JPH10174525A - 植木鉢 - Google Patents

植木鉢

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JPH10174525A
JPH10174525A JP8354407A JP35440796A JPH10174525A JP H10174525 A JPH10174525 A JP H10174525A JP 8354407 A JP8354407 A JP 8354407A JP 35440796 A JP35440796 A JP 35440796A JP H10174525 A JPH10174525 A JP H10174525A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多種多様な形状のものを能率よく製造でき、
美しい外観で強靱な構造とする。 【解決手段】 植木鉢は、無機質粒子を多孔質に焼結し
た焼結原料体3を裁断して無機多孔質ブロック2とし、
これを連結した側板4を直角に連結している。側板4
は、複数の無機多孔質ブロック2を複数段に接着して連
結し、無機多孔質ブロック2でもって、直角に連結され
る植木鉢のコーナー部を凹凸形状とし、凹凸を互いに嵌
入する状態で接着して、隣接する側板4を連結してい
る。4枚の側板4が直角に連結された底部には、底板5
を配設している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機質材を多孔質
な状態で焼成して製造してなる植木鉢に関する。
【0002】
【従来の技術】陶磁器製の植木鉢は、夏期には相当に高
温に加熱され、冬期には相当に低温に冷却される欠点が
ある。植木鉢が夏に高温になり、あるいは冬に低温にな
ると、植木鉢に植え付けしている植物に、高温あるいは
低温障害を与える。とくに、植木鉢は、畑等に比較して
土の量が少ないで、植木鉢によって加熱されやすく、ま
た冷却されやすい欠点がある。このような欠点は、植木
鉢の断熱性を改善すると共に、軽量化して有効に防止で
きる。このことを実現するために、無機質材を多孔質に
焼成し、あるいは、コンクリートやプラスチックを気泡
ができるように多孔質に成形した植木鉢が開発されてい
る。
【0003】軽くて断熱性に優れた植木鉢が下記の公報
に記載される。 特開平2−303420号公報 特開平3−30615号公報 実開昭56−170956号公報 実開平6−26436号公報 実開平56−160449号公報 実開平57−117970号公報
【0004】、の公報に記載される植木鉢は、繊維
材を集合して成形している。の公報の植木鉢は気泡コ
ンクリートで成形している。の公報の植木鉢は発泡プ
ラスチックで成形している。との公報に記載される
植木鉢は無機質材を多孔質に焼結している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これ等の公報に記載さ
れる植木鉢は、繊維材の間に空隙を設け、あるいは多孔
質にすることによって無数の空隙を設けている。空隙に
よって、優れた断熱性と軽量化を実現している。ただ、
との公報に記載される植木鉢のように、繊維を接着
して製造した植木鉢は、充分な強度と耐久性を持たせる
ことが難しい。それは、繊維の接着材が次第に劣化する
ことが理由である。さらに、この構造の植木鉢は、繊維
自体の強度が弱いたいめに、充分な強度に成形するのが
難しい。強度は、植木鉢の大きさを制約し、大きな植木
鉢とすることができない。
【0006】の公報に記載される植木鉢は、気泡コン
クリートで製造しているので、優れた強度にできる。し
かしながら、気泡コンクリート製の植木鉢は、表面を美
しく着色するのが難しい。コンクリートは人工的に製作
した独特のイメージがあって、自然環境に適合する美し
い色彩に着色するのが難しい。塗料を塗布して着色はで
きるが、コンクリートは極めて強いアルカリ性を示すと
共に、白化現象によって表面を美しく保持するのが極め
て難しい。さらに、の公報に記載される発泡プラスチ
ック製の植木鉢は、著しく軽量化できるが、紫外線や風
雨に晒される屋外で使用されて、充分な耐候性を持たせ
るのが極めて難しい。とくに、着色した植木鉢は、紫外
線によって変色する欠点があり、いつまでも美しい状態
に保持できない欠点がある。また、成形のために高価な
金型を使用するので、多品種少量生産に適していない欠
点もある。
【0007】との公報に記載する無機質材を多孔質
に焼成した植木鉢は、コンクリートやプラスチックでは
得がたい、独特の美しい表面状態にできる。ただ、多孔
質に焼成して製造される植木鉢は、焼成工程における歪
が大きく、狂いのない美しい形状に製造するのが極めて
難しい欠点がある。また、多数の空気を含む状態で焼成
するので、焼成工程で割れやすく、歩留が低くなって製
造コストが高くなる欠点があった。とくに、大きな植木
鉢を製造すると、その弊害が著しくなる欠点があった。
【0008】本発明者は、この欠点を解消するために、
無機質材を多孔質に焼成し、これを裁断して板材とし、
得られた4枚の板材を接着した植木鉢を開発した(特開
平7−170861号公報)。この植木鉢は、無機質粒
子を多孔質に焼成した後、これを板状に裁断して接着す
るので、焼成するときに発生する歪の影響を解消して、
決められた形状の植木鉢を製造できる。ただ、この構造
の植木鉢は、4枚の板材を接着して強固に結合するのが
難しく、大きな植木鉢を製造できない欠点があった。
【0009】このような欠点は、たとえば、実開平5−
91290号公報に記載される図1の構造の植木鉢のよ
うに、連結する板材1の端縁を凹凸状に成形して解消で
きる。この公報の植木鉢は、コンクリートで成形すると
きに、板材1の端縁を凹凸状に成形している。コンクリ
ートは、この形状に成形することはできるが、焼成した
多孔質の無機質板を、この形状に裁断するは極めて難し
い。凹凸状に加工する工程で、凸部が割れてしまうから
である。さらに、焼成前にこの形状に成形して焼成する
こともできるが、焼成するときの歪で、正確に連結でき
