JPH06337261A - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡

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JPH06337261A
JPH06337261A JP5315151A JP31515193A JPH06337261A JP H06337261 A JPH06337261 A JP H06337261A JP 5315151 A JP5315151 A JP 5315151A JP 31515193 A JP31515193 A JP 31515193A JP H06337261 A JPH06337261 A JP H06337261A
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probe
sample
light
displacement
magnetization
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JP5315151A
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Keiko Okiguchi
圭子 沖口
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 試料の磁界分布を高分解能で精度よく測定す
る。 【構成】 試料1表面と磁性体からなるプローブ2とを
接触させてプローブを試料表面で走査し、両者の接触点
での試料の磁化状態を前記磁性体に転写する。この磁性
体に光源部10から直線偏光のレーザ光3を照射し、反
射光を直線偏光板4を介して受光手段5で受光して転写
した磁化状態を磁気光学効果であるカー効果により検出
する。制御手段6で駆動手段7を駆動してプローブを試
料表面上で走査すると共にカー回転から求まる強度情報
を検出し、処理手段8で試料とプローブとの接触位置と
その位置での検出結果とを対応させて磁界分布を求め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料表面の磁化分布を
観察する走査型プローブ顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】試料の表面の局所的な情報を検出してこ
の試料表面の状態(形状など)を観察する顕微鏡が開発
されている。このような顕微鏡はSPM(Scanning Pro
be Microscope:走査型プローブ顕微鏡)と呼ばれてお
り、プローブ(探針)を試料の表面上で走査しながらこ
れら両者の間で検出される情報を測定し、その結果をも
とに試料の像を表示するように構成される。SPMとし
てはSTM(走査型トンネル顕微鏡)やAFM(走査型
原子間力顕微鏡)が知られている。STMでは試料と探
針との間に流れるトンネル電流を検出することで、AF
Mでは両者の間に働く力(原子間斥力)を検出すること
で、それぞれ試料表面の形状を高分解能で観察するもの
である。さらに、SPMの一種として、磁性体の試料表
面と磁性体からなるプローブとの間に働く力(磁力)を
検出することで、この試料表面の磁化状態を示す磁界分
布を測定するMFM(Magnetic Force Microscope:磁気
力顕微鏡)も注目されている。
【0003】MFMによる試料表面の磁界分布の測定
は、カンチレバーの先端に磁性体からなるプローブを設
けて、このプローブを磁性体からなる試料の表面で走査
することで行われる。その際、磁性体試料とプローブと
の間で発生する磁気的な力の大きさに応じてカンチレバ
ーがたわむ。プローブの磁気モーメントをμ、磁界(磁
場)の大きさをBとすると、カンチレバーが受ける力F
は、F=(μ・grad)Bと表すことができる。カンチレ
バーのたわみ具合(変位量)は検出される磁界(磁場)
の磁場勾配の大きさ(垂直方向)に比例し、磁場勾配は
プローブの磁気モーメント方向と一致する方向に関して
検出される。走査の際は、測定感度を上げるために、カ
ンチレバーをその共振周波数付近の周波数で振動変調さ
せておく。磁性体試料とプローブとの間で発生する磁気
的な力の大きさに応じてカンチレバーの振幅が変わるの
で、その時の振幅、または振幅の変化量を検出すること
で、試料とプローブとの間に働く力(磁力)の大きさを
測定できる。従って、カンチレバーに与える周波数を一
