JPH10172828A - ソレノイド用ステータコア - Google Patents

ソレノイド用ステータコア

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JPH10172828A
JPH10172828A JP32873396A JP32873396A JPH10172828A JP H10172828 A JPH10172828 A JP H10172828A JP 32873396 A JP32873396 A JP 32873396A JP 32873396 A JP32873396 A JP 32873396A JP H10172828 A JPH10172828 A JP H10172828A
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F7/00Magnets
    • H01F7/06Electromagnets; Actuators including electromagnets
    • H01F7/08Electromagnets; Actuators including electromagnets with armatures
    • H01F7/16Rectilinearly-movable armatures
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はソレノイドバルブの構成要素とされ
るソレノイド用ステータコアに関し、磁束の変化に伴う
渦電流の発生を抑制することを目的とする。 【解決手段】 中心軸12の周囲に、互いに周方向に密
着するように複数の磁性板を配設してソレノイド用ステ
ータコアを構成する。中心軸12の周囲に配設する複数
の磁性板を、径方向に分割された第1磁性板14と、第
2磁性板20と、第3磁性板28とで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソレノイド用ステ
ータコアに係り、特に、ソレノイドバルブの構成要素と
されるソレノイド用ステータコアに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、特開平4−3653
05号に開示される如く、ソレノイド用ステータコアが
知られている。上記従来のソレノイド用ステータコア
は、中心軸の周囲に複数の磁性板を備えている。これら
の磁性板は、中心軸の周辺から外周面の近傍まで同一の
板厚を有していると共に、周方向に隣接するもの同士が
互いに密着するように、中心軸を中心とする渦状に成形
されている。
【0003】また、上記の磁性板は、その一部に切欠き
部を備えている。磁性板の切欠き部は、複数の磁性板が
渦状に配列された際に、電磁コイルの収納スペースを形
成する。更に、上記の磁性板には、その表面および裏
面、すなわち、隣接するもの同士が接触する面に絶縁処
理が施されている。このため、隣接する磁性板の間で電
流、および、磁束の授受が行われることはない。
【0004】上記従来のステータコアは、個々の磁性板
が備える切欠き部によって構成される収納スペース内に
電磁コイルを収納した状態で、ソレノイドバルブの構成
要素として用いられる。ソレノイドバルブは、アーマチ
ャを備えている。アーマチャは、ステータコアから軸方
向に離間した位置に、その軸方向に変位可能に配設され
ている。
【0005】電磁コイルに励磁電流が流通すると、電磁
コイルの内外周を還流する磁束が発生する。ステータコ
アを構成する個々の磁性板は、ステータコアとアーマチ
ャとの間に形成されるエアギャップ、および、アーマチ
ャと共に、電磁コイルの内外周を還流する磁束が流通す
るための磁気回路を構成する。
【0006】上記の磁気回路を通る磁束が発生すると、
アーマチャにはステータコアに向かう電磁力が作用す
る。また、電磁コイルを流通する励磁電流を遮断すれ
ば、その電磁力を消滅させることができる。従って、電
磁コイルに対する励磁電流を制御することにより、アー
マチャをステータコアに近接させること、および、離間
させること、すなわち、ソレノイドバルブの機能を実現
することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のステータコ
アにおいて、ステータコアを流通する磁束が増減する過
程では、ステータコアにその磁束の変化率に応じた誘導
起電力が発生する。その結果、ステータコアには、磁束
の変化を抑制する向きに還流する渦電流が発生する。
【0008】ステータコアを流通する磁束は、その変化
に伴って生ずる渦電流が小さく、早期に消滅するほど急
激に変化することができる。また、ソレノイドバルブに
優れた応答性を付与するためには、電磁コイルを流れる
励磁電流の変化に対して、ステータコアを流れる磁束を
速やかに変化させることが必要である。従って、ソレノ
イドバルブの応答性を確保するうえでは、ステータコア
に発生する渦電流を抑制して速やかに消滅させることが
重要である。
【0009】上述の如く、上記従来のステータコアは、
表面および裏面に絶縁処理の施された複数の磁性板によ
り構成されている。従って、ステータコアに発生する渦
電流は個々の磁性板内で還流する。渦電流を抑制して早
期に消滅させるためには、渦電流の流れる磁性体の板厚
が薄いほど有利である。このため、上記従来のステータ
コアの如く、渦電流が板厚の薄い磁性板毎に発生する構
成は、渦電流を抑制して早期に消滅させるうえで有利な
構成である。従って、上記従来のステータコアによれ
ば、ソレノイドバルブに対して優れた応答性を付与する
ことができる。
【0010】しかし、ソレノイドバルブに対して、より
優れた応答性が要求される場合には、ステータコアに対
して、上記従来のステータコアに比して更に渦電流の発
生を抑制する特性を付与することが必要である。本発明
は、上述の点に鑑みてなされたものであり、上記従来の
ステータコアに比して更に渦電流の発生を抑制すること
のできるソレノイド用ステータコアを提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、中心軸の周囲に、互いに周方向に密着
するように配設された複数の磁性板を有するソレノイド
用ステータコアにおいて、前記磁性板が径方向に分割さ
れているソレノイド用ステータコアにより達成される。
【0012】本発明において、ソレノイド用ステータコ
アは、磁性板の幅単位で周方向に区分されていると共
に、径方向にも区分されている。ソレノイド用ステータ
コアを流通する磁束が変化した場合に発生する渦電流
は、還流し得る磁性体の面積が小さいほど小さな値に抑
制される。従って、本発明に係るソレノイド用ステータ
コアを構成する個々の磁性板に発生する渦電流は、径方
向に区分されていない磁性板に発生する渦電流に比して
更に抑制される。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である
ソレノイド用ステータコア10(以下、ステータコア1
0と称す)の平面図を示す。また、図2は、ステータコ
ア10を図1に示すII-II 直線に沿って切断することで
得られる断面図を示す。
【0014】ステータコア10は中心軸12を備えてい
る。中心軸12は、非磁性材料で構成された円筒状の部
材である。中心軸12の周囲には、複数の第1磁性板1
4が配設されている。第1磁性板14は、ケイ素鋼板を
打ち抜くことで形成される薄板である。第1磁性板14
は、打ち抜き加工において剪断面とされた4つの面を除
く2つの面、すなわち、その表面および裏面に絶縁層1
6を備えている。絶縁層16は、電流および磁束の流通
を阻止する特性を有している。第1磁性板14は、均一
な板厚を有していると共に、中心軸12の近傍の部位か
らそれらの外周側端近傍の部位まで、互いに隣接するも
の同士が密着状態となるように、渦状に成形されてい
る。以下、周方向に密着する複数の第1磁性板14によ
って形成される領域を第1領域18と称す。
【0015】第1領域18の周囲には、複数の第2磁性
板20が配設されている。第2磁性板20は、第1磁性
板14と同様に、ケイ素鋼板を打ち抜くことで形成され
ていると共に、その表面および裏面に絶縁層22を備え
ている。第2磁性板20は、均一な板厚を有していると
共に、第1領域18近傍の部位から、それらの外周側端
