JPH10172824A - 誘導電器の超電導コイル - Google Patents

誘導電器の超電導コイル

Info

Publication number
JPH10172824A
JPH10172824A JP27677197A JP27677197A JPH10172824A JP H10172824 A JPH10172824 A JP H10172824A JP 27677197 A JP27677197 A JP 27677197A JP 27677197 A JP27677197 A JP 27677197A JP H10172824 A JPH10172824 A JP H10172824A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
superconducting
unit coils
parallel
wires
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27677197A
Other languages
English (en)
Inventor
Manabu Saijo
学 西條
Masayoshi Ito
政芳 伊藤
Kazuo Funaki
和夫 船木
Naritaka Iwakuma
成卓 岩熊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP27677197A priority Critical patent/JPH10172824A/ja
Publication of JPH10172824A publication Critical patent/JPH10172824A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】半径方向に重ねて並列接続する複数の超電導線
を巻回してなる超電導コイルのそれぞれの超電導線に流
れる電流の分担比率を均一にして電流分担が最大の超電
導線の電流分担の値を低減して、誘導電器の許容電流の
低下を抑制する。 【解決手段】3本の超電導線A1 ,A2 ,A3 の半径方
向位置を変える転位箇所を2箇所又は5箇所設けて、こ
の転位箇所で分割される3又は6の数の転位区分を重ね
並列本数と同じかその倍数の数だけ形成してそれぞれの
超電導線の半径位置の違いによって生ずる誘起電圧の差
を打ち消して超電導線の電流分担を平衡させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、変圧器やインダ
クタなどの誘導電器に使用される超電導コイルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】超電導コイルは高磁界発生手段として種
々の分野で実用されている。一方、変圧器のような交流
機器への超電導コイルの適用は、超電導導体が交流によ
って損失を発生するという現象があることから、その実
用化は進んでいない。近年、超電導導体素線の細線化に
よる交流損失の小さな超電導線が開発されて変圧器など
の交流電器への適用研究が行われている。その場合、ヘ
リウムの蒸発温度である4°Kの極低温で超電導状態を
維持する金属超電導体が使用された超電導線に代わっ
て、液体窒素による冷却で超電導状態になる酸化物超電
導体を使用した超電導線が実用的な超電導材料として使
用されることがある。酸化物超電導体は高温超電導体と
も呼ばれており、この高温超電導体を使用した超電導線
は金属超電導体を使用した超電導線に比べて運転コスト
が低いという特長がある。
【0003】図17は変圧器のコイル構成図を兼ねた漏
れ磁束分布図である。鉄心1、内側コイル2、外側コイ
ル3はそれぞれ断面図を示しており、これらは同心状に
配置されており、その対称軸はこの図の鉄心1の左側に
ある。したがって、鉄心1の外径側に内側コイル2、更
にその外径側に外側コイル3が配置されていることを示
している。
【0004】外側コイル3と内側コイル2の図の上下方
向である軸方向の寸法は絶縁構造、電磁力耐力などの点
が考慮されて同じ寸法にするとともに、軸方向に対称に
配置されている。コイルに流れる負荷電流によって発生
する漏れ磁束は軸方向コイル中央部では殆どの成分が上
下方向に向いているが、上下のコイル端部付近では両側
に開くように曲がった分布になっている。この図では軸
方向寸法を短縮して描いてあり、実際の変圧器コイルで
は、一般にコイル高さと呼ばれる軸方向寸法はコイル幅
と呼ばれる半径方向寸法の10倍以上あるのが普通なの
で、それぞれのコイル2、3の断面形状は図示よりもは
るかに細長いのが実際である。したがって、磁束分布も
軸方向に平行に分布している範囲が図示よりもはるかに
広い。この図はコイルの上下端部の漏れ磁束の曲がりを
強調した図となっている。
【0005】図示のように内側コイル2の電流の方向を
紙面から手前に向かう方向、外側コイル3の電流の方向
を反対に紙面に侵入する方向にとると、漏れ磁束100
の方向は上向きになる。また、外側コイル3の上端部を
通る磁束線101の半径方向成分は図示のように内径側
から外径側に向かう。図18は内側コイル、外側コイル
ともに超電導導線が使用された超電導コイルからなる変
圧器コイルのコイル構成図である。この図において、鉄
心1のすぐ外径側に配置された内側コイル20は3本の
並列接続された超電導線A1,A2,A3からなってい
る。ここでは内側コイルについてだけを対象としている
ので外側コイル3については単に断面だけを示してあ
る。
【0006】周知のように変圧器コイルにおいて複数の
導体を並列に使用するときには、転位が行われる。すな
わち、複数の導線の相対位置を変えることによってそれ
ぞれの導体を磁気的に一致させて誘起電圧の差を小さく
し、これによってそれぞれの導線の電流分担を均一にす
るためである。図示のように転位をしない内側コイル2
0の場合、3本の超電導線がそれぞれ電流を均一に分担
した場合の電流値をそれぞれ100%とすると、1本の
超電導線に電流が集中して300%近い電流が流れると
いう現象が生ずる。
【0007】交流電流が流れる超電導線では交流損が発
生することが知られており、電気回路的にはこの損失は
抵抗値になるが、その値は小さいので前述の複数導線の
間の電流不平衡の原因となる循環電流はインダクタンス
値で決まると考えてよい。一方、銅やアルミなどの通常
の導体が使用される変圧器コイルでは並列導体間の循環
電流は抵抗値で決まると考えて良い場合が殆どである。
【0008】負荷電流によって発生した漏れ磁束による
それぞれの並列導体の誘起電圧の差を導線のインピーダ
ンスで除した値が循環電流となるのであるが、通常の導
線の場合にはインピーダンスは抵抗値だけと見なせるの
で循環電流は負荷電流に対して位相が90°ずれたもの
になる。そのため、例えば30パーセントの循環電流が
生じたとしても、1本の導線に流れる電流は負荷電流の
100%とこれに90°の位相差のある30%の循環電
流とのベクトル和になってその絶対値はそれぞれの二乗
の和の平方根になることから、約105%と循環電流の
割りには電流値の増加は小さい。
【0009】一方、超電導線の場合、循環電流を決める
インピーダンスは殆どインダクタンスで決まると考えて
よいので、循環電流は負荷電流と同相になる。したがっ
て、仮に循環電流が10%だとすると、負荷電流にこの
循環電流が加算される超電導線の電流は110%にな
る。超電導線の場合、単に電流が110%になって、こ
れに伴って発生損失が120%になるというだけではな
く、更に大きな影響を与える。周知のように、超電導線
の場合、超電導状態を維持するのに必要な条件があっ
て、それは、温度、磁束密度及び電流値である。温度、
磁束密度が同じ条件下では110%の超電導線が存在す
ると、全体の電流許容値は約90%にまで低下してしま
う。このように、超電導コイルでは通常のコイルに比べ
て並列導体の電流不平衡の影響ははるかに大きい。しか
も、前述のように、超電導コイルの電流不平衡の原因で
ある循環電流はインダクタンスによって決まるから、超
電導線の断面寸法には影響されないという特徴がある。
一方、通常のコイルでは前述のように抵抗値によって循
環電流の値が決まるが、抵抗値は寸法に逆比例するの
で、寸法が小さいほどその値は大きくなる。一方前述の
ように誘起電圧は寸法の二乗に比例するから、通常のコ
イルでの循環電流は寸法の三乗に比例する。すわなち、
寸法が小さくなると循環電流は実質的に無視できる。た
とえば、前述のような3本の導線が半径方向に重ねられ
た導体の場合で、個々の導体の半径方向寸法、通常導体
厚さと呼ばれる寸法が2ミリ程度であれば転位をしなく
ても循環電流は実質的に問題にならない。しかし、超電
導線の場合は導体厚さが10mmであっても1mmであって
も同じ割合の循環電流が流れる。
【0010】このようなことから、超電導コイルでは複
数の導体を並列接続すると電流不平衡が大きな問題にな
るのであるが、これを解決するために転位を行うことは
超電導線にとって困難な技術的課題がある。そのため
に、従来の超電導コイルでは断面積の大きな超電導線1
本を巻回してコイルを製作するのが普通である。金属超
電導線は細線化された多数の超電導体を銅などの被覆材
で覆って構成されるが、被覆材の中で多数本の超電導体
は撚られてそれぞれの超電導体ごとの電流分担が一様に
なるような構成になっており、断面積の大きな、したが
って許容電流の大きな超電導線を製作することが可能で
ある。一方、前述の高温超電導線の場合での超電導体
は、銀などの良導体からなる被覆材で被覆された厚みが
数十μmのフィラメント状に生成される。高温超電導体
の場合には厚みの小さなフィラメント状に形成したあと
熱処理することによって良好な超電導特性を得ることが
できる。このようにフィラメント状に成形するために
は、被覆材で覆われた断面が円形状の高温超電導体の材
料を多数本撚り、これを押しつぶしてそれぞれの高温超
電導体の材料がフィラメント状になるようにする。した
がって、必然的に超電導線そのものが厚みが幅に比べて
はるかに小さな薄い線になる。そして、余り大きな寸法
の超電導線の製作は種々の技術的困難があって、特に変
圧器のコイルに使用できるような長尺のものの製作が困
難であるというのが現状であり、現在変圧器コイルに使
用が可能な高温超電導線の寸法は幅が約3mm、厚みが約
0.2mmという、通常の銅などの導線に比べればはるか
