JPH10176114A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH10176114A
JPH10176114A JP34116596A JP34116596A JPH10176114A JP H10176114 A JPH10176114 A JP H10176114A JP 34116596 A JP34116596 A JP 34116596A JP 34116596 A JP34116596 A JP 34116596A JP H10176114 A JPH10176114 A JP H10176114A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
block
copolymer
conjugated diene
weight
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JP34116596A
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English (en)
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Masanari Uno
将成 宇野
Satoshi Kinoshita
敏 木下
Kazutoshi Terada
和俊 寺田
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂および無機充填剤からなり、曲
げ弾性率、曲げ強度、アイゾッド衝撃強度などの機械的
特性が特に優れる熱可塑性樹脂組成物、並びに該熱可塑
性樹脂組成物からなる成形品を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂(I)40〜98重量部と無機充
填剤(II)60〜2重量部とからなる混合物100重量部に対し
て、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックと共役ジエン
系重合体ブロックからなり、且つ末端に水酸基およびカ
ルボキシル基の少なくとも1種を有するブロック共重合
体、並びに該ブロック共重合体の水素添加物の少なくと
も1種(III)を0.05〜20重量部配合してなる熱可塑性
樹脂組成物;並びに該熱可塑性樹脂組成物からなる成形
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂およ
び無機充填剤からなる混合物に、末端に水酸基およびカ
ルボキシル基の少なくとも1種を有するブロック共重合
体を配合してなる熱可塑性樹脂組成物、並びに該熱可塑
性樹脂組成物からなる成形品に関する。本発明の熱可塑
性樹脂組成物は、無機充填剤が熱可塑性樹脂中に良好に
分散しているため、曲げ弾性率、曲げ強度、アイゾッド
衝撃強度などの機械的特性が特に優れ、かつ無機充填剤
の有する機能が効率良く発現されるので、家電製品、自
動車用部品、建築資材、家庭用品、工業材料などの各種
成形材料の素材として好適に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】タルク、炭酸カルシウム、シリカ、酸化
鉄、水酸化アルミニムウム、カーボンブラック等の無機
充填剤を配合した熱可塑性樹脂組成物は、剛性と強度が
バランスされた機械的特性に優れた材料として期待され
ているが、一般に熱可塑性樹脂は疎水性であるため、表
面に極性基を有する無機充填剤と分散性が悪く、さらに
熱可塑性樹脂と無機充填剤の界面の接着性が不十分であ
るため、機械的特性の高度なバランスが要求される用途
に使用する場合には、満足できるものではなかった。こ
の問題点を解決するために、従来より脂肪酸、界面活性
剤、シランカップリング剤等の低分子の表面改質剤を、
無機充填剤の表面にコートして疎水化する方法などが行
われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、低分子の表面改質剤は無機充填剤表面との相
互作用は強いものの、熱可塑性樹脂との相溶性は不十分
であり、熱可塑性樹脂と無機充填剤の界面の接着強度は
十分に向上しない。
【0004】本発明の目的は、無機充填剤が熱可塑性樹
脂中で高度に分散され、曲げ弾性率、曲げ強度、アイゾ
ッド衝撃強度などの機械的特性が特に優れており、かつ
無機充填剤の有する機能が効率よく発現される熱可塑性
樹脂組成物、並びに該熱可塑性樹脂組成物からなる成形
品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、芳香族ビニル化合
物系重合体ブロックと共役ジエン系重合体ブロックから
なり、且つ末端に水酸基およびカルボキシル基の少なく