近傍の部位まで、互いに隣接するもの同士が密着状態と
なるように渦状に成形されている。以下、周方向に密着
する複数の第2磁性板20によって形成される領域を第
2領域24と称す。尚、本実施例においては、第2領域
24における渦の回転方向と、第1領域18における渦
の回転方向とが逆向きに設定されている。
【0016】図3は、第1領域18と第2領域24との
境界部分の拡大図を示す。本実施例において、第1磁性
板14および第2磁性板20は、共にそれらの表面およ
び裏面に対してほぼ垂直な剪断面を有している。このた
め、第1磁性板14の端部(剪断面)と第2磁性板20
の端部(剪断面)との間には、微小な空気層26が形成
されている。空気層26は、第1磁性板14の端面と第
2磁性板20の端面との間での磁束の授受を許容しつ
つ、それらの間での電流の授受を阻止する。
【0017】図1に示す如く、第2領域24の周囲に
は、複数の第3磁性板28が配設されている。第3磁性
板28は、第1および第2磁性板14,20と同様に、
ケイ素鋼板を打ち抜くことで形成されていると共に、そ
の表面および裏面に絶縁層30を備えている。第3磁性
板28は、均一な板厚を有していると共に、第2領域2
4近傍の部位から、それらの外周側端近傍の部位まで、
互いに隣接するもの同士が密着状態となるように渦状に
成形されている。以下、周方向に密着する複数の第3磁
性板28によって形成される領域を第3領域32と称
す。尚、本実施例においては、第3領域32における渦
の回転方向と、第2領域24における渦の回転方向とが
逆向きに設定されている。
【0018】本実施例において、第3磁性板28は、第
1および第2磁性板14,20と同様に、表面および裏
面に対してほぼ垂直な剪断面を有している。このため、
第3磁性板28の端部(剪断面)と第2磁性板20の端
部(剪断面)との間には、上記図3に示す空気層26と
同様に、微小な空気層が形成されている。この空気層
は、第2磁性板20の端面と第3磁性板28の端面との
間での磁束の授受を許容し、かつ、それらの間での電流
の授受を阻止する。
【0019】本実施例のステータコア10は、第3領域
32の外周を取り巻くケース34を備えている。ケース
34は、非磁性材料で構成された環状の部材である。第
1乃至第3磁性板14,20,28は、ケース34に拘
束されることにより、安定して適正な状態に維持され
る。
【0020】図2に示す如く、第2磁性板20は、第1
磁性板14および第3磁性板28に比して高さ方向の寸
法が小さく設計されている。このため、ステータコア1
0には、第2領域24と対応する環状溝が形成されてい
る。ステータコア10は、この環状溝の内部に電磁コイ
ル(図示せず)を収納した状態でソレノイドバルブの構
成要素として用いられる。
【0021】具体的には、上記従来のステータコアは、
ソレノイドバルブを駆動する電磁力を発生させるための
磁気回路の一部を構成する部材として用いられる。ソレ
ノイドバルブは、駆動すべきバルブに固定されたアーマ
チャを備えている。アーマチャは、ステータコア10の
近傍に、ステータコア10の軸方向に変位可能に保持さ
れている。ステータコア10は、ステータコア10とア
ーマチャとの間に形成されるエアギャップ、および、そ
のアーマチャと共に、ステータコア10の環状溝に収納
される電磁コイルの内外周を取り巻く磁気回路を構成す
る。
【0022】すなわち、電磁コイルに対して所定の励磁
電流が供給されると、電磁コイルの内外周を取り巻いて
還流する磁界が発生する。上述の如く、ステータコア1
0の構成要素である第1乃至第3磁性板14,20,2
8は、空気層を介して磁束の授受を行うことができる。
このため、上記の磁界が発生すると、ステータコア1
0、アーマチャ、および、エアギャップからなる磁気回
路に磁束が流通する。
【0023】このようにしてステータコア10およびア
ーマチャを流通する磁束が発生すると、アーマチャをス
テータコア10側へ引き寄せる電磁力が発生する。この
電磁力は、電磁コイルに供給されている励磁電流を遮断
することにより消滅させることができる。ソレノイドバ
ルブは、この電磁力を駆動力としてバルブを駆動する。
