JP2015170475A - 交流用超電導ケーブル、及び交流用超電導ケーブルの製造方法 - Google Patents

交流用超電導ケーブル、及び交流用超電導ケーブルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のケーブルコアが近接配置されて交流送電を行う場合でも、交流損失が小さい交流用超電導ケーブル、及び交流用超電導ケーブルの製造方法を提供する。
【解決手段】超電導線材を螺旋状に巻回してなる超電導導体層及び超電導シールド層を有する複数のケーブルコアを備える交流用超電導ケーブルであって、前記複数のケーブルコアから選択した二つのケーブルコアの中心間の距離をD(mm)としたとき、前記各ケーブルコアの前記超電導導体層を構成する超電導線材のピッチp(mm)、及び前記超電導シールド層を構成する超電導線材のピッチp(mm)が下記数式1を満たす交流用超電導ケーブル。
Figure 2015170475


【選択図】図1

Description

本発明は、超電導導体層及び超電導シールド層を有する複数のケーブルコアを備える交流用超電導ケーブル、及びその交流用超電導ケーブルの製造方法に関する。特に、複数のケーブルコアが近接配置されて交流送電を行う場合でも、交流損失が小さい交流用超電導ケーブルに関する。
電力供給路を構成する電力ケーブルとして、超電導ケーブルが開発されつつある。超電導ケーブルとして、一つの断熱管に3心のケーブルコアが撚り合わせて収納された三心一括型のケーブルが知られている。各ケーブルコアは、代表的には、中心から順にフォーマ、超電導導体層、電気絶縁層、超電導シールド層、保護層を備える。
上記超電導ケーブルを用いて交流送電を行うと、交流損失が生じるため、この交流損失の低減が求められる。特許文献1では、多層超電導層(超電導導体層及び超電導シールド層)を構成する超電導線材を螺旋状に巻回するにあたり、単心(一相)のケーブルコアに着目した特定の解析結果に基づいて、各超電導線材のピッチを設定することで、多層の超電導線材における電流のばらつきを低減し、交流損失を低減できることが開示されている。
特開2001−266668号公報
しかし、特許文献1に記載された解析結果に基づいてピッチを設定した場合でも、交流損失を十分に低減できない場合があった。超電導導体層への通電に伴い、超電導シールド層に導体電流と同じ大きさで逆向きの誘導電流が流れると、超電導導体層による磁場と超電導シールド層による磁場とが相殺することで、磁場はケーブルコアの外部には実質的に漏れない。三心一括型の超電導ケーブルの各ケーブルコアについて、特許文献1に記載された解析結果に基づいて超電導線材のピッチを設定すると、超電導導体層に流れる導体電流Iに対する超電導シールド層に流れる誘導電流Iのシールド電流誘導率(−I/I)が理想値の1.0を下回ることがあった。つまり、導体電流と誘導電流との差に基づく磁場がケーブルコアの外部に漏れる(漏れ磁場が生じる)ことによって、交流損失が発生していると考えられる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的の一つは、複数のケーブルコアが近接配置されて交流送電を行う場合でも、交流損失が小さい交流用超電導ケーブルを提供することにある。
また、本発明の別の目的は、複数のケーブルコアが近接配置されて交流送電を行う場合でも、交流損失が小さい交流用超電導ケーブルを製造することができる交流用超電導ケーブルの製造方法を提供することにある。
本発明の一形態に係る交流用超電導ケーブルは、超電導線材を螺旋状に巻回してなる超電導導体層及び超電導シールド層を有する複数のケーブルコアを備える交流用超電導ケーブルであって、前記複数のケーブルコアから選択した二つのケーブルコアの中心間の距離をD(mm)としたとき、前記各ケーブルコアの前記超電導導体層を構成する超電導線材のピッチp(mm)、及び前記超電導シールド層を構成する超電導線材のピッチp(mm)が下記数式1を満たす。
Figure 2015170475
ただし、以下の要件を満たす。
(α)aは超電導導体層の半径(mm)、aは超電導シールド層の半径(mm)。
(β)sは超電導導体層の各超電導線材の撚り方向係数、sは超電導シールド層の各超電導線材の撚り方向係数であって、前記超電導線材がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」とする。
(γ)前記超電導導体層が前記超電導線材からなる複数の巻回層を積層した多層構造の場合、pは超電導導体層の平均ピッチ(mm)を表し、各超電導線材のピッチは下記数式2を満たす。pはn層目の超電導線材のピッチ、sはn層目の超電導線材の撚り方向係数である。
Figure 2015170475
(δ)前記超電導シールド層が前記超電導線材からなる複数の巻回層を積層した多層構造の場合、pは超電導シールド層の平均ピッチ(mm)を表し、各超電導線材のピッチは下記数式3を満たす。pはn層目の超電導線材のピッチ、sはn層目の超電導線材の撚り方向係数である。
Figure 2015170475
本発明の一形態に係る交流用超電導ケーブルの製造方法は、超電導線材を螺旋状に巻回した巻回層を有する超電導導体層と超電導シールド層とを備える複数のケーブルコアを形成する工程を含む交流用超電導ケーブルの製造方法であって、前記複数のケーブルコアから選択した二つのケーブルコアの中心間の距離をD(mm)としたとき、前記各ケーブルコアの前記超電導導体層を構成する超電導線材のピッチp(mm)、及び前記超電導シールド層を構成する超電導線材のピッチp(mm)が下記数式1を満たすように、前記ピッチp及び前記ピッチpを設定する。
Figure 2015170475
ただし、以下の要件を満たす。
(α)aは超電導導体層の半径(mm)、aは超電導シールド層の半径(mm)。
(β)sは超電導導体層の各超電導線材の撚り方向係数、sは超電導シールド層の各超電導線材の撚り方向係数であって、前記超電導線材がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」とする。
(γ)前記超電導導体層の巻回層が複数層である多層構造の場合、pは超電導導体層の平均ピッチ(mm)を表し、各超電導線材のピッチは下記数式2を満たす。pはn層目の超電導線材のピッチ、sはn層目の超電導線材の撚り方向係数である。
Figure 2015170475
(δ)前記超電導シールド層の巻回層が複数層である多層構造の場合、pは超電導シールド層の平均ピッチ(mm)を表し、各超電導線材のピッチは下記数式3を満たす。pはn層目の超電導線材のピッチ、sはn層目の超電導線材の撚り方向係数である。
Figure 2015170475
上記交流用超電導ケーブルは、複数のケーブルコアが近接配置されて交流送電を行う場合でも交流損失が小さい。
上記交流用超電導ケーブルの製造方法は、複数のケーブルコアが近接配置されて交流送電を行う場合でも、交流損失が小さい交流用超電導ケーブルを製造することができる。
実施形態に係る交流用超電導ケーブルの概略断面図である。 実施形態に係る交流用超電導ケーブルにおいて、ケーブルコアの相間距離とシールド電流の誘導率との関係を示すグラフである。 試験例1の交流用超電導ケーブルの各ケーブルコアにおける各導電部材に流れる電流の値を示すグラフである。 試験例2の交流用超電導ケーブルの各ケーブルコアにおける各導電部材に流れる電流の値を示すグラフである。
[本発明の実施形態の説明]
本発明者らは、特許文献1に係る方法により、超電導導体層及び超電導シールド層を構成する各超電導線材のピッチを設定した超電導ケーブルについて、シールド電流誘導率を検討した。その結果、シールド電流誘導率は、単心ケーブルの場合ほぼ1.0(100%)であるにもかかわらず、三心一括型ケーブルの場合0.91(91%)と低いことがあった。この知見から、隣接するケーブルコアが磁気的に相互に影響し合うことがあると考えた。そこで、超電導導体層及び超電導シールド層を構成する各超電導線材のピッチを設定するにあたり、従来考慮されていなかった各ケーブルコア間の相互インダクタンス(以下、相間の相互インダクタンスと呼ぶことがある)を加味することを検討した。まず、各ケーブルコア間の影響を確認するために、各相のインダクタンスと、インダクタンスに影響を及ぼし得るパラメータを有限要素法によって調べた。具体的には、2本のケーブルコアがコア中心間の距離(以下、相間距離と呼ぶことがある)Dで配置された状態において、各ケーブルコアの超電導導体層及び超電導シールド層に流れる電流を変化させて各層の磁場エネルギーをシミュレーションにより求め、この磁場エネルギーからさらにインダクタンスを求めた。その結果、双方のケーブルコアに同時に電流が流れている場合、相間の相互インダクタンスは、ケーブルコアの相間距離Dに大きく影響されることがわかった。このケーブルコアの相間距離Dを用いて表される各ケーブルコア間の相互インダクタンスを検討し、本発明を完成するに至った。各ケーブルコア間の相互インダクタンスについての詳細は後述する。以下、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)実施形態の交流用超電導ケーブルは、超電導線材を螺旋状に巻回してなる超電導導体層及び超電導シールド層を有する複数のケーブルコアを備える交流用超電導ケーブルであって、前記複数のケーブルコアから選択した二つのケーブルコアの中心間の距離をD(mm)としたとき、前記各ケーブルコアの前記超電導導体層を構成する超電導線材のピッチp(mm)、及び前記超電導シールド層を構成する超電導線材のピッチp(mm)が下記数式1を満たす。
