JPH10178927A - ベンチ栽培システム - Google Patents

ベンチ栽培システム

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JPH10178927A
JPH10178927A JP8355317A JP35531796A JPH10178927A JP H10178927 A JPH10178927 A JP H10178927A JP 8355317 A JP8355317 A JP 8355317A JP 35531796 A JP35531796 A JP 35531796A JP H10178927 A JPH10178927 A JP H10178927A
Authority
JP
Japan
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base
cultivation system
soil
floor soil
fertilizer
Prior art date
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Pending
Application number
JP8355317A
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English (en)
Inventor
Yoshitake Okano
剛健 岡野
Kazuo Matsunaga
一夫 松永
Yoshito Hotta
由人 堀田
Masatake Iwanaga
正剛 岩永
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NAGASAKI PREF GOV KEIZAI NOGYO
NAGASAKI PREF GOV KEIZAI NOGYO KYODO KUMIAI RENGOKAI
Nagasaki Prefectural Government
Original Assignee
NAGASAKI PREF GOV KEIZAI NOGYO
NAGASAKI PREF GOV KEIZAI NOGYO KYODO KUMIAI RENGOKAI
Nagasaki Prefectural Government
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は植物を栽培する本圃の床土が高床式
に配設されるベンチ栽培システムに関し、特に肥料の供
給及び床土の温度管理を改良したベンチ栽培システムに
関し、栽培植物に対する施肥管理を容易に行なえると共
に、その他の環境管理を正確化できるベンチ栽培システ
ムを提供することを目的とする。 【解決手段】 断熱材で形成される凹溝部20を有する
基台部2を支柱1により高床式に支持し、この基台部2
に基肥を含有する床土3を収納し、この床土3に植付け
られた植物の育生状況に応じて灌水又は追肥液肥を給液
手段から供給し、この床土3を保温手段で所定温度に調
整することにより、栽培前期においては灌水及び温度管
理のみで、中期以降に追肥及び温度管理を行なうのみで
足りることとなり、施肥管理がより容易に行なえると共
に、床土の基肥を基礎として追肥液肥で微調整を行なう
ことで施肥管理を育生状況に適合させてより精密に且つ
適正に調整できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は植物を栽培する本圃
の床土が高床式に配設されるベンチ栽培システムに関
し、特に肥料の供給及び床土の温度管理を改良したベン
チ栽培システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のベンチ栽培システムとし
て図5に記載するものがあった。この図5は従来のベン
チ栽培システムの概略構成図を示す。
【0003】同図において従来のベンチ栽培システム
は、大地面から所定高さに支柱100により支持され、
断面半円弧状の上側に凹溝部201が形成されてなる基
台部200と、この基台部200の凹溝部201内に収
納され、細粒綿状のロックウールからなる床土300
と、この床土300の上面近傍に透過性の給液パイプ4
01を配設して形成され、床土300に植付けられたい
ちごに施肥及び灌水を供給する給液部400と、前記床
土300の下側内に配設され、温水を流通させる温湯管
