JP6074802B2 - 放射性元素吸着剤および放射性元素の除去方法、ならびに放射性元素を吸着した吸着剤の処理方法 - Google Patents

放射性元素吸着剤および放射性元素の除去方法、ならびに放射性元素を吸着した吸着剤の処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、火山噴出物発泡体を使用して簡便に調製することができ、放射性物質を含む土壌、水および気体の浄化を目的として使用される放射性元素吸着剤に関する。
2011年3月11日の東日本大震災の際、原子力発電所の事故が発生してから2年近く経過したが、漏出した放射能による環境汚染が深刻な問題となっている。また住宅などの除染に使用した汚染水を直接、河川に廃棄する事案などが問題になっている。学校、幼稚園など公共施設の汚染土壌も、フレキシブルコンテナバッグに入れられたまま山積みに放置されていて、解決策が見出せないまま深刻な問題となっている。高い放射能の被爆は、人類、動物、植物などあらゆる生命体に対して重大な影響を及ぼす。従って、放射性セシウム等の放射性元素を迅速かつ効率的に除去し得る除去剤または処理剤が求められている。
放射性セシウム等の放射性元素の除去には、陽イオン交換能を有するゼオライトが汎用される。また、放射性元素を含む汚染水に対し、逆浸透膜を用いたろ過による除去が検討されている(非特許文献1)。
しかし、吸着塔による放射性セシウムの除去に必要なゼオライト量および交換頻度を試算したところ、ゼオライトの使用可能期間が短く(非特許文献1)、多量の放射性元素を含むゼオライトの蓄積およびその処理が問題となる。また、逆浸透膜による除去処理については、放射性元素の濃縮水が発生し、その処理が問題となる(非特許文献1)。さらに、逆浸透膜は有機物であるため、その焼却処理によるセシウム等放射性元素の放出、および放射性元素を含む焼却灰の処理も問題となる。
放射性物質の挙動からみた適正な廃棄物処理処分(技術資料),平成23年12月2日第一版,(独)国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター,pp.48−52
そこで、本発明は、放射性元素を効率的かつ迅速に吸着除去することができ、なおかつ放射性元素を吸着した吸着剤から、雨水などにより放射性元素が流出することのない放射性元素吸着剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意研究した結果、火山噴出物発泡体の1種または2種以上と、アルカリ性を示す無機塩とを特定の重量比で含有する粉粒体組成物が、放射性元素の吸着除去機能に優れること、さらには、放射性元素を吸着した後において、簡単にガラス化または固化させ得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の通りである。
[1](A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上と、(B)アルカリ性を示す無機塩とを、(A)と(B)の重量比[(A):(B)]が1:0.3〜1:1.5となるように含む粉粒体組成物を含有する、放射性元素吸着剤。
[2]粉粒体組成物に含まれる(A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上と(B)アルカリ性を示す無機塩との重量比[(A):(B)]が1:0.8〜1:1.3である、上記[1]に記載の吸着剤。
[3]粉粒体組成物の平均粒子径が0.5mm〜6mmである、上記[1]または[2]に記載の吸着剤。
[4]火山噴出物発泡体の1種または2種以上が、シラス発泡体、黒曜石発泡体および真珠岩発泡体からなる群より選択される、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の吸着剤。
[5]アルカリ性を示す無機塩が無機弱酸のアルカリ金属塩である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の吸着剤。
[6]無機弱酸のアルカリ金属塩が、オルトケイ酸、メタケイ酸およびメタ二ケイ酸のアルカリ金属塩からなる群より選択される1種または2種以上である、上記[5]に記載の吸着剤。
[7]粉粒体組成物が二酸化炭素により固化されたものである、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の吸着剤。
[8]粉粒体組成物がパネル状に成形されている、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の吸着剤。
[9]上記[1]〜[8]のいずれかに記載の吸着剤により放射性元素を吸着除去する、放射性元素の除去方法。
[10]上記[1]〜[8]のいずれかに記載の吸着剤を用いてなる、放射性元素の吸着除去装置。
[11]上記[1]〜[8]のいずれかに記載の吸着剤に放射性元素を吸着させた後、前記吸着剤を焼成してガラス化させる、放射性元素を吸着した吸着剤の処理方法。
