JPH10175857A - 創傷治療剤 - Google Patents

創傷治療剤

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JPH10175857A
JPH10175857A JP33983996A JP33983996A JPH10175857A JP H10175857 A JPH10175857 A JP H10175857A JP 33983996 A JP33983996 A JP 33983996A JP 33983996 A JP33983996 A JP 33983996A JP H10175857 A JPH10175857 A JP H10175857A
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chitin
chitosan
wound healing
arginine
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JP33983996A
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Kazuo Niimura
和夫 新村
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1発明は、グルタミンやアルギニンの創傷
部位における治癒促進作用を発揮させた、より高い創傷
治療効果をもつ創傷治療剤を提供する。第2発明は、更
に、グルタミンやアルギニンの創傷部位における治癒促
進作用を発揮させると共に、キチン、キトサン又はこれ
らの誘導体の創傷治癒効果をより発揮させた、より一層
高い創傷治療効果をもつ創傷治療剤を提供する。 【解決手段】 グルタミン、アルギニン及びこれらの誘
導体から選ばれる少なくとも一種を含有するゲル化炭化
水素(例、プラスチベース(商品名):大正製薬社製)
からなる軟膏剤であることを特徴とする創傷治療剤、及
び、更に、キチン、キトサン又はこれらの誘導体を含有
する上記の創傷治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は創傷治療剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、皮膚潰瘍や褥創の治療におい
ては、壊死組織を除去し、抗菌剤により細菌の増殖を抑
制しつつ患者の自然治癒力により、肉芽の形成、表皮の
再生を期待する方法が主であった。すなわち、抗生物質
含有軟膏を多くの場合使用し、細菌などの増殖を抑制し
つつ患者自身のもつ自然治癒力により、肉芽の形成、表
皮の再生を待つ方法を取ってきた。
【0003】しかしながら、近年になって、創傷治癒に
関する基礎的研究の進歩と共に、肉芽形成や表皮形成を
積極的に促進する薬剤や治療法が望まれるようになり、
肉芽形成や表皮再生を促進する物質が臨床に応用される
ようになってきた。このような物質として、例えば、キ
チン、キトサンが創傷治癒効果を有することが知られて
おり、創傷被膜材として注目されている。
【0004】また、各種の特殊栄養成分やその投与経
路、蛋白同化ホルモンの投与などの積極的な栄養管理が
創傷治癒を促進させることが明らかにされてきた。これ
らの栄養成分としては、グルタミン、アルギニン、ビタ
ミンなどが挙げられる(深柄和彦、斉藤英昭;別冊・医
学のあゆみ、ベッドサイド管理シリーズ、創傷・炎症・
疼痛管理のてびき、39〜44頁、1996年)。
【0005】グルタミンは体内に最も豊富に存在するア
ミノ酸であり、かつ体内で合成される非必須アミノ酸で
あるため、栄養管理に際して以前には補充投与の必要性
が認識されたことがなく、現在まで市販されてきたどの
静注用アミノ酸液にも含まれてはいない。しかし、侵襲
時には腸管粘膜の主なエネルギー源とされるグルタミン
投与の意義が検討されるようになってきている(望月英
隆、吉村一克;医学のあゆみ、Vol.173,No.