Figure 2015170475
ただし、以下の要件を満たす。
(α)aは超電導導体層の半径(mm)、aは超電導シールド層の半径(mm)。
(β)sは超電導導体層の各超電導線材の撚り方向係数、sは超電導シールド層の各超電導線材の撚り方向係数であって、前記超電導線材がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」とする。
(γ)前記超電導導体層が前記超電導線材からなる複数の巻回層を積層した多層構造の場合、pは超電導導体層の平均ピッチ(mm)を表し、各超電導線材のピッチは下記数式2を満たす。pはn層目の超電導線材のピッチ、sはn層目の超電導線材の撚り方向係数である。
Figure 2015170475
(δ)前記超電導シールド層が前記超電導線材からなる複数の巻回層を積層した多層構造の場合、pは超電導シールド層の平均ピッチ(mm)を表し、各超電導線材のピッチは下記数式3を満たす。pはn層目の超電導線材のピッチ、sはn層目の超電導線材の撚り方向係数である。
Figure 2015170475
この明細書において、「交流用超電導ケーブル」とは、複数のケーブルコアを備え、交流送電に利用される超電導ケーブルのことであり、複数のケーブルコアが一つの断熱管に収納された形態や、複数のケーブルコアがそれぞれ別の断熱管に収納されて並列する形態が含まれる。
上記構成によれば、複数のケーブルコアが近接配置されて交流送電を行う場合でも、各ケーブルコアの超電導シールド層のシールド電流誘導率(以下、単に誘導率と呼ぶことがある)が高い。従来は、複数のケーブルコアのうち1相のケーブルコアにのみ着目して、その1相のケーブルコアの超電導導体層及び超電導シールド層の各自己インダクタンス及び相互インダクタンスを考慮して、超電導導体層及び超電導シールド層のピッチを設定していた。本実施形態では、さらに、上記1相のケーブルコアにおける超電導導体層及び超電導シールド層と、この1相のケーブルコアとは別の他相のケーブルコアの超電導導体層及び超電導シールド層との相間の相互インダクタンスを考慮している。複数のケーブルコアの各々のケーブルコアにおいて相間の相互インダクタンスを考慮して、各ケーブルコアの超電導導体層及び超電導シールド層のピッチを設定しているため、誘導率が高い。よって、漏れ磁場の発生を抑制でき、交流損失を低減できる。
上記数式1について、1相のケーブルコアの超電導導体層と超電導シールド層の軸方向磁場に関する相互インダクタンスは分子の第一項に表され、1相のケーブルコアの超電導シールド層の軸方向磁場に関する自己インダクタンスは分母の第一項に表されている。1相のケーブルコアと他相のケーブルコアの相間の相互インダクタンスまで考慮した、1相のケーブルコアの超電導導体層と超電導シールド層の径方向磁場に関する相互インダクタンス、及び1相のケーブルコアの超電導シールド層の径方向磁場に関する自己インダクタンスは、二つのケーブルコアの中心間の距離Dを用いてそれぞれ数式1の分子及び分母の第二項に表されている。ここで、1相のケーブルコアにおいて、超電導導体層に流れる導体電流をI、超電導シールド層に流れる誘導電流をI、超電導導体層と超電導シールド層の相互インダクタンスをM、超電導シールド層の自己インダクタンスをLとする。数式1は、超電導導体層の導体電流と超電導シールド層の誘導電流との関係を規定する関係式から得られるシールド電流誘導率(−I/I=M/L)を用いて表された式であり、M,L共に上記相間の相互インダクタンスが加味されていることがわかる。この誘導率が0.91超であることで、本実施形態の交流用超電導ケーブルは、シールド電流誘導率が高い。
(2)実施形態の交流用超電導ケーブルとして、前記超電導シールド層が前記多層構造であり、該超電導シールド層の平均ピッチが400mm以上であることが挙げられる。
超電導シールド層が作る軸方向の磁場が強いと、超電導シールド層の誘導率は低くなる。超電導シールド層のピッチを大きくすることで、超電導シールド層が作る軸方向の磁場を弱くでき、シールド電流誘導率を向上できる傾向にある。そこで、超電導シールド層が多層構造の場合、該超電導シールド層の平均ピッチが400mm以上であることで、シールド電流誘導率を向上させ易い。
(3)実施形態の交流用超電導ケーブルとして、前記超電導シールド層が前記多層構造であり、かつ前記巻回層の数が偶数であって、該超電導シールド層の各超電導線材の撚り方向のS撚りの層数とZ撚りの層数とが等しいことが挙げられる。
超電導シールド層が多層構造の場合、各超電導線材の撚り方向のS撚りの層数とZ撚りの層数とが等しいことで、超電導シールド層が作る軸方向の磁場を弱くでき、シールド電流誘導率を向上できる傾向にある。そこで、S撚りの層数とZ撚りの層数とを等しくすることで、シールド電流誘導率を向上させ易い。
(4)実施形態の交流用超電導ケーブルとして、前記超電導シールド層が前記超電導線材からなる巻回層を1層のみ備える単層構造であり、該超電導シールド層を構成する前記超電導線材のピッチが400mm以上であることが挙げられる。
超電導シールド層が単層構造の場合、該超電導シールド層の超電導線材のピッチが400mm以上であることで、シールド電流誘導率を向上させ易い。
(5)実施形態の交流用超電導ケーブルの製造方法は、超電導線材を螺旋状に巻回した巻回層を有する超電導導体層と超電導シールド層とを備える複数のケーブルコアを形成する工程を含む交流用超電導ケーブルの製造方法であって、前記複数のケーブルコアから選択した二つのケーブルコアの中心間の距離をD(mm)としたとき、前記各ケーブルコアの前記超電導導体層を構成する超電導線材のピッチp(mm)、及び前記超電導シールド層を構成する超電導線材のピッチp(mm)が下記数式1を満たすように、前記ピッチp及び前記ピッチpを設定する。
Figure 2015170475
ただし、以下の要件を満たす。
(α)aは超電導導体層の半径(mm)、aは超電導シールド層の半径(mm)。
(β)sは超電導導体層の各超電導線材の撚り方向係数、sは超電導シールド層の各超電導線材の撚り方向係数であって、前記超電導線材がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」とする。
(γ)前記超電導導体層の巻回層が複数層である多層構造の場合、pは超電導導体層の平均ピッチ(mm)を表し、各超電導線材のピッチは下記数式2を満たす。pはn層目の超電導線材のピッチ、sはn層目の超電導線材の撚り方向係数である。
Figure 2015170475
(δ)前記超電導シールド層の巻回層が複数層である多層構造の場合、pは超電導シールド層の平均ピッチ(mm)を表し、各超電導線材のピッチは下記数式3を満たす。pはn層目の超電導線材のピッチ、sはn層目の超電導線材の撚り方向係数である。
Figure 2015170475
上記方法によれば、複数のケーブルコアが近接配置されて交流送電を行う場合でも、各ケーブルコアの超電導シールド層のシールド電流誘導率が高い交流用超電導ケーブルを製造することができる。数式1は超電導導体層の導体電流と超電導シールド層の誘導電流との関係を規定する関係式から得られるシールド電流誘導率(−I/I=M/L)を用いて表された式であり、M,L共に上記相間の相互インダクタンスが加味されている。よって、このシールド電流誘導率が0.91超を満たすようにピッチを設定することで、シールド電流誘導率が高い交流用超電導ケーブルを製造することができる。従って、漏れ磁場の発生を抑制でき、交流損失を低減できる。
