JP2015170475A - 交流用超電導ケーブル、及び交流用超電導ケーブルの製造方法 - Google Patents
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Description
(α)aiは超電導導体層の半径(mm)、aoは超電導シールド層の半径(mm)。
(β)siは超電導導体層の各超電導線材の撚り方向係数、soは超電導シールド層の各超電導線材の撚り方向係数であって、前記超電導線材がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」とする。
(γ)前記超電導導体層が前記超電導線材からなる複数の巻回層を積層した多層構造の場合、piは超電導導体層の平均ピッチ(mm)を表し、各超電導線材のピッチは下記数式2を満たす。pnはn層目の超電導線材のピッチ、snはn層目の超電導線材の撚り方向係数である。
(α)aiは超電導導体層の半径(mm)、aoは超電導シールド層の半径(mm)。
(β)siは超電導導体層の各超電導線材の撚り方向係数、soは超電導シールド層の各超電導線材の撚り方向係数であって、前記超電導線材がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」とする。
(γ)前記超電導導体層の巻回層が複数層である多層構造の場合、piは超電導導体層の平均ピッチ(mm)を表し、各超電導線材のピッチは下記数式2を満たす。pnはn層目の超電導線材のピッチ、snはn層目の超電導線材の撚り方向係数である。
本発明者らは、特許文献1に係る方法により、超電導導体層及び超電導シールド層を構成する各超電導線材のピッチを設定した超電導ケーブルについて、シールド電流誘導率を検討した。その結果、シールド電流誘導率は、単心ケーブルの場合ほぼ1.0(100%)であるにもかかわらず、三心一括型ケーブルの場合0.91(91%)と低いことがあった。この知見から、隣接するケーブルコアが磁気的に相互に影響し合うことがあると考えた。そこで、超電導導体層及び超電導シールド層を構成する各超電導線材のピッチを設定するにあたり、従来考慮されていなかった各ケーブルコア間の相互インダクタンス(以下、相間の相互インダクタンスと呼ぶことがある)を加味することを検討した。まず、各ケーブルコア間の影響を確認するために、各相のインダクタンスと、インダクタンスに影響を及ぼし得るパラメータを有限要素法によって調べた。具体的には、2本のケーブルコアがコア中心間の距離(以下、相間距離と呼ぶことがある)Dで配置された状態において、各ケーブルコアの超電導導体層及び超電導シールド層に流れる電流を変化させて各層の磁場エネルギーをシミュレーションにより求め、この磁場エネルギーからさらにインダクタンスを求めた。その結果、双方のケーブルコアに同時に電流が流れている場合、相間の相互インダクタンスは、ケーブルコアの相間距離Dに大きく影響されることがわかった。このケーブルコアの相間距離Dを用いて表される各ケーブルコア間の相互インダクタンスを検討し、本発明を完成するに至った。各ケーブルコア間の相互インダクタンスについての詳細は後述する。以下、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(α)aiは超電導導体層の半径(mm)、aoは超電導シールド層の半径(mm)。
(β)siは超電導導体層の各超電導線材の撚り方向係数、soは超電導シールド層の各超電導線材の撚り方向係数であって、前記超電導線材がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」とする。
(γ)前記超電導導体層が前記超電導線材からなる複数の巻回層を積層した多層構造の場合、piは超電導導体層の平均ピッチ(mm)を表し、各超電導線材のピッチは下記数式2を満たす。pnはn層目の超電導線材のピッチ、snはn層目の超電導線材の撚り方向係数である。
(α)aiは超電導導体層の半径(mm)、aoは超電導シールド層の半径(mm)。
