JP2006016227A5 - - Google Patents

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海洋性藻類等付着基板及び多孔性焼結体の製造方法
本発明は、がいし廃材の再利用のためのがいし廃材を材料とする海洋性藻類等付着基板及び多孔性焼結体の製造方法に関する。
近時、地球温暖化や化石エネルギー枯渇などのテーマを通して地球環境への問題意識と危機感が高まる中、省エネルギーと並んで省資源とリサイクルの新技術に大きな期待と願望が寄せられている。とりわけ卓越した物性などの特質を備えた有用資源に関してはなおさらそうである。例えばがいし廃材のリサイクルのテーマに関してもその例外ではない。
電信柱、送電塔などの送電設備とこれらに関連する変電設備等において電気絶縁に常用されているがいしには、その使用目的上要求される機能、安全性、信頼性等から1300℃の還元雰囲気という物性上きわめて厳しい条件下で製造された焼成焼結体が使用されている。その製造条件によりがいしは吸水率0%の緻密な構造を持つことから硬度・耐摩耗性がすこぶる高く、耐酸・耐アルカリ性に代表される耐薬品性にも卓抜して優れている。しかも、半永久的に物性変化がないため経年変化がほとんど認められないという注目すべき性質を有している。
上記のようながいしの際立った物性安定性に代表される特異な性質のおかげで、使用済みのがいしを回収してもこれを廃棄物として適切に処理する化学的あるいは物理的手段がなく、ましてや実用し得る再利用の技術もなかったため、毎年膨大な量にのぼる回収された使用済みがいしは、その希有な注目すべき特質にもかかわらず、新たな価値を再生産することなく単なる廃材として回収された状態のままで埋め立て用に投棄されている。
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、がいし廃材から有価物として経済価値を有する実用品へとリサイクルすること、がいし廃材による環境負荷をなくすることなど、上述のがいし廃材の材料としての特質を生かした有用資源としての有効利用のための応用の基盤となる製品とその製造法を開発することによりその再利用サイクルの確立に資することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、がいし廃材を粉砕した粉砕物を0.1〜5%の
CaOを混在させて焼成して形成される所定の空隙率の板状基板からなる海洋性藻類等付
着基板51から構成される。
その際、焼成温度が1,000〜1,300℃の間にあるようにするとよい。
また、空隙率の値は5〜70%であるとよい。
さらに、空隙率の値は20〜70%であるとなおよい。
また、空隙率の値は50〜70%であるとより好適である。
また、本発明は、がいし廃材21を出発物質として同出発物質からがいしの微粉体を得るがいし廃材粉砕工程、この粉砕物から目的の粒径範囲の微粉体を得る粉砕物分級工程、成形材料用の混合物として調合する成形材料調製工程、この混合物を混練して成形材料を得る成形材料混練工程、この混練物から加工により成形物を得る混練物成形工程、この成形物を焼成して焼結物を得る多孔性焼結体製造方法から構成される。成形物焼成工程において溶融層32によりがいし粒部31が相互に接合された空隙33を含む構造と所定の空隙率を持つ容器状の多孔性焼結体を得る工程を有することを特徴とする。
また、多孔性焼結体は、主化学成分としてSiO270〜90重量%、Al2O310〜30重量%から構成されることとしてもよい。
また、多孔性焼結体は、5〜10重量%の天然ガラス質鉱物および1〜5重量%の酸化スズを含有することとしてもよい。
また、多孔性焼結体は、がいし粒部周辺の溶融層を生成する溶融接合剤として、0.1〜5%のCaOを含有することとしてもよい。
また、成形物焼成工程における焼成温度は、1,000〜1,300℃の間にあることとしてもよい。
また、多孔性焼結体の空隙率の値は、5〜70%であることとしてもよい。