に小さな断面積のものである。ちなみにこのような超電
導線の許容電流は約40Aである。
【0011】このような高温超電導線を用いて変圧器コ
イルを構成する場合、必要とする電流がこの超電導線の
許容電流よりも大きい場合には、超電導線を必要本数並
列にして使用し、そして、複数の並列導体を転位して磁
気的に平衡させて結果的に電流の分担が一様になるよう
な構成の採用が必須となる。しかし、高温超電導線では
塑性変形を受けるほどの大きな変形は超電導体の超電導
特性を著しく低下させるという問題があって、超電導線
の寸法に応じた許容曲げ半径がある。前述の寸法の高温
超電導線ではこの許容曲げ半径は約1500mmである。
したがって、このような高温超電導線を使用した超電導
コイルの転位部はこの許容値以上の曲げ半径で超電導線
を曲げることによって形成される必要がある。通常の導
線の場合、塑性変形が極端におきるほどに曲げた場合、
塑性変形部に加工硬化が生じて導電率が小さくなるが実
際上問題になることはない。したがって、小さな曲げ曲
率で曲げることによって転位に要する範囲や加工時間を
短縮するような転位構造が採用される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】複数本の超電導線を並
列接続して構成された超電導コイルの例はなく、したが
って、超電導線を転位した例もない。しかし、前述のよ
うに高温超電導線を使用して変圧器などのコイルを構成
し、しかも比較的大きな許容電流のコイルを製作しよう
としたときに、複数の超電導線を並列接続すること、し
たがってこれらの並列超電導線を転位する構成を採用す
ることが必須であるという問題がある。
【0013】この発明の目的はこのような問題を解決
し、複数本の高温超電導線を並列接続して、それぞれの
高温超電導線の電流分担が平衡するよう転位を施した誘
導電器の超電導コイルを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
にこの発明によれば、円筒状の超電導コイルが、半径方
向に重ねられ電気的に並列接続される複数の超電導線が
軸方向に並べて巻回されてなり、これら半径方向に重ね
られた複数の超電導線が軸方向の少なくとも1箇所の転
位箇所でそれぞれの半径方向位置を変えることによっ
て、それぞれの超電導線の半径位置の違いによる誘起電
圧の違いを打ち消すことができる。
【0015】また、転位箇所を、超電導線が許容する曲
率半径を下回らない径で曲げて形成することによって、
超電導線の曲げ加工による許容電流値の低減を実質的に
回避することができる。また、転位箇所を境にして超電
導コイルが分割されて形成される複数の転位区分の数が
半径方向に重ねられた超電導線の数に等しいかその整数
倍になるように転位箇所を設定することによって、全て
の超電導線の半径方向位置を占める割合を平等にするこ
とができる。
【0016】前述の超電導コイルを4つ半径方向に重ね
て配置して、一つの超電導コイルを挟む2つの超電導コ
イルを同じ並列数の超電導線で構成しこれらを直列接続
した超電導コイルにおいて、一方の超電導コイルの超電
導線の電流分担の大きい方から順番に、他方の超電導コ
イルの超電導線の電流分担の小さい方からの順番に直列
接続する接続方式を採用すれば、電流分担の大きな分と
小さな分とが互いに打ち消しあって理想的に平衡率のよ
い超電導線の電流分担を得ることができることから、前
述のように、電流分担の不平衡による誘導電器の許容電
流の低下を最小限に抑制することができる。
【0017】また、転位区分の巻数をそれぞれ等しくす
ることによって、超電導線の半径方向位置の違いによる
不平衡電流の発生を低減することができる。又は、それ
ぞれの転位区分のうちの少なくとも1つが他の転位区分
に対して巻数が異なるようにし、それぞれの転位区分の
巻数の配分を適切に設定すれば,巻数を等分して転位区
分に割り当てる場合よりも電流分担をより改善できる場
合がある。この場合、端部転位区分の巻数を中央転位区
分の巻数よりも大きく選定すれば、漏れ磁束がコイルの
軸方向端部で拡散して磁束成分が軸方向に沿って一様で
ないことによる電流不平衡が小さくならない点を補っ
て、より優れた電流平衡を得ることができる。
【0018】同心状に配置されて軸方向の端部で直列に
接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単位コイルか
らなり、これらの単位コイルが、軸方向に並べて電気的
に並列接続される複数の超電導線を軸方向に並べて巻回
してなる超電導コイルにおいて、軸方向に並べて配置さ
れた並列超電導線が、端部の接続部でそれぞれの軸方向
位置を変える接続方法を採用すると、軸方向に並べて配
置した並列超電導線の間に電流不平衡がある場合に、並
列数に応じて可能な接続方法の中から最適の接続方法を
選択することによって軸方向の並べ並列超電導線間の電
流不平衡を小さくすることができる。
【0019】また、同心状に配置されて軸方向の端部で
直列に接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単位コ
イルからなり、これらの単位コイルが、半径方向に重ね
て電気的に並列接続される複数の超電導線を軸方向に並
べて巻回してなる超電導コイルにおいて、半径方向に重
ねて配置された並列超電導線が、端部の接続部でそれぞ
れの半径方向位置を変える接続方法を採用する。すなわ
ち、半径方向に重ねて電気的に並列接続される複数の超
電導線を軸方向に並べて巻回してなる単位コイルを同心
状に配置して直列接続したものにおいては、コイルの上
下端部の漏れ磁束の曲がりと、半径方向に重ねて並列接
続された各超電導線の巻回半径の違いによるインダクタ
ンスの違いとにより、並列接続された各超電導線間の電
流不平衡が生ずるが、上記のように、半径方向に重ねて
配置された並列超電導線が、単位コイル同士間の端部の
接続部でそれぞれの半径方向位置を変える接続方法を採
用すれば、並列数に応じて可能な接続方法の中から最適
の接続方法を選択することによって、このような半径方
向の重ね並列超電導線間の電流不平衡を小さくすること
ができる。
【0020】また、同心状に配置されて軸方向の端部で
直列に接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単位コ
イルからなり、これらの単位コイルが、軸方向に並べる
とともに半径方向にも重ねて電気的に並列接続される複
数の超電導線を軸方向に並べて巻回してなる超電導コイ
ルにおいて、軸方向に並べるとともに半径方向にも重ね
て配置された並列超電導線が、端部の接続部でそれぞれ
の半径方向位置、あるいはそれぞれの軸方向位置と半径
方向位置との両方を変える接続方法を採用すると、並列
数に応じて可能な接続方法の中から最適の接続方法を選
択することによって並列超電導線間の電流不平衡を小さ
くすることができる。
【0021】そして、超電導コイルが少なくとも3つの
単位コイルからなる場合には接続部は2箇所以上になる
ので、これらの接続部の接続方法を同じにすれば、接続
作業も同じになって効率的な接続作業を行うことができ
る。異なる接続方法を採用すれば、それぞれの接続方法
を最適なものを選択することで同じ接続方法を採用する
よりも更に電流不平衡が小さくなる。
【0022】同心状に配置されて軸方向の端部で直列に
接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単位コイルか
らなる内側コイルと、同心状に配置されて軸方向の端部
で直列に接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単位
コイルからなる相対的に内側コイルよりも外径側に配置
される外側コイルとからなり、それぞれの単位コイル
が、軸方向に並べて電気的に並列接続される複数の超電
導線を軸方向に並べて巻回してなる超電導コイルにおい
て、外側コイルを構成する単位コイルと内側コイルを構
成する単位コイルとをそれぞれ半径方向に交互に配置し
てなる場合でも、軸方向に並べて配置された並列超電導
線が、端部の接続部でそれぞれの軸方向位置を変える接
続方法を採用すると、並列数に応じて可能な接続方法の
中から最適の接続方法を選択することによって軸方向の
並べ並列超電導線間の不平衡を小さくすることができ
る。
【0023】また、同心状に配置されて軸方向の端部で
直列に接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単位コ
イルからなる内側コイルと、同心状に配置されて軸方向
の端部で直列に接続されてなる少なくとも2つの円筒状
の単位コイルからなる、相対的に内側コイルよりも外径
側に配置される外側コイルとからなり、それぞれの単位
コイルが、半径方向に重ねて電気的に並列接続される複
数の超電導線を軸方向に並べて巻回してなる超電導コイ
ルにおいて、外側コイルを構成する単位コイルと内側コ
イルを構成する単位コイルとをそれぞれ半径方向に交互
に配置してなる場合でも、半径方向に重ねて配置された
並列超電導線が、端部の接続部でそれぞれの半径方向位
置を変える接続方法を採用すると、並列数に応じて可能
な接続方法の中から最適の接続方法を選択することによ
って半径方向の重ね並列超電導線間の電流不平衡を小さ
くすることができる。
【0024】また、同心状に配置されて軸方向の端部で
直列に接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単位コ
イルからなる内側コイルと、同心状に配置されて軸方向
の端部で直列に接続されてなる少なくとも2つの円筒状
の単位コイルからなる、相対的に内側コイルよりも外径
側に配置される外側コイルとからなり、それぞれの単位
コイルが、軸方向に並べるとともに半径方向にも重ねて
電気的に並列接続される複数の超電導線を軸方向に並べ
て巻回してなる超電導コイルにおいて、外側コイルを構
成する単位コイルと内側コイルを構成する単位コイルと
をそれぞれ半径方向に交互に配置してなる場合において
も、軸方向に並べるとともに半径方向にも重ねて配置さ
れた並列超電導線が、端部の接続部でそれぞれの半径方
向位置、あるいはそれぞれの軸方向位置と半径方向位置
との両方を変える接続方法を採用すると、並列数に応じ
て可能な接続方法の中から最適の接続方法を選択するこ
とによって並列超電導線間の電流不平衡を小さくするこ
