JPH10178787A - 直流アークスタート回路 - Google Patents

直流アークスタート回路

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JPH10178787A
JPH10178787A JP35443696A JP35443696A JPH10178787A JP H10178787 A JPH10178787 A JP H10178787A JP 35443696 A JP35443696 A JP 35443696A JP 35443696 A JP35443696 A JP 35443696A JP H10178787 A JPH10178787 A JP H10178787A
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torch
path
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晴雄 森口
Kenzo Danjo
謙三 檀上
Shigeru Okamoto
茂 岡本
Takashi Hashimoto
隆志 橋本
Atsushi Kinoshita
敦史 木下
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Sansha Electric Manufacturing Co Ltd
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    • B23K9/0672Starting the arc without direct contact between electrodes
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    • B23K9/10Other electric circuits therefor; Protective circuits; Remote controls
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークピースが正極に、トーチが負極の状態
に直流電圧が供給されていても、アークの発生を維持す
る。 【解決手段】 直流電圧を高周波電圧にインバータ106
が 変換する。インバータ106 からの高周波電圧が変圧
器108 の1次巻線108Pに供給され、2次巻線108S2 に変
圧された高周波電圧が誘起される。ワークピース114 が
正極に、トーチ124 が負極となる直流電圧を、ダイオー
ド118a、118bが、2次巻線108Sの高周波電圧から生成す
る。トーチ124 とワークピース114 との間に、高周波電
圧重畳回路138 が高周波電圧を供給する。トーチ124 か
らワークピース114 に流れる電流を、充放電回路146
が、高周波電圧重畳回路138 の起動時に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばアーク溶接
機またはアーク切断機のようなアーク放電利用機器の電
源において使用する直流スタート回路に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばアーク溶接用の電源には、トーチ
とワークピースからなる溶接負荷に、交流電流及び直流
電流のいずれも供給できるタイプがある。この交流、直
流両用溶接用電源の一例が図5に示されている。
【0003】図5では、商用交流電源10からの商用交
流電圧が、コンバータ12によって直流電圧に変換され
る。コンバータ12の直流電圧は、インバータ14によ
って高周波電圧に変換される。この高周波電圧は、絶縁
変圧器16の1次巻線16Pに供給され、変圧された高
周波電圧が、絶縁変圧器16の2つの2次巻線16S
1、16S2に誘起される。
【0004】2次巻線16S1、16S2は、これに誘
起される電圧の極性が黒丸を付した端部において同じと
なるように巻回されている。そして、黒丸が付されてい
ない端部は、互いに接続され、出力端子18に接続され
ている。この出力端子18は、ワークピース20に接続
される。黒丸が付された端部には、ダイオード22a、
22bのアノードが接続され、これらのカソードは接続
され、平滑リアクトル24、スイッチング素子26を介
して出力端子28に接続されている。出力端子28に
は、トーチ30が接続される。
【0005】黒丸が付された端部には、ダイオード32
a、32bのカソードが接続され、これらのアノードは
接続されて、平滑リアクトル34、スイッチング素子3