本発明の多孔性焼結体の製造方法は、がいし廃材を出発物質として同出発物質からがいし廃材粉砕工程、粉砕物分級工程、分級粉砕物を含む成形材料調製工程、該成形材料の混練工程、混練物成形工程、成形物焼成工程を経て溶融層によりがいし粒部が相互に接合された構造と所定の空隙率を持つ容器状の多孔性焼結体を得る構成とすることにより、がいし廃材の有効なリサイクル手段として、がいし廃材から有価物として経済価値を有するさまざまな実用品を製造し得る。
多孔性焼結体は、主化学成分としてSiO270〜90重量%、Al2O310〜30重量%からなる元のがいし廃材に準じた構成とすることにより、後に適用される焼成工程において、元のがいし廃材が有していたすぐれた機能をより強く発現し得る。例えば、機械的強度や遠赤外線放射性能などの面ですぐれた材料としての機能が付与される。
多孔性焼結体は、5〜10重量%の天然ガラス質鉱物および1〜5重量%の酸化スズを含有する構成とすることにより、これらの物質が固有に持つすぐれた遠赤外線放射能とあいまって元来持つ良好な遠赤外線放射特性が改善される。
多孔性焼結体は、がいし粒部周辺の溶融層を生成する溶融接合剤として、0.1〜5%のCaOを含有する構成とすることにより、焼成工程において溶融層の比率を適切に調節してある一定の範囲で目的に応じた空隙率の焼成物を得ることができる。
成形物焼成工程における焼成温度は、1,000〜1,300℃の間にあること、好ましくは1,200〜1,300℃の間にある元のがいし廃材の焼成温度に準じた構成とすることにより、元のがいし廃材が有していたすぐれた機能をより強く発現し得るようにできる。例えば、機械的強度や硬度・摩耗性などの面ですぐれた材料としての機能がより強く付与される。
また、多孔性焼結体の空隙率の値は、5〜70%であること、好ましくは20〜70%であること、最適値としては50〜70%である構成とすることにより、本発明を適用して製造する主要な製品の応用において空隙の持つ特性をより好適にしかも効率的に利用することが可能となる。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の好適な形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る一連の多孔性焼結体の製造工程を示しており、本製造工程は、図2−1、図2−2に例示するような構造を持ち、寸法上は直径が約100〜400mm程度、長さが約150〜1,200mm程度の破壊困難な結合体であるがいし廃材21を出発物質としてがいし廃材21の微粉体を得るがいし廃材粉砕工程、この粉砕物から目的の粒径範囲の微粉体を得る粉砕物分級工程、この目的の粒径範囲の微粉体に天然ガラス質鉱物、酸化スズ、溶融接合剤等を添加してこれらを成形材料用の混合物として調合する成形材料調製工程、この混合物を混練して成形材料を得る成形材料混練工程、この混練物から加工により成形物を得る混練物成形工程、成形物焼成工程を経て製品として種々の用途に応じたさまざまな多孔性焼結体を製造するためのものである。
本実施形態において、がいし廃材粉砕工程は、図2−1、図2−2における回収された破壊困難な結合体であるがいし廃材21からその微粉体を得る工程であるが、本工程においては、粉砕機による機械的な粉砕方法、急冷に伴う熱衝撃による粉砕方法、あるいはこれら両者を併用する粉砕方法、などを利用することができる。粉砕機による機械的な粉砕方法に関しては、まず粗粉砕段階においては、ハンマーの衝撃やクラッシング等を利用した粉砕機による粗粉砕方法、次に続く中・微粉砕段階においては、衝撃式やスクリーン式などの微粉砕機による微粉砕方法を適用することができる。がいし廃材に対してこれらの二種類の粉砕法を順次適用することにより本工程の目的物である微粉体が得られる。もしさらなる超微粉砕段階が必要な場合においては、衝突式ジェット式等の超微粉砕機を上記粉砕工程に追加して利用すればよい。他方、廃熱利用等により高温の熱源が利用可能な場合には、急冷に伴う熱衝撃による粉砕方法として、いったん1,300度C程度以上の高温から常温への著しい温度降下を伴う急激な水冷却による極度の熱衝撃をがいし廃材に与えることなどにより自己破壊を生じさせてがいし廃材の微粉体を得ることも可能である。また、上記の機械的な粉砕方法と熱衝撃による粉砕方法を併用する場合には、熱衝撃による粉砕方法の後に機械的な粉砕方法を適用するのが粉砕効率上好ましい。