とができる。
【0025】その場合に、2つ以上の接続部の接続方法
を同じにすれば接続作業が効率的になり、接続部ごとに
最適の異なる接続方法を選択すれば更に電流平衡が改善
される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下この発明を実施例に基づいて
説明する。図1はこの発明の第1と第2の実施例を示す
超電導線を使用した誘導電器のコイル構成図であり、
(a)が第1の、(b)が第2のそれぞれ実施例を示し
ており、図18と同じ構成要素には同じ符号を付けて重
複する説明を省く。図1(a)において、内側コイル2
1の超電導線A1 ,A2 ,A3 は2箇所で転位してそれ
ぞれの半径位置を変えている。転位箇所で区分された3
つの部分をそれぞれ転位区分と称すると、一番上の転位
区分での3本の超電導線は内径側からA1 、A2 ,A3
の順に配置されている。この転位区分では実際に軸方向
に超電導線を巻回して複数ターンを形成しているのであ
るが、ここでは単に太線で示して転位区分を構成するそ
れぞれの超電導線は複数の巻数からなることを表してい
る。上の転位位置で、超電導線A1 は最も外径側にその
位置を変え、他の2本はこれに伴って1本分ずつ鉄心1
に近づいた位置にそれらの位置を変えている。結果とし
て、二つ目の転位区分では内径側からA2 ,A3 ,A1
の順になっている。同じようにして最も下の転位区分で
は内径側からA3 ,A1 ,A2 の順になっている。した
がって、それぞれの超電導線は1回ずつ最も内径側の位
置、中間位置及び最も外径側の位置に位置することにな
る。このように半径方向のそれぞれの超電導線の相対位
置が平等になるようにすることによって電流不平衡を減
らせるのである。一般にn本の並列導線が半径方向に重
ねられて構成されたコイルの場合、n−1回の転位箇所
を設けてn個の転位区分を形成すればn本の導線の半径
方向位置を占める割合を平等にすることができる。
【0027】表1は内側巻数21の3本の超電導線
1 ,A2 ,A3 の電流分担をコンピュータによる計算
で求めた結果である。
【0028】
【表1】 導線符号 電流分担(%) ───────────── A1 113 A2 87 A3 100 ───────────── この表によれば、超電導線A1 とA2 の間で13%の循
環電流が流れている。超電導線A3 が100%になった
のは一種の偶然であって必然性がある訳ではない。電流
の大きさがA1 ,A3 ,A2 の順になっているのは、中
の転位区分で外径側から内径側に向かってA1 、A3
2 の順になっているのと定性的には一致する。それ
は、中の転位区分で軸方向の磁束密度が最も大きいの
で、その影響が電流分担に最も大きく影響しているから
である。
【0029】第2の実施例を示す図1(b)では内側コ
イル22の転位箇所が5箇所で、ブロックの数が図1
(a)の倍の6箇所とした場合である。一般に転位箇所
を多くすると電流不平衡の程度は小さくなる。表2は内
側コイル22のそれぞれの超電導線の電流分担を表す。
【0030】
【表2】 導線符号 電流分担(%) ───────────── A1 108 A2 92 A3 100 ───────────── この表から分かるように、表1では循環電流が13%で
あるのに対してこの表2では8%と小さくなっている。
実用上で図1(a)と図1(b)のどちらの構成を採用
するかは、種々の要素を検討の上決定されることにな
る。図1(a)の場合は転位箇所が少ないので転位箇所
を構成するための作業時間が少なくて済むことと、後述
するように転位箇所1箇所あたり軸方向に超電導線1本
分の余分の寸法が必要となるので、その分転位箇所が少
ない方がコンパクトなコイルになる、というような長所
がある一方で、表1と表2との比較から分かる電流分担
の最大値が大きいという欠点がある。したがって、これ
らを総合判断した上でどちらかを選定する。
【0031】図2は図1のP矢視図である。すなわち、
図1(a)の内側コイル21の図の上の転位箇所を外径
側からみた図であり、転位箇所とこれを挟む上下の1タ
ーン分を図示してある。一番上の1ターン部では図1
(a)の上の転位区分の3本の超電導線は、内径側から
1 ,A2 ,A3 の順序に重ねられている。転位を終わ
った図の下の1ターン部では、内径側からA2 ,A3
1 の順序に重ねられている。転位箇所では、左側から
先ず超電導線A1 が折り曲げられて1ターン分下の位置
に移動し、ついで超電導線A2 ,A3 が同じように1タ
ーン分下の位置に移動して、超電導線A2 ,A3 の上に
重ねられる。折り曲げ部の曲げ曲率Rは許容曲率よりも
小さくならないように適切な治工具を用いて曲げ加工が
行われる。
【0032】図ではそれぞれの超電導線の半径方向の移
動が図示されていないが、超電導線A1 は折り曲げられ
た後にその2倍の寸法分だけ外径側に移動して他の2本
の超電導線の外径側に重ねられ、超電導線A2 ,A3
超電導線の厚み相当寸法分だけ内径側に移動した後折り
曲げられる。超電導線の半径方向寸法、すなわち、厚み
寸法は幅寸法に比べてはるかに小さいので、その許容曲
率半径も小さいことから、この半径方向移動のための曲
げ寸法が転位箇所の形成に支障を来すことはない。た
だ、銅やアルミの通常の導線による転位の場合と同様に
導線同士が絶対に接触することのないよう細心の注意が
払われて転位箇所が形成される。
【0033】図3はこの発明の第3の実施例を示す超電
導線を使用した変圧器の超電導コイル構成図であり、図
18及び図1との違いは、4つの単位コイルが半径方向
に重ねて配置されていることである。そして、最も内径
側の単位コイル221と内径側から3番目の単位コイル
222とが下部で電気的に直列接続されて1つのまとま
った内側コイル22を形成し、同じようにして、内径側
から2番目の単位コイル321と最も外径側の単位コイ
ル322とが直列接続されて外側コイル32を形成して
いる。これら2つの超電導コイル22,32は互いに交
互に配置されているので必ずしも妥当ではないが、ここ
では前述のように内側コイル22、外側コイル32と呼
ぶことにする。又、それぞれ内側コイル22、外側コイ
ル32を構成する1層分のコイルを単位コイルと呼ぶこ
とにする。
【0034】単位コイル321,322はそれぞれ6本
の超電導線a1 ,a2 ,a3 ,a4,a5 ,a6 及びb
1 ,b2 ,b3 ,b4 ,b5 ,b6 からなっていて、半
径方向に3本重ねて更に軸方向に2本並べた構成であ
る。図では、軸方向に並べた導体配置を少し斜めにずら
して重ならないように図示してある。それぞれの単位コ
イル221,222,321,322はそれぞれ転位箇
所が5箇所で転位区分の数が6からなっていて図1
(b)と同じ構成が採用されている。また、図の下部で
のそれぞれのコイル間の直列接続は、それぞれのコイル
の3本の導体を電気的に一つにまとめた状態で接続した
構成である。したがって、電流不平衡に関しては例えば
単位コイル221と222とでは互いに独立しており、
単位コイル321と322とにおいても同様である。す
なわち、これら4つのコイルは直列接続されるもう一方
のコイルの電流不平衡とは実質的に関係なしにそれぞれ
の中で電流不平衡が生じていると考えてよい。
【0035】この図のそれぞれの超電導線の電流分担の
比率を表3、表4に示す。
【0036】
【表3】 電線番号 電流分担(%) 電線番号 電流分担(%) ───────────────────────── A1 107 B1 107 A2 93 B2 93 A3 100 B3 100 ─────────────────────────
【0037】
【表4】 電線番号 電流分担(%) 電線番号 電流分担(%) ───────────────────────── a1 91 b1 91 a2 108 b2 108 a3 101 b3 101 a4 92 b4 92 a5 109 b5 109 a6 98 b6 98 ────────────────────────── 表3を表2と比較すれば分かるように、電流不平衡の程
度は類似であり、循環電流が表2では8%であるのに対
して表3では7%である点が異なるだけである。また、
内側コイル221と222とでは電流分担は同じであ
る。
【0038】外側コイル321,322における電流分
担は、a1 ,a2 ,a3 の3本とa 4 ,a5 ,a6 の3
本とが略等しい。このことは軸方向に並べて配置された
超電導線同士はおおよそ同じ電流分担になることを表し
ている。ただ、コイルは軸方向に対称構造ではあっても
鉄心1や他の強磁性の構造物との相対位置関係が上下対
称でないことが普通で、そのためにコイルの端部での漏
れ磁束の分布が上下で異なることから、軸方向に並べた
2本の超電導線の電流分担が一致しない要因になる。
【0039】単位コイル321と322との比較では内
側コイル22と同様に双方の電流分担が同じである。こ
のことは、単位コイル221と単位コイル321、単位
コイル222と単位コイル322との2つの組み合わせ
が互いに独立したと見なせる磁束分布になり、その分布
も相似になることから表3,表4の結果は定性的にも妥
当な電流分担である。
【0040】図4はこの発明の第4の実施例を示す超電
導線を使用した変圧器のコイル構成図であり、図3と同
じ構成要素には同じ符号を付けて重複する説明を省く。
この図の図3との違いは図の下部でのそれぞれのコイル
の直列接続方式にある。すなわち、図3では並列導線を
1本にまとめた上で相手の単位コイルと接続した構成で
あるのに対して、図4では超電導線それぞれを単独に相
手の単位コイルの超電導線と接続したことにある。そし
て、単位コイル221と単位コイル222とのそれぞれ
の超電導線の接続を例にとると、単位コイル221の下
端部での内径側の超電導線、これは超電導線A3 になる
が、この超電導線A3 と単位コイル222の内径側超電
導線B3 とが接続され、同じようにして、超電導線A1
が超電導線B1 、超電導線A2 が超電導線B2 にそれぞ
れ接続される。すなわち、それぞれの単位コイルコイル
の下端部の導線の半径方向の配置の同じ位置同士を接続
したものである。このように、それぞれの超電導線を別
々に接続すると、内側コイル22としての各超電導線の
電流分担の割合は、単位コイル221と単位コイル22
2のそれぞれの超電導線の電流分担の割合の平均値にな
ると考えてよい。