[12]焼成する前に、ホウ酸およびその塩の1種または2種以上を加えて混合し、次いでケイ酸のアルカリ金属塩を加えて混合する、上記[11]に記載の処理方法。
[13]ホウ酸およびその塩の1種または2種以上が、オルトホウ酸およびホウ酸のナトリウム塩より選択される、上記[12]に記載の処理方法。
[14]焼成し、ガラス化させた後にセメントを加えて固化させる、上記[11]〜[13]のいずれかに記載の処理方法。
[15]焼成し、ガラス化させた後にケイ酸のアルカリ金属塩を加えて混合し、次いで二酸化炭素により固化させる、上記[11]〜[13]のいずれかに記載の処理方法。
[16]上記[1]〜[8]のいずれかに記載の吸着剤に放射性元素を吸着させた後、前記吸着剤にケイ酸のアルカリ金属塩を加えて混合し、次いで二酸化炭素により固化させる、放射性元素を吸着した吸着剤の処理方法。
[17]ケイ酸のアルカリ金属塩を加えて混合する前にセメントを添加混合する、上記[16]に記載の処理方法。
[18](A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上と、(B)アルカリ性を示す無機塩とを、(A)と(B)の重量比[(A):(B)]が1:0.8〜1:1.3となるように含む、粉粒体組成物。
[19]粉粒体の平均粒子径が0.5mm〜6mmである、上記[18]に記載の組成物。
[20]火山噴出物発泡体の1種または2種以上が、シラス発泡体、黒曜石発泡体および真珠岩発泡体からなる群より選択される、上記[18]または[19]に記載の組成物。
[21]アルカリ性を示す無機塩が無機弱酸のアルカリ金属塩である、上記[18]〜[20]のいずれかに記載の組成物。
[22]無機弱酸のアルカリ金属塩がオルトケイ酸、メタケイ酸およびメタ二ケイ酸のアルカリ金属塩からなる群より選択される1種または2種以上である、上記[21]に記載の組成物。
[23]二酸化炭素により固化された、上記[18]〜[22]のいずれかに記載の組成物。
[24]パネル状に成形されている、上記[18]〜[23]のいずれかに記載の組成物。
[25](A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上と、(B)アルカリ性を示す無機塩とを、(A)と(B)との重量比[(A):(B)]が1:0.8〜1:1.3となるように混合する工程を含む、粉粒体組成物の製造方法。
[26]さらに、造粒および/または整粒する工程を含む、上記[25]に記載の製造方法。
[27]火山噴出物発泡体の1種または2種以上が、シラス発泡体、黒曜石発泡体および真珠岩発泡体からなる群より選択される、上記[25]または[26]に記載の製造方法。
本発明により、放射性セシウム等の放射性元素の吸着除去機能に優れた放射性元素吸着剤を提供することができ、該吸着剤を用いることにより、放射性元素の効率的な除去方法、ならびに放射性元素の吸着除去装置を提供することができる。また、本発明により、放射性元素を吸着した後の吸着剤を簡便かつ安全に処理することができる。
さらに、本発明の放射性元素吸着剤は、簡便に製造することができ、火山噴出物発泡体を利用するため、安価に提供することができる。
図1は、本発明の実施例1の放射性元素吸着剤による放射性セシウムの吸着、除去のようすを示す図である。 図2は、本発明の実施例2の放射性元素吸着剤による放射性セシウムの吸着、除去のようすを示す図である。
本発明の放射性元素吸着剤は、(A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上と、(B)アルカリ性を示す無機塩とを、(A)と(B)の重量比[(A):(B)]が1:0.3〜1:1.5となるように含む粉粒体組成物を含有する。
本発明の放射性元素吸着剤に用いる(A)火山噴出物発泡体は、火山噴出物の細粒や粉末を700℃〜1,100℃程度、好ましくは850℃〜1,000℃程度に加熱して発泡させることにより得られる。
上記火山噴出物発泡体の調製に用いる火山噴出物は、火山活動の際に地表に噴出した物質であり、火山灰、火山礫等の火山砕屑物などが含まれる。本発明の目的には、火山噴出物として、シラス、軽石、ボラ土、黒曜石、真珠岩等が好ましく用いられる。なかでもシラス、軽石、黒曜石、真珠岩がより好ましい。
本発明において、火山噴出物発泡体としては、シラスを発泡させたシラス発泡体(シラスバルーン)、黒曜石の発泡体(黒曜石パーライト)および真珠岩の発泡体(真珠岩パーライト)が好ましく、放射性セシウム等の放射性元素の吸着、除去能に優れている点で、シラス発泡体がより好ましい。
本発明において用いる火山噴出物発泡体の平均粒子径は、後述するふるい分け法により測定し算出した値で通常6μm〜500μmであり、30μm〜300μmであることが好ましい。
また、本発明の目的には、火山噴出物発泡体の真比重は通常2〜2.5であり、2〜2.3であることが好ましく、嵩比重は、通常は0.6g/mL以下であり、0.15g/mL〜0.4g/mLであることが好ましい。
本発明においては、上記火山噴出物発泡体から1種または2種以上を選択して用いる。なお、上記火山噴出物発泡体を含む粉粒体組成物を用いた場合、放射性元素の吸着、除去能および吸着、除去速度に優れる点、軽量である点、ならびに放射性元素を吸着させた後の吸着剤の処理において、該吸着剤のガラス化または固化が容易である点で有利である。
