JP2000335984A - 軽量パーライト体およびその製造方法 - Google Patents

軽量パーライト体およびその製造方法

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JP2000335984A
JP2000335984A JP11188001A JP18800199A JP2000335984A JP 2000335984 A JP2000335984 A JP 2000335984A JP 11188001 A JP11188001 A JP 11188001A JP 18800199 A JP18800199 A JP 18800199A JP 2000335984 A JP2000335984 A JP 2000335984A
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fine particles
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JP11188001A
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Shoichi Kondo
正一 近藤
Kazuyuki Iwasaki
和之 岩崎
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SURIIPURO SANGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量、多孔質で、気孔体の構造が多様であ
り、多種類の微生物が定着しやすく、微生物の作用で分
解されず、耐久性に優れ、吸水性や蒸散性に優れた特性
を示し、菌床材として用いて好適なパーライト体を提供
する。 【解決手段】 松脂岩からなるパーライト微粉、または
松脂岩微粉からなるパーライト微粉と松脂岩以外の火山
ガラスからなるパーライト微粉との混合パーライト微粉
と、粘土鉱物からなる結合材とが主材料として焼成して
得られ、嵩比重が0.4〜1.5g/cmの多孔質体
であることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軽量パーライト体お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般廃棄物の中に占める生ゴミや下水汚
泥等の有機物は約30%にも及ぶ。その焼却過程で燃焼
温度が低下するとダイオキシンの発生要因となる。焼却
灰も最終処分で埋め立て処理されるが、土壌汚染や地下
水汚染等の二次公害を頻発させている実態にある。焼却
処分する前に、微生物のもつ能力で有機物を減容・消滅
処理することで環境保全に役立てる。
【0003】生ゴミ処理の場合、その菌床には植物系菌
床材と無機多孔質菌床材とがある。さらに両者を併用し
た菌床材がある。植物系菌床材は杉チップ材が一般的に
優れた特性をもつ。導管などをもつ植物の細胞壁にリグ
ニンが存在し、成熟した植物細胞は二重の細胞壁を作
り、微生物からの細胞外酵素を妨害している。リグニン
の分解にはきのこの仲間の白色木材腐朽菌が主として作
用するといわれている。杉チップ材の菌床はこのリグニ
ンの特性を利用している。これら植物系の菌床材は嵩比
重が0.7前後で軽量で吸水性に優れるので扱いやすい
という利点がある。しかし、杉チップ材の菌床は、ポー
ラスが潰れたり、微生物の作用により菌床材の有機物も
分解・減容するために、一定期間毎に床材を補充した
り、交換する必要があり不便である。
【0004】無機多孔質菌床材は、水処理用のゼオライ
トや活性炭を主材料にしたセラミックボールが用いられ
る。しかしこれら無機多孔質菌床材は植物系の菌床材の
4〜5倍の嵩比重がある。このために生ゴミと菌体を混
合するための攪拌装置に強力な動力源を必要とするとい
う課題がある。また生ゴミの構成物質の70〜80%は
水分であるが、セラミック菌床材は吸水・保水能力が不
十分で水分調整の機能に劣る。これに起因し、異臭や衛
生害虫を誘発しやすいという課題がある。その対策とし
て、脱水・脱臭装置が必要となり、また微生物を生存さ