定にしてプローブを試料表面上を走査するとともにこの
時のカンチレバーの振幅を逐次検出することで、試料表
面の磁界分布を測定することができる。カンチレバーの
振幅は、このレバーの背面(プローブが設けられていな
い側)にレーザ光を照射し、その反射光をモニタするこ
とで検出する。また、走査時は試料表面とプローブとの
間隔を50nm程度に維持し、試料表面の凹凸によって試料
とプローブとが接近して磁力以外の力(例えば、原子間
力)が測定に影響を及ぼさないようにしておく。プロー
ブの材料としては、強磁性体である鉄やニッケル箔等が
使用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のMFMでは、磁
性体の表面の磁界分布を数10nm程度の空間分解能(横分
解能)で観察した例が報告されているが、最近ではさら
に高い空間分解能で磁界分布を測定する必要が生じてい
る。空間分解能は試料とプローブとの間隔にほぼ等しく
なるので、分解能を上げるにはプローブを試料表面にで
きるだけ近づけて走査させればよい。しかし、その場合
は試料とプローブとの間に原子間力などの他の力が作用
してプローブを安定した状態で走査できないという現象
が起きていた。また、原子間力の影響を受けるため、試
料表面の形状が情報として一緒に取り込まれてしまうと
いう問題もあった。そのため、得られた磁界分布の精度
が低下するという問題が発生していた。本発明はこのよ
うな問題を解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的のために、本発
明では、少なくとも表面が磁性体からなる探針、試料に
対して前記探針を接触させた状態で該試料と探針とを相
対的に移動させる移動手段、前記磁性体に光を照射して
磁気光学効果により該磁性体の磁化状態を検出する磁化
状態検出手段、および前記探針の試料上での位置と該位
置における前記磁化状態検出手段で検出された情報とを
対応させて前記試料の磁化分布を求める情報処理手段と
で走査型プローブ顕微鏡を構成した。そして、この顕微
鏡により試料の磁化分布を測定するようにした。
【0006】
【作用】本発明の作用を図1を用いて説明する。図1
は、本発明の原理を説明するための走査型プローブ顕微
鏡(SPM)の基本的な構成を示す概略図である。本発
明のSPMは、試料1の表面と磁性体からなるプローブ
(探針)2とを接触させた状態でプローブ2を試料1表
面に対して走査し、プローブ2との接触点における試料
の磁化状態(磁界の向きおよび強さ)をプローブ2を形
成する磁性体に転写する。磁性体に転写された試料1表
面の磁化状態は、磁気光学効果であるカー効果を利用す
ることで検出される。プローブ2を形成する磁性体に光
源部10から振動方向を一定にされた(直線偏光の)レ
ーザ光3を照射すると、このレーザ光3は楕円偏光とな
って反射する(この反射光の偏光の回転をカー効果とい
う)。カー回転の角度は、磁界の向きと強さによって変
わり、S極とN極では回転方向が逆になり、また磁界が
強くなると回転角度が大きくなる。そのため、反射光の
振動面は、磁性体に照射する入射光の振動面に対して、
レーザ光3の受光面での磁性体の磁化状態(磁界の向
き)によって右回転または左回転を断続的に繰り返すこ
とになる。カー回転を検出するには直線偏光板(アナラ
イザ)4を用い、この偏光板4の偏向軸を前記入射光の
偏光方向に対してある角度となるように配置する。そし
て、偏光板4を通過した反射光を受光手段5で受光して
カー回転の情報を強度情報に変換することで行う。従っ
て、制御手段6により駆動手段7を用いてプローブ2を
試料1表面上で走査するとともに、このプローブ2を形
成する磁性体によるカー回転から求まる強度情報を受光
手段5で逐次検出し、処理手段8により試料1とプロー
ブ2との接触位置(検出箇所)とその位置での受光手段
5による検出結果とを対応させることで試料1表面の磁
界分布を求めることができる。そして、得られた磁界分
布を表示手段9で表示すれば、試料1の磁化分布を観察
することができる。
【0007】本発明では、前述のように、走査の際にプ
ローブと試料とを接触させるので、プローブおよびカン
チレバーを安定した状態で走査させることができる。そ
のため、試料の磁化状態を正確に検出することができ測
定誤差が少なくなる。また、磁化状態の転写は接触して
いる物質同士の方が、非接触のときよりも強く作用す