本発明における(B)アルカリ性を示す無機塩としては、38重量%〜52重量%の水溶液としたときに、9〜13以上のpHを示す無機塩が好ましく、ケイ酸、ホウ酸、炭酸等の無機弱酸のアルカリ金属塩が好ましいものとして例示される。これらの中でも、粉粒体組成物の強度および成形性等の観点から、オルトケイ酸、メタケイ酸およびメタ二ケイ酸のアルカリ金属塩がより好ましく、オルトケイ酸、メタケイ酸およびメタ二ケイ酸のナトリウム塩およびカリウム塩がさらに好ましい。本発明においては、(B)アルカリ性を示す無機塩として、前記したものより1種または2種以上を選択し用いることができる。
本発明の放射性元素吸着剤は、(A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上と、(B)アルカリ性を示す無機塩とを、これらの重量比[(A):(B)]が1:0.3〜1:1.5となるように含む粉粒体組成物を含有する。また、前記粉粒体組成物における(A)と(B)との重量比[(A):(B)]は1:0.35〜1:1.4とすることが好ましく、1:0.5〜1:1.3とすることがより好ましく、1:0.8〜1:1.3とすることがさらに好ましい。
(A)に対する(B)の重量比[(B)/(A)]が0.3未満であると、粉粒体組成物の強度が低くなり、汚染水等の浄化時に粉粒体組成物における多孔性構造の崩壊が生じて、吸着機能が低下し好ましくない。一方、(A)に対する(B)の重量比[(B)/(A)]が1.5を超えると、粉粒体組成物の乾燥、整粒等に相当な時間を要し、製造効率が低下するため、好ましくない。
本発明において、(B)アルカリ性を示す無機塩は、粉体のまま用いてもよく、水溶液として用いてもよい。水溶液として用いる場合には、(A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上と混合した後の乾燥および造粒等の効率を考慮すると、30重量%〜52重量%の濃度とすることが好ましく、38重量%〜45重量%の濃度とすることがより好ましい。
本発明において粉粒体組成物には、上記(A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上、および(B)アルカリ性を示す無機塩に加えて、本発明の特徴を損なわない範囲で、さらに活性炭、木炭、竹炭等の吸着剤等を添加することができる。
本発明において粉粒体組成物は、(A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上と、(B)アルカリ性を示す無機塩とを、上記した重量比で混合し、場合により他の吸着剤等を添加して粉粒体の凝集物とした後、必要により乾燥した後粉砕し、さらに必要により造粒、整粒、焼成等の処理を行って製造される。
(A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上と、(B)アルカリ性を示す無機塩、あるいはさらに他の添加成分の混合は、粉粒体の混合に用いられる一般的な混合方法により行うことができ、水平円筒型混合機、V型混合機、二重円錐型混合機、揺動回転型混合機、単軸リボン型混合機、複軸パドル型混合機、回転働型混合機、円錐スクリュー型混合機等を用いて行う。
上記粉粒体凝集物の粉砕は、一般的な粉砕方法により行うことができ、混合時における(B)アルカリ性を示す無機塩の状態により、乾式粉砕、湿式粉砕のいずれをも用いることができる。すなわち、(B)アルカリ性を示す無機塩を固体状で混合する場合には、乾式粉砕が好ましく採用され、水溶液の状態で混合する場合には、湿式粉砕が好ましく採用される。
乾式粉砕としては、ジェットミル粉砕およびメカノケミカル粉砕が挙げられ、湿式粉砕としては、コロイドミル粉砕が挙げられる。
上記粉粒体組成物の造粒は、一般的な造粒方法により行うことができ、混合時における(B)アルカリ性を示す無機塩の状態により、乾式造粒、湿式造粒のいずれをも用いることができる。すなわち、(B)アルカリ性を示す無機塩を固体状で混合する場合には、乾式造粒が好ましく採用され、水溶液の状態で混合する場合には、湿式造粒が好ましく採用される。
乾式造粒としては、スラッグ法、ローラーコンパクター法等が挙げられ、湿式造粒としては、撹拌混合造粒法、噴霧乾燥造粒法、流動層造粒法、転動造粒法、転動流動層造粒法、押し出し造粒法等が挙げられる。
上記粉粒体組成物の整粒についても、一般的な整粒方法を採用することができる。かかる整粒方法としては、摩砕整粒、分級機能付解砕整粒、破砕整粒、湿式連続整粒、回転式遠心砕塊整粒、高速又は低速回転型整粒、球形整粒等が挙げられる。
上記粉粒体組成物の乾燥は、風乾、天日乾燥等、自然乾燥により行うことが好ましい。粉粒体組成物を焼成する場合は、ロータリーキルン等において通常850℃〜1,300℃程度で5分〜20分間程度行う。
上記粉粒体組成物の平均粒子径は、後述するふるい分け法により測定し、算出した値で通常0.3mm〜8mmであり、好ましくは0.5mm〜6mm、より好ましくは1mm〜5mmである。