6を介して出力端子28に接続されている。スイッチン
グ素子26、36は、制御器38によってオン、オフ制
御される。
【0006】従って、スイッチング素子26がオンのと
き、ダイオード22a、22bから平滑リアクトル2
4、スイッチング素子26、出力端子28、トーチ3
0、ワークピース20、出力端子18、2次巻線16S
1、16S2に電流が流れる。また、スイッチング素子
36がオンのとき、2次巻線16S1、16S2、出力
端子18、ワークピース20、トーチ30、出力端子2
8、スイッチング素子36、平滑リアクトル34、ダイ
オード32a、32bに電流が流れる。スイッチング素
子26、28を交互にオンすることによって、ワークピ
ース20とトーチ30との間に交流電流を供給すること
ができる。また、スイッチング素子26、36の一方を
オンすることによって、ワークピース20とトーチ30
との間に直流電流を供給することができる。但し、ワー
クピース20を正極に、トーチ30を負極にすると、ワ
ークピース20が溶融しやすいので、スイッチング素子
36をオンに、スイッチング素子26をオフにする。
【0007】また、ギャップがあるトーチ30とワーク
ピース20との間にアークを発生させるために、高周波
発生器40が設けられている。高周波発生器40が発生
した高周波電圧は、結合用変圧器42、バイパスコンデ
ンサ44を介してトーチ30とワークピース20との間
に供給され、この高周波電圧の供給によってアーク放電
が発生する。このアーク放電を維持するため、上述した
交流電流または直流電流が供給される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、ワー
クピース20を溶融しやすくするため、ワークピース2
0を正極に、トーチ30を負極にしている。この状態で
は、電流がワークピース20からトーチ30に流れるの
で、電子は逆にトーチ30からワークピース20に流れ
る。電子がワークピース20からトーチ30側に流れる
状態、即ちトーチ30を正極に、ワークピース20を負
極にした状態にして、高周波電圧をワークピース20と
トーチ30との間に供給すると、アーク放電が発生しや
すいことが知られている。ところが、ワークピース20
を溶融しやすくするために、ワークピース20を正極
に、トーチ30を負極にしているので、高周波発生装置
40だけでは、アーク放電が発生しにくいことがある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、直流電圧を高周波電圧に変
換するインバータ手段と、このインバータ手段からの高
周波電圧が1次巻線に供給され、2次巻線に変圧された
高周波電圧が誘起される変圧器と、正極性出力側と負極
側出力側との間に、上記2次巻線における変圧された高
周波電圧を変換した直流電圧を生成するコンバータ手段
と、上記正極性出力側に接続されたワークピースに接続
されるべき第1の出力端子と、上記負極性出力側に接続
されたトーチに接続されるべき第2の出力端子と、第1
及び第2の出力端子間に、上記インバータ手段からの高
周波電圧とは別の高周波電圧を供給する高周波電圧供給
手段と、第1及び第2の出力端子間に接続されており、
第1の出力端子側から第2の出力端子側に電流を流す電
流供給手段とを、具備するものである。
【0010】請求項1記載の発明によれば、コンバータ
手段は、ワークピースに接続される第1の出力端子側が
正極性になり、トーチに接続される第2の出力端子側が
負極性になるように、直流電圧を第1及び第2の出力端
子間に供給する。この状態で、高周波電圧供給手段から
高周波電圧を第1及び第2の出力端子間に供給しても、
アーク放電は発生しにくい。そこで、高周波電圧が第1
及び第2の出力端子間に供給されたとき、電流供給手段
が第1及び第2の出力端子間に電流を供給する。これに
よって、コンバータ手段と電流供給手段の双方から、電
流が第1及び第2の出力端子間に供給されるので、アー
ク放電が発生しやすくなる。
【0011】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
直流アークスタート回路において、上記電流供給手段
が、上記コンバータの出力電圧が供給される充放電手段
である。
【0012】請求項2記載の発明によれば、電流供給手
段は、コンバータの出力電圧によって電荷が充電されて
おり、高周波電圧供給手段が、高周波電圧を第1及び第
2の出力端子間に供給したときに、電荷を放電し、第1
及び第2の出力端子間に電流を供給する。コンバータの
出力電圧によって充電されているので、特別な電源が不
要である。
【0013】請求項3記載の発明は、直流電圧を高周波
