JPH10171116A - ポジ型感光性樹脂組成物とそれを用いたポリイミド膜の形成法 - Google Patents

ポジ型感光性樹脂組成物とそれを用いたポリイミド膜の形成法

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JPH10171116A
JPH10171116A JP8331870A JP33187096A JPH10171116A JP H10171116 A JPH10171116 A JP H10171116A JP 8331870 A JP8331870 A JP 8331870A JP 33187096 A JP33187096 A JP 33187096A JP H10171116 A JPH10171116 A JP H10171116A
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JP
Japan
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photosensitive resin
positive photosensitive
group
compound
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Application number
JP8331870A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Okabe
義昭 岡部
Yasunari Maekawa
康成 前川
Takao Miwa
崇夫 三輪
Takumi Ueno
巧 上野
Rames Rangrarde Gerardean
ラメス ラングラーデ ジェラルディン
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Hitachi Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルカリ現像可能な高信頼性のポジ型感光性樹
脂組成物の提供。 【解決手段】カルボキシル基を有するジアミンを構成単
位とすると共に、疎水性基を有するポリアミド酸エステ
ルと、オルトキノンジアジドスルホンアミド化合物およ
び/またはオルトキノンジアジドスルホンアミドスルホ
ンエステル化合物とを含むアルカリ水溶液で現像可能な
ポジ型感光性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置などに好
適なアルカリ水溶液で現像可能なポジ型感光性樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドは耐熱生や機械的強さ、電気
絶縁性に優れているため、近年、信頼性が高度に要求さ
れる半導体の分野への応用が盛んである。
【0003】ポリイミドの半導体装置への適用は、パッ
シベーション膜、バッファコート膜、a線遮蔽膜、層間
絶縁膜などとして知られている。その中で最も重要なパ
ッシベーション膜の場合、上下の導体層の導通部や外部
リード線との接続のため、ポリイミド膜にスルーホール
などの微細加工を施す工程が必要である。従来はフォト
レジストを使用する汎用ポリイミド膜の化学エッチング
処理が行われる。
【0004】しかし、このようなポリイミド膜のパター
ン化にはフォトレジストの塗布や剥離などが必要なた
め、一連の工程が繁雑となる。そのため、短い工程で形
成でき、微細加工が可能な感光性ポリイミドが要求され
て、有機溶媒で現像可能なネガ型の感光性ポリイミドが
市販されるようになった。しかし、設備の高効率化や地
球環境面から、有機溶媒を用いることなくアルカリ水溶
液で現像可能なポジ型の感光性ポリイミドが要求される
ようになった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ポジ型感光性ポリイミ
ドは、ポリイミド前駆体に感光性基を導入したもの(特
公平1−59571号公報)と、感光基を添加するもの
とに分類できる。後者の感光基添加タイプのポジ型感光
性ポリイミドとしては、光照射によってポリイミド前駆
体とカルボン酸を生ずるオルトキノンジアジドのスルホ
ン酸エステル系(特開平4−168441号公報、特開
平4−204738号公報)、ポリイミド前駆体にジヒ
ドロキシピリジン誘導体を添加した系(特開平6−43
648号公報)などがあるが、いずれも解像度や感度な
どに問題があった。
【0006】上記オルトキノンジアジドのスルホン酸エ
ステルは、レジストに用いられていた感光剤であり、ポ
リイミド前駆体の感光剤としては、未露光部での溶解阻
害効果や露光部の溶解促進効果が不十分であった。
【0007】ポジ型の場合には露光部が溶解するため、
現像時に未露光部が基板面で侵食されると云うネガ型に
ない特有の課題があった。その対策として3−アミノプ
ロピルメトキシシランなどのシラン系のカップリング剤
をワニスに配合したり、表面処理した基板を用いること
