JPH10177063A - 磁化分布測定装置及び磁化分布測定方法 - Google Patents

磁化分布測定装置及び磁化分布測定方法

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JPH10177063A
JPH10177063A JP33616496A JP33616496A JPH10177063A JP H10177063 A JPH10177063 A JP H10177063A JP 33616496 A JP33616496 A JP 33616496A JP 33616496 A JP33616496 A JP 33616496A JP H10177063 A JPH10177063 A JP H10177063A
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measuring
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cantilever
laser beam
magnetization distribution
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Application number
JP33616496A
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English (en)
Inventor
Osamu Kusumoto
修 楠本
Hiroyuki Kado
博行 加道
Kazuo Yokoyama
和夫 横山
Hiroshi Sakakima
博 榊間
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カー効果及び磁気力を併用することにより、
試料表面の所望の観察したい領域を探しだして位置決め
し、さらに高分解能でその領域の磁化分布を測定するこ
とができる磁化分布測定装置及び磁化分布測定方法を提
供する。 【解決手段】 試料5の表面にレーザー光2を照射し、
レーザー光2に対して試料5を相対的に走査しながら、
偏光角測定装置7によりレーザー光2の反射光の偏光角
の変化を測定し、試料5の表面をおおまかに観察して高
分解能で観察したい領域を探しだす。次に、その領域に
レーザー光2を照射した状態でレーザー光2の位置を固
定し、カンチレバー10の背面にレーザー光2が入射す
るようにカンチレバー10の位置を調整し、レーザー光
2の反射光を用いてカンチレバー10の変位を検出して
磁気力顕微鏡観察を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープ、磁気
ディスク、磁気ヘッド等の試料表面の磁化分布を測定す
る磁化分布測定装置及び磁化分布測定方法に関し、特
に、カー効果顕微鏡で広範囲の第1の領域を観察し、第
1の領域の中でも特に高分解能で観察したい第2の領域
を磁気力顕微鏡で観察する磁化分布測定装置及び磁化分
布測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の発展に伴い、磁気テー
プ、磁気ディスク等の媒体や磁気ヘッドの表面の磁化分
布を高精度に観察することが必要とされる。従来より、
磁化分布の観察方法として、ビッター法が知られてい
る。ビッター法とは、磁気コロイドを溶媒に分散させた
溶液を試料表面に塗布し、試料表面の磁化パターンに応
じて磁気コロイドが付着するので、試料表面の磁気コロ
イドを光学顕微鏡で観察する方法である。
【0003】一方、磁気記録の高密度化が進み、ビッタ
ー法では分解能が不十分であり、さらに高分解能の観察
方法が必要となる場合もある。この要求を満たすため、
走査型磁気力顕微鏡を用いた観察方法が開発された。走
査型磁気力顕微鏡は、カンチレバーの先端に、少なくと
もその先端が磁性体からなる先鋭化されたプローブを設
け、カンチレバーをその共振周波数近傍の周波数で振動
させながら、試料表面に接近させ、カンチレバーの振幅
や位相等の変化を測定し、試料表面の磁化分布を測定す
るものである。すなわち、プローブと試料表面との間に
磁気力が働くと、カンチレバーの実効的なばね定数が変
化し、カンチレバーの振幅や位相等の共振特性が変化す