せるための制御が複雑となる。さらには、無機質菌床は
植物系菌床材に比べ極めて微細な多孔質のものであるた
め、着床する微生物の種類や数量が少なく、微生物によ
る有機物の分解能力が低く不便であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】微生物による有機物の
消滅という化学的な物質変換は、微生物が代謝によって
多種多様な細胞外酵素を分泌し、高分子有機物を適当な
低分子有機物に分解して水に溶かして吸収するという作
用によるものである。微生物が活性化するためには、適
当な温度・湿度・エサが重要となる。
【0006】本発明は、軽量、多孔質で、気孔体の構造
が多様であり、多種類の微生物が定着しやすく、微生物
の作用で分解されず、耐久性に優れ、吸水性や蒸散性に
優れた特性を示し、菌床材として用いて好適な軽量パー
ライト体およびその製造方法を提供することを目的とし
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため次の構成を備える。すなわち、本発明に係るパ
ーライト体は、松脂岩からなるパーライト微粉、または
松脂岩微粉からなるパーライト微粉と松脂岩以外の火山
ガラスからなるパーライト微粉との混合パーライト微粉
と、粘土鉱物からなる結合材とが主材料として焼成して
得られ、嵩比重が0.4〜1.5g/cmの多孔質体
であることを特徴としている。1.5〜10mmの大き
さの粒状に成形すると好適である。黒曜石、真珠岩、シ
ラス等のパーライト微粉を含むもので焼成すると独立気
泡と連続気泡とが混在する軽量パーライト体が得られ
る。独立気泡を含むことで水に浮くパーライト体を提供
できる。
【0008】パーライト微粉と結合材の総量に対して、
パーライト微粉を50重量%以上用いると好適である。
これにより軽量のパーライト体とすることができる。結
合材はベントナイト、蛙目粘土等を用いることができ
る。また、アルカリ物質等のpH調整剤を混合すること
により、微生物の生息環境を調整することができる。
【0009】また本発明に係る軽量パーライト体の製造
方法は、松脂岩からなるパーライト微粉、または松脂岩
微粉からなるパーライト微粉と松脂岩以外の火山ガラス
からなるパーライト微粉との混合パーライト微粉と、粘
土鉱物からなる結合材と、水とを混練し、該混練した湿
潤品を粒状に成形し、成形品を乾燥後、500℃〜10
00℃で焼成して、嵩比重が0.4〜1.5g/cm
の多孔質体を得ることを特徴としている。
【0010】上記パーライト体に、微生物を定着させて
微生物着床材として提供してもよい。また、上記パーラ
イト体に、土壌菌を定着させて人工土壌として提供する
こともできる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。本発明に係る軽
量パーライト体は、前記したように、上記パーライト微
粉と、粘土鉱物からなる結合材とが主材料として焼成し
て得られ、嵩比重が0.4〜1.5g/cmの多孔質
体であることを特徴としている。パーライトは、黒曜
石、真珠岩、松脂岩、シラス等の火山ガラスまたはその
変質したものであり、1100〜1200℃程度に加熱
すると軟化し、同時に脱水して発泡する。
【0012】主成分は、おおよそシリカ(SiO)7
0〜75%、アルミナ(Al)12〜15%であ
り、含有する水分量により黒曜石(水分<2%)、真珠
岩(水分2〜5%)、松脂岩(水分>5%)に分けられ
ている。水分量の少ない黒曜石や真珠岩は発泡した際ほ
とんどが独立気泡の気孔となる。一方水分量が多い松脂
岩は発泡した際ほとんどが連続気泡の気孔となり、高い
吸水性を示す。シラスは、球状中空のシラスバルーンが
使いやすい。
【0013】本発明は特に菌床材として用いる際には保
水性、吸水性が重要であるため、松脂岩を主材料とし
た。すなわち、上記パーライトは微粉状態(1.5mm
以下、好適には1mm以下)とし、松脂岩からなるパー
ライト微粉単独、もしくは松脂岩からなるパーライト微
粉と他の火山ガラスからなるパーライト微粉の1種以上
とを混合して用いる。パーライト微粉に松脂岩からなる
もののみを使うと、吸水量が60%(重量比)前後の高
