JPH10174367A - 回転電機の回転子 - Google Patents

回転電機の回転子

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JPH10174367A
JPH10174367A JP33601796A JP33601796A JPH10174367A JP H10174367 A JPH10174367 A JP H10174367A JP 33601796 A JP33601796 A JP 33601796A JP 33601796 A JP33601796 A JP 33601796A JP H10174367 A JPH10174367 A JP H10174367A
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rotor
coil
rotating shaft
claw
centrifugal fan
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Takafumi Tsuge
隆文 柘植
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数の増加による組付工数の増加を招く
ことなく、フィールドコイル8等の発熱部品の冷却性能
を向上する。 【解決手段】 ランデル型のフロント側ポールコア、リ
ヤ側ポールコア3の両端面に斜流式ファンと遠心式ファ
ンとを持つ車両用交流発電機において、フィールドコイ
ル8に巻装するナイロン樹脂製のコイルボビン9の遠心
式ファン側端部に、リヤ側ポールコア3において隣設す
る2個の第2爪状磁極片5間に形成される逆三角形状の
凹部10を埋める複数の突出壁34を一体成形すること
により、斜流式ファンにより送風される冷却風と遠心式
ファンにより送風される冷却風との干渉を防止できるよ
うにした。そして、突出壁34の内側面にR形状の誘導
面37を形成することにより、フィールドコイル8を冷
却した冷却風を、スムーズにリヤ側ポールコア3の外方
に排出できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流機や交流機等
の回転電機の回転子に関するもので、特にランデル型の
ポールコアの一端面に斜流式ファンを固定し、そのポー
ルコアの他端面に遠心式ファンを固定して2種類の冷却
ファンにより冷却を行うようにした車両用交流発電機の
回転子に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来より、複数個の爪状部が互いに噛み
合うように組み付けられたランデル型のポールコアと、
このポールコアの中央に収容され、一端部に複数個の冷
却フィンが一体成形された樹脂製のコイルボビンと、こ
のコイルボビンの外周に巻装されるロータコイルとを備
えた車両用交流発電機の回転子(例えば特開昭59−1
59647号公報に開示された技術)がある。また、樹
脂製のコイルボビンに扇状の筒体を一体成形し、ランデ
ル型のポールコアにおいて周方向に隣設する2個の爪状
部の根元部分に形成される逆三角形状の凹部にその筒体
を嵌め合わした車両用交流発電機の回転子(例えば特開
平4−178146号公報に開示された技術)もある。
【0003】ところが、上記の2つの従来の技術に設置
されるランデル型のポールコアの一端面に斜流式ファン
を取り付け、他端面に遠心式ファンを取り付けるように
して、ロータコイルやステータコイル等の発熱部品を冷
却しようとした場合に、隣設する2個の爪状部の根元部
分に形成される逆三角形状の凹部付近で斜流式ファンに
よりロータコイルを冷却した冷却風が、遠心式ファンに
より吸い込まれる冷却風に衝突する。このため、冷却風
がスムーズに流れなくなることにより、ロータコイルや
ステータコイル等の発熱部品の冷却性を低下させる要因
となるという問題があった。
【0004】そこで、冷却性の低下を解消することを目
的として、従来より、図12に示した車両用交流発電機
の回転子(例えば実公平5−8781号公報に開示の技
術)が提案されている。この従来の回転子は、回転軸1
01の外周に固定されたフロント側ポールコア102端
面に斜流式ファン103を取り付け、リヤ側ポールコア
104端面に遠心式ファン105を取り付け、さらにリ
ヤ側ポールコア104端面と遠心式ファン105との間
に略環板状の平板106を取り付けている。
【0005】そして、上記の従来の技術は、リヤ側ポー
ルコア104の外周に設けられた隣設する2個の爪状部
