JPH10175051A - 定湯面保持炉 - Google Patents

定湯面保持炉

Info

Publication number
JPH10175051A
JPH10175051A JP33403596A JP33403596A JPH10175051A JP H10175051 A JPH10175051 A JP H10175051A JP 33403596 A JP33403596 A JP 33403596A JP 33403596 A JP33403596 A JP 33403596A JP H10175051 A JPH10175051 A JP H10175051A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten metal
level
chamber
furnace
holding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33403596A
Other languages
English (en)
Inventor
Saburo Noda
田 三 郎 野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shibaura Machine Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Machine Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Machine Co Ltd filed Critical Toshiba Machine Co Ltd
Priority to JP33403596A priority Critical patent/JPH10175051A/ja
Publication of JPH10175051A publication Critical patent/JPH10175051A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vertical, Hearth, Or Arc Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 浸漬体の昇降による溶湯の品質低下を防止す
るとともに、溶湯の湯面レベルを簡易な制御方式により
一定にする。 【解決手段】 鋳造材料から溶解された溶湯を受湯する
溶湯補給室20と、鋳造装置に供給する溶湯を貯溜する
溶湯保持室22とが区画された炉本体10と、溶湯補給
室20と溶湯保持室22とを連通する溶湯の移送通路2
4と、移送通路24を開閉する湯中タップ26と、溶湯
保持室22内に昇降自在に配置される浸漬体30を備え
ている。浸漬体30は湯面よりも上昇した位置の上昇限
位置と、前記浸漬体全体が湯面下に沈降した位置の下降
限位置との2位置の間で浸漬体を昇降する。浸漬体30
を下降限位置に保持しながら、湯面検知信号に基づき溶
湯保持室の湯面が鋳造中の基準レベルより下がったとき
に前記湯中タップが開くように前記アクチュエータおよ
び昇降手段を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイカストマシン
などの鋳造機に溶湯を供給する開放型の定湯面保持炉に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ダイカストマシンなどの鋳造機に
供給する溶湯は、保持炉に貯溜して一定温度に保ち、電
磁ポンプなどにより鋳造機に供給している。この種の保
持炉には、湯面のレベルを一定に保つ定湯面保持機能を
有した開放型の保持炉が用いられている。このような保
持炉には、湯面レベルの下降に応じて浸漬体を降下させ
て湯面レベルを一定に保つもの(例えば、特公平2−3
0787号公報、特公平6−75761号公報)が知ら
れている。
【0003】従来は、この浸漬体方式により湯面レベル
を一定に保つために、浸漬体を上下に昇降させるための
昇降装置と、浸漬体の位置または湯面のレベルを検知し
て浸漬体の位置を正確に制御する制御装置を設けてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
浸漬体方式の定湯面制御では、浸漬体の昇降が頻繁に行
なわれるため、次のような問題があった。浸漬体の一部
が湯面上に露出した状態で浸漬体の昇降を度々繰り返す
