JPH101775A - 堆積膜形成方法及び堆積膜形成装置 - Google Patents

堆積膜形成方法及び堆積膜形成装置

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JPH101775A
JPH101775A JP11327596A JP11327596A JPH101775A JP H101775 A JPH101775 A JP H101775A JP 11327596 A JP11327596 A JP 11327596A JP 11327596 A JP11327596 A JP 11327596A JP H101775 A JPH101775 A JP H101775A
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film
substrate
cylindrical
cathode electrode
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JP11327596A
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English (en)
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Atsushi Yamagami
敦士 山上
Satoshi Takagi
智 高木
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Canon Inc
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Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、複数の円筒状基体の表面上に、円筒
状基体間でのばらつきが少ない高品質な堆積膜を同時に
高速度で形成し、効率よく半導体デバイスを形成し得る
VHF領域の高周波を使用する生産性の良いプラズマC
VD法による堆積膜形成方法及び堆積膜形成装置を提供
することを目的としている。 【解決手段】本発明は、減圧可能な反応容器内に、複数
の円柱状のカソード電極を配列し、該複数のカソード電
極のそれぞれの周囲に被成膜基体である複数の円筒状基
体をその中心軸がカソード電極の同軸円周上に立設する
ように配列し、高周波電力を印加することにより前記カ
ソード電極とカソード電極の同軸円周上に配列した前記
複数の円筒状基体との間にプラズマを発生させ、前記円
筒状基体を回転させながら該円筒状基体の表面上に堆積
膜を形成する堆積膜形成方法または装置において、前記
カソード電極に高周波電源で発生させたVHF帯の高周
波電力を整合回路を介して供給するようにしたことを特
徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイス、
画像入力用ラインセンサー、撮像デバイス、光起電力デ
バイス、その他各種エレクトロニクス素子、光学素子な
どに有用な結晶質または非晶質の高品質堆積膜を円筒状
基体上に高堆積連度で効率よく形成できるプラズマCV
D法による堆積膜形成方法及び堆積膜形成装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体デバイスの製造において
は、いわゆるRFプラズマCVD法が繁用されている。
当該RFプラズマCVD法においては、13.56MH
zの高周波が電波法に基づく観点から一般的に使用され
ている。RFプラズマCVD法は、放電条件の制御が比
較的容易であり、得られる膜の膜質が優れているといっ
た利点を有するが、ガスの利用効率が低く、堆積膜の形
成速度が比較的小さいといった問題がある。例えば、R
FプラズマCVD法を用いて高品質な電子写真感光体用
のアモルファスシリコン膜を形成する場合、膜堆積速度
は高々10オングストローム/秒程度であり、電子写真
感光体の膜厚としては30μm程度必要である為、膜堆
積に必要な時間は8時間程度に至っている。こうしたR
FプラズマCVD法における問題に鑑みて、周波数2.
45GHzのいわゆるマイクロ波を用いたマイクロ波プ
ラズマCVD法が提案されている。マイクロ波プラズマ
CVD法は、RFプラズマCVD法では達成できない利
点を有する。即ち、マイクロ波プラズマCVD法によれ
ば、極めて高いガス利用効率で、格段に大きい膜堆積速
度を達成できる。
【0003】そうしたマイクロ波プラズマCVD法を用
いて複数の円筒状基体に同時に堆積膜を形成する方法の
一例が、例えば特開昭60−186849号公報(以
下、「文献1」という。)に開示されている。文献1に
は、図7に示す構成のマイクロ波プラズマCVD装置を
使用するマイクロ波プラズマCVD法が開示されてい
る。以下、文献1に開示されたマイクロ波プラズマCV
D技術について説明する。図7においては、真空容器
(デポジションチャンバ)2222中に平行に配された
複数のシャフト2238のそれぞれに、円筒状基体22
12が回転可能な状態に配されている。円筒状基体22
12はドライブチェーン2264を介して伝達されるモ
ータ2250からの動力により回転される。図7におい
ては2つの円筒状基体のみが示されているが、実際には
6つの円筒状基体2212が同心円状に、隣接するもの
どうし所定の間隔を保って配されている。2232は、
前記6個の円筒状基体2212で包囲されて形成された
内側チャンバ(即ち、放電空間)を示す。2268は内
側チャンバ2232中で生起するプラズマを示す。
【0004】2294は、内側チャンバ2232の一方
の端部に位置したマイクロ波透過窓であり、該マイクロ
波透過窓は、導波管2282及び2278を介してマイ
クロ波電源(マグネトロン)2270に通じている。2
274は、マイクロ波電源2270から導波管2278
中に延びたアンテナプローブである。2296は、内側
チャンバ2232の他方の端部に位置したマイクロ波透
過窓であり、該マイクロ波透過窓は、導波管2284及
び2280を介してマイクロ波電源(マグネトロン)2
272に通じている。2276は、マイクロ波電源22
72から導波管2280中に延びたアンテナプローブで
ある。マイクロ波電源2270及び2272のそれぞれ
からのマイクロ波エネルギーは、アンテナプローブ22
774または2276を介して導波管(2278及び2
282または2280及び2284)に伝送され、マイ
クロ波透過窓2294または2296を介して内側チャ
ンバ2232中に導入される。
【0005】図7に示すマイクロ波プラズマCVD装置
による堆積膜の形成に際しては、排気口2224を介し
て真空容器2222内を排気して所望の圧力にし、ガス
導入パイプ2226及び2228より内側チャンバ22
32内に原料ガスを導入する。次いで、内側チャンバ2
232内に上下方向よりマイクロ波エネルギーを供給す
る。そうするとマイクロ波エネルギーにより、内側チャ
ンバ2232内において原料ガスは分解され、プラズマ
2268が生起して、ヒーター2200により所望の温
度に保持された円筒状基体2212のそれぞれの表面上
に膜堆積がなされる。図7に示したプラズマCVD装置
を使用すれば、円筒状基体2212の表面上に高堆積速
度で堆積膜が形成でき、その際のガスの利用効率は高い
ことが文献1には記載されている。
【0006】しかしながら一般に高堆積速度で形成した
堆積膜は品質に問題があり、図7に示したマイクロ波プ
ラズマCVD装置においては堆積膜の品質に関する具体
的な記述は無い。また、文献1中に、実際の光電変換を
行い高い光電特性を要する光導電層上部の成膜に無線周
波エネルギーを用いるといった記述がある通り、高堆積
速度で高品質の堆積膜の形成を安定して行うのは極めて
難しいという問題がある。これに加えて他の問題点もあ
る。即ち、マイクロ波エネルギーはマイクロ波透過窓2
294及び2296を介して内側チャンバ2232内に
供給され、該内側チャンバ2232において原料ガスが
分解されることから、不可避的にマイクロ波透過窓22
94及び2296に膜堆積が起きる。このようにマイク