【0041】図4の場合、半径方向の順番が同じ、従っ
て、電流分担が同じ割合の超電導線同士を接続した構成
になっているので、図3の場合と同じ電流分担になる。
すなわち、超電導線をそれぞれ別々に下端部で接続して
も半径方向位置が同じ超電導線同士を接続した場合には
図3のようないったん並列導線を一つにまとめた上で接
続する場合に比べてそれぞれの超電導線の電流分担が改
善されないことを示している。ただ、超電導コイルの場
合、複数の並列導体を電気的に1本にまとめるというこ
とは、導線同士を溶接などで接続するということを意味
するのが普通であり、超電導線ではこのような溶接によ
る接続は超電導線の中のフィラメント状の超電導体同士
が直接接続されるのではないことから超電導性を阻害し
て接続部でジュール熱が発生することになって好ましい
ものではない。その意味で、実際の超電導コイルにおい
て図3の構成よりも図4の構成の方が望ましいことの方
が多い。
【0042】図5はこの発明の第5の実施例を示す誘導
電器の超電導コイルの構成図であり、図4と同じか類似
の構成要素に対しては同じ符号を付けて重複する説明を
省く。この図における図4との違いは、下端部の超電導
線同士の接続の組み合わせが異なる点である。すなわ
ち、単位コイル221の超電導線A3 (下端部内径側)
が単位コイル222の超電導線B3 (下端部内径側)、
超電導線A1 (下端部中)が超電導線B2 (下端部外径
側)、超電導線A2 (下端外径側)が超電導線B 2 (下
端部中)とがそれぞれ接続される構成である。前述の表
3から明らかなように、超電導線A1 ,A2 ,A3 での
電流分担の大きい方からの順番は、A1 ,A3 ,A2
ある。超電導線B1 ,B2 ,B3 の場合も添字の順序は
同じである。したがって、最も電流分担が大きいものと
最も小さなもの同士及び中間同士を接続すれば、互いに
大小関係が打ち消されて電流分担の最も小さな接続方式
が得られる。超電導線A1 ,A2 ,A3 で最も電流分担
の大きな超電導線A1 と超電導線B1 ,B2 ,B3 で最
も電流分担の小さな超電導線B2 を、逆に超電導線
1 ,A2 ,A3 で最も電流分担の小さな超電導線A2
と超電導線B1 ,B2 ,B 3 で最も電流分担の大きな超
電導線B1 を、そして、中間同士の超電導線A3 とB3
を、それぞれ接続すれば、それぞれ接続された超電導線
の組み合わせの電流分担は接続された超電導線の電流分
担の平均値になることから、結果的に次の表5が結果と
して得られる。なお、3つの超電導線の組み合わせの全
部が100%の理想的な電流分担になっているが、この
ような組み合わせによって必ずこのような理想的な電流
分担が得られるわけではない。
【0043】
【表5】 電線番号 電流分担(%) ────────────── A1 −B2 100 A2 −B1 100 A3 −B3 100 ────────────── 表6は単位コイル321と322のそれぞれの超電導線
を単位コイル221,222と同じ接続方式で接続した
場合のそれぞれの超電導線の組み合わせの電流分担を示
す。この図から分かるように、電流分担の最大が101
(計算上は100.5)、最小が98と非常に電流分担
の不平衡が減少しているのが分かる。
【0044】
【表6】 電線番号 電流分担(%) ───────────── a1 −b2 100 a2 −b1 100 a3 −b3 101 a4 −b5 101 a5 −b4 101 a6 −b6 98 ───────────── 図6はこの発明の第6の実施例を示す誘導電器の超電導
コイルの構成図で、図5と同様にそれぞれのコイルの下
端部での各超電導線の接続の組み合わせが先の実施例と
異なるだけである。
【0045】実施例6での接続の組み合わせは、転位箇
所と同じように、内径側の超電導線が外径側に移り他の
2本の超電導線が一段ずつ内径側に移動するという接続
方式を採用している。すなわち、単位コイル221の内
径側の超電導線A3 が単位コイル222の外径側の超電
導線B2 に、単位コイル221の中間の超電導線A1
単位コイル222の内径側の超電導線B3 に、単位コイ
ル221の外径側の超電導線A2 が単位コイル222の
中間の超電導線B1 にそれぞれ接続される。単位コイル
331,332の場合も同様である。このような接続方
式の場合のそれぞれの超電導線の組み合わせごとの電流
分担の値を内側コイルの場合を表7に、外側コイルの場
合を表8に示す。
【0046】この図から明らかなように、実施例6にお
ける電流分担は実施例3,4に比べれば電流分担の不平
衡が改善されているが、理想的と考えられる実施例5に
比べれば電流分担の不平衡率は大きい。この実施例6の
長所は、接続方式の考え方が転位箇所における超電導線
の半径方向の移動と同じであることから、接続の組み合
わせに関する考え方が分かり易いので、接続の組み合わ
せを間違う可能性が少ないという点である。この点は前
述の実施例4でも同じである。
【0047】それぞれの超電導線を接続する接続リード
にも超電導線が使用されるので、接続リードの引き回し
が単純で無理がないということも重要なことなので接続
方式の違いによる接続リードの引き回し構造の違いを無
視することはできない。
【0048】
【表7】 電線番号 電流分担(%) ────────────── A1 −B3 104 A2 −B1 101 A3 −B2 96 ──────────────
【0049】
【表8】 電線番号 電流分担(%) ───────────── a1 −b3 96 a2 −b1 100 a3 −b2 104 a4 −b6 95 a5 −b4 102 a6 −b5 103 ───────────── 図7はこの発明の第7の実施例を示す誘導電器の超電導
コイルの巻線構成であり、図6と同様にそれぞれの単位
コイルの下端部での各超電導線の接続方法が先の実施例
と異なるだけである。この実施例7での下端部の接続方
法の考え方は、図で明らかなように、内─外、中─中、
外─内の組み合わせにすることであり、この場合も実施
例4,6と同様に超電導線の接続方法の考え方が単純な
ので間違い難いという利点を持っている。このような接
続方法の場合のそれぞれの超電導線の組み合わせごとの
電流分担の値を内側コイル22の場合を表9に、外側コ
イル22の場合を表10に示す。この図によると、内側
コイル22の場合の電流分担の最大値は107%で実施
例3の場合と差はないことから、電流分担の不平衡率が
小さくなるという効果は期待できない。一方、外側コイ
ルの場合は、実施例3の外側コイルの最大の電流分担の
値が109であるのに対して、この実施例では105と
少し小さくなって改善されている。いずれにしてもこの
実施例は前述のように接続方法の考え方が単純であると
いうのが重要な利点である。
【0050】
【表9】 電線番号 電流分担(%) ────────────── A1 −B1 107 A2 −B3 96 A3 −B2 96 ──────────────
【0051】
【表10】 電線番号 電流分担(%) ───────────── a1 −b1 92 a2 −b3 103 a3 −b2 105 a4 −a4 92 a5 −b6 105 a6 −b5 103 ───────────── 図8はこの発明の第8の実施例を示す外側コイルの構成
図であり、図3に対応するものであるが、単位コイル3
21だけを図示し鉄心1や内側コイル、及び外側コイル
32のもう一つの単位コイル322の図示も省略してあ
る。また、転位箇所の数は2箇所だけにしてある。した
がって、転位区分は301,302,303の3つが形
成されている。上の転位区分301の巻数をn1 、中間
の転位区分302の巻数をn2 、下の転位区分303の
巻数をn3 とする。前述の実施例2〜7は全て転位箇所
が5でそれぞれ単位コイルの転位区分の数が6であるの
に対して、この実施例では転位区分の数を半分の3にし
たのは後述する実施例の内容を単純化して明確にするた
めであって、この実施例に係わる発明が転位区分の数が
3のものに限定されるものではない。
【0052】この実施例に係わる発明の基本は転位区分
ごとの巻数の配分を一様にすることにこだわらず異なる
巻数を採用することである。すなわち、図の巻数n1
2,n3 はそれぞれ異なる値をとることができる。表
11はそれぞれの転位区分の巻数の3種類の組み合わせ
を表したものであり、表12はそれぞれの巻数の組み合
わせの場合の6本の超電導コイルa1 〜a6の電流分担
を示す表である。
【0053】
【表11】
【0054】
【表12】 これらの表において、表11のそれぞれの転位区分ごと
の巻数分担を3種類取り上げて計算を行った結果のそれ
ぞれの超電導線ごとの電流分担が表12である。 単位
コイル321の総巻数は54ターンであり、表11の巻
数分担 Iではこれを等分割して18ターンずつをそれぞ
れの転位区分に割り振った場合であり、この実施例に係
わる発明を適用しない場合のものである。巻数分担IIは
中間に位置する転位区分302の巻数を2ターン減ら
し、その分を転位区分301,302に1ターンずつ加
えた場合、巻数分担 IIIは転位区分302を1ターン減
らし、転位区分301を1ターン増やした場合である。
【0055】巻数分担 Iの場合には電流分担の最大値は
116であるのに対して、巻数分担IIの場合には117
とかえって大きくなっている。これに対して巻数分担 I
IIでは104と少し小さくなっている。巻数分担IIでは
中間の転位区分302の巻数の減り方が大き過ぎたため
にかえって従来の巻数分担 Iに比べて最大電流分担の値
が増加したものと考えられる。したがって、転位区分3
02の巻数を1ターンだけ減らしてその分を転位区分3
01の巻数を1ターン増やすことにした巻数分担 IIIが
最大電流分担の値が小さくなったものと推定される。し
たがって、総巻数を1ターン減らして53ターンにして
巻数分担を転位区分301,302,303の順に1
8,17,18にすればもっと最大電流分担の値が小さ
くなることが予想される。いずれにしても一般論として
は端部の転位区分の巻数を大きくして、中央部の転位区
分の巻数を小さくすると良いことは定性的に言える。た
だ、それぞれの転位区分の巻数分担をどうすれば最も効
果的であるかについては試行錯誤的に種々の巻数分担の
条件で計算をして最適の条件を見つけだす作業を行うこ
とによって見つけださねばならない。
【0056】ところで、第4〜第7の実施例で半径方向