電圧に変換するインバータ手段と、このインバータ手段
からの高周波電圧が1次巻線に供給され、2つの2次巻
線にそれぞれ変圧された高周波電圧が誘起される変圧器
と、ワークピースに接続されるべき第1の出力端子と、
トーチに接続されるべき第2の出力端子と、整流手段と
を、有している。整流手段は、第2の出力端子に接続さ
れた第1及び第2の経路と、第1の出力端子に接続され
た第3の経路とを有し、第1の経路から第3の経路に上
記ワークピース及び上記トーチを介して、または第3の
経路から第2の経路に上記ワークピース及び上記トーチ
を介して電流が流れるように、上記変圧された高周波電
圧を、それの極性に応じて整流する。第1の経路に第1
のスイッチング素子が介在し、第2の経路に第2のスイ
ッチング素子が介在する。第1及び第2のスイッチング
素子を制御手段が制御する。この制御は、第1及び第2
のスイッチング素子を相補にかつ交互に開閉する第1の
状態と、第1のスイッチング素子をオフ、第2のスイッ
チング素子をオンにした第2の状態とのうち、選択され
たものが、行われる。第1及び第2の出力端子間に、上
記インバータ手段からの高周波電圧とは別の高周波電圧
を高周波電圧供給手段が、供給する。第2の状態におい
て、上記高周波電圧供給手段が高周波電圧を第1及び第
2の端子間に供給したとき、第3の経路から第2の経路
に電流供給手段が電流を流す。
【0014】請求項3記載の発明によれば、制御手段
が、第1の状態に、即ち第1及び第2のスイッチング素
子を相補に交互にオン、オフ制御している状態で、高周
波電圧重畳手段が、第1及び第2の出力端子間に高周波
電圧を供給すると、アーク放電が発生し、第1及び第2
の出力端子間にアーク電流が流れる。
【0015】制御手段が、第2の状態に、即ち、第1の
スイッチング素子をオフに、第2のスイッチング素子を
オンに、制御手段が制御し、高周波電圧供給手段が第1
及び第2の出力端子間に高周波電圧を供給すると、電流
供給手段と、整流手段とが、第1及び第2の出力端子間
に電流を供給し、アーク放電を維持させる。
【0016】請求項4記載の発明では、請求項3記載の
直流アークスタート回路において、上記電流供給手段
が、上記整流手段の出力電圧が供給される充放電手段で
ある。
【0017】請求項4記載の発明によれば、電流供給手
段は、整流手段の出力電圧によって電荷が充電されてお
り、高周波電圧供給手段が、高周波電圧を第1及び第2
の出力端子間に供給したときに、電荷を放電し、第1及
び第2の出力端子間に電流を供給する。整流手段の出力
電圧によって充電されているので、特別な電源が不要で
ある。
【0018】
【発明の実施の形態】本実施の形態は、本発明を交流、
直流両用溶接用電源装置に実施したものである。図1に
示されているように、電源装置100は、商用交流電源
102から商用交流電圧が供給されるコンバータ104
を有している。商用交流電源102は、三相交流電源ま
たは単相交流電源とすることができる。コンバータ10
4は、整流手段、例えば全波整流回路または半波整流回
路と、平滑手段、例えば平滑コンデンサとを含み、供給
された交流電圧を直流電圧に変換する。
【0019】コンバータ104からの直流電圧は、イン
バータ106に供給される。インバータ106は、複
数、例えば2個または4個の半導体スイッチング素子を
ブリッジ接続させた公知のもので、半導体スイッチング
素子を、図示しない制御装置からの制御信号に基づいて
オン、オフ制御することによって、例えば周波数が数十
KHzである高周波電圧に変換する。半導体スイッチン
グ素子としては、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、
電力FETまたは電力バイポーラトランジスタを使用す
ることができる。
【0020】インバータ106の高周波電圧は、変圧
器、例えば絶縁用変圧器108の1次巻線108Pに供
給されている。この1次巻線108Pは、コア108C
に巻回されており、コア108Cには、2つの2次巻線
108S1、108S2も巻回されている。2次巻線1
08S1、108S2は、1次巻線108Pに高周波電
圧が供給されたとき、2次巻線108S1、108S2
に誘起される電圧の極性が、図1において黒丸を付した
端部側において同一になるように、コアに巻回されてい
る。
【0021】2次巻線108S1、108S2における
黒丸が付されていない端部は、相互に接続され、経路1
10を介して出力端子112に接続されている。出力端
子112は、ワークピース114に接続されている。2
次巻線108S1、108S2における黒丸が付された
