JPH10172879A - 電子ビーム露光装置及び該装置を用いたデバイス製造方法 - Google Patents

電子ビーム露光装置及び該装置を用いたデバイス製造方法

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JPH10172879A
JPH10172879A JP8326770A JP32677096A JPH10172879A JP H10172879 A JPH10172879 A JP H10172879A JP 8326770 A JP8326770 A JP 8326770A JP 32677096 A JP32677096 A JP 32677096A JP H10172879 A JPH10172879 A JP H10172879A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 露光領域の拡大を可能にした電子ビーム露光
装置の提供。 【解決手段】 パターンが形成された基板を光で照明す
る照明光学系と、入射された光を電子に変換する光電変
換面を有する光電変換部材と、前記パターンの像を前記
光電変換面に投影する投影光学系と、前記光電変換面か
らの放射される電子を加速する加速手段と、前記加速さ
れた電子を被露光物体上に投影する電子光学系と、前記
電子光学系の軸を中心とした2つの円弧で挟まれた前記
光電変換面の円弧状領域からの電子ビームが前記投影光
学系を通過する際に発生する収差を補正する補正手段と
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイス製
造のリソグラフィに於ける電子ビーム露光技術に関する
分野に属し、特に生産性の高い電子ビーム露光装置およ
び該装置を用いたデバイス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体メモリデバイス製造の量産段階に
おいては、高い生産性を持つ光ステッパが用いられてき
たが、線幅が0.2μm以下の1G、4GDRAM以降
のメモリデバイスの生産においては、光露光方式に代わ
る露光技術の1つに、解像度が高く、生産性の優れた電
子ビーム露光法が期待されている。
【0003】従来の電子ビーム露光法は、単一ビームの
ガウシアン方式と可変成形方式が中心で、生産性が低い
ことから、マスク描画や超LSIの研究開発、少量生産
のASICデバイスの露光等の電子ビームの優れた解像
性能の特徴を活かした用途に用いられてきた。
【0004】この様に、電子ビーム露光法の量産化への
課題は、生産性を如何に向上させるかが大きな課題であ
った。
【0005】近年、この課題解決の1つの方法として、
部分一括転写方式が提案されている。この方式(図9)
は、メモリ回路パターンの繰り返し部分を数μm領域に
セル化することで、描画の生産性を向上することが狙い
である。
【0006】しかし、この方式の1度に露光出来る最大
露光領域は、可変成形方式と同じ数μm程度であり、広
い露光領域を得るためには、2段ないし3段の複数の偏
向器を用いたり、MOL(移動収束レンズ系)を用いて
偏向に伴う色収差や歪等を除く必要があった。
【0007】生産性を向上するためには、描画領域を拡
大することが要求されるが、解像度0.2μm以下でし
かも2〜30nmのフィールド間繋ぎ精度が確保できる
偏向領域は、数mm前後とされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来より
電子ビーム露光装置では1度に露光できる領域、いわゆ
る露光領域が光露光装置等に比較して極端に小さい。こ
のため、電子ビームの走査およびウエハやマスクの機械
的な走査を行ってウエハ全体を露光する方法が用いられ
ている。そしてウエハを全面露光するには多数回のステ
ージ往復走査が必要となり、結果的にステージ走査時間
が生産性を決める主要因であった。ゆえに光露光装置に
比べて1枚のウエハを露光するために非常に多くの時間
を要していた。
【0009】スループットを大きくする方法としては、
前記走査をより高速にするか、照射領域を広げるかどち
らか少なくとも一方を大幅に改善する必要がある。一
方、従来のような数μmの照射領域では、ビーム電流の
空間電荷の影響から、電流密度を大きくすると像がぼけ
るという欠点がある。このため最大の照射電流値にも限
界があり、走査をより高速にしたとしても問題は残る。
【0010】従来の露光方式の電子光学系の軸上の収差
の少ない狭い領域を用いた像形成を行う限り、露光領域
を広げることは困難である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の電子ビーム露光
装置のある形態は、電子ビームによって被露光物体を露
光する電子ビーム露光装置において、パターンが形成さ
れた基板を光で照明する照明光学系と、入射された光を
電子に変換する光電変換面を有する光電変換部材と、前
記パターンの像を前記光電変換面に投影する投影光学系