る。従って、プローブと試料表面とを接触させること
で、プローブを形成する磁性体にこの接触点での試料の
磁化状態を強く反映させ、接触点以外での磁化状態をほ
とんど反映させなくすることが可能である。これに対し
て、従来はプローブと試料表面とが非接触であったた
め、プローブ先端だけでなくその付近の試料の磁界状態
がこのプローブを形成する磁性体に反映されて試料表面
の狭い領域での磁界状態を検出することができない。こ
のように、本発明では試料表面の磁化状態を感度よく検
出することができるので、従来のMFMよりも空間分解
能が高くなる。
【0008】プローブは磁性体それ自身で構成してもよ
いし、適当な物質からなる基体の表面にスパッタリング
法や蒸着法等により磁性体を被覆させてもよい。磁性体
は、強磁性かつ試料表面の磁化状態の影響を受けやすい
軟磁性の材料が好ましい。また、カー回転角が大きい材
料が好ましく、誘電体を用いてカー回転角を増加させて
もよい。さらに、酸化しにくい材料であることが望まし
い。このような材料としては、Co、GdFeCo等が使用可能
である。これらの材料は単体、または単層膜として形成
してもよいし、複数の材料による多層膜として形成して
もよい。
【0009】なお、プローブと試料とを接触状態で走査
する際に、両者の接触圧をできるだけ小さい圧力で一定
に維持すると走査時の安定度をより高めることができ
る。そのためには、プローブの基準位置からの変位量を
測定する手段を設け、試料表面の凹凸に応じて生じるプ
ローブの変位を常に基準位置に戻すようにフィードバッ
ク制御を行うとよい。また、この制御によってプローブ
を試料に接近させる際に両者が衝突して破損することを
防止できる。さらに、AFMと同様の効果が得られるの
で試料表面の形状を測定することができ、表面形状と磁
化分布とを同時に測定することが可能となる。
【0010】
【実施例】図2は、本発明の一実施例を示す走査型プロ
ーブ顕微鏡(SPM)の概略構成図である。このSPM
は、試料21を載置してXYZ方向に移動させるアクチ
ュエータ22、板状のカンチレバー23、レバー23の
先端に設置された磁性体24aからなるプローブ(探
針)24、プローブ24にレーザ光25を照射してその
反射光のカー回転角を検出する磁化状態検出手段26、
アクチュエータ22を所定の方向に所定量駆動制御する
とともに試料21とプローブ24との接触位置(検出箇
所)とその位置での磁化状態検出手段26による検出結
果とを対応させて試料21表面の磁化分布を求める処理
手段27、処理手段27で得られた磁化分布を表示する
CRT28、およびアクチュエータ22を駆動するため
の制御手段29とを備えている。
【0011】カンチレバー23およびプローブ24は、
図3に示すように芯体51、この芯体51のプローブが
設置される側の面に形成されたコバルト(Co)の皮膜5
2、これと反対側の面に形成された金の皮膜53からな
る。芯体51は窒化シリコン(Si3N4 )からなり、AF
Mで用いるカンチレバーおよびプローブと同様の方で作
製した。芯体51にはシリコン(Si)を用いることもで
きる。皮膜の形成に際しては、まず、金の皮膜53を形
成し、その後コバルトの皮膜52を形成する。コバルト
の皮膜52は芯体51のプローブ部全体を覆うように形
成し、また、その一部をプローブの反対側まで回り込ま
せて金の皮膜53の一部を覆うようにしてある。アクチ
ュエータ22は、例えば、チューブスキャナ型と呼ばれ
る図8に示すような構成とすることができる。このチュ
ーブスキャナ型のアクチュエータは、円筒状の圧電セラ
ミックス60の外周面にX方向走査用の圧電素子に対す
る電極61a、61bおよびY方向走査用の圧電素子に
対する電極62a、62bが、それぞれX方向同士、Y
方向同士で対向するように設けられている。また、圧電
セラミックスの内周面には、これら各電極61a、61
b、62a、62bに対する共通電極63が設けられて
いる。そして、X、Y方向に走査する時は、それぞれの
方向の各電極間に大きさが同じで符号の異なる電位を印
加すればよい。また、Z方向に移動させる時は、正負ど
ちらか一方の電圧を設定してこの電圧をX、Y全ての外
周面の各電極と共通電極63との間にそれぞれ等しく印
加することで、素子をZ方向に伸縮させればよい。本実
施例ではこのようなアクチュエータ22によって、試料
21とプローブ24とを接触させた状態で試料21をプ
ローブ24に対して移動させる。そして、これにより試
