JPH10214777A - 電子ビーム照明装置及び該装置を備えた電子ビーム露光装置 - Google Patents

電子ビーム照明装置及び該装置を備えた電子ビーム露光装置

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JPH10214777A
JPH10214777A JP9018773A JP1877397A JPH10214777A JP H10214777 A JPH10214777 A JP H10214777A JP 9018773 A JP9018773 A JP 9018773A JP 1877397 A JP1877397 A JP 1877397A JP H10214777 A JPH10214777 A JP H10214777A
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electron beam
electron
optical system
axis
deflecting
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Masato Muraki
真人 村木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円弧状照明領域を有する電子ビーム照明装置
の提供。 【解決手段】 電子ビームを放射する光源を用いて物体
を照明する電子ビーム照明装置において、前記光源から
発散する電子ビームを収斂させる電子光学系と、共通の
軸を中心とした2つの円筒面電極を有し、該2つの円筒
面電極間に電界をかけることにより該2つの電極間を通
過する前記電子光学系からの電子ビームを偏向して前記
物体に導く第1の偏向手段とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイス製
造のリソグラフィに於ける電子ビーム露光技術に関する
分野に属し、特に利用効率の高い電子ビーム照明装置お
よび該装置を備えた生産性の高い電子ビーム露光装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】半導体メモリデバイス製造の量産段階に
おいては、高い生産性を持つ光ステッパが用いられてき
たが、線幅が0.2μm以下の1G、4GDRAM以降
のメモリデバイスの生産においては、光露光方式に代わ
る露光技術の1つに、解像度が高く、生産性の優れた電
子ビーム露光法が期待されている。
【0003】従来の電子ビーム露光法は、単一ビームの
ガウシアン方式と可変成形方式が中心で、生産性が低い
ことから、マスク描画や超LSIの研究開発、少量生産
のASICデバイスの露光等の電子ビームの優れた解像
性能の特徴を活かした用途に用いられてきた。
【0004】この様に、電子ビーム露光法の量産化への
課題は、生産性を如何に向上させるかが大きな課題であ
った。
【0005】近年、この課題解決の1つの方法として、
部分一括転写方式が提案されている。この方式(図1
0)は、メモリ回路パターンの繰り返し部分を数μm領
域にセル化することで、描画の生産性を向上することが
狙いである。
【0006】しかし、この方式の1度に露光出来る最大
露光領域は、可変成形方式と同じ数μm程度であり、広
い露光領域を得るためには、2段ないし3段の複数の偏
向器を用いたり、MOL(移動収束レンズ系)を用いて
偏向に伴う色収差や歪等を除く必要があった。
【0007】生産性を向上するためには、描画領域を拡
大することが要求されるが、解像度0.2μm以下でし
かも20〜30nmのフィールド間繋ぎ精度が確保でき
る偏向領域は、数mm前後とされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の電
子ビーム露光装置では1度に露光できる領域、いわゆる
露光領域が光露光装置等に比較して極端に小さい。この
ため、電子ビームの走査およびウエハやマスクの機械的
な走査を行ってウエハ全体を露光する方法が用いられて
いる。そしてウエハを全面露光するには多数回のステー
ジ往復走査が必要となり、結果的にステージ走査時間が
生産性を決める主要因であった。ゆえに光露光装置に比
べて1枚のウエハを露光するために非常に多くの時間を
要していた。
【0009】スループットを大きくする方法としては、
前記走査をより高速にするか、照射領域を広げるかどち
らか少なくとも一方を大幅に改善する必要がある。一
方、従来のような数μmの照射領域では、ビーム電流の
空間電荷の影響から、電流密度を大きくすると像がぼけ
るという欠点がある。このため最大の照射電流値にも限
界があり、走査をより高速にしたとしても問題は残る。
【0010】従来の露光方式の電子光学系の軸上の収差
の少ない狭い領域を用いた像形成を行う限り、露光領域