るので、これらの変化を測定することにより、試料表面
の磁化分布を測定することができる。このような走査型
磁気力顕微鏡は、約50nmと非常に高い分解能を有す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、高分解能で観
察したい領域は、試料の全面ではなく、試料表面のごく
一部分に存在している場合が多い。実際上、例えば磁気
ディスク上で高分解能で観察したい領域は、記録されて
いるビット、記録トラックの端の部分、サーボ信号の書
かれた部分等、試料表面のごく一部である。
【0005】一方、走査型磁気力顕微鏡では、カンチレ
バーや試料は圧電体により駆動されるため、せいぜい1
00μm角(100μm×100μm、以下同様)程度
の領域しか観察できない。すなわち、走査型磁気力顕微
鏡は、小面積の領域を高分解能で観察するには適してい
るが、大面積の領域を一度に観察するには適していな
い。従って、走査型磁気力顕微鏡単独では、試料表面上
で高分解能で観察したい場所を探し出すことはできない
という問題点を有していた。具体的には、例えば磁気デ
ィスクの記録トラックの端の部分を観察したくても、カ
ンチレバーをトラックの端の部分に正確に位置合わせす
ることは事実上不可能であった。
【0006】本発明は、上記従来例の問題点を解決する
ためになされたものであり、試料表面の磁化分布を観察
するにあたり、カー効果を利用して試料表面の大面積の
第1の領域を観察し、第1の領域の中から高分解能で観
察したい小面積の第2の領域を探し出し、走査型磁気力
顕微鏡の位置決めを行い、走査型磁気力顕微鏡により第
2の領域の磁化分布を高分解能で測定する磁化分布測定
装置及び磁化分布測定方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の磁化分布測定装置は、試料表面に対してレ
ーザー光を相対的に走査させながら照射し、前記試料表
面で反射されたレーザー光のカー効果による偏光角の変
化を測定し、前記試料表面のうちレーザー光が照射され
た第1の領域の磁化分布を測定する第1の手段と、カン
チレバーの自由端近傍に設けられたプローブを、前記第
1の領域のうち、さらに高分解能で磁化分布を測定した
い第2の領域の試料表面に接近させた状態で前記第2の
領域中を走査させ、前記プローブと前記試料表面との間
に働く磁気力又は磁気力勾配を測定し、前記第2の領域
内の磁化分布を高分解能で測定する第2の手段を具備す
る。
【0008】すなわち、第1の手段により、カー効果を
利用して広範囲な第1の領域の磁化分布を測定するとと
もに、第2の手段により、プローブと試料表面との間に
作用する磁気力を利用して第1の領域の内部にある微小
な第2の領域の磁化分布を高分解能で測定するので、試
料表面の磁化分布を観察するにあたり、試料表面の所望
の観察したい領域を探し出して位置決めし、さらに高分
解能でその領域の磁化分布を測定することができる。
【0009】上記構成において、前記レーザー光を前記
第2の領域を照射するように固定し、前記レーザー光が
前記カンチレバーの背面に入射するように前記カンチレ
バーを移動させ、前記プローブの前記第2の領域に対す
る粗動を行うことが好ましい。
【0010】一般に、カー効果を用いて観察した第1の
領域中に、さらに高分解能で磁化分布を観察したい第2
の領域があることがわかっても、そこにカンチレバーの
位置を設定することは困難である。しかし、レーザー光
を第2の領域を照射するように固定し、レーザー光を頼
りにしてカンチレバーを移動させることにより、比較的
容易にカンチレバーの自由端近傍に設けたプローブを第
2の領域に位置決めすることができる。
【0011】さらに、具体的には、本発明の磁化分布測
定装置は、試料表面に対してレーザー光を相対的に走査
させながら照射する照射手段と;前記試料表面で反射さ
れたレーザー光のカー効果による偏光角の変化を測定
し、前記照射手段によりレーザー光が照射された第1の
領域の磁化分布を測定する偏光角測定手段と;前記試料
表面に対して相対的に駆動されるカンチレバーと;前記
カンチレバーの先端に設けられ、少なくともその先端の
表面が磁性体であるプローブと;前記第1の領域のう
ち、さらに高分解能で磁化分布を観察したい第2の領域