端部には、整流手段、例えばダイオード116a、11
6bのアノードが接続されている。また、これらダイオ
ード116a、116bのカソードは互いに接続されて
いる。同様に、整流手段、例えばダイオード118a、
118bのカソードが、2次巻線108S1、108S
2における黒丸が付された端部に接続されている。これ
らダイオード118a、118bのアノードは互いに接
続されている。
【0022】ダイオード116a、116bのカソード
が、経路120を介して出力端子122に接続されてい
る。出力端子122には、トーチ124が接続されてい
る。経路120中には、平滑手段、例えば平滑リアクト
ル126と、スイッチング素子128とが直列に接続さ
れている。ダイオード118a、118bのアノード
は、経路130を介して出力端子122に接続されてい
る。この経路130中には、平滑手段、例えば平滑リア
クトル132と、スイッチング素子134とが直列に接
続されている。スイッチング素子128、134は、制
御器136からそれぞれに供給されるスイッチング素子
用駆動信号が、第1の状態、例えばHレベルのとき、オ
ンとなり、第2の状態、例えばLレベルのとき、オフと
なる。
【0023】ダイオード116a、116b、平滑リア
クトル126が1つのコンバータを構成し、平滑リアク
トル126と半導体スイッチング素子128の接続点
が、このコンバータの正極側出力であり、2次巻線10
8S1、108S2の接続点が、このコンバータの負極
側出力である。ダイオード118a、118b、平滑リ
アクトル132がもう1つのコンバータを構成し、平滑
リアクトル132と半導体スイッチング素子134の接
続点が、このコンバータの負極側出力であり、2次巻線
108S1、108S2の接続点が、このコンバータの
正極側出力である。
【0024】スイッチング素子128がオンで、スイッ
チング素子134がオフであるとすると、2次巻線10
8S1、108S2の黒丸を付した端部が正極となる高
周波電圧が、これら巻線108S1、108S2に誘起
されていると、ダイオード116a、116bから平滑
リアクトル126、半導体スイッチング素子128、結
合用変圧器142の2次巻線142S、トーチ124、
ワークピース114を介して2次巻線108S1、10
8S2に流れる。
【0025】逆に、スイッチング素子128がオフで、
スイッチング素子134がオンであるとすると、2次巻
線108S1、108S2の黒丸を付した端部が負極と
なる高周波電圧が、これら巻線108S1、108S2
に誘起されていると、2次巻線108S1、108S2
の接続点から、ワークピース114、トーチ124、2
次巻線142S、半導体スイッチング素子132を介し
てダイオード118a、118bに電流が流れる。従っ
て、半導体スイッチング素子128、134を相補にオ
ン、オフ制御すると、トーチ124とワークピース11
4との間に交流電流を流すことができる。
【0026】制御器136は、図示されていないスイッ
チから交流動作の指示が与えられていると、図2(a)
に示されているように、交互にHレベルと、Lレベルに
変化する、半導体スイッチング素子128用の駆動信号
を生成する。同時に、図2(b)に示されているよう
に、交互にHレベルと、Lレベルに変化するが、半導体
スイッチング素子128用の駆動信号とは位相が180
度異なっている、半導体スイッチング素子134用の駆
動信号も生成される。また、制御器136は、図示され
ていないスイッチから直流動作の指示が与えられている
と、図2(c)に示されているように、半導体スイッチ
ング素子126用の駆動信号をLレベルとした状態を継
続し、図2(d)に示されているように、半導体スイッ
チング素子134用の駆動信号をHレベルにした状態を
継続する。なお、制御器136は、マイクロコンピュー
タを含むものとすることができ、これを適切に作成した
プログラムを実行させることによって、上述した駆動信
号を生成することができる。なお、駆動信号の周波数
は、例えば20乃至150Hzである。
【0027】出力端子112、122の間には、高周波
電圧供給回路138が設けられている。この重畳回路1
38は、高周波発生器140を含んでいる。高周波発生
器140は、スタート信号が供給されると、高周波電圧
を発生する。この高周波電圧は、1周期が例えば数ナノ
秒であり、徐々に振幅が数ミリ秒にわたって減少してい
く減衰振動するものであり、この高周波電圧は停止信号
が供給されるまで繰り返し発生する。
【0028】この高周波電圧は、結合用変圧器142の
1次巻線142Pに供給されている。この結合用変圧器
142は2次巻線142Sも有しており、これは、バイ