なくなる欠点がある。
【0010】本発明はこのような従来の植木鉢が有する
欠点を解決することを目的に開発されたものである。本
発明の重要な目的は、軽量にして優れた断熱特性を有
し、夏期と冬期における植物の温度障害を有効に防止で
きる植木鉢を提供するにある。また、本発明の他の大切
な目的は、美しい外観として優れた耐候性を実現し、紫
外線等に晒される環境で使用されて、長期間美しい色彩
を保持する植木鉢を提供するにある。さらにまた、本発
明の他の目的は、種々の形状や大きさとして、能率よく
多品種少量生産が可能である植木鉢を提供するある。さ
らに本発明の他の大切な目的は、複数の無機多孔質ブロ
ックを強固に連結して、大きくて強靱な構造にできる植
木鉢を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の植木鉢は、前述
の目的を達成するために下記の構成を備える。植木鉢
は、複数の無機多孔質ブロック2を、セメントや接着材
等のバインダーで接着して、直方体の植木鉢形状に結合
している。無機多孔質ブロック2は、無機質粒子を無数
の空隙ができる多孔質な状態に焼結した焼結原料体3
を、所定の直方体ブロックに裁断して製造されている。
植木鉢の4面を構成する側板4は、複数の無機多孔質ブ
ロック2を複数段に接着して連結している。複数段に接
着される無機多孔質ブロック2は、側板4を直角に連結
する植木鉢のコーナー部において、上下に積み重ねられ
る無機多孔質ブロック2で、凹凸形状となるように接着
している。側板4の側縁から突出する無機多孔質ブロッ
ク2の凸部4Aは、隣接して連結される側板4の凹部4
Bに嵌入する状態で接着して連結され、凹凸を互いに嵌
入する状態で連結している。さらに、4枚の側板4を直
角に連結された底には、側板4の内側形状に沿う方形状
の底板5を配設している。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための植木鉢を例示するもので
あって、本発明は、植木鉢を下記のものに特定しない。
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解し易いよ
うに、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許
請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段
の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求
の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するもの
では決してない。
【0013】図2に示す植木鉢は、複数の無機多孔質ブ
ロック2を、バインダー6で接着して、直方体に結合し
ている。無機多孔質ブロック2は、無機質粒子を無数の
空隙ができる多孔質状態で焼結した焼結原料体3を、所
定の直方体ブロックに裁断して製作される。
【0014】無機多孔質ブロック2は、下記の工程で、
図3に示すようにして製造される。 原料調製工程 多孔質の無機質粒子と、この多孔質無機質粒子よりも融
点が低くて粒子径の小さい無機質焼結材と顔料を添加し
て混練りし、多孔質無機質粒子の表面に無機質焼結材を
付着させる。多孔質の無機質粒子は、平均粒子径を1m
m以上とする。それは、小さい多孔質無機質粒子では、
焼成された焼結原料体に充分な保水性を実現できないか
らである。多孔質無機質粒子には、好ましくは、平均粒
子径を1〜5mmとするものを使用する。無機質焼結材
は、平均粒子径を500μm以下とするものを使用す
る。それは、無機質焼結材が大きすぎると、充分な強度
で焼結できないからである。無機質焼結材の平均粒子径
は、好ましくは1〜500μm、さらに好ましくは3〜
100μmの範囲に調整される。無機質粒子には、多孔
質でない無機質粒子も使用できる。焼成するときに発泡
させて、多孔質な焼結原料体にできるからである。た
だ、無機質粒子に多孔質無機質粒子を使用すると、植木
鉢全体をより軽量にできる特長がある。
【0015】植木鉢を構成する無機質材の多孔質無機質
粒子には、パーライト、バーミクライト、軽石、火山れ
き、膨張スラグ、膨張けつ岩等が使用できる。また、多
孔質無機質粒子には、微細な無機質粉体を多孔質な粒子
に焼結したものも使用できる。多孔質無機質粒子の空隙
率は、比重で調整できる。比重の小さい多孔質無機質粒
子は、空隙率が高い。多孔質無機質粒子には、好ましく
は比重が0.01〜1のものを使用する。
【0016】無機質焼結材は、焼成するときに溶融し
て、多孔質無機質粒子を焼結する。したがって、無機質
粉体3には、多孔質無機質粒子よりも融点の低いものを
使用する。また、無機質焼結材には、多孔質無機質粒子
を焼結して充分な強度とするために、焼成前の平均粒子
径を500μm以下、好ましくは1μm以上、さらに好
ましくは3〜100μmとする。微細な粒子の無機質焼
結材は、多孔質無機質粒子の表面に付着し、これが溶融
して多孔質無機質粒子を焼結する。
【0017】無機質焼結材には、焼成温度で溶融して、
多孔質無機質粒子を充分な強度で焼結するように、フラ
ックスやフリットを混合する。フラックスやフリットに
は、焼成時に、溶融して、焼結されるもので、屈伏点を
500〜700℃とするものが使用できる。フリットに
は、例えば、鉛白116重量%、長石111重量%、珪
砂28重量%、石灰石20重量%、亜鉛華12重量%、
粘土21重量%の混合物を溶融して粉砕したもの、ある
いは、珪砂60重量%、硝石22重量%、食塩7.2重
量%、みょうばん3.6重量%、ソーダ灰3.6重量
%、石膏3.6重量%の混合物を溶融して粉砕したもの
等が使用できる。フリットは、混合材料でもって融点が
調整できる。
【0018】無機質焼結材には、フリットに加えて、ガ
ラス粉や珪酸質原料を混合できる。ガラス粉は、混合さ
れるガラスの種類と混合量とを変更して膨張率を調整
し、焼成工程に於ける割れや狂いを防止でき、又、フリ