(6)実施形態の交流用超電導ケーブルの製造方法として、前記超電導導体層又は前記超電導シールド層の少なくとも一方が前記多層構造である場合、下記のように作成した回路方程式を用いて前記超電導導体層の巻回層の電流値と前記超電導シールド層の巻回層の電流値とを解析し、その解析結果をもとに、前記超電導導体層の巻回層が多層構造の場合にはその超電導導体層の各巻回層の電流値のばらつきが所定値以下となり、かつ前記超電導シールド層の巻回層が多層構造の場合にはその超電導シールド層の各巻回層の電流値のばらつきが所定値以下となるように、前記各ケーブルコアの前記超電導導体層を構成する超電導線材のピッチ、及び前記超電導シールド層を構成する超電導線材のピッチを設定することが挙げられる。
前記複数のケーブルコアの数をU相、各ケーブルコアを構成する導電部材の層数をW層とする。前記導電部材には、前記超電導導体層と前記超電導シールド層とが含まれる。各ケーブルコアにおける各導電部材の各層の電圧で、(U×W)行1列の行列で表される電圧をVUWとし、各ケーブルコアにおける各導電部材の各層の電流で、(U×W)行1列の行列で表される電流をIUWとする。(U×W)行(U×W)列のインピーダンス行列と、前記電圧VUW及び前記電流IUWとで、下記数式4の(U×W)行1列=(U×W)行(U×W)列×(U×W)行1列で表される回路方程式を作成する。前記(U×W)行(U×W)列のインピーダンス行列は、虚数単位j、角周波数ω、インダクタンスLで表されるインピーダンスZ=jωLを用いて、下記数式5で示され下記の意義を表す要素グループAと下記数式6で示され下記の意義を表す要素グループBとに区別するように作成する。
前記要素グループAは、複数のケーブルコアから選択した単体のケーブルコアにおいて、各導電部材の自己インダクタンスと、複数の導電部材から選択した二つの導電部材間の相互インダクタンスとを表す。前記要素グループBは、複数のケーブルコアから二つのケーブルコアを選択し、これら二つのケーブルコアの中心間の距離D(mm)を用いて、選択された二つのケーブルコアの各々を構成する特定の導電部材間の相互インダクタンスを表す。
Figure 2015170475
前記要素グループAの前記自己インダクタンスを表す要素Zjj(j=k)におけるLjj(j=k)は下記数式7の自己インダクタンスLjjである。前記要素グループAの前記相互インダクタンスを表す要素Zjk(j<k)におけるLjk(j<k)は下記数式8の相互インダクタンスMjkである。前記要素グループBの前記相互インダクタンスを表す要素ghjj(j=k)におけるghjj(j=k)及びghjk(j<k)におけるghjk(j<k)は下記数式9の相互インダクタンスLghである。
Figure 2015170475
ただし、以下の要件を満たす。
(ε)aはj層目の導電部材の半径(mm)、aはj層目とは別のk層目の導電部材の半径(mm)。
(ζ)sはj層目の導電部材の撚り方向係数、sはj層目とは別のk層目の導電部材の撚り方向係数であって、前記撚り方向がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」とする。
(η)pはj層目の導電部材のピッチ(mm)、pはj層目とは別のk層目の導電部材のピッチ(mm)。
(θ)dはケーブルコアの長さ(mm)、Rは積分半径(mm)。
上記方法によれば、交流送電に利用される複数のケーブルコアに備える超電導導体層及び超電導シールド層を構成する各超電導線材のピッチを正確に解析して、超電導導体層及び超電導シールド層の各巻回層の電流を均一化することで、交流損失が小さい交流用超電導ケーブルを製造することができる。従来は、上述したように、単心(1相)のケーブルコアにのみ着目していたため、数式4の要素グループAは考慮していたが、要素グループBは考慮していなかった。本実施形態では、相間の相互インダクタンスを考慮して、数式4の要素グループBを加味した回路方程式を作成することで、要素グループAと要素グループBの双方を考慮した回路方程式とできる。この回路方程式を用いて得られる各ケーブルコアの超電導導体層及び超電導シールド層のピッチを設定しているため、各ケーブルコア間の影響を考慮して上記各巻回層の電流を均流化できており、交流損失を低減できる。
(7)実施形態の交流用超電導ケーブルとして、上記(5)や(6)の実施形態の交流用超電導ケーブルの製造方法によって製造されたものを提案する。
実施形態の交流用超電導ケーブルは、複数のケーブルコアの各々のケーブルコアにおいて従来考慮されていなかった相間の相互インダクタンスを考慮して得られた超電導導体層及び超電導シールド層の各ピッチを設定することで、製造された交流用超電導ケーブルは、シールド電流誘導率が高く、漏れ磁場の発生を抑制でき、交流損失を低減できる。さらに、相間の相互インダクタンスを考慮して回路方程式を作成し、この回路方程式を用いて得られた超電導導体層及び超電導シールド層の各ピッチを設定することで、製造された交流用超電導ケーブルは、超電導導体層の各巻回層の電流を均流化でき、かつ超電導シールド層の各巻回層の電流を均流化できる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態の詳細を、以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<実施形態1>
実施形態1の交流用超電導ケーブル1は、図1に示すように、三相のケーブルコア10a,10b,10cが撚り合わされて一つの断熱管(図示せず)に収納された三心一括型のケーブルである。本実施形態の交流用超電導ケーブル1の主たる特徴とするところは、各ケーブルコア10a,10b,10cにおいて、超電導導体層12の各巻回層に流れる電流が均流化され、かつ超電導シールド層14の各巻回層に流れる電流が均流化されており、かつ超電導導体層12によって超電導シールド層14に流れる誘導電流の誘導率が高くなるように、超電導導体層12のピッチ及び超電導シールド層14のピッチが設定されていることにある。この超電導導体層12のピッチ及び超電導シールド層14のピッチは、後述するインピーダンス行列を用いた解析方法によって得ることができる。以下、インピーダンス行列を用いた解析方法による交流用超電導ケーブルの製造方法について説明し、その後に交流用超電導ケーブルについて説明する。
〔交流用超電導ケーブルの製造方法〕
交流用超電導ケーブルの製造方法は、三相のケーブルコアを各相間の干渉を考慮してモデル化し、このモデルに基づいてインピーダンス行列を構築して回路方程式の作成を行う。インピーダンス行列には後述する三種類のインダクタンスが含まれる。この回路方程式より、三種類のインダクタンスを求めて、超電導導体層の各巻回層に流れる電流が均流化され、かつ超電導シールド層の各巻回層に流れる電流が均流化されるように、各相のケーブルコアの超電導導体層のピッチと超電導シールド層のピッチとを所定の値に設定する。また、上記三種類のインダクタンスを用いて、後述する超電導導体層の導体電流と超電導シールド層の誘導電流との関係を規定する関係式を用いて、超電導導体層への通電に伴って超電導シールド層に流れる誘導電流の誘導率(シールド電流誘導率)が所定の値となるように各ピッチを設定する。
(モデル化)
図1に示すように、三相のケーブルコア10a,10b,10cを各相間が干渉し合うくらい近接配置して交流送電を行うことを考える。ここでは、三相のケーブルコア10a,10b,10cが一つの断熱管(図示せず)に収納された形態である。各ケーブルコア10a,10b,10cは、中心から順にフォーマ11、超電導導体層12、電気絶縁層13、超電導シールド層14、常電導シールド層15、保護層16を備える。これら各構成部材には、公知の構成・材料を用いることができる。詳細は後述する。本実施形態では、導電部材として超電導導体層12と超電導シールド層14とを考慮する。
各ケーブルコア10a,10b,10cのいずれも、超電導導体層12は超電導線材からなる複数の巻回層を積層した多層構造としており、ここでは4層である。超電導導体層12のj層目の超電導線材の内径、ピッチ、及び撚り方向係数をそれぞれa、p、及びsとする。sは、超電導線材がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」とする。
また、各ケーブルコア10a,10b,10cのいずれも、超電導シールド層14は超電導線材からなる複数の巻回層を積層した多層構造としており、ここでは2層である。本実施形態では、各ケーブルコア10a,10b,10cを構成する導電部材の層数は、全導電部材の層数を内側から順に計算する。よって、超電導シールド層14のj層目の超電導線材の内径、ピッチ、及び撚り方向係数もそれぞれa、p、及びsとする。sは、超電導線材がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」とする。ここでは、超電導導体層12が4層、超電導シールド層14が2層であるため、超電導導体層12の1層目がj=1、超電導シールド層14の1層目はj=5となる。