ロ波透過窓に堆積した膜は、マイクロ波エネルギーの透
過効率を低下させることの他、そうした膜は成膜中には
がれて円筒状基体上に形成される膜中に混入してしまう
ことがしばしばある。こうしたことから、定期的にマイ
クロ波透過窓に付着した堆積膜の除去作業を行うことが
不可欠である。
【0007】以上述べたマイクロ波プラズマCVD装置
に加えて文献1には、無線周波エネルギー(RFエネル
ギー)源を用いたプラズマCVD装置が開示されてい
る。当該装置は図8に示す構成のものである。図8に示
した装置は、図7に示したマイクロ波CVD装置におい
てマイクロ波エネルギー導入手段を取り除き、それに代
えてアンテナ2336からなるRFエネルギー導入手段
を設けたものである。即ち、図8の装置は、図7の装置
においてマイクロ波電源導波管及びマイクロ波透過窓か
らなる2つのマイクロ波導入手段を取り除き、一方のマ
イクロ波導入手段の設置場所をプレート2332で塞
ぎ、他方のマイクロ波導入手段の設置場所に内側チャン
バ2232中に延びるアンテナを設けたものである。2
434は、導波管2282の除去により生ずる直立壁2
234内の開口を閉じたプレートである。アンテナ23
36は絶縁プレート2238により支持され、無線周波
エネルギー源(図示せず)に接続するリード線2340
に接続されている。アンテナ2336とプレート243
4とは、無線周波エネルギーを内側チャンバ2232内
に導入する結合手段を形成している。
【0008】文献1は、図8に示した装置を用いれば、
無線周波エネルギーを使用して内側チャンバ2232内
にプラズマ2268を形成できるとしている。しかしな
がら、文献1中に記載のように、無線周波エネルギーに
より励起されるプラズマは、マイクロ波グロー放電プラ
ズマによる膜堆積の後に、より高性能な膜質の要求され
る光導電層上部の膜堆積のみに使用される為、高速堆積
を目指したものでは無く、具体的な記述はなされていな
い。さらに、文献1においては、無線周波エネルギーと
はしているものの、具体的な周波数については言及がな
されていない。
【0009】ところで、最近、13.56MHzより周
波数が高く、マイクロ波よりも周波数の低い30MHz
〜150MHz程度の所謂VHF領域の超短波を用いた
プラズマCVD法についての検討がなされている。例え
ばPlasma Chemistry and Pla
sma Processing, Vol 7, No
3, (1987)p267−273(以下、「文献
2」という。)には、容量結合型のグロー放電分解装置
を使用して原料ガス(シランガス)を周波数25〜15
0MHzの超短波エネルギーで分解してアモルファスシ
リコン(a−Si)膜を形成することが記載されてい
る。具体的には、文献2には、周波数を25MHz〜1
50MHzの範囲で変化させてa−Si膜の形成を行
い、70MHzを使用した場合、膜堆積速度が、2.1
nm/sと最も大きくなり、これは上述のRFプラズマ
CVD法の場合の5〜8倍程度の形成速度であること、
及び得られるa−Si膜の欠陥密度、光バンドギャップ
及び導電率は、励起周波数によってはあまり影響を受け
ないことが記載されている。
【0010】しかし文献2に記載の成膜は実験室規模の
ものであり、大面積の膜の形成においてこうした効果が
期待できるか否かについて全く触れるところはない。さ
らに文献2には、複数の基体上に同時に成膜を行い、実
用に供し得る大面積の半導体デバイスを効率よく形成す
ることに関しては何等の示唆もなされていない。因に文
献2には、高周波(13.56MHz〜200MHz)
の使用は、数μmの厚さの要求される低コストの大面積
a−Si:H薄膜デバイスの高速プロセシングに興味あ
る展望を開くとして、単に可能性を示唆するにとどまっ
ている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来技術においては、
上述のように高品質な堆積膜を高堆積速度で得ることは
困難である。また、複数の円筒状基体に堆積膜を形成す
る為の円筒状基体の配列方法として、文献1の図8に示
されているように1本のカソード電極の周囲に被成膜基
体である複数の円筒状基体をそれぞれの中心軸が実質的
にカソード電極の同軸円周上に立設するようにして隣接
するものどうしが所定の間隔を保つように配列する従来
の方法は、円筒状基体間の膜厚及び膜質のばらつきを小
さくできるという長所を有し、また、カソード電極の中
心から円筒状基体を更に離すことによって、隣接するも
のどうしが所定の間隔を保ったまま円筒状基体の配置本
数を増加でき、1バッチあたりの円筒状基体の処理本数
を増やすことは可能であるが、カソード電極の中心と円
筒状基体間の距離を大きくする場合、実質的にプラズマ
空間を囲む円筒状基体のプラズマと接触する部分の面積
に対する円筒状基体以外のプラズマと接触する反応室構
成物の面積の比率が増加するため、円筒状基体以外の余
分な部分に付着する膜の量が増加してガスの利用効率が
低下するという問題がある。また、従来の配列方法では
1バッチあたりの処理本数の増加に伴い反応容器を大き
くする必要があり、装置コストが高くなるという問題が
ある。また、従来の配列方法では1バッチあたりの処理
本数の増加に伴い円筒状基体に囲まれた放電空間サイズ
は大きくなるので放電空間内に高周波の定在波が生じ易
くなり、プラズマが局在化して円筒状基体の膜厚及び膜
質のばらつきが大きくなるという問題があるので、一バ
ッチあたりの処理本数を大幅に増加できないという問題
があり、特に、放電空間サイズが同じであれば、放電周
波数が高くなるほど波長は短くなるので、定在波が発生
し易くなってプラズマが局在化するので、均一な堆積膜
が得られる1バッチあたりの処理本数は、放電周波数の
増加とともに減少するという問題がある。
【0012】そこで、本発明は上記従来技術における課
題を解決し、複数の円筒状基体の表面上に、円筒状基体
間でのばらつきが少ない高品質な堆積膜を同時に高速度
で形成し、効率よく半導体デバイスを形成し得るVHF
領域の高周波を使用する生産性の良いプラズマCVD法
による堆積膜形成方法及び堆積膜形成装置を提供するこ
とを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、堆積膜形成方法及び堆積膜形成装置をつぎ
のように構成したものである。すなわち、本発明の堆積
膜形成方法は、減圧可能な反応容器内に、複数の円柱状
のカソード電極を配列し、該複数のカソード電極のそれ
ぞれの周囲に被成膜基体である複数の円筒状基体をその
中心軸がカソード電極の同軸円周上に立設するように配
列し、高周波電力を印加することにより前記カソード電
極とカソード電極の同軸円周上に配列した前記複数の円
筒状基体との間にプラズマを発生させ、前記円筒状基体
を回転させながら該円筒状基体の表面上に堆積膜を形成
する堆積膜形成方法において、前記カソード電極に高周
波電源で発生させたVHF帯の高周波電力を整合回路を
介して供給するようにしたことを特徴としている。ま
た、本発明においては、前記VHF帯の高周波電力は、
その周波数を50MHz〜300MHzの範囲とするこ
とが好ましい。また、本発明においては、前記円筒状基
体に40eV以上のエネルギーをもつイオンを入射させ
ながら堆積膜を形成することが望ましく、そのために堆
積膜形成時の圧力を30ミリトール以下とすることが望
ましい。また、本発明においては、より望ましくは前記
円筒状基体に50eV以上のエネルギーをもつイオンを
入射させながら堆積膜を形成し、そのために堆積膜形成
時の圧力を20ミリトール以下とすることが望ましい。
また、本発明においては、前記高周波電力は、前記カソ
ード電極の単位面積あたり0.3W/cm2〜30W/
cm2で、かつ前記放電空間の体積あたり0.01W/
cm3〜1W/cm3の範囲で供給されるようにすること
が望ましい。本発明においては、少なくとも1種類のIV
族元素を含むアモルファス物質の堆積膜、特にシリコン
の堆積膜を形成し、電子写真感光体を好適に用いること
ができる。また、本発明においては、前記基体は、60