ットに比べて安価なガラス粉で原料コストを低減でき
る。珪酸質原料には、長石、カオリナイト、白土、ろう
石、ベントナイト、無機粉粒体にけつ岩を原料として焼
成した粉体等が使用できる。
【0019】フリットとガラス粉と珪酸質原料とを混合
した無機質焼結材は、好ましくは、フリット10〜60
重量部、ガラス粉0〜40重量部、珪酸質原料0〜40
重量部の混合品が使用できる。
【0020】多孔質無機質粒子を鉢状又は板状に成形す
るために、無機質焼結材に、水ガラス、CMC等の糊、
セメント等の成形バインダーを混合することもできる。
成形バインダーを混合した無機質焼結材は、多孔質無機
質粒子に混練りして成形できる。成形した後、焼成して
無機質焼結材を焼結させる。糊等の成形バインダーは、
焼成工程で焼失される。
【0021】さらに、無機質焼結材に発泡材を混合する
こともできる。発泡材には、炭酸ナトリウム、炭酸ソー
ダ等が使用できる。
【0022】 成形工程 多孔質無機質粒子と無機質焼結材とを混練りしたもの
を、板状に成形して焼成炉に搬入する。
【0023】 焼成工程 成形したものを焼成炉で焼成し、焼成工程において無機
質焼結材を溶融し、この無機質焼結材を介して多孔質無
機質粒子を焼結して焼結原料体3とする。焼成工程にお
いて溶融された無機質焼結材はバインダーとなって、多
孔質無機質粒子を焼結する。焼結した多孔質無機質粒子
は、優れた通水性と排水性とを実現するために、粒子の
間に無数の空隙ができるように焼結される。
【0024】 裁断工程 焼成された焼結原料体3を直方体のブロック状に裁断し
て無機多孔質ブロック2とする。この無機多孔質ブロッ
ク2は、たとえば、8(全長)×4(幅)×5(高さ)
cmに裁断される。無機多孔質ブロック2の寸法は、好
ましくは、幅を全長の半分とする。側板の凹凸端縁を隙
間なく嵌入できるからである。ただ、本発明の植木鉢
は、無機多孔質ブロックの大きさを前述の寸法に特定し
ない。たとえば、全長を5〜20cm、幅を全長の半
分、高さを全長の20〜80%とすることもできる。
【0025】 無機多孔質ブロックの接着工程 図2に示す植木鉢は、所定の寸法に裁断された無機多孔
質ブロック2を、セメントや接着材等のバインダー6で
接着して、直方体の植木鉢形状に結合している。植木鉢
の4面を構成する側板4は、複数の無機多孔質ブロック
2を複数段に接着して連結している。無機多孔質ブロッ
ク2で側板4を製作するために、複数の無機多孔質ブロ
ック2をバインダー6で板状に結合する。複数段に接着
される無機多孔質ブロック2は、側板4を直角に連結す
る植木鉢のコーナー部において、上下の段で凹凸するよ
うに接着される。側板4の側縁から突出する無機多孔質
ブロック2の凸部4Aは、隣接して連結される側板4の
凹部4Bに嵌入する状態で接着される。
【0026】図2に示す植木鉢は、4枚の側板4をコー
ナーで連結して製造される。側板4は、図5と図6に示
すように、無機多孔質ブロック2を上下に積み重ねて板
状に成形して製作される。無機多孔質ブロック2は、側
板4の端縁から交互に突出するように、位置を無機多孔
質ブロック2の全長の半分ずらせて積み重ねて接着され
る。
【0027】無機多孔質ブロック2は、まず1段を直線
状に連結し、その上に2段、3段・・・と積み重ねる位
置をずらせてバインダーで板状に結合する。上下に積み
重ねられる無機多孔質ブロック2の間には、図8と図9
の断面図に示すように、鉄筋等の補強ロッド7を埋設す
る。補強ロッド7は、板状に連結される無機多孔質ブロ
ック2の連結強度を強くすることに加えて、上下に積み
重ねる無機多孔質ブロック2の隙間を均一にできる特長
も実現する。補強ロッドで無機多孔質ブロックの目地隙
間を一定にするために、無機多孔質ブロックは、平板の
上に載せられて補強ロッドを挟着する状態で、バインダ
ーで結合される。
【0028】無機多孔質ブロック2を板状に連結して製
作された側板4は、端縁の凹凸を互いに嵌入する状態に
バインダーで接着して、直方体の植木鉢とする。植木鉢
は、側板4を連結する数を調整して、大きさを調整でき
る。たとえば、図5に示す側板4を、図7に示すよう
に、2枚直列に連結して、図2に示す植木鉢とすること
もできる。さらに、図示しないが、図4に示す形状の側
板を4枚連結して平面形状を正方形とする植木鉢を製作
することもできる。このように、端縁を互いに嵌着でき
る凹凸形状とする側板は、連結する枚数を調整して、植
木鉢の大きさを自由に変更できる。このため、同じ形状
の側板を製作して、種々の大きさの植木鉢を能率よく製
造できる特長がある。
【0029】 底板を配設する工程 方形状に連結される側板は、内側に、底板5を支持する
ストッパー8を部分的に固定している。ストッパー8に
底板5を載せて、植木鉢の定位置に底板を固定できる。
底板5には、耐候性と耐水性のある無機質板材が使用で
きる。底板5は、方形状に連結された側板4の内側形状
に沿う方形状に裁断されている。
【0030】底板5を定位置に固定するために、図10
の断面図に示すように、無機多孔質ブロック2の目地に
アンカーナット9を埋設する構造とすることもできる。
アンカーナット9は、ここにねじ込むネジ10で、L金
具11を固定する。L金具11に底板5を載せて固定す
る。この構造は、L金具11を固定する位置で側板4の
上下位置を調整できる。
【0031】[実施例1]下記のようにして植木鉢を製
造する。 フリット10重量部と、カオリナイト30重量部
と、ガラス粉40重量部と、べんがら0.1重量部を混
合して粉砕し、平均粒子径を20μmに調整して無機質
焼結材とする。フリットには、日本フリット株式会社の
XT−172(体膨張係数222×10-7、屈伏点67
0℃)と、日本フェロー株式会社のフリット番号390
7(体膨張係数334×10-7、屈伏点510℃)とを
混合して、屈伏点が580℃のものを使用する。
【0032】 得られた無機質焼結材30重量部と、
5%CMC溶液10重量部とを、50重量部の多孔質無
機質粒子に添加して混練りする。多孔質無機質粒子に
は、平均粒子径が3mm、比重が0.1であるパーライ
トを使用する。
