JPH10176338A - L形擁壁の構築方法 - Google Patents

L形擁壁の構築方法

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JPH10176338A
JPH10176338A JP33666196A JP33666196A JPH10176338A JP H10176338 A JPH10176338 A JP H10176338A JP 33666196 A JP33666196 A JP 33666196A JP 33666196 A JP33666196 A JP 33666196A JP H10176338 A JPH10176338 A JP H10176338A
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ribs
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Akira Senba
昌 仙波
Tetsuo Nara
哲夫 奈良
Takahiro Tajima
貴弘 田島
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Haneda Concrete Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高所作業の多い場所打ちコンクリートによる
工法か、PC鋼棒による連結工法による工法の工事の安
全性を向上させ、かつ、プレキャスト鉄筋コンクリート
製品の製作費や工事費を低減し、組み立て作業の簡素
化、効率化を図る。 【解決手段】 底版用と前壁用とに分割した一対のリブ
構造のプレキャスト鉄筋コンクリート製品を生産し、リ
ブ内にPC鋼棒を挿通したPC鋼棒をリブの端面に定着
して両者を連結してL形擁壁とする。比較的短いPC鋼
棒による連結が可能となり、殆どの連結作業を低所で行
うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土留め壁として使
用される大型L形擁壁の構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】L形擁壁は土留め高さが低い場合(3m
程度以下)はプレキャスト鉄筋コンクリート製品である
L形擁壁を生産し現場に運搬して設置するのが一般的で
ある。
【0003】しかし、土留め高さが高くなると、設置す
べきL形擁壁が大型化することとなり、工場での生産が
不可能になったり、仮に生産が可能であっても製品の運
搬が不可能になったりする。このため、土留め高さが高
くなると前壁を上下に分割したり、底版を前後に分割し
たりしておき、この分割したブロックを現場でPC鋼棒
で連結して一体化する工法が試みられている。また、や
むを得ず場所打ち鉄筋コンクリートで構築している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の(1)前壁ある
いは底版を分割しておき現場でPC鋼棒で連結して一体
化する工法では、前壁あるいは底版である鉄筋コンクリ
ート製品に組み立てのためのPC鋼棒挿通孔やPC鋼棒
定着用の切り欠き部を設ける必要があり、製作が煩雑に
なるばかりでなく製作費が高くなる。また、組み立ての
ために高所作業が多くなり、工事の危険性が増すととも
に工事費の高騰を招く、などの問題があり、(2)現場
打ちコンクリートによる構築では、プレキャスト鉄筋コ
ンクリート製品での構築に比べて、施工期間が長い、労
働力が大きい、工事の安全性が低いなどの問題が残され
ている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明は、L形擁壁を
リブで補強されたリブ構造の底版と前壁とに分割し、そ
れぞれを運搬可能なプレキャスト鉄筋コンクリート製品
として工場生産し、このリブ構造の底版と前壁とを現場
でリブを利用してPC鋼棒により連結してL形擁壁を構
築することによって、従来工法に比して、鉄筋コンクリ