℃〜400℃の温度に保持することが望ましく、より望
ましくそれを100℃〜350℃の温度に保持すること
が望ましい。また、本発明においては、前記高周波電力
は、シリコンを含有する原料ガスの供給量あたり1W/
sccm〜50W/sccmの範囲で供給することが望
ましく、また、前記基体への堆積速度が最大になる位置
での堆積連度が3nm/秒以上とすることが望ましし
い。さらに、本発明の堆積膜形成装置は、減圧可能な反
応容器内に、複数の円柱状のカソード電極を配列すると
共に、該複数のカソード電極のそれぞれの周囲に被成膜
基体である複数の円筒状基体をその中心軸がカソード電
極の同軸円周上に立設するように回転可能に配列し、高
周波電力を印加することにより前記カソード電極とカソ
ード電極の同軸円周上に配列した前記複数の円筒状基体
との間にプラズマを発生させ前記円筒状基体の表面上に
堆積膜を形成する堆積膜形成装置において、前記カソー
ド電極に高周波電源で発生させたVHF帯の高周波電力
を整合回路を介して供給するようにしたことを特徴とし
ている。そして、本発明の上記装置においては、前記円
柱状のカソード電極の軸方向の長さが、使用する高周波
の波長の1/4未満であり、カソード電極の周囲に配さ
れた複数の円筒状基体の中心軸を通るカソード電極の同
軸円の円周長が、高周波の波長未満とすることが望まし
くい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、上記のような構成によ
り、高品質の堆積膜を高堆積速度で安定して形成するこ
とができる。また、一般に成膜において堆積速度が増大
するに従い、堆積膜の品質は落ちてくるが、本発明にお
いては、所望の高い品質を維持したまま高堆積速度で堆
積膜を形成することができる。また、本発明によれば、
ガスの利用効率を低下させることなく1バッチあたりの
処理本数を増加することができ、膜質、膜厚のばらつき
を増加させることなく1バッチあたり処理本数を増加す
ることができる。また、従来よりも小さな反応容器で1
バッチあたり処理本数を増加することができる。
【0015】このような本発明の有用性は本発明者らの
以下に述べる実験結果より、高堆積速度においても、光
感度が高く且つ画像欠陥の無い電子写真感光体を形成す
るためには、画像欠陥の原因と思われる直流バイアスを
印加せずに、所定以上のプラズマ電位及び基板入射イオ
ンエネルギーを得られる様な放電条件により堆積膜を形
成をすることが必要であるという知見に基づくものであ
る。即ち、本発明らは本発明を完成させるためにつぎの
ような実験をおこなった。
【0016】(実験1)実験1では、図9(A)及び図
9(B)に示すプラズマCVD装置を使用して、電子写
真感光体を作製する前に、単体のアモルファスシリコン
膜を作製しその膜質、堆積速度及び膜厚分布を調べた。
尚、図9(B)は図9(A)のX−X断面図である。図
9(A)及び図9(B)において、100は反応容器を
示す。反応容器100内には、8個の基体ホルダー10
5Aが同心円状に所定の間隔で配されている。106は
それぞれの基体ホルダー105A上に配された成膜用の
円筒状基体である。それぞれの基体ホルダー105Aの
内部にはヒーター140が設けられていて円筒状基体1
06を内側より加熱できるようにされている。また、そ
れぞれの基体ホルダー105Aは、モーター132に連
結したシャフト131に接続しており、回転できるよう
にされている。105Bは円筒状基体106の補助保持
部材である。103はプラズマ生起領域の中心に位置し
た高周波電力投入用のカソード電極である。カソード電
極103は、整合回路109を介して高周波電源111
に接続されている。104A及び104Bは絶緑部材、
102A及び102Bはアースシールドであり、高周波
導入部での異常放電及び局所放電を防ぐ働きをしてい
る。107は排気バルブを備えた排気パイプであり、該
排気パイプは、真空ポンプを備えた排気機構135に連
通している。108は、ガスボンベ、マスフローコント
ローラ、バルブ等で構成された原料ガス供給系である。
原料ガス供給系108は、ガス供給パイプ117を介し
て複数のガス放出孔を備えたガス放出パイプ116に接
続している。133はシール部材である。なおカソード
電極103には、Al製の直径10mm、長さ400m
mの円柱を用いた。本実験では、直径80mm、長さ3
58mm、厚さ2.5mmのAl製円筒状基体をそれぞ
れの成膜ごとに8本ずつ反応容器100内に設置して基
体は回転を行わず静止したままの状態で成膜実験を行っ
た。膜質の評価用として、電気特性評を価用するための
Cr製の250μmギャップの櫛形電極を蒸着したコー
ニング#7059ガラス基板を電気特性評価基板として
8本のうちの1本の円筒状基体表面上のカソード電極と
正対する位置に設置した。
【0017】本実験の目的は、表1に示す成膜条件で表
2に示す周波数及び電力量の高周波電力において、周波
数及び電力量の調整により堆積速度を変化させて、どの
程度の堆積速度まで所望の品質を持つa−Si膜を得ら
れるかを調べること及び膜厚分布状態を調べることであ
る。当初文献2に示すような0.2Torr程度の圧力
条件での実験を行ったが特に高い高周波電力領域でポリ
シランの発生が顕著な為、50mTorrの圧力に変え
て以下の手順で実験を行った。まず反応容器100内を
排気機構135を作動して排気し、反応容器100内を
1×l0-6Torrの圧力に調整した。ついで、ヒータ
ー140に通電してそれぞれの円筒状基体106を25
0℃の温度に加熱保持した。ついで以下の手順で成膜を
行った。即ち、原料ガス供給手段108からガス供給パ
イプ117及びガス放出パイプ116を介して、SiH
4ガスを500sccmの流量で反応容器100内に導
入し、該反応容器内を50mTorrの圧力に調整し
た。こうしたところで、高周波電源111により表1に
示す周波数13.56MHz乃至350MHzの高周波
を発生させ、該高周波を整合回路109を介してカソー
ド電極103に供給した。ここで高周波電源111とし
ては上述した範囲の周波数が与えられるよう、所定の高
周波電源を用いた。整合回路109は、当該高周波電源
の周波数に応じて適宜調整した。かくして円筒状基体1
06上及び前記の電気特性評価基板上にアモルファスシ
リコン膜が形成された。
【0018】各試料の電気特性の評価は、光感度((光
導電率σp)/(暗導電率(σd))により行った。こ
こでは、光導電率σpは、1mW/cm2の強度のHe
−Neレーザー(波長632.8nm)の照射時の導電
率により評価している。本発明者らのこれまでの電子写
真感光体作製からの知見によると、上記の方法による光
感度が103以上の品質の堆積膜を得られる条件を基に
最適化して作製した電子写真感光体において実用に値す
る画像が得られる。しかし、近年の画像の高コントラス
ト化により、上述の光感度が104以上のものが必須に
なってきており、更に近い将来105以上の光感度が求
められることが予想される。このような観点から、今回
の実験では光感度の値を下記の基準で評価した。 ◎:光感度が105以上であり、非常に優れた膜特性で
ある。 〇:光感度が104以上であり、良好な膜特性である。 △:光感度が103以上であり、実用上問題なし。 ×:光感度が103未満であり、実用に適さない。 堆積速度及び膜厚分布は、a−Si膜を形成した円筒状
基体のカソード電極と正対する位置の軸方向に亘って約
16mmおきの20箇所について渦電流式膜厚計(Ke
tt科学研究所製)を使用して膜厚を測定することによ
り評価した。膜厚分布の評価は次のようにして行った。
即ち、軸方向の膜厚分布については、軸方向20箇所に
おける膜厚の最大値と最小値との差を求め、該差を20
箇所の平均値膜厚で割り、膜厚分布{(最大値―最小
値)/平均値}を求め、これを軸方向の膜厚分布として
百分率で表した。
【0019】光感度、堆積速度及び膜厚分布の評価結果
を表3に示す。表3の各欄には上段に光感度の評価結
果、中段には堆積速度を、下段には膜厚分布の評価結果
を示している。50MHz以上300MHz以下の周波
数を持つ高周波エネルギーによる試料においては、堆積