と、浸漬体の表面に生じた酸化被膜や、浸漬体の表面が
劣化してその一部が剥離し、浸漬体が溶湯中に沈下した
ときに溶湯に混入する。これを防止するためには、浸漬
体のメンテナンス頻度を多くしなければならなかった。
また、溶湯中への浸漬体の沈下量に応じて溶湯の温度に
変動が生じ、すなわち、浸漬体の沈下量が大きいと、溶
湯温度の変化も大きくなるという問題があった。
【0005】さらに、溶湯保持室の定湯面制御を浸漬体
が溶湯に浸ったまま昇降したとき溶湯排除量を利用して
行なうため、浸漬体の位置を正確に制御する必要があっ
た。
【0006】ところで、アルミニウムやマグネシウム
(合金を含む)の溶融金属は活性であり、溶融状態では
固体状態よりはるかに多くの量の水素ガスを吸収する。
したがって、溶湯中には水素ガスが不可避的に含まれ、
この水素ガスは、溶湯の凝固過程で鋳造品の組織中に気
泡として閉じ込められる。この気泡の存在は、ポロシテ
ィ欠陥を生じせしめ、鋳造品の強度、靭性等の機械的性
質を低下させる。
【0007】さらに、鋳造工程の過程において、溶湯中
に不可避的に混入する介在物は、強度、靭性等の機械的
強度を低下させるだけでなく、鋳造品の表面傷や、切削
工程中の工具の破損にもつながり、表面処理性にも大き
く影響する。従来の保持炉では、溶湯に含まれている水
素ガスや介在物の除去処理の効率が悪く問題を残してい
る。
【0008】そこで、本発明の目的は、前記従来技術の
有する問題点を解消し、浸漬体の昇降による溶湯の品質
低下を防止するとともに、溶湯の湯面レベルを簡易な制
御方式により一定に維持できるようにした定湯面保持炉
を提供することにある。
【0009】また、本発明の他の目的は、溶湯中に存在
する水素ガスおよび介在物を効果的に除去する機能を備
えた定湯面保持炉を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、溶湯供給系を介して鋳造装置などに供
給される溶湯を貯溜する定湯面保持炉において、鋳造材
料から溶解された溶湯を受湯する溶湯補給室と、鋳造装
置に供給する溶湯を貯溜する溶湯保持室とが区画された
炉本体と、前記溶湯補給室と溶湯保持室とを連通する溶
湯の移送通路と、前記移送通路を開閉する湯中タップ
と、前記溶湯保持室内に昇降自在に配置される浸漬体
と、前記浸漬体が湯面よりも上昇した位置の上昇限位置
と、前記浸漬体全体が湯面下に沈降した位置の下降限位
置との2位置の間で浸漬体を昇降する昇降手段と、前記
溶湯補給室と溶湯保持室の湯面が所定の設定レベルにあ
るか否かを検知する設定湯面レベル検知手段と、前記溶
湯の移送通路を開閉する湯中タップと、この湯中タップ
を開閉駆動するアクチュエータと、前記浸漬体を下降限
位置に保持しながら、湯面検知信号に基づき溶湯保持室
の湯面が鋳造中の基準レベルより下がったときに前記湯
中タップが開くように前記アクチュエータおよび昇降手
段を制御する湯面レベル制御手段と、を具備することを
特徴とするものである。
【0011】このように構成される本発明によれば、浸
漬体は、溶湯にその全部が浸漬した下降限位置を保ちな
がら、湯面の上下に伴って湯中タップが開閉されて、湯
面のレベルが一定に保たれる。その間、溶湯保持室で
は、浸漬体が最下限位置で溶湯中に沈降したままである
ので、従来のように浸漬体の昇降を度々繰り返すことに
よる不具合を解消できる。
【0012】前記溶湯補給室では、溶湯の最低湯面レベ
ルが前記溶湯保持室の鋳造中の基準定湯面レベルよりも
高い位置に設定され、また、前記浸漬体が上昇限位置に
上昇したときの溶湯保持室の湯面の最高レベルを設定
し、この最高湯面レベルが溶湯補給室における最高湯面
レベルと最低湯面レベルの差の受湯量に対応し、かつ、
溶湯を鋳造機に供給する溶湯圧送装置の吸込管よりも低
い位置とするようにすることことが好ましく、これによ
れば、浸漬体の排湯量だけ湯面レベルが下がり、迅速な
急速排湯が可能になる。
【0013】また、本発明による定湯面保持炉は、前記
溶湯補給室内の溶湯中に不活性ガスを微細気泡化して拡
散させ、溶湯を精製する溶湯処理装置を備えることを特
徴とするものである。
【0014】この発明の定湯面保持炉によれば、溶湯補
給室の溶湯には、水素ガスや介在物が不可避的に含まれ
るが、この溶湯補給室では、溶湯処理装置により、微細
気泡化した不活性ガスが溶湯中に拡散させられる。これ
により、溶湯中に存在していた水素ガスや介在物は、吹
き込まれた不活性ガスの気泡に補集されて、気泡といっ
しょに浮上し溶湯から除去せしめられる。
