JPH10175387A - 非接触型icカードとその製造方法 - Google Patents

非接触型icカードとその製造方法

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JPH10175387A
JPH10175387A JP35388596A JP35388596A JPH10175387A JP H10175387 A JPH10175387 A JP H10175387A JP 35388596 A JP35388596 A JP 35388596A JP 35388596 A JP35388596 A JP 35388596A JP H10175387 A JPH10175387 A JP H10175387A
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Nobuyuki Takahashi
伸幸 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ICモジュールを内包した非接触型ICカー
ドにおいて、ICカード表面にICモジュール形状が現
れないICカードおよびその容易な製造方法を提供す
る。 【解決手段】 センターコアとなるプラスチックシート
に、ICモジュールを嵌合する開孔を形成し、当該開孔
に樹脂モールドされたICモジュールを嵌め込んで、オ
ーバーシートを積層し熱圧プレスしてカードを製造する
際に、カード基材となるプラスチックシートとICモジ
ュールのモールド樹脂のTMA法(JISK7197)
で測定した線膨張率の差が、20×10-6/°Cの範囲
内にあり、好ましくは双方の樹脂の線膨張率が、50〜
90×10-6/°Cの範囲となるものを選択して使用す
ることにより、非接触型ICカードの表面をICモジュ
ールの凹凸形状が現れない平滑な面とすることがでる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ICモジュール
のような偏平な電子部品をカード基材内に内包したカー
ド、特に非接触型ICカードとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック製のカード基材内に、IC
モジュールを内包し外部との信号の授受を端子板を介し
て行うカードは、接触型ICカードとして知られ、既に
広く使用されている。一方、最近、非接触型ICカード
と言われ、外部装置と端子板を介さずに、信号の授受を
行うICカードが使用されるようになってきた。このよ
うな非接触型ICカードは、コアシートに開孔を形成
し、これにICモジュールを嵌め込みオーバーシートを
重ねて熱圧成型して製造するのが一般的である。接触型
ICカードの場合は内部にICモジュールが内包されて
いても表面にモジュールよりも大きい端子板が設けられ
ているので、内部のICモジュールがカード表面に凹凸
等の変形を生じさせる問題はない。
【0003】ここで、カード基材は、厚みが0.76m
m程度に形成された硬質塩化ビニル(PVC)シートな
どの絶縁性のプラスチックシート積層体が選択されるこ
とが多い。従来の接触型ICカードでは、単一層のカー
ド基材にざぐり等により凹部が形成され、この凹部に上
述のICモジュール10を埋設し装着するか、あるいは
カード基材を3層のシート構成として、センターコアと
なるプラスチックシートにICモジュールが嵌合する孔
を打ち抜き、これにモジュールを嵌め込みオーバーシー
トと熱圧プレスすることによりICカードが得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、非接触型IC
カードの場合は、表面に端子板がないので、従来と同様
な方法でICモジュールの埋め込みを行うと、モジュー
ルのある部分の表面に凹凸が生じ、外観上もICモジュ
ールの形状が浮き彫り状に現れ好ましくない。これは熱
圧プレスの際、少なくとも型板内にあるときはカードの
上下面は完全な平面状態にあるが、型板から出されて温
度が低下するとカード基材とICモジュールのモールド
樹脂との熱膨張率の違いからカード表面に凹凸が生じる
