JPH10175821A - 液体化粧料組成物の製造方法 - Google Patents

液体化粧料組成物の製造方法

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JPH10175821A
JPH10175821A JP35407696A JP35407696A JPH10175821A JP H10175821 A JPH10175821 A JP H10175821A JP 35407696 A JP35407696 A JP 35407696A JP 35407696 A JP35407696 A JP 35407696A JP H10175821 A JPH10175821 A JP H10175821A
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JP
Japan
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water
clay mineral
swellable clay
cosmetic composition
liquid cosmetic
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JP35407696A
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English (en)
Inventor
Ryoji Yasue
良司 安江
Susumu Sakurai
進 桜井
Taku Akamatsu
卓 赤松
Kazuo Nagaai
一雄 永合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 水膨潤性粘土鉱物と電解質物質と水性溶
液とを混合して液体化粧料組成物を製造するに際し、上
記各成分からなる系を、強剪断力を付加した状態で混合
して、水膨潤性粘土鉱物を水性溶液中に分散させること
を特徴とする液体化粧料組成物の製造方法。 【効果】 本発明によれば、水膨潤性粘土鉱物の分散安
定性に優れた液体化粧料組成物を得ることができ、種々
の条件下においても良好な分散状態を維持し得、様々な
配合組成で水膨潤性粘土鉱物の分散安定性に優れた液体
化粧料組成物を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水膨潤性粘土鉱物
を配合した液体化粧料組成物の製造方法に関し、更に詳
述すると、使用感に優れていると共に、種々の条件下に
おいても水膨潤性粘土鉱物の良好な分散安定性を有し、
液状洗顔剤,ボディーシャンプーなどの皮膚用洗浄剤や
ボディーリンスなどの皮膚用の化粧料及びシャンプー,
ヘアリンス,ヘアトリートメント等の毛髪用の化粧料と
して好適に使用される液体化粧料組成物の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
粘土鉱物は吸着性、結合性、懸濁性、膨潤性、被膜形成
性、増粘性などの性質を有することから、これらの性質
を利用して皮膚用及び毛髪用の化粧料に配合されてき
た。粘土鉱物を配合した場合、該化粧料は、(1)べと
つきがなく、なめらかでさわやかな感触を有する、
(2)皮膚表面で伸びが良く、被膜を形成して接着す
る、(3)増粘する、(4)エマルジョンやサスペンジ
ョンの安定性が向上する、(5)ローションやシャンプ
ーのクレンジング性能が向上する、(6)水や石鹸によ
る洗い落とし性が改善するなどの性質が付与されること
が知られている。即ち、粘土鉱物を配合することによ
り、化粧料の液性が変化すると共に、その使用後の質
感、仕上がり感を向上することができるものである。
【0003】更に、水膨潤性粘土鉱物は、化粧料に上記
のような好ましい使用感を付与すると共に、高分子系増
粘剤と同等の増粘効果を示し、安価で、しかも化粧料を
容器から取り出す際の液切れをよくするなどの利点を有
している。
【0004】以上のような効果から、水膨潤性粘土鉱物
は従来よりファンデーション,パック剤,クリーム,石
鹸やペースト状洗顔剤などの皮膚用の化粧料及びシャン
プー,ヘアリンス,ヘアコンディショナー、ヘアトリー
