JP2539871Y2 - アーク加工用電源装置 - Google Patents

アーク加工用電源装置

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JP2539871Y2
JP2539871Y2 JP7470491U JP7470491U JP2539871Y2 JP 2539871 Y2 JP2539871 Y2 JP 2539871Y2 JP 7470491 U JP7470491 U JP 7470491U JP 7470491 U JP7470491 U JP 7470491U JP 2539871 Y2 JP2539871 Y2 JP 2539871Y2
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喜久夫 寺山
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、商用交流電源を一旦整
流して直流とした後にインバータ回路によって高周波交
流に変換した後に変圧器にてアーク加工に適した電圧に
変換し、再度整流、極性切替等を行う方式のアーク加工
用電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インバータ回路を利用して商用周波数よ
りも高い周波数の交流を得て、これを変圧器にて所定の
電圧に変換する方式のアーク溶接、プラズマアーク溶
接、切断等に用いるアーク加工用電源装置においては、
従来においては出力の調整を変圧器の一次側に設けられ
たインバータ回路によって行い、加工用出力の極性の切
替を変圧器の二次側に設けたスイッチング回路によって
行っている。
【0003】図1はこのように構成した従来の装置の概
略を示す接続図である。同図において、1は交流電源で
あり、通常商用交流電源を用いる。2は交流電源1の出
力を整流平滑する整流回路、3は整流回路2の出力を高
周波交流に変換する一次インバータ回路、4は一次イン
バータ回路の出力を溶接、切断等のアーク加工に適した
電圧に変換する変圧器、5は変圧器4の出力を再度整流
して直流とする整流回路、6は整流回路5の直流出力を
正,逆または所定の周波数の交流に極性を切換えるため
の二次インバータ回路である。7はアーク加工負荷であ
り、図示の場合は消耗電極7aを被溶接物7bに向って
送給するアーク溶接を行うときの例を示してある。8は
消耗電極7aを送給するための送給ローラであり、駆動
用モータ9によって所定の速度で回転駆動される。10
は制御電源用補助変圧器であり、交流電源1から電力の
供給を受ける。11は一次インバータ回路3のためのイ
ンバータ制御回路であり、出力電流設定回路13の出力
Ir とアーク加工負荷7への出力電流検出器12の出力
If とを比較し、差信号ΔI=Ir −If を得る比較器
14の出力ΔIを入力とし、入力信号が減少する方向に
一次インバータ回路3の出力を変化させる方向に動作す
る。15は二次インバータ回路6のためのインバータ制
御回路であり、基準信号発生器16の出力信号so の符
号に応じて二次インバータ回路6のスイッチング素子6
a,6bまたは6c,6dをそれぞれ一対として導通さ
せる。17は消耗電極7aを送給するためのローラ8を
駆動する駆動モータ9のためのモータ制御回路であり、
所定の速度で駆動モータ9を回転させるものである。同
図の装置においては、溶接電流、即ち出力電流は検出器
12によって検出されてフィードバック信号If とな
り、このフィードバック信号If が比較器14にて出力
電流設定回路13の出力Ir と比較されて差信号ΔI=
Ir −If が得られ、この差信号によって一次インバー
タ回路3の出力が制御されて、アーク加工負荷7には常
に出力電流設定器13によって設定された値に応じた一
定電流が一次インバータの出力を調整することによって
供給されることになる。一方、二次インバータ回路6は
基準信号so の符号と期間に応じた極性に整流回路5の
出力を切替える機能のみを有するものである。また同図
の装置においては、出力電流は定電流特性となるように
調整されるので消耗電極7aの送給速度に応じて溶接電
圧が定まることになる。また、一次、二次の各インバー