【0033】 多孔質無機質粒子と無機質焼結材の混
合品を板状に成形し、厚さを5cm、幅を80cm、長
さを120cmとして、メッシュベルトの上に積載す
る。メッシュベルトをコンベアキルンに送り込んで成形
品を3時間焼成する。ネットコンベアキルンのコンベア
ネットは、入口から出口までの時間を3時間、焼成温度
を850℃とした。
【0034】 焼成した焼結原料体を、8×4×5c
mのブロックに裁断して無機多孔質ブロック2とする。 無機多孔質ブロック2を、図5と図6に示すように
4段に積み重ねし、バインダー6にコンクリートを使用
して板状に連結する。この工程で側板4が製作される。
側板4となる上下の無機多孔質ブロック2の間には、バ
インダー6に補強ロッド7を埋設して、無機多孔質ブロ
ック2の連結強度を強くして、目地の幅を一定にする。
無機多孔質ブロック2の目地には、アンカーナット9も
埋設する。アンカーナット9は、T字状となる目地に埋
設する。
【0035】 側板4を端縁で直角に連結して方形状
の植木鉢とする。側板4は、端縁の凹凸を互いに嵌入す
る状態で、コンクリート製のバインダーで結合する。 側板4を製造するときに固定されたアンカーナット
9に、ネジでL金具11を固定し、L金具11に底板5
を載せて植木鉢を完成する。
【0036】[実施例2]下記のようにして植木鉢を製
造する。 無機質焼結材は実施例1と同じものを使用する。 苛性ソーダ溶液25重量部に、市販の2号水ガラス
25重量部を加えて調整水ガラスとする。
【0037】 多孔質無機質粒子50重量部に、30
重量部の無機質焼結材と、30重量部の調整水ガラス
(で調整したもの)を添加して充分に混合し、さらさ
らと流動性がある状態まで乾燥する。多孔質無機質粒子
にはバーミクライトを使用する。
【0038】 で調整した原料50重量部に、水ガ
ラス硬化剤を5〜50重量部、好ましくは30重量部添
加して充分に混合し、成形枠に充填して鉢状に成形す
る。成形枠に入れた状態で50〜100℃に加熱して硬
化さして予備成形する。水ガラス硬化剤には、珪フッカ
曹達、カーボン、フェロシリコン等を使用する。硬化に
要する時間は5分ないし1時間である。硬化後に脱型
し、含水率を20%とするまで乾燥する。 その後、900℃で3時間焼成して焼結原料体3と
する。その後、実施例1と同様にして植木鉢とする。
【0039】
【発明の効果】本発明の植木鉢は、下記の極めて優れた
特長を実現する。 軽量で優れた断熱性があり、夏期と冬期における植
物の温度障害を有効に防止できる。とくに、本発明の植
木鉢は、無機質粒子を無数の空隙ができる状態で焼結し
てなる焼結原料体を、所定の直方体ブロックに裁断して
なる無機多孔質ブロックとし、これを連結しているの
で、無機多孔質ブロックを連結するバインダーで、植木
鉢の全体的な強度を向上できる。このため、無機多孔質
ブロックには強い強度が要求されず、無機多孔質ブロッ
クの空隙率を高くでき、無機多孔質ブロックを軽量にし
て優れた断熱性とすることができる。
【0040】 美しい外観にできると共に、極めて優
れた耐候性があり、紫外線等に晒される屋外で長期間使
用されて、美しい色彩を保持できる特長がある。それ
は、本発明の植木鉢が、無機質粒子を無数の空隙ができ
るように焼結して焼結原料体とし、これを裁断して無機
多孔質ブロックとし、複数の無機多孔質ブロックを連結
して、端縁を凹凸状とする側板とし、この側板を端縁の
凹凸を互いに嵌入する状態で連結して製作しているから
である。とくに、無機質粒子を焼結してこれを一定の寸
法に裁断した無機多孔質ブロックは、一定の形状に製作
できると共に、その表面には微細な凹凸があって自然の
美しい地肌となり、しかも焼成するときに無機の顔料を
添加して製造できるので、コンクリートやプラスチック
で実現できない極めて優れた耐候性がある。
【0041】 種々の形状や大きさとして、能率よく
多品種少量生産できる。それは、本発明の植木鉢が、無
機質粒子を混練りした原料を植木鉢の形状に焼結するの
ではなく、また、大きな形状に焼成してこれを連結する
のでもなく、焼成した焼結原料体を小さく裁断して無機
多孔質ブロックとし、この無機多孔質ブロックを複数個
連結して側板とし、この側板を直角に連結して植木鉢と
しているからである。
【0042】 大きくて強靱な構造にできる特長があ
る。それは、本発明の植木鉢が、無機質粒子を焼結した
焼結原料体を裁断して小さな無機多孔質ブロックとし、
この無機多孔質ブロックを強固に連結して製造できるか
らである。焼成された無機多孔質ブロックは、目地のバ
インダーで連結されるが、バインダーは無機多孔質ブロ
ックを連結すると共に、無機多孔質ブロックを連結部分
で補強して連結する。さらに、本発明の植木鉢は、積み
重ねて連結される無機多孔質ブロックで、側板の端縁に
凹凸を設け、この凹凸を互いに嵌入させる状態で、隣接
する側板を連結している。目地のバインダーで無機多孔
質ブロックが補強しながら連結されることと、側板の端
縁を無機多孔質ブロックで互いに嵌入構造で結合できる
独特の構造で、本発明の植木鉢は、全体的な強度を著し
く強靱にできる。このため、無機多孔質ブロックの連結
個数を多くすることにより、強くて大きな植木鉢を製作
することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の植木鉢の一例を示す分解斜視図
【図2】本発明の実施例の植木鉢を示す斜視図
【図3】無機多孔質ブロックの製造工程を示す側面図お
よび斜視図
【図4】図2に示す植木鉢の平面図
【図5】図2に示す植木鉢の側板を示す正面図
【図6】図2に示す植木鉢の側板を示す正面図
【図7】側板を連結する状態を示す斜視図
【図8】無機多孔質ブロックを連結する目地の断面図
【図9】図2に示す植木鉢の横断面図
【図10】側板に底板を連結する部分の断面図
【符号の説明】
1…板材 2…無機多孔質ブロック 3…焼結原料体 4…側板 4A…凸部 4B…凹部 5…底板 6…バインダー 7…補強ロッド 8…ストッパー 9…アンカーナット 10…ネジ 11…L金具
【手続補正書】
