JPH0620618B2 - 連続鋳造方法及びその装置 - Google Patents

連続鋳造方法及びその装置

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JPH0620618B2
JPH0620618B2 JP60061667A JP6166785A JPH0620618B2 JP H0620618 B2 JPH0620618 B2 JP H0620618B2 JP 60061667 A JP60061667 A JP 60061667A JP 6166785 A JP6166785 A JP 6166785A JP H0620618 B2 JPH0620618 B2 JP H0620618B2
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Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、溶湯の清浄効果を高めた連続鋳造法およびそ
の装置に関する。
［従来技術のその問題点］ 溶湯を真空雰囲気にさらすと、溶湯中のガスの除去，有
害不純物成分の除去等の効果があり、清浄な製品品質を
要する材料では溶湯の真空処理が必要である。
従来、溶湯の脱ガス法については、 (1) 流滴脱ガス法 (2) 浴面脱ガス法 (3) 吸い上げ脱ガス法 (4) 還流式脱ガス法 などが行われているが、夫々次のような欠点がある。
すなわち(1)の方法は、装置自体の高さが大きくなる。
(2)の方法は、大きな真空槽が必要であり、取鍋を用い
るのが一般的なため連続鋳造には不向である。
また、(3)の方法は、真空槽が一台のため湯面の変動が
大きくなり、溶湯の流れが不連続となって連続鋳造は難
しい。さらに(4)の方法は還流を起こさせるために溶湯
中に不活性ガスの吹き込みを行なわれなければならず、
溶湯の温度低下も大きく、装置のメンテナンスが難し
い。
以上のように(1)，(2)及び(4)の方法は装置が大きくな
り、既設の設備を改造してそのラインに脱ガス装置を組
み込むことは難しい。
［発明の概要］ 本発明は、以上のような点に鑑みなされたものであっ
て、真空処理のための脱ガス槽を少なくとも二つ用い、
各脱ガス槽の開口を夫々溶湯中に浸漬した状態で、一方
が溶湯を吸入中は他方が溶湯を排出するように、交互に
前記脱ガス槽の真空排気を行って鋳型に至る溶湯を真空
処理することにより、タンディシュ内の湯面の変動を少
なくし、連続鋳造への適用を容易にしている。
［実施例］ 以下、図面を参照して説明するに、第１図は連続溶解−
鋳造装置の運転状態を示している。
連続鋳造においては、溶解炉から連続的に供給された溶
湯１は、入口２から密閉型の保持炉３に導入され、保持
炉３内にて誘導炉４により温度をほぼ一定とし、タンデ
ッシュからストッパー５を介して鋳型６へ注入成形され
る。
本発明では、溶湯が鋳型６に注入される前に溶湯を真空
処理するもで、保持炉３上に二つの脱ガス槽７１，７２
を備えた真空脱ガス装置７を設置し、バルブ８１，８２
を介して真空排気手段、例えば真空ポンプにより気体を
排出し、脱ガス槽７１，７２内を一定時間毎に交互に真
空にすることができるようになっている。
脱ガス槽７１，７２は夫々耐火物からなり、その外周に
は夫々低周波誘導コイル７５，７６が設けられ、脱ガス
中の溶湯の攪拌に伴う脱ガスの促進と、溶湯温度の低下
防止ができるようになっている。
脱ガス槽は二つ以上用いてもよい。勿論各槽は２本一組
を複数組用いてもよいし、各槽が夫々複数に分割された
ようになっていてもよい。
尚、第１図中１０はダストコレクター，９１，９２は不
活性ガス供給用のバルブである。
以上のような構成において、開口７３，７４を夫々溶湯
中に浸漬された脱ガス槽７１，７２は、これを交互に動
作させ、槽７１で脱ガスを行うときは槽７２には不活性
ガスを供給する。誘導コイル７５，７６には常時通電し
ておく。
先ず、槽７１で脱ガスを行う場合、バルブ８１を開、バ
ルブ８２を閉として真空排気を行う。
このとき槽７２側はバルブ９１を開とし、内部に不活性
ガスを導入するが、溶湯量の調節は、真空排気を不活性
ガスとのバランスを取りながら行う。溶湯量の調節を容
易にするため、各槽の開口７３，７４はスリット状又は