とも1種を有するブロック共重合体、並びに該ブロック
共重合体の水素添加物の少なくとも1種を、熱可塑性樹
脂および無機充填剤からなる混合物に特定量配合するこ
とにより、無機充填剤の分散性や、熱可塑性樹脂と無機
充填剤の界面の接着性が著しく改善され、特に機械的特
性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られることを見出
し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂(I)
40〜98重量部と無機充填剤(II)60〜2重量部と
からなる混合物100重量部に対して、芳香族ビニル化
合物系重合体ブロックと共役ジエン系重合体ブロックか
らなり、且つ末端に水酸基およびカルボキシル基の少な
くとも1種を有するブロック共重合体、並びに該ブロッ
ク共重合体の水素添加物の少なくとも1種(III)を
0.05〜20重量部配合してなる熱可塑性樹脂組成物
に関する。さらに、本発明は上記の熱可塑性樹脂組成物
からなる成形品に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる熱可塑性樹脂
としては、溶融成形可能な樹脂であれば特に制限され
ず、例えば、ポリスチレン樹脂、ゴム強化ポリスチレン
樹脂(HIPS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル
−スチレン共重合体(AS樹脂)、メタクリル酸メチル
−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)などの
スチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レンープロピレン共重合体などのオレフィン系樹脂など
を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上
を用いることができる。これらの中でも、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体などのオレフィン系
樹脂が、本発明に用いられるブロック共重合体(III)
との相溶性に優れているので好ましい。
【0008】本発明に用いられる無機充填剤としては、
例えば、タルク、クレー、カオリン、マイカ等のケイ酸
塩;シリカ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛等の酸化
物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸
化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;
硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;カーボンブ
ラックなどからなる、粉末状や繊維状などの形状のもの
が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いる
ことができる。特に、水酸基、アミノ基およびカルボキ
シル基のうち少なくとも1種の官能基を表面に有してい
る無機充填剤を用いるのが好ましい。粉末状の充填剤
は、平均粒子径が0.1〜200μmの範囲内のものが
好ましい。繊維状の充填剤は、平均長が0.1〜20m
m、アスペクト比が10〜2000の範囲内のものが好
ましい。
【0009】本発明に用いられる芳香族ビニル化合物系
重合体ブロックと共役ジエン系重合体ブロックからなる
ブロック共重合体(以下「芳香族ビニル化合物/共役ジ
エンブロック共重合体」と称することがある)は、芳香
族ビニル化合物系重合体ブロックを少なくとも1個と、
共役ジエン系重合体ブロックを少なくとも1個有するブ
ロック共重合体である。
【0010】芳香族ビニル化合物/共役ジエンブロック
共重合体は、共役ジエン系重合体ブロックにおける不飽
和結合が水素添加されていてもよく、その場合の水添率
としては0〜100%の範囲から適宜選ぶことができ
る。特に、本発明では、共役ジエン系重合体ブロックの
不飽和結合の50%以上が水素添加されているものを用
いるのが、耐候性、熱分解性などが良好になる点から好
ましく、80%以上が水素添加されているものを用いる
のがより好ましい。
【0011】芳香族ビニル化合物/共役ジエンブロック
共重合体における芳香族ビニル化合物系重合体ブロック
は、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位から主とし
てなる重合体ブロックである。芳香族ビニル化合物とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチ
レン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、1,