タ制御回路11,15,モータ制御回路17にはこれら
のための制御電源が補助変圧器10から供給される。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】上記のような従来装置
においは、加工用電力を変換する変圧器4は一次インバ
ータ回路3の動作周波数を高くすることによって小形軽
量にできるが、制御回路用の電力を供給する補助変圧器
10は商用周波数の交流電源1から電力を得ているので
小形化できない。これらの制御回路のうちインバータ制
御回路11,15や出力設定回路13、基準信号発生器
16等のための制御用電力は比較的小容量であり、せい
ぜい10ないし20VA程度であるが、モータ制御回路
17は駆動用モータの容量に応じて数10VAないし数
100VAの容量となる。このために、これらの制御回
路用電力のすべてを補助変圧器10で負担すると補助変
圧器10が大形となるばかりではなく、通常は各制御回
路にはこの補助変圧器10の出力を整流して直流として
用いるために平滑回路も商用周波の交流を整流したとき
のリップルを十分に低減できるだけの大形の平滑回路が
必要となって、主電源回路を一次インバータ回路3によ
って高周波として小形軽量化した利点が十分に生かされ
ないという問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案においては、上記
従来装置の問題点を解決するために、商用交流電源を整
流して後に高周波交流に変換する際に、負荷の状態にか
かわらず常に略一定電圧の出力を発生するように一次イ
ンバータ回路を負荷とは無関係に制御し、この一次イン
バータ回路の出力を変圧器にて適宜変圧した後にアーク
加工に適した所望の出力電圧・電流特性と所望の極性の
出力が得られるように調整するスイッチング回路を設け
るとともに、一次インバータ回路以外の制御回路用電源
を一次インバータの出力を変圧する変圧器に設けた別の
出力巻線から得るようにしたものである。
【0006】
【実施例】図2に本考案の実施例を示す。同図において
21は商用交流電源、22は整流回路、23はインバー
タ回路、24は変圧器、25はセンタータップを有する
変圧器24の第2巻線24s1 の出力を両波整流すると
ともに位相制御により出力を調整する制御整流器25
a,25b、例えばサイリスタを用いたスイッチング回
路、26は直流リアクトル、27は消耗電極27aおよ
び被加工物27bからなるアーク加工負荷、28は消耗
電極を送給するための送給ロールであり、29は供給ロ
ール28を駆動するための駆動モータである。30は補
助変圧器であり、インバータ回路23のためのインバー
タ制御回路31に電力を供給する。32は比較器であ
り、基準電圧設定回路33の出力Er とインバータ回路
23の出力電圧検出器を構成する変圧器24の第3巻線
24s2 の出力電圧Ef とを比較し、差電圧ΔE=Er
−Ef をインバータ制御回路31に供給する。34は別
の比較器であり、出力電流設定回路35の出力信号Ir
と出力電流検出器36の出力信号If とを入力とし、差
信号ΔI=Ir −If を出力する。37はスイッチング
回路25の制御回路であり、変圧器24の第4巻線24
s3 から電力を得て比較器34の出力信号ΔIが減少す
る方向にスイッチング回路25に対して制御信号を供給
する。ここでスイッチング回路25が図示のようにサイ
リスタを用いて全波制御整流回路によって構成されてい
るときには、変圧器24の出力電圧位相に同期し、かつ
差信号ΔIに応じた制御位相角の点弧信号s3 ,s4 を
供給する。また38は駆動モータ29の制御回路であ
り、変圧器24の第4巻線24s3から電力を受けると
ともに図示を省略した基準信号に応じた速度で駆動モー
タ29を回転させる。
【0007】同図の実施例においては、交流電源1の出
力は整流回路22によって直流に変換されてインバータ
回路23に供給される。この状態で起動スイッチTSが
閉路されると補助変圧器30から電力の供給を受けてい
るインバータ制御回路が起動し、この出力信号s1 ,s
2 によってインバータ回路23は整流回路22の直流出
力を一定の周波数と波形の高周波交流に変換して変圧器
24の一次巻線24p1 に供給する。変圧器24は一次