と、前記光電変換面から放射される電子を加速する加速
手段と、前記加速された電子を前記被露光物体上に投影
する電子光学系と、前記電子光学系の軸を中心とした2
つの円弧で挟まれた前記光電変換面の円弧状領域からの
電子ビームが前記投影光学系を通過する際に発生する収
差を補正する補正手段とを有することを特徴とする。
【0012】前記補正手段は、前記加速手段を兼ねるこ
とを特徴とする。
【0013】前記補正手段は、電子ビームを発散または
収斂させる作用を有し、前記円弧状領域の切線方向と動
径方向とでは発散また収斂作用が異なることを特徴とす
る。
【0014】前記補正手段は、円弧状の開口を有する電
極を有することを特徴とする。
【0015】前記基板を所定方向に移動させる手段と、
前記被露光物体を前記所定方向に移動させる手段と、露
光の際、前記被露光物体の移動に同期して前記基板を前
記所定方向に移動させる制御手段を有することを特徴と
する。
【0016】前記基板の移動方向に関する前記照明光学
系の照明領域の幅を変更する手段を有することを特徴と
する。
【0017】前記基板の移動方向に関する記照明光学系
の照明領域の幅を前記基板の移動方向と直交する方向に
異ならしめる手段を有することを特徴とする。
【0018】前記被露光物体に入射する電子ビームの総
電流に関する情報を求める情報収得手段と、求められた
総電流に関する情報に基づいて前記電子光学系の焦点位
置を補正する手段とを有することを特徴とする。
【0019】前記情報収得手段は、前記光電変換面から
の電子を検出する手段を有することを特徴とする。
【0020】前記電子検出手段は、前記電子光学系の瞳
位置に位置し前記電子の一部を遮断する開口からの電流
を検出する手段を有することを特徴とする。
【0021】前記情報収得手段は、前記基板の位置とそ
の時に前記被露光物体に入射する電子ビームの総電流の
関係を予め記憶する手段を有することを特徴とする。
【0022】前記光電変換面を移動若しくは振動させる
手段を有することを特徴とする。
【0023】本発明の電子ビーム露光方法のある形態
は、電子ビームによって被露光物体を露光する電子ビー
ム露光方法において、パターンが形成された基板を光で
照明する照明段階と、入射された光を電子に変換する光
電変換面に前記パターンの像を投影する段階と、前記光
電変換面からの放射される電子を加速する加速段階と、
電子光学系によって前記加速された電子を前記被露光物
体上に投影する段階と前記電子光学系の軸を中心とした
2つの円弧で挟まれた前記光電変換面の円弧状領域から
の電子ビームが前記投影光学系を通過する際に発生する
収差を補正する補正段階とを有することを特徴とする。
【0024】前記補正段階は、前記加速段階を兼ねるこ
とを特徴とする。
【0025】前記補正段階は、電子ビームを発散または
収斂させ、前記円弧状領域の切線方向と動径方向とでは
発散また収斂作用を異ならせることを特徴とする。
【0026】露光の際、前記被露光物体の移動に同期し
て前記基板を前記所定方向に移動させる段階を有するこ
とを特徴とする。
【0027】前記基板の移動方向に関する前記照明段階
の照明領域の幅を変更する段階を有することを特徴とす
る。
【0028】前記基板の移動方向に関する前記照明段階
の照明領域の幅を前記基板の移動方向と直交する方向に
異ならしめる段階を有することを特徴とする。
【0029】前記被露光物体に入射する電子ビームの総
電流に関する情報を求める情報収得段階と、求められた
総電流に関する情報に基づいて前記電子光学系の焦点位
置を補正する段階とを有することを特徴とする。
【0030】前記情報収得段階は、前記光電変換面から
の電子を検出する段階を有することを特徴とする。
【0031】前記電子検出段階は、前記電子光学系の瞳
位置に位置し前記電子の一部を遮断する開口からの電流
を検出する段階を有することを特徴とする。
【0032】前記情報収得段階は、前記基板の位置とそ
の時に前記被露光物体に入射する電子ビームの総電流の
関係を予め記憶する段階を有することを特徴とする。
【0033】前記光電変換面を移動若しくは振動させる
段階を有することを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
(本発明の基本的技術思想)従来より電子ビーム露光装置
では1ショットで露光できる電子光学系の露光領域が、
光露光装置の投影光学系の露光領域に比較して極端に小
さい。このため、ウエハ全体を露光するには電子的な走
査および機械的な走査の距離が光露光装置に比べて長い
ので非常に多くの時間を要し、スループットは極端に悪
い。スループットを大きくする方法としては、電子的な
走査および機械的な走査をより高速にするか、1ショッ
トの露光領域を広げるかどちらか少なくとも一方を大幅
に改善する必要がある。
【0035】本発明は、露光領域の拡大を可能にした電
子ビーム露光装置若しくは電子ビーム露光方法である。
【0036】広い領域の電子ビームをウエハ上で結像さ