501で形成される保温部500とを備える構成であ
る。
【0004】前記基台部200は、凹溝部201の中央
下部にはさらに下側に屈曲して形成される排水部202
が形成され、この排水部202の上側全域を覆うように
透水シート203が前記床土300との間に配設される
構成である。また、前記基台部200を支持する支柱1
00は、縦方向に立設される一対の縦パイプ101と、
この縦パイプ101に直交するように固着される横パイ
プ102と、前記縦パイプ101の上端近傍を嵌合係止
する支持サポート103とを備え、前記横パイプ102
に基台部200の両端側を掛止めすることにより支持す
る構成である。
【0005】次に、前記構成に基づく従来のベンチ栽培
システムのいちご栽培動作について説明する。まず、組
立てられた支柱100に基台部200を載置し、この基
台部200の凹溝部201内に透水シート203を張設
し、この上にロックウールの床土300を収納しつつ温
湯管501及び給液パイプ401を敷設する。この床土
300にいちごの苗を植付けて給液パイプ401を介し
て給液部400から供給される施肥及び灌水を床土30
0に吸収させ、この床土300に吸収された施肥及び灌
水をいちごの苗に供給する。また、この床土300に過
剰に施肥又は灌水が供給された場合は、基台部200の
下部に形成された排水部202へ透水シート203を介
して排水され、常時最適な給水状態を維持できることと
なる。また、前記床土300の温度調整は、基台部20
0の下部内に配設された温湯管501に保温部500か
ら所定温度の温湯を流通させることにより調整できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のベンチ栽培シス
テムは以上のように構成されていたことから、基肥から
追肥までをいちごの育生状況に適合させるように常に管
理しなければならず、その管理には専門的な知識と共
に、長年の熟練したノウハウが必要となるという課題を
有する。即ち、いちご等の植物を栽培する際しては、そ
の育生状況が外界の温度、湿度及びこれらの変動状態に
より常時変化しており、この変化に即応して基肥から追
肥を調整して供給しなければ高収量且つ高品質な収穫が
得られない。
【0007】また、床土300の温度管理においても温
湯管501に温湯を流通させて床土300を所定温度に
維持するようにしていることから、大きな本圃の床土に
おいては温度むらが生じて正確な温度管理ができないと
いう課題を有する。本発明は前記課題を解消するために
なされたもので、栽培植物に対する施肥管理を容易に行
なえると共に、その他の環境管理を正確化できるベンチ
栽培システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るベンチ栽培
システムは、大地面から所定高さに支柱により支持さ
れ、断面略溝状の凹溝部を有する断熱材で形成される基
台部と、前記基台部の凹溝部内に収納され、粒状物及び
/又は粉状物を含んで形成される基肥を含有する床土
と、前記床土に植付けられる植物の育生状況に応じて灌
水及び/又は追肥液肥を供給する給液手段と、前記基台
部の凹溝部内に配設され、当該凹溝部内に収納される床
土を所定の温度に調整する保温手段とを備えるものであ
る。このように本発明においては、断熱材で形成される
凹溝部を有する基台部を支柱により高床式に支持し、こ
の基台部に基肥を含有する床土を収納し、この床土に植
付けられた植物の育生状況に応じて灌水又は追肥液肥を
給液手段から供給し、この床土を保温手段で所定温度に
調整することにより、栽培前期においては灌水及び温度
管理のみで、中期以降に追肥及び温度管理を行なうのみ
で足りることとなり、施肥管理がより容易に行なえると
共に、床土の基肥を基礎として追肥液肥で微調整を行な
うことで施肥管理を育生状況に適合させてより精密に且
つ適正に調整できる。
【0009】また、本発明に係るベンチ栽培システムは
必要に応じて、床土が多孔質粒状物、乾燥泥炭、ロック
ウール、樹皮堆肥を含むものである。このように本発明
においては、多孔質粒状物、乾燥泥炭、ロックウール、
樹皮堆肥を含んで床土が形成されていることから、各々
の排水性、保肥性、保水性、通気性等の特性が相俟って
自然の圃場における床土に近似した育生作用を発揮して
より高収量且つ高品質な収穫が得られると共に、施肥及
び温度管理を簡易に行なうことができる。
【0010】また、本発明に係るベンチ栽培システムは