に重ねて配置された並列接続される3本又は3組の超電
導線の接続方法を示してあるが、3の順列は6であるか
ら図4〜図7の他にもう2種類の接続方法がある。図9
は図4〜図7の4つの実施例を示すコイル構成図のコイ
ル間接続方法を別の形式で示した基本構成図である。そ
れぞれの図において、コイル41は図4〜図7における
単位コイル221と単位コイル321を代表するもの、
コイル42は単位コイル222と単位コイル322を代
表するものである。図9(a)は図4の場合と同様に、
コイル41の内側の超電導線がコイル42の内側の超電
導線、中の超電導線が中の超電導線、外側の超電導線が
外側の超電導線、というように半径方向の順序を変えな
いで接続された例であり、図9(b)は図5に、図9
(c)は図6に、図9(d)は図7にそれぞれ対応して
いる。図9は以後の接続方法を説明する際での図の表現
形式を図7までのと変えたので、互いの表現形式の関係
が明らかになるように図示したものである。
【0057】図10は図9と同じ2組のコイルの超電導
線を接続する場合の異なる接続方法を示す基本構成図で
ある。3本の超電導線の接続方法は3の階乗、すなわち
6種類あるが、図4〜図7及び図9ではそのうちの4種
類を示してあるので、図9と同じ表現形式で後の2種類
を図示したものである。すなわち、図10(a)は、図
で明らかなように、単位コイル間接続部において外径側
の超電導線が内径側に移り、他の2本の超電導線が一段
ずつ外径側に移動するという接続方式であり、図10
(b)は内側の超電導線と中の超電導線とを入替えた接
続方法である。これらの接続方法は図9の4つの接続方
法に追加して、実際の誘導電器の超電導コイルにおいて
はこれら6種の異なる接続方法の中から最適の接続方法
が選択される。
【0058】なお、図9〜図10では、直列接続される
単位コイルが2つあって単位コイル間接続部が1箇所の
場合の接続方法を示しているが、直列接続される単位コ
イルが3つ以上あって単位コイル間接続部が複数箇所あ
る場合、各接続部に全て同じ接続方法を適用してもよ
く、また、異なる接続方法を適用してもよい。すなわ
ち、例えば、各単位コイル間接続部の全てに図10
(a)のように超電導線の半径方向の順序を変える接続
方法を適用してもよく、また、図10(a)のような、
超電導線の半径方向の順序を変える接続箇所と、図9
(a)のような、超電導線の半径方向の順序を変えない
接続箇所とを混在させてもよい。
【0059】図11は図4〜図7の単位コイル321と
322の接続方法を、図9、図10と同じように、接続
される超電導線同士を同じ数字で表す表現形式で図示し
た基本構成図である。単位コイル321,322は並列
超電導線が軸方向にも2本並べられた構成になっている
ので、図9,図10のように接続される超電導線同士を
線で連結すると図が煩雑になることからこの連結線は省
略してある。また、表現形式が異なるだけで接続方法は
同じなので詳しい説明は省く。
【0060】図12はこの発明の第9の実施例を示す4
つの単位コイルのコイル間接続の基本構成図であり、図
11の接続方法に対して、軸方向の配置も入れ換える接
続方法を示したものである。前述の実施例では軸方向に
並べた並列超電導線はその軸方向位置を変えないで接続
する方法である。その理由は、単位コイル321、32
2それごとに並べて配置された超電導線同士は磁気的に
平衡しているのでその上下位置を変える必要がないから
であり、したがって、図の下側での単位コイル321と
単位コイル322との超電導線同士の接続では一般に最
も容易と考えられる方法として前述のように上下位置を
変えない接続方法を採用したのである。
【0061】このような考えは図17に示すように、磁
束分布は軸方向に対称になることが前提になっている。
円筒状のコイルを同心配置した構成の変圧器巻線におけ
る磁束分布は多くの場合このように軸方向対称であると
考えてよいのであるが、僅かではあるが非対称の要素が
ある。図17で上下位置で広がった磁束は鉄心1又は図
示しないが図の右側にある鋼板製の容器に侵入するので
あるが、巻線2,3の位置が鉄心1の軸方向に対してず
れている場合、あるいは容器の形状が上下対称でない場
合には、軸方向に非対称な磁束成分が生ずる。このよう
な場合には軸方向に並べて配置された超電導線同士の間
にも電流分担の不平衡が生ずる。したがって、場合によ
っては軸方向に並べて配置された並列超電導線の軸方向
位置を変える転位を行った方が良い場合がある。
【0062】図12の接続方法は図11の接続方法での
軸方向に並べて配置された導体の位置を入れ換えたもの
である。図12(a)を例にとると、図11(a)では
図の上の超電導線の番号が左から1,2,3であるのに
対して、図12(a)での下の超電導線の番号が同じ
1,2,3になり、反対に図11(a)の下の番号が左
から4,5,6であるのに対して、図12(a)の上の
番号が4,5,6と、上下が入れ代わっている。(b)
〜(d)も同様である。
【0063】前述のように軸方向の磁束分布に非対称成
分があって軸方向に並べて配置された並列超電導線の間
に電流不平衡があり、単位コイル321と単位コイル3
22とを比べたときに単位コイル321、322ともに
上又は下の一方の超電導線の方が電流分担が大きいとき
には、図12のように軸方向位置を変えた転位を行うこ
とによって電流分担の不平衡を小さくすることができ
る。図12は図9の基本構成図に対応するもので、当然
図10の基本構成図に対応する接続方法も採用すること
ができるがその図示は省略する。
【0064】図13はこの発明の第10の実施例を示す
4つのコイル間接続方法を示す基本構成図であり、この
実施例では軸方向に並べて配置する並列超電導線の本数
を3とした点で図11、図12のそれと異なる。本数が
3の場合には半径方向に重ねて配置した超電導線の場合
に接続方法が6種類あったのと同じように、並べ並列の
場合にも6種類あるが、図13ではそのうちの4種類を
示してある。
【0065】図13(a)は軸方向位置を変えない場合
である。すなわち、コイル43では上から1,2,3の
順の超電導線はコイル44でもそのまま上から1,2,
3の順序で並んでいる。これに対して図13(b)は下
の2本の超電導線の位置を入れ替える場合であり、図1
3(c)はコイル43の上の超電導線をコイル44では
下に移動させ、これにともなって番号が2,3の超電導
線を一つずつ上に上げた場合であり、図13(d)は番
号2の中の超電導線はそのままにして番号1と3の超電
導線を入替えた場合である。
【0066】図14は図13の接続方法の基本構成図に
追加する2つの基本構成図である。この図において、図
14(a)は図13(c)と類似であるが、コイル43
の下の番号3の超電導線をコイル44では上に配置し、
これに伴って番号1,2の超電導線を一つずつ下に下げ
た場合であり、図14(b)は図13(b)と似ていて
下の番号3の超電導線の位置を変えずに番号2,3の位
置を入れ換えた場合である。
【0067】軸方向に並べた3本の並列超電導線で構成
されしかも半径方向に3本の並列超電導線、すなわち9
本の並列超電導線で構成された超電導コイルの場合に
は、半径方向の位置を変える転位は図8、図9の6種
類、軸方向の位置を変える転位は図13、図14の6種
類あるから、これらの組み合わせから合計36種類のコ
イル間の接続方法が考えられる。その中には9本の接続
線が複雑に入り組んで実際上は実施困難な接続方法もあ
り得る。したがって、実際に採用される接続方法は単に
電流分担の不平衡だけを考慮するのではなく、接続作業
の難易度も考慮して最適の接続方法が採用される。この
点は前述の6本の並列超電導線からなる巻線の場合も同
様である。
【0068】なお、上記の図9〜図14による説明で
は、図4〜図7のような、内側コイルを構成する単位コ
イルと外側コイルを構成する単位コイルとが半径方向に
交互に配置されるとともに、各単位コイル内で並列超電
導線の転位が行われているものについて、単位コイル間
の接続部の接続方法を示したが、図9〜図14に示され
る単位コイル間の接続部の接続方法は、各単位コイル内
での並列超電導線の転位が行われないものについても適
用することができ、また、直列接続される各単位コイル
同士が半径方向に隣接して配置されるものについても適
用することができる。
【0069】図15は発明の第11の実施例の説明のた
めの巻線構成図である。この図において、内側コイル2
3は4つの単位コイル231,232,233,234
からなっていて、それぞれがコイル間接続部51,5
2,53で接続された構成である。すなわち、直列接続
される単位コイルが3以上あってコイル間接続部が複数
ある場合の代表例である。4つの単位コイル231,2
32,233,234が図4〜図7の外側コイル32の
ように3重2並べの6本の並列超電導線でなっていると
した場合、コイル間接続部51,52,53は図9,図
10,図11,図12に示した12種類の接続方法の中
から最適のものを選択することになる。その場合、3つ
のコイル間接続部51,52,53に全部同じ接続方法
を採用すれば、接続作業が同じ手順になるので作業効率
が上がるという利点があるが、そうしなければならない
という必然性はない。それぞれのコイル間接続部ごとに
接続作業の難易も考慮した最適な接続方法を採用すれば
よい。なお、4つの単位コイルからなるコイルとして、
図15では内側コイル23の場合を示したが、この図で
は単に1つのコイルとして図示した外側コイル3が3つ
以上のコイルからなるものであってもよく、更に、内側
コイル、外側コイルともに複数の単位コイルが直列接続
された構成であってもよく、いずれの場合でも前述のよ
うにそれぞれのコイル間接続部に同じ接続方法を採用し
ても異なる接続方法を採用してもよい。
【0070】図16はこの発明の第12の実施例の説明
のための巻線構成図である。この図における内側コイル
24と外側コイル34はそれぞれ直列接続される3つの
単位コイルからなっていて、一方のコイルの単位コイル
の間に他方のコイルの単位コイルが挟まれる、図4〜図
7のコイル構成と類似の構成である。図4〜図7と異な
るのは単位コイルの数が2から3に増えている点であ
る。その結果、内側コイル24を構成する3つの単位コ
イル241,242,243をそれぞれ接続するコイル
間接続部54,56が設けられ、外側コイル34を構成
する3つの単位コイル341,342,343をそれぞ