3−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4
−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4
−ドデシルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアント
ラセンなどを挙げることができ、芳香族ビニル化合物系
重合体ブロックは、上記した単量体の1種または2種以
上からなる構造単位を有している。そのなかでも、芳香
族ビニル化合物系重合体ブロックは、スチレンおよび/
またはα−メチルスチレンよりなる構造単位から主とし
てなっているのが好ましい。また、芳香族ビニル化合物
系重合体ブロックは、少量の他の不飽和単量体からなる
構造単位を有していてもよい。
【0012】芳香族ビニル化合物/共役ジエンブロック
共重合体における共役ジエン系重合体ブロックは、イソ
プレン、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,
3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,6−ヘキ
サジエンなどの共役ジエン系化合物の1種または2種以
上から形成された重合体ブロックであり、水素添加した
芳香族ビニル化合物/共役ジエンブロック共重合体で
は、その共役ジエン系重合体ブロックにおける不飽和結
合部分の一部または全部が水素添加により飽和結合にな
っている。そのなかでも、共役ジエン系重合体ブロック
が、1,3−ブタジエン、イソプレンまたはそれらの混
合物からなる重合体ブロックであって、且つ水素添加さ
れているのが好ましい。共役ジエン系重合体ブロック
が、イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックである場
合は、イソプレンに由来する構造単位とブタジエンに由
来する構造単位は、ランダム状、ブロック状、テーパー
状、またはそれらの2種以上の混在するもののいずれの
形態であってもよい。
【0013】イソプレンから誘導される構造単位として
は、具体的には、2−メチル−2−ブテン−1,4−ジ
イル基〔−CH2−C(CH3)=CH−CH2−:1,
4−結合のイソプレン単位〕、イソプロペニルエチレン
基〔−CH{C(CH3)=CH2}−CH2−:3,4
−結合のイソプレン単位〕、1−メチル−1−ビニルエ
チレン基〔−C(CH3)(CH=CH2)−CH2−:
1,2−結合のイソプレン単位〕を挙げることができ
る。1,3−ブタジエンから誘導される単位としては、
具体的には、ビニルエチレン基〔−CH(CH=C
2)−CH2−:1,2−結合のブタジエン単位〕、2
−ブテン−1,4−ジイル基〔−CH2−CH=CH−
CH2−:1,4−結合のブタジエン単位〕を挙げるこ
とができる。こららのなかでも、イソプレンから誘導さ
れる3,4−結合と1,3−ブタジエンから誘導される
1,2−結合の合計量が、共役ジエン系重合体ブロック
を構成する全結合量の0〜80%であるのが好ましい。
また、熱可塑性樹脂(I)として、ポリプロピレン系の
樹脂を用いる場合には、イソプレンから誘導される3,
4−結合と1,3−ブタジエンから誘導される1,2−
結合の合計量が、共役ジエン系重合体ブロックを構成す
る全結合量の50〜80%であるのが好ましい。
【0014】芳香族ビニル化合物/共役ジエンブロック
共重合体およびその水素添加物の分子構造は、直鎖状、
分岐状、放射状、またはそれらの任意の組み合せのいず
れであってもよい。そのなかでも、1個の芳香族ビニル
化合物系重合体ブロックと1個の共役ジエン系重合体ブ
ロックが直鎖状に結合したジブロック共重合体、芳香族
ビニル化合物系重合体ブロック−共役ジエン系重合体ブ
ロック−芳香族ビニル化合物系重合体ブロックの順に3
つの重合体ブロックが直鎖状に結合しているトリブロッ
ク共重合体、およびそれらの水素添加物が、製造の容易
性、入手の容易性、無機充填剤の分散性などの観点から
好ましく用いられる。
【0015】芳香族ビニル化合物/共役ジエンブロック
共重合体およびその水素添加物では、芳香族ビニル化合
物に由来する構造単位の含有量が、ブロック共重合体の
全重量に基づいて5〜75重量%であることが、無機充
填剤の分散性の観点から好ましい。
【0016】芳香族ビニル化合物/共役ジエンブロック
共重合体およびその水素添加物では、芳香族ビニル化合
物系重合体ブロックの数平均分子量が1000〜100
000であり、共役ジエン系重合体ブロックの数平均分
子量が2000〜200000であり、芳香族ビニル化
合物/共役ジエンブロック共重合体全体の数平均分子量
が3000〜500000であることが好ましい。この