必要に応じて、床土の容積比率が、多孔質粒状物を約6
0%ないし70%、乾燥泥炭を約10%ないし12%、
ロックウールを約12%ないし14%、樹皮堆肥を約9
%ないし11%の範囲内で構成されるものである。この
ように本発明においては、多孔質粒状物、乾燥泥炭、ロ
ックウール、樹皮堆肥を特定の容積比率で床土が形成さ
れることから、さらに高収量且つ高品質な収穫が得ら
れ、管理作業が容易且つ簡略化ができる。
【0011】また、本発明に係るベンチ栽培システムは
必要に応じて、床土に植付けられる植物の育生状況に応
じて基肥を含有する床土を追加するものである。このよ
うに本発明においては、基肥を含有する床土を植物の育
生状況に応じて追加するようにしているので、基礎とな
る基肥の量をも調整して、収穫当初から終了までの収穫
物における形状、糖度、果肉質等の均質性を維持できる
こととなる。
【0012】また、本発明に係るベンチ栽培システムは
必要に応じて、保温手段が、基台部の凹溝部内にループ
状に配設される管体で形成され、当該管体内に温水を所
定の時間毎に反転させて循環させるものである。このよ
うに本発明においては、管体をループ状に配設された保
温手段がその管体に循環させる温水を所定の時間毎に反
転させるようにしているので、床土のあらゆる箇所にお
いても均一な所定の温度に管理することができる。
【0013】また、本発明に係るベンチ栽培システムは
必要に応じて、床土の表面に被覆シートを布設し、基台
部の凹溝部における上端部又は外側部に反射シートを布
設するものである。このように本発明においては、床土
の表面に布設される被覆シートにより床土の熱が外部に
放熱されるのを防止すると共に、床土の水分が蒸発する
のを防止して所定の管理状態を維持し、及び基台部の外
側部に布設される反射シートにより床土に植付けられた
植物、例えばいちごが実を付けた場合に、太陽光を反射
させていちごの実に下方からも照射し、いちごの実の色
付きを均一にできる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(本発明の一実施形態)以下、本発明の一実施形態に係
るベンチ栽培システムを図1ないし図4に基づいて説明
する。この図1は本実施形態に係るベンチ栽培システム
の一部を破断した外観斜視図、図2は図1に記載のベン
チ栽培システムにおけるA−A線断面図、図3は本実施
形態に係るベンチ栽培システムの全体概略構成図、図4
は図3に記載のベンチ栽培システムおける給液管理部及
び温度管理部の管理動作説明図である。
【0015】前記各図において本実施形態に係るベンチ
栽培システムは、大地面GNDから所定高さに支柱1に
より支持され、断面略溝状の凹溝部20を有する断熱材
で形成される基台部2と、この基台部2の凹溝部20内
に収納され、粒状物及び/又は粉状物を含んで形成され
る基肥を含有する床土3と、この床土3に植付けられる
いちごの育生状況に応じて灌水又は追肥液肥を供給する
給液部4と、この基台部2の凹溝部20内に配設され、
この凹溝部20内に収納される床土3を所定の温度に調
整する保温部5とを備える構成である。
【0016】前記支柱1は、縦方向に立設される複数対
の縦パイプ11と、この1対ごとの縦パイプ11に横架
状態で固着される横パイプ12と、この横パイプ12の
上に3本並列状態で配設される支持パイプ13とを備
え、この支持パイプ13上に基台部2を載置して支持す
る構成である。前記基台部2は、断熱材としての発泡ス
ティロールを略コ字形状にブロック体21として成型
し、このコ字形状のブロック体21の内側で凹溝部20
を形成すると共に、この凹溝部20の内側底面の長手方
向に断面凹溝状の排水部22を形成し、この凹溝部20
及び排水部22の内側面全域に亘って防水シート23を
布設し、さらにこの防水シート23に重畳し且つこの防
水シー23との間に保温部5の温湯管55を挟んだ状態
で透水シート24と布設する構成である。
【0017】前記床土3は、鹿沼土を約65%、乾燥泥
炭(ピートモス)を11.25%、ロックウールを約1
3.75%、樹皮堆肥を10%とする容積比率で混合し
て構成する。この床土3に対して施肥される基肥は、い
ちご1株当り窒素を1.5g、燐酸を1.3g、カリウ
ム0.8gとして床土3に含有するように混合される。
また、この床土3に対して施肥される追肥は、いちご1
株当り窒素を2.7g、燐酸を2.4g、カリウム2.
