JP6005389B2 - 粒状吸着材 - Google Patents

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Description

本発明は、放射性物質の吸着特性に優れた粒状吸着剤に関し、更に詳細には、凝灰岩類粉粒体、軽石類粉粒体、レンガ類粉粒体、コンクリート二次製品類粉粒体の4種の粉粒体と、ガラス質材粉及び発泡材粉とで構成する混合物を加熱してガラス質材粉の溶融発泡を促し、4種の混合粉粒体を熱変性させてなる粒状吸着材に関する。
従来より、無機系廃材の一種であるガラス質や石炭灰などの再資源化のために、該無機系廃材の数種を混合加熱し、ガラス質等のマトリックス中に独立気泡を形成して、断熱性や防音性に優れたガラス質発泡体や軽量の人工骨材等が開発されている。
また最近では、所望する比重のガラス質発泡体を形成する無機系発泡体組成物が提供され、板状の長尺発泡体として水質改善実用化への提案となっている(特許文献1)。
その概略は、ガラス質廃材、燃焼灰、煉瓦質廃材などの無機系発泡体組成物粉体と貝殻粉体を混合し、メッシュベルトの上に厚さ7mm、幅0.4m、長さ1.2mに堆積させ、600〜960℃の段階的加熱を30〜60分間行い、該無機系発泡体組成物粉体は厚さ15mm、幅0.4m、長さ1.2mに容積が約2倍に発泡し、板状の長尺無機系発泡体を得ている。この段階的加熱法により、該発泡体は比重の異なる低比重発泡体層と高比重発泡体層の一体化を成すことができるので、湖底などでの使用時には、該低比重発泡体層を上にし、該高比重発泡体層を下にして設置することができる。斯様な設置方法により、水中の有機物の分解など水質浄化を効率良く行うことができ、金属イオンの溶出による漁礁が形成され、藻が付着して生物膜が生息し易くなる提案である。
しかし、上記技術では、貝殻の熱分解で発生する二酸化炭素が、溶融したガラス質等の持つ粘性のためにガラス層から連続して抜け出ることができず、独立気泡は形成できるが、通気孔を有する連続気孔は形成できていない。従って、水質改善、空気質改善など種々の改善には限度があり、断熱性や防音性などに限定されているのが実情である。
一方、放射性廃棄物を埋設した処分場の人工地熱系環境下に対応して、止水作用および吸着作用を有する放射性廃棄物埋設用充填材の提案がある(特許文献2)。
この提案は、放射性廃薬物を地下に埋設する際に用いる緩衝材または埋め戻し材で、ベントナイト等と微細なクラックを有する火山ガラスを混合し、または、さらにフライアッシュを混合してなる放射性廃棄物埋設用充填材としている。
しかしこの技術は、ベントナイトが地熱を受けて性能劣化を起こすことに鑑み、火山ガラスをベントナイトの代替材料として使用せんとするものであって、放射性物質の吸着特性を向上させるものではない。
特開2004−123425号 特許4096328号
本発明者は、放射性物質の吸着材を対象として研究を重ねたところ、凝灰岩類粉粒体、軽石類粉粒体、レンガ類粉粒体、コンクリート二次製品類粉粒体の4種の粉粒体に700〜900℃の熱処理を施すことにより、放射性物質の吸着特性に優れた能力向上が見られることを見い出し、ガラス質材粉及び発泡材粉を活用して、これら粉粒体を組み合わせた粒状吸着材を提案するものである。
前記目的を達成するために、請求項1記載の粒状吸着材の製造方法は、a)ガラス質材粉100重量部と、凝灰岩を砕いてなる凝灰岩類粉粒体と、人工軽量気泡コンクリート又は天然軽石を砕いてなる軽石類粉粒体と、レンガ、瓦、タイルからなる群のうち少なくとも1つ以上を砕いてなるレンガ類粉粒体と、コンクリート二次製品を砕いてなるコンクリート二次製品類粉粒体との4種のグループのうち異なる2種以上のグループを選び、その選ばれたグループの中から少なくとも1つ以上の材料を選択して組合わせた混合粉粒体を200〜300重量部と、発泡材粉0.6〜15重量部と、を混合し、b)上記混合物を700〜900℃の範囲で加熱して熱変性を促すと共に、発泡を伴って連続気泡を含んだ塊状とし、c)該塊状化したものを冷却後砕いて粒状体を得ることを特徴とする。
請求項2に記載の粒状吸着材の製造方法は、混合粉粒体を、その粒子径を1〜1000μmの粉粒体としてなる。