107間に形成される略逆三角形状の凹部108に流れ
込む冷却風Bを平板106により遮断することにより、
斜流式ファン103の回転により凹部108を流れてき
た冷却風Aと冷却風Bとの干渉を無くしてコイルボビン
109の外周に巻装されたロータコイル110の冷却性
能を向上するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の従来
の技術においては、リヤ側ポールコア104と遠心式フ
ァン105との間に平板106を挟み込むだけという単
純な構造ではあるが、平板106を必要としている。こ
のため、部品点数の増加と平板106の固定のための設
備とが必要となり、組付工数が増加するので、車両用交
流発電機の製造コストを増加させてしまうという問題が
あった。
【0007】
【発明の目的】本発明は、部品点数の増加による組付工
数の増加を招くことなく、ロータコイル等の発熱部品の
冷却性能を向上することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、隣設する2個の第2爪状部の根元部分に形成さ
れる凹部を埋める区画壁を、樹脂によりコイルボビンに
一体成形している。これにより、斜流式ファンの回転に
より回転軸の軸方向と略平行な方向に向かって流れる冷
却風と遠心式ファンの回転により回転軸の半径方向に向
かって流れる冷却風とが区画壁により遮断されることに
より、2種類の冷却風が干渉し合うことなく、スムーズ
な流れを作るので、ロータコイル等の発熱部品の冷却性
を向上できる。
【0009】また、上記のように、樹脂製のコイルボビ
ンに凹部を埋める区画壁を一体成形することにより、従
来の技術で採用していたロータコアと遠心式ファンとの
間に挟み込まれて固定された平板等の別部品が不要とな
るので、平板等の別部品の固定のための設備や部品点数
を削減できる。これにより、組付工数の低減と加工工数
の低減とが可能となり、回転電機の製造コストを低減す
ることができる。
【0010】請求項2に記載の発明によれば、斜流式フ
ァンよりロータコイルの巻装部分に流れ込んだ冷却風
は、コイルボビンに設けられた区画壁の誘導面により効
率良く回転軸の径方向に吐出されることにより、ロータ
コイル等の発熱部品の冷却性を向上できる。
【0011】請求項3に記載の発明によれば、コイルボ
ビンの区画壁に、複数個の第1爪状部のうちの一部の第
1爪状部の先端と遠心式ファンとの間に挟み込まれるよ
うにリブ部を一体成形することにより、区画壁の強度を
向上できる。これにより、遠心力による区画壁の変形等
の不具合を防止することができるので、区画壁の耐遠心
性を向上できる。
【0012】請求項3に記載の発明によれば、コイルボ
ビンの区画壁のリブ部に嵌合溝を形成し、さらにその嵌
合溝内にロータコイルのコイルリード部を差し込むこと
により、肉厚の減少による区画壁の耐遠心性の低下を招
くことなく、ロータコイルのコイル部よりコイルリード
部を引き出すことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
〔第1実施例の構成〕図1ないし図3は本発明を車両用
交流発電機の回転子に適用した第1実施例を示したもの
で、図1はコイルボビンとリヤ側ポールコアを示した図
で、図2は車両用交流発電機の回転子を示した図であ
る。
【0014】本実施例の車両用交流発電機は、フレーム
と、電機子として働く固定子(図示せず)と、界磁とし
て働く回転子(図2参照)と、電圧調整装置(図示せ
ず)と、整流装置(図示せず)とから構成されている。
車両用交流発電機の固定子は、フレームの内周面に固定
されたステータコアと回転子の回転に伴って交流電圧が
誘起する三相のステータコイル(いずれも図示せず)と
で構成されている。
【0015】車両用交流発電機の回転子は、上記のフレ
ームに回転自在に支持された回転軸1と、ランデル型の
ポールコアを構成するフロント側、リヤ側ポールコア
2、3と、フロント側ポールコア2の端面に固定される
斜流式ファン6と、リヤ側ポールコア3の端面に固定さ
れる遠心式ファン7と、フロント側、リヤ側ポールコア
2、3の中央に収容されるフィールドコイル8と、フィ
ールドコイル8を巻装するコイルボビン9とを備えてい
る。
【0016】回転軸1は、ローレット嵌合によりフロン
ト側、リヤ側ポールコア2、3の軸心部に圧入されてお
り、一端部(フロント側端部)がプーリ(図示せず)に
連結され、車両に搭載されたエンジン(図示せず)によ
り回転駆動される。また、回転軸1の他端部(リヤ側端
部)には、図示しない2個のブラシが摺接する2個のス