5,387〜390頁,1995年)。
【0006】アルギニンは尿素サイクルにかかわる重要
なアミノ酸として知られているが、その他、免疫増強作
用、ホルモン分泌促進、近年では種々の生理活性をもつ
NO生成への関与など、数多くの薬理学的作用が注目さ
れている。アルギニンはアルギナーゼによりプロリンの
前駆体オルニチンに変換され、プロリンはコラーゲンの
合成に必要であるのでコラーゲン合成を促進する。ラッ
ト飲料水中に1%のアルギニンを添加することにより、
コラーゲン、ヒドロキシプロリンの創傷部への集積増
加、抗張力の増大などが報告されている(Seifte
r.E et al.:Surgery.84:224
−230,1978)。
【0007】キチンとは、N−アセチルグルコサミンの
β−1,4−結合からなるポリマーであり、キトサンは
キチンの脱アセチル化物である。キチンはエビやカニな
どの甲殻類のクチクラに多く含まれるため、一般にこれ
らを原料として分離される。キトサンは一般的に甲殻類
由来のキチンを熱濃アルカリ中で脱アセチル化すること
により調製される。キチン及びキトサンは、アシル化、
トシル化、アルキル化、カルボキシル化、硫酸化などの
種々の化学修飾を行うことができ、多様な誘導体が知ら
れている。
【0008】キチン、キトサンは様々な化学および生物
活性をもち、食品分野、医用材料分野、化粧品分野、農
業分野など多様な範囲にわたって用いられている。特に
医用材料分野では、近年、キチン、キトサンにおいても
創傷治癒効果を有することが知られるようになり、創傷
被膜材料として注目されている。これら創傷被膜材とし
ては、キチン、キトサンを他の高分子や不織布と共にフ
ィルム状やスポンジ状に成形したものなどが用いられて
いる(「キチン、キトサンハンドブック:キチン、キト
サン研究会編、技報堂出版、1995年;キチン、キト
サンの創傷治療への応用:重政好弘、南三郎、化学工
業、6月号、463〜468頁、1994年」)。
【0009】また、キチンを粉末化し、創傷治癒剤とし
て使おうとする提案(米国特許、3632754号)も
されている。同様に、キチンおよびキトサンを懸濁液
状、綿状、スポンジ状、粉末状またはポリエステル不織
布との複合体などに加工し、創面に投与または被膜する
ことにより、発赤、熱感、疼通などの副作用がなく、鎮
痛効果、良好な肉芽組織の増生と、キチンについては上
皮形成、キトサンについては化膿防止にすぐれ、瘢痕形
成の見られない皮膚再生を伴う創傷治癒が報告されてい
る(Okamoto,Y et al.J.Vet.M
ed.Sci.,Vol.55,p743,199
3)。
【0010】キチン、キトサンを含有する軟膏剤につい
ては、熱可塑性ゴムまたは熱可塑性樹脂の基剤中にキト
サンを混合し、クリーム状、軟膏状とする塗布剤が提案
されている(特開昭62−221357号公報)。ま
た、軟膏組成物の製造方法として、ワセリン、グリコー
ル類などにキチン微粉末を分散させ、クリーム状の使用
感良好な軟膏を作製し、創傷部に塗布することが提案さ
れている(特公平7−53660号公報)。
【0011】一方、外用剤として用いられる軟膏基剤に
は、油脂性軟膏基剤、乳剤性軟膏基剤、水溶性軟膏基
剤、ローション剤基剤などがある。これらのうち、油脂
性軟膏基剤の特徴として、皮膚の保護作用、角層の柔軟
作用、痂皮の軟化・脱落作用、肉芽形成作用、刺激性が
低いことなどが挙げられる。油脂性軟膏基剤のひとつで
あるゲル化炭化水素基剤は、白色ワセリンの温度に対す
る不安定さを補う目的で作られた軟膏基剤である。ゲル
化炭化水素基剤は温度変化に安定であり、また配合剤と
無反応性であるため、粉末剤から液状剤にいたるまで広
く配合可能な基剤である(川島真、臨床と薬物治療、第
11巻、第4号、416〜419頁、1992年)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、創傷を
受けた生体にとっては全身の管理としての栄養管理が重
要であり、創傷体回復のために適切な栄養投与として、