ート製品の製作費の低減、工事費の低減、省力化、安全
性の向上などを図ることを目的とするものである。
【0006】本願発明は請求項1記載の発明と請求項3
記載の発明とを基本とするものであり、請求項1記載の
発明は、(A)土圧側に複数の連結兼用縦リブを設け、
該連結兼用縦リブの立上がり部にナットを埋設し、該連
結兼用縦リブ内に該ナットから上端面に至る鉛直方向の
挿通孔を設けたプレキャスト鉄筋コンクリート製品を底
版とし(B)土圧側に前記底版に設けられた連結兼用縦
リブと対応する位置に同数の連結兼用縦リブを版の下端
面から版の途中位置まで設け、該連結兼用縦リブ内に鉛
直方向の貫通孔を設け、かつ、該連結兼用縦リブ間の中
間位置に版の上端面から下方に連結兼用縦リブの上端を
越えて版の途中位置まで補強用縦リブを設けたプレキャ
スト鉄筋コンクリート製品を前壁とし(C)底版上に前
壁を載置した後、前壁の連結兼用縦リブの貫通孔よりP
C鋼棒を挿通し、底版の埋設ナットと前壁の連結兼用縦
リブの上端面との間をPC鋼棒により緊張力を導入して
連結することを特徴とするL形擁壁の構築方法であり、
請求項3記載の発明は、(A)土圧側に複数の縦リブと
上端の前壁との接続面に沿った横リブとを設け(a)該
縦リブの立上がり部にナットを埋設し、該縦リブおよび
横リブ内に該ナットから接続面に至る鉛直方向の挿通孔
を設け(b)該縦リブ間の中間位置であって、後記する
前壁の縦リブ内挿通孔に対応する位置の該横リブに鉛直
方向の貫通孔を設けたプレキャスト鉄筋コンクリート製
品を底版とし、(B)土圧側に複数の縦リブと下端の底
版との接続面に沿った横リブとを設け、(a)該縦リブ
内にナットを埋設し、該縦リブおよび横リブ内に該ナッ
トから接続面に至る鉛直方向の挿通孔を設け(b)該縦
リブ間の中間位置であって、前記した底版の縦リブ内挿
通孔に対応する位置の該横リブに鉛直方向の貫通孔を設
けたプレキャスト鉄筋コンクリート製品を前壁とし
(C)底版上に前壁を載置した後、前壁および底版の該
横リブの貫通孔よりPC鋼棒を挿通し、底版の埋設ナッ
トと前壁の横リブの上端面との間、および前壁の埋設ナ
ットと底版の横リブの下端面との間をPC鋼棒により緊
張力を導入して連結することを特徴とするL形擁壁の構
築方法である。
【0007】請求項4〜請求項6記載の発明は、それぞ
れ請求項1〜請求項3記載の発明のナットの埋設に代え
てアンボンドPC鋼棒の埋設を採用するものであり、細
部においては相違点はあるが、底版や前壁の構造、PC
鋼棒による緊張力を導入しての連結、グラウト材の充填
などの大筋は同じである。
【0008】請求項7記載の発明は、請求項4〜請求項
6記載の発明において、貫通孔の接続端面側を拡大させ
ておき、前壁を載置する際の位置決めを容易にし、併せ
て埋設されているアンボンドPC鋼棒と新たなPC鋼棒
との連結を容易にするものである。
【0009】請求項8記載の発明は、PC鋼棒またはア
ンボンドPC鋼棒が挿通する前壁側もしくは底版側の孔
の少なくとも一方の接続面端の孔壁に切り込みを設けて
おき底版上に前壁を載置する際にグラウト材注入管をこ
の切り込みによって挟持し、グラウト材注入管を介して
グラウト材を挿通孔および貫通孔に充填することを特徴
とするものであり、従来のプレキャスト鉄筋コンクリー
ト製品では必須であったグラウト材注入管の埋設を不要
としてプレキャスト鉄筋コンクリート製品の製作費の低
減を図るものである。
【0010】本願の何れの請求項に記載の発明も構築後
の大型L形擁壁を略半分の重量になるよう底版と前壁と
に2分割し、それぞれをプレキャスト鉄筋コンクリート
製品として工場で生産し、現場に運搬して1対1で使用
しPC鋼棒により緊張力を導入して連結して大型L形擁
壁を構築するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しながら本願発明
で使用する底版及び前壁の構造ならびに施工方法につい
て説明する。
【0012】図1および図4を参照しながら請求項1記
載の発明の実施の形態の例を説明する。
【0013】図1は請求項1記載の発明で構築されたL