速度が2nm/s以上で104以上の光感度を有する堆
積膜が得られているが、3nm/s以上において同様の
光感度を有する堆積膜は得られなかった。更に、6nm
/s以上の堆積速度においては全ての試料で、光感度は
103未満であった。
【0020】また、膜厚分布は、100MHz以下の周
波数を持つ高周波エネルギーによる試料においては、1
2%を越えるものは無く概ね良好であったが、200M
Hz以上では周波数の増加に伴い悪化する傾向がみられ
た。本発明者らが鋭意検討を重ねて膜厚分布悪化の原因
を調べたところ、カソード電極の軸方向の長さと軸方向
の膜厚分布に相関があることが判明した。即ち、カソー
ド電極の軸方向の長さが使用する高周波の波長の1/4
未満であれば膜厚分布は概ね良好であるが1/4以上に
なると膜厚分布が悪化することが判明した。確認のた
め、200MHz以上の条件でカソード電極の軸方向の
長さをそれぞれの波長の1/4未満として表1、表2で
示す成膜条件で成膜を行い膜厚分布を評価したところ2
00MHz、300MHzとも10%程度の良好な膜厚
分布となり、350MHzの条件では波長の1/4未満
の長さカソード電極を用いても放電が断続的となり成膜
評価はできなかった。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】 (実験2)3nm/s以上の高堆積速度により高品質膜
を得るために、堆積種のイオン衝撃を変えるべくプラズ
マ電位を制御しながら堆積膜を形成するべく外部電気バ
イアスを与えることが、マイクロ波CVD法では、例え
ば特開昭61−283116号公報に記載されている。
そこで、本実験では、実験1において3nm/s以上の
堆積速度が得られた条件にカソード電極に直流バイアス
電圧を印加しながら堆積膜を形成する実験を行った。本
実験は、基本的には実験1と同様に図9(A)及び図9
(B)に示されるプラズマCVD装置を用いて行われる
が、直流バイアス電圧の印加の為に整合回路109内で
回路を分岐して、LC回路からなるローパスフィルター
(図示せず)を介して直流電源(図示せず)に接続され
ている点のみ異なっている。本実験では、表2において
3nm/s以上の堆積速度を得た各条件でのカソード電
極のセルフバイアス電圧を調べ、カソード電極に前記セ
ルフバイアス電圧に対して+50V,+100Vの直流
バイアス電圧を印加して実験1と同様に試料作製を行っ
た。試料の評価は実験1と同様に主に光感度により行っ
た。
【0024】本実験では、上記の成膜条件での直流バイ
アス印加の影響を調べる為にラングミュアプローブによ
るプラズマ電位の測定も並行して行った。光感度、堆積
速度及びプラズマ電位の結果を表4に示す。表4の各欄
には、上段に光感度の評価結果、中段に堆積速度及び下
段にプラズマ電位をそれぞれ示している。表4の結果、
直流バイアス電圧の印加により堆積速度はほとんど影響
を受けていないが、光感度は大きく向上している。ま
た、3nm/s以上の堆積速度で光感度が104以上の
堆積膜を形成する為には、少なくとも40V以上のプラ
ズマ電位が必要なこと、また同堆積速度で光感度が10
5以上の堆積膜を形成する為には少なくとも50V以上
のプラズマ電位が必要なこと、更に堆積速度が6nm/
s以上で光感度が104以上の堆積膜を形成する為にも
50V以上のプラズマ電位が必要なことが判明した。一
方光感度に劣る直流バイアスを印加しない条件ではプラ
ズマ電位は20〜30V程度であることも、同様の測定
より判明した。また、ファラデーカップによる基体入射
イオンエネルギー測定によると基体入射イオンエネルギ
ーの平均値はほぼ、プラズマ電位と同程度であることも
判明した。
【0025】
【表4】 (実験3)実験3では、実験2において50MHz〜3
00MHzのいずれの電源周波数においても、堆積速度
3nm/s以上且つ光感度104以上の結果が得られた
条件、即ち、高周波電力1kW、本来のセルフバイアス
電圧に対して+100Vの直流バイアス印加の条件で、
50MHz〜300MHzの各々の周波数の高周波電力
により、電子写真感光体を作製した。電子写真感光体
は、表5に示す成膜条件でAl製円筒基体上に、電荷注
入阻止層、光導電層及び表面保護層をこの順序で形成し
た。電子写真感光体の作製は、前記円筒基体表面全面に
感光体の形成を行う為に、該基体を円筒の軸中心に回転
しながら行い、この為、平均堆積速度はカソード正対位
置の堆積速度の約1/3〜1/5程度となった。これら
の試料について、帯電能、感度、画像欠陥の評価を行っ
た。結果を表6に示す。
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】 各試料共に、帯電能、感度には特に問題は無いが、画像
欠陥が多く見られ総合的には良好な電子写真感光体とは
ならなかった。本発明者らは、実験2乃至実験3で得ら
れた直流バイアスによる検討結果、即ち a)直流バイアスの印加により光感度が向上する。 b)直流バイアス印加条件で作製した電子写真感光体で
は画像欠陥が多い。という結果から、その原因を考察し
た。直流バイアスの印加による光感度の向上の原因は、
実験2でのラングミュアプローブでの測定結果から、以
下の様に推察される。即ち、プラズマ電位の上昇により
基板に入射するイオンエネルギーが大きくなり、その結
果高い堆積速度においても堆積膜中の結合状態を容易に
変えうるエネルギーが堆積膜に与えられる。例えば、比
較的高い入射イオンエネルギーにより、光感度に悪影響
を与えるとされている鎖状の−SiH2−結合やSi−
H3結合を良好なSi−H結合に変えたり、ダングリン
グボンドをHで終端するといった膜中の結合状態の変化
が考えられる。このことは堆積膜の赤外吸収測定からも
推定できる。
【0028】また、直流バイアス印加条件で作製した電
子写真感光体で画像欠陥は多く発生する原因としては、
成膜時に放電空間中に存在するゴミが直流バイアスの印
加により静電的に吸着して膜中に取り込まれることが考
えられる。即ち、20〜30μmの膜厚を要する電子写
真感光体の作製においては、成膜工程において、長時間
を要し、カソード電極及び基体ホルダー等の基体以外の
部材からの膜はがれにより放電空間中にゴミが放出さ
れ、該ゴミが基体表面に到達すると、直流バイアスによ
り基体とゴミの間に直流電圧が生じ、静電的に吸着さ
れ、その上に更に膜の堆積がなされることにより、画像
欠陥が発生していると考えられる。
【0029】以上の考察に基づき、高堆積速度において
も、光感度が高く且つ画像欠陥の無い電子写真感光体を
形成するためには、画像欠陥の原因と思われる直流バイ
アスを印加せずに、少なくとも40V以上、より好まし
くは50V以上のプラズマ電位及び基板入射イオンエネ
ルギーを得られる様な放電条件により堆積膜を形成する
ことが必要であることが判明した。
【0030】(実験4)実験4において、本発明者ら
は、上記の考察に基づき3nm/s以上の堆積速度が得
られる50〜300MHzの高周波により励起されたプ
ラズマにおいて、鋭意検討を重ねてプラズマ電位が40
V以上及び50V以上になる条件を探索した。その結
果、放電圧力がプラズマ電位を大きく左右することが判
明した。電源周波数50〜300MHz、高周波電力1
kW、SiH4流量400sccmにおけるプラズマ電
位の放電圧力依存の測定結果を図2に示す。図2より、
電源周波数50MHzにおいてそれぞれ30mTorr
以下の圧力でプラズマ電位は40V以上となっている。
同様に100MHzでは20mTorr以下、200M
Hzでは10mTorr以下、300MHzでは10m
Torr以下で、それぞれプラズマ電位は40V以上と
なっている。
【0031】本実験では更に上述のプラズマ電位の測定
結果を基に50〜300MHzの各電源周波数におい
て、高周波電力1kW、SiH4流量400sccmの
条件で、成膜圧力と光感度の関係を調べた。本実験で
は、実験1と同様に図9(A)及び図9(B)に示され
るプラズマCVD装置を用いて、成膜圧力を変える以外
は実験1と同様の手法で行った。結果を図3に示す。図
3によると、各周波数において図3においてプラズマ電