により現像時の密着力を向上させることが知られている
が、半導体装置においては表面処理は不可能で、上記カ
ップリング剤のワニスへの配合も効果が少ない。
【0008】このようにアルカリ現像タイプでポリイミ
ドにポジ型の感光性を付与しよう云う試みはいずれも技
術的に十分でなかった。
【0009】本発明の目的は、短い工程で形成でき、未
露光部における溶解阻害効果、並びに、露光部での溶解
促進効果に優れ、微細加工可能で、信頼性の優れたアル
カリ現像タイプのポジ型感光性樹脂組成物を提供するに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、各種ベー
スポリマと各種感光剤の組み合わせにおけるアルカリ水
溶液に対する溶解性について鋭意検討した。その結果、
アルカリ水溶液に不溶であるポリアミド酸エステル(P
AE)に適度な溶解性を与えるためカルボン酸を一定割
合で加えると共に、良好なレリーフパターンを得るため
に疎水基を付加したものが未露光部と露光部の境界部分
の切れが良くなり、微細加工が可能となりベースポリマ
として好適である。
【0011】また、光照射によってアルカリ水溶液に可
溶となるインデンカルボン酸に変化するオルトキノンジ
アジド化合物、または、そのスルホンエステル化合物
は、従来のオルトキノンジアジドのスルホン酸エステル
に比べ、未露光部での溶解阻害効果や露光部での溶解促
進効果が改善されると共に、少ない露光量で感化される
ため、感光剤として好適である。
【0012】そして、上記PAEとオルトキノンジアジ
ドスルホンアミド化合物、または、そのスルホンエステ
ル化合物とを組み合わせることにより、露光部の溶解性
をコントロールし、良好なレリーフパターンを形成でき
るポジ型感光性樹脂組成物を見い出し、本発明を完成し
た。本発明の要旨は次のとおりである。
【0013】一般式〔1〕
【0014】
【化4】
【0015】(式中、R1は2価の有機基(但し、R1
55〜85モル%はカルボキシル基)、R2は疎水性基
を示し、Xは−SO2−、nは6〜570の整数を示
す。)で表わされるポリアミド酸エステルと、一般式
〔2〕
【0016】
【化5】
【0017】(式中、R3はオルトキノンジアジドスル
ホニル基、R4は炭素数2〜30の有機基、R5はアルキ
ル基または水素、mは1〜6の整数を示す。)で表わさ
れるオルトキノンジアジドスルホンアミド化合物および
/または一般式〔3〕
【0018】
【化6】
【0019】(式中、R3はオルトキノンジアジドスル
ホニル基、R4は炭素数2〜30の有機基、R5はアルキ
ル基または水素、pは1〜5、qは1〜6の整数を示
す。)で表わされるオルトキノンジアジドスルホンアミ
ドスルホンエステル化合物を含みアルカリ水溶液で現像
可能であることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物に
ある。
【0020】また、本発明は、上記ポジ型感光性樹脂組
成物と溶媒とを含有し、上記ポリアミド酸エステルと、
前記オルトキノンジアジドスルホンアミド化合物および
/またオルトキノンジアジドスルホンアミドスルホンエ
ステル化合物との合計濃度が5〜40重量%である前記
ポジ型感光性樹脂組成物にある。
【0021】さらに、上記ポジ型感光性樹脂組成物を固
形物体上に塗布し、プリベークした後、所定のパターン
を有するフォトマスクを用いて露光し、次いでアルカリ
水溶液によるエッチングを行ない、加熱処理するポリイ
ミド膜の製法にある。
【0022】
【発明の実施の形態】
[1] ベースポリマ 本発明のポジ型感光性樹脂組成物におけるベースポリマ
は、前記一般式〔1〕で表わされるポリアミド酸エステ
ル(PAE)である。
【0023】一般式〔1〕中のR1は隣接するNH基と
ジアミンを構成するが、このR1の55〜85モル%、
即ち、ジアミンの55〜85モル%はカルボキシル基を
有する。カルボキシル基を有するジアミンが55モル%
未満では、PAEのアルカリ水溶液に対する溶解性が不
十分で現像時間が著しく長くなる。一方、85モル%を
超えると、アルカリ水溶液に対する溶解性が大き過ぎ、
現像時に未露光部が侵食されたり膜減りが大きいなどの
問題がある。
【0024】一般式〔1〕中のR2は疎水性基を示す
が、これは、例えば炭素数3〜12のアルキル基、脂肪
族単価水素基、芳香族基、フッ素化アルキル基などがあ
げられる。このような疎水性基有するPAEは、現像時
における良好なレリーフパターンの形成に効果がある。
【0025】例えば疎水性基が炭素数3〜12のアルキ
ル基の場合、PAEのアルキルエステル基の炭素数が増
加するとイミド化温度が高くなる(高分子論文集、Vo
l.50,No.12,pp.947〜952(1993
年))ため、このPAEを含むポジ型感光性樹脂組成物
を固形物質上に塗布した後、溶媒を蒸発させるプリベー
クを行なった際にPAEのイミド化率が増加せず、良好
なポジ型レリーフパターンが得られる。
【0026】アルキルエステル基の炭素数が2未満の場