トメント等の毛髪用の化粧料に用いられてきた。特に、
水膨潤性粘土鉱物は皮膚洗浄剤や上記毛髪用化粧料のよ
うな洗い流してしまうものに配合した場合においても、
すすぎ時にぬるつきがなく、肌には洗い上がりにすべす
べした感触を与え、毛髪にはなめらかで、且つうるおい
のあるしっとりとした仕上がり感を与えるという利点を
有している。
【0005】しかしながら、水膨潤性粘土鉱物を上記の
ような皮膚用及び毛髪用の化粧料の水性溶液中に分散配
合しようとすると、多くの場合、電解質物質が共存する
ことにより、配合した粘土鉱物が凝集を起こしやすくな
り、分散安定性が低下する傾向がある。また、水膨潤性
粘土鉱物を多量に配合した場合には、粘度が上昇して液
性が悪くなるという難点があり、分散性、液性に優れた
水膨潤性粘土鉱物の液体化粧料組成物は従来知られてい
なかった。更に、天然産出の粒子を用いた場合には、分
散安定性が変動したりするので使用が限定されているも
のであった。
【0006】従って、電解質物質共存下でも、添加され
た水膨潤性粘土鉱物が種々の条件下で良好な分散安定性
を維持し得る液体化粧料組成物を得ることは、これまで
困難であった。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、使用感に優れ、種々の条件下においても良好な分散
状態を維持し得る、水膨潤性粘土鉱物を配合した液体化
粧料組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った
結果、水膨潤性粘土鉱物及び電解質物質を必須成分とす
る液体化粧料組成物を製造する際に、電解質物質が共存
するために生じた水膨潤性粘土鉱物の凝集物を強い剪断
力によって剪断して、水膨潤性粘土鉱物を水性溶液中に
再分散させることにより、水膨潤性粘土鉱物の水性溶液
中における分散安定性が顕著に向上し、これにより水膨
潤性粘土鉱物の配合効果が有効的に発揮され、使用感等
に優れた皮膚用、毛髪用の液体化粧料組成物が得られる
ことを見い出し、本発明をなすに至った。
【0009】即ち、本発明は、水膨潤性粘土鉱物と電解
質物質と水性溶液とを混合して液体化粧料組成物を製造
するに際し、上記各成分からなる系を、強剪断力を付加
した状態で混合して、水膨潤性粘土鉱物を水性溶液中に
分散させることを特徴とする液体化粧料組成物の製造方
法を提供する。ここで、上記系を強剪断力を付加した状
態で混合する際に、系の温度を経時的に下げていくと、
より好適である。
【0010】以下、本発明を更に詳細に説明すると、本
発明の液体化粧料組成物の製造方法は、水膨潤性粘土鉱
物、電解質物質、水性溶液を用いるものである。
【0011】ここで、水膨潤性粘土鉱物としては、天然
又は合成されたモンモリロナイト、バイデライト、ノン
トロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイ
ト、スチブンサイトなどのスメクタイト及び膨潤性の雲
母などがあり、これらは一種単独で又は二種以上を適宜
組み合わせて用いられる。これらの粘土鉱物は層間に水
分子と交換性のイオンを含有しており、有機複合体を形
成したり膨潤能を有するなど、他の粘土鉱物とは異なっ
た性質を示す。更に、本発明においては、上記粘土鉱物
のイオン交換反応を行い、高金属イオン置換粘土鉱物と
して用いることもできる。このものは増粘効果を一層高
めるのに適している。
【0012】上記粘土鉱物としては、特に、動的光散乱
法により測定した平均粒径が10〜5000nm、電気
泳動光散乱法により測定したζ電位の絶対値が30mV
以上のものを用いることが好ましい。
【0013】上記粘土鉱物の平均粒径が小さすぎると液
体化粧料組成物を増粘するのに多量の粘土鉱物が必要と
なる場合があり、一方、平均粒径が大きすぎると安定し
た分散状態が得られない場合があるため、増粘効果、分
散安定性の点から好ましい平均粒径は200〜2000
nmの範囲である。
【0014】また、ζ電位の絶対値が30mV未満では
粘土粒子が凝縮しやすくなり、組成物中で凝集物の沈降
が生じたりして分散安定性が低下するおそれがある。
【0015】これらの水膨潤性粘土鉱物の配合量は組成