【0024】ソレノイドバルブの作動中に電磁コイルへ
の励磁電流の供給が開始されると、その後、ステータコ
ア10に磁束Φが流通し始める。また、電磁コイルへの
励磁電流の供給が停止されると、その後、ステータコア
10を貫いて流れる磁束Φが減少し始める。ステータコ
ア10を流通する磁束Φがこのように増減する際には、
ステータコア10を構成する第1乃至第3磁性板14,
20,28に、その磁束Φの変化率 dΦ/dt に応じた誘
導起電力eが発生する。そして、この誘導起電力eは、
第1乃至第3磁性板14,20,28のそれぞれに、磁
束Φの変化を抑制する向きに還流する渦電流を発生させ
る。
【0025】ソレノイドバルブにおいては、励磁電流の
変化が速やかに磁束Φの変化に反映されるほど、優れた
応答性が実現される。また、励磁電流の変化は、渦電流
の消滅速度が早いほど、速やかに磁束Φに反映される。
従って、ソレノイドバルブにおいて、優れた応答性を確
保するためには、ステータコア10に発生する渦電流を
小さな値に抑制して速やかに消滅させることが必要であ
る。
【0026】ステータコア10を流通する磁束Φが増減
する際に、第1磁性板14に発生する誘導起電力eは、
第1磁性板14の断面積S1 を次式中Siに代入するこ
とで求めることができる。 e=− dΦ/dt =−( dB/dt )・Si ・・・(1) 同様に、ステータコア10を流通する磁束Φが増減する
際に、第2磁性板20および第3磁性板28のそれぞれ
に発生する誘導起電力eは、第2磁性板20の断面積S
2 、または、第3磁性板28の断面積S3 を上記(1)
式中Siに代入することで求めることができる。
【0027】一方、第1乃至第3磁性板14,20,2
8が径方向に分割されていないとすれば、すなわち、第
1乃至第3磁性板14,20,28が一枚の磁性板(以
下、この磁性板を仮想磁性板と称す)によって構成され
ているとすれば、仮想磁性板に生ずる誘導起電力eは、
次式の如く表すことができる。
【0028】 e=− dΦ/dt =−( dB/dt )・(S1 +S2 +S3 ) ・・・(2) 上述の如く、ステータコア10の構成要素である第1乃
至第3磁性板14,20,28の間では、空気層によっ
て電流の授受が阻止される。このため、第1乃至第3磁
性板14,20,28には、上記(1)式に表される誘
導起電力eに応じた渦電流が、互いに独立した状態で発
生する。
【0029】第1乃至第3磁性板14,20,28のそ
れぞれに、上記の如く独立した状態で発生する渦電流
は、上記(2)式に表される誘導起電力e、すなわち、
第1乃至第3磁性板14,20,28に現れる誘導起電
力を直列に加算した値に等しい誘導起電力eに起因し
て、仮想磁性板内に単一の流れとして発生する渦電流に
比して小さなものとなる。従って、磁束Φが変化した際
に第1乃至第3磁性板14,20,28に発生する渦電
流は、仮想磁性板に発生する渦電流に比して速やかに消
滅する。
【0030】このように、ステータコア10によれば、
複数の仮想磁性板によって構成されているステータコア
に比して、磁束Φの変化に伴う渦電流の発生を抑制し、
発生した渦電流を早期に消滅させることができる。この
ため、本実施例のステータコア10によれば、仮想磁性
板によって構成されるステータコアが用いられる場合に
比して、ソレノイドに対して、優れた応答性を付与する
ことができる。
【0031】次に、図4を参照して、本実施例のステー
タコア10の製造方法について説明する。図4は、ステ
ータコア10が製造される過程の各段階における形状
と、各段階で行われる加工の内容とを表す工程図を示
す。図4に示す如く、ステータコア10の製造工程で
は、先ず工程100において、磁性板の打ち抜き・成形
加工が行われる。本工程100では、具体的には、第1
乃至第3磁性板14,20,28の基材であるケイ素鋼
板を、第1乃至第3磁性板14,20,28の形状に打
ち抜く加工、および、湾曲状に成形する加工が行われ
る。
【0032】工程102では、第1磁性板14を、必要
枚数だけ中心軸12の周囲に放射状に整列させる作業が
行われる。第1磁性板14は、隣接するもの同士が互い
に密着するに足る枚数だけ配列される。工程104で