5gとして床土3に含有するように複数回に分けて液肥
として供給される。従って、この床土3にはいちご1株
当りに基肥と追肥とは、窒素を4.2g、燐酸を3.7
g、カリウムを3.3gが施肥されることとなる。
【0018】前記床土3に施肥される窒素、燐酸、カリ
ウム、の供給量はいちごの育生状況に応じて適宜増減さ
れ、また基肥をいちごの植付け後に施肥することもで
き、さらに追肥の回数も育生状況に応じて変えることも
できる。また、この床土3の上面を覆うように被膜シー
ト31が布設され、この被膜シート31は保温部5によ
り管理される床土3の熱が外部に放熱されるのを防止す
ると共に、床土3に含有される水分が蒸発するのを防止
して所定の管理状態を維持し、床土3の飛散を防止で
き、さらに植付けられたいちごの葉及び実を床土3に接
触させないように衛生を考慮して設けられるものであ
る。この被膜シート31は、黒色ビニールシート等で形
成することにより、外界からの例えば太陽光等を吸収し
て床土3を所定の温度に上昇させるようにすることがで
きる。この被膜シート31の両端部分に各々重畳されて
基台部2のブロック体21の上面から外側を被覆して垂
下するように反射シート32が布設される。この反射シ
ート32は、表面が反射状のシート体で構成され、例え
ばシート体の表面がアルミニューウムコーティング等の
処理により反射膜が形成される。反射シート32は、床
土3に植付けられたいちごが実を付けた場合に、太陽光
を反射させていちごの実に下方からも照射し、いちごの
実の色付きを均一にするように作用する。
【0019】前記給液部4は、予め設定されたスケジュ
ールに基づいて水又は液肥の供給を管理する給液管理部
41と、この給液管理部41の管理に基づいて水又は液
肥を供給する水・液肥供給部42と、この水・液肥供給
部42から供給される水又は液肥を複数の基台部2へ分
配して給送する移送管43と、この移送管43で移送さ
れた水又は液肥を床土3に植付けられたいちごに施肥す
る供給ホース44とを備える構成である。
【0020】この供給管理部41は、水又は液肥を供給
するタイミングに関する予め設定されたスケジュールの
データを記憶するメモリを備えており、また後述する制
御盤6からの制御により前記データを変更できる。前記
水・液肥供給部42は、蓄水槽(又は水道管)及び液肥
タンク(図示を省略)に接続されると共に、この蓄水槽
(又は水道管)からの水と液肥タンクからの液肥とを圧
送ポンプ(図示を省略)を介して移送管43側へ供給す
る構成である。前記給液ホース44は、透水性の管体で
形成されるか、又は多数の孔が穿設される管体で形成す
ることもできる。
【0021】前記保温部5は、床土3の温度を管理する
温度管理部51と、この温度管理部51の管理により所
定温度の温湯を生成して供給する温湯生成部52と、こ
の温湯生成部52から供給される温湯の供給方向を切換
える切換弁53と、この切換弁53を介していづれかの
方向へ温湯を給送する移送管54a、54b、54c
と、この給送される温湯の熱を床土3に放熱して所定の
温度に調整する温湯管55とを備える構成である。この
温湯管55は、基台部2の凹溝部20における長手方向
に、床土3に接触するように敷設される構成である。ま
た、前記床土3内には温度センサ56が配設され、この
温度センサ56は検出した温度データを前記温度管理5
1へ出力する構成である。この温度データは温度管理部
51で温度管理の基礎として用いられ、またこの温度管
理部51を介して制御盤6に設けられる表示パネル(図
示を省略)に表示することもできる。
【0022】次に、前記構成に基づく本実施形態に係る
ベンチ栽培システムの組立て動作及び栽培動作について
説明する。まず、本実施の形態の組立動作は、温室7内
の大地上に縦パイプ11と横パイプ12を組付け、この
横パイプ12上に3本の支持パイプ13を配設して支柱
1を形成する。この支持パイプ13の長手方向にブロッ
ク体21としての凹溝部20を連接して配設することに
より基台部2を形成する。
【0023】この基台部2の凹溝部20側に防水シート