(β)siは超電導導体層の各超電導線材の撚り方向係数、soは超電導シールド層の各超電導線材の撚り方向係数であって、前記超電導線材がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」とする。
(γ)前記超電導導体層の巻回層が複数層である多層構造の場合、piは超電導導体層の平均ピッチ(mm)を表し、各超電導線材のピッチは下記数式2を満たす。pnはn層目の超電導線材のピッチ、snはn層目の超電導線材の撚り方向係数である。
(ε)ajはj層目の導電部材の半径(mm)、akはj層目とは別のk層目の導電部材の半径(mm)。
(ζ)sjはj層目の導電部材の撚り方向係数、skはj層目とは別のk層目の導電部材の撚り方向係数であって、前記撚り方向がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」とする。
(η)pjはj層目の導電部材のピッチ(mm)、pkはj層目とは別のk層目の導電部材のピッチ(mm)。
(θ)dはケーブルコアの長さ(mm)、Rは積分半径(mm)。
本発明の実施形態の詳細を、以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
実施形態1の交流用超電導ケーブル1は、図1に示すように、三相のケーブルコア10a,10b,10cが撚り合わされて一つの断熱管(図示せず)に収納された三心一括型のケーブルである。本実施形態の交流用超電導ケーブル1の主たる特徴とするところは、各ケーブルコア10a,10b,10cにおいて、超電導導体層12の各巻回層に流れる電流が均流化され、かつ超電導シールド層14の各巻回層に流れる電流が均流化されており、かつ超電導導体層12によって超電導シールド層14に流れる誘導電流の誘導率が高くなるように、超電導導体層12のピッチ及び超電導シールド層14のピッチが設定されていることにある。この超電導導体層12のピッチ及び超電導シールド層14のピッチは、後述するインピーダンス行列を用いた解析方法によって得ることができる。以下、インピーダンス行列を用いた解析方法による交流用超電導ケーブルの製造方法について説明し、その後に交流用超電導ケーブルについて説明する。
交流用超電導ケーブルの製造方法は、三相のケーブルコアを各相間の干渉を考慮してモデル化し、このモデルに基づいてインピーダンス行列を構築して回路方程式の作成を行う。インピーダンス行列には後述する三種類のインダクタンスが含まれる。この回路方程式より、三種類のインダクタンスを求めて、超電導導体層の各巻回層に流れる電流が均流化され、かつ超電導シールド層の各巻回層に流れる電流が均流化されるように、各相のケーブルコアの超電導導体層のピッチと超電導シールド層のピッチとを所定の値に設定する。また、上記三種類のインダクタンスを用いて、後述する超電導導体層の導体電流と超電導シールド層の誘導電流との関係を規定する関係式を用いて、超電導導体層への通電に伴って超電導シールド層に流れる誘導電流の誘導率(シールド電流誘導率)が所定の値となるように各ピッチを設定する。
図1に示すように、三相のケーブルコア10a,10b,10cを各相間が干渉し合うくらい近接配置して交流送電を行うことを考える。ここでは、三相のケーブルコア10a,10b,10cが一つの断熱管(図示せず)に収納された形態である。各ケーブルコア10a,10b,10cは、中心から順にフォーマ11、超電導導体層12、電気絶縁層13、超電導シールド層14、常電導シールド層15、保護層16を備える。これら各構成部材には、公知の構成・材料を用いることができる。詳細は後述する。本実施形態では、導電部材として超電導導体層12と超電導シールド層14とを考慮する。
フォーマ11は、超電導導体層の支持、ケーブルの抗張力材、その他、短絡や地絡などの事故時における事故電流を分流する通電路などに利用される。通電路にも利用する場合、フォーマ11は、銅やアルミニウムなどの常電導材料からなる中実体や中空体(管体)が好適に利用できる。中実体は、例えば、ポリビニルホルマール(PVF)やエナメルなどの絶縁被覆を備える銅線を複数本撚り合わせた撚り線材が挙げられる。フォーマ11の外周にクラフト紙やPPLP(住友電気工業株式会社の登録商標)といった絶縁性テープなどを巻回してクッション層(図示せず)を設けることができる。