せようとすると電子光学系の光軸から離れる(光軸に対
して動径方向に離れる)に従って収差(特に像面湾曲、
非点)が大きくなる。そこで本発明では、図8(A)に示
すように、従来の電子線露光装置で用いられていたよう
な電子光学系の軸上の領域(図中A)の電子ビームを用
いず、光軸を中心とした2つの円弧で挟まれた円弧状領
域(図中B)の電子ビームを用いる。これにより、露光領
域の像面湾曲はほとんどない。また非点収差(図8(B))
はあるが露光領域内の電子ビームは動径方向の焦点位置
及び切線方向の焦点位置はそれぞれ略同一位置であるの
で露光領域内の電子ビームに対し動径方向と切線方向と
で異なる発散または収斂作用を与える補正手段を備える
ことにより非点収差がほとんどなくなる。その結果、本
発明の電子ビーム露光装置の露光領域は、従来に比べ大
幅に広げることが可能である。
【0037】(実施例1)図1は本発明の電子ビーム露
光装置の構成を示す図である。光(g線、i線、若しく
はエキシマ光)を放射する光源若しくは2次光源1から
の光2は、照明光学系3によってアパーチャ4に入射す
る。アパーチャ4の詳細な構成は後述する。アパーチャ
4では円弧状の領域(後述する投影光学系PL及び縮小電
子光学系8の共通の光軸AXを中心とした2つの円弧で挟
まれた円弧状領域)に光を切り取り、光透過部と光不透
過部でパターンが形成されたマスク5へと導く。マスク
5は少なくともXY方向に移動可能なマスクステージ6
に載置されている。
【0038】円弧状の照明領域を有する光によってマス
ク5は照明され、マスク5上のパターン像は、投影光学
系PLを介して光電変換面PEに投影される。光電変換面PE
は光が入射されると電子を放出する光電変換材料を光透
明部材S面上に形成したものであり、マスク5上のパタ
ーン像に応じた電子ビームを放出する。光電変換面PEと
光透明部材Sとで光電変換部材を構成する。そして、光
電変換部材は、マスク5上のパターン像に応じた電子ビ
ームを放出する。ここで、光電面PEは、入射する光に対
する変換される電子の量の比である変換効率が経時的に
劣化するので、同一の光電変換面に光が当たらないよう
に光電変換部材を回転(移動)または振動させる駆動系
が光電変換部材に接続されている。さらに寿命を考えて
ロ−ドロック機能をつけて光電変換部材が交換可能な構
成にすればなお良い。
【0039】また光透明部材Sには屈折率の高い材料を
使用することが望ましい。これは屈折率の高いガラス基
板を使用することでNA(NA=nθ)が増して光電面
に形成されるパターン像の解像度が向上するからであ
る。
【0040】光電変換面PE上の円弧状領域(後述する縮
小電子光学系8の光軸AXを中心とした2つの円弧で挟ま
れた円弧状領域)からの電子ビームは、加速電極AE(加速
電圧V0)によって加速され、電子レンズ8A、8Bで構
成される縮小電子光学系8を介してウエハ14上に結像
される。その際、電子ビームが縮小電子光学系をを通過
する際に発生する収差(特に非点収差)を補正する収差
補正光学系7を介して電子ビームはウエハ上に結像す
る。収差補正光学系7は、図2に示すように、アパーチ
ャ4と同じように縮小電子光学系8の光軸を中心とした
2つの円弧で挟まれた円弧状の形状の開口であって光電
変換面PEからの電子ビームを遮らない開口を有する電極
3枚(EL1,EL2,EL3)で構成されるユニポテンシャルレ
ンズで、電極EL1,EL3は加速電極AEと同電位(V0)で、
電極EL2はV0と異なる電位V1に設定されている。その結
果、収差補正光学系7は、円弧状の開口の切線方向と動
径方向とでは発散または収斂作用が異なる電子レンズで
あり、言い換えれば円弧状の開口の切線方向と動径方向
とでは焦点距離が異なる電子レンズである。本実施例で
は、収差補正光学系7を光電面PEから離して配置したた
め加速電極AEがひつようであったが、収差補正光学系7
を光電面PEに近接する場合は、ユニポテンシャルレンズ
の電極EL1と加速電極AEが兼用できるので加速電極AEを
必要としない。すなわち収差補正光学系7は加速電極AE
を兼ねることができる。
【0041】10は、ウエハ14に投影される光電面PE
からの電子ビームによるパターン像を回転させる回転レ
ンズ、11は、光電面PEからの電子ビームの拡がり角を
規定する角度規定アパーチャ、12は、ウエハ14に投
影される光電面PEからの電子ビームによるパターン像の
位置を補正する位置補正偏向器、13は縮小電子光学系
8の焦点を補正する焦点補正レンズである。
【0042】15は、ウエハ14を載置するウエハチャ
ック、16はウエハチャックを載置しXY方向及びXY
面内の回転方向に移動可能なウエハステージである。
【0043】上記構成において、マスク5を矢印21の
方向に、ウエハ14を矢印22の方向に同期させるとと
もに投影光学系PLと縮小電子光学系8との合成された縮
小率に応じた速度で双方を移動させることにより、マス
ク5上の円弧状領域のパターンがウエハ14に順次露光
される。