パスコンデンサ144と直列に、出力端子112、12
2の間に接続されている。1次巻線142Pと2次巻線
142Sの巻き数比は、2次巻線142Sに誘起される
高周波電圧の最大値が、数KVになるように巻き数比が
選択されている。この2次巻線142Sに誘起された高
周波電圧は、バイパスコンデンサ144を介して出力端
子112、122に供給される。なお、バイパスコンデ
ンサ144は、2次巻線142Sに誘起された高周波電
圧がダイオード116a、116b、118a、118
b側に流れるのを阻止するために設けられている。
【0029】バイパスコンデンサ144に並列に、電流
供給手段、例えば充放電回路146が設けられている。
この充放電回路146では、充電用抵抗器147と、コ
ンデンサ148と、半導体スイッチング素子150とか
らなる直列回路を含み、この直列回路が、バイパスコン
デンサ144に並列に接続されている。半導体スイッチ
ング素子150には、制御器136から半導体スイッチ
ング素子150用の駆動信号が供給されている。この駆
動信号が、第1の状態、例えばHレベルのとき、半導体
スイッチング素子150は、オンとなり、第2の状態、
例えばLレベルのとき、半導体スイッチング素子150
はオフとなる。図示しないスイッチによって直流動作の
指示が制御器136に与えられているとき、制御器13
6が、この駆動信号をHレベルとする。
【0030】充電用抵抗器147に並列にダイオード1
52と放電用抵抗器154とが接続されている。ダイオ
ード152は、そのアノードが放電用抵抗器154側
に、そのカソードが出力端子112側に接続されてい
る。また、この駆動信号がHレベルとなってから、コン
デンサ148を完全に充電するのに充分な時間(この時
間は、コンデンサ148の容量及び充電用抵抗器147
の抵抗値に基づいて算出できる。)が経過した後に、制
御器136が高周波発生器140にスタート信号を供給
するように、制御器136は構成されている。
【0031】このように構成された電源装置100で
は、例えば交流動作の指示が、制御器136に与えられ
ると、制御器136は、図2(a)、(b)に示されて
いるスイッチング素子128用駆動信号と、スイッチン
グ素子134用駆動信号とを、スイッチング素子128
と、134とに供給する。この状態では、コンバータ1
06によって生成された高周波電圧を、変圧した高周波
電圧が、変圧器108の2次巻線108S1、108S
2に誘起され、2次巻線108S1、108S2の黒丸
を付した端部が正極性となる高周波電圧が誘起されてい
るとき、ダイオード116a、116bによって整流さ
れ、同端部が負極性となる高周波電圧が誘起されている
とき、ダイオード118a、118bによって整流され
る。
【0032】トーチ124とワークピース114との間
にギャップがあるので、半導体スイッチング素子12
8、134がオン、オフされても、これらの間に電流が
流れず、アーク放電は生じない。ここで、高周波発生器
140が高周波電圧を発生し、これが結合用変圧器14
2によって数KVに変圧されて、ワークピース114と
トーチ124との間に印加される。これによって、両者
の間の絶縁が破壊され、アーク放電が生じる。
【0033】そして、半導体スイッチング素子128が
オンのときには、ダイオード116a、116bから平
滑リアクトル126、半導体スイッチング素子128、
1次巻線142S、出力端子122、トーチ124、ワ
ークピース114、出力端子112、2次巻線108S
1、108S2へ電流が流れ、アーク放電が維持され
る。
【0034】半導体スイッチング素子134がオンのと
きには、2次巻線108S1、108S2、出力端子1
12、ワークピース114、トーチ124、出力端子1
22、2次巻線142S、半導体スイッチング素子13
4、平滑リアクトル132、ダイオード118a、11
8bに電流が流れ、アーク放電が維持される。
【0035】半導体スイッチング素子128、134い
ずれがオンであるかによって、トーチ124、ワークピ
ース114に流れる電流の方向が変化する。即ち、交流
電流によって、アーク放電が維持される。
【0036】制御器136に直流動作の指令が与えられ
ると、制御器136は、図2(c)、(d)に示されて
いるように、半導体スイッチング素子128にLレベル
の駆動信号を、半導体スイッチング素子134にHレベ
ルの駆動信号を、それぞれ供給する。同時に、半導体ス
イッチング素子150にHレベルの駆動信号を供給す
る。これによって、半導体スイッチング素子128がオ
フにされ、半導体スイッチング素子134、150がオ
ンとされる。
【0037】これによって、図3(a)に示されている