三相のケーブルコアが近接配置されて交流送電を行う場合、三種類のインダクタンスが含まれる。一つ目は、一相単体のケーブルコアにおける、超電導導体層や超電導シールド層の各導電部材の自己インダクタンスである。二つ目は、一相単体のケーブルコアにおける、超電導導体層と超電導シールド層との相互インダクタンスである。これら一つ目と二つ目のインダクタンスは従来から考慮されていた。本実施形態では、三つ目のインダクタンスとして、三つのケーブルコアから選択される二つのケーブルコアの各々に備わる導電部材間における相間の相互インダクタンスを考慮する。この相互インダクタンスとして考慮すべき導電部材として、超電導導体層及び超電導シールド層は必須部材である。他に相互インダクタンスとして考慮すべき必須部材ではないものの、超電導導体層への通電に伴い電流が流れる導電部材としてフォーマや常電導シールド層などが挙げられる。相間の相互インダクタンスとしては、例えば、ケーブルコア10aとケーブルコア10bとを選択した場合、ケーブルコア10aの超電導導体層とケーブルコア10bの超電導導体層との相互インダクタンスや、ケーブルコア10aの超電導導体層とケーブルコア10bの超電導シールド層との相互インダクタンスなどが挙げられる。
上述した回路方程式では、三相のケーブルコアそれぞれについて、一相のケーブルコアにおける自己インダクタンス及び相互インダクタンスと、一相のケーブルコアとそれ以外の他相の全ケーブルコアとの相間の相互インダクタンスを解析した。ここでは、三相のケーブルコアの三相平衡時を想定する。また、簡略化のため、超電導導体層を1層、超電導シールド層を1層に近似する。この超電導導体層の近似式は数式13に示し、超電導シールド層の近似式は数式14に示す。このとき、上述した回路方程式の要素グループAと要素グループBとを考慮した超電導導体層と超電導シールド層の相互インダクタンスMは数式15で表される。また、超電導シールド層の自己インダクタンスLoは数式16で表される。
上述した交流用超電導ケーブルの製造方法によって製造される交流用超電導ケーブルは、超電導導体層の各巻回層の電流が均流化されており、かつ超電導シールド層の各巻回層の電流が均流化されている。さらに、シールド電流誘導率が高く、シールド電流誘導率が0.91超を満たす。シールド電流誘導率は、0.91超が挙げられ、好ましくは0.95超、さらに好ましくは1が挙げられる。数式1より、シールド電流誘導率は、超電導導体層の半径ai・ピッチpi・ピッチの撚り方向siと、超電導シールド層の半径ao・ピッチpo・ピッチの撚り方向soと、選択した二本のケーブルコアのコア中心間の距離(相間距離)Dとで表されることがわかる。ここで、超電導導体層及び超電導シールド層の各半径、及び選択した二本のケーブルコアの相間距離Dは予め決められているため、シールド電流誘導率を所望の値にするには、超電導導体層及び超電導シールド層の各ピッチを所望の値に設定すればよい。数式1で表される超電導導体層のピッチpiは巻回層(ここでは4層)の平均ピッチであり、各巻回層(超電導線材)のピッチは数式13から所望の値に設定すればよい。また、数式1で表される超電導シールド層のピッチpoは巻回層(ここでは2層)の平均ピッチであり、各巻回層(超電導線材)のピッチは数式14から所望の値に設定すればよい。
本実施形態の交流用超電導ケーブルにおいて、ケーブルコアの中心間の距離(相間距離)Dとシールド電流誘導率との関係を調べ、その結果を図2に示す。ここでは、超電導導体層及び超電導シールド層の各ピッチを所望の値に設定し、相間距離Dが45.6mmのときのシールド電流誘導率を実測し、相間距離Dが45.6超のときのシールド電流誘導率をシミュレーションによって求めた。そして、超電導シールド層のピッチpoを300mm〜600mmまで変化させ、各ピッチにおける相間距離Dとシールド電流誘導率との関係を調べた。図2の上グラフは、超電導導体層の平均ピッチを300mm、超電導シールド層の平均ピッチを300mmに設定しており、相間距離Dが45.6mmのときのシールド電流誘導率は、約94%であった。