巻線24p1 にインバータ回路23の出力電圧が供給さ
れると第3巻線24s2 に入力電圧に比例した電圧が誘
起し、この誘起電圧Ef は比較器32にて基準電圧設定
回路33の設定信号Er と比較されて、差信号ΔE=E
r −Ef が減少する方向にインバータ制御回路31が動
作して、出力するインバータ駆動信号s1 ,s2 を調整
してインバータ回路23の出力電圧を設定値に保つ。ま
た、起動スイッチTSの閉路と同時に、または若干遅れ
てスイッチング制御回路37が起動し、導通指令信号s
3 ,s4 をスイッチング回路25のサイリスタ25a,
25bに供給し、これによって変圧器24の第2巻線2
4s1 の出力が位相制御整流されて直流リアクトル26
を介して負荷27に供給される。一方、変圧器24の第
4巻線24s3 の出力によってモータ制御回路38も起
動し、所定の加速パターンおよび速度によって駆動モー
タ29を回転させる。駆動モータ29の回転によって消
耗電極27aは被加工物27bに向って送り出され、両
者が短絡したときにスイッチング回路25の出力によっ
て短絡電流が流れる。この短絡電流によって消耗電極の
先端が加熱溶融し飛散することによってアークが発生
し、加工が開始される。出力回路に電流が流れ始める
と、この電流は出力電流検出器36にて検出されて信号
If となり、比較器34にて出力電流設定回路35の設
定信号Ir と比較されて差信号ΔI=Ir −If が出力
される。この差信号ΔIはスイッチング制御回路37に
供給されて、スイッチング制御回路37はこの差信号が
減少する方向に位相制御信号s3 ,s4 の位相を調整し
て出力電流を設定値に保つように動作する。
【0008】図2の実施例は、上記のように動作するの
で制御回路のための補助電源の大部分は一定出力に保た
れるインバータ回路の出力を入力とする主変圧器の補助
巻線から取り出すことになる。この結果、これらの制御
回路のための電源は高周波で動作する主変圧器にわずか
に巻線を追加するだけでよいので小形にできることにな
る。なお、補助電源のうちインバータ回路23を制御す
るための電源だけは商用交流電源21から電力を受ける
補助変圧器30が必要となるが、インバータ制御回路3
1のために必要な電力は10VA程度の低容量でよいの
で補助変圧器30としては商用交流を入力とするもので
あっても極く小形のものでよいことになる。
【0009】図3は本考案の別の実施例を示したもので
あり、出力電圧の極性を正,逆および交流に切替可能と
したものである。同図において、25は変圧器24の第
2巻線24s1 に接続された4個のサイリスタ25aな
いし25dからなるスイッチング回路であり、図示のよ
うにサイリスタ25aと25b、サイリスタ25cと2
5dとはそれぞれ互いに逆の極性で変圧器24の第2巻
線24s1 の両端の出力端子に接続されて正および逆の
両極性の両波整流回路を構成している。39はリアクト
ルであり、共通の磁心に巻かれた2個の巻線39aおよ
び39bを有し、それぞれ図示のようにサイリスタ25
aと25cおよびサイリスタ25bと25dとの各共通
接続点に一方の端子が接続され、他端は共通接続されて
いる。また両巻線の極性は図中に・印を付して示したよ
うに、それぞれに直列接続されたサイリスタが導通した
ときに流れる電流によって共有する磁心に同方向の磁束
が発生する極性に巻方向が定められている。40は比較
器であり、出力電圧設定回路41の出力信号er と出力
電圧検出器42の出力ef とを入力とし、差信号Δe=
er −ef を出力する。43は消耗電極27aの送給速
度を設定する送給速度設定回路であり、基準信号ir を
モータ制御回路38に供給する基準信号設定回路であ
る。またスイッチング制御回路37には出力極性を正,
逆,交流に切替えるための選択スイッチ37aおよび交
流出力時に正極性期間Ts と逆極性期間Tr とを定める
ための設定器37b,37cを有し、内部に選択スイッ
チ37aが交流に設定されたときに正極性期間Ts と逆
極性期間Tr とをくりかえす時限回路が組み込まれてい
る。図3において上記以外は図2に示した実施例と同機
能のものに同符号を付してあるので詳細な説明は省略す
る。
【0010】図3の実施例において、選択スイッチ37