【0015】溶湯処理装置を運転する間の泡立ちを防止
し、正確な湯面レベルの検知のためには、前記溶湯補給
室を2つの室に区画する隔壁を設け、一方の室の溶湯に
溶湯処理装置により不活性ガスを吹き込んで溶湯を精製
し、他方の室の湯面レベルを検知するようにすることが
好ましい。
【0016】溶湯処理装置を備えた本発明の好ましい実
施形態によれば、前記溶湯補給室の湯面レベルの変動を
検知し、溶湯が受湯され湯面レベルが最高レベルになっ
たときに前記溶湯処理装置を間欠的に運転する運転制御
手段を備える。
【0017】このように溶湯処理装置を運転することに
より、溶湯を受湯し次第、溶湯から水素ガスおよび介在
物を除去する処理を効果的に行なうことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明による定湯面保持炉
の一実施形態について添付の図面を参照して説明する。
炉本体10は、ベース12上に敷設されたレール13を
転動する車輪11によって支持されており、前記車輪1
1とともに移動装置を構成する移動シリンダ14の作動
により、図示されない鋳造機との連結が行われるように
なっている。
【0019】炉本体10は、その内部に溶湯供給室20
と、溶湯保持室22とが隔壁23によって区画された一
体構造の炉である。溶湯供給室20へは、本発明の定湯
面保持炉とは別に設けた溶解炉(図示せず)で鋳造材料
から溶解された溶湯が供給されるようになっている。溶
湯供給室20と溶湯保持室22とを仕切る隔壁23に
は、溶湯供給室20と、溶湯保持室22とを連通させる
移送通路24が設けられている。
【0020】この移送通路24の入口には、シート25
が取り付けられており、このシート25に湯中タップ2
6が着座できるようになっている。湯中タップ26は、
これを開閉駆動するアクチュエータ27にロッド28を
介して連結され、アクチュエータ27に駆動された湯中
タップ26が上下動し、これにより、移送通路24の入
口が開閉される構成となっている。
【0021】他方、溶湯保持室20内には、浸漬体30
が昇降自在に設けられている。この浸漬体30は、その
表面が耐溶融金属製の材質で形成されている。また、浸
漬体30は、炉蓋31上に設置された昇降装置32によ
って炉の直上から溶湯保持室22内の溶湯50中に浸漬
するように支持されている。この昇降装置32は、浸漬
体30に直結したワイヤ33が巻き付けられるリール3
4と、このリール34を回転駆動するモータ35とを備
えている。浸漬体30と昇降装置32は、溶湯保持室2
0の湯面レベルを昇降させる湯面昇降手段を構成するも
ので、昇降装置32のモータ35は、制御装置60によ
り制御されるようになっている。
【0022】浸漬体30の位置を検出する手段として
は、鉛直方向に間をおいて配設した複数のリミットスイ
ッチLS1 、LS2 、LS3 と、湯面に浮かべたフロー
ト36が用いられている。この場合、フロート36は、
上半分が炉蓋31から突き出ているフロート棒37の先
端に固着されており、このフロート棒37の末端には、
リミットスイッチLS1 、LS2 、LS3 のレバーを倒
してON/OFFするためのドグ38が取り付けられて
いる。
【0023】リミットスイッチLS1 の位置は、鋳造作
業時における溶湯保持室22における湯面の基準定湯面
レベルL1 に対応している。鋳造中、溶湯保持室22の
湯面は、この基準定湯面レベルL1 を基準に一定に保た
れる。
【0024】リミットスイッチLS3 の位置は、湯面レ
ベルL3 に対応している。この湯面レベルL3 は、浸漬
体30が湯面より上昇した位置(図中、二点鎖線で示
す)にあるときの上限を設定する湯面レベルである。こ
の湯面レベルL3 は、基準レベルL1 よりも受湯量V1
の湯量に相当する分だけ低く、しかも溶湯圧送装置44
の吸込管40の位置よりも受湯量V1 だけ低く設定され
ている。この場合、ある程度の湯面調整量αを予め見込
んで置くことが望ましい。
【0025】リミットスイッチLS1 、LS3 の中間に
あるリミットスイッチLS2 は、湯面レベルL2 に対応
している。この湯面レベルL2 は、浸漬体30が湯面よ
りも上昇した位置にあるときに、このL2 の高さまで湯
面が上昇していたときに異常警報を発する基準となる湯
面レベルである。この場合、炉本体10の側壁部に取り
付けられている溶湯供給系の吸込管40の位置とほぼ高
さに設定されている。
【0026】溶湯補給室20においては、湯面レベルL