合には、プリベーク時にイミド化が促進するため良好な
レリーフパターンが得られにくく、12を超える場合に
は、疎水性が強くなり、良好なレリーフパターンが得ら
れにくい。
【0027】現像液として有機溶剤を使用する場合に
は、プリベーク時に熱イミド化率が増加したとしても、
有機溶媒はPAEに対する溶解性が高いため現像するこ
とができるが、PAEはアルカリ水溶液に対する溶解性
が低いため、現像液にアルカリ水溶液を使用する本発明
においては、熱イミド化率のわずかな増加がパターン形
成性に大きな影響を与える。
【0028】また、疎水性基が炭素数3〜12のアルキ
ル基の場合には、アルキル基の疎水性とR1が有するカ
ルボキシル基の親水性が、適度な溶解性のバランスをと
るため、良好なレリーフパターンを形成することができ
る。
【0029】本発明のPAEの重量平均分子量(以下、
MWと云う)は、GPC(Gel Permeation Chromato
graphy)でのポリスチレン換算値が8,000〜200,
000が好ましい。8,000未満ではポリイミドの機
械的強さが不十分で実用性に欠け、200,000より
高いと現像時間が長くなり良好なポジ型レリーフパター
ンが得られにくくなる。
【0030】本発明に使用されるPAEの製法は特に限
定されるものではないが、前記一般式〔1〕中のR2
炭素数3〜12のアルキル基である場合には、テトラカ
ルボン酸二無水物とアルコールからテトラカルボン酸ジ
エステルを調製し、塩素化剤でカルボン酸を塩素化し、
ジアミンと反応させる方法が一般的である。
【0031】テトラカルボン酸二無水物としては、一般
に感光性ポリイミドに用いられているテトラカルボン酸
二無水物が使用できるが、本発明では3,3',4,4'−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物の使用が
好ましい。このテトラカルボン酸二無水物を使用したポ
ジ型型感光性樹脂組成物は、アルカリ現像時に未露光部
の基板に対する接着性および溶解モードの点で、他のテ
トラカルボン酸二無水物を用いた場合に比べて有利であ
る。
【0032】上記テトラカルボン酸二無水物と反応させ
るアルコール類としては炭素数3〜12の脂肪族系アル
コールがよい。例えば、1−プロパノール、1−ブタノ
ール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプ
タノール、1−オクタノール1−ノナノール、1−デカ
ノール、1−ウンデカノール、1−ドデカノールなどが
あり、これらの第一アルコール、第二アルコール、第三
アルコールおよび任意の水素基位置のものがある。
【0033】カルボン酸を有するジアミンとしては、
3,5−ジアミノ安息香酸、2,3−ジアミノ安息香酸、
2,5−ジアミノテレフタル酸などがある。
【0034】また、一般的なジアミンとしてはp−フェ
ニレンジアミン、p,p'−ジアミノジフェニルエーテ
ル、,p'−ジアミノターフェニル、ビス〔4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニルスルホン〕、2,4−ジアミノ
トルエン、m,m'−ジアミノベンゾフェノン、m−フェ
ニレンジアミン、2,2'−ビス〔(4−p−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン、ビス−4−アミノフェノ
キシ−4−フェニルスルホン、3,3'−ジアミノベンゾ
フェノン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−
アミノフェノキシ)ベンゼンなどがある。2,2−ビス
〔(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンなどがあ
る。
【0035】PAEを使用してポリイミド膜を形成する
際に、基板としてシリコン基板を用いる場合には、シリ
コン基板との接着性に優れる自己接着型のジアミンを上
記ジアミンに配合することができる。このような自己接
着型ジアミンとしては、1,3−ビス(3−アミノプロピ
ル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミ
ノフェニル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス
(3−アミノプロピル)テトラフェニルジシロキサン、
1,3−ビス(3−アミノフェニル)テトラフェニルジシ
ロキサンなどがあり、自己接着型ジアミンの配合量をポ
リイミド前駆体のジアミン成分の15モル%以下すれ
ば、ポリイミド膜の機械的強さの低下を抑えることがで
きる。
【0036】塩素化剤としては塩化チオニール以外にも
三塩化リン、五塩化リンなどがある。
【0037】[2] 感光剤 本発明のポジ型感光性樹脂組成物における感光剤として
は、下記、前記一般式〔2〕で表わされるオルトキノン
ジアジドスルホンアミド化合物、前記一般式〔3〕で表