aが(正)にあり、正極性出力、即ち消耗電極27aが
負、被加工物27b正の直流出力を得るときについて説
明する。この場合にはスイッチング回路25はサイリス
タ25bと25dとのみを使用し、サイリスタ25aと
25cとは遮断のままとなる。起動スイッチTSを閉路
するとインバータ制御回路31は動作を開始し、インバ
ータ回路23はインバータ制御回路31からの駆動信号
s1 ,s2 によって整流回路22の出力を一定の波形の
高周波交流に変換する。このときその出力電圧は図2の
実施例と同様に変圧器24の第3巻線24s2 の出力電
圧Ef と基準電圧設定回路33の設定値Er とを比較器
32にて比較した信号によってインバータ制御回路が動
作することによって設定値に保たれる。起動スイッチT
Sの閉路と同時かまたは若干遅れてスイッチング回路2
5の制御回路37は起動する。この場合、前述のように
選択スイッチ37aを(正)に設定しておくと、スイッ
チング回路25の4個のサイリスタのうちサイリスタ2
5bと25dとだけが動作し、サイリスタ25aと25
cとは遮断のままとするために、スイッチング制御回路
37は信号s4 とS6 とだけが変圧器24の出力電圧に
同期して所定の位相で交互に出力される。信号s4 とs
6 とによってサイリスタ25b,25dが交互に点弧す
るとリアクトル39bを介して被加工物27b側が正、
消耗電極27a側が負となる正極性出力が発生する。こ
の出力電圧は出力電圧検出器42によって検出されて信
号efとなり、比較器40にて出力電圧設定回路41の
設定信号er と比較される。比較器40は両入力信号の
差信号Δe=er −ef を演算し、スイッチング制御回
路37に指令信号として供給する。スイッチング制御回
路37は入力信号Δeが減少する方向に信号s4 ,s6
の位相を調整してサイリスタ25b,25dを点弧さ
せ、この結果、アーク加工負荷27に供給さる。出力電
圧は出力電圧設定回路41の設定値er に対応した値に
保つようフィードバック制御が行なわれる。
【0011】一方、起動スイッチTSの閉路およびスイ
ッチング制御回路37の起動から若干の遅延時間の後に
モータ制御回路38が起動し、基準信号設定回路43の
設定信号ir に応じた速度で駆動モータ29が回転し、
これによって消耗電極27aが被加工物27bに向って
送給される。消耗電極27aの先端が被加工物27bに
短絡したときにスイッチング回路25の出力によって短
絡電流が流れ、消耗電極27aの先端が加熱溶融し飛散
することによってアークが発生する。このとき、アーク
加工負荷27に供給される電圧は出力電圧設定回路41
の設定値に保つようにスイッチング制御回路37が動作
し、サイリスタ25b,25dの点弧位相を調整するの
で消耗電極27aを基準信号設定回路43の出力信号i
r に応じて一定速度で送給するときは、アーク加工電流
即ち溶接電流はこの送給速度に対応した値に定まる。し
たがって、図3の実施例の場合は、消耗電極27aの送
給速度を決定する基準信号設定回路43の出力信号ir
が加工電流設定信号となる。
【0012】次に直流逆極性、即ち消耗電極27aが正
の出力を得るときには、選択スイッチ37aを(逆)の
位置に設定することによってサイリスタ25b,25d
にかえてサイリスタ25a,25cを導通制御するよう
に信号s3 ,s5 を位相調整し、信号s4 ,s6 は遮断
とする。
【0013】さらに正,逆両極性を交互に所定の周期と
継続時間とでくりかえす交流出力とするときには、選択
スイッチ37aを(交流)に設定すると、インバータ回
路23の出力の所定の波数の期間Ts の間継続して信号
s4 ,s6 が交互に出力され、この期間の後に続いて期
間Tr の間継続して信号s3 ,s6 が交互に出力され
る。この状態が順次くりかえされる。
【0014】図4はこのようにした交流出力時のインバ
ータ回路23の出力電圧波形とスイッチング制御回路3
7の出力信号s3 ないしs6 およびアーク加工負荷に供
給される出力電圧eo と出力電流io との関係を示した
線図である。図3および図4において、時刻t=t1 か
らt2 に至るTs の期間は信号s4 とs6 とが交互に出
力され、時刻t2 からt3 までのTr の期間は信号s3
とs5 とが交互に出力される。この結果、Ts の期間は