物全体に対して好ましくは0.01〜5%(重量%、以
下同様)、より好ましくは0.1〜2%程度である。配
合量が少なすぎると使用感の向上や粘度の向上が認めら
れない場合があり、多すぎるとチキソトロピーが出て、
液体化粧料組成物としての取り扱いが困難になる場合が
ある。
【0016】本発明の液体化粧料組成物において、電解
質物質としては、皮膚用及び毛髪用の化粧料に使用され
る物質であって、水などの溶媒に溶かした溶液がイオン
伝導性を示す物質が挙げられ、具体的には、例えばカル
ボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、アルキルリ
ン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、塩化ステア
リルジメチルベンジルアンモニウム,塩化ステアリルト
リメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤、カラ
ギーナン,キサンタンガム,アルギン酸ナトリウム,ア
ルギン酸カリウム,アルギン酸プロピレングリコール,
ヒアルロン酸等の天然の水溶性アニオン性高分子物質,
カルボキシビニルポリマー,ポリアクリル酸・マレイン
酸共重合体,マレイン酸・ジイソブチレン共重合体,メ
タアクリル酸・アクリル酸エステル共重合体等の合成の
水溶性アニオン性高分子物質、ポリコートNH(ヘンケ
ル社製)、マーコート550(メルク社製)、ガフカッ
ト755(GAF社製)等の水溶性カチオン性高分子物
質等の有機酸塩などを挙げることができ、これらは一種
単独で又は二種以上を適宜組み合わせて用いられる。こ
こで、上記アニオン性界面活性剤及びメタアクリル酸・
アクリル酸エステル共重合体をより具体的に説明する
と、カルボン酸塩としては、C12〜C18の飽和及び不飽
和脂肪酸のほか、これらの混合物であるヤシ油脂肪酸、
硬化ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、硬化パーム油脂肪
酸、牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸などのカリウム塩、ナ
トリウム塩、トリエタノールアミン塩、アンモニウム塩
などの脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカルボン酸塩、N
−アシルサルコシン塩、N−アシルグルタミン酸塩など
が挙げられ、例えばラウリン酸カリウム、ラウリン酸ナ
トリウム、ミリスチン酸トリエタノールアミンナトリウ
ム、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ミリス
トイルサルコシンカリウム、N−ラウロイルグルタミン
酸ナトリウム、N−ラウロイルメチル−β−アラニンナ
トリウムなどがある。
【0017】スルホン酸塩としては、N−アシルアミノ
スルホン酸塩、ポリオキシエチレンスルホコハク酸塩な
どが挙げられ、N−ココイルメチルタウリンナトリウ
ム、N−ラウロイルメチルタウリンナトリウム、N−ミ
リストイルメチルタウリントリエタノールアミン、N−
パルミトイルメチルタウリンナトリウム、ポリオキシエ
チレンアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどがある。
硫酸エステル塩としては、高級アルキル硫酸塩、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル硫酸塩などがある。アル
キルリン酸エステル塩としては、モノラウリルリン酸ト
リエタノールアミン、ラウリルリン酸ナトリウム、モノ
ミリスチルリン酸トリエタノールアミン、ジミリスチル
リン酸トリエタノールアミンなどがある。また、メタク
リル酸・アクリル酸エステル共重合体としては、例えば
メタクリル酸・アクリル酸メチル共重合体、メタクリル
酸・アクリル酸エチル共重合体、メタクリル酸・アクリ
ル酸プロピル共重合体、メタクリル酸・アクリル酸ブチ
ル共重合体、メタクリル酸・アクリル酸メチル・アクリ
ル酸エチル共重合体、メタクリル酸・アクリル酸メチル
・アクリル酸プロピル共重合体、メタクリル酸・アクリ