【0044】ここで、少なくともVCで囲まれた部分は高
真空容器内に配置されており、投影光学系PLからの光は
シールガラスSGを介して真空容器内の光電面PEに導光さ
れている。
【0045】図3は、本実施例の電子ビーム露光装置の
主要な構成を示すブロック図である。同図中、図1と同
一構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0046】31はアパーチャ4の開口形状を制御する
制御回路、32はマスクステージ6の移動を制御するマ
スクステージ駆動制御回路、33はマスクステージ6の
位置をリアルタイムで測定するレーザ干渉計1、34は
収差補正光学系7の収差特性を制御する収差制御回路、
35は、位置補正偏向器12によってウエハ14に投影
されるパターン像の位置を制御する偏向位置補正回路、
36は縮小電子光学系8の倍率(縮小率)を制御する倍
率制御回路、37は縮小電子光学系8の光学特性(焦点
位置、像の回転)を調整するために回転レンズ10、焦
点補正レンズ13を制御する光学特性制御回路、38は
ウエハステージ16の移動を制御するウエハステージ駆
動制御回路、39はウエハステージ16の位置をリアル
タイムで測定するレーザ干渉計2、40は上記説明した
構成を制御する制御系、41は制御系40の制御データ
が記憶されているメモリー、42はインターフェース、
43は電子ビーム露光装置全体を制御するCPUを示
す。
【0047】そして、図3を用いて、本実施例の露光動
作について説明する。
【0048】制御系40はCPU43に「露光」を指令
されると、アパーチャ制御回路31によってアパーチャ
4のアパーチャの開口の走査方向の幅(スリット幅)と走
査方向と直交する方向の長さ(スリット長さ)を設定す
る。
【0049】アパーチャ4の具体的な構成を図4に示
す。本実施例のアパーチャは同図に示すように、円弧5
1に内接する形状の縁を持ったのブレード53と前記円
弧と半径が同一の円弧52に外接する形状の縁を持った
ブレード54とを図のように所望の距離をおいて、構成
することにより、円弧状のアパーチャの開口のスリット
幅を一定にしている。更に、これらブレード53、54
の少なくとも片方を可動でき、制御系40は、使用され
るレジストの感度及び変換される電子ビームの強度の情
報に基づいて、アパーチャ制御回路に命じて円弧状のア
パーチャの開口のスリット幅を調整し、最適な露光量を
設定できる。また、同図に示すようにブレード55、5
6の間隔を調整することにより、チップサイズに対応し
て最適なアパーチャの開口のスリット長さを設定でき
る。図中57〜60はそれぞれのブレード53〜56の
駆動部で、アパーチャ制御回路31によって制御されて
いる。また、SDは走査方向の中心線を示す。
【0050】図5は、上記アパーチャ4によりウエハ上
に形成される円弧状露光領域の拡大図を示す。Sxは円
弧露光領域の走査方向の幅であり、Syは円弧状露光領
域の走査方向と直交する方向の長さである。
【0051】本実施例では、上記アパーチャ4の調整に
より、Sxは0.1から1mmまで、Syを1mmから
6mmに設定可能である。
【0052】制御系40は、マスクステージ駆動制御回
路32及びウエハステージ駆動制御回路38を介してマ
スクステージ6及びウエハステージ16を同期して走査
方向21、22に移動させて、マスク5に形成されたパ
ターンを4つの小領域に分割しそのうちの一つの小領域
のパターンをアパーチャ4によって規定される照明領域
上を通過させることによって、ウエハ14にパターンを
走査露光する。その際、マスクステージ6及びウエハス
テージ16の位置をそれぞれレーザ干渉計1(33)、
レーザ干渉計2(39)にて検出し、マスクステージ6
とウエハステージ16との所望の位置関係からの位置ず
れを検出し偏向位置補正回路35を経て位置補正偏向器
12によって、ウエハ14上に転写されるパターン像を
所望の位置になるように位置を補正する。一つの小領域
の転写が終了すると、制御系40は、マスクステージ駆
動制御回路32及びウエハステージ制御回路38を介し
てマスクステージ6及びウエハステージ16を走査方向
と直交する方向にステップさせ、走査方向を反転させ
て、次の小領域のパターンをウエハ上のそのパターンに
対応する領域に先の小領域と同様に走査露光する。そし
て、順次小領域を走査露光し、すべての小領域を走査露
光することによって、ウエハ14上にデバイスパターン
が露光される。
【0053】その時の走査露光経路を図6に示す。1チ
ップ形状が20×35(mm)の場合のスキャン露光経
路は、まずウエハ14上での円弧状露光領域のSy寸法
を5mmに設定する。この場合スキャン回数は20/5
=4回となる。図中の円弧aで示した位置を露光スタ−
ト位置とすると、まずこの位置からウエハステ−ジ16
とマスクステ−ジ6をCx方向に走査され、1回目の走
査が終わると両ステ−ジ6、16をCy方向(走査方向
と直交する方向)にウエハで5mm,マスクで20mm
移動して次の2回目の走査スタ−ト位置に位置させる。