【提出日】平成9年2月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 植木鉢
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機質材を多孔質
な状態で焼成して製造してなる植木鉢に関する。
【0002】
【従来の技術】陶磁器製の植木鉢は、夏期には相当に高
温に加熱され、冬期には相当に低温に冷却される欠点が
ある。植木鉢が夏に高温になり、あるいは冬に低温にな
ると、植木鉢に植え付けしている植物に、高温あるいは
低温障害を与える。とくに、植木鉢は、畑等に比較して
土の量が少ないで、植木鉢によって加熱されやすく、
また冷却されやすい欠点がある。このような欠点は、植
木鉢の断熱性を改善すると共に、軽量化して有効に防止
できる。このことを実現するために、無機質材を多孔質
に焼成し、あるいは、コンクリートやプラスチックを気
泡ができるように多孔質に成形した植木鉢が開発されて
いる。
【0003】軽くて断熱性に優れた植木鉢が下記の公報
に記載される。 特開平2−303420号公報 特開平3−30615号公報 実開昭56−170956号公報 実開平6−26436号公報 実開平56−160449号公報 実開平57−117970号公報
【0004】、の公報に記載される植木鉢は、繊維
材を集合して成形している。の公報の植木鉢は気泡コ
ンクリートで成形している。の公報の植木鉢は発泡プ
ラスチックで成形している。との公報に記載される
植木鉢は無機質材を多孔質に焼結している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これ等の公報に記載さ
れる植木鉢は、繊維材の間に空隙を設け、あるいは多孔
質にすることによって無数の空隙を設けている。空隙に
よって、優れた断熱性と軽量化を実現している。ただ、
との公報に記載される植木鉢のように、繊維を接着
して製造した植木鉢は、充分な強度と耐久性を持たせる
ことが難しい。それは、繊維の接着材が次第に劣化する
ことが理由である。さらに、この構造の植木鉢は、繊維
自体の強度が弱いために、充分な強度に成形するのが難
しい。強度は、植木鉢の大きさを制約し、大きな植木鉢
とすることができない。
【0006】の公報に記載される植木鉢は、気泡コン
クリートで製造しているので、優れた強度にできる。し
かしながら、気泡コンクリート製の植木鉢は、表面を美
しく着色するのが難しい。コンクリートは人工的に製作
した独特のイメージがあって、自然環境に適合する美し
い色彩に着色するのが難しい。塗料を塗布して着色はで
きるが、コンクリートは極めて強いアルカリ性を示すと
共に、白化現象によって表面を美しく保持するのが極め
て難しい。さらに、の公報に記載される発泡プラスチ
ック製の植木鉢は、著しく軽量化できるが、紫外線や風
雨に晒される屋外で使用されて、充分な耐候性を持たせ
るのが極めて難しい。とくに、着色した植木鉢は、紫外
線によって変色する欠点があり、いつまでも美しい状態
に保持できない欠点がある。また、成形のために高価な
金型を使用するので、多品種少量生産に適していない欠
点もある。
【0007】との公報に記載する無機質材を多孔質
に焼成した植木鉢は、コンクリートやプラスチックでは
得がたい、独特の美しい表面状態にできる。ただ、多孔
質に焼成して製造される植木鉢は、焼成工程における歪
が大きく、狂いのない美しい形状に製造するのが極めて
難しい欠点がある。また、多数の空気を含む状態で焼成
するので、焼成工程で割れやすく、歩留が低くなって製
造コストが高くなる欠点があった。とくに、大きな植木
鉢を製造すると、その弊害が著しくなる欠点があった。
【0008】本発明者は、この欠点を解消するために、
無機質材を多孔質に焼成し、これを裁断して板材とし、
得られた4枚の板材を接着した植木鉢を開発した(特開
平7−170861号公報)。この植木鉢は、無機質粒
子を多孔質に焼成した後、これを板状に裁断して接着す
るので、焼成するときに発生する歪の影響を解消して、
決められた形状の植木鉢を製造できる。ただ、この構造
の植木鉢は、4枚の板材を接着して強固に結合するのが
難しく、大きな植木鉢を製造できない欠点があった。
【0009】このような欠点は、たとえば、実開平5−
91290号公報に記載される図1の構造の植木鉢のよ
うに、連結する板材1の端縁を凹凸状に成形して解消で
きる。この公報の植木鉢は、コンクリートで成形すると
きに、板材1の端縁を凹凸状に成形している。コンクリ
ートは、この形状に成形することはできるが、焼成した
多孔質の無機質板を、この形状に裁断するは極めて難し
い。凹凸状に加工する工程で、凸部が割れてしまうから
である。さらに、焼成前にこの形状に成形して焼成する
こともできるが、焼成するときの歪で、正確に連結でき
なくなる欠点がある。
【0010】本発明はこのような従来の植木鉢が有する
欠点を解決することを目的に開発されたものである。本
発明の重要な目的は、軽量にして優れた断熱特性を有
し、夏期と冬期における植物の温度障害を有効に防止で
きる植木鉢を提供するにある。また、本発明の他の大切
な目的は、美しい外観として優れた耐候性を実現し、紫
外線等に晒される環境で使用されて、長期間美しい色彩
を保持する植木鉢を提供するにある。さらにまた、本発
明の他の目的は、種々の形状や大きさとして、能率よく
多品種少量生産が可能である植木鉢を提供するある。さ
らに本発明の他の大切な目的は、複数の無機多孔質ブロ
ックを強固に連結して、大きくて強靭な構造にできる植
木鉢を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の植木鉢は、前述
の目的を達成するために下記の構成を備える。植木鉢
は、複数の無機多孔質ブロック2を、セメントや接着材
等のバインダーで接着して、直方体の植木鉢形状に結合
している。無機多孔質ブロック2は、無機質粒子を無数
の空隙ができる多孔質な状態に焼結した焼結原料体3
を、所定の直方体ブロックに裁断して製造されている。
植木鉢の4面を構成する側板4は、複数の無機多孔質ブ