本実施形態において、粉砕物分級工程は、一つ先行するがいし廃材粉砕工程において得られた最小粒径から最大粒経まで範囲のさまざまな粒径の粉体粒子から目的の粒径範囲の粉体粒子を選別するための工程であるが、振動式の篩い装置等による機械的な分級方法、サイクロン、沈降装置等の分級装置による流体力学的な分級方法、などを利用することができる。がいし廃材から得られた微粉体のように粘着性や溶融性のない無機物の微粉体に対しては、微粉体の流れのコントロールやハンドリング、篩い装置のメンテナンス、などが容易であることから、振動式の篩い装置等による機械的な分級方法を高精度・高効率にて好都合に適用することができる。
本実施形態において、成形材料調製工程は、一つ先行するがいし廃材粉砕工程において得られた目的の粒径範囲の微粉体に例えば天然ガラス質鉱物、酸化スズ、溶融接合剤等の他の物質を想定した製品に応じて適切に添加することによりこれらを成形材料用の混合物として調合するための工程である。上記の天然ガラス質鉱物は、SiO2とAl2O3を主化学成分とし、Fe2O3、K2O、Na2Oなどを含有する物質であるが、例えば中国産黒曜石などがこれに当たり、遠赤外線放射性能の面で優れている。また、酸化スズも同様の遠赤外線放射率の高い物質である。表1にがいし廃材の主化学成分を示す。
Figure 2006016227
このように、がいし廃材はSiO2とAl2O3が主化学成分としてそれぞれ75〜79%、20〜35%含有されていることからがいし廃材21は元来それ自身が遠赤外線放射性能にすぐれた材料であるので、該天然ガラス質鉱物あるいは酸化スズの添加によりがいし廃材の元来の遠赤外線放射性能が改善されることが確認されている。
他方、図3において、溶融接合剤は、がいし廃材の微粉体粒子間に存在しながら、最終の工程として後続する成形物焼成工程の焼成温度においてがいし廃材の微粉体粒子に含まれる低融点成分と合わせてそれ自身が溶融して該微粉体粒子の周囲にがいし粒部31の接合する溶融層32ならびに空隙部33を形成する物質であり、その含有率はがいし廃材の微粉体の粒径とともに空隙率に大きな影響を与え得るが、例えばCaOはその代表的な物質である。この物質は例えばセメントモルタル廃材等に約30〜60%にて含有されており、セメントモルタルとしての該当量を添加してもよい。
本実施形態において、成形材料混練工程は、一つ先行する成形材料調製工程において得られた混合物を混練して成形材料を得るための工程であるが、ニーダー等の混練機を利用することができる。本工程においては、後続する混練物成形工程において成形時の加工性と成形物のハンドリング等を容易にするため、上記混合物の混練に当たり、水および吸水性高分子、CMC、酢酸ビニル系接着剤、などの有機結合材をそれぞれ約15%と約3%程度を上限の割合にて添加する。ただし、この水と有機結合材の添加は、これらの添加物質はいずれも焼成工程における焼成に伴ってすべて消失するため、焼成物の主化学成分には影響を与えない。
本実施形態において、混練物成形工程は、一つ先行する成形材料混練工程において得られた混練物を加工して成形材料を得るための工程であるが、成形物に対する金型ならびにプレス成形機あるいは押し出し成形機などを製品に応じて利用することができる。一般的には、大型あるいは複雑な形状の成形物に対してはプレス成型機が、小型の簡単な形状の成形物に対しては押し出し成形機が適している。図4〜8において、この実施形態では緑化基板としての多孔性焼結体41、海洋性藻類付着基板としての多孔性焼結体51、水質浄化容器としての多孔性焼結体61、プランターとしての多孔性焼結体71、植木鉢としての多孔性焼結体81に例示される応用製品の成形に対しては、プレス成形機による成形が好ましい。
本実施形態において、成形物焼成工程は、一つ先行する混練物成形工程において得られた成形物を焼成して製品としての多孔性焼結体を得るための工程であるが、電気炉による焼成方法を適用することができる。また、火炎からの不純物の混入や拡散のない構造のものであれば、火炎式の焼成炉も適用可能である。