ように、出力端子112、122間、即ちトーチ124
とワークピース114間の電圧が上昇する。但し、この
場合、トーチ124とワークピース114間にギャップ
があるので、図3(d)に示されているようにトーチ1
24とワークピース114間には電流(アーク電流)は
流れていない。また、充電用抵抗器147を介してコン
デンサ148の充電が開始され、図3(b)に示されて
いるようにコンデンサ148の両端間電圧は上昇を開始
する。
【0038】やがて、コンデンサ148の充電が終了し
て、若干の時間が経過したとき、制御器136は、高周
波発生器140が高周波電圧を発生する。これは、例え
ば制御器136のマイクロコンピュータによってタイマ
を構成し、そのタイマに充電に要する時間に若干の時間
を加算した時間を設定時間として設定しておき、直流動
作指令が制御器136に供給されときに、タイマをスタ
ートさせ、その設定時間に達したとき、高周波発生器1
40にスタート信号を制御器136から供給することに
よって達成できる。
【0039】この高周波電圧の発生によって、トーチ1
24とワークピース114との間にアーク放電が発生
し、これらの間に図3(c)に示すように高周波電流が
流れる。これによって、変圧器108の2次巻線108
S2、出力端子112、ワークピース114、トーチ1
24、出力端子122、結合用変圧器142の2次巻線
142S、半導体スイッチング素子134、平滑リアク
トル132、ダイオード118a、118bに電流が流
れる。同時に、コンデンサ148から電荷が放電され、
放電用抵抗器154、ダイオード152、出力端子11
2、ワークピース114、トーチ124、出力端子12
2、結合用変圧器142の2次巻線142S、半導体ス
イッチング素子150と電流が流れる。
【0040】即ち、トーチ124とワークピース114
との間には、2つの経路から電流が供給され、図3
(d)に示されているように多量のアーク電流が流れ
る。その結果、ワークピース114が正極で、トーチ1
24が負極の状態であっても、アーク放電が維持され
る。また、アーク放電を維持するための充放電回路14
6の電源には、変圧器108の2次巻線108S2、ダ
イオード118a、118b等を利用しているので、充
放電回路146のために電源を設ける必要はない。
【0041】なお、抵抗器147、157の抵抗値の比
率、コンデンサ148の容量を適切に選択すると、図3
(b)に示されているように、コンデンサ146の電圧
は、放電後も一定の電圧を維持する。また、放電した
後、半導体スイッチ150をオフにしてもよいが、出力
端子112、122間の電圧が安定してると、コンデン
サ148には充電電流は流れないので、半導体スイッチ
150をオンにしたままでもよい。
【0042】上記の実施の形態では、本発明を交流、直
流両用の溶接用電源に実施したが、直流専用の溶接用電
源に本発明を実施することができる。その場合、例えば
変圧器108の1次巻線108S1、ダイオード116
a、116b、半導体スイッチ128、134を除去
し、平滑リアクトル132を直接に結合用変圧器142
の2次巻線142Sに接続すればよい。また、上記の実
施の形態では、出力端子112、122の供給する電流
を多くするために、ダイオード116a、116b、1
18a、118bを設けたが、この電流が少なくてもよ
い場合には、ダイオード116b、118aを除去して
もよい。また、上記の実施の形態では、本発明をアーク
溶接機に実施したが、アーク切断機に実施することもで
きる。
【0043】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、ワークピースに接続される第1の出力端子側が正
極性で、トーチに接続される第2の出力端子側が負極性
である直流電圧が第1及び第2の出力端子間に供給され
ていても、高周波電圧重畳手段から高周波電圧が第1及
び第2の出力端子間に供給されたとき、電流供給手段が
第1及び第2の出力端子間に電流を供給する。これによ
って、コンバータ手段と電流供給手段の双方から、電流
が第1及び第2の出力端子間に供給されるので、アーク
放電を維持しやすくなる。
【0044】請求項2記載の発明によれば、電流供給手
段は、コンバータの出力電圧によって充電されるので、
電流供給手段専用の電源を設ける必要はなく、回路構成
を簡略化することができる。
【0045】請求項3記載の発明によれば、交流動作
も、直流動作も可能であり、しかも直流動作の場合、請
求項1記載の発明と同様にして、アーク放電を維持する
ことができる。
【0046】請求項4記載の発明によれば、電流供給手