サイリスタ25bと25dとが交互に導通して被加工物
27aから消耗電極27bに向う方向の正極性出力の期
間となり、期間Tr の間はサイリスタ25aと25cと
が交互に導通して消耗電極27bから被加工物27aに
向う逆極性出力の期間となる。このような期間Ts とT
r とが交互にくりかえされて交流出力が得られることに
なる。このとき、出力電圧の波高値は先と同様に出力電
圧設定回路41の設定値によって定まるから、極性の切
替と同時にこの出力電圧設定回路の設定値も切りかえて
信号er1とer2とにすることによって、正逆それぞれの
期間に所望の出力電圧値とすることができる。また、各
極性の期間Ts とTr とにおいてその長さは設定器37
bと37cとによって独立して調整することができる。
【0015】ここで出力電圧の極性が反転するときの動
作について説明する。いま図4において、時刻t2 の直
前では信号s4 またはs6 によってサイリスタ25bま
たは25dが点弧し、被加工物27bから消耗電極27
aに向う方向の電流がリアクトル39bを通して流れて
おり、この電流Iaとリアクトル39bのインダクタン
スLbとによって定まる電磁エネルギー(1/2 ・La
a 2 )がリアクトル39bに蓄えられている。この状
態で時刻t2 において期間Ts が終了し、信号s3 また
はs5 の出力が開始されるとサイリスタ25aまたは2
5cが点弧する。このときそれまでリアクトル39bに
蓄えられていた電磁エネルギーは共有する磁心によって
密結合されているリアクトル39aに直ちに移行する。
このときリアクトル39aのインダクタンスLaをリア
クトル39bのインダクタンスLbに等しくしておく
と、サイリスタ25aまたは25cの点弧によって回路
に流れる電流はリアクトル39a,39bに保有する電
磁エネルギーが急変できないことから波高値が等しく、
極性が逆の電流とする。この結果、出力電流の変化は、
図4の(g)に示すように時刻t2 の直後の反対極性の
サイリスタの点弧時に極性が急峻に反転する電流とな
る。それ故、図3の実施例において、リアクトル39a
と39bとは、直流出力時にはこれらのいずれかが回路
に接続される形となって出力電流の平滑回路の役割を果
し、交流出力時には両方が作用して出力電流の極性を急
峻に反転させる役割を果して、電流極性の反転時に一旦
消滅するアークの再生を良好にする効果がある。
【0016】図3においては、出力の調整を変圧器24
の出力電圧を各波形ごとに位相制御するものとして示し
たが、出力の調整はこれに限るものではなく、変圧器の
出力波形はそのままで出力する波数を制限することによ
って出力の平均値を調整するようにしてもよい。図5、
図6にこのようにしたときの様子を図4と同様に各部の
波形にて示す。
【0017】図5は、正極性出力時に変圧器の出力波数
を制限することによって出力の調整を行うときの様子を
示したものである。同図においては、変圧器の出力、即
ちインバータ23の出力のTo の期間に約60%の間信
号s3 とs5 とを出力し、残りの40%は休止するとき
の例を示している。この場合は出力電圧eo と出力電流
Io は図中に(f),(g) に示すように若干の脈動分を有す
る直流となり、その平均値は信号s3 とs5 とのそれぞ
れの出力される期間の割合によって定まる。この信号s
3 とs5 との繰返し周期を短くすることによって脈動分
を少なくすることができる。
【0018】また、図6は同様の制御方法によって交流
出力を得るときの様子を示す線図であり、この場合も、
信号s3 ないしs6 の出力する期間と停止する期間との
周期を短くすることによって脈動分を少なくすることが
出来る。
【0019】上記図2および図3の実施例において、使
用するインバータ回路23としては、図2に略示したよ
うに4個のスイッチング用トランジスタを組合せたフル
ブリッジ形インバータ回路や、図3に略示したように2
個の直列コンデンサによって直流電圧を2分し、2個の
スイッチングトランジスタを用いたハーフブリッジ形イ
ンバータ回路など公知のあらゆる形式のインバータ回路
を用いることができる。また、インバータ回路の制御に
は上記の各実施例のように出力電圧をフィードバックし