いものが得られる。松脂岩とその他の火山ガラスからな
るパーライト微粉との混合粉を用いると、混合比を変え
ることで種々の吸水量のパーライト体を得ることができ
る。また両方のパーライト微粉を混合して使用すること
により、多様な気孔のパーライト体を得ることができ
る。微生物の定着する細孔径は数μm〜100μmの範
囲であり、大小様々な気孔の存在は菌種の異なる細菌や
菌類の菌床材として適した形態となる。例えば、枯葉菌
等の細菌類は、細孔径が10μm前後が好ましく、菌糸
類の菌床は数10〜100μm程度の細孔径が好まし
い。また、生ゴミ処理のような多種多様な有機物の分解
の用途には大小様々な細孔径の気孔が存在した方が多様
な微生物が定着する。
【0014】また連続気泡と独立気泡のパーライトの混
合比率を調整することで水に浮くパーライト体を提供す
ることも容易にできる。このような水に浮くパーライト
体を菌床材として用いることで、汚水処理や廃油処理、
流出油の微生物による処理も好適に行える。処理後は回
収し、磨滅や損傷しないかぎりリサイクル可能な菌床材
として提供できる。
【0015】結合材としては、ベントナイト、蛙目粘
土、ヒル石等の粘土鉱物を用いる。ベントナイトは膨潤
性の層状珪酸塩であるスメクタイトを主成分とし、夾雑
物として石英、クリストバライト、長石、ゼオライト、
雲母、方解石、石膏等を含有することが多い。蛙目粘土
は、粘土層中にかなり大粒の石英粒を含み、粘土の表面
が洗われると石英粒が表面に出てきて、蛙の目玉のよう
にきらきら光るのでこの名称があり、暗灰色や褐色を呈
するものが多い。主成分はカオリナイトと石英粒であ
る。ヒル石は、緑泥岩やモンモリロナイトと同成分から
なる粘土鉱物の一種である。このような結合材は、焼成
した際のパーライト体の強度に寄与する。結合材の量が
多くなると強度は大きくなるが、気孔率や吸水性は減少
し、重くなる。パーライト微粉が多くなると軽量化する
が、強度は低下する傾向にある。
【0016】パーライト微粉の結合材に対する配合割合
は、同量以上、すなわち1:1以上とする。上記のパー
ライト微粉と結合材微粉とを混合し、加水して造粒す
る。その際、必要に応じて、PVA(ポバール)やメト
ローズ(水溶性セルロースエーテル)等のバインダーを
添加するとよい。また、着床する微生物の特性に合わせ
た、菌床環境の調整剤(pH調整剤)を添加するとよ
い。これにより、特定の作用をする微生物群を選択的に
定着させることも可能となる。一般的にかび類の場合は
好微酸性で、細菌類は弱アルカリ性を好む傾向がある。
アルカリ物質としては、例えば、水ガラス、炭酸ナト
リウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシ
ウム等を添加するとよい。酸性物質としては、例えば珪
藻土等を添加するとよい。
【0017】上記のように、焼成材料を調整し、押出成
形し、粒状あるいは小片状にして、乾燥後、500〜1
000℃で焼成することにより嵩比重が0.4〜1.5
g/cmの多孔質体のパーライト体を得ることができ
る。上記のように、湿式押出成形法とすることにより、
適宜な大きさのパーライト体に調整できる。造粒後の焼
成温度は、500℃〜1000℃程度の温度領域とし、
気孔が焼損しないような配慮を必要とする。結合材は使
用する材料によりパーライト微粉のガラス化する温度領
域が異なるので細心の注意を要する。焼成温度が高すぎ
るとガラス化し、気孔が消滅する。
【0018】図1は、軽量パーライト体を製造する工程
説明図である。10はパーライト微粉である(図1
a)。パーライト微粉は通常廃棄される微粉やダストを
有効に利用できる。粒度は1.5mm以下のものを使用
する。そのため、図1bに示すような中粗砕機12を用
い、粒度を調整する。中粗砕機12内部に配置されてい
るスクリーンを通過しない粒子のものだけ粉砕する構造
のものとなっている。パーライト微粉は細かい程造粒し
やすいが、細かくしすぎると、微生物が着床しやすいポ
ーラス状態が得られない。スクリーンを1mmに設定
(1mm以下の微粉)すると、焼成後の細孔径が10〜
100μmの気孔のものが得られる。用いるパーライト