形擁壁の1例を示し、(a)は背面(土圧側面)図、
(b)は側面図、(c)は平面図、(d)、(e)、
(f)はそれぞれ(a)のD−D断面図、E−E断面
図、F−F断面図である。
【0014】図4はPC鋼棒による連結部を示し、
(a)は要部縦断面図、(b)は貫通孔と挿通孔との接
続部の縦断面図、(c)は貫通孔と挿通孔とのの接続部
の立面図である。
【0015】使用される底版1には製作の際、土圧側に
水平部から立上がり部に連続して複数の連結兼用縦リブ
4aが設けられ、立上がり部の底面側に埋設ナット11
が埋設され、埋設ナット11から上端面に至る鉛直方向
の挿通孔20が連結兼用縦リブ4a内に設けられてい
る。一方、使用される前壁2には製作の際、連結兼用縦
リブ4bが前壁2の下端面から前壁2の中間位置まで設
けられ、連結兼用縦リブ4bの上端面は前壁2の中間位
置で水平面を形成しており、この連結兼用縦リブ4b内
には鉛直方向の貫通孔21が設けられている。そして、
連結兼用縦リブ4b間の延長方向(敷設方向)中間位置
に前壁2の上端面から下方に延びる別の補強用縦リブ5
が連結兼用縦リブ4bの上端を越えて前壁2の途中位置
まで設けられており、補強用縦リブ5の下部と連結兼用
縦リブ4bの上部とが上下方向で重複する位置にある。
底版1と前壁2とは1対1に対応し、延長方向(敷設方
向)に同じ長さであり、底版1の連結兼用縦リブ4aと
前壁2の連結兼用縦リブ4bとは同数で同ピッチであ
り、底版1の立上がり部に前壁2を載置すると底版1の
挿通孔20と前壁2の貫通孔21は連通する。
【0016】このプレキャスト鉄筋コンクリート製品で
ある底版1と前壁2とを現場に運搬し、一個の底版1と
一個の前壁2とを一対としてL形擁壁を組み立てる。こ
の組み立ては次の方法で行う。
【0017】(1)底版1を所定の位置に設置する。
(2)前壁2の連結兼用縦リブ4bの下端面が底版1の
連結兼用縦リブ4aの上端面に載るよう前壁2を底版1
の上に吊り降ろす。この際、図4(b)、(c)に示す
ように底版1と前壁2との接続面3aの挿通孔20およ
び貫通孔21に開口するよう耐圧ホース17を底版1と
前壁2との間に挟み込んでおく。なお、図4(b)、
(c)においては、挿通孔20および貫通孔21の双方
の孔壁に半円形の切り込みを設け、全体として円形の切
り込みとし、その切り込みによって断面円形の耐圧ホー
ス17を挟持する例を図示したが、この切り込みは挿通
孔20、貫通孔21のいずれか一方の孔壁にのみ設け、
他方の孔壁には切り込みを設けない構成としてもよい。
切り込みの形状も円形のみでなく多角形の形状としても
よい。要は設けられた切り込みにより耐圧ホース17が
着脱自在で、かつ、接続面3aにしっかりと挟持される
構成であればよい。(3)前壁2の連結兼用縦リブ4b
の上端面からPC鋼棒10を挿通し、その下端を埋設ナ
ット11に螺合し、PC鋼棒10に緊張力を導入した状
態で、その上端を前壁2の連結兼用縦リブ4bの上端面
にナット12により定着する。(図1(d)参照)
(4)耐圧ホース17を注入管としてグラウト材を挿通
孔と貫通孔とに充填する。
【0018】なお、図1(a)において、底版1と前壁
2との接続面が連続した水平面である場合を3aで表示
し接続面が段差のある水平面である場合を3bで表示し
た。
【0019】この組み立て操作により、底版1と前壁2
とが一体化したL形擁壁が構築される。このL形擁壁は
一体形のL形擁壁や場所打ち鉄筋コンクリートによるL
形擁壁と比較して同等以上の強度、性能を持っている。
【0020】一個のL形擁壁の組み立てが終わると、そ
れの延長方向(敷設方向)に隣接して、次々にL形擁壁
を組み立てていく。隣接するL形擁壁相互間の連結は通
常のように、端面継手間や箱抜き間のボルト連結によっ
て行う。
【0021】図2を参照しながら請求項2記載の発明の
実施の形態の例を説明する。
【0022】請求項2記載の発明は請求項1記載の発明
の好ましい変形例である。
【0023】図2は請求項2記載の発明で構築されたL
形擁壁の1例を示し、(a)は背面(土圧側面)図、