において、前記プローブを前記第2の領域内の試料表面
に対して接近させた状態で相対的に走査させながら、前
記プローブと前記試料表面との間に作用する磁気力又は
磁気力の勾配を測定することにより、前記第2の領域の
磁化分布を測定する磁気力測定手段とを具備する。
【0012】上記構成において、前記照射手段は、前記
試料表面に対してレーザー光を相対的に走査させるよう
に試料を移動させる移動手段と、装置本体に固定され前
記試料表面にレーザー光を照射する固定照射手段とを含
み;前記磁気力測定手段は、前記偏光角測定手段により
前記第1の領域の磁化分布を測定している間、前記固定
照射手段が照射する前記レーザー光を遮らないように前
記カンチレバーを待避させ、かつ、前記第2の領域の磁
化分布を測定している間、前記レーザー光が前記カンチ
レバーの背面に入射するように前記カンチレバーの位置
を設定する位置設定手段を含み;前記磁気力測定手段
は、前記カンチレバー背面からのレーザー光の反射光を
用いて前記カンチレバーの変位を測定することにより、
前記第2の領域の磁気力又は磁気力の勾配を測定するこ
とが好ましい。
【0013】この場合、一つのレーザー光を用いて、第
1の領域及び第2の領域の磁化分布を測定することがで
き、さらに高精度に磁化分布を測定することができると
ともに、装置の簡略化及び小形化を図ることができる。
【0014】また、上記構成において、前記偏光角測定
手段により前記第1の領域の磁化分布を測定している
間、前記第1の領域の試料表面からのレーザー光の反射
光が前記偏光角測定手段に入射し、かつ、前記第2の領
域の磁化分布を測定している間、前記カンチレバー背面
からのレーザー光の反射光が前記磁気力測定手段に入射
するように、前記偏光角測定手段及び前記磁気力測定手
段を移動させる移動手段を含むことが好ましい。
【0015】この場合、偏光角測定手段及び磁気力測定
手段を移動させるだけで、第1の領域及び第2の領域の
磁化分布を測定することができ、さらに簡便に磁化分布
を測定することができる。
【0016】一方、本発明の磁化分布測定方法は、試料
表面に対してレーザー光を相対的に走査させながら照射
し、試料表面で反射されたレーザー光のカー効果による
偏光角の変化を測定することにより、レーザー光を照射
した試料表面の第1の領域の磁化分布を測定し;前記第
1の領域のうち、さらに高分解能で磁化分布を測定した
い第2の領域を特定し;カンチレバーの自由端近傍に設
けられ、少なくともその先端の表面が磁性体であるプロ
ーブを、前記第2の領域内の試料表面に対して接近させ
た状態で相対的に走査させながら、前記プローブと前記
第2の領域内の試料表面との間に作用する磁気力又は磁
気力の勾配を測定することにより、前記第2の領域の磁
化分布を高分解能で測定する。
【0017】上記方法において、前記レーザー光を前記
第2の領域を照射するように固定し、前記レーザー光が
前記カンチレバーの背面に入射するように前記カンチレ
バーを移動させ、前記プローブの前記第2の領域に対す
る粗動を行うことが好ましい。
【0018】また、所定位置から照射されるレーザー光
が前記試料表面に対して相対的に走査するように試料を
移動させ、前記第1の領域の磁化分布を測定している
間、前記レーザー光を遮らないように前記カンチレバー
を待避させ、かつ、前記第2の領域の磁化分布を測定し
ている間、前記レーザー光が前記カンチレバーの背面に
入射するように前記カンチレバーの位置を設定し、前記
カンチレバー背面からのレーザー光の反射光を用いて前
記カンチレバーの変位を測定することにより、前記第2
の領域の磁気力又は磁気力の勾配を測定することが好ま
しい。
【0019】また、前記第1の領域の磁化分布を測定し
ている間、前記第1の領域の試料表面からのレーザー光
の反射光が偏光角測定装置に入射し、かつ、前記第2の
領域の磁化分布を測定している間、前記カンチレバー背
面からのレーザー光の反射光が前記磁気力測定装置に入
射するように、前記偏光角測定装置及び前記磁気力測定
装置を移動させることが好ましい。
【0020】すなわち、前記本発明の磁化分布測定装置
の各構成は、上記本発明の磁化分布測定方法の実施に適
したものであり、カー効果を利用して広範囲な第1の領
域の磁化分布を測定するとともに、プローブと試料表面
との間に作用する磁気力を利用して第1の領域の内部に