を広げることは困難である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した従来の
問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の電子ビー
ム照明装置のある形態は、電子ビームを放射する光源を
用いて物体を照明する電子ビーム照明装置において、前
記光源から発散する電子ビームを収斂させる電子光学系
と、共通の軸を中心とした2つの円筒面電極を有し、該
2つの円筒面電極間に電界をかけることにより該2つの
電極間を通過する前記電子光学系からの電子ビームを偏
向して前記物体に導く第1の偏向手段とを有することを
特徴とする。
【0012】前記共通の軸と同じ軸を中心とした2つの
円筒面電極を有し、前記共通の軸に対し前記第1の偏向
手段と逆の電界を該2つの円筒面電極間にかけることに
より該2つの電極間を通過する前記第1の偏向手段から
の電子ビームを偏向させる第2の偏向手段を有すること
を特徴とする。
【0013】前記電子光学系の光軸と前記共通の軸とは
偏心していることを特徴とする。
【0014】本発明の電子ビーム露光装置のある形態
は、電子ビーム透過部と電子ビーム不透過部でパターン
が形成された第1物体を電子ビームで照明し、前記第1
物体からの電子ビームを縮小電子光学系を介して第2物
体上に縮小投影する電子ビーム露光装置において、電子
ビームを放射する光源と、前記光源から発散する電子ビ
ームを収斂させる照明用電子光学系と、共通の軸を中心
とした2つの円筒面電極を有し、該2つの円筒面電極間
に電界をかけることにより該2つの電極間を通過する前
記照明用電子光学系からの電子ビームを偏向して前記第
1物体に照明する第1の偏向手段と、前記縮小電子光学
系の軸を中心とした2つの円弧で挟まれた前記第1物体
の円弧状領域からの電子ビームが前記投影光学系を通過
する際に発生する収差を補正する補正手段とを有するこ
とを特徴とする。
【0015】前記共通の軸と同じ軸を中心とした2つの
円筒面電極を有し、前記共通の軸に対し前記第1の偏向
手段と逆の電界を該2つの円筒面電極間にかけることに
より該2つの電極間を通過する前記第1の偏向手段から
の電子ビームを偏向させる第2の偏向手段を有すること
を特徴とする。
【0016】前記照明用電子光学系の光軸と前記共通の
軸とは偏心していることを特徴とする。
【0017】前記縮小電子光学系の光軸と前記共通の軸
とが一致すること特徴とする。
【0018】前記補正手段は、電子ビームを発散または
収斂作用を有し、前記円弧状領域の切線方向と動径方向
とでは発散また収斂作用が異なることを特徴とする。
【0019】前記補正手段は、円弧状の開口を有する電
極を有することを特徴とする。
【0020】前記第1物体を所定方向に移動させる手段
と、前記第2物体を前記所定方向に移動させる手段と、
露光の際、前記第2物体の移動に同期して前記第1物体
を前記所定方向に移動させる制御手段を有することを特
徴とする。
【0021】前記第1物体を電子ビームで照明する際、
照明領域を前記円弧状の領域に規定する照明領域規定手
段を有することを特徴とする。
【0022】前記照明領域規定手段は、前記第1物体と
電子光学的に共役な位置に配置されることを特徴とす
る。
【0023】本発明の電子ビーム照明方法のある形態
は、電子ビームを放射する光源を用いて物体を照明する
電子ビーム照明方法において、電子光学系によって前記
光源から発散する電子ビームを収斂させる段階と、予め
決められた軸を中心とした2つの円弧で挟まれた前記第
1物体の円弧状領域を照明するために、前記予め決めら
れた軸を中心とした放射方向に前記電子光学系からの電
子ビームを偏向する第1の偏向段階とを有する。
【0024】前記予め決められた軸を中心とし前記第1
の偏向段階と逆の放射方向に前記第1の偏向段階からの
電子ビームを偏向させる第2の偏向段階を有することを
特徴とする。
【0025】前記電子光学系の光軸と前記予め決められ
た軸とは偏心していることを特徴とする。
【0026】本発明の電子ビーム露光装置のある形態
は、電子ビーム透過部と電子ビーム不透過部でパターン
が形成された第1物体を電子ビームで照明し、前記第1
物体からの電子ビームを縮小電子光学系を介して第2物
体上に縮小投影する電子ビーム露光方法において、光源
から電子ビームを放射させる段階と、照明用電子光学系
によって前記光源から発散する電子ビームを収斂させる
段階と、前記縮小電子光学系の光軸を中心とした2つの
円弧で挟まれた前記第1物体の円弧状領域を照明するた
めに、前記縮小電子光学系の光軸を中心とした放射方向
に前記照明用電子光学系からの電子ビームを偏向する第
1の偏向段階と、前記第1物体の円弧状領域からの電子
ビームが前記投影光学系を通過する際に発生する収差を