位が+40V以上の条件で、光感度がほぼ104以上の
堆積膜が得られることが分かった。
【0032】(実験5)実験5では実験4の結果、即
ち、50〜300MHzの各電源周波数において上記の
検討で104以上の光感度が得られた条件を基に、表7
の電源周波数及び圧力条件において、表8に示す条件で
電子写真感光体を作製した。結果を表9に示す。いずれ
も、帯電能、感度共に良好であった。実験3において直
流バイアス印加により得られた電子写真感光体は画像欠
陥が多く見られたが、本実験で得られた電子写真感光体
は画像欠陥も無く良好であった。
【0033】
【表7】
【0034】
【表8】
【0035】
【表9】 (実験6)実験4及び実験5により成膜圧力を適正化す
ることにより高い堆積速度において優れた特性を有する
電子写真感光体が得られた。実験6は、上述の様なプラ
ズマ電位が+40V以上の放電条件において、プラズマ
電位の放電電力依存を調べた。その例として、図4に、
電源周波数100MHz、SiH4流量400scc
m、放電圧力50mTorr及び10mTorrにおけ
るプラズマ電位依存の結果を示す。放電圧力50mTo
rrの場合、電力を変えてもプラズマ電位はほぼ30V
程度であまり変化が無いが、10mTorrの場合電力
が大きい程プラズマ電位は高くなり、250Wでは+4
0V以下であったプラズマ電位が500W以上で+40
V以上のプラズマ電位となることが分かった。上記の条
件で作製した試料の光感度及び堆積速度の結果を図5に
示す。10mTorrの圧力条件においては3nm/s
以上の堆積速度となる高周波電力量においても光感度は
104以上であるが、50mTorrの圧力条件におい
て堆積速度が3nm/s以上で良好な光感度を有するも
のは無かった。
【0036】(実験7)実験7では良好な光感度を有す
る堆積膜を形成できる基体温度を調べた。 成膜条件 SiH4流量 400sccm 励起周波数 100MHz 高周波電力 1kW 成膜圧力 5mTorr 基体温度 20〜450℃ 上記成膜条件で得られた1μm厚の堆積膜の光導電率及
び暗導電率と基体温度の関係を図6に示す。基体温度6
0℃未満においては高い入射イオンエネルギーにおいて
も鎖状の−(SiH2)n−結合やSi−H3結合がかな
り残り且つ、堆積膜の緻密性も低下する為に光導電率の
低下が起こり光感度は104未満となると思われる。ま
た、基体温度400℃以上においては、膜の堆積時に堆
積膜中の水素の脱離が起きてダングリングボンドが増え
たために、そのダングリングボンドに起因する熱キャリ
アの発生により暗導電率が大きくなり、また光生成キャ
リアをダングリングボンドが捕捉する為に光導電率が小
さくなった為に、光感度が104以下になったと考えら
れる。本実験により、基体温度60〜400℃で104
以上の光感度を持つ堆積膜が得られ、更に基体温度10
0℃〜350℃で105以上の光感度が得られることが
分かった。
【0037】(実験8)次に本発明者らは図9(B)に
示すように1本のカソード電極の周りに複数本の基体を
配置する従来のプラズマCVD法の装置形態で直径30
mmの円筒状基体の隣接するものどうしの間隔を約10
mmに保ったまま、1バッチあたりの処理本数を8本か
ら16本、24本、32本、40本、56本と増加し
て、基体を回転させながら成膜を行い、基体間の膜厚分
布及び堆積速度の評価を行った。原料ガスは基体1本あ
たり15sccmになるようにSiH4を流し、高周波
電力はそれぞれ流量に対して十分に原料ガスを分解でき
るように処理本数の増加に伴い1KWから7KWまで増
加して供給した。他の成膜条件は以下のとおりである。 励起周波数 150MHz 圧力 5mTorr 基体温度 250℃ 膜厚分布及び堆積速度は、a−Si膜を形成した全ての
円筒状基体の軸方向に亘って約16mmおきの20箇所
について渦電流式膜厚計(Kett科学研究所製)を使
用して膜厚を測定することにより評価した。基体間の膜
厚分布の評価は次のようにして行った。即ち、軸方向2
0箇所の膜厚の平均値を基体の平均膜厚とし、同一バッ
チ内の基体の平均膜厚の最大値と最小値との差を求め、
該差を同一バッチ内の基体の平均膜厚の平均値で割り、
膜厚分布{(最大値−最小値)/平均値}を求め、これ
を基体間の膜厚分布として百分率で表13に示した。表
13に示すように基体間の膜厚分布は、処理本数の増加
とともに悪くなる傾向があるが、1バッチあたりの処理
本数8〜32本では5%を越えるものはなく良好であっ
たが、40本で8%に増加し、56本では23%と急激
に悪くなった。本発明者らが鋭意検討を重ねて基体間の
膜厚分布悪化の原因を調べたところ、円筒状基体で囲ま
れた実質的なプラズマ放電空間の外周長(図9(B)の
円aの円周に相当)と基体間の膜厚分布に相関があるこ
とが判明した。即ち、実質的なプラズマ放電空間の外周
長が使用する高周波の波長以上になると放電空間に定在
波が発生し易くなると考えられ基体間の膜厚分布が実用
上問題となる程度まで悪化することが判明した。また、
堆積速度は同一バッチ内の全ての膜厚測定値に基づいて
算出し、得られた値の平均値を平均堆積速度として表1
3に示した。堆積速度は処理本数の増加とともに減少し
た。
【0038】
【表13】 本発明は、上述の実験1乃至実験8の結果に基づいて完
成に至ったものである。
【0039】即ち、本発明は実質的に減圧可能な反応容
器内に、複数の円柱状のカソード電極を配列し、それぞ
れのカソード電極の周囲に被成膜基体である複数の円筒
状基体をそれぞれの中心軸が実質的にカソード電極の同
軸円周上に立設するように配列し、前記反応容器内に成
膜用の原料ガスを供給し、前記カソード電極に高周波電
源で発生させたVHF帯の高周波電力、とりわけ周波数
が50MHz〜300MHzの範囲である高周波を整合
回路を介して供給し、前記カソード電極とカソード電極
の同軸円周上に配列した前記複数の円筒状基体との間に
プラズマを発生させて、前記円筒状基体を回転させなが
ら該円筒状基体の表面上に堆積膜を形成することを特徴
とするものである。また、本発明は電気的なバイアス手
段を用いることなく、前記被成膜基体に40eV以上の
エネルギーを持つイオンを入射させながら堆積膜を形成
することを特徴とするものである。本発明によれば、ガ
スの利用効率の低下や基体間の膜厚分布の悪化を生ずる
ことなく1バッチあたりの処理本数を増加することがで
き複数の円筒状基体上に効率よく均一な堆積膜を形成す
ることができる。また、13.56MHzの高周波エネ
ルギーを使用する従来のRFプラズマCVD法により形
成される堆積膜と同等以上の高品質な堆積膜をマイクロ
波プラズマCVD法における上述した問題が生ずること
なくして高堆積速度で安定して形成することができる。
【0040】以下、図面に基づいて本発明の内容を具体
的に説明する。図1(A)及び図1(B)に示したプラ
ズマCVD装置は、上記本発明のプラズマCVD法を実
施するに適したプラズマCVD装置の1例を示すもので
ある。図1(B)は図1(A)のX−X断面図である。
図1(A)及び図1(B)において、100は反応容器
を示す。反応容器100内には、実質的に正六角形の中
心及び頂点の位置に高周波電力投入用の7本のカソード
電極103が配され、各カソード電極の周りに8個の基
体ホルダー105Aが同心円状に所定の間隔で総計56
個配されている。106はそれぞれの基体ホルダー10
5A上に配された成膜用の円筒状基体である。それぞれ
の基体ホルダー105Aの内部にはヒーター140が設
けられていて円筒状基体106を内側より加熱できるよ
うにされている。また、それぞれの基体ホルダー105
Aは、モーター132に連結したシャフト131に接続
しており、回転できるようにされている。105Bは円
筒状基体106の補助保持部材である。カソード電極1
03は、整合回路109を介して高周波電源111に接
続されている。104A及び104Bは絶縁部材、10
2A及び102Bはアースシールドであり、高周波導入
部での異常放電及び局所放電を防ぐ働きをしている。1
07は排気バルブを備えた排気パイプであり、該排気パ
イプは、真空ポンプを備えた排気機構135に連通して