(b)は側面図、(c)は平面図、(d)、(e)、
(f)はそれぞれ(a)のD−D断面図、E−E断面
図、F−F断面図、である。
【0024】使用される底版1の構造は請求項1記載の
発明の場合と同じであり、相違するのは使用される前壁
2の構造のみである。請求項2記載の発明の場合は連結
兼用縦リブ4bと別の補強用縦リブ5との上下方向の重
複部分を横リブ6で連絡した構造とした前壁2を使用す
る。底版1と前壁2とが1対1に対応し、延長方向(敷
設方向)に同じ長さであり、底版1の連結兼用縦リブ4
aと前壁2の連結兼用縦リブ4bとは同数で同ピッチで
あることなどは全て請求項1記載の発明の場合と同じで
あり、組み立て方法も請求項1記載の発明の場合と同じ
である。
【0025】図3を参照しながら請求項3記載の発明の
実施の形態の例を説明する。
【0026】図3は請求項3記載の発明で構築されたL
形擁壁の1例を示し、(a)は背面(土圧側面)図、
(b)は側面図、(c)は平面図、(d)、(e)、
(f)はそれぞれ(a)のD−D断面図、E−E断面
図、F−F断面図、である。
【0027】使用される底版1には製作の際、土圧側に
水平部から立上がり部に連続して複数の縦リブ4が設け
られ、上端の前壁2との接続面に沿って横リブ7aが設
けられ、縦リブ4の立上がり部に埋設ナット11が埋設
され、埋設ナット11から上端の接続面に至る鉛直方向
の挿通孔を設けられており、縦リブ4間の中間位置の横
リブ7aに鉛直方向の貫通孔が設けられている。一方、
使用される前壁2には製作の際、土圧側に複数の縦リブ
5が設けられ、下端の底版1との接続面に沿って横リブ
7bが設けられ、縦リブ5内に埋設ナット11が埋設さ
れ、埋設ナット11から下端の接続面に至る鉛直方向の
挿通孔が設けられており、縦リブ5間の中間位置の横リ
ブ7bに鉛直方向の貫通孔が設けられている。
【0028】底版1と前壁2とは1対1に対応し、延長
方向(敷設方向)に同じ長さであり、底版1の立上がり
部に前壁2を載置すると底版1の縦リブ4内の挿通孔と
前壁2の横リブ7b内の貫通孔とが連通し、底版1の横
リブ7a内の貫通孔と前壁2の縦リブ5内の挿通孔とが
連通する。
【0029】この底版1と前壁2とを現場に運搬し、一
個の底版1と一個の前壁1とを一対としてL形擁壁を組
み立てる。この組み立ては次の方法で行う。
【0030】(1)底版1を所定の位置に設置する。
(2)前壁2を位置合わせをしながら底版1の上に吊り
降ろす。この際、図4(b)、(c)に示すように底版
1と前壁2との接続面3aの挿通孔と貫通孔とに開口す
るよう耐圧ホース17を底版1と前壁2との間に挟み込
んでおく。(3)前壁2の横リブ7bの上端面の貫通孔
からPC鋼棒10を挿通し、その下端を底版1側の埋設
ナット11に螺合し、PC鋼棒10に緊張力を導入した
状態で、その上端を前壁2の横リブ7b上端面にナット
12により定着する。(図3(d)参照)。(4)底版
1の横リブ7aの下端面の貫通孔からPC鋼棒10を挿
通し、その上端を前壁2側の埋設ナット11に螺合し、
PC鋼棒10に緊張力を導入した状態で、その下端を底
版1の横リブ7a下端面にナット12により定着する。
(図3(f)参照)。上記(3)と(4)とは順序を逆
にしてもよく、交互に行ってもよい。(5)耐圧ホース
17を注入管としてグラウト材を挿通孔と貫通孔とに充
填する。
【0031】なお、図3(a)において、底版1と前壁
2との接続面が連続した水平面である場合を3aで表示
し接続面が段差のある水平面である場合を3bで表示し
た。
【0032】一個のL形擁壁の組み立てが終わると、請
求項1記載の発明の場合と同様にそれの延長方向(敷設
方向)に隣接して、次々にL形擁壁を組み立てていく。
【0033】請求項4〜請求項6記載の発明は、それぞ
れ請求項1〜請求項3記載の発明のナットの埋設に代え
てアンボンドPC鋼棒の埋設を採用するものであって、
底版や前壁の構造、PC鋼棒による緊張力を導入しての
連結、グラウト材の充填などの大筋は同じであるので、
細部の相違点について図5、図6を参照して説明し、併
せて請求項4〜請求項6記載の発明に特有の請求項7記