図2の上から二番目のグラフは、超電導導体層の平均ピッチを300mm、超電導シールド層の平均ピッチを400mmに設定しており、相間距離Dが45.6mmのときのシールド電流誘導率は、約97%であった。図2の上から三番目のグラフは、超電導導体層の平均ピッチを300mm、超電導シールド層の平均ピッチを500mmに設定しており、相間距離Dが45.6mmのときのシールド電流誘導率は、約98%であった。図2の下グラフは、超電導導体層の平均ピッチを300mm、超電導シールド層の平均ピッチを600mmに設定しており、相間距離Dが45.6mmのときのシールド電流誘導率は、約99%であった。図2のいずれのグラフも、相間距離Dを大きくするとシールド電流誘導率は高くなり、相間距離が非常に大きくなるとシールド電流誘導率は実質的に一定となった。つまり、シールド電流誘導率が相間距離Dに大きく影響されるのは、相間距離Dが小さいときであることがわかる。よって、本実施形態の交流用超電導ケーブルの製造方法は、相間距離Dが小さいときに、数式10において数式12で表される要素グループBの影響が大きくなり、効果的であると考えられる。この効果的であると考えられる相間距離Dは、10000mm以下、好ましくは2000mm以下、さらに好ましくは1000mm以下、最も好ましくは100mm以下である。
実施形態1では、導電部材として超電導導体層と超電導シールド層とを考慮したインピーダンス行列を用いて回路方程式を作成する形態を説明した。実施形態2では、導電部材として超電導導体層及び超電導シールド層に加え、フォーマと常電導シールド層とを考慮したインピーダンス行列を用いて回路方程式を作成する形態を説明する。実施形態2では、交流用超電導ケーブルの製造方法の回路方程式が実施形態1と異なるだけであり、他の構成や意義は実施形態1と同様であるため、以下の説明は相違点を中心に行う。
・試験例1
上述した実施形態1の交流用超電導ケーブルの製造方法によって、超電導導体層及び超電導シールド層の各ピッチを所望の値に設定した交流用超電導ケーブルを作製し、超電導導体層の巻回層の均流化及び超電導シールド層の巻回層の均流化と、シールド電流誘導率とを測定した。ここでは、図1に示すように、三相のケーブルコアがそれぞれ相間距離Dで配置されて撚り合わされて一つの断熱管に収納された三心一括型のケーブルとする。三相のケーブルコアは三相平衡時を想定しているため、以下に述べるケーブルコアは三相に共通である。
試験例2で作製した交流用超電導ケーブルは、試験例1と超電導導体層及び超電導シールド層の各ピッチが異なるのみで、他の構成は試験例1と同様である。各ケーブルコアの構成部材、及び仕様を表2に示す。
[付記]
超電導線材を螺旋状に巻回した巻回層を有する超電導導体層と超電導シールド層とを備える複数のケーブルコアを形成する工程を含む交流用超電導ケーブルの製造方法であって、
前記超電導導体層又は前記超電導シールド層の少なくとも一方の巻回層を多層構造にして各超電導線材を巻回するにあたり、
下記のように作成した回路方程式を用いて前記超電導導体層の巻回層の電流値と前記超電導シールド層の巻回層の電流値とを解析し、その解析結果をもとに、前記超電導導体層の巻回層が多層構造の場合にはその超電導導体層の各巻回層の電流値のばらつきが小さく、かつ前記超電導シールド層の巻回層が多層構造の場合にはその超電導シールド層の各巻回層の電流値のばらつきが小さくなるように、前記各ケーブルコアの前記超電導導体層を構成する超電導線材のピッチ、及び前記超電導シールド層を構成する超電導線材のピッチを設定する交流用超電導ケーブルの製造方法。
前記複数のケーブルコアの数をU相、各ケーブルコアを構成する導電部材の層数をW層とし、
前記導電部材には、前記超電導導体層と前記超電導シールド層とが含まれ、
各ケーブルコアにおける各導電部材の各層の電圧で、(U×W)行1列の行列で表される電圧をVUWとし、各ケーブルコアにおける各導電部材の各層の電流で、(U×W)行1列の行列で表される電流をIUWとしたとき、
(U×W)行(U×W)列のインピーダンス行列と、前記電圧VUW及び前記電流IUWとで、下記数式4の(U×W)行1列=(U×W)行(U×W)列×(U×W)行1列で表される回路方程式を作成し、