本実施形態において、成形物焼成工程の焼成温度は、がいし廃材に元来内存するすぐれた性質や機能を焼成により最大限に発現させるためには、元のがいし廃材の焼成温度である1,300℃に準じた構成とすること、1,300℃に近い構成とすることがより好ましい。
がいし廃材の微粉体を材料とする多孔性焼結体の空隙率は、主に該微粉体の平均粒径や粒径分布のほか、上記のCaOに代表されるような溶融接合剤の添加割合により定まる。したがって、これらの条件を変えることにより焼成物の空隙率をある一定の範囲内、例えば5〜70%で調節可能である。さらに、有機結合材の添加によればこれが焼成に伴って消失する結果、多孔性焼結体の主化学成分に対しては影響は与えないが、その消失した同物質が占めていた空間相当分の空隙率を増大させ得る可能性がある。
本発明のがいし廃材を出発物質とする多孔性焼結体の製造方法によりがいし廃材を材料として各種製品を想定した多孔性焼結体の製造が可能となる。以下に、本実施形態において、がいし廃材の材料としての特質を生かした有用な実用品を得るための本発明の実施例について説明する。
図4−1、図4−2は、本発明の製造方法を応用した代表的な実施例の一つとして緑化基板を多孔性焼結体により構成したものである。これは多孔性焼結体の軽量で通気性と保水性を併せ持つ特性を生かして機能的で便利な植物栽培用の容器を提供する応用例である。このような植物栽培用の容器は、環境緑化と鑑賞栽培の観点から常用されているが、近時建物が密集する市街地で深刻な問題となっているヒートアイランド現象の緩和策としても注目されている。本実施例における植物栽培用の容器は上部に開口を持つ容器の内部に栽培する植物の種類に応じた適量の植物栽培用の腐植土、有機土、培土などを入れて植物の生育に供されるが、この容器壁を空隙率が20〜70%の多孔性焼結体で構成することにより、通気性と保湿性等の面で好適な植物生育環境を形成することができることが確認されている。
ここで、厚さが約5〜100mm程度の多孔性焼結体により一つの容器を寸法上は縦が約300〜1,000mm程度、横が約300〜1,000mm程度、高さ約150〜500mm程度の大きさの独立したユニットとして構成するようにすれば、必要な緑地面積に応じてユニットの数を調節した上で並置すればよく、このように一つのユニットが軽量でコンパクトであることから非常に機動性と柔軟性に富むという特徴を持つ。また、垂直面や斜面の緑地化への応用も同様に可能であることが確認されている。
図5−1、図5−2は、本発明の製造方法を応用した代表的な実施例の一つとして海洋性藻類等付着基板を多孔性焼結体により構成したものである。これは多孔性焼結体の持つ空隙の性質と通水性を生かして機能的な藻類やさんご等の海洋性動植物の付着と生育促進のための基板を提供する応用例である。このような海洋性藻類等付着基板は、海洋の自然環境の保全と食資源としての海洋資源の栽培等の観点からきわめて有用である。本発明で得られる多孔性焼結体は、少なくとも一つの面に開口部を持つ方体状の容器として構成して必要に応じてその内部に有機土や培土などを充填した上でこれを海中に固定したものが、海洋性藻類やさんご等の海洋性動植物の付着および生育促進に供されるほか、単に板状の基板を海中に固定するだけでも同様の目的に利用されるが、いずれの場合にも所期の役割を十分に果たし得ることが実証されている。
ここで、厚さが約5〜100mm程度の多孔性焼結体により一つの容器を寸法上は縦が約100〜1,000mm程度、横が約100〜1,000mm程度、高さ約100〜1000mm程度の大きさの独立した方体状ユニットとして構成するようにすれば、必要に応じてユニットの数を調節した上で並置すればよく、このように一つのユニットが軽量でコンパクトであることから非常に機動性と柔軟性に富むという特徴を持つ。他方、板状の海洋性藻類等付着基板への応用では、厚さが約5〜100mm程度の板状の多孔性焼結体を寸歩上は縦が約100〜1,000mm程度、横が約100〜1,000mm程度の大きさの独立した方形状ユニットとして構成すればよい。