料21表面でプローブ24を任意の範囲で走査させるこ
とができる。プローブ24を走査する移動速度および走
査範囲は、制御手段29からアクチュエータ22に送ら
れる走査信号(3角波)の周波数と振幅を変えることで
設定できる。
【0012】磁化状態検出手段26は、レーザ光25を
出射するレーザ光源71、出射したレーザ光の振動方向
を一定にして直線偏光にする偏光子(ポラライザ)7
2、試料21表面での反射光を受光するフォトディテク
タ73、フォトディテクタ73と試料21表面との間に
配置された直線偏光板(アナライザ)検光子74および
この偏光板74とディテクタ73との間に配置された絞
り75とで構成される。偏光板74は、その偏向軸が試
料21表面に入射するレーザ光25の偏光方向に対して
所定の角度となるように配置してある。偏光板74を通
過した反射光は、絞り75によってその光束の任意の部
分のみが選択されてフォトディテクタ73に入射する。
このディテクタ73は、受光したカー回転の情報を含む
光を強度情報に変換し、その結果を処理手段27に出力
する。ここで、カー回転の情報を強度情報に変換する原
理を図7を用いて説明する。矢印はレーザ光25の直線
偏光の振動面を表す。試料21表面への入射光の振動面
(矢印P)に対し、反射光の振動面はプローブ24の磁
化状態(つまり測定位置における試料21磁化状態)を
示す磁界の向きによって、右回転(矢印A)または左回
転(矢印B)する。また、磁界の強さに応じて回転量
(回転角)が大きくなったり小さくなったり(矢印Aと
C)する。偏光板74をその偏向軸が入射光の偏光方向
に対してある角度θとなるように配置すると、この偏光
板74を透過した反射光の振幅は図のようになり、カー
回転情報が強度情報に変換される。
【0013】また、本実施例では、カンチレバー23の
曲がり具合(プローブ24の変位)を測定する変位測定
系を設けて、プローブ24を一定圧力( 0.5μN程度)
で試料21表面に接触できるようにしてある。この探針
変位測定系は、カンチレバー23のプローブ24の近傍
に設けられた反射面23aに測定光81としてレーザ光
を照射する第2のレーザ光源82、反射面23aで反射
した測定光81を検出するための光検出手段83、およ
びこの光検出手段83の出力からカンチレバー23のた
わみ量(変位量)を検出してこのたわみ量が所定量とな
るように(光検出手段83の出力がある値となるよう
に)制御手段29を介してアクチュエータ22をZ方向
に駆動させるフィードバックアンプを備えたZ方向制御
手段84により構成されている。光検出手段83として
は、2分割フォトディテクタを用いた。このような構成
の変位測定系においては、測定光81をプローブ24の
反射面23aに照射し、その反射光を2分割フォトディ
テクタ(光検出手段)83で受け、その差動出力からプ
ローブ24の変位を検出することができる。ここで検出
された変位量はプローブ24と試料21との接触圧を表
すため、変位量が一定となるようにフィードバック制御
を行うことで、前記接触圧を一定に保って接触状態を安
定にすることが可能である。変位測定系は、サブナノメ
ートル程度の分解能を有することが望ましい。このよう
な測定系としては、本実施例で用いたレバー23の反射
面23aに測定光81を照射する構成の他に、反射面2
3aへの照射光とその反射光とを干渉させてプローブ2
4の変位を測定する構成や、レバー23の背面にSTM
(走査型トンネル顕微鏡)のプローブを配置してこのS
TMのプローブとレバー23との間に流れるトンネル電
流を測定して変位を測定する構成等を用いることができ
る。なお、このような変位測定系は、走査中、常にプロ
ーブ24を一定の力で試料21表面に接触させておくこ
とができるならば設けなくてもよい。この変位測定系
は、試料21とプローブ24とを接触させる際に、両者
が衝突して破損することを防止できる。さらに、走査中
には前記差動出力信号またはフィードバック制御に用い
る信号によってAFMと同様の効果が得られるので試料
21表面の形状を測定することができる。そのため、本
実施例のSPMでは、試料21とプローブ24との接触
位置(検出箇所)とその位置でのプローブ24の変位量
(Z方向への駆動量)とを対応させて試料21表面形状
を求める第2の処理手段85、第2の処理手段85で得
られた表面形状を画面上に表示する第2のCRT86、
およびアクチュエータ22を駆動するための制御手段2