ロック2を複数段に接着して連結している。複数段に接
着される無機多孔質ブロック2は、側板4を直角に連結
する植木鉢のコーナー部において、上下に積み重ねられ
る無機多孔質ブロック2で、凹凸形状となるように接着
している。側板4の側縁から突出する無機多孔質ブロッ
ク2の凸部4Aは、隣接して連結される側板4の凹部4
Bに嵌入する状態で接着して連結され、凹凸を互いに嵌
入する状態で連結している。さらに、4枚の側板4を直
角に連結された底には、側板4の内側形状に沿う方形状
の底板5を配設している。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための植木鉢を例示するもので
あって、本発明は、植木鉢を下記のものに特定しない。
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解し易いよ
うに、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許
請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段
の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求
の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するもの
では決してない。
【0013】図2に示す植木鉢は、複数の無機多孔質ブ
ロック2を、バインダー6で接着して、直方体に結合し
ている。無機多孔質ブロック2は、無機質粒子を無数の
空隙ができる多孔質状態で焼結した焼結原料体3を、所
定の直方体ブロックに裁断して製作される。
【0014】無機多孔質ブロック2は、下記の工程で、
図3に示すようにして製造される。 原料調製工程 多孔質の無機質粒子と、この多孔質無機質粒子よりも融
点が低くて粒子径の小さい無機質焼結材と顔料を添加し
て混練りし、多孔質無機質粒子の表面に無機質焼結材を
付着させる。多孔質の無機質粒子は、平均粒子径を1m
m以上とする。それは、小さい多孔質無機質粒子では、
焼成された焼結原料体に充分な保水性を実現できないか
らである。多孔質無機質粒子には、好ましくは、平均粒
子径を1〜5mmとするものを使用する。無機質焼結材
は、平均粒子径を500μm以下とするものを使用す
る。それは、無機質焼結材が大きすぎると、充分な強度
で焼結できないからである。無機質焼結材の平均粒子径
は、好ましくは1〜500μm、さらに好ましくは3〜
100μmの範囲に調整される。無機質粒子には、多孔
質でない無機質粒子も使用できる。焼成するときに発泡
させて、多孔質な焼結原料体にできるからである。た
だ、無機質粒子に多孔質無機質粒子を使用すると、植木
鉢全体をより軽量にできる特長がある。
【0015】植木鉢を構成する無機質材の多孔質無機質
粒子には、パーライト、バーミクライト、軽石、火山れ
き、膨張スラグ、膨張けつ岩等が使用できる。また、多
孔質無機質粒子には、微細な無機質粉体を多孔質な粒子
に焼結したものも使用できる。多孔質無機質粒子の空隙
率は、比重で調整できる。比重の小さい多孔質無機質粒
子は、空隙率が高い。多孔質無機質粒子には、好ましく
は比重が0.01〜1のものを使用する。
【0016】無機質焼結材は、焼成するときに溶融し
て、多孔質無機質粒子を焼結する。したがって、無機質
粉体3には、多孔質無機質粒子よりも融点の低いものを
使用する。また、無機質焼結材には、多孔質無機質粒子
を焼結して充分な強度とするために、焼成前の平均粒子
径を500μm以下、好ましくは1μm以上、さらに好
ましくは3〜100μmとする。微細な粒子の無機質焼
結材は、多孔質無機質粒子の表面に付着し、これが溶融
して多孔質無機質粒子を焼結する。
【0017】無機質焼結材には、焼成温度で溶融して、
多孔質無機質粒子を充分な強度で焼結するように、フラ
ックスやフリットを混合する。フラックスやフリットに
は、焼成時に、溶融して、焼結されるもので、屈伏点を
500〜700℃とするものが使用できる。フリットに
は、例えば、鉛白116重量%、長石111重量%、珪
砂28重量%、石灰石20重量%、亜鉛華12重量%、
粘土21重量%の混合物を溶融して粉砕したもの、ある
いは、珪砂60重量%、硝石22重量%、食塩7.2重
量%、みょうばん3.6重量%、ソーダ灰3.6重量
%、石膏3.6重量%の混合物を溶融して粉砕したもの
等が使用できる。フリットは、混合材料でもって融点が
調整できる。
【0018】無機質焼結材には、フリットに加えて、ガ
ラス粉や珪酸質原料を混合できる。ガラス粉は、混合さ
れるガラスの種類と混合量とを変更して膨張率を調整
し、焼成工程に於ける割れや狂いを防止でき、又、フリ
ットに比べて安価なガラス粉で原料コストを低減でき
る。珪酸質原料には、長石、カオリナイト、白土、ろう
石、ベントナイト、無機粉粒体にけつ岩を原料として焼
成した粉体等が使用できる。
【0019】フリットとガラス粉と珪酸質原料とを混合
した無機質焼結材は、好ましくは、フリット10〜60
重量部、ガラス粉0〜40重量部、珪酸質原料0〜40
重量部の混合品が使用できる。
【0020】多孔質無機質粒子を鉢状又は板状に成形す
るために、無機質焼結材に、水ガラス、CMC等の糊、
セメント等の成形バインダーを混合することもできる。
成形バインダーを混合した無機質焼結材は、多孔質無機
質粒子に混練りして成形できる。成形した後、焼成して
無機質焼結材を焼結させる。糊等の成形バインダーは、
焼成工程で焼失される。
【0021】さらに、無機質焼結材に発泡材を混合する
こともできる。発泡材には、炭酸ナトリウム、炭酸ソー
ダ等が使用できる。
【0022】 成形工程 多孔質無機質粒子と無機質焼結材とを混練りしたもの
を、板状に成形して焼成炉に搬入する。
【0023】 焼成工程 成形したものを焼成炉で焼成し、焼成工程において無機
質焼結材を溶融し、この無機質焼結材を介して多孔質無
機質粒子を焼結して焼結原料体3とする。焼成工程にお
いて溶融された無機質焼結材はバインダーとなって、多