請求項3に記載の粒状吸着材の製造方法は、ガラス質材粉を、窓用板ガラス及び/又はコップ及び/又ビンとし、その粒子径を1〜1000μmの粉粒体としてなる。
請求項4に記載の粒状吸着材の製造方法は、発泡材粉を、貝殻由来の炭酸カルシウムとし、その粒子径を1〜1000μmの粉粒体としてなる。
凝灰岩類粉粒体と、軽石類粉粒体と、レンガ類粉粒体と、コンクリート二次製品類粉粒体の4種のグループは、熱変性後にあって夫々に異なる優れた放射性物質の吸着特性を有する。例えば、凝灰岩類粉粒体は、総線量値(CPM値)、セシウム値(Cs値)、ストロンチウム(Sr値)のいずれにも優れた吸着能を示し、軽石類粉粒体はCPM値、Cs値に優れた吸着能を示し、レンガ類粉粒体は、CPM値、Cs値、Sr値、特にSr値に優れた吸着能を示し、コンクリート二次製品類粉粒体は、CPM値、Cs値に優れた吸着能を示す。又、グループ毎に、異なる組織成分の比率や、空隙形態に夫々異なった特性を備える。
上記グループは、熱で軟化したガラス質材粉を核として粉粒体が互いに結合し、該結合が2組以上の組み合わせとなることで、目的とする放射性物質の吸着に対応させて、最も適した放射性物質の吸着特性及び形態が具現できる。
上述の放射性物質の吸着特性にあって、上記グループに属す粉粒体は、Al2O3-SiO2系でこれにCaO、Fe2O3、Na2O、K2O、TiO2等の加わった非晶質を形成し、700〜900℃の範囲での加熱によって何らかの組織変化が促される熱変性が起こり、加熱前と比べてCPM値、Cs値、Sr値等に優れた特性の向上が図られる。
又、発泡材粉とその加熱によって、連続気泡を含んだカルメ状の軽量の発泡体が得られ、それを粒状化することで、外表面及び内表面の双方に大きな表面積を備えた、放射性物質の吸着特性に優れた粒状体が得られる。
凝灰岩類粉粒体のうち、大谷石の熱変性前の電子顕微鏡写真である。 軽石類粉粒体流体のうち、人工軽量気泡コンクリート(ALC)の熱変性前の電子顕微鏡写真である。 軽石類粉粒体流体のうち、天然軽石の熱変性前の電子顕微鏡写真である。 レンガ類粉粒体のうち、レンガの熱変性前の電子顕微鏡写真である。 レンガ類粉粒体のうち、瓦の熱変性前の電子顕微鏡写真である。 レンガ類粉粒体のうち、タイルの熱変性前の電子顕微鏡写真である。 コンクリート二次製品類粉粒体のうち、側溝の熱変性前の電子顕微鏡写真である。 本発明の凝灰岩類粉粒体に属する大谷石の汚染水に対する放射性物質の吸着除去状況をゼオライトと比較しつつ示すグラフ図で、(A)が熱変性前のCPM(1分間当りの放射線量)を示すグラフ、(B)が熱変性後のCPMを示すグラフ、(C)が熱変性後のSe値を比較したグラフ、(D)が熱変性後のSr値を示すグラフである。 本発明の軽石類粉粒体に属する人工軽量気泡コンクリート(ALC)の汚染水に対する吸着除去状況をゼオライトと比較しつつ示すグラフ図で、(A)が熱変性前のCPMを示すグラフ、(B)が熱変性後のCPMを示すグラフ、(C)が熱変性後のSe値を比較したグラフ、(D)が熱変性後のSr値を示すグラフである。 本発明のレンガ類粉粒体に属するレンガの汚染水に対する吸着除去状況をゼオライトと比較しつつ示すグラフ図で、(A)が熱変性前のCPMを示すグラフ、(B)が熱変性後のCPMを示すグラフ、(C)が熱変性後のSe値を比較したグラフ、(D)が熱変性後のSr値を示すグラフである。 本発明のコンクリート二次製品類粉粒体に属する側溝の汚染水に対する吸着除去状況をゼオライトと比較しつつ示すグラフ図で、(A)が熱変性前のCPMを示すグラフ、(B)が熱変性後のCPMを示すグラフ、(C)が熱変性後のSe値を比較したグラフ、(D)が熱変性後のSr値を示すグラフである。
そこで本発明の実施の形態を図1〜図11に基づき、説明する。
本発明は、凝灰岩類粉粒体、軽石類粉粒体、レンガ粉類、コンクリート二次製品類粉粒体の4種の粉粒体、ガラス質材粉および発泡材粉を構成素材とするが、各素材の機能等を説明する。
先ず、凝灰岩類粉粒体、軽石類粉粒体、レンガ類粉粒体、コンクリート二次製品類粉粒体の4種の粉粒体について説明する。