本実施例の海洋性藻類等付着基板は、その内部に数ミクロン以下の程度から数ミリメートル程度にわたる孔径の無数の連通した細孔を有しており、しかも基板の両側と貫通している。このことは、海洋性藻類等が本基板上に付着して発芽し根を本基板内部の細孔内に伸張させたときに自己の体を固定するとともに本基板の壁を介して付着面の反対側から栄養分を摂取可能であることを意味する。実際に、海洋藻類等付着基板は、構造上、海洋性藻類等が付着して根を伸張させて生育するのにきわめて適していることが確認されている。さらに、上記の板状の海洋性藻類等付着基板と同一の構造の基板は、海中のみならず陸上においても植物の固定および生育に対して有効であり、特に垂直面や斜面の緑地化への応用では著しい効果が認められている。
図6−1、図6−2は、本発明の製造方法を応用した代表的な実施例の一つとして水質浄化容器を多孔性焼結体により構成したものである。これは多孔性焼結体の持つ良好な通水性を利用して軽量で耐久性に優れた水質浄化容器を提供する応用例であり、工業廃水や生活汚水の処理、海洋水と河川水の浄化など基本的な環境問題への適用であることから波及効果が大きく、きわめて有用である。本実施例における水質浄化容器は、少なくとも一つの開閉部を持つ方体状の容器として構成してその内部に砂、培土、活性炭などの水質浄化機能を持つ物質を封入した上でこれを処理水中に設置したものが水質浄化に供される。
ここで、厚さが約5〜100mm程度の多孔性焼結体により一つの容器を寸法上は縦が約100〜1,000mm程度、横が約100〜1,000mm程度、高さ約100〜1000mm程度の大きさの独立した方体状ユニットとして構成するようにすれば、必要に応じてユニットの数を調節した上で並置すればよく、このように一つのユニットが軽量でコンパクトであることから非常に機動性と柔軟性に富むという特徴を持つ。
本実施例の水質浄化容器を壁を構成する多孔性焼結体は、その内部に数ミクロン以下の程度から数ミリメートル程度にわたる孔経の無数の連通した細孔を有しており、しかも本容器壁の両側と貫通している。このことは、該多孔性焼結体それ自身がさまざまな物質の吸着能力または補足能力を持ち得ることを意味している。処理水はまず容器壁を通過する過程において上記の容器壁の持つ吸着能力または補足能力により浄化された後、上記の水質浄化機能を持つ物質に接触することによりさらに浄化される。多孔性焼結体の持つ良好な通水性により流水中のみならず静止水においても水質浄化容器による水質浄化機能が確認されている。
図7−1、図7−2は、本発明の製造方法を応用した代表的な実施例の一つとしてプランターを多孔性焼結体により構成したものである。これは多孔性焼結体の軽量で通気性と保水性を併せ持つ特性を生かして機能的で便利な植物栽培用の容器を提供する応用例である。このような植物栽培用の容器は、環境緑化や鑑賞栽培の観点から常用されているが、本実施例によるプランターに関しては、とりわけ軽量ながら堅牢であり、しかも通気性と保水性にすぐれている点が特徴的である。本実施例における植物栽培用の容器は上部に開口を持つ容器の内部に栽培する植物の種類に応じた適量の植物栽培用の腐植土、有機土、培土などを入れて植物の生育に供されるが、この容器壁を空隙率が20〜70%の多孔性焼結体で構成することにより、通気性と保湿性等の面で好適な植物生育環境を形成することができることが確認されている。
ここで、厚さが約5〜100mm程度の多孔性焼結体により一つの容器は寸法上は縦が約100〜1,000mm程度、横が約100〜1,000mm程度、高さ約100〜1000mm程度の大きさの方体状の上部が開口した容器として構成される。
図8−1、図8−2は、本発明の製造方法を応用した代表的な実施例の一つとして植木鉢を多孔性焼結体により構成したものである。これは多孔性焼結体の軽量で通気性と保水性を併せ持つ特性を生かして機能的で便利な植物栽培用の容器を提供する応用例である。このような植物栽培用の容器は、環境緑化や鑑賞栽培の観点から常用されているが、本実施例による植木鉢に関しては、とりわけ軽量ながら堅牢であり、しかも通気性と保水性にすぐれている点が特徴的である。本実施例における植物栽培用の容器は上部に開口を持つ容器の内部に栽培する植物の種類に応じた適量の植物栽培用の腐植土、有機土、培土などを入れて植物の生育に供されるが、この容器壁を空隙率が20〜70%の多孔性焼結体で構成することにより、通気性と保湿性等の面で好適な植物生育環境を形成することができることが確認されている。