補正する補正段階とを有することを特徴とする。
【0027】前記縮小電子光学系の光軸を中心とし前記
第1の偏向段階と逆の放射方向に前記第1の偏向段階か
らの電子ビームを偏向させる第2の偏向段階を有するこ
とを特徴とする。
【0028】前記照明用電子光学系の光軸と前記縮小電
子光学系の光軸とは偏心していることを特徴とする。
【0029】前記補正段階は、電子ビームを発散または
収斂させ、前記円弧状領域の切線方向と動径方向とでは
発散また収斂作用が異なることを特徴とする。
【0030】露光の際、前記第2物体の移動に同期して
前記第1物体を前記所定方向に移動させる段階を有する
ことを特徴とする。
【0031】前記第1物体を電子ビームで照明する際、
照明領域を前記円弧状の領域に規定する段階を有するこ
とを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】(本発明の基本的技術思想)従来よ
り電子ビーム露光装置では1ショットで露光できる電子
光学系の露光領域が、光露光装置の投影光学系の露光領
域に比較して極端に小さい。このため、ウエハ全体を露
光するには電子的な走査および機械的な走査の距離が光
露光装置に比べて長いので非常に多くの時間を要し、ス
ループットは極端に小さい。スループットを大きくする
方法としては、電子的な走査および機械的な走査をより
高速にするか、1ショットの露光領域を広げるかどちら
か少なくとも一方を大幅に改善する必要がある。
【0033】本発明は、露光領域の拡大を可能にした電
子ビーム露光装置若しくは電子ビーム露光方法である。
【0034】広い領域の電子ビームをウエハ上で結像さ
せようとすると電子光学系の光軸から離れる(光軸に対
して動径方向に離れる)に従って収差(特に像面湾曲、
非点)が大きくなる。そこで本発明では、図9(A)に示
すように、従来の電子線露光装置で用いられていたよう
な電子光学系の軸上の領域(図中A)の電子ビームを用
いず、光軸を中心とした2つの円弧で挟まれた円弧状領
域(図中B)の電子ビームを用いる。これにより、露光領
域の像面湾曲はほとんどない。また非点収差(図9
(B))はあるが露光領域内の電子ビームは動径方向の
焦点位置及び切線方向の焦点位置はそれぞれ略同一位置
であるので露光領域内の電子ビームに対し動径方向と切
線方向とで異なる発散または収斂作用を与える補正手段
を備えることにより非点収差がほとんどなくなる。その
結果、本発明の電子ビーム露光装置の露光領域は、従来
に比べ大幅に広げることが可能である。
【0035】(実施例)図1は本発明の電子ビーム露光
装置の構成を示す図である。ILは、電子ビーム透過部と
電子ビーム不透過部でパターンが形成されたマスク5
を、電子ビームによって後述する縮小電子光学系8の光
軸AXを中心とした2つの円弧で挟まれた円弧状の照明領
域で、照明する電子ビーム照明装置である。
【0036】図2を用いて電子ビーム照明装置ILについ
て詳細に説明する。
【0037】1は電子ビームを放射するいわゆる光源で
ある電子銃である。電子銃1から発散しながら放射され
た電子ビームは、電子光学系である電子レンズによって
収斂作用を受け縮小電子光学系8の光軸AXと略平行な電
子ビームとなる。ここで、電子レンズ3の光軸AX'は縮
小電子光学系8の光軸AXとは偏心しており、電子銃1は
電子レンズ3の光軸AX'上に位置する。
【0038】略平行な電子ビームは、縮小電子光学系8
の光軸AXを中心とした2つの円筒面電極(EP11,EP12)を
有する第1の偏向器DEF1を通過することにより縮小電子
光学系8の光軸AXを中心とした放射方向に偏向され、次
いで、第1の偏向器DEF1と同様に縮小電子光学系8の光
軸AXを中心とした2つの円筒面電極(EP21,EP22)を有す
る第2の偏向器DEF2を通過して第1の偏向器DEF1と逆の
放射方向に電子ビームを偏向させる。具体的には、第2
の偏向器DEF2は小電子光学系8の光軸AXに対し第1の偏
向器DEF1と逆の電界をかけている。
【0039】第2の偏向器DEF2によって偏向された電子
ビームは縮小電子光学系8の光軸AXと略平行な電子ビ
ームとなりマスク5の照明領域を規定するアパーチャ4
を照明する。アパーチャ4の詳細については後述する。
【0040】この時電子ビームの強度分布は、図2の矢
印Aの断面では、図3(A)のDAのような円形状の強度分
布を有するが、第1の偏向器DEF1を通過して縮小電子光
学系8の光軸AXを中心とした放射方向に偏向されること
により、図2の矢印Bの断面では、図3(A)のDBのよう
な縮小電子光学系8の光軸を中心とした円弧状に近い強
度分布となる。さらに第2の偏向器DEF2を通過して第1
の偏向器DEF1と逆の放射方向に電子ビームを偏向させる
ことにより、図2の矢印Cの断面では、図3(A)のDBの