4 、L5 、L6 が設定され、これら湯面レベルL4 、L
5 、L6 を検出するためのフロート41とリミットスイ
ッチLS4 、LS5 、LS6 が設けられている。フロー
ト41は、フロート棒42の先端に取り付けられ、炉蓋
31から突き出た末端には、各リミットスイッチLS4
、LS5 、LS6 のレバーを倒してON・OFFする
ためのドグ45が設けられている。
【0027】湯面レベルL4 は、溶湯補給室20におけ
る湯面レベルの上限を設定し、湯面レベルL5 は、受湯
の基準とするレベルである。この湯面レベルL5 は、溶
湯の受湯量V1 および受湯するのに要する時間を見込ん
で決められるようになっている。湯面レベルL6 は、こ
の溶湯補給室20における湯面レベルの最低の下限を設
定するようになっている。
【0028】湯面レベルL6 は、シート25の上面と面
一に設定され、かつ、湯面レベルL4 との関係では、湯
面レベルL4 からL6 まで下がる体積V1 が溶湯補給室
20の受湯容積である。また、この湯面レベルL6 は、
溶湯保持室22の基準レベルL1 との関係では、所定の
Δhの圧力ヘッドが設定されており、これにより、溶湯
保持室22からの溶湯の逆流を防止するようになってい
る。
【0029】なお、溶湯保持室22では、前記の溶湯補
給室20の受湯容積V1 に対応させて、溶湯レベルL2
およびL3 の位置が設定されている。すなわち、溶湯レ
ベルL3 は、受湯容積V1 に相当する高さだけ底面から
高い位置にあり、溶湯レベルL2 は、さらに溶湯レベル
L3 から受湯容積V1 に相当する高さだけ高い位置に設
定されている。
【0030】これらリミットスイッチLS1 、LS2 、
LS3 、LS4 、LS5 、LS6 のON/OFF信号
は、制御装置60に導入され、制御装置60は、ON/
OFF信号に基づいてアクチュエータ27を制御し、湯
中タップ26を開閉する。
【0031】吸込管40は、溶湯供給系を構成する電磁
ポンプ44の吸込口と連結されている。この電磁ポンプ
44の吐出管45は、図示されない給湯管と着脱自在に
接続され、シリンダ14が前進すると炉本体全体がレー
ル13に沿って鋳造機側に移動し、図中二点鎖線で示す
位置で、吐出管42は給湯管に連結されるようになって
いる。
【0032】次に、以上のように構成される定湯面保持
炉の作用について説明する。まず、鋳造の始業時に、溶
湯補給室20にレベルL4 まで貯まっている溶湯を溶湯
保持室22に供給する場合、制御装置60は、浸漬体3
0を図1で二点鎖線で示す上昇限位置に置いたままで、
アクチュエータ27に湯中タップ26を開く指令を与え
る。湯中タップ26が開くと、溶湯補給室20の溶湯
は、移送通路24を通って溶湯保持室22に供給され
る。溶湯保持室20では、これにより湯面は、次第に上
昇していき、湯面レベルL3 まで達する。このとき、リ
ミットスイッチLS3 がONになったところで、湯中タ
ップ26は閉じられる。その後、溶湯補給室20では、
溶湯の湯面がレベルL4 に達してリミットスイッチLS
4 がONになるまで受湯が行なわれ、鋳造作業に備え
る。
【0033】次に、制御装置60はモータ35を始動し
て浸漬体30を下降限位置まで下げて、この位置に保持
する。
【0034】そして、湯中タップ26が開かれ、溶湯補
給室20から湯面調整湯量に相当する溶湯が補給され
る。湯面が基準定湯面レベルL1 に達すると、リミット
スイッチLS1 がONになり、制御装置60は、その検
知信号から湯面が基準定湯面レベルL1 に達したことを
検知し、湯中タップ26を閉じる信号をアクチュエータ
27に出力する。こうして、溶湯保持室22では、湯面
レベルが基準定湯面レベルL1 に正確に保たれる。
【0035】次に、鋳造作業中は、以下のようにして溶
湯保持室22の溶湯レベルが保たれる。
【0036】電磁ポンプ44によって溶湯保持室22の
溶湯が鋳造機に供給され始めると、溶湯保持室22の溶
湯の湯面は基準定湯面レベルL1 から下がろうとする。
このとき、リミットスイッチLS1 がOFFになるの
で、制御部60は、湯面の低下を検出し、湯中タップ2
6を開くようにアクチュエータ27に指令を与える。
【0037】湯中タップ26が開き、溶湯補給室20の
溶湯が移送通路24を通って溶湯保持室22に送られる
と、溶湯保持室22の湯面は上昇し始め、基準定湯面レ
ベルL1 に復帰すると、リミットスイッチLS1 がON
になるので、湯中タップ26が閉じられる。この間、浸