載の発明の実施の形態について説明する。
【0034】図5は底版と前壁とのPC鋼棒による連結
部を示し、(a)は要部縦断面図、(b)はアンボンド
PC鋼棒とPC鋼棒との接続部の縦断面図、(c)はア
ンボンドPC鋼棒とPC鋼棒との接続部の立面図であ
る。
【0035】図6は底版と前壁とのPC鋼棒による連結
の各種方式を示す要部縦断面図である。
【0036】請求項4記載の発明で使用する底版1は前
記請求項1記載の発明で使用する底版1と同じ構造であ
り、ただ埋設ナット11の埋設と挿通孔の形成に代え
て、アンボンドPC鋼棒13を底版1の立ち上がり部の
連結兼用縦リブ内に鉛直に埋設してある点が相違するだ
けである。そして、前壁2は前記請求項1記載の発明で
使用する前壁2と同じ構造であり、貫通孔の下端が拡大
した形状となっている。
【0037】この構造の底版1と前壁2とを一対として
L形擁壁を組み立てる際の組み立ては次の方法で行う。
【0038】(1)底版1を所定の位置に設置する。
(2)底版1に埋設されているアンボンドPC鋼棒13
の上端にカップラー16を螺合する。この際のカップラ
ー16の螺合位置は図6(a)のようにカップラー16
が底版1の上端面から突出する高さであってもよいし、
図6(b)のようにカップラー16が底版1の上端面の
切り込みに収納される高さであってもよい。カップラー
16が底版1の上端面の切り込みに収納されている場合
にはカップラー16の上端にPC鋼棒14を螺合してお
く。なお、カップラー16が底版1の上端面から突出し
ている場合でもカップラー16の上端にPC鋼棒14を
螺合しておいてもよい。(3)底版1の上端面から突出
しているカップラー16および/またはPC鋼棒14と
前壁2の貫通孔21の下端拡大部を案内として前壁2を
底版1の上に吊り降ろし、底版1の上に載置する。この
際、図5(b)、(c)に示すように底版1と前壁2と
の接続面3aのシースと貫通孔21とに開口するよう耐
圧ホース17を底版1と前壁2との間に挟み込んでお
く。(4)カップラー16の上端にPC鋼棒14が螺合
されていない場合は貫通孔21に上方からPC鋼棒14
を挿通し、その下端をカップラー16の上端に螺合す
る。アンボンドPC鋼棒13およびPC鋼棒14に緊張
力を導入した状態で、その上端を前壁2の連結兼用縦リ
ブの上端面にナット15により定着する。(5)耐圧ホ
ース17を注入管としてグラウト材をシース内と貫通孔
21内に充填する。
【0039】請求項5記載の発明では前記請求項2記載
の発明で使用する底版1および前壁2と同様の構造の底
版1、前壁2を使用して上記請求項4記載の発明と同じ
操作で大型L形擁壁を組み立てる。
【0040】請求項6記載の発明では前記請求項3記載
の発明で使用する底版1および前壁2と同様の構造の底
版1、前壁2を使用する。請求項6記載の発明ではアン
ボンドPC鋼棒13は底版1のみでなく前壁2の縦リブ
内にも埋設されている。この前壁2の縦リブ内に埋設さ
れているアンボンドPC鋼棒13は上記請求項4記載の
発明と同様な操作で図6(c)、(d)に示すように、
その下端でカップラー16によりPC鋼棒14と連結さ
れ、PC鋼棒14の下端が底版1の横リブの下端面にナ
ット15により定着されることになる。そして、底版1
の横リブ内の貫通孔は上端が拡大した形状となってい
る。
【0041】
【発明の効果】本発明の構築方法の採用により、次のよ
うな効果が奏せられる。
【0042】(1)分割した底版および前壁をリブ構造
とし、このリブに貫通孔や挿通孔を設けて連結すること
により、耐力低下を招くことなく大型L形擁壁を構築す
ることができる。分割された各ブロックは構造が簡素で
あり、製作費が低減し、組み立ても簡単で工事費も低減
する。また、組み立て作業も殆どが低所作業で高所作業
が少なくなり安全性が向上する。
【0043】(2)従来の場所打ちコンクリートでの構
築に比較して、プレハブ化の利点を生かすとともに、高
所作業が激減し、安全性の大幅な向上と工事費の大幅な
低減が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明で構築されたL形擁壁の1