ここで、厚さが約5〜100mm程度の多孔性焼結体により一つの容器は寸法上は直径が約100〜1,000mm程度、高さが約100〜1000mm程度の大きさの円筒状の上部が開口した容器として構成される。
本発明の多孔性焼結体の製造方法は、がいし廃材の有効なリサイクル手段として、がいし廃材から有価物として経済価値を有するさまざまな実用品の製造に利用することができる。実用品の種類は、緑化基板、海洋性藻類等付着基板、水質浄化容器などの環境保全のための製品をはじめ、プランター、植木鉢などの鑑賞栽培やガーデニングに関わる製品など多岐にわたって適用し得る。
本発明の実施形態の多孔性焼結体の製造方法に関する製造工程流れ図である。 がいし廃材の正面図である。 がいし廃材の平面図である。 多孔性焼結体の拡大断面説明図である。 多孔性焼結体を用いた緑化基板の平面図である。 多孔性焼結体部分の断面線を省略して示した緑化基板の縦断面図である。 多孔性焼結体を用いた海洋性藻類付着基板の平面図である。 多孔性焼結体部分の断面線を省略して示した海洋性藻類付着基板の縦断面図である。 多孔性焼結体を用いた水質浄化容器の斜視説明図である。 多孔性焼結体部分の断面線を省略して示した水質浄化容器の縦断面説明図である。 多孔性焼結体を用いたプランターの斜視構成説明図である。 多孔性焼結体部分の断面線を省略して示したプランターの縦断面図である。 多孔性焼結体を用いた植木鉢の斜視構成説明図である。 多孔性焼結体部分の断面線を省略して示した植木鉢の縦断面説明図である。
符号の説明
21 がいし廃材
31 がいし粒部
32 溶融層
33 空隙部
41 多孔性焼結体
42 腐食土
51 多孔性焼結体
61 多孔性焼結体
62 培土
71 多孔性焼結体
72 培土
81 多孔性焼結体
82 培土

Claims (11)

  1. がいし廃材を粉砕した粉砕物を0.1〜5%のCaOを混在させて焼成して形成される所定の空隙率の板状基板からなる海洋性藻類等付着基板。
  2. 焼成温度が1,000〜1,300℃の間にあることを特徴とする請求項1記載の海洋性藻類等付着基板。
  3. 空隙率の値は5〜70%であることを特徴とする請求項1又は2記載の海洋性藻類等付着基板。
  4. 空隙率の値は20〜70%であることを特徴とする請求項3記載の海洋性藻類等付着基板。
  5. 空隙率の値は50〜70%であることを特徴とする請求項3又は4記載の海洋性藻類等付着基板。
  6. がいし廃材を出発物質として同出発物質からがいし廃材粉砕工程、粉砕物分級工程、分級粉砕物を含む成形材料調製工程、該成形材料の混練工程、混練物成形工程、成形物焼成工程を順次行って溶融層によりがいし粒部が相互に接合された構造と所定の空隙率を持つ容器状の多孔性焼結体を得ることを特徴とする多孔性焼結体製造方法。
  7. 多孔性焼結体は、主化学成分としてSiO270〜90重量%、Al2O310〜30重量%から構成されることを特徴とする請求項6記載の多孔性焼結体製造方法。
  8. 多孔性焼結体は、5〜10重量%の天然ガラス質鉱物および1〜5重量%の酸化スズを含有することを特徴とする請求項6又は7記載の多孔性焼結体製造方法。
  9. 多孔性焼結体は、がいし粒部周辺の溶融層を生成する溶融接合剤として、0.1〜5%のCaOを含有することを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の多孔性焼結体製造方法。
  10. 成形物焼成工程における焼成温度は、1,000〜1,300℃の間にあることを特徴とする請求項6ないし9のいずれかに記載の多孔性焼結体製造方法。
  11. 多孔性焼結体の空隙率の値は5〜70%であることを特徴とする請求項6ないし10のいずれかに記載の多孔性焼結体製造方法。
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