漬体30は、溶湯にその全部が浸漬した下降限位置を保
ちながら、湯面の上下に伴って湯中タップ26が開閉さ
れて、湯面のレベルが基準定湯面レベルL1 に保たれ
る。
【0038】このようにして自動的に溶湯補給室20か
ら溶湯が効率的に自動補給されるとともに、その間湯面
のレベルも基準定湯面レベルL1 に保たれるので、溶湯
を鋳造機に安定して供給でき、また、溶湯移送に伴う溶
湯品質の劣化を防止できる。また、浸漬体30による温
度変動を防止できる。
【0039】溶湯保持室22では、浸漬体30が最下限
位置に溶湯中に沈降したままであるので、従来のように
浸漬体30の昇降を度々繰り返す結果、浸漬体30の表
面に生じた酸化被膜や、浸漬体30の表面が劣化してそ
の一部が剥離し、浸漬体が溶湯中に沈下したときに溶湯
に混入するようなことがない。
【0040】他方、溶湯補給室20で溶湯の残りが少な
くなり、湯面がL5 まで下がると、リミットスイッチL
S5 がONになり、これを検知した御装置60は、受湯
信号を発信する。これにより、溶湯補給室20には、レ
ベルL4 まで溶湯が供給される。
【0041】次に、急速排湯する場合について説明す
る。この実施形態では、急速排湯操作専用の押しボタン
61が押されると、制御装置60はモータ35を回転さ
せて、浸漬体30を上昇限位置まで上昇させる。これに
より、浸漬体30の排湯量に相当する分だけ、湯面レベ
ルがレベルL3 のレベルまで急速に下がるので、溶湯供
給系から溶湯保持室18への急速排湯が可能になる。以
上のような急速排湯は、湯中タップ26等に異常が生じ
た場合などの押しボタン61による手動操作以外にも、
例えば、溶湯の供給系に漏湯が発生したような場合は、
漏湯センサ(図示せず)を設け、この漏湯センサの検知
出力から漏湯を検知した制御装置60が自動的に浸漬体
30を上昇させて急速排湯を行なうようにしてもよい。
【0042】なお、急速排湯ときには、浸漬体30が湯
面から上に上昇した時点で、湯面はレベルL3 まで下が
り、リミットスイッチLS3 がONになる。その後、溶
湯供給系にあった溶湯が溶湯保持室22に排湯されるに
つれ、湯面が上昇してリミットスイッチLS3 はOFF
になる。したがって、リミットスイッチLS3 のON/
OFF信号から浸漬体30の上昇時の湯面レベルを監視
することができる。
【0043】また、湯中タップ26に破損が生じるなど
して、溶湯補給室20の溶湯が溶湯保持室22に流入し
てくるようなことがあっても、リミットスイッチLS2
により異常溶湯レベルを検知できるため、溶湯保持室2
2の溶湯が溶湯供給系にオーバーフローしないように安
全性に十分な考慮が払われている。
【0044】次に、本発明の他の実施形態について、図
2および図3を参照して説明する。図2は、水素ガスや
介在物を溶湯から除去するための溶湯処理装置を付設し
た定湯面保持炉を示す図である。なお、この図2の定湯
面保持炉では、図1と同一の構成要素については、同一
の参照符号が付されている。
【0045】この定湯面保持炉では、溶湯補給室20
は、隔壁62によって二つの室に区画されていて、互い
に隔壁62の下部に形成された開口部63を介して連通
し合っている。そして、溶湯処理に伴う泡立ちを防止す
るとともに、湯面レベルを正確に検知するために、大き
な方の室には溶湯処理装置64が設けられ、他方の室の
溶湯の湯面には、フロート41が浮かべられている。溶
湯補給室に貯まっている溶湯50は、炉蓋31に取り付
けられた溶湯処理装置64によって、脱水素ガス、介在
物除去の処理が施されるようになっている。溶湯補給室
20内では、溶湯は一定の湯面レベルL4 に保たれつつ
貯溜される。また、設定してある湯面レベルL5 、L6
は、図1の第1実施形態と同じである。
【0046】溶湯補給室20と溶湯保持室22とを仕切
る隔壁23には、溶湯補給室20と、溶湯保持室22と
を連通する移送通路24が設けられている。この移送通
路24の入口には、シート25が取り付けられており、
このシート25に湯中タップ26が着座できるようにな
っている。湯中タップ26は、開閉用のアクチュエータ
27にロッド28を介して連結され、アクチュエータ2
7の駆動により湯中タップ26が上下動し、これによ
り、移送通路24の出口が開閉される構成となってい
る。
【0047】溶湯処理装置64は、モータを内蔵した本
体部70と、この本体部70の駆動軸に継手71を介し
て接続された吐出パイプ72を備えている。本体部70