そして、1回目走査とは、反対方向に走査され、この動
作を繰り返し、計2往復の走査で、1チップの露光が完
了する。
【0054】通常、電子ビーム露光装置では、ウエハ1
4に予め形成されたパターンにマスク5上のパターンを
重ね露光する。その際、重ね合わさるパターン同志が精
度よく重ね合わさることが必要である。しかしながら、
ウエハ14は成膜するプロセスを経由することにより、
ウエハ14自体が伸縮する為マスク5上のパターンを設
計上の縮小率で露光してもその重ね合わせが劣化する。
【0055】そこで、制御系40は、露光されるウエハ
14の伸縮率を予め収得し、その伸縮率に基づいて、倍
率制御回路36を介して縮小電子光学系8の倍率を調整
する。同時に、制御系40は、設定された倍率に対応し
たウエハステージ16の走査速度になるようにウエハス
テージ制御回路38の設定を変更するとともに、ウエハ
ステージ16のステップ移動する距離を設定された倍率
に基づいて変更する。
【0056】(実施例2)本発明の特徴は、1ショット
で露光できる縮小電子光学系の露光領域が広い為電流密
度を低く抑えられることにある。それによって、クーロ
ン効果による像のぼけを小さく抑えられる効果がある。
この点においても従来のポイントビームでの電子線描画
やセル(ブロック)パターン転写露光に比べて本発明は
優れている。
【0057】このように従来に比較して大幅に利点があ
る本方法でも、ウエハに照射される電子ビームの量は転
写されるパターンによって変動する。なぜならば、アパ
ーチャにて切り取られた照明領域上をマスク5が常に移
動する。その際に照明領域上のマスクのパターンの粗密
の度合いが違うので、ウエハ上に照射される電子ビーム
の量が変動し、結果的には光電変換面PEからウエハ14
に照射される総電流が変動し、縮小電子光学系の焦点位
置が微妙にずれる。本実施例では、ウエハ14に入射す
る電子ビームの総電流に関する情報を求め、求められた
総電流に関する情報に基づいて縮小電子光学系の焦点位
置を補正している。
【0058】総電流の情報を得るための一つの方法は、
マスク5に形成されているパターンの情報を利用する方
法である。すなわち、照明領域上のマスクのパターン粗
密が知れれば、その時の総電流が推定できるので、照明
領域上に位置するパターンから推定される総電流の情報
より縮小電子光学系の焦点位置を補正するのである。そ
の実施例を図3を用いて説明する。
【0059】マスク5の位置が分かれば照明領域上のマ
スク5のパターン粗密の度合いが分かり、よってその時
の総電流が推定できる。そこで、マスク5の位置とそれ
に対応する推定される総電流に関する情報をメモリ41
に記憶させておく。そして、露光の際、制御系40はレ
ーザ干渉系1によってマスクステージ6の位置を検出
し、検出されたマスク5の位置とメモリ41に記憶され
たマスク5の位置に対応する推定される総電流に関する
情報とに基づいて縮小電子光学系8の焦点位置を焦点補
正レンズ13によって補正する。
【0060】総電流の情報を得るためのもう一つの方法
は、ウエハに入射する電子ビームの総電流と関連する光
電変換面PEでの放射電子を直接検出する方法である。す
なわち光電変換面PEで放射された電子のうちを図1の角
度規制アパーチャ11で遮蔽される電子を直接検出し、
検出された電流量に基づいて、制御系40が前述の方法
のようにを縮小電子光学系8の焦点位置を補正するので
ある。
【0061】(実施例3)露光領域をより拡大すること
により、略長方形のデバイス1チップの短尺方向が1回
の走査で露光できるようになれば問題ないが、実際はそ
のように拡大することは非常に困難である。前述したよ
うに、限りある照射領域を用いて走査方向と直行する方
向にステップしながら複数回走査する事によって一つの
デバイスパターンを露光できる構成を採らざるを得ない
場合が多い。その際にの問題点は、1デバイスパターン
を形成する際のパターンのつなぎ合わせの精度である。
前述した例では、4回の走査によって一つのデバイスパ
ターンを形成するため、3つのつなぎ合わせラインがで
きる事になる。このとき走査位置が微量でもずれてしま
うと露光過多や最悪の場合断線等の問題が起こる。つな
ぎ合わせのために1/100〜1/1000μmの精度
を保つ走査制御は非常にむずかしい。
【0062】本実施例では、つなぎ合わせを確実にする
方法として、つなぎ合わせの部分を重ねて露光する。本
発明の露光方法では、走査露光を用いるため、照射量を
アパーチャスリットの幅で調整できる。そこで、つなぎ
合わせのために重ねて露光する部分のスリット幅をそれ
以外の領域を露光する部分のスリット幅より狭くする
(単純には1/2とする)ことで、重複露光された露光
領域の露光量が多くなることを防ぐと同時につなぎ合わ
せの際に微妙なずれが生じても断線等の最悪の事態は避
けられる。
【0063】本実施例の照射領域を決めるアパーチャス
リット形状を図7(a)に示す。53、54はスリット
幅を規定する可動ブレードであり、55、56はスリッ