23を布設し、この防水シート23上の排水部22に対
応する箇所に支持ブロック55aを設置し、この支持ブ
ロック55a上に温湯管55を配設する。さらに、この
温湯管55及び防水シート23上に重畳して透水シート
24を布設する。
【0024】この透水シート24が布設された基台部2
の凹溝部20内に、前記所定の容積比率で鹿沼土、乾燥
泥炭、ロックウール、樹皮堆肥が混合され、基肥が加え
られた床土3を充填する。この床土3の上面近傍に一部
埋設した状態で2本の給液ホース44を配設する。この
給液ホース44が配設された床土3上に被覆シート31
を被包する。この被覆シート31はいちごの苗が植付け
られる箇所を欠切し、この欠切りした箇所にいちごの苗
が植付けられることとなる。このいちごの苗の植付けけ
作業は、ベンチ式の基台部2内に床土3が配設されるこ
とから、ほぼ起立した姿勢で作業が行なえることとな
り、従来の中腰による作業より作業性が向上することと
なる。
【0025】前記床土3の所定箇所に温度センサ56が
配設され、この温度センサ56と温度管理部51とを結
ぶ伝送線56aが敷設される。前記基台部2に配設され
た温湯管55は移送管54a、54b、54cを介して
切換弁53及び温湯生成部52に接続される。また、前
記床土3に配設された給液ホース44は移送管43を介
して水・液肥供給部42に接続される。
【0026】また、前記給液管理部41及び温度管理部
51は、それぞれ制御盤6内に収納することもでき、単
一のマイクロプロセッサ等により構成することもでき
る。次に、本実施形態の栽培動作については、いちごの
苗を植付けた当初から開花前までの前期においては給液
管理部41の制御の下に水・液肥供給部42から水のみ
が床土3に供給する灌水動作が所定時間毎に毎日行なわ
れる。この前期の間は水・液肥供給部42から液肥が供
給される追肥動作を行なわない。即ち、この前期におい
てはいちごの苗に対して床土3に加えられる基肥のみで
育生し、大地の圃場における床土に近似した育生環境で
生育させることができる。この育生環境は、床土3の6
5%を占める鹿沼土が排水性・保肥性を有し、乾燥泥炭
が保水性、ロックウールが通気性を各々有することか
ら、水が過剰な場合には保水又は排水を最適に調整して
行なうと共に、基肥を保肥状態として不足する場合に保
肥している基肥を供給するという最適に管理された大地
の圃場と同様の育生作用を行なうこととなる。
【0027】この前期における温度管理は、温度管理部
51の制御の下に温湯生成部52から所定温度の温湯が
移送管54a、54b、54cを介して給液ホース44
に供給され、この給液ホース44から床土3に熱が放出
されて床土3を所定温度に管理する。この移送管54
a、54bの中間に介装される切換弁53は、温度管理
部51の制御により所定時間毎に温湯の循環経路を反転
させることにより、長大な基台部2内の床土3をより均
一に温度調整することができることとなる。
【0028】また、前記温度管理部51は温度センサ5
6からの検出データに基づいて温湯生成部52に対して
温湯の温度を調整する。さらに、この温度管理部51
は、複数配設された温度センサ56からの各検出データ
を比較演算することにより、切換弁53に対して温湯供
給の反転時間を調整することにより、床土3の温度管理
をより高精度に行なえることとなる。
【0029】この前期が終了していちごが開花した場合
に、この開花から収穫直前までの中期においては、給液
管理部41の制御により水・液肥供給部42が前期と同
様に毎日所定時間毎に灌水処理を行なうと共に、1回
(又は2回に分けて)の追肥を行なう。この追肥はいち
ご1株当り窒素が2.7g、燐酸が2.4g、カリウム
が2.5gを1回又は2回に分けて液肥として移送管4
3を介して給液ホース44から施肥される。この液肥の
追肥により予め床土3に施肥された基肥を微調整できる
と共に、過剰な追肥は鹿沼土に保肥され、また不足した
追肥の場合には鹿沼土から保肥された基肥が供給され
る。
【0030】この中期における温度管理は、温度管理部