いる。108は、ガスボンベ、マスフローコントロー
ラ、バルブ等で構成された原料ガス供給系である。原料
ガス供給系108は、ガス供給パイプ117を介して複
数のガス放出孔を備えたガス放出パイプ116に接続し
ている。133はシール部材である。
【0041】カソード電極は、上述したように複数の円
筒状基体で囲まれた放電空間の中心部に設置される。こ
の際、カソード電極は前記複数の円筒状基体から等距離
の位置に配されるのが望ましい。また、カソード電極の
軸方向の長さは使用する高周波の波長の1/4未満であ
ることが望ましい。また、円筒状基体で囲まれた放電空
間の外周長は使用する高周波の波長以下になるように円
筒状基体の本数や間隔を選択することが望ましい。ま
た、図1(B)の例においては、7本のカソード電極が
正六角形の中心及び頂点の位置に配されているが、図1
0に示すように三角形や四角形など他の多角形の中心や
頂点の位置に配されてもよく、カソード電極の本数と配
置位置は反応容器の容量、円筒状基体の大きさなどを考
慮して配置効率のよいものを適宜選択できる。図1
(B)の例においては、56本の円筒状基体が配されて
いるが、基体の直径が30mmで隣接するものどうしの
基体間の間隔が10mmの場合、反応容器は内径45c
m程度の円筒状のものでよい。これに対して、実験8で
述べた従来の配置方法では同様の円筒状基体を56本配
置する場合、反応容器としては、内径77cm程度の大
きさの物が必要となる。
【0042】本発明のプラズマCVD法による堆積膜の
形成は、例えば、次のようにして行われる。図1(A)
に示したプラズマCVD装置を使用した例について説明
する。円筒状基体106を基体ホルダー105Aにセッ
トした後、反応容器100内を排気機構135を作動さ
せて排気し、反応容器100内を所定の圧力に減圧す
る。ついで、ヒーター140に通電して基体106を所
定の温度に加熱保持する。次に、原料ガス供給系108
からガス供給パイプ117及びガス放出パイプ116を
介して、原料ガスを反応容器100内に導入し、該反応
容器内を所望の圧力に調整する。こうしたところで、高
周波電源111により周波数50MHz以上の高周波を
発生させ、該高周波を整合回路109を介してカソード
電極103に供給する。かくして円筒状基体106とカ
ソード電極103で囲まれた空間において、原料ガスは
高周波エネルギーにより分解され活性種を生起し、円筒
状基体106上に堆積膜の形成をもたらす。
【0043】本発明においては、前記被成膜基体に40
eV以上のエネルギーにイオンを入射させる為に、堆積
膜形成時の圧力を30ミリトール以下にすることが望ま
しい。本発明では、更なる高速堆積化若しくは堆積膜の
高品質化の為には、前記被成膜基体に入射するイオンの
エネルギーが50eV以上であることが望ましい。ま
た、前記被成膜基体に50eV以上のエネルギーにイオ
ンを入射させる為には、堆積膜形成時の成膜圧力を20
ミリトール以下とすることが望ましい。本発明におい
て、高周波電源の周波数は、好ましくは50MHz〜3
00MHzの範囲とするのが望ましい。
【0044】本発明の方法を実施するに際して、使用す
るガスについては、形成する堆積膜の種類に応じて公知
の成膜に寄与する原料ガスを適宜選択使用される。例え
ば、a−Si系の堆積膜を形成する場合であれば、シラ
ン、ジシラン、高次シラン等あるいはそれらの混合ガス
が好ましい原料ガスとして挙げらる。他の堆積膜を形成
する場合であれば、例えば、ゲルマン、メタン、エチレ
ン等の原料ガスまたはそれらの混合ガスが挙げられる。
いずれの場合にあっても、成膜用の原料ガスはキャリア
ーガスと共に反応容器内に導入することができる。キャ
リアーガスとしては、水素ガス、及びアルゴンガス、ヘ
リウムガス等の不活性ガスを挙げることができる。
【0045】堆積膜のバンドギャップを調整する等の特
性改善用ガスを使用することもできる。そうしたガスと
しては、例えば、窒素、アンモニア等の窒素原子を含む
ガス、酸素、酸化窒素、酸化二窒素等の酸素原子を含む
ガス、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパ
ン等の炭化水素ガス、四フッ化珪素、六フッ化二珪素、
四フッ化ゲルマニウム等のガス状フッ素化合物またはこ
れらの混合ガス等が挙げられる。形成される堆積膜をド
ーピングするについてドーパントガスを使用することも
できる。そうしたドーピングガスとしては、例えば、ガ
ス状のジボラン、フッ化ホウ素、ホスフィン、フッ化リ
ン等が挙げられる。
【0046】本発明において、カソード電極に供給する
電力は、プラズマを生起できプラズマ電位を+40V以
上に維持でき、且つ3nm/s以上の堆積速度とし、カ
ソード電極の単位面積あたり0.3W/cm2〜30W
/cm2で、かつ前記放電空間の体積当たり0.01W
/cm3〜1W/cm3の範囲で供給することが望まし
い。アモルファスシリコン系の堆積膜を形成する場合に
は、シリコンを含有する原料ガスの供給量あたり1W/
sccm〜50W/sccmとするのが望ましい。堆積
膜形成時の基体温度は、適宜設定できるが、アモルファ
スシリコン系の堆積膜を形成する場合には、好ましくは
60℃〜400℃、より好ましくは100℃〜350℃
とするのが望ましい。
【0047】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例により限定されるものではない。 [実施例1]実施例1では、図1(A)に示した装置の
高周波電源111として周波数50MHz以上の電源を
接続した装置を使用し、上述した実験3におけると同様
の成膜手順で表14に示した条件下で成膜を行って、7
本のカソード電極103のまわりに各8個づつ配された
計56個の円筒状基体上にアモルファスシリコン膜を堆
積させ、56個の電子写真感光体を作製した。カソード
電極103として、軸方向の長さは400mmのものを
用いた。基体106として、直径30mm、長さ358
mmのAl製円筒状基体を用い、となりあう基体間の間
隔は約1cmとし、8個の基体に囲まれる放電空間の外
周長は約33cmとなるようにした。成膜は次のように
行った。即ち、56本のAl製円筒状基体106を基体
ホルダー105Aにそれぞれセットした後、反応容器1
00内を排気機構135を用いて排気し、反応容器10
0内を1×10-6Torrの圧力に調整した。ついで、
円筒状基体106を回転させると共に、ヒーター140
に通電して円筒状基体106のそれぞれを250℃の温
度に加熱保持した。次に、原料ガス供給系108からガ
ス供給パイプ117及びガス放出パイプ116を介し
て、表14に示す条件で原料ガスを反応容器100内に
導入し、該反応容器内を30mTorrの圧力に調整し
た。こうしたところで、高周波電源111により100
MHzの高周波エネルギーを発生させ、該エネルギーを
カソード電極103に供給し、放電空間100’内にプ
ラズマを生起させた。このようにして電荷注入阻止層、
光導電層及び表面保護層をこの順序で形成し、電子写真
感光体を作製した。成膜の際、プラズマの発光状態を目
視にて観察したが円筒状基体の近傍におけるプラズマの
発光は安定したものであった。感光層成膜条件での基体
入射イオンエネルギーは41eVであった。得られた5
6個の電子写真感光体のそれぞれについて実験3と同様
に帯電能、画像濃度について評価した。その結果、表1
0の通りいずれの電子写真感光体もこれらの評価項目に
ついて優れた結果を示した。このことからいずれの電子
写真感光体もバラツキの少ない電子写真特性に優れたも
のであることが判った。
【0048】
【表14】 (比較例1)比較例1では、成膜圧力を50mTorr
とした以外、実施例1と同様にして56個の電子写真感
光体を作製した。感光層成膜条件での基体入射イオンエ
ネルギーは27eVであった。得られたそれぞれの感光
体について実験3と同様の評価を行った。その結果、表
10の通りいずれの電子写真感光体も帯電能、感度共に
低く、実用に供せられるものではないことが判った。
【0049】(比較例2)比較例2では、成膜圧力を5