リップリング(図示せず)が固定されている。
【0017】フロント側、リヤ側ポールコア2、3は、
低炭素鋼を鍛造成形することにより所定の形状に形成さ
れた8極または12極の第1、第2ロータコア、第1、
第2磁極部であって、外周側に放射状に突出した複数個
(本例では4個または6個ずつ)の第1、第2爪状磁極
片4、5を有している。なお、フィールドコイル8に励
磁電流が流れると、第1爪状磁極片4が全てN極(また
はS極)となり、第2爪状磁極片5が全てS極(または
N極)となる。
【0018】これらの第1、第2爪状磁極片4、5は、
本発明の爪状部であって、ステータコアに対向するよう
に軸方向の一方側から他方側へ延長され、平面形状が他
方側に凸となる略二等辺三角形状をしている。また、複
数個の第1、第2爪状磁極片4、5は、外周側面がフロ
ント側、リヤ側ポールコア2、3の軸心を中心とする円
弧形状の曲率面とされ、内周側面が一方側から他方側へ
向かって内径が徐々に増大するようにテーパ面とされて
いる。さらに、複数個の第1、第2爪状磁極片4、5の
外周側面の両側には、面取りが施されている。
【0019】そして、複数個の第1、第2爪状磁極片
4、5で囲まれた隙間は、フィールドコイル8を冷却す
る冷却風が流れる通風路とされている。また、フロント
側、リヤ側ポールコア2、3の円筒状部分の外周と複数
個の第1、第2爪状磁極片4、5の内周面とで囲まれた
略円環状の空間は、フィールドコイル8およびコイルボ
ビン9を収容する収容室とされている。なお、隣設する
2個の第1爪状磁極片4の根元部分(肩部)間には略逆
三角形状の凹部(図示せず)が形成され、また隣設する
2個の第2爪状磁極片5の根元部分(肩部)間には略逆
三角形状の凹部10が形成されている。
【0020】斜流式ファン6は、金属材料により略円環
板形状に形成され、フロント側ポールコア2の一端面
(フロント側端面)に溶接またはかしめ等により固定さ
れたベース板11の外周端縁に、等ピッチで複数枚の斜
流式冷却翼12が形成されている。これらの斜流式冷却
翼12は、ベース板11の外周端縁より一方側(フロン
ト側)に所定の傾斜角度(例えば50°〜70°)切り
起こされた状態でベース板11に支持されている。
【0021】複数枚の斜流式冷却翼12は、回転軸1の
軸方向の一方側(フロント側)から吸い込んだ冷却風の
一部を、回転軸1の軸方向の他方側(リヤ側)、すなわ
ち、フィールドコイル8に向かって送風する。また、複
数枚の斜流式冷却翼12は、回転軸1の軸方向の一方側
から吸い込んだ冷却風の一部を、回転軸1の径方向外
方、すなわち、三相のステータコイルに向かって送風す
る。なお、斜流式ファン6に板厚方向より凸状に突出す
る補強用リブ部を設けても良い。
【0022】遠心式ファン7は、金属材料により略円環
板形状に形成され、リヤ側ポールコア3の他端面(リヤ
側端面)に溶接またはかしめ等により固定されたベース
板13の外周端縁に、等ピッチで複数枚の遠心式冷却翼
14が形成されている。これらの遠心式冷却翼14は、
ベース板13の外周端縁より他方側(リヤ側)に所定の
傾斜角度(例えば90°)切り起こされた状態でベース
板13に支持されている。
【0023】複数枚の遠心式冷却翼14は、回転軸1の
軸方向の一方側(フロント側)から吸い込んだ冷却風
を、回転軸1の径方向外方、すなわち、三相のステータ
コイルに向かって送風する。なお、遠心式ファン7に板
厚方向より凸状に突出する補強用リブ部を設けても良
い。
【0024】次に、本実施例のフィールドコイル8を図
1ないし図3に基づいて説明する。ここで、図3はフィ
ールドコイルを巻装したコイルボビンを示した図であ
る。フィールドコイル8は、本発明のロータコイルであ
って、線径が例えば0.5mm〜2.0mmの銅線が利
用され、コイルボビン9の外周に所定の巻数巻装される
コイル部21、およびこのコイル部21の遠心式ファン
7側(リヤ側、スリップリング側)の端部より軸方向の
他方側に引き出された2本のコイルリード部22を有し
ている。
【0025】これらのコイルリード部22は、大部分が
円管形状のシリコンチューブ(被覆材)23により覆わ
れており、これらの端末部が2個のスリップリングにそ
れぞれ結線された2本のコネクションバー(図示せず)
に半田付け等の溶接手段を用いてそれぞれ電気的に接続
されている。なお、2本のコイルリード部22と2本の
コネクションバーとは、図示しない含浸剤(エポキシ系
樹脂)により覆われて保護されている。
【0026】次に、本実施例のコイルボビン9を図1な
いし図3に基づいて説明する。コイルボビン9は、フィ