は、第1領域18を、適正な形状に成形する加工が行わ
れる。本工程104では、具体的には、先ず上記工程
102で並べられた複数の第1磁性板14に対して縮径
方向の圧縮力を加えながら、それら複数の第1磁性板1
4の外周側端部に、第1領域18における渦の回転方向
と同じ向きのトルクを加える加工が行われる。上記の加
工により、隣接する第1磁性板14同士の密着性を高め
ることができると共に、第1領域18を所定径の円筒形
状に成形することができる。
【0033】本工程104では次に、レーザー溶接に
よって第1領域18を構成する複数の第1磁性板14を
相互に仮固定する加工が行われる。本実施例において、
レーザー溶接は、第1領域18の側面の全周を取り囲む
ように、第1領域18の上下2か所において行われる。
上記の加工が終了すると、以後、ステータコア10の製
造工程中に第1領域18を構成する複数の第1磁性板1
4に緩みが生ずるのを防止することができる。
【0034】工程106では、第2領域24を加設する
加工が行われる。本工程106では、第1領域18を形
成した場合と同様に、第1領域18の周囲に複数の第
2磁性板20を整列させる作業、第2領域24を所定
径の円筒形状に成形する加工、および、第2領域24
を構成する複数の第2磁性板20を相互に仮固定する加
工が行われる。
【0035】工程108では、第3領域32を加設する
加工、および、ステータコア10を完成させるための仕
上げ加工が行われる。本工程108では、先ず、第3領
域32を形成するために、第2領域24の周囲に複数
の第3磁性板28を整列させる作業、第3領域32を
所定径の円筒形状に成形する加工、および、第3領域
32を構成する複数の第3磁性板28を相互に仮固定す
る加工が行われる。
【0036】本工程108では、次に、ステータコア1
0の仕上げ加工として、第3領域32の外周にケース
34を嵌合させた後、縮径方向の圧縮力を加えることに
よりケース34を縮径方向に絞り込む加工、および、
第1乃至第3磁性板14,20,28の残留応力を除去
するための焼きなまし処理が実行される。上記の加工
によれば、以後、ステータコア10を構成する第1乃至
第3領域18,24,32に緩みが生ずるのを防止する
ことができる。また、上記の加工によれば、以後、第
1乃至第3磁性板14,20,28に適正な磁性を発揮
させることができる。
【0037】上述の如く、上記の製造方法によれば、本
実施例のステータコア10を容易に製造することができ
る。尚、上記の製造方法においては、第1乃至第3領域
18,24,32を所定径の円筒形状に成形した後に、
それぞれ第1乃至第3領域18,24,32に仮固定の
加工を施すこととしているが、これらの加工は省略して
もよい。
【0038】次に、図5を参照して、本発明の第2実施
例について説明する。尚、図5において、上記図3と同
様の構成部分については、同一の符合を付してその説明
を省略する。図5は、本実施例のステータコアが備える
第1領域18と第2領域20との境界部分の拡大図を示
す。本実施例のステータコアは、第1領域18と第2領
域20との境界部分に鉄粉層36を備えている。鉄粉層
36は、上記図3に示す空気層26に鉄粉を封入するこ
とにより実現される。
【0039】上記第1実施例のステータコア10におい
ては、第1磁性板14と第2磁性板20との間での磁束
の授受を許容し、かつ、両者間での電流の授受を阻止す
るために第1領域18と第2領域24との間に空気層2
6が形成されている。しかし、空気層26は、電流の授
受を阻止すると共に磁性体に比して大きな磁気抵抗を発
生させる。従って、第1磁性板14と第2磁性板20の
境界部における磁気抵抗を抑制するためには、両者間に
磁性体が満たされていることが望ましい。
【0040】ところで、本実施例のステータコアにおい
て、第2磁性板20と鉄粉層36との境界部は、接触抵
抗により比較的大きな電気抵抗を示す。同様に、第1磁
性板14と鉄粉層36との境界部にも、比較的大きな電
気抵抗が形成される。このため、第1領域18と第2領
域24との間に鉄粉層36を形成すると、第1磁性板1
4と第2磁性板20との間での電流の授受を適正に阻止
しつつ、両者間の磁気抵抗を第1実施例の場合に比して