前記(U×W)行(U×W)列のインピーダンス行列は、虚数単位j、角周波数ω、インダクタンスLで表されるインピーダンスZ=jωLを用いて、下記数式5で示され下記の意義を表す要素グループAと下記数式6で示され下記の意義を表す要素グループBとに区別するように作成する。
前記要素グループAは、複数のケーブルコアから選択した単体のケーブルコアにおいて、各導電部材の自己インダクタンスと、複数の導電部材から選択した二つの導電部材間の相互インダクタンスとを表す。
前記要素グループBは、複数のケーブルコアから二つのケーブルコアを選択し、これら二つのケーブルコアの中心間の距離D(mm)を用いて、選択された二つのケーブルコアの各々を構成する特定の導電部材間の相互インダクタンスを表す。
前記要素グループAの前記相互インダクタンスを表す要素Zjk(j<k)におけるLjk(j<k)は下記数式8の相互インダクタンスMjkであり、
前記要素グループBの前記相互インダクタンスを表す要素ghZjj(j=k)におけるghLjj(j=k)及びghZjk(j<k)におけるghLjk(j<k)は下記数式9の相互インダクタンスLghである。
(ε)ajはj層目の導電部材の半径(mm)、akはj層目とは別のk層目の導電部材の半径(mm)。
(ζ)sjはj層目の導電部材の撚り方向係数、skはj層目とは別のk層目の導電部材の撚り方向係数であって、前記撚り方向がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」とする。
(η)pjはj層目の導電部材のピッチ(mm)、pkはj層目とは別のk層目の導電部材のピッチ(mm)。
(θ)dはケーブルコアの長さ(mm)、Rは積分半径(mm)。
10a,10b,10c ケーブルコア
11 フォーマ 12 超電導導体層 13 電気絶縁層
14 超電導シールド層 15 常電導シールド層 16 保護層
Claims (7)
- 超電導線材を螺旋状に巻回してなる超電導導体層及び超電導シールド層を有する複数のケーブルコアを備える交流用超電導ケーブルであって、
前記複数のケーブルコアから選択した二つのケーブルコアの中心間の距離をD(mm)としたとき、前記各ケーブルコアの前記超電導導体層を構成する超電導線材のピッチpi(mm)、及び前記超電導シールド層を構成する超電導線材のピッチpo(mm)が下記数式1を満たす交流用超電導ケーブル。
(α)aiは超電導導体層の半径(mm)、aoは超電導シールド層の半径(mm)。
(β)siは超電導導体層の各超電導線材の撚り方向係数、soは超電導シールド層の各超電導線材の撚り方向係数であって、前記超電導線材がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」とする。
(γ)前記超電導導体層が前記超電導線材からなる複数の巻回層を積層した多層構造の場合、piは超電導導体層の平均ピッチ(mm)を表し、各超電導線材のピッチは下記数式2を満たす。pnはn層目の超電導線材のピッチ、snはn層目の超電導線材の撚り方向係数である。
- 前記超電導シールド層が前記多層構造であり、該超電導シールド層の平均ピッチが400mm以上である請求項1に記載の交流用超電導ケーブル。
- 前記超電導シールド層が前記多層構造であり、かつ前記巻回層の数が偶数であって、該超電導シールド層の各超電導線材の撚り方向のS撚りの層数とZ撚りの層数とが等しい請求項1または請求項2に記載の交流用超電導ケーブル。
- 前記超電導シールド層が前記超電導線材からなる巻回層を1層のみ備える単層構造であり、該超電導シールド層を構成する前記超電導線材のピッチが400mm以上である請求項1に記載の交流用超電導ケーブル。
- 超電導線材を螺旋状に巻回した巻回層を有する超電導導体層と超電導シールド層とを備える複数のケーブルコアを形成する工程を含む交流用超電導ケーブルの製造方法であって、