グルタミンやアルギニンの投与が行われている。輸液療
法によるアルギニン投与などの他に、創傷部位において
もグルタミンやアルギニンが創部においてコラーゲン合
成を高めることが考えられ、創傷部位に投与する適切な
外用療法が望まれている。
【0013】一方、創傷部位における肉芽形成や表皮再
生を促進する治療剤として、キチン、キトサンが創傷治
療用の被膜材として臨床応用されており、不織布状、ス
ポンジ状の創傷被膜材などが用いられている。しかしな
がら、キチン、キトサンのこれらの治療剤は、平坦で浅
い創面に対しては密着性がある程度は確保されるが、創
傷部の動きなどに伴い、密着性、被膜性が低下する。ま
た、創面の深い創傷や凹凸のある創面に対しては十分な
密着性を得ることはできず、キチン、キトサンのもつ創
傷治癒効果が十分に発揮されない。一方、粉末状のキチ
ン、キトサンにおいては、凹凸のある創面にも比較的投
与し易いが、創面において粒子の凝集などが起こり、均
一な投与が難しい。懸濁液では創部の浸出液により液剤
が拡散し、十分な効果が期待できない。また、粉末や懸
濁液では創部の被膜性が低く、創部の保護が十分ではな
い。
【0014】また、キチン、キトサンの軟膏剤について
は、従来から提案されているが、軟膏剤としての創傷治
癒効果の面から、臨床上有用な基剤の選択や基剤との配
合については何ら見出されておらず、キチン、キトサン
の創傷治癒効果は臨床応用において十分に発揮されてい
ないのが現状である。また、ゲル化炭化水素からなる軟
膏剤は肉芽形成作用などの創傷治癒効果を有しているも
のの、重篤な創傷に対する効果は十分に強くないという
問題点がある。
【0015】本発明は上記問題点を解決するものであ
り、請求項1記載の発明(以下、本発明1という)の目
的は、グルタミンやアルギニンの創傷部位における治癒
促進作用を発揮させた、より高い創傷治療効果をもつ創
傷治療剤を提供することにある。また、請求項2記載の
発明(以下、本発明2という)の目的は、グルタミンや
アルギニンの創傷部位における治癒促進作用を発揮させ
ると共に、キチン、キトサン又はこれらの誘導体の創傷
治癒効果をより発揮させた、より一層高い創傷治療効果
をもつ創傷治療剤を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明1の創傷治療剤
は、グルタミン、アルギニン及びこれらの誘導体から選
ばれる少なくとも一種を含有するゲル化炭化水素からな
る軟膏剤であることを特徴とする。
【0017】以下、本発明1について説明する。
【0018】本発明1で用いられるグルタミン、アルギ
ニンは、特に、限定されず、市販のいずれも使用可能で
ある。また、これらの誘導体としては、例えば、酸化物
(例、グルタミン酸)、リン酸化物(例、ホスホアルギ
ニン、グルタミルリン酸など)、水酸化物などが挙げら
れる。
【0019】本発明1で用いられるゲル化炭化水素は、
従来から軟膏剤に使用されてきたいずれのゲル化炭化水
素も使用可能であり、例えば、プラスチベース(商品
名、大正製薬社製)、親水性プラスチベース(商品名、
大正製薬社製)などが挙げられる。上記プラスチベース
について、詳しく説明すると、流動パラフィンにポリエ
チレン樹脂を5〜10重量%の割合で加えてゲル化した
ゲル化炭化水素である。
【0020】本発明1の創傷治療剤中の、グルタミン、
アルギニン及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも
一種の含有量は、小さくなるとグルタミン、アルギニン
及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種の有す
る創傷治癒促進作用が十分に発揮され難くなり、大きく
なると本治療剤の有する皮膜効果が十分に発揮され難く
なるので、0.001〜60重量%が好ましく、0.0
1〜30重量%が更に好ましい。
【0021】本発明1の創傷治療剤の投与量は、使用目