9とを設けて、試料21の表面形状と磁化分布とを同時
に測定することができるようにした。
【0014】ここで、本実施例のSPMを用いて試料の
表面部の磁化分布を測定する過程を説明する。まず、試
料21を測定面側がプローブ24側となるようにアクチ
ュエータ22に載置する。そして、プローブ24を試料
21の表面に接触させる。その際、制御手段29により
アクチュエータ22を駆動して試料21をZ方向に移動
させるとともに前記変位測定系によってプローブ24と
試料21との接触を検出する。そして、前述のように磁
化状態検出手段26によってプローブ24と試料21と
の接触点における磁化状態を検出する。検出された磁化
状態は電気的な強度情報に変換されて処理手段27に出
力される。さらに、この状態で制御手段29によってア
クチュエータ22を駆動して試料21を移動させること
で、プローブ24を試料21表面上で走査させる。プロ
ーブ24が走査する範囲は制御手段29によって設定し
ておき、アクチュエータ22がこの設定に基づいてプロ
ーブ24が所定の範囲内で走査されるように試料21を
移動させる。この間、前記変位測定系によってカンチレ
バー23のたわみ量(変位量)が一定となるようにフィ
ードバック制御されており、プローブ24は常に一定圧
力( 0.5μN程度)で試料21表面上を走査する。処理
手段27は、磁化状態検出手段26から入力した強度情
報と、この情報が検出された試料21におけるプローブ
24の位置から試料21の磁化分布を求め、この結果を
CRT28に出力する。CRT28は、処理手段27か
ら送られた磁化分布を画面上に表示する。また、第2の
処理手段85によって、磁化状態を検出する走査時に得
られた、試料21とプローブ24との接触位置(検出箇
所)とその位置でのプローブ24の変位量(Z方向への
駆動量)とを対応させて試料21の表面形状を求め、こ
の結果を第2のCRT86に出力する。第2のCRT8
6は、第2の処理手段85から送られた試料21の表面
形状を画面上に表示する。これにより、試料21の磁化
分布と表面形状を同時に測定することができ、その結果
を同時に観察することが可能となる。
【0015】なお、プローブおよびカンチレバーの形態
は本実施例の形態に限定されるものではない。カンチレ
バーの先端に磁性体からなるプローブを接着等により固
定したものを用いてもよい(図4参照)。また、先端に
プローブ部を設けたカンチレバーの芯体を用意し、プロ
ーブ部周辺の両面に磁性体からなる膜24aをコートし
てもよいし(図5参照)、プローブとレバーの芯体の材
料として誘電体でかつ光を透過する材料を用いてこのプ
ローブの試料と接する側に磁性体からなる膜をコートし
てもよい(図6参照)。走査動作による試料表面の磁化
の変化がスタイラスの磁化を変化させるので、この変化
に対する感度を上げるためにも、また変化のヒステリシ
スを小さくするためにも、磁性体は強磁性かつ軟磁性の
材料が好ましい。
【0016】本発明による走査型プローブ顕微鏡(SP
M)の他の実施例を、図9を用いて説明する。本実施例
のSPMは、上記実施例と同様に、試料の表面形状と磁
化分布とを同時に測定するものであるが、そのために用
いるレーザ光源を1つとしたものである。
【0017】本実施例のSPMは、図9に示すように、
試料21を載置してXYZ方向に移動させるアクチュエ
ータ22、カンチレバー23、レバー23の先端に設置
された磁性体24aからなるプローブ24、プローブ2
4にレーザ光25を照射してその反射光のカー回転角を
検出する磁化状態検出手段26、磁化状態検出手段26
による検出結果から試料21表面の磁化分布を求める処
理手段27、処理手段27で得られた磁化分布を表示す
るCRT28、および、アクチュエータ22を駆動する
ための制御手段29を備えている。ここで、以下に説明
する磁化状態検出手段26以外の構成要素は、上記実施
例と同じものを使用することができる。
【0018】磁化状態検出手段26は、レーザ光25を
出射するレーザ光源71、レーザ光25を直線偏光とす
る偏光子72、プローブ24の反射面23aでの反射光
を2つに分割するビームスプリッタ90、分割された一
方のレーザ光25Aを受光するフォトディテクタ73、
フォトディテクタ73とビームスプリッタ90との間に
配置された直線偏光板検光子74、およびこの偏光板7
4とディテクタ73との間に配置された絞り75とを備
える。
【0019】偏光板74は、上記実施例と同様に、その