例を示し、(a)は背面(土圧側面)図、(b)は側面
図、(c)は平面図、(d)、(e)、(f)はそれぞ
れ(a)のD−D断面図、E−E断面図、F−F断面
図、である。
【図2】請求項2記載の発明で構築されたL形擁壁の1
例を示し、(a)は背面(土圧側面)図、(b)は側面
図、(c)は平面図、(d)、(e)、(f)はそれぞ
れ(a)のD−D断面図、E−E断面図、F−F断面
図、である。
【図3】請求項3記載の発明で構築されたL形擁壁の1
例を示し、(a)は背面(土圧側面)図、(b)は側面
図、(c)は平面図、(d)、(e)、(f)はそれぞ
れ(a)のD−D断面図、E−E断面図、F−F断面
図、である。
【図4】PC鋼棒による連結部を示し、(a)は要部縦
断面図、(b)は貫通孔と挿通孔との接続部の縦断面
図、(c)は貫通孔と挿通孔とのの接続部の立面図であ
る。
【図5】底版と前壁とのPC鋼棒による連結部を示し、
(a)は要部縦断面図、(b)はアンボンドPC鋼棒と
PC鋼棒との接続部の縦断面図、(c)はアンボンドP
C鋼棒とPC鋼棒との接続部の立面図である。
【図6】底版と前壁とのPC鋼棒による連結の各種方式
を示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
1・・底版、2・・前壁、3a,3b・・接続面、4・
・底版側縦リブ、4a,4b・・連結兼用縦リブ、5・
・前壁側縦リブ、6・・横リブ、7a,7b・・横リ
ブ、10・・PC鋼棒、11・・埋設ナット、12・・
締付けナット、13・・アンボンドPC鋼棒、14・・
PC鋼棒、15・・締付けナット、16・・カップラ
ー、17・・耐圧ホース、20・・挿通孔、21・・貫
通孔。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)土圧側に複数の連結兼用縦リブを
    設け、該連結兼用縦リブの立上がり部にナットを埋設
    し、該連結兼用縦リブ内に該ナットから上端面に至る鉛
    直方向の挿通孔を設けたプレキャスト鉄筋コンクリート
    製品を底版とし(B)土圧側に前記底版に設けられた連
    結兼用縦リブと対応する位置に同数の連結兼用縦リブを
    版の下端面から版の途中位置まで設け、該連結兼用縦リ
    ブ内に鉛直方向の貫通孔を設け、かつ、該連結兼用縦リ
    ブ間の中間位置に版の上端面から下方に連結兼用縦リブ
    の上端を越えて版の途中位置まで補強用縦リブを設けた
    プレキャスト鉄筋コンクリート製品を前壁とし(C)底
    版上に前壁を載置した後、前壁の連結兼用縦リブの貫通
    孔よりPC鋼棒を挿通し、底版の埋設ナットと前壁の連
    結兼用縦リブの上端面との間をPC鋼棒により緊張力を
    導入して連結することを特徴とするL形擁壁の構築方
    法。
  2. 【請求項2】 前壁の連結兼用縦リブと補強用縦リブと
    の上下方向の重複部分を横方向に横リブで連絡した構造
    とすることを特徴とする請求項1記載のL形擁壁の構築
    方法。
  3. 【請求項3】 (A)土圧側に複数の縦リブと上端の前
    壁との接続面に沿った横リブとを設け(a)該縦リブの
    立上がり部にナットを埋設し、該縦リブおよび横リブ内
    に該ナットから接続面に至る鉛直方向の挿通孔を設け
    (b)該縦リブ間の中間位置であって、後記する前壁の
    縦リブ内挿通孔に対応する位置の該横リブに鉛直方向の
    貫通孔を設けたプレキャスト鉄筋コンクリート製品を底
    版とし、(B)土圧側に複数の縦リブと下端の底版との
    接続面に沿った横リブとを設け、(a)該縦リブ内にナ
    ットを埋設し、該縦リブおよび横リブ内に該ナットから
    接続面に至る鉛直方向の挿通孔を設け(b)該縦リブ間
    の中間位置であって、前記した底版の縦リブ内挿通孔に
    対応する位置の該横リブに鉛直方向の貫通孔を設けたプ
    レキャスト鉄筋コンクリート製品を前壁とし(C)底版