的、症状などにより適宜選択されるが、通常は1日当り
10ng/kg〜10g/kg程度の範囲である。また
上記創傷治療剤を1〜4回/日に分けて投与することも
もちろん差し支えない。
【0022】本発明2の創傷治療剤は、更に、キチン、
キトサン又はこれらの誘導体を含有する請求項1記載の
創傷治療剤である。
【0023】以下、本発明2について説明する。
【0024】本発明2で用いられるキチン、キトサン又
はこれらの誘導体は、特に、限定されず、市販のいずれ
も使用可能である。上記、キチン又はキトサンの誘導体
としては、キチン又はキトサンに、アシル化、トシル
化、アルキル化、カルボキシル化、硫酸化などの種々の
化学修飾がなされた誘導体が挙げられる。
【0025】本発明2の創傷治療剤中の、キチン、キト
サン又はこれらの誘導体の含有量は、小さくなるとキチ
ン、キトサン又はこれらの誘導体の有する創傷治癒効果
が十分に発揮され難くなり、大きくなると本治療剤の有
する皮膜効果が十分に発揮され難くなるので、0.00
1〜60重量%が好ましく、0.01〜30重量%が更
に好ましい。
【0026】本発明2の創傷治療剤の投与量は、使用目
的、症状などにより適宜選択されるが、通常は1日当り
10ng/kg〜10g/kg程度の範囲である。また
上記創傷治療剤を1〜4回/日に分けて投与することも
もちろん差し支えない。
【0027】
【作用】前述のように、グルタミン、アルギニン及びこ
れらの誘導体は創傷治癒促進作用をもつが、被膜剤など
として創傷部位に直接投与することは行われていなかっ
た。また、ゲル化炭化水素からなる軟膏剤は、創傷治癒
効果や創傷保護作用などをもつ。本発明1の創傷治癒剤
は、グルタミン、アルギニン及びこれらの誘導体のもつ
創傷治癒促進作用を、創傷部位に直接作用させると共
に、ゲル化炭化水素からなる軟膏剤とすることにより、
ゲル化炭化水素のもつ創傷治癒効果や創傷保護作用など
と、相乗されて高い創傷治療効果を有する。
【0028】本発明2の創傷治癒剤は、グルタミン、ア
ルギニン及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも一
種のもつ創傷治癒促進作用と、ゲル化炭化水素のもつ創
傷治癒効果や創傷保護作用などが相乗されて高い創傷治
療効果を有すると共に、グルタミン、アルギニン及びこ
れらの誘導体から選ばれる少なくとも一種がキチン、キ
トサン又はこれらの誘導体と共に、軟膏剤中に存在する
ことにより、キチン、キトサン又はこれらの誘導体のも
つ創傷治癒効果が、さらに相乗されて、著しく高い創傷
治療効果を有する。
【0029】また、本発明1又は本発明2において、軟
膏剤中のゲル化炭化水素の役割としては、更に、創面を
柔軟に被覆し、創傷が治癒し易い環境を維持し、細菌な
どの感染を防御すると共に、被膜性に優れ、創面に塗布
し易いという利点を付与する。また、ゲル化炭化水素
は、軟膏剤とすると、単独でも肉芽形成促進作用を示
し、また、温度変化に対する安定性も付与する。
【0030】
【発明の実施の形態】
(実施例1)L−アルギニン粉末(ナカライテスク社
製)0.5重量部を、プラスチベース(大正製薬社製)
99.5重量部に十分に分散、混入するまで、乳鉢上で
混練して軟膏剤を得た。
【0031】(実施例2)L−グルタミン粉末(ナカラ
イテスク社製)0.5重量部を、プラスチベース(大正
製薬社製)99.5重量部に十分に分散、混入するま
で、乳鉢上で混練して軟膏剤を得た。
【0032】(実施例3)L−グルタミン酸粉末(ナカ
ライテスク社製)0.5重量部を、プラスチベース(大
正製薬社製)99.5重量部に十分に分散、混入するま
で、乳鉢上で混練して軟膏剤を得た。
【0033】(実施例4)キチン粉末(生化学工業社
製)1重量部を乳鉢で微粉末にした後、L−アルギニン
(ナカライテスク社製)量が0.5重量部となるよう
に、L−アルギニン(ナカライテスク社製)水溶液を添
加し凍結乾燥を行ったものを、プラスチベース(大正製
薬社製)98.5重量部と共に、乳鉢に供給し、十分に