1つ目のグループの凝灰岩類粉粒体は、大谷石、若草石、深岩石等の凝灰岩で構成され、SiO2(66.96%)、Al2O3(12.55%)を主成分とし、これにNa2O(2.87%)、K2O(2.35%)等を含んで、内部に多孔質を形成する(括弧内は大谷石の成分値を示す)。
図1による電子顕微鏡写真に示される如く、内部には多孔質が形成されていることが確認できる。
斯かる凝灰岩類粉粒体は、放射性物質の吸着能に優れ、後述する本発明加熱に伴う熱変性による改質後には、例えば場大谷石はシンチレーションLSC7400カウンターによるCPM(総線量)値が改質前60から改質後に20に低下するという(ゼオライトを上まわる)顕著な吸着効果を示す(図8(A)(B))。
即ち、改質前、ゼオライトのCPMが25であったのに対し、大谷石は60とゼオライトには劣った値であったが、改質後にはCPM値が20となり、ゼオライトの25を上まわる値を示した。
放射性物質にあってセシウム(Cs)とストロンチウム(Sr)に分けて測定したところ、Csにあっては、改質後の線量値が0.002を示し、Srにあっては0.0075を示し、いずれも優れた吸着能が確認された(図8(C))。
特に、Srにあっては、ゼオライトの0.36に対し、改質後の大谷石は0.0075と極めて優れた値を示し、Srの吸着特性に優れることが確認された(図8(D))。
尚、本願の混合粉粒体に対しては、比較対象として放射性物質に対し優れた吸着能を示すゼオライトを挙げ、このゼオライトとの比較で性能比較を行うこととした。
2つ目のグループの軽石類粉粒体は、ヘーベル(商標)等の人工軽量気泡コンクリート(ALC)、又は天然軽石で構成され、SiO2(47.9%)、Al2O3(12.47%)にCaO(32.8%)等が加わり、気泡性コンクリートの特徴としての多孔性を示す(括弧内はALCの成分値を示す)。
天然軽石においては、SiO2(61.75%)、Al2O3(11.88%)に、Fe2O3(5.99%)、CaO(6.67%)等の成分組成を示す。
図2及び図3による電子顕微鏡写真に示される如く、内部には多孔質が形成されていることが確認できる。
斯かる軽石類粉粒体は、上記凝灰岩には及ばないものの優れた放射性物質の吸着能を示す。
即ち、例えばALCにあっては、図9(A)(B)に示す如く、改質前にあっては、CPMが53とゼオライトの25に劣るが、改質後にあってはCPM31とゼオライトの25に近づく優れた吸着能を示した。
Cs値は、改質後にあっては0.0052とゼオライトの0.003に近い値を示し、Srにあっても、改質後にはゼオライトの0.36に対し0.58の値を示した(図8(C)(D))。
3つ目のグループのレンガ粉類粉粒体は、粘土を一定以上の温度で加熱して固化させてなるもので、レンガ、瓦、タイルのいずれかからなり、SiO2(62.8%)、Al2O3(22.9%)を主成分とし,これにFe2O3(6.78%)、CaO(0.95%)、MgO(1.47%)等を含めてなる。
瓦は、SiO2(50.08%)、Al2O3(10.22%)、Fe2O3(6.21%)、CaO(11.15%)、Na2O(1.67%)、K2O(4.53%)等の成分組成を示す。
タイルは、SiO2(71.36%)、Al2O3(19.57%)、Na2O(0.94%)、K2O(1.39%)等の成分組成を示す。
図4、図5、図6による電子顕微鏡写真に示される如く、内部に微細な空隙を有していることが確認できる。
斯かるレンガ粉類粉粒体は、改質後のCPMはゼオライトと同等であるが、Srはゼオライトを上まわるという優れた特性が確認された。
即ち、例えば、レンガは図10(A)(B)に示す如く、改質前のCPMは43で25のゼオライトに劣るが、改質後にはCPM値28と25のゼオライトと同等の値を示した。
Cs値にあっては、0.0015と0.0003のゼオライトと同等の値を示すが、Srにあっては0.36のゼオライトに対して0.035とゼオライトを大幅に上まわる優れた吸着特性が確認された(図10(C)(D))。
4つ目のグループのコンクリート二次製品類粉粒体は、側溝、排水溝、マンホール、ヒューム管、縁石等のコンクリートの二次製品を指し、SiO2(76.83%)、Al2O3(12.47%)、を主成分とし、これにCaO(12.3%)、Fe2O3(1.0%)、Na2O(3.5%)、K2O(5.0%)等を含めてなる。