には、不活性ガス源と接続されているガス管73から不
活性ガス(例えば、アルゴンガス、窒素ガス等)が供給
されるようになっており、この不活性ガスは、吐出パイ
プ72を通って、その先端に取り付けられた回転体74
から吐出される。
【0048】図3に示すように、回転体74は、その下
面に小径の吐出口75が多数開口するようになってい
る。回転体74は、回転しながら吐出口75から不活性
ガスを放出することで、不活性ガスを微細気泡化して溶
湯中に拡散することができる。
【0049】このような溶湯処理装置64は、好ましく
は、昇降手段によって吊持されることが好ましく、溶湯
保持炉の稼動中は、回転体74が溶湯中に浸漬される。
また、溶湯処理装置64の運転は、制御装置60によっ
て制御され、溶湯補給室20の湯面レベルの昇降と連動
した運転制御が実行される。この実施形態では、溶湯補
給室20の湯面レベルを設定するリミットスイッチLS
4 、LS5 、LS6 のON/OFF信号に基づいて間欠
的に運転される。
【0050】なお、溶湯保持室22では、鋳造運転中
は、図1の実施形態と全く同じようにして、浸漬体30
が溶湯中に沈降したままの状態で湯中タップ26が開閉
される。これにより、溶湯補給室22の溶湯が自動補給
されて湯面レベルが一定のL1に保たれる。
【0051】また、急速排湯時の浸漬体30の位置(図
中2点鎖線で示す位置)、およびその時の湯面レベルL
3 も第1実施形態と同様であり、その説明は省略する。
次に、以上のように構成される本実施形態の作用につい
て説明する。図4は、鋳造運転中における溶湯処理装置
64の運転例を示したタイムチャートである。図4
(a)において、溶湯補給室20では、新たに溶湯が受
湯され、湯面レベルがL4 に復帰すると(リミットスイ
ッチLS4 がON)、溶湯処理装置64が一定時間、こ
の場合では、5分間運転される。
【0052】この溶湯処理装置64が運転されている
間、回転体74は、例えば、500rpm の高速な回転数
で回り、微細気泡化した不活性ガスを溶湯補給室20内
の溶湯中に拡散させる。溶湯中に存在していた水素ガス
や介在物は、吹き込まれた不活性ガスの気泡に補集され
て、気泡といっしょに浮上し溶湯から除去せしめられ
る。
【0053】こうして、溶湯補給室20では、溶湯を受
湯し次第、溶湯から水素ガスおよび介在物を除去する処
理が効果的に加えられるので、溶湯保持室22には、水
素ガス、介在物の除去されて精製された溶湯が供給され
る。
【0054】なお、この溶湯処理装置64の運転は、図
5(b)に示すように、リミットスイッチLS4 がON
した後、一定時間正転と逆転を交互に行なうようにして
もよい。
【0055】
【表1】 ここで、表1は、溶湯処理装置64による脱水素ガスお
よび介在物除去効果の実験例を示す。また、比較例とし
て、同じ条件における無処理のときの水素ガス量および
Kモールド法によるK値と、従来のフラックス処理を施
した場合の水素ガス量およびK値を掲げる。
【0056】運転条件 鋳造材料 AC4CH 溶湯量 300kg 溶湯温度 700℃ アルゴンガス流量 20リットル/分 回転体回転数 500rpm 処理時間 4分 水素ガス量の測定法 ランズレー法 なお、K値については、溶湯を鋳型(Kモールド:実用
新案第1206274号)により鋳造し、鋳造品の平板
部を破断し、肉眼観察により破断面の介在物数を測定し
た。
【0057】表1からはっきりとみてとれるように、脱
水素ガスについては、従来の2倍以上効果的であり、介
在物除去については一層効果的であることがわかる。な
お、脱水素ガスの試験については、フラックス処理を2
5分行なったのに対して、本溶湯処理装置64の運転時
間は4分であり、精製処理の時間的な効率の点でもすぐ
れている。したがって、溶湯処理時間が大幅に短縮され
た結果、鋳造作業を中断することなく、溶湯保持室22
に品質のよい精製した溶湯を補給することが可能となっ
た。
【0058】以上、本発明について好適な実施形態を挙
げて説明したが、本発明では、湯面レベルの検知に非接
触式のセンサを用いるなど種々の設計変更が可能であ
る。
【0059】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載された本発明によれば、浸漬体は、溶湯にその
全部が浸漬した下降限位置を保ちながら、湯面の上下に
伴って湯中タップが開閉されて、湯面のレベルが一定に
保たれる。その間、溶湯保持室では、浸漬体が最下限位
置で溶湯中に沈降したままであるので、従来のように浸