ールドコイル8のコイル部21が巻回される底壁31、
この底壁31の筒方向の一端側に設けられた円環板形状
の係止壁32、底壁31の筒方向の他端側に設けられた
円環板形状の係止壁33、および隣設する2つの係止壁
33間にそれぞれ設けられた突出壁34等をナイロン樹
脂等の樹脂により一体成形している。
【0027】底壁31は、フィールドコイル8のコイル
部21とフロント側、リヤ側ポールコア2、3の円筒状
部分とを電気的に絶縁する部分で、フロント側、リヤ側
ポールコア2、3の円筒状部分の外周に装着され、回転
軸1の軸方向に延長された略円筒形状の断面を有する。
係止壁32は、フィールドコイル8のコイル部21と複
数個の第1爪状磁極片4とを電気的に絶縁する部分で、
外周に複数の鍔状片32aが形成されている。係止壁3
3は、フィールドコイル8のコイル部21と複数個の第
2爪状磁極片5とを電気的に絶縁する部分で、係止壁3
2と同様に、外周に複数の鍔状片33aが形成されてい
る。複数の鍔状片33aのうちの2つの鍔状片33aに
は、フィールドコイル8のコイルリード部22が挿通
し、且つ差し込まれるスリット(図示せず)が形成され
ている。
【0028】複数の突出壁34は、本発明の区画壁であ
って、複数の係止壁33の外側端面よりも軸方向の他方
側に突出するように形成されている。これらの突出壁3
4の各々には、凹部10に対応した形状(扇形状)の遮
断部35、およびこの遮断部35と係止壁33とを連結
する連結部36が一体成形している。また、突出壁34
の内側面(フロント側面)には、回転軸1の軸方向に流
れる冷却風、すなわち、フィールドコイル8のコイル部
21を冷却した冷却風を、回転軸1の径方向に向かうよ
うに徐々に偏向させるためのR形状の誘導面37が形成
されている。突出壁34の遮断部35は、複数の凹部1
0をそれぞれ埋めるように凹部10内に嵌め合わされて
おり、連結部36よりも肉厚が大きい。
【0029】〔第1実施例の作用〕次に、本実施例の車
両用交流発電機の回転子1の作用を図1および図2に基
づいて簡単に説明する。
【0030】エンジンの回転動力がプーリを介して回転
軸1に伝達されると、回転軸1と一体的にフロント側、
リヤ側ポールコア2、3が回転する。そして、フィール
ドコイル8に励磁電流が流れると、フロント側、リヤ側
ポールコア2、3が磁化されて、第1爪状磁極片4が全
てN極(またはS極)となり、第2爪状磁極片5が全て
S極(またはN極)となる。そして、第1、第2爪状磁
極片4、5に対向するように配置されたステータコアに
巻装された三相のステーコイルに順次交流電流が誘起す
る。
【0031】ここで、三相のステーコイルやフィールド
コイル8等の発熱部品が通電されることにより発熱す
る。これらの発熱部品は、フロント側、リヤ側ポールコ
ア2、3が回転することによって、斜流式ファン6の複
数枚の斜流式冷却翼12および遠心式ファン7の複数枚
の遠心式冷却翼14も回転することによりフレーム内に
吸い込まれる冷却風にて冷却される。
【0032】具体的には、複数枚の斜流式冷却翼12の
回転により、前方側よりフレーム内に吸い込まれた冷却
風の一部が斜流式ファン6の径方向に向けて吐出され、
三相のステータコイルを冷却してからフレームの外に出
る。また、複数枚の斜流式冷却翼12の回転により、フ
レーム内に吸い込まれた冷却風の残部は、回転軸1の軸
方向の公報側に向けて吐出され、フィールドコイル8を
冷却する。そして、フィールドコイル8を冷却した冷却
風は、コイルボビン9に一体成形された複数の突出壁3
4の誘導面37に沿って回転軸1の径方向に向かうよう
に徐々に偏向し、効率良く三相のステータコイルを冷却
してからフレームの外に出る。
【0033】さらに、複数枚の遠心式冷却翼14の回転
により、後方側よりフレーム内に吸い込まれた冷却風
は、複数の突出壁34の遮断部35によりフィールドコ
イル8側への侵入を阻まれて遠心式ファン7の径方向に
向けて吐出され、三相のステータコイルを冷却してから
フレームの外に出る。
【0034】〔第1実施例の効果〕以上のように、車両
用交流発電機の回転子は、斜流式ファン6によりフィー
ルドコイル8に送風される冷却風と遠心式ファン7から
流れ込む冷却風とが、隣設する2個の第2爪状磁極片5
間に形成される略逆三角形状の凹部10に嵌め合わされ
る複数の突出壁34の遮断部35により遮断される。こ
れにより、冷却風同士が干渉し合うことなく、スムーズ
な流れを作ることができるので、三相のステータコイル
やフィールドコイル8等の発熱部品の冷却性を向上する
ことができる。
【0035】また、斜流式ファン6よりフィールドコイ