と略同一の強度分布DCを有し、かつ縮小電子光学系8の
光軸AXと略平行な電子ビームとなる。
【0041】円弧状の強度分布となった電子ビームは、
図3(B)に示す用にアパーチャ4の開口APによって所望
の円弧状(縮小電子光学系8の光軸AXを中心とした2つ
の円弧で挟まれた円弧状領域)に電子ビームを切り取
る。元々円弧状の強度分布である電子ビームであるた
め、開口APによって所望の円弧状の電子ビームにする
際、電子銃1からの電子ビームを効率よく利用すること
ができる。
【0042】開口APによって所望の円弧状の強度分布と
なった電子ビームは、投影電子光学系PLによってマスク
5に結像され、マスク5の縮小電子光学系8の光軸AXを
中心とした2つの円弧で挟まれた円弧状領域を照明す
る。すなわち、アパーチャ4とマスク5は投影電子光学
系PLによって電子光学的に共役な位置に配置されてい
る。
【0043】図1に戻り、マスク5は電子ビームが透過
するメンブレンの上に電子ビームを散乱させる散乱体パ
ターンが存在する散乱型、もしくは電子ビームを遮断ま
たは減衰させるメンブレインにパターン開口を形成した
ステンシル型のどちらを用いることも可能であるが、本
実施例では、散乱型のマスクを用いている。マスク5は
少なくともXY方向に移動可能なマスクステージ6に載
置されている。
【0044】電子ビーム照明装置ILによってマスク5上
の円弧状領域を照明すると、円弧状領域からの電子ビー
ムは、電子レンズ8A、8Bで構成される縮小電子光学
系8を介してウエハ14上に結像される。その際、電子
ビームが縮小電子光学系を通過する際に発生する収差
(特に非点収差)を補正する収差補正光学系7を介して
電子ビームはウエハ上に結像する。収差補正光学系7
は、図4に示すように、アパーチャ4と同じように縮小
電子光学系8の光軸AXを中心とした2つの円弧で挟まれ
た円弧状の形状の開口であってマスク5からの電子ビー
ムを遮らない開口を有する電極3枚(EL1,EL2,EL3)で
構成されるユニポテンシャルレンズで、電極EL1,EL3は
加速電極AEと同電位(V0)で、電極EL2はV0と異なる電
位V1に設定されている。その結果、収差補正光学系7
は、円弧状の開口の切線方向と動径方向とでは収斂作用
が異なる電子レンズであり、言い換えれば円弧状の開口
の切線方向と動径方向とでは焦点距離が異なる電子レン
ズである。
【0045】本実施例では電極3枚のユニポテンシャル
レンズを採用しているが、円弧状の開口を有する1枚の
電極で構成された電子レンズを採用しても構わない。す
なわち、その電極の電位はマスク5からの電子ビームを
加速、又は減速させるように設定して、円弧状の開口の
切線方向と動径方向とでは発散または収斂作用が異なら
せている。
【0046】10は、ウエハ14に投影されるマスク5
上のパターン像を回転させる回転レンズ、11は、マス
ク5の散乱体を透過散乱してきた電子ビームを遮断し、
散乱体の無いところを透過してきた電子ビームを通過さ
せる散乱電子制限アパーチャ、12は、ウエハ14に投
影される電子ビームマスク5上のパターン像の位置を補
正する位置補正偏向器、13は縮小電子光学系8の焦点
を補正する焦点補正レンズである。
【0047】15は、ウエハ14を載置するウエハチャ
ック、16はウエハチャックを載置しXY方向及びXY
面内の回転方向に移動可能なウエハステージである。
【0048】上記構成において、マスク5を矢印21の
方向に、ウエハ14を矢印22の方向に同期させるとと
もに縮小電子光学系8の縮小倍率に応じた速度で双方を
移動させることにより、マスク5上の円弧状領域のパタ
ーンがウエハ14に順次露光される。
【0049】図5は、本実施例の電子ビーム露光装置の
主要な構成を示すブロック図である。同図中、図1およ
び図2と同一構成要素には同一符号を付し、その説明は
省略する。
【0050】30は電子ビーム照明装置ILの第1、第2
の偏光器の偏向量を制御してアパーチャ4の電子ビーム
強度分布を調整する照明分布制御回路、31はアパーチ
ャ4の開口形状を制御する制御回路、32はマスクステ
ージ6の移動を制御するマスクステージ駆動制御回路、
33はマスクステージ6の位置をリアルタイムで測定す
るレーザ干渉計1、34は収差補正光学系7の収差特性
を制御する収差制御回路、35は、位置補正偏向器12
によってウエハ14に投影されるパターン像の位置を制
御する偏向位置補正回路、36は縮小電子光学系8の縮
小倍率を制御する倍率制御回路、37は縮小電子光学系
8の光学特性(焦点位置、像の回転)を調整するために
回転レンズ10、焦点補正レンズ13を制御する光学特
性制御回路、38はウエハステージ16の移動を制御す
るウエハステージ駆動制御回路、39はウエハステージ
16の位置をリアルタイムで測定するレーザ干渉計2、
40は上記説明した構成を制御する制御系、41は制御