各ケーブルコア10a,10b,10cから選択した二つのケーブルコアのコア中心間距離(相間距離)D(mm)は、ケーブルコア10a,10bを選択した場合はケーブルコア10a,10bの相間距離Dabであり、ケーブルコア10b,10cを選択した場合はDbcであり、ケーブルコア10c,10aを選択した場合はDcaである。ここでは、Dab=Dbc=Dca=Dである。
〈ケーブルコアの構成部材〉
フォーマ11は、超電導導体層の支持、ケーブルの抗張力材、その他、短絡や地絡などの事故時における事故電流を分流する通電路などに利用される。通電路にも利用する場合、フォーマ11は、銅やアルミニウムなどの常電導材料からなる中実体や中空体(管体)が好適に利用できる。中実体は、例えば、ポリビニルホルマール(PVF)やエナメルなどの絶縁被覆を備える銅線を複数本撚り合わせた撚り線材が挙げられる。フォーマ11の外周にクラフト紙やPPLP(住友電気工業株式会社の登録商標)といった絶縁性テープなどを巻回してクッション層(図示せず)を設けることができる。
超電導導体層12及び超電導シールド層14は、酸化物超電導導体を備えるテープ状線材、例えばBi2223系超電導テープ線(Ag−Mnシース線)を単層又は多層に螺旋状に巻回した構成が挙げられる。その他、RE123系薄膜線材(RE:希土類元素、例えばY、Ho、Nd、Sm、Gdなど)も超電導導体層12及び超電導シールド層14に利用できる。一つの超電導層を多層構造とする場合、各超電導線材の層間にクラフト紙などの絶縁紙を巻回した層間絶縁層を形成することができる。その他、超電導導体層12の直上にカーボン紙などを巻回して内側半導電層を設けたり、超電導シールド層14の直下にカーボン紙などを巻回して外側半導電層を設けたりすることができる。
超電導導体層12及び超電導シールド層14を構成する各超電導線材の使用数や線材層の積層数は、所望の電流容量に応じて設計される。一般に、使用数や積層数を多くすると、超電導導体層12及び超電導シールド層14の定格電流を大きくすることができる。例えば、定格電流が2kA以上、更に4kA以上、特に5kA以上といった大容量の電力供給が可能な交流用超電導ケーブルとすることができる。
電気絶縁層13は、クラフト紙などの絶縁紙テープや、クラフト紙とプラスチックとを複合した半合成絶縁テープ、例えばPPLPといったテープ状の絶縁性材料を巻回した構成が挙げられる。
常電導シールド層15は、上述した事故電流の誘導電流を分流する通電路に利用されることから、銅といった常電導材料からなる金属テープを巻回した構成が挙げられる。
保護層16は、シールド層(特に超電導シールド層14)を機械的に保護する機能を有する。保護層16は、クラフト紙やPPLPといった半合成絶縁紙などの絶縁性テープを巻回した構成が挙げられる。
(インピーダンス行列を用いた回路方程式について)
三相のケーブルコアが近接配置されて交流送電を行う場合、三種類のインダクタンスが含まれる。一つ目は、一相単体のケーブルコアにおける、超電導導体層や超電導シールド層の各導電部材の自己インダクタンスである。二つ目は、一相単体のケーブルコアにおける、超電導導体層と超電導シールド層との相互インダクタンスである。これら一つ目と二つ目のインダクタンスは従来から考慮されていた。本実施形態では、三つ目のインダクタンスとして、三つのケーブルコアから選択される二つのケーブルコアの各々に備わる導電部材間における相間の相互インダクタンスを考慮する。この相互インダクタンスとして考慮すべき導電部材として、超電導導体層及び超電導シールド層は必須部材である。他に相互インダクタンスとして考慮すべき必須部材ではないものの、超電導導体層への通電に伴い電流が流れる導電部材としてフォーマや常電導シールド層などが挙げられる。相間の相互インダクタンスとしては、例えば、ケーブルコア10aとケーブルコア10bとを選択した場合、ケーブルコア10aの超電導導体層とケーブルコア10bの超電導導体層との相互インダクタンスや、ケーブルコア10aの超電導導体層とケーブルコア10bの超電導シールド層との相互インダクタンスなどが挙げられる。
上記相間の相互インダクタンスを加味したインピーダンス行列を用いた回路方程式を数式10に示す。ここでは、ケーブルコアの数Uは3相(ケーブルコア10a,10b,10c)であり、各ケーブルコア10a,10b,10cの各々を構成する導電部材の層数Wは6層(各ケーブルコアの内側から順に、超電導導体層12が4層、超電導シールド層14が2層)である。ここで言う導電部材の層数Wは、層間絶縁されている導電部材の層数である。例えば、一つの超電導層を多層構造とする場合、各層間にはクラフト紙などの絶縁紙を巻回した層間絶縁層などが介在されている。数式10で示される回路方程式は、18行1列=18行18列×18行1列の行列で表される。数式10中の添え字では、ケーブルコア10aをa、ケーブルコア10bをb、ケーブルコア10cをcで表し、4層の超電導導体層を内層から順に1〜4、2層の超電導シールド層を内層から順に5〜6で表している(数式11,12も同様)。
数式10について、Va1,Va2,Va3,Va4,Va5,Va6は、それぞれ順にケーブルコア10aの超電導導体層12の1〜4層目、超電導シールド層14の1〜2層目の電圧である。Vb1,Vb2,Vb3,Vb4,Vb5,Vb6は、ケーブルコア10bを構成する導電部材の各電圧であり、Vc1,Vc2,Vc3,Vc4,Vc5,Vc6は、ケーブルコア10cを構成する導電部材の各電圧である。以上より、各ケーブルコア10a,10b,10cにおける各導電部材の電圧VUW=V36は、18行1列の行列で表される。Ia1,Ia2,Ia3,Ia4,Ia5,Ia6は、それぞれ順にケーブルコア10aの超電導導体層12の1〜4層目、超電導シールド層14の1〜2層目に流れる電流である。Ib1,Ib2,Ib3,Ib4,Ib5,Ib6は、ケーブルコア10bを構成する導電部材の各電流であり、Ic1,Ic2,Ic3,Ic4,Ic5,Ic6は、ケーブルコア10cを構成する導電部材の各電流である。以上より、各ケーブルコア10a,10b,10cにおける各導電部材に流れる電流IUW=I36は、18行1列の行列で表される。インピーダンス行列は、18行18列の行列で表され、虚数単位j、角周波数ω、インダクタンスLで表されるインピーダンスZ=jωLを用いて、数式11で示される要素グループAと数式12で表される要素グループBとに区別して作成する。
Figure 2015170475
要素グループAは、三相のケーブルコア10a,10b,10cから一相のケーブルコアを選択したとき、その一相のケーブルコアにおける、各導電部材の自己インダクタンスと、6層の導電部材から選択した二つの導電部材の相互インダクタンスとを表す。数式10について、aaAはケーブルコア10aを選択したときの要素グループAであり、bbAはケーブルコア10bを選択したときの要素グループAであり、ccAはケーブルコア10cを選択したときの要素グループAを表す。
要素グループAの各要素Zについて、選択するケーブルコアは一相であり、3相のケーブルコアのうちどのケーブルコアを選択しても、要素Zは変わらないため、Zの左側には選択したケーブルコアの添え字は示さない。要素Z11,Z22,Z33,Z44,Z55,Z66はそれぞれ、超電導導体層1〜4層、超電導シールド層1〜2層の自己インダクタンスを表す。要素Zjk(ただしj<k)は、選択した二つの導電部材の相互インダクタンスを表す。例えば、Z12は超電導導体層の1層目と超電導導体層の2層目の相互インダクタンスを表し、Z16は超電導導体層の1層目と超電導シールド層の2層目の相互インダクタンスを表す。
要素グループBは、三相のケーブルコア10a,10b,10cから二相のケーブルコアを選択し、この選択した二相のケーブルコアの各々を構成する特定の導電部材間の相互インダクタンスを表す。この相互インダクタンスは、選択した二相のケーブルコアの相間距離Dを用いて表す。数式10について、abBはケーブルコア10aとケーブルコア10bを選択したときの要素グループBであり、bcBはケーブルコア10bとケーブルコア10cを選択したときの要素グループBを表す。
要素グループBの各要素Zについて、Zの左下の数字は選択したケーブルコアを示し、Zの右下の数字は選択した導電部材を示し、選択したケーブルコアの各々の導電部材間の相互インダクタンスを表す。要素ghjk(ただしg≠h)は、選択した二相のケーブルコアの各々を構成する特定の導電部材間の相互インダクタンスを表す。例えば、ab11は、ケーブルコア10aの超電導導体層の1層目とケーブルコア10bの超電導導体層の1層目との相互インダクタンスを表し、ケーブルコア10a,10bの相間距離Dabで表される。他に、ac25は、ケーブルコア10aの超電導導体層の2層目とケーブルコア10cの超電導シールド層の1層目との相互インダクタンスを表し、ケーブルコア10a,10cの相間距離Dacで表される。