範囲の数平均分子量を有する芳香族ビニル化合物/共役
ジエンブロック共重合体を用いると、無機充填剤の分散
性および機械的特性がより優れた熱可塑性樹脂組成物が
得られる。
【0017】芳香族ビニル化合物/共役ジエンブロック
共重合体およびその水素添加物は、その分子末端に水酸
基およびカルボキシル基より選ばれる少なくとも1種の
官能基を有している。無機充填剤の分散性の観点から、
該官能基の含有量は、1分子当たり0.3個以上である
のが好ましく、0.6個以上であるのがより好ましく、
0.75個以上であるのがさらに好ましい。分子末端に
該官能基を全く有していないものは、熱可塑性樹脂と無
機充填剤の相溶性を十分に改善することはできず、機械
的特性などに優れた熱可塑性樹脂組成物は得られない。
【0018】芳香族ビニル化合物/共役ジエンブロック
共重合体およびその水素添加物を得る方法には特に制限
はないが、アニオンリビング重合法を用いると容易に製
造することができる。例えば、n−ブチルリチウム、s
−ブチルリチウム等を重合開始剤に用い、ベンゼン、ト
ルエン等の芳香族炭化水素化合物を溶媒に用いて、30
〜60℃の温度条件下で、芳香族ビニル化合物をアニオ
ン重合することによりリビングポリマーを得、続いて共
役ジエン系化合物をアニオン重合することによりブロッ
ク共重合体を製造することができる。なお、適当量のジ
オキサンまたはテトラハイドロフランの存在下で、イソ
プレンおよび/または1,3−ブタジエンの重合を行う
と、イソプレンに由来する3,4−結合、1,3−ブタ
ジエンに由来する1,2−結合の含有割合が高いものが
得られる。ブロック共重合体の分子末端への官能基の導
入は、例えば、前記のアニオン重合による芳香族ビニル
化合物/共役ジエンブロック共重合体の製造に引き続い
て行うことができる。分子末端に水酸基を導入する方法
としては、例えば、エチレンオキサイドまたはプロピレ
ンオキサイドをブロック共重合体の末端に付加した後、
アルコール類、カルボン酸類、水等の活性水素化合物を
添加して、アニオン重合を停止させる方法が挙げられ
る。また、分子末端にカルボン酸基を導入する方法とし
ては、例えば、炭酸ガスを低温下で吹き込み、アニオン
重合を停止させる方法が挙げられる。芳香族ビニル化合
物/共役ジエンブロック共重合体を水素添加する場合に
は、例えば、常法によりチーグラー触媒等の存在下、水
素反応に供する。
【0019】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記した
熱可塑性樹脂(I)と無機充填剤(II)とからなる混合
物に、芳香族ビニル化合物/共役ジエンブロック共重合
体およびその水素添加物の少なくとも1種(III)を配
合することにより得られる。混合物における熱可塑性樹
脂(I)の配合割合は、40〜98重量部であり、50
〜90重量部であるのが好ましい。混合物における無機
充填剤の配合割合は、60〜2重量部であり、50〜1
0重量部であるのが好ましい。無機充填剤の配合割合が
2重量部未満の場合には、得られる熱可塑性樹脂組成物
の機械的強度や無機充填剤が有する機能の発現性に劣
る。一方、無機充填剤の配合割合が60重量部を超える
場合には、溶融成形性が悪くなる。該ブロック共重合体
(III)の配合割合は、熱可塑性樹脂(I)と無機充填
剤(II)とからなる混合物100重量部に対して0.0
5〜20重量部であり、1〜15重量部であるのが好ま
しい。該ブロック共重合体(III)の配合割合が、20
重量部を超える場合には、得られる熱可塑性樹脂組成物
の耐熱性や伸びなどの特性が劣る。一方、0.05重量
部未満の場合には、無機充填剤(II)が均一に分散され
ず、得られる熱可塑性樹脂組成物は機械的特性などに劣
る。
【0020】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記の化
合物の他に、必要に応じて、顔料、酸化防止剤、熱劣化
防止剤、紫外線吸収剤、加工助剤、滑剤、発泡剤などの
添加剤;MBS樹脂、熱可塑性エラストマーや各種ゴム
のように、熱可塑性樹脂(I)の耐衝撃性をさらに向上
させるような樹脂などを含んでいてもよい。
【0021】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記の熱
可塑性樹脂(I)、無機充填剤(II)、芳香族ビニル化
合物/共役ジエンブロック共重合体およびその水素添加
物の少なくとも1種(III)、および必要に応じて上記
した他の成分を使用して、通常の溶融ブレンドの手法に
より製造することができる。例えば、一軸押出機、二軸
押出機、ブラベンダー、バンバリーミキサー、カレンダ
ーロール等の溶融混練機を用いて溶融混練することがで
きる。また、無機充填剤に予め該ブロック共重合体(II
I)を溶解した溶液を塗布、乾燥した後、該充填剤を熱