分散、混入するまで混練して軟膏剤を得た。
【0034】(実施例5)キトサン粉末(生化学工業社
製)1重量部を乳鉢で微粉末にした後、L−アルギニン
(ナカライテスク社製)量が0.5重量部となるよう
に、L−アルギニン(ナカライテスク社製)水溶液を添
加し凍結乾燥を行ったものを、プラスチベース(大正製
薬社製)98.5重量部と共に、乳鉢に供給し、十分に
分散、混入するまで混練して軟膏剤を得た。
【0035】(比較例1)プラスチベース(大正製薬社
製)のみからなる軟膏剤を得た。
【0036】(比較例2)L−アルギニン粉末(ナカラ
イテスク社製)を生理食塩水に溶解させ、0.5重量%
のL−アルギニン含有生理食塩水を得た。
【0037】(比較例3)L−グルタミン粉末(ナカラ
イテスク社製)を生理食塩水に溶解させ、0.5重量%
のL−グルタミン含有生理食塩水を得た。
【0038】薬理試験 試験例1 糖尿病マウス皮膚欠損モデルに対する作用 実施例1〜5、比較例1〜3の創傷治療剤の創傷治癒促
進効果を以下のようにして試験した。
【0039】6週令雌性糖尿病マウス(db/db)を
日本クレア社から購入し、15日間予備飼育した後、体
重24〜42gのマウスを実験に供した。バリカンとシ
ェーバーを用いてマウス背部皮膚を刈毛した。5日後、
エーテル麻酔下で背部正中線を中心に肩甲部にまたがる
直径16mmの欠損部を眼科用ハサミを用いて作成し
た。実施例1〜5、比較例1については供試軟膏剤25
mgを創面(2cm2 )に塗布した。比較例2、3につ
いては供試水溶液25μlを創面(2cm2 )に投与し
た。この後、それぞれ、創面を上からポリウレタンフィ
ルム材(ジョンソン社製、商品名 バイオクルーシブ)
で覆った。投与は、欠損作成日を0日目として、0、
2、5、7、9日目に1日1回ずつ行った。創傷治癒効
果は、ノギスを用いて欠損部の短径、長径を測定し、欠
損部を楕円とみなして欠損部の面積(短径×長径×3.
14÷4)を求め、初期(0日目)の欠損部面積に対す
る、測定日の欠損部面積の割合(これを、面積率とい
う)を求めることにより評価した。
【0040】コントロールとしては、薬剤の投与をしな
いことの他は上記操作と同様に行った。
【0041】本試験はそれぞれ5頭のマウスを用いて行
い、欠損部面積はこれらのマウスについて得られた欠損
部面積の平均値を取った。この試験の欠損作成12日目
の面積率を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1から判るように、本発明1の創傷治療
剤(実施例1〜3)は、プラスチベースのみからなる軟
膏剤単独;アルギニン液剤;グルタミン液剤などの従来
から知られている創傷治療剤に比べて高い創傷治癒効果
を示すことが示された。また、本発明2の創傷治療剤
(実施例4、5)は、本発明1の創傷治療剤よりもより
一層高い創傷治癒効果を示すことが示された。
【0044】
【発明の効果】本発明1の創傷治療剤の構成は、上記の
通りであり、グルタミン、アルギニン、これらの誘導体
の創傷治癒促進作用をより発揮させた、高い創傷治療効
果をもつ創傷治療剤を提供することができる。
【0045】本発明2の創傷治療剤の構成は、上記の通
りであり、グルタミンやアルギニンの創傷部位における
治癒促進作用を発揮させると共に、キチン、キトサン又
はこれらの誘導体の創傷治癒効果をより発揮させた、よ
り一層高い創傷治療効果をもつ創傷治療剤を提供するこ
とができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グルタミン、アルギニン及びこれらの誘
    導体から選ばれる少なくとも一種を含有するゲル化炭化
    水素からなる軟膏剤であることを特徴とする創傷治療
    剤。
  2. 【請求項2】 更に、キチン、キトサン又はこれらの誘
    導体を含有する請求項1記載の創傷治療剤。
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