ことによる。そこで、本発明は非接触型のICカードに
おいて、カード表面に凹凸の形状が現れないICカード
およびその製造方法を研究し本発明の完成に至ったもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明請求項1の発明は、コイル部とICチップが一
体平面状に樹脂モールドされたICモジュールがセンタ
ーコアとなるプラスチックシートに開けられた開孔内に
嵌合されており、かつ前記センターコアの表裏面に、オ
ーバーシートとなるプラスチックシートが積層され、熱
圧プレスして一体にされた非接触型ICカードであっ
て、前記センターコアおよびオーバーシートとなるプラ
スチックシートの線膨張率と前記ICモジュールのモー
ルド樹脂の線膨張率の差が、20×10-6/°C以内で
あることを特徴とする非接触型ICカード、にある。か
かるICカードであるため、カード表面に凹凸形状が現
れることが少ない。
【0006】上記課題を解決するための本発明請求項2
の発明は、請求項1の非接触型ICカードにおいて、セ
ンターコアおよびオーバーシートとなるプラスチックシ
ートの線膨張率とICモジュールのモールド樹脂の線膨
張率が、それぞれ50〜90×10-6/°Cの範囲内に
あることを特徴とする。かかるICカードであるため、
カード表面に凹凸形状が現れることが極めて少ない。
【0007】また、上記課題を解決するための本発明請
求項3の発明は、カード基材内にICモジュールが内包
された非接触型ICカードを、(1)センターコアとな
るプラスチックシートにICモジュールが嵌合する開孔
を形成する工程、(2)当該開孔内にコイル部とICチ
ップが一体平面状に樹脂モールドされたICモジュール
を嵌め込む工程、(3)センターコアとなるプラスチッ
クシート面上に積層されるオーバーシートを重ねてプレ
ス成型する工程、により製造する非接触型ICカードの
製造方法において、前記センターコアおよびオーバーシ
ートとなるプラスチックシートの線膨張率と前記ICモ
ジュールのモールド樹脂の線膨張率の差が、20×10
-6/°Cの範囲内にあることを特徴とする非接触型IC
カードの製造方法、にある。かかる製造方法であるた
め、表面に凹凸形状が現れることが少ないICカードを
容易に製造することができる。
【0008】上記課題を解決するための本発明請求項4
の発明は、請求項1の非接触型ICカードの製造方法に
おいて、センターコアおよびオーバーシートとなるプラ
スチックシートの線膨張率とICモジュールのモールド
樹脂の線膨張率が、それぞれ50〜90×10-6/°C
の範囲内にあることを特徴とする。かかる製造方法であ
るため、表面に凹凸形状が現れることが極めて少ないI
Cカードを容易に製造することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明することとする。図6は、非接触型のIC
モジュールを示す図である。非接触型のICモジュール
10は、外部との信号の授受を電界の作用により行うた
め、ICチップ11の周囲に円形の捲線コイル12が形
成されているのが通常である。コイル部分は、30〜5
0μm径の細線が多重多層に巻かれて形成されている。
外部装置との信号の授受を確実に行うため、装置との作
動距離が大きくなる場合には、アンテナの役割をするコ
イル部分の外形も大きくなる。また、ICチップはその
機能に応じて大きくなり、コンデンサー13等の装置が
付加される場合もある。コイル部分とICチップは細線
で結合されている。図6(A)は、外部装置と10cm
程度の距離での操作を目的とする遠隔操作用途のICモ
ジュールで外径は30mm程度となる。また、図6
(B)と(C)は5cm程度の距離での操作を可能とす
る近距離操作用途で、(C)は単純な機能のみを行うの
で、ICチップも小型化されている。モジュールの外径
は15〜18mm程度である。
【0010】このようなICモジュールは、捲線コイル
部とICチップを一体にして、エポキシ樹脂等の熱硬化
性樹脂またはポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂でモール
ドされている。モールド後のモジュールの厚みは、0.