孔質無機質粒子を焼結する。焼結した多孔質無機質粒子
は、優れた通水性と排水性とを実現するために、粒子の
間に無数の空隙ができるように焼結される。
【0024】 裁断工程 焼成された焼結原料体3を直方体のブロック状に裁断し
て無機多孔質ブロック2とする。この無機多孔質ブロッ
ク2は、たとえば、8(全長)×4(幅)×5(高さ)
cmに裁断される。無機多孔質ブロック2の寸法は、好
ましくは、幅を全長の半分とする。側板の凹凸端縁を隙
間なく嵌入できるからである。ただ、本発明の植木鉢
は、無機多孔質ブロックの大きさを前述の寸法に特定し
ない。たとえば、全長を5〜20cm、幅を全長の半
分、高さを全長の20〜80%とすることもできる。
【0025】 無機多孔質ブロックの接着工程 図2に示す植木鉢は、所定の寸法に裁断された無機多孔
質ブロック2を、セメントや接着材等のバインダー6で
接着して、直方体の植木鉢形状に結合している。植木鉢
の4面を構成する側板4は、複数の無機多孔質ブロック
2を複数段に接着して連結している。無機多孔質ブロッ
ク2で側板4を製作するために、複数の無機多孔質ブロ
ック2をバインダー6で板状に結合する。複数段に接着
される無機多孔質ブロック2は、側板4を直角に連結す
る植木鉢のコーナー部において、上下の段で凹凸するよ
うに接着される。側板4の側縁から突出する無機多孔質
ブロック2の凸部4Aは、隣接して連結される側板4の
凹部4Bに嵌入する状態で接着される。
【0026】図2に示す植木鉢は、4枚の側板4をコー
ナーで連結して製造される。側板4は、図5と図6に示
すように、無機多孔質ブロック2を上下に積み重ねて板
状に成形して製作される。無機多孔質ブロック2は、側
板4の端縁から交互に突出するように、位置を無機多孔
質ブロック2の全長の半分ずらせて積み重ねて接着され
る。
【0027】無機多孔質ブロック2は、まず1段を直線
状に連結し、その上に2段、3段・・・と積み重ねる位
置をずらせてバインダーで板状に結合する。上下に積み
重ねられる無機多孔質ブロック2の間には、図8と図9
の断面図に示すように、鉄筋等の補強ロッド7を埋設す
る。補強ロッド7は、板状に連結される無機多孔質ブロ
ック2の連結強度を強くすることに加えて、上下に積み
重ねる無機多孔質ブロック2の隙間を均一にできる特長
も実現する。補強ロッドで無機多孔質ブロックの目地隙
間を一定にするために、無機多孔質ブロックは、平板の
上に載せられて補強ロッドを挟着する状態で、バインダ
ーで結合される。
【0028】無機多孔質ブロック2を板状に連結して製
作された側板4は、端縁の凹凸を互いに嵌入する状態に
バインダーで接着して、直方体の植木鉢とする。植木鉢
は、側板4を連結する数を調整して、大きさを調整でき
る。たとえば、図5に示す側板4を、図7に示すよう
に、2枚直列に連結して、図2に示す植木鉢とすること
もできる。さらに、図示しないが、図4に示す形状の側
板を4枚連結して平面形状を正方形とする植木鉢を製作
することもできる。このように、端縁を互いに嵌着でき
る凹凸形状とする側板は、連結する枚数を調整して、植
木鉢の大きさを自由に変更できる。このため、同じ形状
の側板を製作して、種々の大きさの植木鉢を能率よく製
造できる特長がある。
【0029】 底板を配設する工程 方形状に連結される側板は、内側に、底板5を支持する
ストッパー8を部分的に固定している。ストッパー8に
底板5を載せて、植木鉢の定位置に底板を固定できる。
底板5には、耐候性と耐水性のある無機質板材が使用で
きる。底板5は、方形状に連結された側板4の内側形状
に沿う方形状に裁断されている。
【0030】底板5を定位置に固定するために、図10
の断面図に示すように、無機多孔質ブロック2の目地に
アンカーナット9を埋設する構造とすることもできる。
アンカーナット9は、ここにねじ込むネジ10で、L金
具11を固定する。L金具11に底板5を載せて固定す
る。この構造は、L金具11を固定する位置で側板4の
上下位置を調整できる。
【0031】[実施例1]下記のようにして植木鉢を製
造する。 フリット10重量部と、カオリナイト30重量部
と、ガラス粉40重量部と、べんがら0.1重量部を混
合して粉砕し、平均粒子径を20μmに調整して無機質
焼結材とする。フリットには、日本フリット株式会社の
XT−172(体膨張係数222×10−7、屈伏点6
70℃)と、日本フェロー株式会社のフリット番号39
07(体膨張係数334×10−7、屈伏点510℃)
とを混合して、屈伏点が580℃のものを使用する。
【0032】 得られた無機質焼結材30重量部と、
5%CMC溶液10重量部とを、50重量部の多孔質無
機質粒子に添加して混練りする。多孔質無機質粒子に
は、平均粒子径が3mm、比重が0.1であるパーライ
トを使用する。
【0033】 多孔質無機質粒子と無機質焼結材の混
合品を板状に成形し、厚さを5cm、幅を80cm、長
さを120cmとして、メッシュベルトの上に積載す
る。メッシュベルトをコンベアキルンに送り込んで成形
品を3時間焼成する。ネットコンベアキルンのコンベア
ネットは、入口から出口までの時間を3時間、焼成温度
を850℃とした。
【0034】 焼成した焼結原料体を、8×4×5c
mのブロックに裁断して無機多孔質ブロック2とする。 無機多孔質ブロック2を、図5と図6に示すように
4段に積み重ねし、バインダー6にコンクリートを使用
して板状に連結する。この工程で側板4が製作される。
側板4となる上下の無機多孔質ブロック2の間には、バ
インダー6に補強ロッド7を埋設して、無機多孔質ブロ
ック2の連結強度を強くして、目地の幅を一定にする。
無機多孔質ブロック2の目地には、アンカーナット9も
埋設する。アンカーナット9は、T字状となる目地に埋
設する。
【0035】 側板4を端縁で直角に連結して方形状
の植木鉢とする。側板4は、端縁の凹凸を互いに嵌入す
る状態で、コンクリート製のバインダーで結合する。 側板4を製造するときに固定されたアンカーナット
9に、ネジでL金具11を固定し、L金具11に底板5
を載せて植木鉢を完成する。