系40の制御データが記憶されているメモリー、42は
インターフェース、43は電子ビーム露光装置全体を制
御するCPUを示す。
【0051】そして、図5を用いて、本実施例の露光動
作について説明する。
【0052】制御系40はCPU43に「露光」を指令
されると、アパーチャ制御回路31によってアパーチャ
4のアパーチャの開口の走査方向の幅(スリット幅)と走
査方向と直交する方向の長さ(スリット長さ)を設定す
る。
【0053】アパーチャ4の具体的な構成を図6に示
す。本実施例のアパーチャは同図に示すように、円弧5
1に内接する形状の縁を持ったブレード53と前記円弧
と半径が同一の円弧52に外接する形状の縁を持ったブ
レード54とを図のように所望の距離をおいて、構成す
ることにより、円弧状のアパーチャの開口のスリット幅
を一定にしている。更に、これらブレード53、54の
少なくとも片方を可動でき、制御系40は、使用される
レジストの感度及び変換される電子ビームの強度の情報
に基づいて、アパーチャ制御回路に命じて円弧状のアパ
ーチャの開口のスリット幅を調整し、最適な露光量を設
定できる。また、同図に示すようにブレード55、56
の間隔を調整することにより、チップサイズに対応して
最適なアパーチャの開口のスリット長さを設定できる。
図中57〜60はそれぞれのブレード53〜56の駆動
部で、アパーチャ制御回路31によって制御されてい
る。また、SDは走査方向の中心線を示す。
【0054】そしてアパーチャの開口形状の調整ととも
に、調整されたアパーチャ形状に応じて、第1、第2の
偏向器(DEF1,DEF2)の偏向量を照明分布制御回路によっ
て制御してアパーチャ4を照明する電子ビームの強度分
布を調整する。
【0055】図7は、上記アパーチャ4によりウエハ上
に形成される円弧状露光領域の拡大図を示す。Sxは円
弧露光領域の走査方向の幅であり、Syは円弧状露光領
域の走査方向と直交する方向の長さである。
【0056】本実施例では、上記アパーチャ4の調整に
より、Sxは0.1から1mmまで、Syを1mmから
6mmに設定可能である。
【0057】制御系40は、マスクステージ駆動制御回
路32及びウエハステージ駆動制御回路38を介してマ
スクステージ6及びウエハステージ16を同期して走査
方向21、22に移動させて、マスク5に形成されたパ
ターンを4つの小領域に分割しそのうちの一つの小領域
のパターンをアパーチャ4によって規定される照明領域
上を通過させることによって、ウエハ14にパターンを
走査露光する。その際、マスクステージ6及びウエハス
テージ16の位置をそれぞれレーザ干渉計1(33)、
レーザ干渉計2(39)にて検出し、マスクステージ6
とウエハステージ16との所望の位置関係からの位置ず
れを検出し偏向位置補正回路35を経て位置補正偏向器
12によって、ウエハ14上に転写されるパターン像を
所望の位置になるように位置を補正する。一つの小領域
の転写が終了すると、制御系40は、マスクステージ駆
動制御回路32及びウエハステージ制御回路38を介し
てマスクステージ6及びウエハステージ16を走査方向
と直交する方向にステップさせ、走査方向を反転させ
て、次の小領域のパターンをウエハ14上のそのパター
ンに対応する領域に先の小領域と同様に走査露光する。
【0058】そして、順次小領域を走査露光し、すべて
の小領域を走査露光することによって、ウエハ14上に
デバイスパターンが露光される。
【0059】その時の走査露光経路を図8に示す。1チ
ップ形状が20×35(mm)の場合のスキャン露光経
路は、まずウエハ14上での円弧状露光領域のSy寸法
を5mmに設定する。この場合スキャン回数は20/5
=4回となる。図中の円弧aで示した位置を露光スタ−
ト位置とすると、まずこの位置からウエハステ−ジ16
とマスクステ−ジ6をCx方向に走査され、1回目の走
査が終わると両ステ−ジ6、16をCy方向(走査方向
と直交する方向)にウエハで5mm、マスクで20mm
移動して次の2回目の走査スタ−ト位置に位置させる。
そして、1回目走査とは、反対方向に走査され、この動
作を繰り返し、計2往復の走査で、1チップの露光が完
了する。
【0060】通常、電子ビーム露光装置では、ウエハ1
4に予め形成されたパターンにマスク5上のパターンを
重ね露光する。その際、重ね合わさるパターン同志が精
度よく重ね合わさることが必要である。しかしながら、
ウエハ14は成膜するプロセスを経由することにより、
ウエハ14自体が伸縮する為マスク5上のパターンを設
計上の縮小率で露光してもその重ね合わせが劣化する。
そこで、制御系40は、露光されるウエハ14の伸縮率
を予め収得し、その伸縮率に基づいて、倍率制御回路3
6を介して縮小電子光学系8の倍率を調整する。同時
に、制御系40は、設定された倍率に対応したウエハス
テージ16の走査速度になるようにウエハステージ制御