れ接続するコイル間接続部55,57が設けられてい
る。
【0071】図16の実施例12の場合も、コイル間接
続部54,56は同じ接続方法を採用してもよく、異な
る接続方法を採用してもよい。同じようにしてコイル間
接続部55,57も同じ接続方法でも異なる接続方法で
もよい。いずれにしても実施例11と同様に最適な接続
方法の組み合わせを採用すればよい。なお、上記した、
発明の実施例1乃至実施例12の誘導電器に使用する超
電導線としては、例えば、複数本の超電導体を撚り合わ
せて形成してなる超電導線を使用してもよく、また、こ
のような超電導線を更に複数本撚り合わせて形成してな
る導体を使用してもよい。
【0072】また、上記のような複数本の超電導線を撚
り合わせて導体を形成する構成として、例えば、13本
の超電導線を用いて2列にまとめて、これを転位し圧縮
して平形の導体に成形するという、ラザフォード形の成
形撚り線の構成を採用することもできる。
【0073】
【発明の効果】この発明は前述のように、半径方向に重
ねられた複数の超電導線を軸方向の少なくとも1箇所の
転位箇所でそれぞれの半径方向位置を変える構成を採用
することによって、それぞれの超電導線の半径位置が異
なることによる誘起電圧の違いを打ち消すことができる
ので、超電導線間の循環電流が小さくなって電流分担が
平衡に近くなり、その結果、電流分担の最大となる超電
導線の電流分担の値が減少することから、誘導電器とし
ての許容電流量の電流分担の不平衡による低下を抑制す
ることができる。
【0074】また、転位箇所が、超電導線が許容する曲
率半径を下回らない径で曲げて形成すれば、曲げ加工に
よる許容電流値の低減を実質的に回避できるので、超電
導線を転位することによるクエンチの可能性の増加など
の超電導コイルとしての性能の低下を来すことがない。
また、転位箇所を境にして超電導コイルが分割されて形
成されてなる複数の転位区分の数が半径方向に重ねられ
た導体の数に等しいかその整数倍になるように転位箇所
を設定することによって、全ての超電導線の半径方向位
置の位置を平等にすることができるので超電導線の電流
分担もより平衡する。
【0075】前述の超電導コイルを4つ半径方向に重ね
て配置して、一つの超電導コイルを挟む2つの超電導コ
イルを同じ並列数の超電導線で構成しこれらを直列接続
した超電導コイルで、一方の超電導コイルの超電導線の
電流分担の大きい方からと、他方の超電導コイルの超電
導線の電流分担の小さい方からとを順番に直列接続する
接続方法を採用すれば、電流分担の大きな分と小さな分
とが互いに打ち消しあって理想的に平衡率のよい電流分
担を得ることができることから、前述のように、電流分
担の不平衡による誘導電器の許容電流の低下を最小限に
抑制することができる。
【0076】また、転位区分の巻数をそれぞれ等しくす
ることによって、超電導線の半径方向位置の違いによる
不平衡電流の発生を低減することができる。又は、それ
ぞれの転位区分のうちの少なくとも1つが他の転位区分
に対して巻数が異なるようにし、それぞれの転位区分の
巻数の配分を適切に設定すれば,巻数を等分して転位区
分に割り当てる場合よりも電流分担をより改善できる場
合がある。この場合、端部転位区分の巻数を中央転位区
分の巻数よりも大きく選定すれば、漏れ磁束がコイルの
軸方向端部で拡散して磁束成分が軸方向に沿って一様で
ないことによる電流不平衡が小さくならない点を補っ
て、より優れた電流平衡を得ることができる。
【0077】同心状に配置されて軸方向の端部で直列に
接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単位コイルか
らなり、これらの単位コイルが、軸方向に並べて電気的
に並列接続される複数の超電導線を軸方向に並べて巻回
してなる超電導コイルにおいて、軸方向に並べて配置さ
れた並列超電導線が、端部の接続部でそれぞれの軸方向
位置を変える接続方法を採用すると、軸方向に並べて配
置した並列超電導線の間に電流不平衡がある場合に、並
列数に応じて可能な接続方法の中から最適の接続方法を
選択することによって軸方向の並べ並列超電導線間の電
流不平衡を小さくすることができる。
【0078】また、同心状に配置されて軸方向の端部で
直列に接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単位コ
イルからなり、これらの単位コイルが、半径方向に重ね
て電気的に並列接続される複数の超電導線を軸方向に並
べて巻回してなる超電導コイルにおいて、半径方向に重
ねて配置された並列超電導線が、端部の接続部でそれぞ
れの半径方向位置を変える接続方法を採用すると、並列
数に応じて可能な接続方法の中から最適の接続方法を選
択することによって半径方向の重ね並列超電導線間の電
流不平衡を小さくすることができる。
【0079】また、同心状に配置されて軸方向の端部で
直列に接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単位コ
イルからなり、これらの単位コイルが、軸方向に並べる
とともに半径方向にも重ねて電気的に並列接続される複
数の超電導線を軸方向に並べて巻回してなる超電導コイ
ルにおいて、軸方向に並べるとともに半径方向にも重ね
て配置された並列超電導線が、端部の接続部でそれぞれ
の半径方向位置、あるいはそれぞれの軸方向位置と半径
方向位置との両方を変える接続方法を採用すると、並列
数に応じて可能な接続方法の中から最適の接続方法を選
択することによって並列超電導線間の電流不平衡を小さ
くすることができる。
【0080】そして、超電導コイルが少なくとも3つの
単位コイルからなる場合に、接続部は2箇所以上になる
ので、これらの接続部の接続方法を同じにすれば、接続
作業も同じになって効率的な接続作業を行うことができ
る。異なる接続方法を採用すれば、それぞれの接続方法
を最適なものを選択することで同じ接続方法を採用する
よりも更に電流不平衡が小さくなる。
【0081】同心状に配置されて軸方向の端部で直列に
接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単位コイルか
らなる内側コイルと、同心状に配置されて軸方向の端部
で直列に接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単位
コイルからなる相対的に内側コイルよりも外径側に配置
される外側コイルとからなり、それぞれの単位コイル
が、軸方向に並べて電気的に並列接続される複数の超電
導線を軸方向に並べて巻回してなる超電導コイルにおい
て、外側コイルを構成する単位コイルと内側コイルを構
成する単位コイルとをそれぞれ半径方向に交互に配置し
てなる場合でも、軸方向に並べて配置された並列超電導
線が、端部の接続部でそれぞれの軸方向位置を変える接
続方法を採用すると、並列数に応じて可能な接続方法の
中から最適の接続方法を選択することによって軸方向の
並べ並列超電導線間の電流不平衡を小さくすることがで
きる。
【0082】また、同心状に配置されて軸方向の端部で
直列に接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単位コ
イルからなる内側コイルと、同心状に配置されて軸方向
の端部で直列に接続されてなる少なくとも2つの円筒状
の単位コイルからなる、相対的に内側コイルよりも外径
側に配置される外側コイルとからなり、それぞれの単位
コイルが、半径方向に重ねて電気的に並列接続される複
数の超電導線を軸方向に並べて巻回してなる超電導コイ
ルにおいて、外側コイルを構成する単位コイルと内側コ
イルを構成する単位コイルとをそれぞれ半径方向に交互
に配置してなる場合でも、半径方向に重ねて配置された
並列超電導線が、端部の接続部でそれぞれの半径方向位
置を変える接続方法を採用すると、並列数に応じて可能
な接続方法の中から最適の接続方法を選択することによ
って半径方向の重ね並列超電導線間の電流不平衡を小さ
くすることができる。
【0083】また、同心状に配置されて軸方向の端部で
直列に接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単位コ
イルからなる内側コイルと、同心状に配置されて軸方向
の端部で直列に接続されてなる少なくとも2つの円筒状
の単位コイルからなる、相対的に内側コイルよりも外径
側に配置される外側コイルとからなり、それぞれの単位
コイルが、軸方向に並べるとともに半径方向にも重ねて
電気的に並列接続される複数の超電導線を軸方向に並べ
て巻回してなる超電導コイルにおいて、外側コイルを構
成する単位コイルと内側コイルを構成する単位コイルと
をそれぞれ半径方向に交互に配置してなる場合において
も、軸方向に並べるとともに半径方向にも重ねて配置さ
れた並列超電導線が、端部の接続部でそれぞれの半径方
向位置、あるいはそれぞれの軸方向位置と半径方向位置
との両方を変える接続方法を採用すると、並列数に応じ
て可能な接続方法の中から最適の接続方法を選択するこ
とによって並列超電導線間の電流不平衡を小さくするこ
とができる。
【0084】その場合に、2つ以上の接続部の接続方法
を同じにすれば接続作業が効率的になり、接続部ごとに
最適の異なる接続方法を選択すれば更に電流平衡が改善
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1と第2の実施例を示す超電導線
を使用した誘導電器のコイル構成図で、(a)は第1の
実施例で内側コイルが2箇所転位のもの、(b)は第2
の実施例で5箇所転位のものを示す
【図2】図1のP矢視図
【図3】この発明の第3の実施例を示す誘導電器のコイ
ル構成図
【図4】この発明の第4の実施例を示す誘導電器のコイ
ル構成図
【図5】この発明の第5の実施例を示す誘導電器のコイ
ル構成図
【図6】この発明の第6の実施例を示す誘導電器のコイ
ル構成図
【図7】この発明の第7の実施例を示す誘導電器のコイ
ル構成図
【図8】この発明の第8の実施例を示す誘導電器のコイ
ル構成図
【図9】第4〜第7の実施例における4つの異なるコイ
ル間接続の基本構成図
【図10】図9に付け加える2つの異なるコイル間接続
の基本構成図
【図11】第4〜第7の実施例における4つの異なるコ
イル間接続の構成図
【図12】この発明の第9の実施例を示す異なる4つの
コイル間接続の構成図
【図13】この発明の第10の実施例を示す異なる4つ