漬体の昇降を度々繰り返す必要がないので、浸漬体の位
置制御が簡単になることに加え、浸漬体の表面に生じた
酸化被膜や、その表面が劣化してその一部が剥離し、浸
漬体が溶湯中に沈下したときに溶湯に混入するような不
都合が解消でき、浸漬体による溶湯の温度変動を防止で
きる。また、浸漬体の保守も簡単になる利点がある。
【0060】また、請求項4に記載の本発明によれば、
溶湯補給室内の溶湯中に不活性ガスを微細気泡化して拡
散させ、溶湯を精製する溶湯処理装置を設けているの
で、水素ガスや介在物が不可避的に含まれている溶湯に
は、溶湯処理装置により精製処理が施される。これによ
り、溶湯中に拡散させられた微細気泡化した不活性ガス
により水素ガスや介在物を溶湯から効果的に除去し、品
質の良い溶湯を溶湯保持室に補給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による定湯面保持炉を示す
断面図。
【図2】本発明の他の実施形態による定湯面保持炉の断
面図。
【図3】溶湯処理装置の回転体を示す側面図。
【図4】鋳造工程中の溶湯処理装置の運転例を示すタイ
ムチャート。
【符号の説明】
10 炉本体 20 溶湯補給室 22 溶湯保持室 24 移送通路 30 浸漬体 32 昇降装置 40 吸込管 44 電磁ポンプ 60 制御装置 62 隔壁 64 溶湯処理装置 74 回転体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶湯供給系を介して鋳造装置などに供給さ
    れる溶湯を貯溜する定湯面保持炉において、 鋳造材料から溶解された溶湯を受湯する溶湯補給室と、
    鋳造装置に供給する溶湯を貯溜する溶湯保持室とが区画
    された炉本体と、 前記溶湯補給室と溶湯保持室とを連通する溶湯の移送通
    路と、 前記移送通路を開閉する湯中タップと、 前記溶湯保持室内に昇降自在に配置される浸漬体と、前
    記浸漬体が湯面よりも上昇した位置の上昇限位置と、前
    記浸漬体全体が湯面下に沈降した位置の下降限位置との
    2位置の間で浸漬体を昇降する昇降手段と、 前記溶湯補給室と溶湯保持室の湯面が所定の設定レベル
    にあるか否かを検知する設定湯面レベル検知手段と、 前記溶湯の移送通路を開閉する湯中タップと、 この湯中タップを開閉駆動するアクチュエータと、 前記浸漬体を下降限位置に保持しながら、湯面検知信号
    に基づき溶湯保持室の湯面が鋳造中の基準レベルより下
    がったときに前記湯中タップが開くように前記アクチュ
    エータおよび昇降手段を制御する湯面レベル制御手段
    と、を具備することを特徴とする定湯面保持炉。
  2. 【請求項2】前記溶湯補給室内の溶湯の最低湯面レベル
    が前記溶湯保持室の鋳造中の基準定湯面レベルよりも高
    い位置に設定されていることを特徴とする請求項1に記
    載の定湯面保持炉。
  3. 【請求項3】前記浸漬体が上昇限位置に上昇したときの
    溶湯保持室の湯面の最高レベルを設定し、この最高湯面
    レベルが溶湯補給室における最高湯面レベルと最低湯面
    レベルの差の受湯量に対応し、かつ、溶湯を鋳造機に供
    給する溶湯圧送装置の吸込管よりも低い位置とするよう
    にしたことを特徴とする請求項2に記載の定湯面保持
    炉。
  4. 【請求項4】前記溶湯補給室内の溶湯中に不活性ガスを
    微細気泡化して拡散させ、溶湯を精製する溶湯処理装置
    を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの
    項に記載の定湯面保持炉。
  5. 【請求項5】前記溶湯補給室の湯面レベルの変動を検知
    し、溶湯が受湯され湯面レベルが最高レベルになったと
    きに前記溶湯処理装置を間欠的に運転する運転制御手段
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の定湯面保持
    炉。
  6. 【請求項6】前記溶湯補給室を2つの室に区画する隔壁
    を設け、一方の室の溶湯に溶湯処理装置により不活性ガ
    スを吹き込んで溶湯を精製し、他方の室の湯面レベルを
    検知するようにしたことを特徴とする請求項4または5
    に記載の定湯面保持炉。