低下させることができる。
【0041】本実施例のステータコアは、第2領域24
と第3領域32との間にも鉄粉層36を備えている。従
って、本実施例のステータコアによれば、ステータコア
を流れる磁束に変化が生じた際に、第1実施例の場合と
同様に第1乃至第3磁性板14,20,28のそれぞれ
に個別に渦電流を発生させることができると共に、第1
領域18から第3領域32までの経路中に生ずる磁気抵
抗を、第1実施例の場合に比して小さな値に抑制するこ
とができる。
【0042】ソレノイドバルブを駆動する電磁力は、ス
テータコアが小さな磁気抵抗を示すほど、小さなエネル
ギで発生させることができる。従って、本実施例のステ
ータコアによれば、ソレノイドバルブに対して、第1実
施例のステータコア10と同様に優れた応答性を付与す
ることができると共に、第1実施例のステータコア10
に比して優れた省エネルギ特性を付与することができ
る。
【0043】次に、図6を参照して、本発明の第3実施
例について説明する。尚、図6において、上記図3と同
様の構成部分については、同一の符合を付してその説明
を省略する。図6は、本実施例のステータコアが備える
第1領域38と第2領域40との境界部分の拡大図を示
す。本実施例のステータコアにおいて、第1領域38お
よび第2領域40は、それぞれ複数の第1磁性板42お
よび複数の第2磁性板44により構成されている。
【0044】第1磁性板42は、図6に示す如く、その
外周側端部に、隣接するもの同士が滑らかな連続する剪
断面を備えている。このため、本実施例のステータコア
において、第1領域38の側面は滑らかな円弧状に成形
されている。同様に、第2磁性板44は、その外周側端
部に、隣接するもの同士が滑らかな連続する剪断面を備
えている。このため、本実施例のステータコアにおい
て、第2領域40の側面は滑らかな円弧状に成形されて
いる。
【0045】第1磁性板42および第2磁性板44が備
える上記の滑らかな剪断面は、第1実施例の手法と同様
の手法で第1領域を成形した後、その側面を滑らに切削
し、かつ、第1実施例の手法と同様の手法で第2領域を
成形した後、その側面を滑らに切削することにより形成
することができる。
【0046】第1領域38の側面が滑らかな円弧状に成
形されていると、第1領域38と第2領域40とを、そ
れらの境界部において当接させることができる。同様
に、第2領域40の側面が滑らかな円弧状に成形されて
いると、第2領域40と図示しない第3領域とを、それ
らの境界部において当接させることができる。尚、これ
らの境界面には、加工精度上の限界から、必然的にある
程度の空気層が形成される。
【0047】第1領域38と第2領域40とが上記の如
くその境界部において当接しており、かつ、第2領域4
0と図示しない第3領域とが上記の如くその境界部にお
いて当接していると、第1領域38から第3領域までの
経路中に発生する磁気抵抗を小さな値に抑制することが
できる。一方、各領域の境界部には、領域同士の当接部
分に接触抵抗が生ずること、および、それらの境界部に
必然的に僅かな空気層が形成されることに起因して、比
較的大きな電気抵抗が形成される。
【0048】このため、本実施例のステータコアによっ
ても、上述した第2実施例のステータコアと同様に、ソ
レノイドバルブに対して優れた応答性と優れた省エネル
ギ特性とを付与することができる。次に、図7を参照し
て、本発明の第4実施例について説明する。尚、図7に
おいて、上記図3と同様の構成部分については、同一の
符合を付してその説明を省略する。
【0049】図7は、本実施例のステータコアが備える
第1領域18と第2領域46との境界部分の拡大図を示
す。尚、本実施例のステータコアは、上記第1実施例の
ステータコア10と同様に、第1磁性板14と同じ回転
方向に湾曲する第3磁性板28、および、第3磁性板2
8によって構成される第3領域32を備えている。
【0050】本実施例のステータコアにおいて、第2領
域46は複数の第2磁性板48により構成されている。
第2磁性板48は、第1領域14および第3領域(図示
せず)における渦の回転方向と同じ方向に湾曲してい