ト長さを規定する可動ブレードである。ここで、可動ブ
レード55及び56を走査方向に対して角度を持たせて
設置する。(SDは走査方向の中心線を示す。)これによ
って走査方向に対してスリット幅が徐々に狭くなる。ウ
エハ上においてつなぎ合わせのための重ねて露光する幅
は5μm、円弧露光領域の走査方向の幅Sxは100μ
mであるのでブレードの傾きは0.05radである。
この構成の場合、アパーチャによって作られる円弧状露
光領域の走査方向と直交する方向の長さSyは10.0
1mmとなる。本実施例の場合、マスク5のデバイスパ
ターンを4つ小領域に分割して照明する際、各小領域の
両側に5μmの重複照明領域をデバイスパターンの最小
線幅によって適切に選べる構成となる。
【0064】71に本例の円弧状露光領域の走査方向と
直交する方向の露光量分布、72は重ね合わせ露光を行
う重複照明領域を示す。前述のように重ね合わせ露光を
行う領域のアパーチャスリットの幅を徐々に狭くする構
造では、走査を行うことによって露光量が露光領域の両
端で徐々に減ってゆく分布となる。図7(b)に本例の
重ね合わせた際の露光量分布図を示す。同図において点
線73はある走査におけるスリット長さ方向の露光量分
布を、点線74はその次の走査における同方向の露光量
分布、実線75はこれらの露光量分布の和を示す。実線
75に示すように73と74の重ね部分ではそれぞれの
露光量が徐々に変化しているため合計で最適露光量とな
る。徐々に変化させているので、重ね合わせ部分が転写
線幅に対して許される程度にずれた場合でも露光量が大
きく変動する事はない。このように本実施例を用いれば
つなぎの問題を解決することができ、分割パターン走査
方式を用いても良好な転写が実現できる。
【0065】(デバイス生産の実施形態)次に上記説明
した電子ビーム露光装置を利用した半導体デバイスの生
産方法の実施形態を説明する。図10は微小デバイス
(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CC
D、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造のフロ
ーを示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイス
の回路設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では設
計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一
方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を
用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセ
ス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを
用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回
路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と
呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて
半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダ
イシング、ボンディング)、パッケージング工程(チッ
プ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)ではステ
ップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、
耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半
導体デバイスが完成し、これを出荷(ステップ7)す
る。
【0066】図11は上記ウエハプロセスの詳細なフロ
ーを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸
化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶
縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)ではウエハ
上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオ
ン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ1
5(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ス
テップ16(露光)では電子ビーム露光装置によってマ
スクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップ
17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ
18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分
を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチ
ングが済んで不要となったレジストを取り除く。これら
のステップを繰り返し行なうことによって、ウエハ上に
多重に回路パターンを形成する。
【0067】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明は以下の効果
を有する。
【0068】・ 円弧状の電子ビームと、収差補正手段
と、マスク及びウエハを走査する手段を用いる事によ
り、従来に比較して広い露光領域を速く描画する事が可
能となり、スループットは大幅に向上した。
【0069】・ 円弧状の電子ビームの大きさ及び形状
を制御する機能を持たせることにより、広い露光領域に
おいて電子ビームの照度ムラを補正でき、良好な露光が
可能となった。
【0070】・ マスクからの総電流に対応した焦点補
正機能を持たせることにより、電子ビーム像のぼけを無
くし良好な露光が可能となった。
【0071】・ 転写縮小率を電子光学系とウエハステ
ージ駆動制御部が共に制御する機能を持たせることによ
り、ミックスアンドマッチ等を用いた露光においても倍
率の補正が容易にできる。
【0072】・ デバイスパターンを分割走査露光する
上で、重複露光を行える露光機能を有することにより、
分割パターンのつなぎ精度が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の電子ビーム露光装置の構成を示す図
【図2】収差補正光学系の説明図
【図3】実施例1の電子ビーム露光装置の主要な構成を
示すブロック図
【図4】実施例1のアパーチャの構成図
【図5】円弧状露光領域を説明する図
【図6】走査露光経路を説明する図
【図7】実施例3のアパーチャの構成図
【図8】本発明の基本的技術思想を説明する図
【図9】従来の部分一括転写方式の電子ビーム露光装置
を説明する図
【図10】半導体デバイスの製造フローを示す図
【図11】ウエハプロセスの詳細なフローを示す図
【符号の説明】
1 光源 2 光 3 照明光学系 4 アパーチャ 5 マスク 6 マスクステージ 7 収差補正光学系 8 縮小電子光学系 10 回転レンズ 11 角度規定アパーチャ 12 位置補正偏向器 13 焦点補正レンズ 14 ウエハ 15 ウエハチャック 16 ウエハステージ PL 投影光学系 PE 光電変換面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 奥貫 昌彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームによって被露光物体を露光す
    る電子ビーム露光装置において、 パターンが形成された基板を光で照明する照明光学系
    と、 入射された光を電子に変換する光電変換面を有する光電
    変換部材と、 前記パターンの像を前記光電変換面に投影する投影光学
    系と、 前記光電変換面から放射される電子を加速する加速手段
    と、 前記加速された電子を前記被露光物体上に投影する電子
    光学系と、 前記電子光学系の軸を中心とした2つの円弧で挟まれた
    前記光電変換面の円弧状領域からの電子ビームが前記投
    影光学系を通過する際に発生する収差を補正する補正手
    段とを有することを特徴とする電子ビーム露光装置。
  2. 【請求項2】 前記補正手段は、前記加速手段を兼ねる
    ことを特徴とする請求項1の電子ビーム露光装置。
  3. 【請求項3】 前記補正手段は、電子ビームを発散また
    は収斂させる作用を有し、前記円弧状領域の切線方向と
    動径方向とでは発散また収斂作用が異なることを特徴と
    する請求項1の電子ビーム露光装置。
  4. 【請求項4】 前記補正手段は、円弧状の開口を有する
    電極を有することを特徴とする請求項3の電子ビーム露
    光装置。
  5. 【請求項5】 前記基板を所定方向に移動させる手段
    と、前記被露光物体を前記所定方向に移動させる手段
    と、露光の際、前記被露光物体の移動に同期して前記基
    板を前記所定方向に移動させる制御手段を有することを
    特徴とする請求項1乃至4の電子ビーム露光装置。
  6. 【請求項6】 前記基板の移動方向に関する前記照明光
    学系の照明領域の幅を変更する手段を有することを特徴
    とする請求項5の電子ビーム露光装置。
  7. 【請求項7】 前記基板の移動方向に関する記照明光学
    系の照明領域の幅を前記基板の移動方向と直交する方向
    に異ならしめる手段を有することを特徴とする請求項5
    の電子ビーム露光装置。