51の制御により前期の場合と同様に実行されるが、そ
の温度設定が16℃ないし17℃に維持するように実行
される。このように前期より中期の温度を低く管理する
ことにより、いちごの吸水動作を抑制して果実の糖度を
向上させることができる。
【0031】この中期が終了していちごの第1収穫以降
の後期においては、給液管理部41の制御により水・液
肥供給部42が前期及び中期と同様に毎日所定時間毎に
灌水処理を行なうと共に、10日に1回の割合で追肥を
行なう。この追肥はいちご1株当り窒素が2.7g、燐
酸が2.4g、カリウムが2.5gを複数回に分けて液
肥として移送管43を介して給液ホース44から施肥さ
れる。この後期における温度管理は、温度管理部51の
制御により前期及び中期の場合と同様に実行されるが、
その温度設定が15℃に維持するように実行される。
【0032】(本発明の他の実施形態)本発明の他の実
施形態は、前記図1ないし図4に記載の実施形態におけ
る鹿沼土を含む構成の床土3に対して、鹿沼土と同等の
特性を有する多孔質粒状物で構成することもできる。こ
の多孔質粒状物の具体例としては、ぼら土等の自然物、
その他陶片の粒状体又は粉状体等の人造物とすることも
できる。
【0033】前記実施形態においては、温度管理及び給
液管理を総て給液管理部41及び温度管理部51の制御
の下に実行することとしたが、いづれか一方又は双方を
制御盤6からの手動操作により温度管理及び給液管理を
行なうように構成することもできる。
【0034】また、前記実施形態においてはいちごの栽
培の前期、中期、後期において灌水及び追肥の処理を行
なうこととしたが、この前期、中期、後期のいづれか又
は総てにおいて基肥を供給する構成とすることもでき
る。また、前記実施形態においては、いちご栽培を例に
挙げて説明したが、いちご以外の野菜、花卉、その他の
植物の栽培に適用することもできる。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明においては、本発明
においては、断熱材で形成される凹溝部を有する基台部
を支柱により高床式に支持し、この基台部に基肥を含有
する床土を収納し、この床土に植付けられた植物の育生
状況に応じて灌水又は追肥液肥を給液手段から供給し、
この床土を保温手段で所定温度に調整することにより、
栽培前期においては灌水及び温度管理のみで、中期以降
に追肥及び温度管理を行なうのみで足りることとなり、
施肥管理がより容易に行なえると共に、床土の基肥を基
礎として追肥液肥で微調整を行なうことで施肥管理を育
生状況に適合させてより精密に且つ適正に調整できると
いう効果を奏する。また、本発明においては、床土が多
孔質粒状物、乾燥泥炭、ロックウール、樹皮堆肥を含ん
で床土が形成されていることから、各々の排水性、保肥
性、保水性、通気性等の特性が相俟って自然の圃場にお
ける床土に近似した育生作用を発揮してより高収量且つ
高品質な収穫が得られると共に、施肥及び温度管理を簡
易に行なうことができるという効果有する。また、本発
明においては、多孔質粒状物、乾燥泥炭、ロックウー
ル、樹皮堆肥を特定の容積比率で床土が形成されること
から、さらに高収量且つ高品質な収穫が得られ、管理作
業が容易且つ簡略化ができるという効果有する。また、
本発明においては、基肥を含有する床土を植物の育生状
況に応じて追加するようにしているので、基礎となる基
肥の量をも調整して、収穫当初から終了までの収穫物に
おける形状、糖度、果肉質等の均質性を維持できること
となるという効果有する。また、本発明においては、管
体をループ状に配設された保温手段がその管体に循環さ
せる温水を所定時間毎に反転させるようにしているの
で、床土のあらゆる箇所においても均一な所定の温度に
管理することができるという効果有する。さらに、本発
明においては、床土の表面に布設される被覆シートによ
り床土の熱が外部に放熱されるのを防止すると共に、床
土の水分が蒸発するのを防止して所定の管理状態を維持
し、基台部の外側部に布設される反射シートにより床土
に植付けられた植物、例えばいちごが実を付けた場合