45mm〜0.60mm程度であって、コイルおよびI
Cチップの上下面は樹脂で完全に覆われ平行な平滑面に
されている。コイル外周部分にも0.5mm〜2.0m
m程度の幅でリング状にモールド樹脂のみからなる部分
14が形成されている。このようなICモジュールは、
コイルおよびICチップを平面な金属板上に置いて溶融
または未硬化樹脂を流し、さらに上面から金属板で平行
に押さえて樹脂を硬化させ、硬化後にリング状の抜き刃
で打ち抜いて形成される。
【0011】ところで、従来の非接触型ICカードで
は、カード基材に使用される樹脂と、モールド樹脂の熱
線膨張率について特別の注意が払われなかったため、双
方の線膨張率の違いが大きいと、熱圧プレス時の温度と
使用状態時の温度差のために、ICモジュールの形状が
カード表面に現れることが生じた。例えば、図4におい
て、図4(A)はカード基材とICモジュールのモール
ド樹脂の双方の線膨張率が適切な範囲にあるため、熱圧
プレス時(上段)と使用状態時(下段)とではカードの
平面状態に変化は生じないが、図4(B)ではカード基
材とICモジュールのモールド樹脂の双方の線膨張率の
違いが大きいため、熱圧プレス時(上段)と使用状態時
(下段)とではカード表面にICモジュールの凹凸形状
が現れることを示している。図4(B)の場合はモール
ド樹脂に較べてカード基材の線膨張率が大きいため、カ
ードが薄肉となってICモジュールの形状が表面に現れ
ることを示している。
【0012】図1は、本発明の非接触型ICカードを説
明する断面図である。図1(A)は、カード基材の中心
層となるセンターコア21に開孔(貫通孔)が形成さ
れ、その中にICモジュール10が嵌め込まれ、センタ
ーコアの上下面にオーバーシート22,23が積層され
ている状態を示している。本発明の特徴は、このセンタ
ーコアの開孔内に嵌合されたICモジュールのモールド
樹脂とセンターコアの開孔が形成されたコアシートおよ
びそれに積層するオーバーシートに使用するプラスチッ
クシートの線膨張率の差が、20×10-6/°Cの範囲
内にあり、好ましくはプラスチックシートおよびモール
ド樹脂の線膨張率が、それぞれ50〜90×10-6/°
Cの範囲内にあることである。本発明の非接触型ICカ
ードでは、モールド樹脂とカード基材となるプラスチッ
ク材料との線膨張率の差および線膨張率がこのような範
囲内にあるため、成型後に線膨張率の相違に基づくIC
モジュールの凹凸形状が、カード表面に現れない特徴が
ある。
【0013】図1(B)は、本発明の他の実施例を示
し、カード基材の中心層となるセンターコア21に開孔
(非貫通孔)が形成され、その中にICモジュール10
が嵌め込まれて、センターコアの上下面にオーバーシー
ト22,23が積層されている状態を示している。図1
(C)は、本発明のさらに他の実施例を示し、カード基
材の中心層となるセンターコア21に開孔(非貫通孔)
が形成され、その中にICモジュール10が嵌め込まれ
て、センターコアの上面にのみオーバーシート22が積
層されている状態を示している。いずれの場合も、IC
モジュールのモールド樹脂とカード基材の線膨張率の関
係は、図1(A)の場合と同一である。
【0014】次に、本発明の非接触型ICカードの製造
方法を、図2ないし図3を参照して説明することとす
る。図2は、本発明の非接触型ICカードの製造工程を
示す断面図である。まず、図2(A)のように、センタ
ーコアとなるプラスチックシート21にICモジュール
10が嵌合する開孔21hを打ち抜き等の手段により形
成し、ICモジュール10を嵌め込む(図2(B))。
ICモジュールと開孔の大きさは、ほぼ、同径である
が、一般には多少のクリアランスがあって、開孔の方が
0.2mm程度大きくするのが良い。
【0015】なお、ICカードにおける開孔の位置は、
現在まで非接触型ICカードの規格が定められていない
ので特に規制されることはない。非接触型の場合、特に
一定の装置に対して特定の位置関係にICチップがある
ICカードを挿入しなければならないという問題がない
ので、開孔の位置を自由に設定しても問題を生じること
は少ない。図2(B)は、センターコアにICモジュー
ルが嵌め込まれた状態を示している。
【0016】この際、ICモジュールが嵌め込まれたセ
ンターコアのICモジュール10とセンターコア21の
開孔との間のクリアランス21c内に液状の接着剤16