て設定値と比較し、定電圧出力を得るものの他に一定の
周波数と波形とからなる駆動信号によって動作する非安
定化インバータとしてもよい。
【0020】さらにまた、アーク加工負荷としては消耗
電極を用いるアーク溶接以外にTIG溶接、プラズマア
ーク溶接、プラズマアーク切断、アークガウジング等い
ずれの負荷に対しても本考案は適用でき、いずれの場合
にも出力の制御は変圧器の出力側に設けられたスイッチ
ング回路によって行なうものであればよく、このスイッ
チング回路には先の例に示したようにサイリスタを用い
る他に整流回路とスイッチング用トランジスタとの組合
せによって構成してもよい。これらの場合、出力の調整
は出力電流を一定に保つもの、出力電圧を一定に保つも
の、正,逆両極性のいずれかを得るもの、正または逆に
切りかえ可能としたもの、あるいは所定の継続時間と周
期とで正逆をくりかえし切りかえて交流出力とするもの
などいずれでもよい。
【0021】さらにまた、インバータ回路の出力を入力
とする変圧器から取り出す補助電源としては、これを整
流した後にさらに低周波のインバータ回路を通して商用
周波の交流に再変換するときは、一般の商用周波交流を
電源とする従来の制御回路をそのまま利用できる。
【0022】
【発明の効果】上記のように本考案においては、一定出
力または無調整の出力で動作するインバータ回路を変圧
器の一次側に設け、この変圧器の出力を所望の特性に調
整するとともに、変圧器に補助巻線を設けて制御用の補
助電源を取り出すようにしたので、補助電源回路を小形
軽量にでき、主回路をインバータ化したことによってな
し得る主電源回路の小形軽量化に適合し、装置全体の小
形軽量化をより促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の装置の例を示す接続図
【図2】 本考案の実施例を示す接続図
【図3】 本考案の別の実施例を示す接続図
【図4】 図3の実施例の交流出力時の動作を説明する
ための線図
【図5】 図3の実施例の別の動作を説明するための線
【図6】 図3の実施例のさらに別の動作を説明するた
めの線図
【符号の説明】
22 整流回路 23 インバータ回路 24 変圧器 25 スイッチング回路 27 アーク加工負荷 28 送給ロール 29 駆動モータ 30 補助変圧器 31 インバータ制御回路 32,34,40 比較器 33 基準電圧設定回路 35 出力電流設定回路 37 スイッチング回路制御回路 38 モータ制御回路 39 リアクトル 40 比較器 41 出力電圧設定回路 42 出力電圧設定回路 43 基準信号設定回路

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 商用交流電源を整流して直流を得る整流
    回路と、前記整流回路の出力をスイッチングにより前記
    商用交流電源の周波数よりも高い周波数の交流に変換す
    るインバータ回路と、前記インバータ回路の出力を一次
    巻線に入力してアーク加工に適した二次出力を得る変圧
    器と、前記変圧器の二次巻線の出力を所定の電圧電流特
    性に調整するスイッチング回路とを設けるとともに、前
    記変圧器に前記スイッチング回路を含む他の補助回路に
    制御用電力を供給するための1つ以上の補助巻線を設け
    たアーク加工用電源装置。
  2. 【請求項2】 前記インバータ回路は、出力電圧が設定
    値に応じた一定電圧に保たれるように制御される定電圧
    特性のインバータ回路である請求項1に記載のアーク加
    工用電源装置。
  3. 【請求項3】 前記スイッチング回路は、前記変圧器の
    出力を位相制御整流して所望の極性と電圧・電流特性の
    出力を得る回路である請求項1または2のいずれかに記
    載のアーク加工用電源装置。
  4. 【請求項4】 前記スイッチング回路は、前記変圧器の
    出力を調整するとともに出力電圧の極性を正,逆または
    所定の正逆比率と周波数の交流に切替える極性切替回路
    である請求項1ないし3のいずれかに記載のアーク加工
    用電源装置。
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