要素グループAの自己インダクタンスを表す要素Z11,Z22,Z33,Z44,Z55,Z66におけるL11,22,33,44,55,66は、数式7の自己インダクタンスLjjである。要素グループAの相互インダクタンスを表す要素Zjk(ただしj<k)におけるLjkは、数式8の相互インダクタンスMjkである。j>kのときのLjkについては、j<kのときで計算したMjkと同じとする。要素グループBの相互インダクタンスを表す要素ghjk(ただしg≠h)におけるghjkは、数式9の相互インダクタンスLghである。
Figure 2015170475
はj層目の超電導層の半径(mm)、aはj層目とは別のk層目の超電導層の半径(mm)である。sはj層目の超電導層の超電導線材の撚り方向係数、sはj層目とは別のk層目の超電導層の超電導線材の撚り方向係数(超電導線材がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」)である。pはj層目の超電導層の超電導線材のピッチ(mm)、pはj層目とは別のk層目の超電導層の超電導線材のピッチ(mm)である。dはケーブルコアの長さ(mm)、Rはインダクタンスを計算する際の対象空間の積分半径(mm)である。
数式10の回路方程式には、要素グループAで表される一相のケーブルコアにおける各導電部材の自己インダクタンス及び相互インダクタンスに加え、要素グループBで表される相間の相互インダクタンスも考慮されている。数式10の回路方程式を用いて超電導導体層12の各巻回層(4層)の電流値と超電導シールド層14の各巻回層(2層)の電流値とを解析する。この解析結果をもとに超電導導体層12の各巻回層(4層)の電流値のばらつきが所定値以下となり、かつ超電導シールド層14の各巻回層(2層)の電流値のばらつきが所定値以下となるときの各巻回層のピッチを決定し、それらのピッチに基づいて各超電導線材を巻回して超電導導体層12及び超電導シールド層14を形成する。超電導導体層12の各巻回層の電流値のばらつき、及び超電導シールド層14の各巻回層の電流値のばらつきが、それぞれ±10%の範囲内、好ましくは±5%の範囲内、さらに好ましくは±2%の範囲内となるように、各巻回層のピッチを設定することが挙げられる。
数式10の回路方程式を用いた各巻回層の電流値の解析方法は以下となる。(1)まず初めに各巻回層に適当なピッチ(以下、代入ピッチと呼ぶ)を決め、その代入ピッチを数式7〜9に代入する。そうすることで、各インダクタンスが求まり、数式10における各インダクタンスを表す要素Zjk(ただしj≦k)が決まる。(2)次に、数式10の回路方程式を解く。このとき、各巻回層に流れる電流が均流化されているかどうかの相対的な数値を見るため、各導電部材の電圧V36に適当な値を与える。例えば、各導電部材の電圧のうち超電導導体層12の1〜4層の電圧Va1,Va2,Va3,Va4,Vb1,Vb2,Vb3,Vb4,Vc1,Vc2,Vc3,Vc4を1とし、超電導シールド層14の1〜2層の電圧Va5,Va6,Vb5,Vb6,Vc5,Vc6を0とする。そうすることで、各導電部材に流れる電流I36に関する18元連立方程式となり、各計算によって、各導電部材に流れる電流を求めることができる。(3)そして、求まった各導電部材の電流値から、超電導導体層12の1〜4層に流れる電流が均流化されているか、かつ超電導シールド層14の1〜2層に流れる電流が均流化されているかを評価する。もし均流化されていれば、上記代入ピッチを超電導導体層12及び超電導シールド層14の各々を構成する超電導線材のピッチとして設定する。もし均流化されていなければ、上記代入ピッチを微調整して新たな代入ピッチとして、上記(1)〜(3)を行い、超電導導体層12の1〜4層に流れる電流が均流化され、かつ超電導シールド層14の1〜2層に流れる電流が均流化されるまで繰り返す。
(解析モデルに簡略化)
上述した回路方程式では、三相のケーブルコアそれぞれについて、一相のケーブルコアにおける自己インダクタンス及び相互インダクタンスと、一相のケーブルコアとそれ以外の他相の全ケーブルコアとの相間の相互インダクタンスを解析した。ここでは、三相のケーブルコアの三相平衡時を想定する。また、簡略化のため、超電導導体層を1層、超電導シールド層を1層に近似する。この超電導導体層の近似式は数式13に示し、超電導シールド層の近似式は数式14に示す。このとき、上述した回路方程式の要素グループAと要素グループBとを考慮した超電導導体層と超電導シールド層の相互インダクタンスMは数式15で表される。また、超電導シールド層の自己インダクタンスLは数式16で表される。
ここで、pは1層に近似した超電導導体層のピッチ(mm)、pは1層に近似した超電導シールド層のピッチ(mm)である。aは超電導導体層の内層の半径(mm)、aは超電導シールド層の内層の半径(mm)である。sは超電導導体層の各超電導線材の撚り方向係数、sは超電導シールド層の各超電導線材の撚り方向係数であり、超電導線材がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」である。
超電導導体層が超電導線材からなる複数の巻回層を積層した多層構造の場合、1層に近似した超電導導体層のピッチpは平均ピッチである。ここでは、超電導導体層は4層であるため、超電導導体層のピッチpは数式13を満たす。
Figure 2015170475
また、超電導シールド層が超電導線材からなる複数の巻回層を積層した多層構造の場合、1層に近似した超電導シールド層のピッチpは平均ピッチである。ここでは、超電導シールド層は2層であるため、超電導シールド層のピッチpは数式14を満たす。
Figure 2015170475
Figure 2015170475
超電導導体層の導体電流と超電導シールド層の誘導電流との関係を規定する関係式、MI+L=0より、シールド電流誘導率は−I/I=M/Lとなり、数式15及び数式16を代入すると、シールド電流誘導率は数式17で表される。
Figure 2015170475
数式10の回路方程式により得られた均流化構造となる超電導導体層のピッチ及び超電導シールド層のピッチを数式17に代入すると、上記各ピッチにおけるシールド誘導率を求めることができる。このシールド誘導率が所定の値となるかを評価する。具体的には、数式1を満たすかどうかを評価する。もし満たしていれば、そのときのピッチをそれぞれ超電導導体層12及び超電導シールド層14の各々を構成する超電導線材のピッチとして設定する。もし満たしていなければ、そのときのピッチをさらに微調整して新たなピッチとして、その新たなピッチが均流化の条件を満たすかどうかをさらに評価して(この新たなピッチを代入ピッチとして上記(1)〜(3)を行う)、数式1を満たすかどうかの評価を行う。以上より、シールド電流誘導率が高い交流用超電導ケーブルを製造することができる。
Figure 2015170475
〔交流用超電導ケーブル〕
上述した交流用超電導ケーブルの製造方法によって製造される交流用超電導ケーブルは、超電導導体層の各巻回層の電流が均流化されており、かつ超電導シールド層の各巻回層の電流が均流化されている。さらに、シールド電流誘導率が高く、シールド電流誘導率が0.91超を満たす。シールド電流誘導率は、0.91超が挙げられ、好ましくは0.95超、さらに好ましくは1が挙げられる。数式1より、シールド電流誘導率は、超電導導体層の半径a・ピッチp・ピッチの撚り方向sと、超電導シールド層の半径ao・ピッチpo・ピッチの撚り方向soと、選択した二本のケーブルコアのコア中心間の距離(相間距離)Dとで表されることがわかる。ここで、超電導導体層及び超電導シールド層の各半径、及び選択した二本のケーブルコアの相間距離Dは予め決められているため、シールド電流誘導率を所望の値にするには、超電導導体層及び超電導シールド層の各ピッチを所望の値に設定すればよい。数式1で表される超電導導体層のピッチpiは巻回層(ここでは4層)の平均ピッチであり、各巻回層(超電導線材)のピッチは数式13から所望の値に設定すればよい。また、数式1で表される超電導シールド層のピッチpoは巻回層(ここでは2層)の平均ピッチであり、各巻回層(超電導線材)のピッチは数式14から所望の値に設定すればよい。