ル酸メチル・アクリル酸ブチル共重合体、メタクリル酸
・アクリル酸エチル・アクリル酸プロピル共重合体、メ
タクリル酸・アクリル酸エチル・アクリル酸ブチル共重
合体、メタクリル酸・アクリル酸プロピル・アクリル酸
ブチル共重合体、メタクリル酸・アクリル酸メチル・ア
クリル酸エチル・アクリル酸プロピル共重合体、メタク
リル酸・アクリル酸メチル・アクリル酸エチル・アクリ
ル酸ブチル共重合体、メタクリル酸・アクリル酸メチル
・アクリル酸プロピル・アクリル酸ブチル共重合体、メ
タクリル酸・アクリル酸メチル・アクリル酸プロピル・
アクリル酸ブチル共重合体、メタクリル酸・アクリル酸
メチル・アクリル酸エチル・アクリル酸プロピル・アク
リル酸ブチル共重合体などが挙げられる。
【0018】なお、上記水膨潤性粘土鉱物、特に天然か
ら採取したものには、カルサイト、トリジマイト、クリ
ストバライト、石英、各種無機物などの非膨潤性の夾雑
物が含まれており、これらが溶解して電解質物質を放出
する場合もある。
【0019】上記電解質物質の配合量は、特に制限され
るものではなく、その種類、用途等により適宜選定され
るものであり、通常組成物全体に対して1〜30%程度
配合されている。配合量が少なすぎると電解質物質配合
の効果が十分に得られない場合があり、多すぎると製品
の安定性が悪くなる場合がある。
【0020】また、上記水膨潤性粘土鉱物に対する比率
も、適宜選定されるが、本発明の場合、上記水膨潤性粘
土鉱物に対して電解質物質が1:1〜1:100、より
好ましくは1:2〜1:85程度の場合に効果的であ
る。上記範囲以外では、もともと水膨潤性粘土鉱物の凝
集率が低く、本発明の効果が十分に発揮されない場合が
ある。
【0021】また、水性溶液としては、水又は水に本発
明の目的を損なわない範囲で従来皮膚用及び毛髪用の化
粧料に慣用されている上記水膨潤性粘土鉱物及び電解質
物質以外の種々の添加成分を必要に応じて配合したもの
が例示される。この添加成分としては、例えばノニオン
性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、非電解質のシ
リコーン類、各種保湿剤、薬剤、殺菌剤、酸化防止剤、
香料、色素類などが挙げられ、これらの添加量は、本発
明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
なお、これらの添加成分は、上記水膨潤性粘土鉱物を水
性溶液中に分散させた後に配合することもできる。
【0022】上記水性溶液の配合量は組成物全体に対し
て好ましくは65〜99%、より好ましくは70〜95
%程度である。上記範囲以外では液体化粧料組成物の取
り扱い性が悪くなる場合がある。
【0023】本発明の製造方法は、上述した水膨潤性粘
土鉱物と電解質物質と水性溶液とを強剪断力を付加しな
がら混合することによって、製造中に水膨潤性粘土鉱物
と電解質物質との共存によって生じる水膨潤性粘土鉱物
の凝集物に強剪断力をかけて、水膨潤性粘土鉱物が水性
溶液中に安定的に分散された液体化粧料組成物を得るも
のである。
【0024】上記各成分を混合しながら、強剪断力を付
加する装置は、その機種は特に制限されないが、系の粘
度が水膨潤性粘土鉱物が膨潤するに従って高くなること
を考慮すれば、高粘度物を全体混合でき、且つ剪断力の
強い羽根を有するものが望ましい。ここで、撹拌装置の
タイプとしては、1組の羽根によって上記撹拌特性を確
保できる装置と複数組の羽根によって上記撹拌特性を確
保できる装置との2種類に大別できるので、以下、それ
ぞれの装置に分けて本発明の製造方法において付加され
る剪断について説明する。
【0025】まず、1組の羽根で全体混合と高剪断力を
確保できる装置について図面を用いて説明する。このタ
イプの装置の場合、図1に示すように、通常、撹拌特性
を考えると、剪断力は撹拌槽1内での羽根2先端の周速
が支配的であり、全体混合については、撹拌槽1全体に
おける単位液体積当たりの羽根2の回転による動力や撹
拌槽1全体における単位液体積当たりの羽根2の吐出流
量が支配的である。従って、本発明において高剪断を付
加するには、羽根2先端の周速に着目する必要があり、
本発明の場合、羽根2先端の周速Ut[m/s]のレベ
