方法 |
US7160205B2 (en) | 2002-07-23 | 2007-01-09 | Sri Sports Limited | Golf club head |
JP2009167517A (ja) * | 2008-01-16 | 2009-07-30 | Meian Kokusai Gigyo Kofun Yugenkoshi | ゴルフクラブヘッドに応用するチタン−アルミニウム−スズ合金 |
-
1996
- 1996-12-25 JP JP8346384A patent/JPH10179820A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002192297A (ja) * | 2000-12-21 | 2002-07-10 | Maruman Golf Corp | ゴルフクラブヘッドとその成形方法 |
US7160205B2 (en) | 2002-07-23 | 2007-01-09 | Sri Sports Limited | Golf club head |
JP2009167517A (ja) * | 2008-01-16 | 2009-07-30 | Meian Kokusai Gigyo Kofun Yugenkoshi | ゴルフクラブヘッドに応用するチタン−アルミニウム−スズ合金 |
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