ののコイル間接続の構成図
【図14】図13に付け加える外側コイルの異なる2つ
のコイル間接続の構成図
【図15】この発明の第11の実施例の説明のためのコ
イル構成図
【図16】この発明の第12の実施例の説明のためのコ
イル構成図
【図17】内側コイルと外側コイルからなる誘導電器の
漏れ磁束分布の模式図
【図18】従来の誘導電器の超電導コイルの構成図
【符号の説明】
1…鉄心、2,20,21,22,23,24…内側コ
イル、221,222,231,232,233,23
4,241,242,243,321,322,34
1,342,343…単位コイル、3,30,31,3
2,34…外側コイル、41,42,43,44…コイ
ル、A1 ,A2 ,A3 ,B1 ,B2 ,B3,a1
2 ,a3 ,a4 ,a5 ,a6 ,b1 ,b2 ,b3 ,b
4 ,b5 ,b6…超電導線、301,302,303…
転位区分、51,52,53,54,55,56,57
…コイル間接続部
フロントページの続き (72)発明者 西條 学 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 伊藤 政芳 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 船木 和夫 福岡県福岡市東区みどりが丘1丁目1番7 号 (72)発明者 岩熊 成卓 福岡県大野城市下大利団地26−402

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状の超電導コイルが、半径方向に重ね
    られて電気的に並列接続される複数の超電導線が軸方向
    に並べて巻回されてなり、これら半径方向に重ねられた
    複数の超電導線が軸方向の少なくとも1箇所の転位箇所
    でそれぞれの半径方向位置を変えてなることを特徴とす
    る誘導電器の超電導コイル。
  2. 【請求項2】転位箇所が、超電導線が許容する曲率半径
    を下回らない径で曲げられて形成されてなることを特徴
    とする請求項1記載の誘導電器の超電導コイル。
  3. 【請求項3】転位箇所を境にして超電導コイルが分割さ
    れて形成されてなる複数の転位区分の数が、半径方向に
    重ねられた超電導線の数の1以上の整数倍であることを
    特徴とする請求項1又は2記載の誘導電器の超電導コイ
    ル。
  4. 【請求項4】請求項1,2又は3記載の超電導コイルか
    らなる4つの単位コイルが同心状に配置され、一つの単
    位コイルを挟む2つの単位コイルが、同じ並列数の超電
    導線で構成され、これらの超電導線が直列接続された超
    電導コイルにおいて、一方の単位コイルの超電導線の電
    流分担の大きい方から順番に、他方の単位コイルの超電
    導線の電流分担の小さい方からの順番に直列接続する接
    続方式を採用してなることを特徴とする誘導電器の超電
    導コイル。
  5. 【請求項5】転位区分の巻数がそれぞれ等しいことを特
    徴とする請求項1,2,3又は4記載の誘導電器の超電
    導コイル。
  6. 【請求項6】それぞれの転位区分のうちの少なくとも1
    つが他の転位区分に対して巻数が異なることを特徴とす
    る請求項1,2,3又は4記載の誘導電器の超電導コイ
    ル。
  7. 【請求項7】超電導コイルの両端部の一方と転位箇所と
    の間の転位区分を端部転位区分、転位箇所間の転位区分
    を中央転位区分と呼ぶとき、端部転位区分の巻数が中央
    転位区分の巻数よりも大きく選定されてなることを特徴
    とする請求項6記載の誘導電器の超電導コイル。
  8. 【請求項8】同心状に配置されて軸方向の端部で直列に
    接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単位コイルか
    らなり、これらの単位コイルが、軸方向に並べて電気的
    に並列接続される複数の超電導線を軸方向に並べて巻回
    してなる超電導コイルにおいて、軸方向に並べて配置さ
    れた並列超電導線が、端部の接続部でそれぞれの軸方向
    位置を変える接続方法が採用されてなることを特徴とす
    る誘導電器の超電導コイル。
  9. 【請求項9】同心状に配置されて軸方向の端部で直列に
    接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単位コイルか
    らなり、これらの単位コイルが、半径方向に重ねて電気
    的に並列接続される複数の超電導線を軸方向に並べて巻
    回してなる超電導コイルにおいて、半径方向に重ねて配
    置された並列超電導線が、端部の接続部でそれぞれの半
    径方向位置を変える接続方法が採用されてなることを特
    徴とする誘導電器の超電導コイル。
  10. 【請求項10】同心状に配置されて軸方向の端部で直列
    に接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単位コイル
    からなり、これらの単位コイルが、軸方向に並べるとと
    もに半径方向にも重ねて電気的に並列接続される複数の
    超電導線を軸方向に並べて巻回してなる超電導コイルに
    おいて、軸方向に並べるとともに半径方向にも重ねて配
    置された並列超電導線が、端部の接続部でそれぞれの半
    径方向位置、あるいはそれぞれの軸方向位置と半径方向
    位置との両方を変える接続方法が採用されてなることを
    特徴とする誘導電器の超電導コイル。
  11. 【請求項11】請求項8,9又は10記載の超電導コイ
    ルが少なくとも3つの単位コイルからなり、これらの単
    位コイルを接続する少なくとも2箇所の接続部におい
    て、同じ接続方法が採用されてなることを特徴とする誘
    導電器の超電導コイル。
  12. 【請求項12】請求項11記載の超電導コイルの接続部
    の接続方法が異なることを特徴とする誘導電器の超電導
    コイル。
  13. 【請求項13】同心状に配置されて軸方向の端部で直列
    に接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単位コイル
    からなる内側コイルと、同心状に配置されて軸方向の端
    部で直列に接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単
    位コイルからなる、相対的に内側コイルよりも外径側に
    配置される外側コイルとからなり、それぞれの単位コイ
    ルが、軸方向に並べて電気的に並列接続される複数の超
    電導線を軸方向に並べて巻回してなる超電導コイルにお
    いて、外側コイルを構成する単位コイルと内側コイルを
    構成する単位コイルとをそれぞれ半径方向に交互に配置
    してなり、軸方向に並べて配置された並列超電導線が、
    接続部でそれぞれの軸方向位置を変える接続方法が採用
    されてなることを特徴とする誘導電器の超電導コイル。
  14. 【請求項14】同心状に配置されて軸方向の端部で直列
    に接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単位コイル
    からなる内側コイルと、同心状に配置されて軸方向の端
    部で直列に接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単
    位コイルからなる、相対的に内側コイルよりも外径側に
    配置される外側コイルとからなり、それぞれの単位コイ
    ルが、半径方向に重ねて電気的に並列接続される複数の
    超電導線を軸方向に並べて巻回してなる超電導コイルに
    おいて、外側コイルを構成する単位コイルと内側コイル
    を構成する単位コイルとをそれぞれ半径方向に交互に配
    置してなり、半径方向に重ねて配置された並列超電導線
    が、接続部でそれぞれの半径方向位置を変える接続方法
    が採用されてなることを特徴とする誘導電器の超電導コ
    イル。
  15. 【請求項15】同心状に配置されて軸方向の端部で直列
    に接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単位コイル
    からなる内側コイルと、同心状に配置されて軸方向の端
    部で直列に接続されてなる少なくとも2つの円筒状の単
    位コイルからなる、相対的に内側コイルよりも外径側に
    配置される外側コイルとからなり、それぞれの単位コイ
    ルが、軸方向に並べるとともに半径方向にも重ねて電気
    的に並列接続される複数の超電導線を軸方向に並べて巻
    回してなる超電導コイルにおいて、外側コイルを構成す
    る単位コイルと内側コイルを構成する単位コイルとをそ
    れぞれ半径方向に交互に配置してなり、軸方向に並べる
    とともに半径方向にも重ねて配置された並列超電導線
    が、接続部でそれぞれの半径方向位置、あるいはそれぞ
    れの軸方向位置と半径方向位置との両方を変える接続方
    法が採用されてなることを特徴とする誘導電器の超電導
    コイル。
  16. 【請求項16】請求項13,14又は15記載の超電導
    コイルを構成する外側コイルと内側コイルとの少なくと
    も一方が、少なくとも3つの単位コイルからなり、3つ
    の単位コイルからなるコイルの少なくとも2つの接続部
    の接続方法が同じであることを特徴とする誘導電器の超
    電導コイル。
  17. 【請求項17】請求項16記載の超電導コイルの接続方
    法が異なることを特徴とする誘導電器の超電導コイル。
JP27677197A 1996-10-09 1997-10-09 誘導電器の超電導コイル Pending JPH10172824A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27677197A JPH10172824A (ja) 1996-10-09 1997-10-09 誘導電器の超電導コイル

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26821196 1996-10-09