また、本発明において、(B)アルカリ性を示す無機塩として、二酸化炭素と反応することによりゲル状の水和物を生成し固化する性質を有するものを用いた場合、(A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上と、(B)アルカリ性を示す無機塩を含む粉粒体の凝集物に炭酸ガスを吹き込む等して、二酸化炭素により固化させることができる。
粉粒体組成物を固化させるのに必要な二酸化炭素の量は、上記粉粒体の凝集物1,000g(乾燥重量)に対し100g〜600g程度である。
なお、上記のような性質を有する(B)アルカリ性を示す無機塩としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸の金属塩を挙げることができる。これらは二酸化炭素と反応してケイ酸を遊離させ、ゲル状の水和物となるため、これらを含む粉粒体組成物を良好に固化させることができる。
本発明においては、上記した粉粒体組成物をそのまま、または他の吸着剤や賦形剤、結合剤、固定化剤、滑沢剤等の添加剤を加えて放射性元素吸着剤とする。本発明の放射性元素吸着剤における上記粉粒体組成物の含有量は、好ましくは60重量%〜100重量%であり、より好ましくは80重量%〜100重量%である。
また、本発明において、上記粉粒体組成物は、加圧成形または無圧成形によりパネル状とすることができる。粉粒体組成物の加圧成形または無圧成形は、それぞれ汎用される加圧成形機または無圧成形機を用いて行うことができる。
(B)アルカリ性を示す無機塩として、二酸化炭素と反応することによりゲル状の水和物を生成し固化する性質を有するものを用いた場合には、所望の形状を有する金属製、プラスチック製等の型内に充填し、ドライアイスと接触させる、または炭酸ガスを添加する等、二酸化炭素により固化させることができる。粉粒体組成物の固化、成形に必要な二酸化炭素の量は、粉粒体組成物1,000g(乾燥重量)に対し、100g〜600g程度である。
あるいは、上記粉粒体組成物にアルミナセメントを加え、その水和反応により固化させることもできる。粉粒体組成物の固化、成形に必要なアルミナセメントの添加量は、粉粒体組成物1,000g(乾燥重量)に対し、300g〜600g程度である。
なお、粉粒体組成物の多孔性構造に与える影響を考慮すると、無圧成形または二酸化炭素による固化により成形することが好ましく、成形速度、粉粒体の強度および安定性等の観点からは、炭酸ガス添加による固化により成形することがより好ましい。
パネル状成形物の形状および大きさは、放射性元素の吸着除去装置の形状、放射性元素を含む被吸着物の種類等によって決定されるが、一般的には、一辺の長さが5cm〜200cmで厚さが5cm〜200cmの直方体または立方体、直径が5cm〜200cmで厚さが5cm〜200cmの円柱体等とすることができる。
上記粉粒体組成物を含有する本発明の放射性元素吸着剤は、放射性セシウム等の放射性元素に対し、優れた吸着能を有し、放射性元素を含む土壌や海水、河川水、湖沼水、水道水、地下水、空気等から放射性元素を吸着除去するのに好ましく使用される。
従って、本発明はまた、上記放射性元素吸着剤を用いて放射性元素を吸着除去する方法を提供する。
放射性元素の吸着除去は、放射性元素を含む汚染土壌や汚染水を本発明の放射性元素吸着剤と接触させることにより行う。具体的には、汚染土壌を水で洗浄した後の洗浄水や汚染水に、本発明の放射性元素吸着剤を加えて混合、攪拌した後、ろ過、遠心分離等により放射性元素を吸着した吸着剤を回収する、本発明の放射性元素吸着剤をろ材として充填したろ過器等の吸着除去装置を用いて、前記洗浄水や汚染水をろ過する、あるいは、放射性元素を含む気体を、本発明の放射性元素吸着剤を充填した吸着除去装置に通す、といった方法が挙げられる。
それゆえ、本発明はさらにまた、放射性元素の吸着除去装置を提供する。本発明の放射性元素の吸着除去装置としては、プラスチック製、ステンレス製等のカラムに、ステンレス製等のフィルターを備え、前記フィルター上に本発明の放射性元素吸着剤をろ材として充填してなるろ過器や、プラスチック製、ステンレス製等の円柱状または直方体もしくは立方体状の槽内に、円柱体または直方体もしくは立方体パネル状に成形した本発明の放射性元素吸着剤を設置した吸着槽等が挙げられる。
本発明の放射性元素吸着剤は、放射性セシウム等の放射性元素を吸着させた後、焼成してガラス化することにより、容易に処理することができる。あるいは、ケイ酸のアルカリ金属塩を加えて混合した後、二酸化炭素を加えてケイ酸を遊離させて固化させることによっても、容易に処理することができる。
従って、本発明はまた、放射性元素を吸着した吸着剤の処理方法を提供する。
本発明の吸着剤の処理方法においては、本発明の上記放射性元素吸着剤により放射性元素を吸着させた後、放射性元素を吸着した本発明の吸着剤を、850℃〜1,300℃、好ましくは950℃〜1,200℃で5分〜20分間、好ましくは5分〜15分間焼成してガラス化する。