図7による電子顕微鏡写真に示される如く、レンガと同様内部に微細な空隙を有していることが確認される。
斯かるコンクリート二次製品類粉粒体は、凝灰岩には及ばないが、優れた放射性物質の吸着能を示す。
即ち、例えば側溝は、図11(A)(B)に示す如く、改質前のCPMは32でゼオライトの25に近く、改質後にあってはCPM28とゼオライトの25に近づく優れた吸着能を示した。
Cs値は、改質後にあっては0.0011とゼオライトの0.003に近い値を示し、Srにあっても、改質後にはゼオライトの0.36に対し0.6の値を示した(図11(C)(D))。
上記グループの特性を要約すると、1つ目のグループ(凝灰岩類粉粒体)は、改質後のCPM値、Cs値、Sr値のいずれにも優れた吸着能を示し、2つ目のグループ(軽石類粉粒体)は、改質後のCPM値、Cs値に優れた吸着能を示し、3つ目のグループ(レンガ類粉粒体)は、改質後のCPM値、Cs値、Sr値、特にSr値に優れた吸着能を示し、4つ目のグループ(コンクリート二次製品類粉粒体)は、改質後のCPM値、Cs値に優れた吸着能を示す。又、グループ毎に、異なる組織成分の比率や、空隙形態の違いが見られる。
従って、これら異なるグループの特性を考慮し、グループの選択を組み合わせることにより、目的とする放射性物質の吸着をどう具現させるかの手段が決定される。
例えば、全体的にCPMの減少を目的とする場合にはグループ1またはグループ2を選択すると共にその割合を増やすが、特にCsを吸着の対象とする場合には、グループ2及び4を加えて広いグループの選択が可能となる。特にSrの吸着を対象とする場合には、グループ1及びグループ3の活用が有効となる。且つ、この放射性物質の吸着特性に加えて、各グループの組織成分や、硬度、空隙性、軽量性等を加えて総合的に判断するものとする。
組み合わせは、4種のグループのうち異なる2種以上のグループを選び、その選ばれたグループの中から少なくとも1つ以上の材料を選択して組合わせる。従って、目的に合わせて2組、3組及び4組と組み合わせを変え、又、そのグループの中から属する素材の選択を変えることも可能である。
次いで、上記粉粒体はガラス質材粉及び発泡材粉を混合するが、先ずガラス質材粉について説明する。
ガラス質材粉は窓用板ガラス、コップ、ビンなどを原料とし、クラッシャーに掛けて粉砕し、粒子径を1〜1000μmの粉粒体とする。ガラス質材粉は、上記粉粒体や発泡材粉より先に700℃位の低い温度でその表面の軟化溶融が始まり、昇温につれて軟化した溶融ガラスに混合粉粒体及び発泡材粉が付着し、互いが結合された状態となる。
このとき、該ガラス質材粉は、混合粉粒体200〜300重量部に対して、100重量部と比較的含有割合が少ないので、全体が堅蜜に固まったものではなく、ガラスを融着の中心点としその四方に混合粉粒体が継がれた形態となり、後述の如く加熱すると、ガラス質が粉粒体の個々を融着し、それ以外の融着の少ない部分が空孔や通気孔となり、立体的には多孔質性粉粒体として現れることになる。
次いで、該発泡材粉は、例えば、あこや貝殻、ほたて貝殻、牡蠣殻など貝殻由来の炭酸カルシウム粉体とし、0.6〜15重量部の配合割合とすると共に、その粒子径を1〜1000μmの粉体、粒体とする。貝殻の場合には、海水の塩分は該無機系粉体の発泡を阻害するので、水洗するか、自然放置して塩分を除去する。粒子径を1〜1000μmとしたのは、炭酸カルシウムが熱分解して多量の二酸化炭素を発生させ得る粒子径としたもので、この二酸化炭素が、上記軟化したガラス質材粉によって結合して一旦塊状となったものを膨出させ、これを炉から出して冷却させて連続気泡と発泡空隙体を含んだカルメ状の膨張固体とする。
このカルメ状の膨張体は、表面積の非常に大きいAl2O3-SiO2系非晶質粉粒体となると共に、比較的脆い性状を備える。そこで、最終段階として、これを粉砕機等で粉砕して粒状体とし、粒状吸着材として利用し易い形態とする。
上記各混合すべき素材の配合割合を示すと表1の如くとなる。
さて、上記700℃〜900℃の加熱過程において、Al2O3-SiO2系構造体をなす混合粉粒体には下記の熱変性が惹起されることが確認された。