このとき、超電導シールド層の平均ピッチpoが400mm以上となるように設定することが挙げられる。超電導シールド層のピッチが大きいことで、超電導シールド層が作る軸方向の磁場を弱くでき、超電導シールド層の誘導率を向上できる。この超電導シールド層の平均ピッチは、好ましくは500mm以上、さらに好ましくは600mm以上が挙げられる。また、超電導シールド層の巻回層の数が偶数であるとき、S撚りの層数とZ撚りの層数とを等しくすることが挙げられる。ピッチの撚り方向のS撚りの層数とZ撚りの層数とが等しいことでも、超電導シールド層が作る軸方向の磁場を弱くでき、超電導シールド層の誘導率を向上できる。超電導シールド層が巻回層を1層のみ備える単層構造の場合は、この単層構造の超電導線材のピッチが400mm以上であればよい。
(相間の相互インダクタンスについて)
本実施形態の交流用超電導ケーブルにおいて、ケーブルコアの中心間の距離(相間距離)Dとシールド電流誘導率との関係を調べ、その結果を図2に示す。ここでは、超電導導体層及び超電導シールド層の各ピッチを所望の値に設定し、相間距離Dが45.6mmのときのシールド電流誘導率を実測し、相間距離Dが45.6超のときのシールド電流誘導率をシミュレーションによって求めた。そして、超電導シールド層のピッチpoを300mm〜600mmまで変化させ、各ピッチにおける相間距離Dとシールド電流誘導率との関係を調べた。図2の上グラフは、超電導導体層の平均ピッチを300mm、超電導シールド層の平均ピッチを300mmに設定しており、相間距離Dが45.6mmのときのシールド電流誘導率は、約94%であった。図2の上から二番目のグラフは、超電導導体層の平均ピッチを300mm、超電導シールド層の平均ピッチを400mmに設定しており、相間距離Dが45.6mmのときのシールド電流誘導率は、約97%であった。図2の上から三番目のグラフは、超電導導体層の平均ピッチを300mm、超電導シールド層の平均ピッチを500mmに設定しており、相間距離Dが45.6mmのときのシールド電流誘導率は、約98%であった。図2の下グラフは、超電導導体層の平均ピッチを300mm、超電導シールド層の平均ピッチを600mmに設定しており、相間距離Dが45.6mmのときのシールド電流誘導率は、約99%であった。図2のいずれのグラフも、相間距離Dを大きくするとシールド電流誘導率は高くなり、相間距離が非常に大きくなるとシールド電流誘導率は実質的に一定となった。つまり、シールド電流誘導率が相間距離Dに大きく影響されるのは、相間距離Dが小さいときであることがわかる。よって、本実施形態の交流用超電導ケーブルの製造方法は、相間距離Dが小さいときに、数式10において数式12で表される要素グループBの影響が大きくなり、効果的であると考えられる。この効果的であると考えられる相間距離Dは、10000mm以下、好ましくは2000mm以下、さらに好ましくは1000mm以下、最も好ましくは100mm以下である。
本実施形態の交流用超電導ケーブルは、相間距離Dが小さい場合、超電導シールド層の平均ピッチが大きいほどシールド電流誘導率が大きいことがわかる。この超電導シールド層の平均ピッチは、好ましくは400mm以上、さらに好ましくは500mm以上、最も好ましくは600mm以上である。
本実施形態では、三相のケーブルコアが撚り合わされて一つの断熱管に収納された三心一括型のケーブルであったが、ケーブルコアの数は二相以上であればよい。また、各ケーブルコアがそれぞれ別の断熱管に収納されて並列する形態でもよい。
<実施形態2>
実施形態1では、導電部材として超電導導体層と超電導シールド層とを考慮したインピーダンス行列を用いて回路方程式を作成する形態を説明した。実施形態2では、導電部材として超電導導体層及び超電導シールド層に加え、フォーマと常電導シールド層とを考慮したインピーダンス行列を用いて回路方程式を作成する形態を説明する。実施形態2では、交流用超電導ケーブルの製造方法の回路方程式が実施形態1と異なるだけであり、他の構成や意義は実施形態1と同様であるため、以下の説明は相違点を中心に行う。
実施形態2では、フォーマ及び常電導シールド層を銅といった常電導材料からなる金属テープ線材を巻回した構成とする。具体的には、フォーマは、中空パイプ上に金属テープ線材を巻回させた巻回層を1層のみ備える単層構造であり、常電導シールド層は、金属テープ線材からなる巻回層を積層した多層構造(ここでは3層)である。また、超電導導体層は4層であり、超電導シールド層は2層である。
実施形態2で用いる回路方程式では、ケーブルコアの数Uは3相(ケーブルコア10a,10b,10c)であり、各ケーブルコア10a,10b,10cの各々を構成する導電部材の層数Wは10層(各ケーブルコアの内側から順に、フォーマが1層、超電導導体層が4層、超電導シールド層が2層、常電導シールド層が3層)である。実施形態2でも、各ケーブルコア10a,10b,10cを構成する導電部材の層数は、全導電部材の層数を内側から順に計算する。よって、フォーマはj=1となり、超電導導体層の1層目はj=2となり、超電導シールド層の1層目はj=6となり、常電導シールド層の1層目はj=8となり、常電導シールド層の3層目はj=10となる。よって、実施形態2で用いる回路方程式は、30行1列=30行30列×30行1列の行列で表される。
実施形態2で用いる回路方程式を数式18に示す。数式18中の添え字では、1層のフォーマをf、4層の超電導導体層をi、2層の超電導シールド層をo、3層の常電導シールド層をcで表して簡略化している(数式19,20も同様)。Vafはフォーマの電圧を表しており、Vaf=Va1であり、Vaiはケーブルコア10aの超電導導体層の1〜4層目の電圧を一括して表しており、Vai=Va2,Va3,Va4,Va5である。同様に、Vao=Va6,Va7であり、Vac=Va8,Va9,Va10である。他相のケーブルコア10b,10cについても同様である。以上より、各ケーブルコア10a,10b,10cにおける各導電部材の電圧VUW=V310は、30行1列の行列で表される。また、Iafはフォーマに流れる電流を表しており、Iaf=Ia1であり、Iaiはケーブルコア10aの超電導導体層の1〜4層目に流れる電流を一括して表しており、Iai=Ia2,Ia3,Ia4,Ia5である。同様に、Iao=Ia6,Ia7であり、Iac=Ia8,Ia9,Ia10である。他相のケーブルコア10b,10cについても同様である。以上より、各ケーブルコア10a,10b,10cにおける各導電部材に流れる電流IUW=I310は、30行1列の行列で表される。インピーダンス行列は、30行30列の行列で表され、数式19で示される要素グループAと数式20で表される要素グループBとに区別して作成する。
Figure 2015170475
要素グループAは、実施形態1と同様に、三相のケーブルコア10a,10b,10cから一相のケーブルコアを選択したとき、その一相のケーブルコアにおける、各導電部材の自己インダクタンスと、複数層の導電部材から選択した二つの導電部材の相互インダクタンスとを表す。要素グループAの各要素Zについて、選択するケーブルコアは一相であり、3相のケーブルコアのうちどのケーブルコアを選択しても、要素Zは変わらないため、Zの左側には選択したケーブルコアの添え字は示さない。要素Zff,Zii,Zoo,Zccはそれぞれ、フォーマ、超電導導体層1〜4層、超電導シールド層1〜2層、常電導シールド層1〜3層の各導電部材における自己インダクタンス及び相互インダクタンスを表す。数式19中の添え字も一括して表しており、Zffはフォーマの自己インダクタンスを表しており、Zff=Z11であり、Ziiは超電導導体層の1〜4層目の各層における自己インダクタンス及び相互インダクタンスを一括して表しており、Zii=Z22,Z33,Z44,Z55,Z23,Z24,Z25,Z34…である。つまり、要素Z22,Z33,Z44,Z55はそれぞれ、超電導導体層1〜4層の各自己インダクタンスであり、要素Z23,Z24,Z25,Z34…はそれぞれ、超電導導体層における異なる層間の相互インダクタンスを表す。超電導シールド層、常電導シールド層についても同様である。要素Zjk(ただしj<k)は、選択した二つの導電部材の相互インダクタンスを表す。例えば、Zfiはフォーマと超電導導体層の相互インダクタンスを表すが、超電導導体層は4層であるため、具体的には、フォーマと超電導導体層の1層目との相互インダクタンス、フォーマと超電導導体層の2層目との相互インダクタンス…を表す。
要素グループBは、実施形態1と同様に、三相のケーブルコア10a,10b,10cから二相のケーブルコアを選択し、この選択した二相のケーブルコアの各々を構成する特定の導電部材間の相互インダクタンスを表す。要素ghjk(ただしg≠h)は、選択した二相のケーブルコアの各々を構成する特定の導電部材間の相互インダクタンスを表す。数式20中の添え字も一括して表している。