0mTorr、カソード電極にセルフバイアス電圧に対
して+100Vの直流バイアスとした以外、実施例1と
同様にして56個の電子写真感光体を作製した。得られ
たそれぞれの感光体について実験3と同様の評価を行っ
た。その結果、表10の通りいずれの電子写真感光体も
帯電能、感度共に優れているが、画像欠陥が多く実用に
供せられるものではないことが判った。
【0050】
【表10】 [実施例2]実施例2では、成膜圧力を20mTorr
とした以外、実施例1と同様にして56個の電子写真感
光体を作製した。感光層成膜条件での基体入射イオンエ
ネルギーは53eVであった。得られたそれぞれの電子
写真感光体について実験3と同様の評価を行った。その
結果、表10の通り、いずれの電子写真感光体もすべて
の評価項目について優れおり、感度においては特に優れ
た結果を示した。このことからいずれの電子写真感光体
も電子写真特性に優れたものであることが判った。
【0051】[実施例3]実施例3では、高周波電源の
周波数100MHz、成膜圧力5mTorrとした以
外、実施例1と同様にして56個の電子写真感光体を作
製した。感光層成膜条件での基体入射イオンエネルギー
は52eVであった。得られたそれぞれの電子写真感光
体について実験3と同様の評価を行った。その結果、表
10の通りいずれの電子写真感光体もすべての評価項目
について優れた結果を示した。このことからいずれの電
子写真感光体もバラツキの少ない電子写真特性に優れた
ものであることが判った。
【0052】[実施例4]実施例4では、高周波電源の
周波数300MHz、成膜圧力3mTorr、カソード
電極の軸方向の長さを200mmとした以外、実施例1
と同様にして56個の電子写真感光体を作製した。感光
層成膜条件での基体入射イオンエネルギーは58eVで
あった。得られたそれぞれの電子写真感光体について実
験3と同様の評価を行った。その結果、表10の通りい
ずれの電子写真感光体もすべての評価項目について優れ
た結果を示した。このことからいずれの電子写真感光体
もバラツキの少ない電子写真特性に優れたものであるこ
とが判った。
【0053】[実施例5]実施例5では、図1(A)及
び図1(B)に示す装置構成で、高周波電力500Wに
対して、カソード電極面積に対するパワー密度が0.3
W/cm2、放電空間体積に対するパワー密度が0.0
1W/cm3になるように調整し、基体温度250℃、
電源周波数100MHz、表11の成膜条件で、実施例
1と同様に56個の電子写真感光体を作製した。この時
感光層でのSiH4流量当たりのパワー密度は1W/s
ccmである。得られたそれぞれの電子写真感光体につ
いて実験3と同様の評価を行った。その結果、表10の
通りいずれの電子写真感光体もすべての評価項目につい
て優れた結果を示した。このことからいずれの電子写真
感光体もバラツキの少ない電子写真特性に優れたもので
あることが判った。
【0054】
【表11】 [実施例6]実施例6では、図1(A)及び図1(B)
に示す装置構成で、高周波電力10KWに対して、カソ
ード電極面積に対するパワー密度が30W/cm2、放
電空間体積に対するパワー密度が1W/cm3になるよ
うに調整し、基体温度250℃、電源周波数100MH
z、高周波電力10kWにおいて表12の成膜条件で、
実施例1と同様に56個の電子写真感光体を作製した。
この時感光層でのSiH4流量当たりのパワー密度は5
0W/sccmである。上記の感光層成膜条件は基体の
カソード電極に正対する位置での体積速度が3nm/s
以上となる最小流量である。得られたそれぞれの電子写
真感光体について実験3と同様の評価を行った。その結
果、表10の通りいずれの電子写真感光体もすべての評
価項目について優れた結果を示した。このことからいず
れの電子写真感光体もバラツキの少ない電子写真特性に
優れたものであることが判った。
【0055】
【表12】 [実施例7]実施例7では、基体温度を60℃とした以
外、実施例3と同様にして56個の電子写真感光体を作
製した。得られたそれぞれの電子写真感光体について実
験3と同様の評価を行った。その結果、表10の通りい
ずれの電子写真感光体もすべての評価項目について優れ
た結果を示した。このことからいずれの電子写真感光体
もバラツキの少ない電子写真特性に優れたものであるこ
とが判った。
【0056】[実施例8]実施例8では、基体温度を1
00℃とした以外、実施例3と同様にして56個の電子
写真感光体を作製した。得られたそれぞれの電子写真感
光体について実験3と同様の評価を行った。その結果、
表10の通りいずれの電子写真感光体もすべての評価項
目について優れた結果を示した。このことからいずれの
電子写真感光体もバラツキの少ない電子写真特性に優れ
たものであることが判った。
【0057】[実施例9]実施例9では、基体温度を4
00℃とした以外、実施例3と同様にして56個の電子
写真感光体を作製した。得られたそれぞれの電子写真感
光体について実験3と同様の評価を行った。その結果、
表10の通りいずれの電子写真感光体もすべての評価項
目について優れた結果を示した。このことからいずれの
電子写真感光体もバラツキの少ない電子写真特性に優れ
たものであることが判った。
【0058】[実施例10]実施例10では、基体温度
を350℃とした以外、実施例3と同様にして56個の
電子写真感光体を作製した。得られたそれぞれの電子写
真感光体について実験3と同様の評価を行った。その結
果、表10の通りいずれの電子写真感光体もすべての評
価項目について優れた結果を示した。このことからいず
れの電子写真感光体もバラツキの少ない電子写真特性に
優れたものであることが判った。
【0059】
【発明の効果】本発明は、以上の構成により、ガスの利
用効率を低下させることなく、また、基体間の膜厚や膜
質のバラツキを増加させることなく1バッチあたりの処
理本数を増加することができ、反応容器の大型化に伴う
装置コストの上昇を低減することができ、生産性を大幅
に改善することが可能となる。また、被堆積基体に1
3.56MHzの高周波エネルギーを使用する従来のR
FプラズマCVD法により形成されるのと同等以上の高
品質堆積膜を、成膜堆積速度で形成することが可能とな
り、大面積で高品質の半導体デバイスを、成膜時のゴミ
の付着による欠陥を極力抑えながら、高堆積速度で作製
することができ、特に電子写真特性に優れた大面積堆積
膜を安定して安価に量産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、本発明のプラズマCVD装置を
示す模式図であり、図1(B)は、図1(A)のプラズ
マCVD装置をX−Xで切断した断面図である。
【図2】各電源周波数における放電空間内のプラズマ電
位を放電圧力に対してプロットしたグラフである。
【図3】各電源周波数における堆積膜の光感度を放電圧
力に対してプロットしたグラフである。
【図4】100MHzの電源周波数において、プラズマ
電位を放電電力に対してプロットしたグラフである。
【図5】100MHzの電源周波数において、光感度及
び堆積速度を放電電力に対してプロットしたグラフであ
る。
【図6】100MHzの電源周波数において、光導電率
及び暗導電率を基体温度に対してプロットしたグラフで
ある。
【図7】従来のプラズマCVD装置を示す模式図であ
る。
【図8】従来のプラズマCVD装置を示す模式図であ
る。
【図9(A)】図9(A)は、図8のプラズマCVD装
置を実験用に改造したプラズマCVD装置を示す模式図
であり、図9(B)は、図9(A)のプラズマCVD装
置をX−Xで切断した断面図である。
【図10】本発明のプラズマCVD装置を示す模式図で
ある
【符号の説明】
100:反応容器 100’:放電空間 102A、102B:アースシールド 103:カソード電極 104A、104B:絶緑部材 105A、105B:基体ホルダー 106:基体 107:排気パイプ 108:原料ガス供給系 109:高周波整合回路 111:高周波電源 116:ガス放出パイプ 117:ガス供給パイプ 131:基体回転用シャフト 132:モーター 133:シール部材 135:排気機構 140:基体加熱用ヒーター