微粉の粒度が揃っていた方が細孔径分布が均質となる。
すなわち、孔径が揃う。
【0019】10aは上記のように調整したパーライト
微粉、14は上記した粘土鉱物からなる結合材で(図1
c)、あらかじめパーライト微粉10aと同程度の微粉
に調整されている。このパーライト微粉10aと結合材
14とを乾式混合機16で混合する。パーライト微粉1
0aは、前記したように、松脂岩単独、または他のパー
ライト微粉との混合とする。このパーライト微粉10a
の結合材14に対する比率は同量以上とする。すなわ
ち、パーライト微粉10aと結合材14との総量を10
0%としたとき、パーライト微粉は50重量%以上用い
る。これにより軽量化が達成できるのである。パーライ
ト微粉10aが多い程軽量化できるが強度は低下する。
結合材の種類により、押出成形性や造粒性、歩留りに影
響がでる。結合材がベントナイトのときは、パーライト
微粉の配合量を80重量%以上とすることができ、した
がって軽量化がしやすい。結合材が蛙目のときは、パー
ライト微粉の混合量は65重量%程度に留まる。
【0020】18はニーダーである(図1d)。上記パ
ーライト微粉と結合材の混合物と、液体および高粘性物
はこのニーダー18で混合する。すなわち、上記混合物
と、水、水溶性バインダー、環境調整剤等をニーダー1
8で混合する。加水量は、バインダーの種類により後工
程の押出成形性に影響を与える。混練した湿潤品20
(図1e)の嵩比重は0.5〜0.6前後である。
【0021】22は押出成形機である(図1f)。前工
程で混練した湿潤品20を押出成形機22で押出成形し
てペレット状の小片を作る。この小片を球形整粒機24
(図1g)にかけて球状にする。この球形整粒機(マル
メライザー)24は不揃いの小片を高速転動方式により
球形にするもので、10mm以下の造粒には好適であ
る。1.5〜10mmの大きさの粒状に造粒するとよ
い。造粒後、成形品を100℃以下の温風乾燥あるいは
自然乾燥する。
【0022】成形品を乾燥後、焼成炉26(図1h)で
焼成して、嵩比重が0.4〜1.5g/cmの多孔質
体から軽量パーライト体28(図1i)を得る。パーラ
イト自体の発泡温度は概略1100〜1200℃であ
り、原石により多少差異がある。本工程での焼成温度は
このパーライト自体の発泡温度より低温とする。結合材
の種類によっても焼成温度が異なるが、焼成温度はおお
むね500〜1000℃とする。500℃以下では半焼
けで強度がでない。1000℃以上になるとパーライト
がガラス化し、気孔が消失して菌床材として不適当とな
る。
【0023】上記のようにして得られたパーライト体
は、嵩比重が0.4〜1.5g/cmの多孔質体であ
り、生ゴミ中に混入させることで、種々の微生物が着床
し、生ゴミ中の有機物を分解、消滅させる。この場合、
上記パーライト体は、軽量であるので、生ゴミ中に混入
して攪拌しても強力な動力源を必要とせず、経済的であ
る。また強度的にも優れ、攪拌羽根等で攪拌しても潰れ
てしまうことがなく、好適である。
【0024】また、パーライト体を土壌中や廃液中に放
置することで、種々の微生物が着床する。このように微
生物を着床させた後に、種々の用途に使用することもで
きる。この場合、もちろん積極的に特定の微生物が生息
する環境中にパーライト体を置き、特定の微生物を着床
させて、微生物着床材として提供することができる。ま
た特に、上記パーライト体に土壌菌を定着させることに
より人工土壌として提供することもできる。この場合
に、土壌菌の他にさらに栄養素も添加するとよい。この
パーライト体を用いた人工土壌の場合、リサイクルが可
能であり、場合によっては熱湯殺菌等による土壌消毒が
容易に行え、また微生物の選択的着床などの制御が容易
に行える。さらには、このパーライト体は多孔質体で吸
水性に優れるので、中和液剤などを含浸させることによ
り、有害成分の中和材として利用することもできるなど
種々の用途に使用できる。
【0025】
【実施例】実施例1 松脂岩からなるパーライト微粉と蛙目粘土を結合材とす
るパーライト体の製造を行った。この場合のパーライト
微粉の配合割合は、パーライト微粉と結合材の総量に対
して70重量%が限度で、パーライト微粉がこれ以上で