回路38の設定を変更するとともに、ウエハステージ1
6のステップ移動する距離を設定された倍率に基づいて
変更する。
【0061】(デバイス生産の実施形態)次に上記説明
した電子ビーム露光装置を利用した半導体デバイスの生
産方法の実施形態を説明する。図11は微小デバイス
(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CC
D、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造のフロ
ーを示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイス
の回路設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では設
計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一
方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を
用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセ
ス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを
用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回
路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と
呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて
半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダ
イシング、ボンディング)、パッケージング工程(チッ
プ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)ではステ
ップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、
耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半
導体デバイスが完成し、これを出荷(ステップ7)す
る。
【0062】図12は上記ウエハプロセスの詳細なフロ
ーを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸
化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶
縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)ではウエハ
上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオ
ン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ1
5(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ス
テップ16(露光)では電子ビーム露光装置によってマ
スクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップ
17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ
18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分
を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチ
ングが済んで不要となったレジストを取り除く。これら
のステップを繰り返し行なうことによって、ウエハ上に
多重に回路パターンを形成する。
【0063】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明は以下の効果
を有する。・電子銃からの電子ビームを効率よく円弧状
の電子ビームに変換することができる。・ 円弧状の電
子ビームと、収差補正手段と、マスク及びウエハを走査
する手段を用いる事により、従来に比較して広い露光領
域を速く描画する事が可能となり、スループットは大幅
に向上した。・ 円弧状の電子ビームの大きさ及び形状
を制御する機能を持たせることにより、広い露光領域に
おいて電子ビームの照度ムラを補正でき、良好な露光が
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子ビーム露光装置の構成を示す図
【図2】本発明の電子ビーム照明装置の構成を示す図