なお、放射性元素を吸着した吸着剤を焼成処理する前に、ホウ酸およびその塩の1種または2種以上を加えて混合し、次いで、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸のアルカリ金属塩を加えて混合してもよい。かかる処理を行うことにより、吸着剤のガラス化効率を上げることができる。
ホウ酸およびその塩の1種または2種以上としては、オルトホウ酸およびホウ酸のナトリウム塩から選択することが好ましい。ホウ酸のナトリウム塩としては、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム十水和物(ホウ砂)等が挙げられ、ホウ砂がより好ましく用いられる。
ホウ酸およびその塩の1種または2種以上は、放射性元素を吸着した吸着剤の乾燥重量1,000gに対し、50g〜150g程度を加えることが好ましく、80g〜120g程度を加えることがより好ましい。
ケイ酸のアルカリ金属塩は、放射性元素を吸着した吸着剤の乾燥重量1,000gに対し、100g〜800g程度を加えることが好ましく、200g〜500g程度を加えることがより好ましい。
ガラス化した上記吸着剤は、そのまま、または粉砕機により粉砕し、さらにセメントを加えて固化させてもよい。セメントとしては、固化処理に通常用いられるものを広く用いることができるが、ポルトランドセメント、アルミナセメント等が好ましく用いられる。セメントは、ガラス化した上記吸着剤1,000gに対し、200g〜800g程度を加えることが好ましく、300g〜600g程度を加えることがより好ましい。なお、セメントによる固化は、通常上記セメント1,000gに対し、水道水等の水を500g〜2,000g程度添加して混合攪拌することにより行う。
あるいは、セメントにより固化させる代わりに、ケイ酸のアルカリ金属塩を加えて混合し、次いで二酸化炭素を加えてケイ酸を遊離させて固化させてもよい。ケイ酸のアルカリ金属塩としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等が好ましい。ケイ酸のアルカリ金属塩は、ガラス化した上記吸着剤1,000gに対し、300g〜800g程度を加えることが好ましく、400g〜600g程度を加えることがより好ましい。また、二酸化炭素(炭酸ガス)は、ガラス化した上記吸着剤1,000gに対し、100g〜300g程度を加えることが好ましく、150g〜250g程度を加えることがより好ましい。
なお、ケイ酸のアルカリ金属塩とともにセメントを添加し、次いで二酸化炭素を加えて固化させてもよい。かかる場合のセメントの添加量は、ガラス化した上記吸着剤1,000gに対し、300g〜600g程度である。
また、本発明の吸着剤の処理方法においては、焼成処理を行う代わりに、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸のアルカリ金属塩を加えて混合し、次いで二酸化炭素を加えて固化させてもよい。その際、二酸化炭素を加える前に、加圧機により加圧して圧縮することにより、固化効率を上げることができる。
ケイ酸のアルカリ金属塩は、放射性元素を吸着した吸着剤の乾燥重量1,000gに対し、500g〜1,400g程度を加えることが好ましく、700g〜1,000g程度を加えることがより好ましい。また、二酸化炭素(炭酸ガス)は、放射性元素を吸着した吸着剤の乾燥重量1,000gに対し、100g〜600g程度を加えることが好ましく、200g〜500g程度を加えることがより好ましい。
なお、加圧機による圧縮処理は、20kg/cm〜40kg/cm程度の圧力下に行うことが好ましい。
さらに、放射性元素を吸着した吸着剤に、ケイ酸のアルカリ金属塩とともにセメントを添加し、次いで二酸化炭素を加えて固化させてもよい。かかる場合のセメントの添加量は、放射性元素を吸着した吸着剤の乾燥重量1,000gに対し、300g〜600g程度である。
なお、放射性元素を吸着した吸着剤について、上記した焼成によるガラス化処理、またはケイ酸のアルカリ金属塩および二酸化炭素による固化処理を行う際、放射性元素を吸着した吸着剤をあらかじめ乾燥することが、処理効率を上げる上で好ましい。放射性元素を吸着した吸着剤の乾燥は、200℃〜600℃で行うことが好ましく、300℃〜500℃で行うことがより好ましい。また、前記乾燥は、1時間〜3時間程度行うことが好ましい。
上記の本発明の吸着剤の処理方法により、放射性元素を吸着した吸着剤の乾燥重量1,000gあたりの体積(4,000mL)を、通常600mL〜1,500mL程度、好ましくは600mL〜1,000mL程度に圧縮することができる。従って、放射性元素を吸着した吸着剤の保存、廃棄等においても有利である。
本発明はまた、(A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上と、(B)アルカリ性を示す無機塩とを、(A)と(B)の重量比[(A):(B)]が1:0.8〜1:1.3となるように含む粉粒体組成物を提供する。
上記粉粒体組成物は、特に優れた放射性元素の吸着機能を示し、造粒等の製造効率、成形性等も特に良好であり、放射性元素吸着剤として特に好適である。