ルが、装置の大きさにはかかわらず、1m/s以上、好
ましくは3m/s以上30m/s以下、より好ましくは
5m/s以上25m/s以下とすることによって、高剪
断を付加することができる。なお、羽根2先端の周速U
tは、下記式により算出することができる。
【0026】Ut=π×n×d n:羽根回転数[rps],d:羽根径[m]
【0027】この場合、上記周速Utによって剪断の程
度は規定できるが、全体混合力を確保するには、装置の
大きさに関するファクターを考慮する必要があり、その
ためには下記式で定義される見掛けの剪断速度によって
規定することが望ましい。
【0028】見掛けの剪断速度=Ut/(D−d) Ut:剪断速度[m/s],d:羽根径[m],D:撹
拌槽径[m]
【0029】通常の混合装置の場合、羽根2先端の周速
Utを一定にすると、装置が大きくなるにつれて羽根2
と撹拌槽1との間の距離が大きくなり、見掛けの剪断速
度の値は小さくなるものである。このような見掛けの剪
断速度を用いて本発明の高剪断を規定する場合、見掛け
の剪断速度が1〜3,000[s-1]程度であることが
好ましい。
【0030】また、剪断力と全体混合の同時確保をする
には、羽根径dと撹拌槽径Dとの比d/Dを0.7以上
にすることが好ましい。なお、その上限は0.9以下で
あることが好ましい。このような撹拌特性を有する具体
的な装置としては、例えばラインミキサー、パワーミキ
サー、スパイラルミキサーなどが例示される。
【0031】次に、複数組の羽根を備えた装置として
は、図2に示すように、高剪断を与えることができる羽
根2とその周囲を囲う内径D´のステーター3、全体混
合を行うことができる掻き取り型の羽根4とを備えた装
置が使用される。このような装置の場合、本発明の高剪
断を付加するには、羽根2先端の周速Ut[m/s]の
レベルを2m/s以上、好ましくは4m/s以上30m
/s以下、より好ましくは6m/s以上25m/s以下
とすると共に、上記Dに代えてステーター3の内径D´
を用いて算出された見掛けの剪断速度を1,000〜1
0,000[s-1]程度とすることが好ましい。また、
複数組の羽根を備えた装置の場合、上記装置とは別に図
3に示すように、通常高剪断を与えることができる羽根
2と全体混合を行うことができる掻き取り型の羽根4と
を備えた装置も使用される。このような装置の場合、本
発明の高剪断を付加するには、上記と同様に羽根2先端
の周速に着目する必要があり、その程度は、1m/s以
上、好ましくは3m/s以上30m/s以下、より好ま
しくは5m/s以上25m/s以下とすることによっ
て、高剪断を付加することができる。
【0032】上記のような複数組の羽根を備えた装置に
おいて、上記撹拌特性を付与できる羽根2としては、ホ
モミキサー、ディスパーミキサーなどが例示されるが、
通常これらの羽根径と撹拌槽径との比d/Dは、0.1
〜0.4程度であり、系の粘度が水膨潤性粘土鉱物が膨
潤するに従って高くなることを考慮すれば、このような
羽根2のみでは撹拌槽の全体を混合するには力不足であ
る。そこで、高粘度物の混合に適した掻き取り型の羽根
4が好適に併用されるが、この場合、高剪断を付加する
羽根2に効率的に液を供給するためには、掻き取り型の
羽根4の先端の周速として1m/s以上の流動を付加す
ることが好ましい。
【0033】これらの撹拌特性を有する具体的な装置と
しては、例えばアジホモミキサー、逆流ミキサー、ハイ
ブリッドミキサーなどが例示される。
【0034】本発明は、図1〜3に示される装置、上述
した撹拌特性を有する装置を用いることができるが、中
でもアジホモミキサー、逆流ミキサー、ハイブリッドミ
キサー等を使用するのが好適である。
【0035】本発明は、このような混合工程によって、
水膨潤性粘土鉱物が水性溶液中に分散された液体化粧料
組成物を製造するものであるが、かかる工程において、
強剪断力を付加する時間は、適宜選定することができる
が、少なくとも1分以上、特に10〜180分間付加す
ることが望ましい。強剪断力を付加する時間が短すぎる
と、本発明の目的が十分達成されない場合がある。ま
た、水膨潤性粘土鉱物と電解質物質とが接触、即ち上記
系を形成してから、強剪断力を付加しながら混合するま