【0036】[実施例2]下記のようにして植木鉢を製
造する。 無機質焼結材は実施例1と同じものを使用する。 苛性ソーダ溶液25重量部に、市販の2号水ガラス
25重量部を加えて調整水ガラスとする。
【0037】 多孔質無機質粒子50重量部に、30
重量部の無機質焼結材と、30重量部の調整水ガラス
(で調整したもの)を添加して充分に混合し、さらさ
らと流動性がある状態まで乾燥する。多孔質無機質粒子
にはバーミクライトを使用する。
【0038】 で調整した原料50重量部に、水ガ
ラス硬化剤を5〜50重量部、好ましくは30重量部添
加して充分に混合し、成形枠に充填して鉢状に成形す
る。成形枠に入れた状態で50〜100℃に加熱して硬
化さて予備成形する。水ガラス硬化剤には、珪フッカ
曹達、カーボン、フェロシリコン等を使用する。硬化に
要する時間は5分ないし1時間である。硬化後に脱型
し、含水率を20%とするまで乾燥する。 その後、900℃で3時間焼成して焼結原料体3と
する。その後、実施例1と同様にして植木鉢とする。
【0039】
【発明の効果】本発明の植木鉢は、下記の極めて優れた
特長を実現する。 軽量で優れた断熱性があり、夏期と冬期における植
物の温度障害を有効に防止できる。とくに、本発明の植
木鉢は、無機質粒子を無数の空隙ができる状態で焼結し
てなる焼結原料体を、所定の直方体ブロックに裁断して
なる無機多孔質ブロックとし、これを連結しているの
で、無機多孔質ブロックを連結するバインダーで、植木
鉢の全体的な強度を向上できる。このため、無機多孔質
ブロックには強い強度が要求されず、無機多孔質ブロッ
クの空隙率を高くでき、無機多孔質ブロックを軽量にし
て優れた断熱性とすることができる。
【0040】 美しい外観にできると共に、極めて優
れた耐候性があり、紫外線等に晒される屋外で長期間使
用されて、美しい色彩を保持できる特長がある。それ
は、本発明の植木鉢が、無機質粒子を無数の空隙ができ
るように焼結して焼結原料体とし、これを裁断して無機
多孔質ブロックとし、複数の無機多孔質ブロックを連結
して、端縁を凹凸状とする側板とし、この側板を端縁の
凹凸を互いに嵌入する状態で連結して製作しているから
である。とくに、無機質粒子を焼結してこれを一定の寸
法に裁断した無機多孔質ブロックは、一定の形状に製作
できると共に、その表面には微細な凹凸があって自然の
美しい地肌となり、しかも焼成するときに無機の顔料を
添加して製造できるので、コンクリートやプラスチック
で実現できない極めて優れた耐候性がある。
【0041】 種々の形状や大きさとして、能率よく
多品種少量生産できる。それは、本発明の植木鉢が、無
機質粒子を混練りした原料を植木鉢の形状に焼結するの
ではなく、また、大きな形状に焼成してこれを連結する
のでもなく、焼成した焼結原料体を小さく裁断して無機
多孔質ブロックとし、この無機多孔質ブロックを複数個
連結して側板とし、この側板を直角に連結して植木鉢と
しているからである。
【0042】 大きくて強靭な構造にできる特長があ
る。それは、本発明の植木鉢が、無機質粒子を焼結した
焼結原料体を裁断して小さな無機多孔質ブロックとし、
この無機多孔質ブロックを強固に連結して製造できるか
らである。焼成された無機多孔質ブロックは、目地のバ
インダーで連結されるが、バインダーは無機多孔質ブロ
ックを連結すると共に、無機多孔質ブロックを連結部分
で補強して連結する。さらに、本発明の植木鉢は、積み
重ねて連結される無機多孔質ブロックで、側板の端縁に
凹凸を設け、この凹凸を互いに嵌入させる状態で、隣接
する側板を連結している。目地のバインダーで無機多孔
質ブロックが補強しながら連結されることと、側板の端
縁を無機多孔質ブロックで互いに嵌入構造で結合できる
独特の構造で、本発明の植木鉢は、全体的な強度を著し
く強靭にできる。このため、無機多孔質ブロックの連結
個数を多くすることにより、強くて大きな植木鉢を製作
することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の植木鉢の一例を示す分解斜視図
【図2】本発明の実施例の植木鉢を示す斜視図
【図3】無機多孔質ブロックの製造工程を示す側面図お
よび斜視図
【図4】図2に示す植木鉢の平面図
【図5】図2に示す植木鉢の側板を示す正面図
【図6】図2に示す植木鉢の側板を示す正面図
【図7】側板を連結する状態を示す斜視図
【図8】無機多孔質ブロックを連結する目地の断面図
【図9】図2に示す植木鉢の横断面図
【図10】側板に底板を連結する部分の断面図
【符号の説明】 1…板材 2…無機多孔質ブロック 3…焼結原料体 4…側板 4A…凸部 4B…凹部 5…底板 6…バインダー 7…補強ロッド 8…ストッパー 9…アンカーナット 10…ネジ 11…L金具

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機質粒子が無数の空隙ができる多孔質
    状態で焼結された焼結原料体(3)を、所定の直方体ブロ
    ックに裁断してなる複数個の無機多孔質ブロック(2)
    が、セメントや接着材等のバインダー(6)で接着され
    て、直方体の植木鉢形状に結合されてなる植木鉢であっ
    て、 植木鉢の4面を構成する側板(4)は、複数の無機多孔質
    ブロック(2)を複数段に接着して連結されたもので、複
    数段に接着される無機多孔質ブロック(2)は、側板(4)を
    直角に連結する植木鉢のコーナー部において、上下の段
    で凹凸形状となるように接着されており、側板(4)の側
    縁から突出する無機多孔質ブロック(2)の凸部(4A)は、
    隣接して連結される側板(4)の凹部(4B)に嵌入する状態
    で、凹凸を互いに嵌入させる状態で接着して連結されて
    おり、4枚の側板(4)を直角に連結された底には、側板
    (4)の内側形状に沿う方形状の底板(5)を配設してなるこ
    とを特徴とする植木鉢。
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