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
[平均粒子径の測定方法]
以下の発明の実施例において、火山噴出物発泡体および粉粒体組成物の平均粒子径の測定は、以下に示すふるい分け法により行った。
電磁式ふるい振とう器(アズワン株式会社製)に標準ふるいを5段〜10段装着し、試料をふるい振とうして分級し、各ふるいに分級される粒子の重量比を測定した。すなわち、標準ふるいを目開きの大きいものを上にして順次重ね、上段に試料20gを入れて15分間ふるい振とうし、各ふるい上に存在する試料の重量を測定し、粒度分布を求めた。
次いで、各ふるいにふるい分けられた粒子の重量の試料全重量に対する割合(重量%)を算出し、各ふるいの目開きに対して、各ふるいにふるい分けられた粒子の重量の試料全重量に対する割合をプロットした曲線から、メディアン径として重量平均粒子径を求めた。
[実施例1]放射性元素吸着剤の調製
シラス発泡体(「シラスバルーン」:平均粒子径=70μm、豊和直株式会社製)1,000gを撹拌機(豊和直株式会社製)に投入し、次いでケイ酸カリウム水溶液(日本化学工業株式会社製:ケイ酸カリウム含有濃度=38重量%〜52重量%)1,000gを徐々に散布し満遍なく攪拌した後、網目6mmのステンレス網を通過させ、平均粒子径が4mmとなるように整粒した後、ポリ袋に入れ、炭酸ガス200gを添加し固化させた。前記の固化させた組成物2,200gを4時間天日乾燥して、平均粒子径が4mmの粉粒体組成物2,000gを得、放射性元素吸着剤とした。
[実施例2]放射性元素吸着剤の調製
シラス発泡体(「シラスバルーン」:平均粒子径=70μm、豊和直株式会社製)1,000gを撹拌機(タニナカO&K株式会社製)に投入し、次いでケイ酸カリウム水溶液(日本化学工業株式会社製:ケイ酸カリウム含有濃度=38重量%〜52重量%)1,000gを徐々に散布し満遍なく攪拌した後、網目6mmのステンレス網を通過させ、平均粒子径が4mmとなるように整粒した後、ポリ袋に入れ、炭酸ガス200gを添加し固化させて粉粒体組成物を得、放射性元素吸着剤とした。
[実施例3]円柱体状放射性元素吸着装置の作成
シラス発泡体(「シラスバルーン」:平均粒子径=120μm、豊和直株式会社製)1,000gにケイ酸カリウム水溶液(日本化学工業株式会社製:ケイ酸カリウム含有濃度=38重量%〜52重量%)1,000gを混合して攪拌し、円柱体状の塩化ビニル製の型(内径=10cm、高さ=45cm)に均一に投入した後、炭酸ガス200gを添加し、固化させて円柱体状の放射性元素吸着装置(放射性元素吸着剤の内容量=2,170g、直径=10cm、高さ=39cm)を得た。
[試験例1]放射性セシウム吸着除去機能の評価
図1に示すように、実施例1の放射性元素吸着剤(1)120gを、250メッシュのステンレス製フィルター(2)を備えたソケット(3)に、内径30mmの塩化ビニル製の管(4)が挿入されてなるろ過器(イ)に充填し、放射性セシウムを含んだ水を投入し、ろ過した。ろ過前後の放射能量を測定した結果を表1に示した。なお、放射能量の測定は、一般財団法人九州環境管理協会に委託して行った。
表1より明らかなように、実施例1の放射性元素吸着剤をろ材として用いてろ過することにより、放射性セシウムは、セシウム134(134Cs)、セシウム137(137Cs)ともに良好に吸着除去された。
[試験例2]放射性セシウム吸着除去機能の評価
図2に示すように、実施例2の放射性元素吸着剤(5)170gを上記と同様に、ステンレス製フィルター(2)を備えたソケット(3)に、塩化ビニル製の管(4)が挿入されてなる、ろ過器(ロ)に充填し、放射性セシウムを含んだ水を投入し、ろ過した。ろ過前後の放射能量を測定した結果を表2に示した。なお、放射能量の測定は、一般財団法人九州環境管理協会に委託して行った。
表2より明らかなように、実施例2の粉流体組成物を吸着剤として用いてろ過することにより、高放射能の放射性セシウムを含む水を処理した場合においても、セシウム134(134Cs)、セシウム137(137Cs)ともに良好に吸着除去されることが示された。
[実施例4]放射性元素を吸着した吸着剤の処理
実施例3の放射性元素吸着装置を用いて放射性セシウムを含む水をろ過した後、放射性元素を吸着した前記吸着剤を取り出し、乾燥機(ツカサ工業株式会社製)により200℃で2時間乾燥した。乾燥後の重量は2,000gであった。前記吸着剤にホウ砂200gを混合し、次いでケイ酸カリウム600gを混合して攪拌し、ロータリー乾燥機(有限会社梅木製作所製)により950℃で15分間焼成してガラス化させた。前記ガラス化した組成物を、ハンマークラッシャー(有限会社梅木製作所製)により粉砕し、平均粒子径が6mmのガラス材2,400gとした。
[実施例5]放射性元素を吸着した吸着剤の処理
実施例4の処理により得たガラス材2,400gに、ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製)1,000gおよび水道水1,000gを混合し、ベニヤ板製の型枠(縦15cm、横15cm、高さ20cm)に流し込み、固化させた。
[実施例6]放射性元素を吸着した吸着剤の処理