【図3】本発明の電子ビーム照明装置の機能を説明する
【図4】収差補正光学系を説明する図
【図5】本発明の電子ビーム露光装置の主要な構成を示
すブロック図
【図6】アパーチャの構成図
【図7】円弧状露光領域を説明する図
【図8】走査露光経路を説明する図
【図9】本発明の基本的技術思想を説明する図
【図10】従来の部分一括転写方式の電子ビーム露光装
置を説明する図
【図11】半導体デバイスの製造フローを示す図
【図12】ウエハプロセスの詳細なフローを示す図
【符号の説明】
1 電子銃 3 電子レンズ 4 アパーチャ 5 マスク 6 マスクステージ 7 収差補正光学系 8 縮小電子光学系 10 回転レンズ 11 散乱電子制限アパーチャ 12 位置補正偏向器 13 焦点補正レンズ 14 ウエハ 15 ウエハチャック 16 ウエハステージ PL 投影電子光学系 DEF1 第1の偏向器 DEF2 第2の偏向器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01J 37/305 H01J 37/305 B H01L 21/30 541B

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームを放射する光源を用いて物体
    を照明する電子ビーム照明装置において、 前記光源から発散する電子ビームを収斂させる電子光学
    系と、 共通の軸を中心とした2つの円筒面電極を有し、該2つ
    の円筒面電極間に電界をかけることにより、該2つの電
    極間を通過する前記電子光学系からの電子ビームを偏向
    して前記物体に導く第1の偏向手段とを有することを特
    徴とする電子ビーム照明装置。
  2. 【請求項2】 前記共通の軸と同じ軸を中心とした2つ
    の円筒面電極を有し、前記共通の軸に対し前記第1の偏
    向手段と逆の電界を該2つの円筒面電極間にかけること
    により該2つの電極間を通過する前記第1の偏向手段か
    らの電子ビームを偏向させる第2の偏向手段を有するこ
    とを特徴とする請求項1の電子ビーム照明装置。
  3. 【請求項3】 前記電子光学系の光軸と前記共通の軸と
    は偏心していることを特徴とする請求項1乃至2の電子
    ビーム照明装置。
  4. 【請求項4】 電子ビーム透過部と電子ビーム不透過部
    でパターンが形成された第1物体を電子ビームで照明
    し、前記第1物体からの電子ビームを縮小電子光学系を
    介して第2物体上に縮小投影する電子ビーム露光装置に
    おいて、 電子ビームを放射する光源と、 前記光源から発散する電子ビームを収斂させる照明用電
    子光学系と、 共通の軸を中心とした2つの円筒面電極を有し、該2つ
    の円筒面電極間に電界をかけることにより該2つの電極
    間を通過する前記照明用電子光学系からの電子ビームを
    偏向して前記第1物体に照明する第1の偏向手段と、 前記縮小電子光学系の軸を中心とした2つの円弧で挟ま
    れた前記第1物体の円弧状領域からの電子ビームが前記
    投影光学系を通過する際に発生する収差を補正する補正
    手段とを有することを特徴とする電子ビーム露光装置。
  5. 【請求項5】 前記共通の軸と同じ軸を中心とした2つ
    の円筒面電極を有し、前記共通の軸に対し前記第1の偏
    向手段と逆の電界を該2つの円筒面電極間にかけること
    により該2つの電極間を通過する前記第1の偏向手段か
    らの電子ビームを偏向させる第2の偏向手段を有するこ
    とを特徴とする請求項4の電子ビーム露光装置。
  6. 【請求項6】 前記照明用電子光学系の光軸と前記共通
    の軸とは偏心していることを特徴とする請求項4乃至5
    の電子ビーム露光装置。
  7. 【請求項7】 前記縮小電子光学系の光軸と前記共通の
    軸とが一致すること特徴とする請求項4乃至6の電子ビ
    ーム露光装置。
  8. 【請求項8】 前記補正手段は、電子ビームを発散また
    は収斂作用を有し、前記円弧状領域の切線方向と動径方
    向とでは発散また収斂作用が異なることを特徴とする請
    求項4の電子ビーム露光装置。
  9. 【請求項9】 前記補正手段は、円弧状の開口を有する
    電極を有することを特徴とする請求項8の電子ビーム露
    光装置。
  10. 【請求項10】 前記第1物体を所定方向に移動させる
    手段と、前記第2物体を前記所定方向に移動させる手段
    と、露光の際、前記第2物体の移動に同期して前記第1
    物体を前記所定方向に移動させる制御手段を有すること
    を特徴とする請求項4乃至9の電子ビーム露光装置。
  11. 【請求項11】 前記第1物体を電子ビームで照明する
    際、照明領域を前記円弧状の領域に規定する照明領域規