ル8に流れ込んだ冷却風は、複数の突出壁34のR形状
の誘導面37により効率良く、リヤ側ポールコア3の径
方向外方に吐出できる。さらに、コイルボビン9に複数
の突出壁34を樹脂により一体成形することにより、従
来使用していたリヤ側ポールコア104と遠心式ファン
105との間に固定された平板106(図12参照)が
不要となる。そして、樹脂成形による形状の自由度から
成形した後のコイルボビン9を加工して突出壁34を設
ける必要もない。このため、部品点数の削減と加工工数
の低減と組付工数の低減とを実現できるので、車両用交
流発電機の製造コストを低減することができる。
【0036】〔第2実施例〕図4および図5は本発明を
車両用交流発電機の回転子に適用した第2実施例を示し
たもので、図4および図5は車両用交流発電機の回転子
を示した図である。
【0037】本実施例では、樹脂製のコイルボビン9の
複数の突出壁34の連結部36の外周側に、連結部36
よりも肉厚の大きい一文字状のリブ部41を一体成形し
ている。このリブ部41は、フロント側ポールコア2の
第1爪状磁極片4の先端面と遠心式ファン7のベース板
13の外周縁との間に挟み込まれるように、突出壁34
に設けられている。
【0038】この実施例のように、突出壁34にリブ部
41を樹脂成形してそのリブ部41をフロント側ポール
コア2の第1爪状磁極片4の先端面と遠心式ファン7の
ベース板13の外周縁との間に挟み込んで固定すること
により、突出壁34の耐遠心性を向上できるので、遠心
力による突出壁34の変形等の不具合を防止することが
できる。また、複数の突出壁34に設けられたリブ部4
1は、リヤ側ポールコア3の回転方向に対して直交する
方向に一文字状に形成されているので、冷却翼の効果も
有している。このため、フィールドコイル8を冷却した
冷却風をリヤ側ポールコア3の径方向外方へ吐出する冷
却風の排出効果を高めることができる。
【0039】〔第3実施例〕図6ないし図11は本発明
を車両用交流発電機に適用した第3実施例を示したもの
で、図6および図7は車両用交流発電機の回転子を示し
た図である。
【0040】本実施例では、樹脂製のコイルボビン9の
複数の突出壁34に設けられたリブ部41の外周面およ
び遮断部35の遠心式ファン7側端面に、図8ないし図
11に示したように、フィールドコイル8のコイルリー
ド部22をシリコンチューブ23ごと差し込む(嵌め込
む)ためのU字溝(嵌合溝)42、43を形成してい
る。これらのU字溝(スリット)42、43は互いに略
直交するように形成されているが、U字溝42、43の
接続部分をR形状にしても良い。
【0041】これにより、複数の突出壁34の耐遠心性
を損なうことなく、フィールドコイル8のコイルリード
部22をコイルボビン9より容易に引き出すことができ
る。このため、コイルリード部22とコネクションバー
24との半田付け等の溶接手段による電気的な接続がし
易くなる。
【0042】また、フィールドコイル8のコイルリード
部22をコイルボビン9のU字溝42、43内に差し込
むことにより、コイルリード部22がU字溝42、43
の周囲の溝壁面にて強固に保持される。このように、コ
イルリード部22の固定を簡単な作業で行うことができ
るので、組付工数を低減でき、製造コストを低減でき
る。さらに、フィールドコイル8のコイルリード部22
を係止壁33に巻き付けることなく固定しているので、
車両の振動や回転軸1および回転子の回転変動が非常に
大きくても、フィールドコイル8のコイルリード部22
の損傷や断線を防止できる。
【0043】〔変形例〕本実施例では、本発明を車両用
交流発電機の回転子に適用したが、本発明をその他の交
流発電機、交流電動機、直流発電機または直流電動機等
の回転電機の回転子に適用しても良い。また、本実施例
では、回転子を界磁として用いたが、回転子を電機子と
して用いても良い。さらに、本実施例では回転軸1がエ
ンジンに回転駆動される車両用交流発電機に本発明を用
いたが、電動モータ等の他の駆動源により回転駆動され
る交流発電機に本発明を用いても良い。
【0044】本実施例では、ランデル型のロータコアを
一対のフロント側、リヤ側ポールコア2、3(2つの磁
極部材)により構成したが、ランデル型のロータコアを
1つの磁極部材にて構成しても良い。また、第1、第2
爪状磁極片4、5の個数は第1、第2爪状磁極片4、5
が同一の個数であれば自由に選定できる。
【0045】本実施例では、フロント側ポールコア2の
端面に斜流式ファン6を固定したが、リヤ側ポールコア
3の端面に固定されていても良い。また、ロータコアの