は造粒が困難であった。パーライト微粉が60重量%程
度までは機械造粒が安定的に行えた。60重量%以上の
ときは、造粒のためPVAやメトローズのバインダーを
添加する必要がある。また、加水量は、造粒のために
は、37〜42重量%と微妙な範囲が必要である。加水
量がこれよりも多いと粒子が凝集してしまい、必要な気
孔が得られなくなる。また加水量がこれより少ないと造
粒ができない。焼成温度は、500〜1000℃の範囲
が適当で、500℃以下では半焼けで強度不足となり、
1000℃以上ではパーライトがガラス化してしまっ
た。菌床材として有効な気孔を多く有するものを得る焼
成温度は600〜950℃がよく、650〜800℃が
最も有効であった。嵩比重を1.0以下にするのは困難
であった。独立気泡体となる黒曜石、真珠岩、シラスバ
ルーンなどのパーライト微粉を混合した場合でも、結合
材として蛙目粘土を用いた場合には水に浮く程度の軽量
化は期待できなかった。
【0026】実施例2 松脂岩からなるパーライト微粉とベントナイトを結合材
とするパーライト体の製造を行った。この場合のパーラ
イト微粉の配合量は、パーライト微粉と結合材の総量に
対して90%が限度で、パーライト微粉がこれ以上では
造粒が困難であった。パーライト微粉が80重量%まで
は安定的に機械造粒が行えた。バインダーはメトローズ
を1重量%程度ドライ状態で添加した。加水量は75重
量%前後が好適であった。焼成温度は、500〜100
0℃の範囲が適当で、500℃以下では半焼けで強度不
足となり、1000℃以上ではパーライトがガラス化し
てしまった。菌床材として有効な気孔を多く有するもの
を得る焼成温度は600〜900℃がよく、750〜8
50℃が最も有効であった。嵩比重は0.75程度のも
のが可能であるが、吸水するために水に沈む。独立気泡
体となる、黒曜石、真珠岩、シラスバルーンのパーライ
ト微粉を松脂岩のパーライト微粉と同量程度添加するこ
とにより浮き菌床が得られた。これら黒曜石、真珠岩、
シラスバルーンからなるパーライト微粉は単独もしくは
混合して、松脂岩からなるパーライト微粉に添加するこ
とができる。嵩比重は0.4程度のものが製造できた。
なお、嵩比重1.5以上のものになると、気孔率も劣
り、また重量が大になるので菌床としては好ましくな
い。
【0027】実施例3 松脂岩パーライト 1.2Kg ベントナイト 0.8Kg PVA 0.2Kg 水 0.76Kg を混合して、押出成形によりペレット状に成形し、乾燥
後、焼成温度900℃で1時間焼成した。図2は得られ
たパーライト体の断面の100倍の倍率写真、図3は5
00倍の倍率写真である。基本的に連続気孔が多数形成
されたパーライト体が得られた。
【0028】実施例4 松脂岩パーライト 1.2Kg ベントナイト 0.8Kg PVA 0.2Kg 水 0.84Kg を混合して、押出成形によりペレット状に成形し、乾燥
後、焼成温度700℃で1時間焼成した。図4は得られ
たパーライト体の断面の100倍の倍率写真、図5は5
00倍の倍率写真である。基本的に連続気孔が多数形成
されたパーライト体が得られた。
【0029】実施例5 松脂岩パーライト 60重量% 蛙目粘土 40重量% この混合物に対して水20重量%を徐々に加水し、混練
し、押出成形によりペレット状に成形し、乾燥後、焼成
温度1000℃で2時間焼成した。図6は得られたパー
ライト体の断面の100倍の倍率写真、図7は500倍
の倍率写真である。基本的に連続気孔が多数形成された
パーライト体が得られた。
【0030】表1、表2、表3に種々の配合比率で焼成
した実施例を示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】 なお、表3中シラスバルーンからなるパーライト微粉を
添加した実施例31および実施例35で吸水率が高くな
っているのは、シラスバルーンの場合750℃の焼成温
度で連続気泡体を有するものになるからと推測される。
また、シラスバルーンからなるパーライト微粉を添加し
て850℃の焼成温度で焼成した実施例24および実施
例28のもので吸水率が低くなるのは、この焼成温度で
シラスバルーンがガラス化したためと推測される。
【0034】