段は、整流手段の出力電圧によって充電されているの
で、請求項2記載の発明と同様に、専用の電源が不要で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による直流アークスタート回路を設けた
交流、直流両用溶接用電源の1実施例の回路図である。
【図2】同実施例において制御器136が発生する駆動
信号を示す波形図である。
【図3】同実施例の直流動作における各部の波形図であ
る。
【図4】従来の交流、直流両用溶接用電源の回路図であ
る。
【符号の説明】
106 インバータ 108 変圧器 116a、116b 118a、118b ダイオード
(整流手段) 110 第3の経路 120 第1の経路 128 134 半導体スイッチング素子 130 第2の経路 138 高周波電圧重畳回路 146 充放電回路(電流供給手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 隆志 大阪府大阪市東淀川区淡路2丁目14番3号 株式会社三社電機製作所内 (72)発明者 木下 敦史 大阪府大阪市東淀川区淡路2丁目14番3号 株式会社三社電機製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電圧を高周波電圧に変換するインバ
    ータ手段と、 このインバータ手段からの高周波電圧が1次巻線に供給
    され、2次巻線に変圧された高周波電圧が誘起される変
    圧器と、 正極性出力側と負極側出力側との間に、上記2次巻線に
    おける変圧された高周波電圧を変換した直流電圧を生成
    するコンバータ手段と、 上記正極性出力側に接続されており、ワークピースに接
    続されるべき第1の出力端子と、 上記負極性出力側に接続されており、トーチに接続され
    るべき第2の出力端子と、 第1及び第2の出力端子間に、上記インバータ手段から
    の高周波電圧とは別の高周波電圧を供給する高周波電圧
    供給手段と、 第1及び第2の出力端子間に接続されており、第1の出
    力端子側から第2の出力端子側に電流を流す電流供給手
    段とを、 具備する直流アークスタート回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の直流アークスタート回路
    において、上記電流供給手段は、上記コンバータの出力
    電圧が供給される充放電手段である直流アークスタート
    回路。
  3. 【請求項3】 直流電圧を高周波電圧に変換するインバ
    ータ手段と、 このインバータ手段からの高周波電圧が1次巻線に供給
    され、2つの2次巻線にそれぞれ変圧された高周波電圧
    が誘起される変圧器と、 ワークピースに接続されるべき第1の出力端子と、 トーチに接続されるべき第2の出力端子と、 第2の出力端子にそれぞれ接続された第1及び第2の経
    路と、第1の出力端子に接続された第3の経路とを有
    し、第1の経路から第3の経路に上記ワークピース及び
    上記トーチを介して、または第3の経路から第2の経路
    に上記ワークピース及び上記トーチを介して電流が流れ
    るように、上記変圧された高周波電圧を、それの極性に
    応じて整流する整流手段と、 第1の経路に介在する第1のスイッチング素子と、 第2の経路に介在する第2のスイッチング素子と、 第1及び第2のスイッチング素子を相補にかつ交互に開
    閉する第1の状態と、第1のスイッチング素子をオフ、
    第2のスイッチング素子をオンにした第2の状態とのう
    ち、選択されたものに、第1及び第2のスイッチング素
    子を制御する制御手段と、 第1及び第2の出力端子間に、上記インバータ手段から
    の高周波電圧とは別の高周波電圧を供給する高周波電圧
    供給手段と、 第2の状態において、上記高周波電圧供給手段が高周波
    電圧を第1及び第2の端子間に供給したとき、第3の経
    路から第2の経路に電流を流す電流供給手段とを、 具備する交流、直流両用アーク放電利用機器用電源の直
    流アークスタート回路。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の交流、直流両用電源の直
    流アークスタート回路において、上記電流供給手段が、
    上記整流手段の出力電圧が供給される充放電手段である
    交流、直流両用アーク放電利用機器用電源の直流アーク
    スタート回路。
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