一方側であれば斜流式ファン6を回転軸1に直接取り付
けても良い。本実施例では、リヤ側ポールコア3の端面
に遠心式ファン7を固定したが、フロント側ポールコア
2の端面に固定されていても良い。また、ロータコアの
一方側であれば斜流式ファン6を回転軸1に直接取り付
けても良い。さらに、斜流式ファン6に遠心式冷却翼が
混在していても良く、遠心式ファン7に斜流式冷却翼が
混在していても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】コイルボビンとリヤ側ポールコアを示した組付
図である(第1実施例)。
【図2】車両用交流発電機の回転子を示した半断面図で
ある(第1実施例)。
【図3】フィールドコイルを巻装したコイルボビンを示
した断面図である(第1実施例)。
【図4】車両用交流発電機の回転子を示した半断面図で
ある(第2実施例)。
【図5】図4をS側から回転子を見た時の平面図である
(第2実施例)。
【図6】車両用交流発電機の回転子を示した半側面図で
ある(第3実施例)。
【図7】図6のA−A断面図である(第3実施例)。
【図8】図6をP側から回転子を見た時の平面図である
(第3実施例)。
【図9】図8をR側から回転子を見た時の平面図である
(第3実施例)。
【図10】図6をQ側から回転子を見た時の平面図であ
る(第3実施例)。
【図11】フィールドコイルを巻装したコイルボビンを
示した断面図である(第3実施例)。
【図12】車両用交流発電機の回転子を示した半断面図
である(従来の技術)。
【符号の説明】
1 回転軸 2 フロント側ポールコア(ロータコア) 3 リヤ側ポールコア(ロータコア) 4 第1爪状磁極片(爪状部) 5 第2爪状磁極片(爪状部) 6 斜流式ファン 7 遠心式ファン 8 フィールドコイル(ロータコイル) 9 コイルボビン 10 凹部 21 コイル部 22 コイルリード部 34 突出壁(区画壁) 37 誘導面 41 リブ部 42 U字溝(嵌合溝) 43 U字溝(嵌合溝)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)回転軸と、 (b)この回転軸と一体的に回転すると共に、 一方側の外周より他方側に延長された複数個の第1爪状
    部と他方側の外周より一方側に延長された複数個の第2
    爪状部とが互いに噛み合うように組み付けられるランデ
    ル型のロータコアと、 (c)このロータコアの一方側に配設され、前記回転軸
    と一体的に回転して少なくとも前記回転軸の軸方向に向
    かう冷却風を発生させる斜流式ファンと、 (d)前記ロータコアの他方側に配設され、前記回転軸
    と一体的に回転して少なくとも前記回転軸の径方向に向
    かう冷却風を発生させる遠心式ファンと、 (e)前記ロータコアに収容され、樹脂製のコイルボビ
    ンを介して前記ロータコアに巻装されるロータコイルと
    を備えた回転電機の回転子であって、 前記コイルボビンには、隣設する2個の第2爪状部の根
    元部分に形成される凹部を埋めるための区画壁が一体成
    形されたことを特徴とする回転電機の回転子。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の回転電機の回転子におい
    て、 前記区画壁には、前記回転軸の軸方向に流れる冷却風を
    前記回転軸の径方向に向かうように徐々に偏向させる誘
    導面が形成されていることを特徴とする回転電機の回転
    子。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の回転電機
    の回転子において、 前記区画壁には、前記複数個の第1爪状部のうちの一部
    の第1爪状部の先端と前記遠心式ファンとの間に挟み込
    まれるように、肉厚を厚くしたリブ部が一体成形された
    ことを特徴とする回転電機の回転子。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の回転電機の回転子におい
    て、 前記ロータコイルには、前記コイルボビンの外周に所定
    の巻数だけ巻装されるコイル部、およびこのコイル部の
    前記遠心式ファン側の端部より外部に引き出されるコイ
    ルリード部が設けられ、 前記リブ部には、前記コイルリード部が差し込まれる嵌
    合溝が形成されたことを特徴とする回転電機の回転子。
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