前記複数のケーブルコアから選択した二つのケーブルコアの中心間の距離をD(mm)としたとき、前記各ケーブルコアの前記超電導導体層を構成する超電導線材のピッチpi(mm)、及び前記超電導シールド層を構成する超電導線材のピッチpo(mm)が下記数式1を満たすように、前記ピッチpi及び前記ピッチpoを設定する交流用超電導ケーブルの製造方法。
(α)aiは超電導導体層の半径(mm)、aoは超電導シールド層の半径(mm)。
(β)siは超電導導体層の各超電導線材の撚り方向係数、soは超電導シールド層の各超電導線材の撚り方向係数であって、前記超電導線材がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」とする。
(γ)前記超電導導体層の巻回層が複数層である多層構造の場合、piは超電導導体層の平均ピッチ(mm)を表し、各超電導線材のピッチは下記数式2を満たす。pnはn層目の超電導線材のピッチ、snはn層目の超電導線材の撚り方向係数である。
- 前記超電導導体層又は前記超電導シールド層の少なくとも一方が前記多層構造である場合、
下記のように作成した回路方程式を用いて前記超電導導体層の巻回層の電流値と前記超電導シールド層の巻回層の電流値とを解析し、その解析結果をもとに、前記超電導導体層の巻回層が多層構造の場合にはその超電導導体層の各巻回層の電流値のばらつきが所定値以下となり、かつ前記超電導シールド層の巻回層が多層構造の場合にはその超電導シールド層の各巻回層の電流値のばらつきが所定値以下となるように、前記各ケーブルコアの前記超電導導体層を構成する超電導線材のピッチ、及び前記超電導シールド層を構成する超電導線材のピッチを設定する請求項5に記載の交流用超電導ケーブルの製造方法。
前記複数のケーブルコアの数をU相、各ケーブルコアを構成する導電部材の層数をW層とし、
前記導電部材には、前記超電導導体層と前記超電導シールド層とが含まれ、
各ケーブルコアにおける各導電部材の各層の電圧で、(U×W)行1列の行列で表される電圧をVUWとし、各ケーブルコアにおける各導電部材の各層の電流で、(U×W)行1列の行列で表される電流をIUWとしたとき、
(U×W)行(U×W)列のインピーダンス行列と、前記電圧VUW及び前記電流IUWとで、下記数式4の(U×W)行1列=(U×W)行(U×W)列×(U×W)行1列で表される回路方程式を作成し、
前記(U×W)行(U×W)列のインピーダンス行列は、虚数単位j、角周波数ω、インダクタンスLで表されるインピーダンスZ=jωLを用いて、下記数式5で示され下記の意義を表す要素グループAと下記数式6で示され下記の意義を表す要素グループBとに区別するように作成する。
前記要素グループAは、複数のケーブルコアから選択した単体のケーブルコアにおいて、各導電部材の自己インダクタンスと、複数の導電部材から選択した二つの導電部材間の相互インダクタンスとを表す。
前記要素グループBは、複数のケーブルコアから二つのケーブルコアを選択し、これら二つのケーブルコアの中心間の距離D(mm)を用いて、選択された二つのケーブルコアの各々を構成する特定の導電部材間の相互インダクタンスを表す。
前記要素グループAの前記相互インダクタンスを表す要素Zjk(j<k)におけるLjk(j<k)は下記数式8の相互インダクタンスMjkであり、
前記要素グループBの前記相互インダクタンスを表す要素ghZjj(j=k)におけるghLjj(j=k)及びghZjk(j<k)におけるghLjk(j<k)は下記数式9の相互インダクタンスLghである。
(ε)ajはj層目の導電部材の半径(mm)、akはj層目とは別のk層目の導電部材の半径(mm)。
(ζ)sjはj層目の導電部材の撚り方向係数、skはj層目とは別のk層目の導電部材の撚り方向係数であって、前記撚り方向がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」とする。
(η)pjはj層目の導電部材のピッチ(mm)、pkはj層目とは別のk層目の導電部材のピッチ(mm)。
(θ)dはケーブルコアの長さ(mm)、Rは積分半径(mm)。 - 請求項5に記載の交流用超電導ケーブルの製造方法によって製造された交流用超電導ケーブル。
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