    定手段を有することを特徴とする請求項4乃至11の電
    子ビーム露光装置。
  12. 【請求項12】 前記照明領域規定手段は、前記第1物
    体と電子光学的に共役な位置に配置されることを特徴と
    する請求項11の電子ビーム露光装置。
  13. 【請求項13】 請求項4乃至12の電子ビーム露光装
    置を用いてデバイスを製造することを特徴とするデバイ
    ス製造方法。
  14. 【請求項14】 電子ビームを放射する光源を用いて物
    体を照明する電子ビーム照明方法において、 電子光学系によって前記光源から発散する電子ビームを
    収斂させる段階と、 予め決められた軸を中心とした2つの円弧で挟まれた前
    記第1物体の円弧状領域を照明するために、前記予め決
    められた軸を中心とした放射方向に前記電子光学系から
    の電子ビームを偏向する第1の偏向段階とを有すること
    を特徴とする電子ビーム照明方法。
  15. 【請求項15】 前記予め決められた軸を中心とし前記
    第1の偏向段階と逆の放射方向に前記第1の偏向段階か
    らの電子ビームを偏向させる第2の偏向段階を有するこ
    とを特徴とする請求項14の電子ビーム照明方法。
  16. 【請求項16】 前記電子光学系の光軸と前記予め決め
    られた軸とは偏心していることを特徴とする請求項14
    乃至15の電子ビーム照明方法。
  17. 【請求項17】 電子ビーム透過部と電子ビーム不透過
    部でパターンが形成された第1物体を電子ビームで照明
    し、前記第1物体からの電子ビームを縮小電子光学系を
    介して第2物体上に縮小投影する電子ビーム露光方法に
    おいて、 光源から電子ビームを放射させる段階と、 照明用電子光学系によって前記光源から発散する電子ビ
    ームを収斂させる段階と、 前記縮小電子光学系の光軸を中心とした2つの円弧で挟
    まれた前記第1物体の円弧状領域を照明するために、前
    記縮小電子光学系の光軸を中心とした放射方向に前記照
    明用電子光学系からの電子ビームを偏向する第1の偏向
    段階と、 前記第1物体の円弧状領域からの電子ビームが前記投影
    光学系を通過する際に発生する収差を補正する補正段階
    とを有することを特徴とする電子ビーム露光方法。
  18. 【請求項18】 前記縮小電子光学系の光軸を中心とし
    前記第1の偏向段階と逆の放射方向に前記第1の偏向段
    階からの電子ビームを偏向させる第2の偏向段階を有す
    ることを特徴とする請求項4の電子ビーム露光方法。
  19. 【請求項19】 前記照明用電子光学系の光軸と前記縮
    小電子光学系の光軸とは偏心していることを特徴とする
    請求項4乃至5の電子ビーム露光方法。
  20. 【請求項20】 前記補正段階は、電子ビームを発散ま
    たは収斂させ、前記円弧状領域の切線方向と動径方向と
    では発散また収斂作用が異なることを特徴とする請求項
    17の電子ビーム露光方法。
  21. 【請求項21】 露光の際、前記第2物体の移動に同期
    して前記第1物体を前記所定方向に移動させる段階を有
    することを特徴とする請求項17乃至20の電子ビーム
    露光方法。
  22. 【請求項22】 前記第1物体を電子ビームで照明する
    際、照明領域を前記円弧状の領域に規定する段階を有す
    ることを特徴とする請求項17乃至21の電子ビーム露
    光方法。
  23. 【請求項23】 請求項17乃至22の電子ビーム露光
    方法を用いてデバイスを製造することを特徴とするデバ
    イス製造方法。
JP9018773A 1996-10-25 1997-01-31 電子ビーム照明装置及び該装置を備えた電子ビーム露光装置 Withdrawn JPH10214777A (ja)

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DE69727112T DE69727112T2 (de) 1996-10-25 1997-10-23 Elektronenstrahl-Belichtungsgerät und Belichtungsverfahren
EP97118465A EP0838837B1 (en) 1996-10-25 1997-10-23 Electron beam exposure apparatus and method
KR1019970055139A KR100278045B1 (ko) 1996-10-25 1997-10-25 전자빔노광장치 및 전자빔노광방법

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