実施例4の処理により得たガラス材2,000gにアルミナセメント(電気化学工業株式会社製)600gを加えて混合攪拌した後、ケイ酸カリウム1,000gを加えて攪拌機(タニナカO&K株式会社製)により混合攪拌し、鉄製の型枠(縦30cm、横30cm、高さ5cm)に投入して、プレス機(新東工業株式会社製)にて30kg/cmの圧力でプレスした。次いで、炭酸ガス500gを注入して固化した。
[実施例7]放射性元素を吸着した吸着剤の処理
実施例1の放射性元素吸着剤を用いて、放射性セシウムを含む水を試験例1と同様に処理し、処理後の吸着剤を乾燥機(ツカサ工業株式会社製)により200℃で1時間乾燥した後、該吸着剤1,300gにケイ酸カリウム1,000gを加えて混合攪拌し、鉄製の型枠(縦30cm、横30cm、高さ5cm)に投入して、プレス機(新東工業株式会社製)にて30kg/cmの圧力でプレスした。次いで、炭酸ガス500gを注入して固化処理した。
[実施例8]放射性元素を吸着した吸着剤の処理
実施例1の放射性元素吸着剤を用いて、放射性セシウムを含む水を試験例1と同様に処理し、処理後の吸着剤を乾燥機(ツカサ工業株式会社製)により300℃で2時間乾燥した後、該吸着剤1,300gにアルミナセメント(電気化学工業株式会社製)500gを加えて混合攪拌した後、ケイ酸カリウム1,000gを加えて混合攪拌し、鉄製の型枠(縦30cm、横30cm、高さ5cm)に投入して、プレス機(新東工業株式会社製)にて30kg/cmの圧力でプレスした。次いで、炭酸ガス500gを注入して固化処理した。
[実施例9]放射性元素を吸着した吸着剤の処理
実施例2の吸着剤を用いて、放射性セシウムを含む水を試験例2と同様に処理し、処理後の吸着剤3,000gを、ロータリー乾燥機(有限会社梅木製作所製)により900℃で15分間焼成し、ガラス化させた後、ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製)1,000gおよび水道水1,500gを加えて混合攪拌し、固化物とした。
[実施例10]放射性元素吸着剤の調製
シラス発泡体(「シラスバルーン」:平均粒子径=95μm、豊和直株式会社製)1,000gを撹拌機(豊和直株式会社製)に投入し、次いでケイ酸カリウム水溶液(日本化学工業株式会社製:ケイ酸カリウム含有濃度=38重量%〜52重量%)800gを徐々に散布し満遍なく攪拌した後、網目6mmのステンレス網を通過させ、平均粒子径が4mmとなるように整粒した後、ポリ袋に入れ、炭酸ガス200gを添加し固化させた。前記の固化させた組成物2,000gを8時間天日乾燥して平均粒子径が4mmの粉粒体組成物1,600gを得、放射性元素吸着剤とした。
以上詳述したように、本発明によれば、放射性セシウム等の放射性元素の吸着除去能に優れる放射性元素吸着剤を簡便かつ安価に提供することができ、かつ、放射性元素の吸着除去後の吸着剤を容易に処理する方法を提供することができる。
1 実施例1の粉粒体組成物
2 250メッシュのステンレス製フィルター
3 ソケット
4 塩化ビニル製の管
5 実施例2の粉粒体組成物

Claims (32)

  1. (A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上と、(B)アルカリ性を示す無機塩とを、(A)と(B)の重量比[(A):(B)]が1:0.3〜1:1.5となるように含む粉粒体組成物を含有アルカリ金属アルミン酸塩を含有しない、放射性元素吸着剤。
  2. 粉粒体組成物に含まれる(A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上と、(B)アルカリ性を示す無機塩との重量比[(A):(B)]が1:0.8〜1:1.3である、請求項1に記載の吸着剤。
  3. 粉粒体組成物の平均粒子径が0.5mm〜6mmである、請求項1または2に記載の吸着剤。
  4. 火山噴出物発泡体の1種または2種以上が、シラス発泡体、黒曜石発泡体および真珠岩発泡体からなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸着剤。
  5. アルカリ性を示す無機塩が無機弱酸のアルカリ金属塩である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸着剤。
  6. 無機弱酸のアルカリ金属塩が、オルトケイ酸、メタケイ酸およびメタ二ケイ酸のアルカリ金属塩からなる群より選択される1種または2種以上である、請求項5に記載の吸着剤。
  7. (A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上と、(B)アルカリ性を示す無機塩とを、(A)と(B)の重量比[(A):(B)]が1:0.3〜1:1.5となるように含む粉粒体組成物二酸化炭素によ固化組成物を含有する、放射性元素吸着剤。