ある微小な第2の領域の磁化分布を測定するので、試料
表面の磁化分布を観察するにあたり、試料表面の所望の
観察したい領域を探しだして位置決めし、さらに高分解
能でその領域の磁化分布を測定することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の磁化分布測定装置及び磁
化分布測定方法の一実施形態について、図1〜図3を参
照しつつ説明する。図1は、本発明の磁化分布測定装置
におけるカー効果を利用した第1の領域の磁化分布測定
時の状態を示す構成図であり、図2は同一の装置に置け
る磁気力を利用した第2の領域の磁化分布測定時の状態
を示す構成図である。また、図3は、試料表面に照射さ
れたレーザー光とカンチレバー及びプローブとの位置関
係を示す図である。
【0022】図1及び図2に示す磁化分布測定装置は、
直線偏光のレーザー光2を出力するレーザー1と、レー
ザー光2を試料5の表面に照射するための偏光子3及び
レンズ4を含む光学系と、例えばステッピングモーター
(図示せず)によって駆動されるXYステージ9と、X
Yステージ9上に設けられたXY圧電アクチュエータ1
6と、回転可能なレボルバ6と、レボルバ6の両端にそ
れぞれ固定され、相互に置換可能な偏光角測定装置7及
び二分割フォトダイオード8と、カンチレバー10と、
カンチレバー10に振動を加えるための圧電アクチュエ
ータ11と、カンチレバー移動装置12と、コンピュー
タ13と、二分割フォトダイオード8の2つのフォトダ
イオードの出力の差分をコンピュータ13に入力するた
めのプリアンプ14と、光学顕微鏡15等で構成されて
いる。XYステージ9は、10μm程度のステップで数
mm2 のオーダーの面積を走査することができる。ま
た、XY圧電アクチュエータ16は0.1μm程度のス
テップで走査することができる。なお、図1と図2とで
は、レボルバ6が回転し、偏光角測定装置7と二分割フ
ォトダイオード8の位置が入れ替わっている。
【0023】最初に、カー効果を利用して、試料5上の
大面積の第1の領域の磁化分布を観察する場合について
説明する。図1において、レーザー1から照射された直
線偏光のレーザー光2は、偏光子3及びレンズ4を通し
て、試料5の表面に照射される。このとき、試料5の表
面でのレーザー光2のスポット径は、例えば数μmに絞
られている。試料5の表面で反射されたレーザー光2
は、カー効果により試料5の表面の磁化状態に応じて偏
光角が回転する。
【0024】試料5の表面で反射された光は、偏光角測
定装置7に入射し、偏光角測定装置7により偏光角の変
化が測定される。また、測定された偏光角の変化は、コ
ンピュータ13に入力される。コンピュータ13は、X
Yステージ9を制御し、試料5は、レーザー光2に対し
て相対的に駆動され、例えば10μmステップで数mm
×数mmの領域を二次元的に走査される。この結果、反
射光の偏光角の変化の分布図を得ることができる。この
偏光角分布図は、試料5の表面の磁化分布に対応してお
り、上記の例では数mm角の第1の領域の磁化分布を1
0μmの分解能で観察することができることを意味す
る。
【0025】次に、磁気力を利用し、上記第1の領域の
中で、特に高分解能で磁化分布を観察したい第2の領域
を観察する場合について説明する。図2に示すように、
レボルバ6を回転させ、偏光角測定装置7と二分割フォ
トダイオード8の位置を入れ替える。同時に、カンチレ
バー移動装置12を駆動し、カンチレバー10の自由端
近傍に設けられたプローブを試料5の表面に接近させる
ように、かつ、レーザー光2をカンチレバー10の背面
に照射し、カンチレバー10からの反射光を二分割フォ
トダイオード8に入射させるように設定する。二分割フ
ォトダイオード8とカンチレバー10とで光てこを構成
する。
【0026】一般に、カー効果を利用して大面積の第1
の領域を観察し、その中でも特に高分解能で磁化分布を
観察したい第2の領域を見つけ出しても、第2の領域に
プローブを移動させることは困難である。そこで、本発
明では、以下のような動作を行う。まず、XYステージ
9を移動させ、レーザー光2を走査し、上記磁化分布図
のマップ上で観察したい第2の領域を見つける。次に、
レーザー光2が第2の領域に照射されるように、XYス