JP33403596A 1996-12-13 1996-12-13 定湯面保持炉 Pending JPH10175051A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33403596A JPH10175051A (ja) 1996-12-13 1996-12-13 定湯面保持炉

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33403596A JPH10175051A (ja) 1996-12-13 1996-12-13 定湯面保持炉

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10175051A true JPH10175051A (ja) 1998-06-30

Family

ID=18272782

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33403596A Pending JPH10175051A (ja) 1996-12-13 1996-12-13 定湯面保持炉

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10175051A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006006430A1 (ja) * 2004-07-09 2006-01-19 Gs Yuasa Corporation ストラップ、鋳造用金型、入子、鋳造装置及び鋳造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006006430A1 (ja) * 2004-07-09 2006-01-19 Gs Yuasa Corporation ストラップ、鋳造用金型、入子、鋳造装置及び鋳造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10458708B2 (en) Transferring molten metal from one structure to another
US8753563B2 (en) System and method for degassing molten metal
US9643247B2 (en) Molten metal transfer and degassing system
US11858036B2 (en) System and method to feed mold with molten metal
US20140265068A1 (en) System and method for component maintenance
CN116021006A (zh) 一种浸入式机械控制液面铸造炉
JPH0620618B2 (ja) 連続鋳造方法及びその装置
JPH10175051A (ja) 定湯面保持炉
JPH07268437A (ja) セラミックフィルタ板による溶融金属中の非金属介在物除去方法および装置
KR101969111B1 (ko) 주조 설비 및 주조 방법
JPH10175050A (ja) 定湯面溶解保持炉
US20080173423A1 (en) Sequence Casting Process for Producing a High-Purity Cast Metal Strand
CN211112150U (zh) 一种铝合金熔体在线除气装置
CN210996370U (zh) 一种上引连铸炉
JPH11188475A (ja) 金属溶湯のラドル装置および給湯方法
CN210648401U (zh) 铝液净化装置
CN117753934B (zh) 一种回用在线除气废气的铝锭浇铸系统和方法
JPH10249498A (ja) 底部を密閉した固定堰を備えたタンディッシュによる高清浄度鋼連続鋳造方法
JP3348988B2 (ja) タンディッシュ内溶鋼の清浄化方法
JP2000202602A (ja) 連続鋳造用タンディッシュにおける介在物除去方法
JPH02241650A (ja) 溶湯注湯装置
RU2031758C1 (ru) Способ разливки легкоокисляющихся сплавов
SU1115845A1 (ru) Способ полунепрерывной разливки металла
JPH09206911A (ja) 密閉式給湯装置および給湯方法
JPS6152967A (ja) 連続鋳造における鋳込方法