要素グループAの自己インダクタンスを表す要素Z11〜Z1010におけるLjj(j=k)は、上記数式7の自己インダクタンスLjjである。このとき、フォーマの抵抗をRとしたとき、フォーマのインピーダンスZ11は、Z11=jωL11+Rとなる。要素グループAの相互インダクタンスを表す要素Zjk(ただしj<k)におけるLjk(j<k)は、上記数式8の相互インダクタンスMjkである。要素グループBの相互インダクタンスを表す要素ghjk(ただしg≠h)におけるghjkは、上記数式9の相互インダクタンスLghである。
数式18の回路方程式においても、要素グループAで表される一相のケーブルコアにおける各導電部材の自己インダクタンス及び相互インダクタンスに加え、要素グループBで表される相間の相互インダクタンスも考慮されている。数式18の回路方程式を用いて、各ケーブルコア10a,10b,10cの超電導導体層12及び超電導シールド層14の各層の電流値を解析する。さらに、上記数式1を満たすかを評価する。これら均流化の条件及びシールド電流誘導率の条件を満たすように、超電導導体層12を構成する超電導線材のピッチ、及び超電導シールド層14を構成する超電導線材のピッチを決定し、それらのピッチに基づいて各超電導線材を巻回して超電導導体12及び超電導シールド層14を形成することで、シールド電流誘導率を高めることができる。
実施形態2では、中空パイプ上に金属テープ線材を巻回したフォーマの例を示したが、他に、円筒状のフォーマや絶縁被覆を備える銅線を複数撚り合わせた撚り線材のフォーマなどを用いることもできる。これらの場合、フォーマの自己インダクタンスL11は、下記数式21を用いることが挙げられる。aは円筒の場合は外径、撚り線材の場合は撚り線材の包絡円の径とする。円筒状のフォーマや撚り線材のフォーマなどのピッチは無限大として扱う。
Figure 2015170475
〔試験例〕
・試験例1
上述した実施形態1の交流用超電導ケーブルの製造方法によって、超電導導体層及び超電導シールド層の各ピッチを所望の値に設定した交流用超電導ケーブルを作製し、超電導導体層の巻回層の均流化及び超電導シールド層の巻回層の均流化と、シールド電流誘導率とを測定した。ここでは、図1に示すように、三相のケーブルコアがそれぞれ相間距離Dで配置されて撚り合わされて一つの断熱管に収納された三心一括型のケーブルとする。三相のケーブルコアは三相平衡時を想定しているため、以下に述べるケーブルコアは三相に共通である。
各ケーブルコアの構成部材、及び仕様を表1に示す。フォーマは、線径0.8mmの銅線に絶縁被覆を施した絶縁素線を294本用い、これら絶縁素線を撚り合わせた構成である。超電導導体層は、4層の巻回層を積層した多層構造であり、厚み0.35mm×幅4.5mmのBi系酸化物超電導線材を合計50本(1層目及び2層目が12本、3層目及び4層目が13本)用いた。この超電導導体層の巻回ピッチは、上述した実施形態1の製造方法によって得られた均流化の条件を満たす超電導導体層のピッチとして設定した。超電導シールド層は、2層の巻回層を積層した多層構造であり、超電導導体層と同様の超電導線材を合計45本(1層目が22本、2層目が23本)用いた。この超電導シールド層の巻回ピッチは、上述した実施形態1の製造方法によって得られた均流化の条件を満たす超電導シールド層のピッチとして設定した。常電導シールド層は、3層の巻回層を積層した多層構造であり、厚み0.24mm×幅4.2mmのCuテープを79本(1層目及び2層目が26本、3層目が27本)用いた。各ケーブルコアの中心間距離(相間距離)Dは45.6mmである。
Figure 2015170475
超電導導体層に通電した際に、該超電導導体層の各層(4層)に流れる導体電流と、超電導シールド層の各層(2層)に流れる誘導電流を図3に示す。これらの電流値より、超電導導体層の各層(4層)に流れる導体電流は均流化されており、超電導シールド層の各層(2層)に流れる誘導電流は均流化されていることがわかる。そして、このときの超電導導体層の設定ピッチと超電導シールド層の設定ピッチとが適切か否かを数式1で検証した。その結果、シールド電流誘導率(誘導電流/導体電流)は、約0.91であり、数式1を満たした。超電導シールド層の平均ピッチは298.5mmであった。
・試験例2
試験例2で作製した交流用超電導ケーブルは、試験例1と超電導導体層及び超電導シールド層の各ピッチが異なるのみで、他の構成は試験例1と同様である。各ケーブルコアの構成部材、及び仕様を表2に示す。
Figure 2015170475
超電導導体層に通電した際に、該超電導導体層の各層(4層)に流れる導体電流と、超電導シールド層の各層(2層)に流れる誘導電流を図4に示す。これらの電流値より、超電導導体層の各層(4層)に流れる導体電流は均流化されており、超電導シールド層の各層(2層)に流れる誘導電流は均流化されていることがわかる。そして、このときの超電導導体層の設定ピッチと超電導シールド層の設定ピッチとが適切か否かを数式1で検証した。その結果、シールド電流誘導率(誘導電流/導体電流)は、約0.96であり、数式1を満たした。特に、試験例2の超電導シールド層は、平均ピッチが496mmであることで、超電導シールド層が作る軸方向の磁場を弱くでき、試験例1に比較してさらにシールド層の電流誘導率を向上できたと考えられる。
以上説明した本発明の実施形態に関連して、さらに以下の付記を開示する。
[付記]
超電導線材を螺旋状に巻回した巻回層を有する超電導導体層と超電導シールド層とを備える複数のケーブルコアを形成する工程を含む交流用超電導ケーブルの製造方法であって、
前記超電導導体層又は前記超電導シールド層の少なくとも一方の巻回層を多層構造にして各超電導線材を巻回するにあたり、
下記のように作成した回路方程式を用いて前記超電導導体層の巻回層の電流値と前記超電導シールド層の巻回層の電流値とを解析し、その解析結果をもとに、前記超電導導体層の巻回層が多層構造の場合にはその超電導導体層の各巻回層の電流値のばらつきが小さく、かつ前記超電導シールド層の巻回層が多層構造の場合にはその超電導シールド層の各巻回層の電流値のばらつきが小さくなるように、前記各ケーブルコアの前記超電導導体層を構成する超電導線材のピッチ、及び前記超電導シールド層を構成する超電導線材のピッチを設定する交流用超電導ケーブルの製造方法。
前記複数のケーブルコアの数をU相、各ケーブルコアを構成する導電部材の層数をW層とし、
前記導電部材には、前記超電導導体層と前記超電導シールド層とが含まれ、
各ケーブルコアにおける各導電部材の各層の電圧で、(U×W)行1列の行列で表される電圧をVUWとし、各ケーブルコアにおける各導電部材の各層の電流で、(U×W)行1列の行列で表される電流をIUWとしたとき、
(U×W)行(U×W)列のインピーダンス行列と、前記電圧VUW及び前記電流IUWとで、下記数式4の(U×W)行1列=(U×W)行(U×W)列×(U×W)行1列で表される回路方程式を作成し、
前記(U×W)行(U×W)列のインピーダンス行列は、虚数単位j、角周波数ω、インダクタンスLで表されるインピーダンスZ=jωLを用いて、下記数式5で示され下記の意義を表す要素グループAと下記数式6で示され下記の意義を表す要素グループBとに区別するように作成する。
前記要素グループAは、複数のケーブルコアから選択した単体のケーブルコアにおいて、各導電部材の自己インダクタンスと、複数の導電部材から選択した二つの導電部材間の相互インダクタンスとを表す。
前記要素グループBは、複数のケーブルコアから二つのケーブルコアを選択し、これら二つのケーブルコアの中心間の距離D(mm)を用いて、選択された二つのケーブルコアの各々を構成する特定の導電部材間の相互インダクタンスを表す。
Figure 2015170475
前記要素グループAの前記自己インダクタンスを表す要素Zjj(j=k)におけるLjj(j=k)は下記数式7の自己インダクタンスLjjであり、
前記要素グループAの前記相互インダクタンスを表す要素Zjk(j<k)におけるLjk(j<k)は下記数式8の相互インダクタンスMjkであり、
前記要素グループBの前記相互インダクタンスを表す要素ghjj(j=k)におけるghjj(j=k)及びghjk(j<k)におけるghjk(j<k)は下記数式9の相互インダクタンスLghである。
Figure 2015170475
ただし、以下の要件を満たす。
(ε)aはj層目の導電部材の半径(mm)、aはj層目とは別のk層目の導電部材の半径(mm)。
(ζ)sはj層目の導電部材の撚り方向係数、sはj層目とは別のk層目の導電部材の撚り方向係数であって、前記撚り方向がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」とする。
(η)pはj層目の導電部材のピッチ(mm)、pはj層目とは別のk層目の導電部材のピッチ(mm)。
(θ)dはケーブルコアの長さ(mm)、Rは積分半径(mm)。