可塑性樹脂(I)と溶融混練することにより、一層分散
性の良好な熱可塑性樹脂組成物が得られる。
【0022】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、溶融成形
や加熱加工が可能であり、押出成形、カレンダー成形、
射出成形などの任意の成形方法によってフィルム、シー
ト、成型物等の種々の成形品を円滑に製造することがで
きる。
【0023】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、例えば、
自動車用の内・外装材やインストルメントパネル、バン
パー等の構造材、家電製品のハウジングや各種部品、建
築用資材としてドア、窓などの枠材、床材、壁材、ある
いは各種用途のフィルム、シート、成形材料として有用
である。
【0024】
【実施例】以下に、実施例により本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるもので
はない。なお、下記の実施例および比較例において、曲
げ弾性率、曲げ強度、アイゾッド衝撃強度は、下記の方
法により測定した。
【0025】(曲げ弾性率、曲げ強度)ASTM D7
90に従って測定した。
【0026】(アイゾッド衝撃強度)ASTM D25
6(ノッチ付き)に従って測定した。
【0027】以下の実施例および比較例に用いた各ブロ
ック共重合体の具体的内容、並びに略号を以下に示す。
【0028】水添HVSIS−OH: 末端に水酸基を有する水素添加されたポリスチレンブロ
ック/ポリイソプレンブロック/ポリスチレンブロック
からなるトリブロック共重合体 (内容:2つのポリスチレンブロックの数平均分子量=
7500、ポリイソプレンブロックの数平均分子量=4
2000、トリブロック全体の数平均分子量=5700
0;一方のポリスチレンブロックの末端に水酸基が結
合;トリブロック共重合体における平均水酸基含有量=
0.79個/分子;ポリイソプレンブロックにおける水
添率=89%;水素添加前のトリブロック共重合体にお
けるスチレン単位含有量=26重量%、水素添加前のポ
リソプレンブロックにおける1,4−結合量=25%、
3,4−結合量=75%)
【0029】水添SBIS−OH: 末端に水酸基を有する水素添加されたポリスチレンブロ
ック/1,3−ブタジエンとイソプレン共重合体ブロッ
ク/ポリスチレンブロックからなるトリブロック共重合
体 (内容:2つのポリスチレンブロックの数平均分子量=
6000、1,3−ブタジエンとイソプレン共重合体ブ
ロックの数平均分子量=28000、トリブロック全体
の数平均分子量=40000;一方のポリスチレンブロ
ックの末端に水酸基が結合;トリブロック共重合体にお
ける平均水酸基含有量=0.7個/分子;1,3−ブタ
ジエンとイソプレン共重合体ブロックにおける1,3−
ブタジエン単位とイソプレン単位のモル比=1/1;
1,3−ブタジエンとイソプレン共重合体ブロックにお
ける水添率=95%;水素添加前のトリブロック共重合
体におけるスチレン単位含有量=30重量%、水素添加
前の1,3−ブタジエンとイソプレン共重合体ブロック
中の1,3−ブタジエン単位における1,4−結合量=
40%、1,2−結合量=60%、イソプレン単位にお
ける1,4−結合量=25%、3,4−結合量=75
%)
【0030】水添EPS−OH: 末端に水酸基を有する水素添加されたポリスチレンブロ
ック/ポリイソプレンブロックからなるジブロック共重
合体 (内容:ポリスチレンブロックの数平均分子量=130
00、ポリイソプレンブロックの数平均分子量=350
00、ジブロック全体の数平均分子量=48000;ポ
リスチレンブロックの末端に水酸基が結合;ジブロック
共重合体における平均水酸基含有量=0.7個/分子;
ポリイソプレンブロックにおける水添率=89%;水素
添加前のジブロック共重合体におけるスチレン単位含有
量=27重量%、水素添加前のポリソプレンブロックに
おける1,4−結合量=30%、3,4−結合量=70
%)
【0031】水添EPS−COOH: 末端にカルボキシル基を有する水素添加されたポリスチ
レンブロック/ポリイソプレンブロックからなるジブロ
ック共重合体 (内容:ポリスチレンブロックの数平均分子量=140
00、ポリイソプレンブロックの数平均分子量=330
00、ジブロック全体の数平均分子量=47000;ポ
リスチレンブロックの末端にカルボキシル基が結合;ジ
ブロック共重合体における平均カルボキシル基含有量=
0.75個/分子;ポリイソプレンブロックにおける水
添率=87%;水素添加前のジブロック共重合体におけ
るスチレン単位含有量=30重量%、水素添加前のポリ
ソプレンブロックにおける1,4−結合量=30%、
3,4−結合量=70%)
【0032】SEPS−COOH: 末端にカルボキシル基を有するポリスチレンブロック/