穴状の絞り入れておくことが望ましい。
かくして槽７１内が排気され、ある真空度に達した時点
からその状態を一定時間保持することにより脱ガスが行
われる。このとき、誘導コイル７５に通電されているた
め、槽７１内の溶湯は温度低下が防止されると共に、攪
拌されて脱ガスが促進される。
槽７１による脱ガスに引続き槽７２により脱ガスを行う
場合、バルブ８２を開、バルブ８１，９２を閉とし、真
空排気を行う。このときバルブ９１を開とし、槽７１内
に不活性ガスを導入する。斯くすれば、槽７２内の減圧
に伴って槽７２内には所定量の溶湯が吸い上げられると
共に、槽７１から脱ガスされた溶湯が排出されるので、
タンディッシュ内の湯面の変動は殆どない。
以上の動作を一定時間毎に繰返すことにより、脱ガスさ
れた溶湯は、タンデッシュからストッパー５を介して鋳
型６中に注入されるので酸化，吸ガスの機会も少なく、
脱ガスの効果を消失することなく、清浄なインゴッド１
１となる。
因に、無酸素銅の連続溶解−鋳造装置の保持炉に、図示
したような真空脱ガス装置を設置して無酸素銅を鋳造し
たが、本発明によらない場合の連続鋳造の通常の操業と
全く変らなかった。
また、そのときの真空度，保持時間と鍋中のＨ２含有量
を測定したが、第２図（真空度：５Torr）及び第３図
（時間：５分）に示すように、真空度０．９Ｔｏｒｒ以
下又は、０．５Ｔｏｒｒで１分時以上保持すれば、Ｈ２
は０．６ｐｐｍ以下にすることができた。
鍋中に含まれるガス（主にＨ２ガス）は、気孔発生の要
因となり、例えば電子管等に使用されると、スローリー
クの原因となるが、本発明によれば、そのような問題も
解決することができる。
このように本発明は高純度な銅、例えば無酸素銅の脱ガ
スには効果大であるが、高純度アルミ等含有ガスが問題
となる他の金属にも有効であることは明らかである。
尚、本発明は、バッチ型の脱ガス層においての使用も可
能で、槽二台を交互に減圧することにより脱ガス時間を
短縮することができる。また脱ガス槽は脱着が可能な可
搬式としておけば、連続鋳造材の品種中必要なものだけ
に使用することができる。
［発明の効果］ 以上の説明から明らかなように本発明は、二つの脱ガス
槽を用いて交互に脱ガスするものであるから、湯面の変
動が少なく、鋳造ストッパーでの鋳型への注湯調節も容
易で、清浄な製品品質を要する金属材料を容易に連続鋳
造することができる。
しかも、本発明による装置は従来の連続鋳造装置をその
まま、若しくは若干の改造を加えることにより適用可能
であり、そのための費用も多くを有しない等の利点を有
する。
【図面の簡単な説明】
第１図は、本発明の一実施例を示す説明図，第２図及び
第３図は本発明により脱ガスを行った場合のＨ２の低減
量を示すグラフである。 １……溶湯，３……保持炉，５……ストッパー， ６……鋳型、７……真空脱ガス装置， ７１及び７２……脱ガス槽， ７３及び７４……開口， ７５及び７６……誘導コイル， ８１，８２，９１及び９２……バルブ， １０……ダストコレクター， １１……インゴット。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】連続的に供給されて鋳型に至る溶湯の一部
    を、その途中の湯溜部において、真空脱ガス装置の少な
    くとも二つの脱ガス槽により、一方が溶湯を吸入中は他
    方が吸入した溶湯を排出するように一定時間毎に交互に
    真空処理し、その真空処理された溶湯を含む溶湯を鋳型
    に導くことを特徴とする連続鋳造方法。
  2. 【請求項２】連続的に供給されて鋳型に至る溶湯の通路
    の途中に湯溜部を備えてなる連続鋳造装置において、前
    記湯溜部には、夫々溶湯中に浸漬され、夫々溶融湯を吸
    入、排出するための開口を有し、かつ交互に作動する少
    なくとも二つの脱ガス槽を備えた真空脱ガス装置が設置
    されていることを特徴とする連続鋳造装置。
JP60061667A 1985-03-26 1985-03-26 連続鋳造方法及びその装置 Expired - Fee Related JPH0620618B2 (ja)

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