テージ9の位置を調整し、そこに固定する。レーザー光
2及びXYステージ9を固定した状態で、カンチレバー
移動装置12を駆動し、レーザー光2がカンチレバー1
0の背面に入射するように、カンチレバー10を移動さ
せる。
【0027】すなわち、最初のカー効果を利用した観察
により得られた磁化分布図をもとに、レーザー光2が第
2の領域を照射するようにXYステージ9を固定すれ
ば、レーザー光2は、常時第2の領域を照射することに
なる。この状態で、特にレーザー光2がカンチレバー1
0の自由端近傍の背面を照射するようにカンチレバー1
0を移動させることにより、カンチレバー10の自由端
近傍に設けられたプローブは、自動的に第2の領域の近
傍に位置することとなる。従って、容易にカンチレバー
10に設けられたプローブを、観察したい第2の領域に
移動させることができる。
【0028】カンチレバー10は、加振用の圧電アクチ
ュエータ11に固定されている。また、圧電アクチュエ
ータ11は、カンチレバー移動装置12に固定されてい
る。カンチレバー移動装置12は、カンチレバー10を
試料5に対して水平方向に移動させる。圧電アクチュエ
ータ11は、カンチレバー10をその共振周波数付近の
周波数で振動させる。カンチレバー10を振動させる
と、プリアンプ14の出力は、カンチレバー10の振動
に応じて振動し、カンチレバー10の振幅及び位相を知
ることができる。なお、光学顕微鏡15は、カンチレバ
ー10の背面のレーザー光2の照射位置を知るためのも
のである。
【0029】上記のように、光てこを構成した状態で、
コンピュータ13は、二分割フォトダイオード8に入射
するレーザー光2からカンチレバー10の振幅を測定し
ながら、XYステージ9上に設けられたXY圧電アクチ
ュエータ16を制御する。したがって、試料5は、先に
偏光角を測定したときよりも狭い領域で、より移動ステ
ップを小さくして、例えば10μm角の領域を0.1μ
mステップでレーザー光2に対して相対的に精度よく走
査される。この結果、カンチレバー10の振幅の変化の
分布図を得ることができる。この磁化分布図は、カンチ
レバーに設けられ、少なくともその先端の表面が磁性体
からなるプローブと試料5の表面との間に作用する磁気
力の勾配の分布を示しており、試料5の表面の磁化分布
に対応する。このように、十分先端の鋭いプローブを用
いれば、10μm角の領域の磁化分布を0.1μmの分
解能で観察することができる。なお、XYステージ9を
使わずにXY圧電アクチュエータ16を用いるのは、よ
り高精度に試料5を走査させるためである。
【0030】次に、レーザー光を用いて観察する領域と
カンチレバーのプローブとの位置関係を図3に示す。カ
ンチレバー10が存在しない場合、レーザー光2は、光
路2aを通り、試料5上を照射する。カンチレバー10
が存在する場合、レーザー光2は、カンチレバー10の
背面で反射され、図示しない二分割フォトダイオード
(図2に示す二分割フォトダイオード8)に入射する。
レーザー光2の角度及びカンチレバー10に入射する位
置を調整すれば、プローブ17が試料5に接触する位置
と、レーザー光2が光路2aを通って試料5に照射され
る位置をほぼ一致させることができる。この状態であれ
ば、レーザー光2を照射し、指定している第2の領域
を、磁気力顕微鏡で観察することができる。
【0031】以上のように構成された磁化分布測定装置
を用いて、VTR(ビデオテープレコーダ)により磁気
テープに記録された記録トラックの端部分の磁化分布を
測定した。まず、従来例として、レーザー光による磁化
分布の測定を行わずに、場所を変えながら10回、磁気
力顕微鏡観察を行ったが、いずれも観察したい記録トラ
ックの端部分が視野に含まれていなかった。
【0032】次に、レーザー光2を5mm角の範囲で走
査して、磁化分布を観察し、記録トラックの端部分を探
し出した。磁化分布図をもとに、レーザー光2が記録ト
ラックの端近傍を照射するような位置になるように、X
Yステージ9を制御し、その位置で停止した。この状態
でカンチレバー10の背面にレーザー光2が入射するよ
うに、カンチレバー10の位置を調整し、100μm角
の領域を磁気力顕微鏡観察したところ、記録トラックの
端部分が視野に含まれており、高分解能で観察すること
ができた。
【0033】以上のように、本発明によれば、磁気テー