を滴下して、ICモジュールを周囲のセンターコアシー
トに仮着させてもよい。薄厚のICモジュールが薄層の
プラスチックシートに嵌合しているだけなので、過度の
圧力がかかるとICモジュールが脱落したり、位置ずれ
を生じるので、それを防止するためである。必要により
加熱しまたは室温で乾燥させることで接着剤が固化しI
Cモジュールはセンターコアの開孔内に固定される。な
お、液状の接着剤の代わりにゲル状の樹脂組成物を使用
することも可能である。
【0017】なお、ICモジュールは最終的には、上面
または上下面に積層されるオーバーシートによってセン
ターコアのシート内に固定されるので、この工程の固着
はICモジュールの脱落や移動を避ける目的であり、接
着剤による本格的な接着を目的とするものではない。
【0018】このICモジュールが装着されたプラスチ
ックシートの上下面にオーバーシート22,23を積層
した後(図2(C))、平滑な型板用金属板31,32
間にカード基材を挿入して加熱加圧して一体に成型する
(図2(D))。これにより、接着剤は熱溶融性のもの
であれば、溶融して硬質塩化ビニル樹脂層と一体にな
り、溶融しないものであっても加圧により硬質塩化ビニ
ル樹脂層と同一の平面状態になる。少なくとも熱プレス
の状態では、高温高圧の状態であり、カード基材の上下
面は金属板平面と完全な平行平面な状態にあると考えら
れる。従って、型板から外した後に凹凸が生じるのは、
その後の平衡状態の変化に起因することになる。熱プレ
ス機から取り出したカード基材はカード形状に型抜きさ
れて、単一のICカードとなる(図2(E))。なお、
図2の場合は、1枚のカードのみが図示されているが、
実際には、平面上に多面付けされたシート(通常5列6
行の30面付け程度)が使用される。プレスの際も金属
板を数段に重ねて数枚のカード基材を同時に成型するの
が通常の方法である。成型加熱温度は積層材料によって
異なるが、硬質塩化ビニールシートの場合は、150°
C程度の加熱が必要である。
【0019】図3は、本発明の非接触型ICカードの他
の製造工程を示す断面図である。この場合は、まず、図
3(A)のように、センターコアとなる基材21にIC
モジュールが嵌合する孔(非貫通孔)21hを、ざぐり
機により穿設する。次いで、この孔にICモジュール1
0を嵌め込む(図3(B))。ICモジュールと開孔と
の間に生じるクリアランス内に接着剤またはゲル状の樹
脂組成物を充填してもよい。その後は、図2の場合と同
様に成型する。但し、この製造方法の場合は、センター
コアのICモジュールが嵌め込まれる部分の下部には薄
肉のコアシート21tが残存しているので、ICモジュ
ールの形状が、カード表面に凹凸を与える影響は少な
い。従って、センターコアの下面に積層するオーバーシ
ートを省略することも可能である。なお、図3の製法の
場合はICモジュールが孔の位置から脱落することは少
ないが、加工工程中の衝撃等によりICモジュールがカ
ード基材の孔位置からずれることを皆無とすることは困
難である。
【0020】
【実施例】(材質に関する実施例) (1)カード基材;カード基材は、通常は硬質の塩化ビ
ニルシートが使用されるが、特に塩化ビニルシートであ
ることに限定されない。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
樹脂やポリプロピレン、ポリエステル樹脂、ABS樹
脂、ポリカーボネート、スチレン系樹脂あるいはこれら
の混合物の樹脂シートであってもよい。カード基材の線
膨張率は、TMA法(JISK7197)で測定して、
50〜90×10-6/°C(25°C)の範囲のものを
使用する。塩化ビニルシート以外のものでは加熱による
自己融着性が乏しいので、カードシート層相互の積層に
は接着剤を介して行うのが適当である。 (2)ICモジュールのモールド樹脂としては、モジュ
ールを湿気、衝撃や汚染などの外部環境から保護する役
割を果たすものが必要で、耐熱性、耐湿性、低応力化な
どの特性が求められる。また、生産性の問題より、高流
動性、高硬化性、低熱膨張性が必要となる。これらの要
求を満足する材料としては、ノボラック型エポキシ樹
脂、酸無水化物型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキ
シ樹脂などのエポキシ樹脂がある。また、ポリアミド樹