に、太陽光を反射させていちごの実に下方からも照射
し、いちごの実の色付きを均一にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るベンチ栽培システムの一部を
破断した外観斜視図である。
【図2】図1に記載のベンチ栽培システムにおけるA−
A線断面図である。
【図3】本実施形態に係るベンチ栽培システムの全体概
略構成図である。
【図4】図3に記載のベンチ栽培システムおける給液管
理部及び温度管理部の管理動作説明図である。
【図5】従来のベンチ栽培システムの概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1、100 支柱 2、200 基台部 3、300 床土 4、400 給液部 5、500 保温部 6 制御盤 7 温室 11、101 縦パイプ 12、102 横パイプ 13 支持パイプ 20、201 凹溝部 21 ブロック体 22、202 排水部 23 防水シート 24、203 透水シート 31 被覆シート 32 反射シート 41 給液管理部 42 水・液肥供給部 43、54a、54b、54c 移送管 44 給液ホース 51 温度管理部 52 温湯生成部 53 切換弁 55、501 温湯管 55a 支持ブロック 56 温度センサ 56a 伝送線 103 支持サポート 401 給液パイプ 501 給湯管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀田 由人 長崎県長崎市出島町1番20号 長崎県経済 農業協同組合連合会内 (72)発明者 岩永 正剛 長崎県長崎市出島町1番20号 長崎県経済 農業協同組合連合会内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大地面から所定高さに支柱により支持さ
    れ、断面略溝状の凹溝部を有する断熱材で形成される基
    台部と、 前記基台部の凹溝部内に収納され、粒状物及び/又は粉
    状物を含んで形成される基肥を含有する床土と、 前記床土に植付けられる植物の育生状況に応じて灌水及
    び/又は追肥液肥を供給する給液手段と、 前記基台部の凹溝部内に配設され、当該凹溝部内に収納
    される床土を所定の温度に調整する保温手段とを備える
    ことを特徴とするベンチ栽培システム。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載のベンチ栽培システ
    ムおいて、 前記床土が多孔質粒状物、乾燥泥炭、ロックウール、樹
    皮堆肥を含むことを特徴とするベンチ栽培システム。
  3. 【請求項3】 前記請求項2に記載のベンチ栽培システ
    ムにおいて、 前記床土の容積比率が、多孔質粒状物を約60%ないし
    70%、乾燥泥炭を約10%ないし12%、ロックウー
    ルを約12%ないし14%、樹皮堆肥を約9%ないし1
    1%の範囲内で構成されることを特徴とするベンチ栽培
    システム。
  4. 【請求項4】 前記請求項1ないし3のいづれかに記載
    のベンチ栽培システムにおいて、 前記床土に植付けられる植物の育生状況に応じて基肥を
    含有する床土を追加することを特徴とするベンチ栽培シ
    ステム。
  5. 【請求項5】 前記請求項1ないし4のいづれかに記載
    のベンチ栽培システムにおいて、 前記保温手段が、基台部の凹溝部内にループ状に配設さ
    れる管体で形成され、当該管体内に温水を所定の時間毎
    に反転させて循環させることを特徴とするベンチ栽培シ
    ステム。
  6. 【請求項6】 前記請求項1ないし5のいづれかに記載
    のベンチ栽培システムにおいて、 前記床土の表面に被覆シートを布設し、前記基台部の凹
    溝部における上端部又は外側部に反射シートを布設する
    ことを特徴とするベンチ栽培システム。
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