わされるオルトキノンジアジドスルホンアミドスルホン
エステル化合物、あるいはそれらの混合物を用いること
ができる。
【0038】前記一般式〔2〕または〔3〕のR5がア
ルキル基の場合、現像時における未露光部の溶解を防ぐ
ため、アルキル基の炭素数は10以下が好ましく、さら
に8以下が特に好ましい。
【0039】上記オルトキノンジアジドスルホンアミド
化合物およびオルトキノンジアジドスルホンアミドスル
ホンエステル化合物は、光照射によりカルボキシル基を
生成してPAEの露光部で溶解促進効果を発現し、PA
Eの光溶解抑制剤として作用する。
【0040】スルホンアミド部はアルカリ水溶液に対す
る溶解性を促進させ、特に露光部の溶解促進効果を向上
させる。上記化合物では、オルトキノンジアジドの置換
基やその数、あるいはスルホンアミドとスルホンエステ
ルとの含有比率を変えることにより、露光部や未露光部
の溶解速度を調節することができる。
【0041】上記のオルトキノンジアジドスルホンアミ
ド化合物としては、4,4'−ビス(1,2−ナフトキノン
−2−ジアジド−5−スルホニルアミノ)ジアミノジフ
ェニルエーテル、4−(1,2−ナフトキノン−2−ジア
ジド−5−スルホニルアミノ)−1−(1,2−ナフトキ
ノン−2−ジアジド−5−スルホニルオキシ)ベンゼ
ン、N−メチル−1,2−ビス(1,2−ナフトキノン−
2−アジド−5−スルホニルアミノ)エタン、2−(1,
2−ナフトキノン−2−アジド−5−スルホニルアミ
ノ)−1−(1,2−ナフトキノン−2−アジド−5−ス
ルホニルオキシ)エタン、2,2−ビス(4−p−(1,2
−ナフトキノン−2−アジド−5−スルホニルアミノ)
フェノキシ)フェニルプロパン、2,2−ビス(4−(p−
(1,2−ナフトキノン−2−アジド−5−スルホニルア
ミノ)フェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、
m−キシリレン−ジ(1,2−ナフトキノン−2−アジド
−5−スルホニルアミン)、p−キシリレン−ジ(1,2
−ナフトキノン−2−アジド−5−スルホニルアミン)
などが挙げられる。
【0042】また、前記のオルトキノンジアジドスルホ
ンアミドスルホンエステル化合物としては、例えば、2
−(1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニ
ルアミノ)−2−(1,2−ナフトキノン−2−アジド−
5−スルホニルオキシ)ベンゼン、3−(1,2−ナフト
キノン−2−アジド−5−スルホニルアミノ)−2−
(1,2−ナフトキノン−2−アジド−5−スルホニルオ
キシ)ベンゼン、4−(1,2−ナフトキノン−2−アジ
ド−5−スルホニルアミノ)−2−(1,2−ナフトキノ
ン−2−アジド−5−スルホニルオキシ)ブタン−5−
(1,2−ナフトキノン−2−アジド−5−スルホニルア
ミノ)−1−(1,2−ナフトキノン−2−アジド−5−
スルホニルオキシ)ペンタン、5−(1,2−ナフトキノ
ン−2−アジド−5−スルホニルアミノ)−2−(1,2
−ナフトキノン−2−アジド−5−スルホニルオキシ)
ペンタン、N−メチル−5−(1,2−ナフトキノン−2
−アジド−5−スルホニルアミノ)−2−(1,2−ナフ
トキノン−2−アジド−5−スルホニルオキシ)ペンタ
ン、2−(1,2−ナフトキノン−2−アジド−5−スル
ホニルアミノ)−1−(1,2−ナフトキノン−2−アジ
ド−5−スルホニルオキシ)シクロヘキサン、3−(1,
2−ナフトキノン−2−アジド−5−スルホニルアミ
ノ)−1−キシリレン−ジ(1,2−ナフトキノン−2−
アジド−5−スルホニルオキシ)シクロヘキサン、4−
(1,2−ナフトキノン−2−アジド−5−スルホニルア
ミノ)−1−キシリレン−ジ(1,2−ナフトキノン−2
−アジド−5−スルホニルオキシ)シクロヘキサンなど
が挙げられる。
【0043】前記一般式〔2〕で表わされるオルトキノ
ンジアジドスルホンアミド化合物および一般式〔3〕で
表わされるオルトキノンジアジドスルホンアミドスルホ
ンエステル化合物は、一般的にはオルトキノンジアジド
スルホンクロリドとジアミン化合物または水酸基を有す
るアミン化合物との縮合反応によって得られる。
【0044】オルトキノンジアジドスルホンクロリドと
しては1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スル
ホン酸クロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド
−5−スルホン酸クロリドなどが挙げられる。
【0045】上記オルトキノンジアジドスルホンクロリ
ドとの反応によるオルトキノンジアジドスルホンアミド
化合物としては、アニリン、ベンジルアミン、1−ナフ
チルアミン、2−ナフチルアミン、ヘキシルアミン、オ
クチルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、