    上に前壁を載置した後、前壁および底版の該横リブの貫
    通孔よりPC鋼棒を挿通し、底版の埋設ナットと前壁の
    横リブの上端面との間、および前壁の埋設ナットと底版
    の横リブの下端面との間をPC鋼棒により緊張力を導入
    して連結することを特徴とするL形擁壁の構築方法。
  4. 【請求項4】 (A)土圧側に複数の連結兼用縦リブを
    設け、該連結兼用縦リブの立上がり部にアンボンドPC
    鋼棒を鉛直に埋設し、該アンボンドPC鋼棒の上端を上
    端面に露出させたプレキャスト鉄筋コンクリート製品を
    底版とし(B)土圧側に前記底版に設けられた連結兼用
    縦リブと対応する位置に同数の連結兼用縦リブを版の下
    端面から版の途中位置まで設け、該連結兼用縦リブ内に
    鉛直方向の貫通孔を設け、かつ、該連結兼用縦リブ間の
    中間位置に版の上端面から下方に連結兼用縦リブの上端
    を越えて版の途中位置まで補強用縦リブを設けたプレキ
    ャスト鉄筋コンクリート製品を前壁とし(C)アンボン
    ドPC鋼棒の上端にカップラーを螺合し底版上に前壁を
    載置して前壁の連結兼用縦リブの貫通孔に挿通したPC
    鋼棒をカップラーに螺合することにより、アンボンドP
    C鋼棒の定着部と前壁の連結兼用縦リブの上端面との間
    をPC鋼棒による緊張力を導入して連結することを特徴
    とするL形擁壁の構築方法。
  5. 【請求項5】 前壁の連結兼用縦リブと補強用縦リブと
    の上下方向の重複部分を横方向に横リブで連絡した構造
    とすることを特徴とする請求項4記載のL形擁壁の構築
    方法。
  6. 【請求項6】 (A)土圧側に複数の縦リブと上端の前
    壁との接続面に沿った横リブとを設け(a)該縦リブの
    立上がり部にアンボンドPC鋼棒を鉛直に埋設し、該ア
    ンボンドPC鋼棒の上端を接続面に露出させ(b)該縦
    リブ間の中間位置であって、後記する前壁に埋設したア
    ンボンドPC鋼棒の露出端に対応する位置の該横リブに
    鉛直方向の貫通孔を設けたプレキャスト鉄筋コンクリー
    ト製品を底版とし(B)土圧側に複数の縦リブと下端の
    底版との接続面に沿った横リブとを設け(a)該縦リブ
    内にアンボンドPC鋼棒を鉛直に埋設し、該アンボンド
    PC鋼棒の下端を接続面に露出させ(b)該縦リブ間の
    中間位置であって、前記した底版に埋設したアンボンド
    PC鋼棒の露出端に対応する位置の該横リブに鉛直方向
    の貫通孔を設けたプレキャスト鉄筋コンクリート製品を
    前壁とし(C)アンボンドPC鋼棒の露出端にカップラ
    ーを螺合し底版上に前壁を載置して前壁および底版のリ
    ブ内の貫通孔に挿通したPC鋼棒をカップラーに螺合す
    ることにより、アンボンドPC鋼棒の定着部と前壁およ
    び底版の横リブの端面との間をPC鋼棒による緊張力を
    導入して連結することを特徴とするL形擁壁の構築方
    法。
  7. 【請求項7】 貫通孔の接続端面側が拡大していること
    を特徴とする請求項4、請求項5および請求項6記載の
    L形擁壁の構築方法。
  8. 【請求項8】 PC鋼棒またはアンボンドPC鋼棒が挿
    通する前壁側もしくは底版側の孔の少なくとも一方の接
    続面端の孔壁に切り込みを設け、底版上に前壁を載置す
    る際にグラウト材注入管を該切り込みによって挟持し、
    該グラウト材注入管を介してグラウト材を挿通孔および
    貫通孔に充填することを特徴とする請求項1〜請求項7
    記載のL形擁壁の構築方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103741712A (zh) * 2014-01-16 2014-04-23 中国十九冶集团有限公司 挡土墙施工方法

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