【発明の効果】本発明に係る軽量パーライト体によれ
ば、無機質のため、菌床材として用いた場合に、従来の
植物系菌床材のように、微生物の作用による菌床自体の
有機物の分解・減容がないので、菌床の摩耗や破損が発
生しないかぎり、菌床材の補充・交換の必要はない。ま
た微生物が環境条件の変化等で死滅しても、パーライト
体を熱湯で殺菌洗浄し、流通している有用菌を馴養し直
せば、廉価な費用で再利用できる。本発明に係る軽量パ
ーライト体は、菌床材として植物系菌床材と嵩比重が同
程度であり、必要に応じて従来の生ゴミ処理機のコンポ
スト型や減容型の菌床材として代替が可能である。その
場合、強度的に優れるので、攪拌の際などに潰れるおそ
れがない。本発明に係る軽量パーライト体は水に浮かせ
ることができ、微生物による汚水処理や廃油処理の菌床
として利用できる。さらに人工土壌、その他の用途に有
効利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造工程を示す説明図である。
【図2】実施例3で得られたパーライト体の断面の10
0倍の倍率の写真である。
【図3】実施例3で得られたパーライト体の断面の50
0倍の倍率の写真である。
【図4】実施例4で得られたパーライト体の断面の10
0倍の倍率の写真である。
【図5】実施例4で得られたパーライト体の断面の50
0倍の倍率の写真である。
【図6】実施例5で得られたパーライト体の断面の10
0倍の倍率の写真である。
【図7】実施例5で得られたパーライト体の断面の50
0倍の倍率の写真である。
【符号の説明】
10 パーライト微粉 12 中粗砕機 14 結合材 16 乾式混合機 18 ニーダー 20 湿潤品 22 押出成形機 24 球形整粒機 26 焼成炉 28 パーライト体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 松脂岩からなるパーライト微粉、または
    松脂岩微粉からなるパーライト微粉と松脂岩以外の火山
    ガラスからなるパーライト微粉との混合パーライト微粉
    と、粘土鉱物からなる結合材とが主材料として焼成して
    得られ、嵩比重が0.4〜1.5g/cmの多孔質体
    であることを特徴とする軽量パーライト菌床。
  2. 【請求項2】 1.5〜10mmの大きさの粒状をなす
    ことを特徴とする請求項1記載の軽量パーライト体。
  3. 【請求項3】 独立気泡と連続気泡とが混在することを
    特徴とする請求項1または2記載のパーライト体。
  4. 【請求項4】 パーライト微粉と結合材の総量に対し
    て、パーライト微粉が50重量%以上であることを特徴
    とする請求項1、2または3記載の軽量パーライト体。
  5. 【請求項5】 結合材がベントナイト、蛙目粘土から選
    ばれる1種以上の粘土鉱物であることを特徴とする請求
    項1、2、3または4記載の軽量パーライト体。
  6. 【請求項6】 pH調整剤を含むことを特徴とする請求
    項1、2、3、4または5記載の軽量パーライト体。
  7. 【請求項7】 松脂岩からなるパーライト微粉、または
    松脂岩微粉からなるパーライト微粉と松脂岩以外の火山
    ガラスからなるパーライト微粉との混合パーライト微粉
    と、粘土鉱物からなる結合材と、水とを混練し、該混練
    した湿潤品を粒状に成形し、成形品を乾燥後、500℃
    〜1000℃で焼成して、嵩比重が0.4〜1.5g/
    cmの多孔質体を得ることを特徴とする軽量パーライ
    ト体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006016227A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Koyo Denki Kogyo Kk 多孔性焼結体の製造方法
JP2008201630A (ja) * 2007-02-21 2008-09-04 Ube Ind Ltd パーライトの製造方法

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