【手続補正書】
【提出日】平成8年7月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、本発明のプラズマCVD装置を
示す模式図であり、図1(B)は、図1(A)のプラズ
マCVD装置をX−Xで切断した断面図である。
【図2】各電源周波数における放電空間内のプラズマ電
位を放電圧力に対してプロットしたグラフである。
【図3】各電源周波数における堆積膜の光感度を放電圧
力に対してプロットしたグラフである。
【図4】100MHzの電源周波数において、プラズマ
電位を放電電力に対してプロットしたグラフである。
【図5】100MHzの電源周波数において、光感度及
び堆積速度を放電電力に対してプロットしたグラフであ
る。
【図6】100MHzの電源周波数において、光導電率
及び暗導電率を基体温度に対してプロットしたグラフで
ある。
【図7】従来のプラズマCVD装置を示す模式図であ
る。
【図8】従来のプラズマCVD装置を示す模式図であ
る。
【図9】図9(A)は、図8のプラズマCVD装置を実
験用に改造したプラズマCVD装置を示す模式図であ
り、図9(B)は、図9(A)のプラズマCVD装置を
X−Xで切断した断面図である。
【図10】本発明のプラズマCVD装置を示す模式図で
ある
【符号の説明】 100:反応容器 100’:放電空間 102A、102B:アースシールド 103:カソード電極 104A、104B:絶緑部材 105A、105B:基体ホルダー 106:基体 107:排気パイプ 108:原料ガス供給系 109:高周波整合回路 111:高周波電源 116:ガス放出パイプ 117:ガス供給パイプ 131:基体回転用シャフト 132:モーター 133:シール部材 135:排気機構 140:基体加熱用ヒーター

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】減圧可能な反応容器内に、複数の円柱状の
    カソード電極を配列し、該複数のカソード電極のそれぞ
    れの周囲に被成膜基体である複数の円筒状基体をその中
    心軸がカソード電極の同軸円周上に立設するように配列
    し、高周波電力を印加することにより前記カソード電極
    とカソード電極の同軸円周上に配列した前記複数の円筒
    状基体との間にプラズマを発生させ、前記円筒状基体を
    回転させながら該円筒状基体の表面上に堆積膜を形成す
    る堆積膜形成方法において、前記カソード電極に高周波
    電源で発生させたVHF帯の高周波電力を整合回路を介
    して供給するようにしたことを特徴とする堆積膜形成方
    法。
  2. 【請求項2】前記VHF帯の高周波電力は、その周波数
    が50MHz〜300MHzであることを特徴とする請
    求項1に記載の堆積膜形成方法。
  3. 【請求項3】前記円筒状基体に40eV以上のエネルギ
    ーをもつイオンを入射させながら堆積膜を形成すること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の堆積膜形
    成方法。
  4. 【請求項4】前記円筒状基体に40eV以上のエネルギ
    ーのイオンを入射させるために、堆積膜形成時の圧力を
    30ミリトール以下とすることを特徴とする請求項3に
    記載の堆積膜形成方法。
  5. 【請求項5】前記円筒状基体に50eV以上のエネルギ
    ーをもつイオンを入射させながら堆積膜を形成すること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の堆積膜形
    成方法。
  6. 【請求項6】前記円筒状基体に50eV以上のエネルギ
    ーのイオンを入射させるために、堆積膜形成時の圧力を
    20ミリトール以下とすることを特徴とする請求項5に
    記載の堆積膜形成方法。
  7. 【請求項7】前記高周波電力は、前記カソード電極の単
    位面積あたり0.3W/cm2〜30W/cm2で、かつ
    前記放電空間の体積あたり0.01W/cm3〜1W/
    cm3の範囲で供給されることを特徴とする請求項1〜
    請求項6のいずれか1項に記載の堆積膜形成方法。
  8. 【請求項8】前記堆積膜は、少なくとも1種類のIV族元
    素を含むアモルファス物質の堆積膜であることを特徴と
    する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の堆積膜
    形成方法。
  9. 【請求項9】前記IV族元素が、シリコンであることを特
    徴とする請求項8に記載の堆積膜形成方法。
  10. 【請求項10】前記堆積膜は、電子写真感光体用のもの
    であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載
    の堆積膜形成方法。
  11. 【請求項11】前記基体は、60℃〜400℃の温度に
    保持されることを特徴とする請求項8〜請求項10のい
    ずれか1項に記載の堆積膜形成方法。
  12. 【請求項12】前記基体は、100℃〜350℃の温度
    に保持されることを特徴とする請求項8〜請求項10の
    いずれか1項に記載の堆積膜形成方法。
  13. 【請求項13】前記高周波電力は、シリコンを含有する
    原料ガスの供給量あたり1W/sccm〜50W/sc
    cmの範囲で供給されることを特徴とする請求項7〜請
    求項12のいずれか1項に記載の堆積膜形成方法。
  14. 【請求項14】前記基体への堆積速度が最大になる位置
    での堆積連度が3nm/秒以上であることを特徴とする
    請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の堆積膜形
    成方法。
  15. 【請求項15】減圧可能な反応容器内に、複数の円柱状
    のカソード電極を配列すると共に、該複数のカソード電
    極のそれぞれの周囲に被成膜基体である複数の円筒状基
    体をその中心軸がカソード電極の同軸円周上に立設する
    ように回転可能に配列し、高周波電力を印加することに
    より前記カソード電極とカソード電極の同軸円周上に配
    列した前記複数の円筒状基体との間にプラズマを発生さ
    せ前記円筒状基体の表面上に堆積膜を形成する堆積膜形
    成装置において、前記カソード電極に高周波電源で発生
    させたVHF帯の高周波電力を整合回路を介して供給す
    るようにしたことを特徴とする堆積膜形成装置。
  16. 【請求項16】前記円柱状のカソード電極の軸方向の長
    さが、使用する高周波の波長の1/4未満であり、カソ
    ード電極の周囲に配された複数の円筒状基体の中心軸を
    通るカソード電極の同軸円の円周長が、高周波の波長未
    満であることを特徴とする請求項15に記載の堆積膜形
    成装置。
JP11327596A 1996-04-10 1996-04-10 堆積膜形成方法及び堆積膜形成装置 Pending JPH101775A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53113882A (en) * 1977-03-16 1978-10-04 Mitsubishi Rayon Co Ltd Preparation of deaerated syrup

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53113882A (en) * 1977-03-16 1978-10-04 Mitsubishi Rayon Co Ltd Preparation of deaerated syrup
JPS6134441B2 (ja) * 1977-03-16 1986-08-07 Mitsubishi Rayon Co

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