即ち、上記4つのグループからなる混合粉粒体にあっては、700〜900℃の加熱によって、放射性物質の吸着能に大幅な能力向上が見られる。
例えば、大谷石にあっては、シンチレーションLSC7400カウンターによるCPM値が改質前の60から改質後には20に低下し、Csにあっては、改質後の線量値が0.002を示し、Srにあっては0.0075を示し、いずれも吸着能の向上が確認されている。他の粉粒体にあっても、同様の吸着能の向上がみられることは前述の通りである。
このように、700〜900℃の加熱によって、放射性物質の吸着能に大幅な向上がみられる(これを上述の如く熱変性又は改質と呼んだ)が、この熱変性が起こる原因については、未だ正確な理由は定かではないが、以下の如くに推察される。
即ち、上記の如く、本発明に列挙した4つのグループに属する粉粒体は、主体となるAl2O3-SiO2系構造体に、CaO、Fe2O3、Na2O、K2O、TiO2等の成分が加わり、Na2O-Al2O3-SiO2系、CaO-K2O-Al2O3-SiO2系、Fe2O3-TiO2-
Na2O-Al2O3-SiO2系などの非晶質体を形成するが、この非晶質体は、全体が結晶体にはよらないものの、一部には結晶質が含まれるものと解され、斯かる非晶質体に700℃〜900℃の熱が加えられ且つ冷却されると、全体的な非晶質と一部の結晶質との間に相互作用が惹起され、全体の結合形態に何らかの変化が促される。その結合形態の変化により、放射性物質の吸着特性等に性能変化が生まれ、この結果、一部のものはゼオライトの放射性物質の吸着特性に近づき、或いは一部のものはゼオライトを超える特性を備えるに至るものと考えられる。
本発明吸着材は、主に放射性物質の吸着にその優れた特性を発揮することが確認されたが、上記特性から、重金属等の吸着にも応用が可能である。
尚、上記放射性物質の総放射線量(CPM)の測定方法は、放射性物質総放射線の数150cpmを放射する汚染水に、熱処理前の粉体と熱処理後の粉体とを夫々30分間撹拌することで吸着させ、その後夫々をろ過処理してシンチレーションLSC7400にて計測し、測定値をcpmとした。
又、セシウム及びストロンチウム吸着の測定方法は、セシウム及びストロンチウム濃度1ppmの汚染水に、質量比4%の熱処理後の粉体を添加し、30分間撹拌することで放射性物質を吸着させ、その後、該粉体をろ過処理して、処理後の汚染水の放射性物質の濃度をICP質量分析装置(Agilent Technologies 社製、Agilent 7500cx )にて計測し、測定値をppmとした。
本発明は、凝灰岩類粉粒体、軽石類粉粒体、レンガ粉類、コンクリート二次製品類粉粒体に廃棄物を利用することができるので、これを活用して安価で量産容易な放射性物質の吸着材が具現できる。

Claims (4)

  1. a)ガラス質材粉100重量部と、凝灰岩を砕いてなる凝灰岩類粉粒体と、人工軽量気泡コンクリート又は天然軽石を砕いてなる軽石類粉粒体と、レンガ、瓦、タイルからなる群のうち少なくとも1つ以上を砕いてなるレンガ類粉粒体と、コンクリート二次製品を砕いてなるコンクリート二次製品類粉粒体との4種のグループのうち異なる2種以上のグループを選び、その選ばれたグループの中から少なくとも1つ以上の材料を選択して組合わせた混合粉粒体を200〜300重量部と、発泡材粉0.6〜15重量部と、を混合し、
    b)上記混合物を700〜900℃の範囲で加熱して熱変性を促すと共に、発泡を伴って連続気泡を含んだ塊状とし、
    c)該塊状化したものを冷却後砕いて粒状体を得る、
    ことを特徴とする粒状吸着材の製造方法
  2. 混合粉粒体を、その粒子径を1〜1000μmの粉粒体としてなる請求項1記載の粒状吸着材の製造方法
  3. ガラス質材粉を、窓用板ガラス及び/又はコップ及び/又はビンとし、その粒子径を1〜1000μmの粉粒体としてなる請求項1又は2に記載の粒状吸着材の製造方法
  4. 発泡材粉を、貝殻由来の炭酸カルシウムとし、その粒子径を1〜1000μmの粉粒体としてなる請求項1〜3のいずれかに記載の粒状吸着材の製造方法
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