偏向軸が入射レーザ光25の偏光方向に対して所定の角
度となるように配置してある。偏光板74を通過した反
射光は、絞り75によってその光束の任意の部分のみが
選択されてフォトディテクタ73に入射する。このディ
テクタ73は、受光したカー回転の情報を含む光を強度
情報に変換し、その結果を処理手段27に出力する。
【0020】本実施例のSPMは、さらに、ビームスプ
リッタ90で分割された、もう一方のレーザ光25Bを
用いて、カンチレバー23の曲がり具合(プローブ24
の変位)を測定する変位測定系を備える。
【0021】この変位測定系は、プローブ24の変位に
より変化するレーザ光25Bの光路の変位量を検出する
光検出手段83、および、この光検出手段83の出力か
らカンチレバー23のたわみ量を検出して、このたわみ
量が所定量となるように制御手段29を介してアクチュ
エータ22をZ方向に駆動させるフィードバックアンプ
を備えたZ方向制御手段84を備えている。ここで、本
実施例の変位測定系の構成要素には、上記実施例と同じ
ものを使用することができる。
【0022】この変位測定系からの測定結果により、試
料21表面の形状を取得するために、本実施例のSPM
では、さらに、試料21とプローブ24との接触位置
(検出箇所)とその位置でのプローブ24の変位量(Z
方向への駆動量)とを対応させて試料21表面形状を求
める第2の処理手段85、および、第2の処理手段85
で得られた表面形状を画面上に表示する第2のCRT8
6を備えている。
【0023】本実施例のSPMの作用を説明する。ま
ず、制御手段29によりアクチュエータ22を駆動し
て、アクチュエータ22に載置された試料21をZ方向
に移動させるとともに、前記変位測定系によってプロー
ブ24と試料21との接触を検出する。そして、上記実
施例のように磁化状態検出手段26によって、ビームス
プリッタ90により分割された一方のレーザ光25Aを
受光することで、プローブ24と試料21との接触点に
おける磁化状態を検出する。さらに、この状態で制御手
段29によってアクチュエータ22を駆動して試料21
を移動させることで、プローブ24を試料21表面上で
走査させる。この走査の際に、ビームスプリッタ90に
より分割されたもう一方のレーザ光25Bを受光するこ
とで、前記変位測定系は、カンチレバー23のたわみ量
が一定となるようにフィードバック制御をする。処理手
段27は、磁化状態検出手段26から入力した検出結果
と、試料21におけるプローブ24の検出位置とから試
料21の磁化分布を求め、CRT28は、処理手段27
から送られた磁化分布を画面上に表示する。また、第2
の処理手段85によって、上記走査時に得られた、試料
21とプローブ24との検出位置とその位置でのプロー
ブ24の変位量とから、試料21の表面形状を求め、第
2のCRT86は、この求められた試料21の表面形状
を画面上に表示する。
【0024】本実施例によれば、1つのレーザ光源71
を用いるだけで、試料21の磁化分布と表面形状とを同
時に測定することができ、その結果を同時に観察するこ
とが可能となる。このため、SPM装置の小型化がしや
すく、測定に用いるレーザ光のアライメントにかかる手
間を減少させることができる。さらに、SPM装置の小
型化することで、外乱の影響を少なくできるため、より
安定した状態での磁化分布および表面形状測定が可能と
なる。
【0025】
【発明の効果】本発明では、試料に対してプローブ(探
針)を走査する際に、これらプローブと試料とを接触さ
せた状態で行う。そのため、試料表面とプローブとの間
で発生する磁気的な相互作用の大きさを高い分解能およ
び高い感度で検出することができる。また、安定した状
態で走査することが可能となる。その結果、従来よりも
高分解能で精度よく試料表面の磁化分布を測定できる本
発明では、磁化分布の他に試料の表面形状を同時に測定
することができ、その像を得ることも可能である。ま
た、磁気記録読み取り用のヘッドとして使用することも
可能である。
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の走査型プローブ顕微鏡の概念図を
示す。
【図2】は、本発明の一実施例である走査型プローブ顕
微鏡の構成を示す概略図である。
【図3】は、実施例で用いたカンチレバーおよびプロー
ブの構成を示す概略断面図である。
【図4】は、カンチレバーおよびプローブの他の構成を
示す概略図である。