JP8-268211 1996-10-09
JP27677197A JPH10172824A (ja) 1996-10-09 1997-10-09 誘導電器の超電導コイル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10172824A true JPH10172824A (ja) 1998-06-26

Family

ID=26548216

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27677197A Pending JPH10172824A (ja) 1996-10-09 1997-10-09 誘導電器の超電導コイル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10172824A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000277321A (ja) * 1999-03-24 2000-10-06 Kazuo Funaki 超電導コイル
JP2005333040A (ja) * 2004-05-21 2005-12-02 Furukawa Electric Co Ltd:The 超電導コイル
JP2006093639A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Hyosung Corp 超伝導線材の転位方法
JP2006196720A (ja) * 2005-01-14 2006-07-27 Masataka Iwakuma 超電導導体及びそれを用いた超電導コイル
JP2006196604A (ja) * 2005-01-12 2006-07-27 Masataka Iwakuma 超電導コイル
JP2010238728A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Railway Technical Res Inst 導電コイルの転位方法および導電コイル
CN102013315A (zh) * 2010-07-12 2011-04-13 吴江市变压器厂有限公司 一种组合导线自身换位的方法
WO2011049040A1 (ja) * 2009-10-21 2011-04-28 三菱電機株式会社 静止誘導器
CN102136365A (zh) * 2011-01-06 2011-07-27 常州联力变压器有限公司 三根并联导线单列螺旋式线圈换位方法
JP2012119404A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Fuji Electric Co Ltd 超電導コイル
WO2013053392A1 (de) * 2011-10-13 2013-04-18 Leibniz-Institut Für Festkörper- Und Werkstoffforschung Dresden E.V. Ybco-pancake-spulen mit reduzierten ac-verlusten
CN104485221A (zh) * 2014-12-31 2015-04-01 上海和鸣变压器有限公司 双分裂超导变压器线圈的制造方法
CN104576035A (zh) * 2015-01-05 2015-04-29 海鸿电气有限公司 一种三叠多并层式线圈的绕制方法及其制成的层式线圈
CN113658795A (zh) * 2021-08-17 2021-11-16 江西变压器科技股份有限公司 一种3根2组合导线幅向并联的连续式线圈绕制方法

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000277321A (ja) * 1999-03-24 2000-10-06 Kazuo Funaki 超電導コイル
JP2005333040A (ja) * 2004-05-21 2005-12-02 Furukawa Electric Co Ltd:The 超電導コイル
JP4652721B2 (ja) * 2004-05-21 2011-03-16 古河電気工業株式会社 超電導コイル
JP2006093639A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Hyosung Corp 超伝導線材の転位方法
JP2006196604A (ja) * 2005-01-12 2006-07-27 Masataka Iwakuma 超電導コイル
US7394338B2 (en) 2005-01-12 2008-07-01 Masataka Iwakuma Superconducting coil
JP4558517B2 (ja) * 2005-01-12 2010-10-06 成卓 岩熊 超電導コイル
JP2006196720A (ja) * 2005-01-14 2006-07-27 Masataka Iwakuma 超電導導体及びそれを用いた超電導コイル
JP2010238728A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Railway Technical Res Inst 導電コイルの転位方法および導電コイル
WO2011049040A1 (ja) * 2009-10-21 2011-04-28 三菱電機株式会社 静止誘導器
CN102576598A (zh) * 2009-10-21 2012-07-11 三菱电机株式会社 静止感应器
US8547193B2 (en) 2009-10-21 2013-10-01 Mitsubishi Electric Corporation Stationary induction apparatus
JP5349609B2 (ja) * 2009-10-21 2013-11-20 三菱電機株式会社 静止誘導器
CN102013315A (zh) * 2010-07-12 2011-04-13 吴江市变压器厂有限公司 一种组合导线自身换位的方法
JP2012119404A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Fuji Electric Co Ltd 超電導コイル
CN102136365A (zh) * 2011-01-06 2011-07-27 常州联力变压器有限公司 三根并联导线单列螺旋式线圈换位方法
WO2013053392A1 (de) * 2011-10-13 2013-04-18 Leibniz-Institut Für Festkörper- Und Werkstoffforschung Dresden E.V. Ybco-pancake-spulen mit reduzierten ac-verlusten
CN104485221A (zh) * 2014-12-31 2015-04-01 上海和鸣变压器有限公司 双分裂超导变压器线圈的制造方法
CN104576035A (zh) * 2015-01-05 2015-04-29 海鸿电气有限公司 一种三叠多并层式线圈的绕制方法及其制成的层式线圈
CN113658795A (zh) * 2021-08-17 2021-11-16 江西变压器科技股份有限公司 一种3根2组合导线幅向并联的连续式线圈绕制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU594414B2 (en) Induction heating and melting systems having improved induction coils
US7227438B2 (en) Superconducting wire transposition method and superconducting transformer using the same
JPH10172824A (ja) 誘導電器の超電導コイル
US8983562B2 (en) Inductive fault current limiter with divided secondary coil configuration
US9197060B2 (en) Inductive fault current limiter with divided primary coil configuration
JP2003529923A (ja) 超伝導変圧器
US7019608B2 (en) Superconducting transformer
JPS61201407A (ja) 空心リアクトル装置
JP2000277321A (ja) 超電導コイル
CN101507078A (zh) 电流平衡器和低压配电系统
JP3307565B2 (ja) 超電導限流装置
US4270111A (en) Electrical inductive apparatus
JP2003115405A (ja) 超電導コイル
JPH01246807A (ja) 円板巻線
JP5262607B2 (ja) 超電導コイル
JP3013506B2 (ja) ヘリカルコイル
US4477792A (en) Modular power system reactor
JPH0713203Y2 (ja) 変圧器巻線
JP2755680B2 (ja) 変圧器用コイル
JP2829508B2 (ja) 単相三線式単巻変圧器
JP2723322B2 (ja) サイクロコンバータ用変圧器
JP2004281503A (ja) 超電導コイル
JP2015170475A (ja) 交流用超電導ケーブル、及び交流用超電導ケーブルの製造方法
US20190180897A1 (en) Apparatus and method for current conditioning, using a primary coil coupled to secondary coils of superconducting material, with smoothed transitions
JPS59149014A (ja) 誘導電器巻線

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051220

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060411