での時間は、2時間以内とすることが望ましく、特に
0.5時間以内とするとより好適である。水膨潤性粘土
鉱物と電解質物質とが接触してから強剪断力を付加して
混合するまでの時間が長すぎると、水膨潤性粘土鉱物の
凝集が強固なものとなって、再分散させるのが困難とな
る場合がある。なお、本発明の場合、通常の剪断力を付
加した状態で混合する工程を加えることもできる。
【0036】ここで、本発明の製造方法において、上記
工程を行う温度は適宜選定することができるが、系の温
度を下げながら強剪断力を付加して混合すると、水膨潤
性粘土鉱物の凝集物の分散が効率よく行われ、製品中で
の凝集物の残存がなく、安定性もよくなるので望まし
く、この場合、その冷却工程における温度は、初期温度
が60〜90℃、特に65〜85℃、最終温度が30〜
55℃、特に35〜40℃であることが望ましく、ま
た、初期温度と最終温度との温度差は5〜60℃、特に
25〜45℃であることが望ましい。初期温度が高すぎ
ると凝集物は分散され易いが、再凝集を起こし易くなる
場合があり、低すぎると再凝集は起こりにくくなるが、
凝集物の再分散が悪くなる場合がある。一方、最終温度
が、高すぎると凝集物は分散され易いが、再凝集を起こ
し易くなる場合があり、低すぎると再凝集は起こりにく
くなるが、凝集物の再分散が悪くなる場合がある。ま
た、温度差が小さすぎると効率的に分散することができ
なくなり、安定性が悪くなる場合があり、大きすぎると
冷却時間が長くなり、生産性が悪くなる場合がある。な
お、温度変化を行う時間は、30〜180分間、好まし
くは50〜90分間程度であることが、製品の安定性及
び生産性の点で望ましい。
【0037】なお、本発明の製造方法は、上記工程によ
って得られた液体化粧料組成物に、上述したように、更
にその他の成分を添加してもよい。
【0038】本発明の製造方法によって得られた液体化
粧料組成物は、液状洗顔剤,ボディーシャンプー等の皮
膚用洗浄剤、ヘアシャンプー等の毛髪用洗浄剤、ボディ
ーリンス等のボディーケア製品、ヘアリンス,ヘアトリ
ートメント,ヘアコンディショナー等の液状ヘアケア製
品などの各種の皮膚用及び毛髪用の液体化粧料製品とし
て好適に使用することができる。
【0039】
【発明の効果】本発明の液体化粧料組成物の製造方法に
よれば、水膨潤性粘土鉱物が電解質物質の共存によって
製造中に凝集しても、その凝集物を強剪断力で剪断して
水性溶液中に再分散させることができるので、水膨潤性
粘土鉱物の分散安定性に優れた液体化粧料組成物を得る
ことができる。また、本発明の液体化粧料組成物の製造
方法によれば、水膨潤性粘土鉱物の多量配合により製造
中に系の粘度が上昇して液性が悪くなったり、天然の水
膨潤性粘土鉱物の配合により製造中の系における水膨潤
性粘土鉱物の分散性が悪くなっても、十分に水膨潤性粘
土鉱物を水性溶液中に分散することができるので、種々
の条件下においても良好な分散状態を維持し得、様々な
配合組成で水膨潤性粘土鉱物の分散安定性に優れた液体
化粧料組成物を得ることができる。
【0040】本発明により製造された液体化粧料組成物
は、水膨潤性粘土鉱物が分散安定性良く配合されている
ため、上述したような好ましい使用感を有すると共に、
容器から取り出す際の液切れにも優れるのみならず、皮
膚や毛髪に適用した後に、洗い流す場合においても、す
すぎ時にぬるつきがなく、洗い上がりに肌にすべすべし
た感触を与えたり、毛髪に好適な仕上がり感を与えるこ
とができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0042】[実施例1〜5]表1に示す各成分を精製
水に全量100重量%になるように溶解して液体洗浄剤
(液体化粧料組成物)を調製する際、水膨潤性粘土鉱物
と電解質物質をこれらをホモミキサー容器(特殊機化
(株))内に仕込んだ後、30分以内に表2に示す撹拌
条件で剪断力を付加しながら混合することによって、水
膨潤性粘土鉱物の再分散を行って液体洗浄剤製品を調製
し、その水膨潤性粘土鉱物の分散安定性を下記方法で評
価した。その結果を表2に併記する。なお、これらの洗
浄剤はいずれも香料1重量%を含有している。
【0043】なお、実施例においては水膨潤性粘土鉱物