ポリイソプレンブロック/ポリスチレンブロックからな
るトリブロック共重合体 (内容:2つのポリスチレンブロックの数平均分子量=
5500、ポリイソプレンブロックの数平均分子量=3
5000、トリブロック全体の数平均分子量=4600
0、一方のポリスチレンブロックの末端にカルボキシル
基が結合;トリブロック共重合体における平均カルボキ
シル基含有量=0.75個/分子;トリブロック共重合
体におけるスチレン単位含有量=24重量%、ポリソプ
レンブロックにおける1,4−結合量=20%、3,4
−結合量=80%)
【0033】水添HVSIS 水素添加されたポリスチレンブロック/ポリイソプレン
ブロック/ポリスチレンブロックからなるトリブロック
共重合体 (内容:2つのポリスチレンブロックの数平均分子量=
7500、ポリイソプレンブロックの数平均分子量=4
2000、トリブロック全体の数平均分子量=5700
0;ポリイソプレンブロックにおける水添率=88%;
水素添加前のトリブロック共重合体におけるスチレン単
位含有量=26重量%、水素添加前のポリソプレンブロ
ックにおける1,4−結合量=25%、3,4−結合量
=75%)
【0034】水添EPS 水素添加されたポリスチレンブロック/ポリイソプレン
ブロックからなるジブロック共重合体 (内容:ポリスチレンブロックの数平均分子量=130
00、ポリイソプレンブロックの数平均分子量=350
00、ジブロック全体の数平均分子量=48000;ポ
リイソプレンブロックにおける水添率=89%;水素添
加前のジブロック共重合体におけるスチレン単位含有量
=27重量%、水素添加前のポリソプレンブロックにお
ける1,4−結合量=30%、3,4−結合量=70
%)
【0035】実施例1〜7 ポリプロピレン樹脂(三菱化学(株)製「Noblen
MA−4」)、平均粒子径0.77μmの炭酸カルシ
ウム(日東粉化工業(株)製「ニトレックス90」)お
よびブロック共重合体を、下記の表1に示す割合で配合
し、二軸押出機を用いて溶融押出しした後、熱プレスに
より試験片を作製し、各種物性の評価を行った。得られ
た結果を下記の表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】比較例1〜3 ポリプロピレン樹脂(三菱化学(株)製「Noblen
MA−4」)、平均粒子径0.77μmの炭酸カルシ
ウム(日東粉化工業(株)製「ニトレックス90」)お
よびブロック共重合体を、下記の表2に示す割合で配合
し、二軸押出機を用いて溶融押出しした後、熱プレスに
より試験片を作製し、各種物性の評価を行った。得られ
た結果を下記の表2に示す。
【0038】比較例4 ポリプロピレン樹脂(三菱化学(株)製「Noblen
MA−4」)および平均粒子径0.77μmの炭酸カ
ルシウム(日東粉化工業(株)製「ニトレックス9
0」)を下記の表2に示す割合で配合し、二軸押出機を
用いて溶融押出しした後、熱プレスにより試験片を作製
し、各種物性の評価を行った。得られた結果を下記の表
2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、曲げ弾
性率、曲げ強度、アイゾッド衝撃強度などの機械的特性
が特に優れ、かつ無機充填剤の有する機能を効率よく発
現させるので、家電製品、自動車用部品、建築資材、家
庭用品、工業材料などの各種成形材料として好適に使用
することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂(I)40〜98重量部と
    無機充填剤(II)60〜2重量部とからなる混合物10
    0重量部に対して、芳香族ビニル化合物系重合体ブロッ
    クと共役ジエン系重合体ブロックからなり、且つ末端に
    水酸基およびカルボキシル基の少なくとも1種を有する
    ブロック共重合体、並びに該ブロック共重合体の水素添
    加物の少なくとも1種(III)を0.05〜20重量部
    配合してなる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂(I)が、スチレン系樹脂
    およびオレフィン系樹脂より選ばれる少なくとも1種で
    ある請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の熱可塑性
    樹脂組成物からなる成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007056145A (ja) * 2005-08-25 2007-03-08 Asahi Kasei Chemicals Corp 熱可塑性樹脂組成物

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