脂等の熱可塑性樹脂であっても良いが、熱圧プレスの関
係から150°C以上の軟化温度を有することが望まし
い。モールド樹脂の線膨張率は、TMA法(JISK7
197)で測定して、50〜90×10-6/°C(25
°C)の範囲のものを使用する。また、カード基材との
線膨張率の差はより小さいことが好ましいが、最大でも
20×10-6/°Cの範囲内にある必要がある。
【0021】(3)ICモジュールとセンターコアシー
トを接着する接着剤や樹脂組成物にも各種のものが使用
できる。一般には充填剤や顔料を含まない透明なエポキ
シ系やシアノアクリレート系、塩酢ビ系の溶剤型のもの
が使用される。また、常温硬化型のウレタン系接着剤や
熱硬化型の接着剤であってもよい。樹脂材料組成物とし
ては、未硬化のポリエステル樹脂やアクリル系粘着剤が
使用できる。
【0022】(非接触型ICカード製造に関する実施例
および比較例)5行6列にカードを配置することができ
るカードのセンターコアとなる無可塑硬質塩化ビニルシ
ート(ガラス転移温度Tg;150°C、厚さ;0.5
6mm)の各ICモジュール配置位置に、ICモジュー
ルを嵌合するための直径16.8mmの円形開孔30個
を所定位置に抜き刃により打ち抜き形成した。当該打ち
抜きにより開孔が形成されたプラスチックシートを平坦
な真空吸引盤上に載置した状態で、ICモジュールを位
置規制して各嵌合用開孔に嵌め込んだ。ICモジュール
は直径16.6mmの円形であって、熱可塑性のエポキ
シ樹脂で全体がモールドされており、その厚みは、0.
56mmである。ICモジュールの周囲には、0.1m
mの幅でクリアランスができている。
【0023】センターコアとなる無可塑硬質塩化ビニル
シートとして、塩ビ樹脂の材質を変えて線膨張率の異な
る次の5種の基材を準備した。また、ICモジュールの
モールド樹脂としては、樹脂の線膨張率の異なる次の4
種の材質(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を各種
硬化剤で硬化させたもの)を選択し、それぞれ以下の表
1の組み合わせにより試験を行った。なお、オーバーシ
ートには、センターコアと同一の無可塑硬質塩化ビニル
シートを使用した。なお、モールド樹脂は熱硬化後の線
膨張率を示しているが、この硬化物の線膨張率が通常、
問題とされる。
【0024】(表1)
【表1】
【0025】ICモジュールをセンターコアシートに嵌
め込んだ後、当該センターコアとなるシートの上下に、
厚さ0.12mmの塩化ビニルシートを積層し、さらに
その両側を表裏面が鏡面状のステンレス板に挟んで、熱
プレスを行った。最高温度150°Cまで昇温させ、1
5分間のプレス後カード基材を取り出し個別のICカー
ドの大きさに打ち抜き、厚さ0.76mmのICカード
を得た。
【0026】(ICカードの評価に関する実施例)上
記実施例および比較例により得られた非接触型ICカー
ド各1枚について、表面粗さ計(日本真空技術株式会社
製「Dektak3030」)によりICモジュール埋
め込み部分であってICモジュールの中心部をとおる位
置で、凹凸部の表面粗さを室温(25°C)で測定し
た。その結果は、図5に見られるように、本発明の実施
例1のサンプルでは、図5(A)のように最高部の高さ
とICモジュールのコイル部分との高さの差(D1
が、5μmであるのに対し、比較較例1では、図5
(B)のように、33μmの高さの差(D2 )が現れ
た。
【0027】なお、各実施例および比較例の表面粗さ計
による高さ測定値(最高部)及び表面性に関する評価結
果は、下記表2のとおりである。この結果から、ICモ
ジュールのモールド樹脂とセンターコアとなるプラスチ
ックシートの線膨張率の差が、20×10-6/°Cの範
囲内にあれば、表面凹凸は10μm以下であり表面凹凸
の少ないICカードが得られることが予測された。
【0028】(表2)
【表2】
【0029】カード基材とモールド樹脂との線膨張率の
差が30×10-6/°Cある場合に、熱圧プレス時(1
50°C)と使用時(25°C)とで、どの程度の伸縮
の差が生じるかを計算してみる。センターコアの厚みを
0.56mm(=560μm)とした場合、カード基材
部とモールド樹脂部では、560×30×10-6×12
5=2.1μmの厚みの違いが生じるが、上記の比較例
ではもっと大きな凹凸の違いが生じている。これは上記