  8. 【請求項8】 前記被露光物体に入射する電子ビームの
    総電流に関する情報を求める情報収得手段と、求められ
    た総電流に関する情報に基づいて前記電子光学系の焦点
    位置を補正する手段とを有することを特徴とする請求項
    5の電子ビーム露光装置。
  9. 【請求項9】 前記情報収得手段は、前記光電変換面か
    らの電子を検出する手段を有することを特徴とする請求
    項8の電子ビーム露光装置。
  10. 【請求項10】 前記電子検出手段は、前記電子光学系
    の瞳位置に位置し前記電子の一部を遮断する開口からの
    電流を検出する手段を有することを特徴とする請求項9
    の電子ビーム露光装置。
  11. 【請求項11】 前記情報収得手段は、前記基板の位置
    とその時に前記被露光物体に入射する電子ビームの総電
    流の関係を予め記憶する手段を有することを特徴とする
    請求項9の電子ビーム露光装置。
  12. 【請求項12】 前記光電変換面を移動若しくは振動さ
    せる手段を有することを特徴とする請求項1の電子ビー
    ム露光装置。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12の電子ビーム露光装
    置を用いてデバイスを製造することを特徴とするデバイ
    ス製造方法。
  14. 【請求項14】 電子ビームによって被露光物体を露光
    する電子ビーム露光方法において、 パターンが形成された基板を光で照明する照明段階と、 入射された光を電子に変換する光電変換面に前記パター
    ンの像を投影する段階と、 前記光電変換面から放射される電子を加速する加速段階
    と、 電子光学系によって前記加速された電子を前記被露光物
    体上に投影する段階と、 前記電子光学系の軸を中心とした2つの円弧で挟まれた
    前記光電変換面の円弧状領域からの電子ビームが前記投
    影光学系を通過する際に発生する収差を補正する補正段
    階とを有することを特徴とする電子ビーム露光方法。
  15. 【請求項15】 前記補正段階は、前記加速段階を兼ね
    ることを特徴とする請求項14の電子ビーム露光方法。
  16. 【請求項16】 前記補正段階は、電子ビームを発散ま
    たは収斂させ、前記円弧状領域の切線方向と動径方向と
    では発散また収斂作用を異ならせることを特徴とする請
    求項14の電子ビーム露光方法。
  17. 【請求項17】 露光の際、前記被露光物体の移動に同
    期して前記基板を前記所定方向に移動させる段階を有す
    ることを特徴とする請求項14乃至16の電子ビーム露
    光方法。
  18. 【請求項18】 前記基板の移動方向に関する前記照明
    段階の照明領域の幅を変更する段階を有することを特徴
    とする請求項17の電子ビーム露光方法。
  19. 【請求項19】 前記基板の移動方向に関する前記照明
    段階の照明領域の幅を前記基板の移動方向と直交する方
    向に異ならしめる段階を有することを特徴とする請求項
    17の電子ビーム露光方法。
  20. 【請求項20】 前記被露光物体に入射する電子ビーム
    の総電流に関する情報を求める情報収得段階と、求めら
    れた総電流に関する情報に基づいて前記電子光学系の焦
    点位置を補正する段階とを有することを特徴とする請求
    項17の電子ビーム露光方法。
  21. 【請求項21】 前記情報収得段階は、前記光電変換面
    からの電子を検出する段階を有することを特徴とする請
    求項20の電子ビーム露光方法。
  22. 【請求項22】 前記電子検出段階は、前記電子光学系
    の瞳位置に位置し前記電子の一部を遮断する開口からの
    電流を検出する段階を有することを特徴とする請求項2
    1の電子ビーム露光方法。
  23. 【請求項23】 前記情報収得段階は、前記基板の位置
    とその時に前記被露光物体に入射する電子ビームの総電
    流の関係を予め記憶する段階を有することを特徴とする
    請求項21の電子ビーム露光方法。
  24. 【請求項24】 前記光電変換面を移動若しくは振動さ
    せる段階を有することを特徴とする請求項14の電子ビ
    ーム露光方法。
  25. 【請求項25】 請求項14乃至24の電子ビーム露光
    方法を用いてデバイスを製造することを特徴とするデバ
    イス製造方法。
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DE69727112T DE69727112T2 (de) 1996-10-25 1997-10-23 Elektronenstrahl-Belichtungsgerät und Belichtungsverfahren
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