る。すなわち、本実施例のステータコアにおいて、第1
磁性板14、第2磁性板48、および、第3磁性板28
は、全て同じ方向に湾曲している。
【0051】図7に示す如く、第1磁性板14と第2磁
性板48とが同じ方向に湾曲していると、それらの端部
(剪断面)を互いに当接させることができる。同様に、
第2磁性板48と第3磁性板28とが同じ方向に湾曲し
ていると、それらの端部(剪断面)を互いに当接させる
ことができる。尚、各磁性板の当接部には、加工精度上
の限界から、必然的にある程度の空気層が形成される。
【0052】第1磁性板14と第2磁性板48とが上記
の如くそれらの端部において当接しており、かつ、第2
磁性板48と第3磁性板28とがそれらの端部において
当接していると、第1磁性板14から第3磁性板28ま
での経路中に発生する磁気抵抗を小さな値に抑制するこ
とができる。一方、各磁性板の当接部には、当接部分に
生ずる接触抵抗および必然的に形成される空気層の影響
で、比較的大きな電気抵抗が形成される。
【0053】このため、本実施例のステータコアによっ
ても、上述した第2実施例のステータコアおよび第3実
施例のステータコアと同様に、ソレノイドバルブに対し
て優れた応答性と優れた省エネルギ特性とを付与するこ
とができる。ところで、上記第1乃至第4実施例におい
ては、ステータコアを構成する複数の磁性板を渦状に成
形することとしているが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、内周側に比して外周側に大きな板厚が付与
された磁性板を、中心軸に対して放射状に配列すること
としてもよい。
【0054】また、上記の実施例においては、ステータ
コアを構成する複数の磁性板を、径方向に3分割するこ
ととしているが、本発明はこれに限定されるものではな
く、それらの磁性板を径方向に2つ、或いは、4つ以上
に分割することとしてもよい。
【0055】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、ソレノイ
ド用ステータコアを流通する磁束の密度が変化する際に
各磁性板に生ずる渦電流を、磁性板が径方向に分割され
ていない場合に比して早期に消滅させることができる。
このため、本発明に係るソレノイド用ステータコアによ
れば、優れた応答性を示すソレノイドバルブを実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるステータコアの平面図
である。
【図2】本発明の一実施例であるステータコアを図1に
示すII-II 直線に沿って切断することで得られる断面図
である。
【図3】本発明の一実施例であるステータコアの第1領
域と第2領域の境界部を拡大して表した図である。
【図4】本発明の一実施例であるステータコアの製造方
法を表す工程図である。
【図5】本発明の第2実施例であるステータコアの第1
領域と第2領域の境界部を拡大して表した図である。
【図6】本発明の第3実施例であるステータコアの第1
領域と第2領域の境界部を拡大して表した図である。
【図7】本発明の第4実施例であるステータコアの第1
領域と第2領域の境界部を拡大して表した図である。
【符号の説明】
10 ステータコア 12 中心軸 14;42 第1磁性板 18;38 第1領域 20;44;48 第2磁性板 24;40;46 第2領域 26 空気層 28 第3磁性板 32 第3領域 36 鉄粉層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心軸の周囲に、互いに周方向に密着す
    るように配設された複数の磁性板を有するソレノイド用
    ステータコアにおいて、 前記磁性板が径方向に分割されていることを特徴とする
    ソレノイド用ステータコア。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011155079A (ja) * 2010-01-26 2011-08-11 Tokuden Co Ltd 環状鉄心及び静止誘導機器用鉄心

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