上記付記の製造方法によれば、三心一括型の超電導ケーブルのように、複数のケーブルコアが近接配置されて交流送電を行う場合であっても、超電導導体層及び超電導シールド層の各巻回層に流れる電流を非常に精度よく均流化できる。具体的には、超電導導体層及び超電導シールド層の各巻回層に流れる電流のばらつきを、それぞれ±5%の範囲内、好ましくは±2%の範囲内、さらに好ましくは実質的にばらつきをゼロとすることができる。
本発明の交流用超電導ケーブルは、複数のケーブルコアが近接配置されて交流送電を行う超電導ケーブルに好適に利用できる。本発明の交流用超電導ケーブルの製造方法は、複数のケーブルコアが近接配置されて交流送電を行う超電導ケーブルにおいて、超電導導体層及び超電導シールド層の各ピッチを正確に解析することに好適に利用できる。
1 交流用超電導ケーブル
10a,10b,10c ケーブルコア
11 フォーマ 12 超電導導体層 13 電気絶縁層
14 超電導シールド層 15 常電導シールド層 16 保護層

Claims (7)

  1. 超電導線材を螺旋状に巻回してなる超電導導体層及び超電導シールド層を有する複数のケーブルコアを備える交流用超電導ケーブルであって、
    前記複数のケーブルコアから選択した二つのケーブルコアの中心間の距離をD(mm)としたとき、前記各ケーブルコアの前記超電導導体層を構成する超電導線材のピッチp(mm)、及び前記超電導シールド層を構成する超電導線材のピッチp(mm)が下記数式1を満たす交流用超電導ケーブル。
    Figure 2015170475
    ただし、以下の要件を満たす。
    (α)aは超電導導体層の半径(mm)、aは超電導シールド層の半径(mm)。
    (β)sは超電導導体層の各超電導線材の撚り方向係数、sは超電導シールド層の各超電導線材の撚り方向係数であって、前記超電導線材がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」とする。
    (γ)前記超電導導体層が前記超電導線材からなる複数の巻回層を積層した多層構造の場合、pは超電導導体層の平均ピッチ(mm)を表し、各超電導線材のピッチは下記数式2を満たす。pはn層目の超電導線材のピッチ、sはn層目の超電導線材の撚り方向係数である。
    Figure 2015170475
    (δ)前記超電導シールド層が前記超電導線材からなる複数の巻回層を積層した多層構造の場合、pは超電導シールド層の平均ピッチ(mm)を表し、各超電導線材のピッチは下記数式3を満たす。pはn層目の超電導線材のピッチ、sはn層目の超電導線材の撚り方向係数である。
    Figure 2015170475
  2. 前記超電導シールド層が前記多層構造であり、該超電導シールド層の平均ピッチが400mm以上である請求項1に記載の交流用超電導ケーブル。
  3. 前記超電導シールド層が前記多層構造であり、かつ前記巻回層の数が偶数であって、該超電導シールド層の各超電導線材の撚り方向のS撚りの層数とZ撚りの層数とが等しい請求項1または請求項2に記載の交流用超電導ケーブル。
  4. 前記超電導シールド層が前記超電導線材からなる巻回層を1層のみ備える単層構造であり、該超電導シールド層を構成する前記超電導線材のピッチが400mm以上である請求項1に記載の交流用超電導ケーブル。
  5. 超電導線材を螺旋状に巻回した巻回層を有する超電導導体層と超電導シールド層とを備える複数のケーブルコアを形成する工程を含む交流用超電導ケーブルの製造方法であって、
    前記複数のケーブルコアから選択した二つのケーブルコアの中心間の距離をD(mm)としたとき、前記各ケーブルコアの前記超電導導体層を構成する超電導線材のピッチp(mm)、及び前記超電導シールド層を構成する超電導線材のピッチp(mm)が下記数式1を満たすように、前記ピッチp及び前記ピッチpを設定する交流用超電導ケーブルの製造方法。
    Figure 2015170475
    ただし、以下の要件を満たす。
    (α)aは超電導導体層の半径(mm)、aは超電導シールド層の半径(mm)。
    (β)sは超電導導体層の各超電導線材の撚り方向係数、sは超電導シールド層の各超電導線材の撚り方向係数であって、前記超電導線材がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」とする。
    (γ)前記超電導導体層の巻回層が複数層である多層構造の場合、pは超電導導体層の平均ピッチ(mm)を表し、各超電導線材のピッチは下記数式2を満たす。pはn層目の超電導線材のピッチ、sはn層目の超電導線材の撚り方向係数である。
    Figure 2015170475
    (δ)前記超電導シールド層の巻回層が複数層である多層構造の場合、pは超電導シールド層の平均ピッチ(mm)を表し、各超電導線材のピッチは下記数式3を満たす。pはn層目の超電導線材のピッチ、sはn層目の超電導線材の撚り方向係数である。
    Figure 2015170475
  6. 前記超電導導体層又は前記超電導シールド層の少なくとも一方が前記多層構造である場合、
    下記のように作成した回路方程式を用いて前記超電導導体層の巻回層の電流値と前記超電導シールド層の巻回層の電流値とを解析し、その解析結果をもとに、前記超電導導体層の巻回層が多層構造の場合にはその超電導導体層の各巻回層の電流値のばらつきが所定値以下となり、かつ前記超電導シールド層の巻回層が多層構造の場合にはその超電導シールド層の各巻回層の電流値のばらつきが所定値以下となるように、前記各ケーブルコアの前記超電導導体層を構成する超電導線材のピッチ、及び前記超電導シールド層を構成する超電導線材のピッチを設定する請求項5に記載の交流用超電導ケーブルの製造方法。
    前記複数のケーブルコアの数をU相、各ケーブルコアを構成する導電部材の層数をW層とし、
    前記導電部材には、前記超電導導体層と前記超電導シールド層とが含まれ、
    各ケーブルコアにおける各導電部材の各層の電圧で、(U×W)行1列の行列で表される電圧をVUWとし、各ケーブルコアにおける各導電部材の各層の電流で、(U×W)行1列の行列で表される電流をIUWとしたとき、
    (U×W)行(U×W)列のインピーダンス行列と、前記電圧VUW及び前記電流IUWとで、下記数式4の(U×W)行1列=(U×W)行(U×W)列×(U×W)行1列で表される回路方程式を作成し、
    前記(U×W)行(U×W)列のインピーダンス行列は、虚数単位j、角周波数ω、インダクタンスLで表されるインピーダンスZ=jωLを用いて、下記数式5で示され下記の意義を表す要素グループAと下記数式6で示され下記の意義を表す要素グループBとに区別するように作成する。
    前記要素グループAは、複数のケーブルコアから選択した単体のケーブルコアにおいて、各導電部材の自己インダクタンスと、複数の導電部材から選択した二つの導電部材間の相互インダクタンスとを表す。
    前記要素グループBは、複数のケーブルコアから二つのケーブルコアを選択し、これら二つのケーブルコアの中心間の距離D(mm)を用いて、選択された二つのケーブルコアの各々を構成する特定の導電部材間の相互インダクタンスを表す。
    Figure 2015170475
    前記要素グループAの前記自己インダクタンスを表す要素Zjj(j=k)におけるLjj(j=k)は下記数式7の自己インダクタンスLjjであり、
    前記要素グループAの前記相互インダクタンスを表す要素Zjk(j<k)におけるLjk(j<k)は下記数式8の相互インダクタンスMjkであり、
    前記要素グループBの前記相互インダクタンスを表す要素ghjj(j=k)におけるghjj(j=k)及びghjk(j<k)におけるghjk(j<k)は下記数式9の相互インダクタンスLghである。
    Figure 2015170475
    ただし、以下の要件を満たす。
    (ε)aはj層目の導電部材の半径(mm)、aはj層目とは別のk層目の導電部材の半径(mm)。
    (ζ)sはj層目の導電部材の撚り方向係数、sはj層目とは別のk層目の導電部材の撚り方向係数であって、前記撚り方向がS撚りのとき「1」、Z撚りのとき「−1」とする。
    (η)pはj層目の導電部材のピッチ(mm)、pはj層目とは別のk層目の導電部材のピッチ(mm)。
    (θ)dはケーブルコアの長さ(mm)、Rは積分半径(mm)。
  7. 請求項5に記載の交流用超電導ケーブルの製造方法によって製造された交流用超電導ケーブル。
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