計算は厚み方向の線膨張のみを計算したためであって、
実際には体積的な膨張変化がICモジュールの周辺に集
中して現れるためと考えられる。
【0030】なお、実際には線膨張率が、50×10-6
/°C以下のプラスチック材料は、繊維によりマトリッ
クス強化したもの以外では得難いので、プラスチック単
体での線膨張率は、実質的には50×10-6/°C以上
と考えられる。また、それぞれの材料の線膨張率が、9
0×10-6/°C以上である場合は、たとえ両者の線膨
張率の差が小さくてもICモジュールの配線基板やIC
チップへの影響が大きく好ましくない。
【0031】
【発明の効果】本発明の非接触型ICカードでは、セン
ターコアおよびオーバーシートとなるプラスチックシー
トの線膨張率と前記ICモジュールのモールド樹脂の線
膨張率の差が、20×10-6/°Cの範囲内にあるよう
にされているので、カード基材とモールド樹脂の素材の
相違に基づく熱変形が小さく、熱圧プレス時のカードの
平面状態が使用時においてもそのまま保たれるため、非
接触型のICカードであっても、ICモジュールの形状
が外部に現れない平滑性のよいカードが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の非接触型ICカードを示す断面図で
ある。
【図2】 本発明の非接触型ICカードの製造工程を示
す断面図である。
【図3】 本発明の非接触型ICカードの他の製造工程
を示す断面図である。
【図4】 非接触型ICカードの熱圧プレス時と使用状
態時の形状変化を示す図である。
【図5】 実施例1と比較例1の非接触型ICカードの
表面を表面粗さ計で測定したチャート図である。
【図6】 非接触型ICモジュールを示す図である。
【符号の説明】
10 ICモジュール 11 ICチップ 12 コイル 13 コンデンサー 14 リング状のモールド樹脂部分 21 センターコア 21h センターコア開孔 21t センターコアの薄肉残存部 22,23 オーバーシート 31,32 金属板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイル部とICチップが一体平面状に樹
    脂モールドされたICモジュールがセンターコアとなる
    プラスチックシートに開けられた開孔内に嵌合されてお
    り、かつ前記センターコアの表裏面に、オーバーシート
    となるプラスチックシートが積層され、熱圧プレスして
    一体にされた非接触型ICカードであって、前記センタ
    ーコアおよびオーバーシートとなるプラスチックシート
    の線膨張率と前記ICモジュールのモールド樹脂の線膨
    張率の差が、20×10-6/°C以内であることを特徴
    とする非接触型ICカード。
  2. 【請求項2】 センターコアおよびオーバーシートとな
    るプラスチックシートの線膨張率とICモジュールのモ
    ールド樹脂の線膨張率が、それぞれ50〜90×10-6
    /°Cの範囲内にあることを特徴とする請求項1記載の
    非接触型ICカード。
  3. 【請求項3】 カード基材内にICモジュールが内包さ
    れた非接触型ICカードを、(1)センターコアとなる
    プラスチックシートにICモジュールが嵌合する開孔を
    形成する工程、(2)当該開孔内にコイル部とICチッ
    プが一体平面状に樹脂モールドされたICモジュールを
    嵌め込む工程、(3)センターコアとなるプラスチック
    シート面上に積層されるオーバーシートを重ねてプレス
    成型する工程、により製造する非接触型ICカードの製
    造方法において、前記センターコアおよびオーバーシー
    トとなるプラスチックシートの線膨張率と前記ICモジ
    ュールのモールド樹脂の線膨張率の差が、20×10-6
    /°Cの範囲内にあることを特徴とする非接触型ICカ
    ードの製造方法。
  4. 【請求項4】 センターコアおよびオーバーシートとな
    るプラスチックシートの線膨張率とICモジュールのモ
    ールド樹脂の線膨張率が、それぞれ50〜90×10-6
    /°Cの範囲内にあることを特徴とする請求項3記載の
    非接触型ICカードの製造方法。
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