  8. (A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上と、(B)アルカリ性を示す無機塩とを、(A)と(B)の重量比[(A):(B)]が1:0.3〜1:1.5となるように含む粉粒体組成物パネル状成組成物を含有する、放射性元素吸着剤。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸着剤により放射性元素を吸着除去する、放射性元素の除去方法。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸着剤を用いてなる、放射性元素の吸着除去装置。
  11. (A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上と、(B)アルカリ性を示す無機塩とを、(A)と(B)の重量比[(A):(B)]が1:0.3〜1:1.5となるように含む粉粒体組成物を含有する放射性元素吸着剤に放射性元素を吸着させた後、前記吸着剤を焼成してガラス化させる、放射性元素を吸着した吸着剤の処理方法。
  12. 粉粒体組成物に含まれる(A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上と、(B)アルカリ性を示す無機塩との重量比[(A):(B)]が1:0.8〜1:1.3である、請求項11に記載の処理方法。
  13. 粉粒体組成物の平均粒子径が0.5mm〜6mmである、請求項11または12に記載の処理方法。
  14. 火山噴出物発泡体の1種または2種以上が、シラス発泡体、黒曜石発泡体および真珠岩発泡体からなる群より選択される、請求項11〜13のいずれか1項に記載の処理方法。
  15. アルカリ性を示す無機塩が無機弱酸のアルカリ金属塩である、請求項11〜14のいずれか1項に記載の処理方法。
  16. 無機弱酸のアルカリ金属塩が、オルトケイ酸、メタケイ酸およびメタ二ケイ酸のアルカリ金属塩からなる群より選択される1種または2種以上である、請求項15に記載の処理方法。
  17. 粉粒体組成物が二酸化炭素により固化されたものである、請求項11〜16のいずれか1項に記載の処理方法。
  18. 粉粒体組成物がパネル状に成形されている、請求項11〜17のいずれか1項に記載の処理方法。
  19. 焼成する前に、ホウ酸およびその塩の1種または2種以上を加えて混合し、次いでケイ酸のアルカリ金属塩を加えて混合する、請求項11〜18のいずれか1項に記載の処理方法。
  20. ホウ酸およびその塩の1種または2種以上が、オルトホウ酸およびホウ酸のナトリウム塩より選択される、請求項19に記載の処理方法。
  21. 焼成し、ガラス化させた後にセメントを加えて固化させる、請求項11〜20のいずれか1項に記載の処理方法。
  22. 焼成し、ガラス化させた後にケイ酸のアルカリ金属塩を加えて混合し、次いで二酸化炭素により固化させる、請求項11〜21のいずれか1項に記載の処理方法。
  23. 請求項1122のいずれか1項に記載の処理方法において、放射性元素吸着剤に放射性元素を吸着させた後、前記吸着剤にケイ酸のアルカリ金属塩を加えて混合し、次いで二酸化炭素により固化させる、放射性元素を吸着した吸着剤の処理方法。
  24. ケイ酸のアルカリ金属塩を加えて混合する前にセメントを添加混合する、請求項23に記載の処理方法。
  25. (A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上と、(B)アルカリ性を示す無機塩とを、(A)と(B)の重量比[(A):(B)]が1:0.8〜1:1.3となるように含み、アルカリ金属アルミン酸塩を含有しない、粉粒体組成物。
  26. 粉粒体の平均粒子径が0.5mm〜6mmである、請求項25に記載の組成物。
  27. 火山噴出物発泡体の1種または2種以上が、シラス発泡体、黒曜石発泡体および真珠岩発泡体からなる群より選択される、請求項25または26に記載の組成物。
  28. アルカリ性を示す無機塩が無機弱酸のアルカリ金属塩である、請求項2527のいずれか1項に記載の組成物。
  29. 無機弱酸のアルカリ金属塩がオルトケイ酸、メタケイ酸およびメタ二ケイ酸のアルカリ金属塩からなる群より選択される1種または2種以上である、請求項28に記載の組成物。
  30. (A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上と、(B)アルカリ性を示す無機塩とを、(A)と(B)の重量比[(A):(B)]が1:0.8〜1:1.3となるように含む粉粒体組成物の二酸化炭素によ化組成物。
  31. (A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上と、(B)アルカリ性を示す無機塩とを、(A)と(B)の重量比[(A):(B)]が1:0.8〜1:1.3となるように含む粉粒体組成物のパネル状成形組成物。
  32. (A)火山噴出物発泡体の1種または2種以上と、(B)アルカリ性を示す無機塩とを、(A)と(B)との重量比[(A):(B)]が1:0.8〜1:1.3となるように混合する工程を含む、請求項25〜31のいずれか1項に記載の組成物の製造方法。
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