プ、磁気ディスク、磁気ヘッド等磁性試料表面を高分解
能の磁気力顕微鏡で観察する場合、試料表面のうち所望
の観察したい場所を探しだして位置決めすることがで
き、さらに高分解能でその領域の磁化分布を測定するこ
とができる。
【0034】なお、上記説明では、カンチレバー10の
変位を測定する光てこ法を行うために、偏光角の変化を
測定する場合と同一のレーザー光を用いたが、光てこ法
用に別のレーザー光を用いることも可能である。ただ
し、位置決めの精度を上げるには同一のレーザー光を用
いることが好ましい。また、カンチレバー10の振幅を
測定することにより磁気力の勾配を測定したが、カンチ
レバ−を振動させない状態で、カンチレバ−の微小な変
位を測定することにより、磁気力を直接測定するように
してもよい。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、カー効果を利用して広
範囲な第1の領域の磁化分布を測定するとともに、プロ
ーブと試料表面との間に作用する磁気力を利用して広範
囲な第1の領域の内部にある微小な第2の領域の磁化分
布を測定することができるので、試料表面の磁化分布を
観察するにあたり、試料表面の所望の観察したい領域を
短時間で探しだして位置決めし、さらに高分解能でその
領域の磁化分布を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の磁化分布測定装置の構
成を示す概略図
【図2】図1に示す磁化分布測定装置の磁気力顕微鏡観
察を行うときの状態を示す概略図
【図3】試料表面でのレーザー光の照射位置とカンチレ
バーのプローブが試料表面に接触する位置との関係を示
す図
【符号の説明】
1 レーザー 2 レーザー光 3 偏光子 4 レンズ 5 試料 6 レボルバ 7 偏光角測定装置 8 二分割フォトダイオード 9 XYステージ 10 カンチレバー 11 圧電アクチュエータ 12 カンチレバー移動装置 13 コンピュータ 14 プリアンプ 15 光学顕微鏡 16 XY圧電アクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 5/455 G11B 5/455 C // G11B 5/84 5/84 C (72)発明者 榊間 博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料表面に対してレーザー光を相対的に
    走査させながら照射し、前記試料表面で反射されたレー
    ザー光のカー効果による偏光角の変化を測定し、前記試
    料表面のうちレーザー光が照射された第1の領域の磁化
    分布を測定する第1の手段と、 カンチレバーの自由端近傍に設けられたプローブを、前
    記第1の領域のうち、さらに高分解能で磁化分布を測定
    したい第2の領域の試料表面に接近させた状態で前記第
    2の領域中を走査させ、前記プローブと前記試料表面と
    の間に働く磁気力又は磁気力勾配を測定し、前記第2の
    領域内の磁化分布を高分解能で測定する第2の手段を具
    備する磁化分布測定装置。
  2. 【請求項2】 前記レーザー光を前記第2の領域を照射
    するように固定し、前記レーザー光が前記カンチレバー
    の背面に入射するように前記カンチレバーを移動させ、
    前記プローブの前記第2の領域に対する粗動を行う請求
    項1記載の磁化分布測定装置。
  3. 【請求項3】 試料表面に対してレーザー光を相対的に
    走査させながら照射する照射手段と、 前記試料表面で反射されたレーザー光のカー効果による
    偏光角の変化を測定し、前記照射手段によりレーザー光
    が照射された第1の領域の磁化分布を測定する偏光角測
    定手段と、 前記試料表面に対して相対的に駆動されるカンチレバー
    と、 前記カンチレバーの先端に設けられ、少なくともその先
    端の表面が磁性体であるプローブと、 前記第1の領域のうち、さらに高分解能で磁化分布を観
    察したい第2の領域において、前記プローブを前記第2
    の領域内の試料表面に対して接近させた状態で相対的に
    走査させながら、前記プローブと前記試料表面との間に
    作用する磁気力又は磁気力の勾配を測定することによ