は、平均粒径が20〜100nmのものを用いた。
【0044】[実施例6]実施例1において、ホモミキ
サーに代えてラインミキサーを用いて、表2に示す撹拌
条件で混合した以外は実施例1と同様にして液体洗浄剤
製品を調製し、その水膨潤性粘土鉱物の分散安定性を同
様に評価した。結果を表2に併記する。
【0045】[比較例1〜3]実施例1において、ホモ
ミキサーに代えてパドルを用いて、表2に示す撹拌条件
で混合した以外は実施例1と同様にして表1に示す各成
分を配合して液体洗浄剤製品を調製し、その水膨潤性粘
土鉱物の分散安定性を下記方法で評価した。その結果を
表2に併記する。
【0046】[実施例7〜9]表3に示す各成分を精製
水に全量100重量%になるように溶解して毛髪化粧料
(液体化粧料組成物)を調製する際、あらかじめ80℃
に加温した各成分をホモミキサー容器内に仕込んだ後、
系の温度を80℃から50℃へと温度を0.5℃/分の
速度で経時的に下げながら、表3に示す撹拌条件で剪断
力を付加しながら混合することによって、水膨潤性粘土
鉱物の再分散を行って毛髪化粧料製品を調製し、その水
膨潤性粘土鉱物の分散安定性を下記方法で評価した。そ
の結果を表3に示す。
【0047】なお、実施例においては水膨潤性粘土鉱物
は、平均粒径が20〜100nmのものを用いた。
【0048】[比較例4〜6]実施例7において、ホモ
ミキサーに代えてパドルを用いて、表3に示す撹拌条件
で混合した以外は実施例7と同様にして表3に示す各成
分を配合して毛髪化粧料製品を調製し、その水膨潤性粘
土鉱物の分散安定性を下記方法で評価した。その結果を
表3に併記する。水膨潤性粘土鉱物の分散安定性 50ml容透明ガラス瓶に試料45mlを入れて密栓し
た後、直後及び50℃で1ヶ月静置後の分散状態をそれ
ぞれ目視判定して安定性の指標とした。判定基準は次の
通りである。 ◎:水膨潤性粘土鉱物の分離及び凝集がいずれも全く認
められない ○:水膨潤性粘土鉱物の分離は無く、凝集がわずかに認
められるが問題はない △:水膨潤性粘土鉱物の分離がわずかに認められ、且つ
凝集もわずかに認められる ×:水膨潤性粘土鉱物の分離が明らかに認められ、かつ
凝集も認められる
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】表1〜3から明らかなように、本発明の液
体化粧料組成物は長期保存後も水膨潤性粘土鉱物が分
離、凝集することなく、極めて安定に分散することがわ
かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において液体化粧料を調製する装置の一
例の概略断面図である。
【図2】本発明において液体化粧料を調製する装置の他
の例の概略断面図である。
【図3】本発明において液体化粧料を調製する装置のさ
らに他の例の概略断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永合 一雄 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水膨潤性粘土鉱物と電解質物質と水性溶
    液とを混合して液体化粧料組成物を製造するに際し、上
    記各成分からなる系を、強剪断力を付加した状態で混合
    して、水膨潤性粘土鉱物を水性溶液中に分散させること
    を特徴とする液体化粧料組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記系の温度を経時的に下げながら、強
    剪断力を付加した状態で混合する請求項1記載の液体化
    粧料組成物の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004045568A1 (ja) * 2002-11-15 2004-06-03 Lion Corporation シャンプー組成物
KR101026304B1 (ko) 2008-11-24 2011-03-31 이영심 기능성 헤어 샴푸, 헤어 트리트먼트, 바디 클린저 및 그 제조방법

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