【図5】は、カンチレバーおよびプローブの他の構成を
示す概略図である。
【図6】は、カンチレバーおよびプローブの他の構成を
示す概略図である。
【図7】は、プローブを形成する磁性体から得られたカ
ー回転の情報を強度情報に変換する原理を説明するため
の図である。
【図8】は、実施例で用いたチューブスキャナ型アクチ
ュエータの構成を示す斜視図である。
【図9】は、本発明の他の一実施例である走査型プロー
ブ顕微鏡の構成を示す概略図である。
【主要部分の符号の説明】
1 試料 2 プローブ 3 レーザ光 4 直線偏光板(アナライザ) 5 受光手段 6 制御手段 7 駆動手段 8 処理手段 9 表示手段 10 光源部 21 試料 22 アクチュエータ 23 カンチレバー 24 プローブ 25 レーザ光 26 磁化状態検出手段 27 処理手段 28 CRT 29 制御手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表面が磁性体からなる探針、
    試料に対して前記探針を接触させた状態で該試料と探針
    とを相対的に移動させる移動手段、前記磁性体に光を照
    射して磁気光学効果により該磁性体の磁化状態を検出す
    る磁化状態検出手段、および前記探針の試料上での位置
    と該位置における前記磁化状態検出手段で検出された情
    報とを対応させて前記試料の磁化分布を求める情報処理
    手段を有することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  2. 【請求項2】 請求項1において、試料と接触状態にあ
    る前記探針の、該試料表面形状に起因する変位を検出す
    る探針変位検出手段、および前記探針の試料上での位置
    と該位置における前記探針変位検出手段で検出された情
    報とを対応させて前記試料の表面形状を求める第2の情
    報処理手段をさらに有することを特徴とする走査型プロ
    ーブ顕微鏡。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記探針変位検出手
    段は、前記探針へ光を出射する光源、および前記探針か
    ら反射された光における前記探針の変位による光路の振
    れを検出する光路変位検出装置を有することを特徴とす
    る走査型プローブ顕微鏡。
  4. 【請求項4】 請求項2において、前記磁化状態検出手
    段で用いる前記磁性体で反射された光を分割する光分割
    器をさらに有し、前記探針変位検出手段は、前記光分割
    器により分割された当該反射光のうち1つの光を受け入
    れ、当該光における前記探針の変位による光路の振れを
    検出する光路変位検出装置を有することを特徴とする走
    査型プローブ顕微鏡。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記
    磁化状態検出手段は、前記探針の磁化状態の測定に用い
    る予め定めた偏光状態の光を出射する光照射装置、前記
    探針で反射された前記光における偏光状態の変化を検出
    する偏光状態検出装置をさらに有することを特徴とする
    走査型プローブ顕微鏡。
JP5315151A 1993-03-30 1993-12-15 走査型プローブ顕微鏡 Withdrawn JPH06337261A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0759536A1 (en) * 1995-08-23 1997-02-26 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Atomic force microscope and measuring head thereof

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0759536A1 (en) * 1995-08-23 1997-02-26 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Atomic force microscope and measuring head thereof

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