    り、前記第2の領域の磁化分布を測定する磁気力測定手
    段とを具備する磁化分布測定装置。
  4. 【請求項4】 前記照射手段は、前記試料表面に対して
    レーザー光を相対的に走査させるように試料を移動させ
    る移動手段と、装置本体に固定され前記試料表面にレー
    ザー光を照射する固定照射手段とを含み、 前記磁気力測定手段は、前記偏光角測定手段により前記
    第1の領域の磁化分布を測定している間、前記固定照射
    手段が照射する前記レーザー光を遮らないように前記カ
    ンチレバーを待避させ、かつ、前記第2の領域の磁化分
    布を測定している間、前記レーザー光が前記カンチレバ
    ーの背面に入射するように前記カンチレバーの位置を設
    定する位置設定手段を含み、 前記磁気力測定手段は、前記カンチレバー背面からのレ
    ーザー光の反射光を用いて前記カンチレバーの変位を測
    定することにより、前記第2の領域の磁気力又は磁気力
    の勾配を測定する請求項3記載の磁化分布測定装置。
  5. 【請求項5】 前記偏光角測定手段により前記第1の領
    域の磁化分布を測定している間、前記第1の領域の試料
    表面からのレーザー光の反射光が前記偏光角測定手段に
    入射し、かつ、前記第2の領域の磁化分布を測定してい
    る間、前記カンチレバー背面からのレーザー光の反射光
    が前記磁気力測定手段に入射するように、前記偏光角測
    定手段及び前記磁気力測定手段を移動させる移動手段を
    含む請求項4記載の磁化分布測定装置。
  6. 【請求項6】 試料表面に対してレーザー光を相対的に
    走査させながら照射し、試料表面で反射されたレーザー
    光のカー効果による偏光角の変化を測定することによ
    り、レーザー光を照射した試料表面の第1の領域の磁化
    分布を測定し、前記第1の領域のうち、さらに高分解能
    で磁化分布を測定したい第2の領域を特定し、 カンチレバーの自由端近傍に設けられ、少なくともその
    先端の表面が磁性体であるプローブを、前記第2の領域
    内の試料表面に対して接近させた状態で相対的に走査さ
    せながら、前記プローブと前記第2の領域内の試料表面
    との間に作用する磁気力又は磁気力の勾配を測定するこ
    とにより、前記第2の領域の磁化分布を高分解能で測定
    する磁化分布測定方法。
  7. 【請求項7】 前記レーザー光を前記第2の領域を照射
    するように固定し、前記レーザー光が前記カンチレバー
    の背面に入射するように前記カンチレバーを移動させ、
    前記プローブの前記第2の領域に対する粗動を行う請求
    項6記載の磁化分布測定方法。
  8. 【請求項8】 所定位置から照射されるレーザー光が前
    記試料表面に対して相対的に走査するように試料を移動
    させ、前記第1の領域の磁化分布を測定している間、前
    記レーザー光を遮らないように前記カンチレバーを待避
    させ、かつ、前記第2の領域の磁化分布を測定している
    間、前記レーザー光が前記カンチレバーの背面に入射す
    るように前記カンチレバーの位置を設定し、前記カンチ
    レバー背面からのレーザー光の反射光を用いて前記カン
    チレバーの変位を測定することにより、前記第2の領域
    の磁気力又は磁気力の勾配を測定する請求項6又は7記
    載の磁化分布測定方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の領域の磁化分布を測定してい
    る間、前記第1の領域の試料表面からのレーザー光の反
    射光が偏光角測定装置に入射し、かつ、前記第2の領域
    の磁化分布を測定している間、前記カンチレバー背面か
    らのレーザー光の反射光が前記磁気力測定装置に入射す
    るように、前記偏光角測定装置及び前記磁気力測定装置
    を移動させる請求項6から8のいずれかに記載の磁化分
    布測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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