1,3−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノベンゼン、
4,4−ジアミノビフェニル、4,4−ジアミノジフェニ
ルメタン、4,4−ジアミノジフェニルエーテル、4,4
−ジアミノジフェニルケトン、4,4−ジアミノジフェ
ニルスルホン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,
3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ
プロピル)テトラメチルジシロキサン、1,2,4−トリ
アミノベンゼン、1,3,5−トリアミノベンゼン、3,
4,4−トリアミノジフェニルエーテル、3,3',4,4'
−ジアミノジフェニル、3,3',4,4'−テトタアミノ
ジフェニルエーテル、1,2−ジアミノエチレン、N,
N'−ジメチル−1,2−ジアミノ−エチレン、1,3−
ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、N,N'−
ジメチル−1,4−ジアミノブタン,1,6−ジアミノヘ
キサン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノ
デカン、1,12−ジアミノドデカン、2−ブチル−2
−エチル−1,5−ペンタンジアミン、4−アミノメチ
ル−1,8−ジアミノオクタン、ジエチレントリアミ
ン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテ
トラミン、テトラエチレンペンタミンなどが挙げられ
る。
【0046】オルトキノンジアジドスルホンアミドスル
ホンエステル化合物を得るものとして2−アミノフェノ
ール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノル、
2,3−ジアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノー
ル、4−アミノレゾルシノール、4,4'−ジアミノ−
3,3'−ジヒドロキシビフェニル、3,3'−ジアミノー
4,4'−ジヒドロキシビフェニル、2−アモノエタノー
ル、N−メチルー2−アモノエタノール、3−Zミノプ
ロパノール、2−アミノブタノール、2−アミノ−3−
メチルブタノール、4−アミノブタノール、5−アミノ
ペンタノール、6−アミノヘキサノール、4−アミノシ
クロヘキサノール、2−アミノヘプタノール、6−アミ
ノ−2−メチル−2−ヘプタノール、8−アミノオクタ
ノール、10−アミノデカノール、12−アミノドデカ
ノール、1−アミノ−2,23−オウリパンジオール、
2−アミノ−1,3−プロパンジオール、2−アミノー
2−エチル−1,3−プロパンジオール、ビスーホモト
リス、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンなどがあ
る。
【0047】[3] ポジ型感光性樹脂組成物 本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、以上説明したポリ
アミド酸エステルとオルトキノンジアジド化合物および
/またはオルトキノンジアジドスルホンアミドスルホン
エステル化合物とを含有する。
【0048】オルトキノンジアジドスルホンアミド化合
物および/またはオルトキノンジアジドスルホンアミド
スルホンエステル化合物の配合量は、ポリアミド酸エス
テルに対して5〜40重量%が好ましい。40重量%を
超えると得られるポリイミド膜の機械的強さが不十分
で、5重量%未満では露光時の感度が不十分となり、照
射量を増やす必要がある。
【0049】本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、アル
カリ水溶液による現像が可能であるため、有機溶媒のよ
うに人体や環境に悪影響を及ぼすことが少ない。アルカ
リ現像液としてはテトラアンモニウムヒドロキサイド、
テトラエチルアンモニウムヒドロキサイドなどの水酸化
四級アンモニウム水溶液や、エタノールアミン、プロピ
ルアミンなどのアミン系水溶液などがあるが、テトラア
ンモニウムヒドロキサイド2,38%水溶液が最も一般
的である。
【0050】[4] ポジ型感光性樹脂組成物ワニス 本発明のポジ型感光性樹脂組成物をポリイミド膜とする
には、前記のポジ型感光性樹脂組成物を有機溶媒に溶解
しワニスとして用いる。
【0051】ポジ型感光性樹脂組成物と有機溶媒との混
合比は、ポリイミド膜に要求される膜厚や塗布性能など
から決定されるが、ポジ型感光性樹脂組成物に含まれる
ポリアミド酸エステルと、オルトキノンジアジド化合物
および/またはオルトキノンジアジドスルホンアミドス
ルホンエステル化合物の感光剤の合計濃度(以下、NV
と略称する)が、ワニス中において5〜45重量%にな
るように調整するのが好ましい。
【0052】NVが45重量%を超えるとワニス粘度が
高くなり、膜厚制御が困難になったり、気泡が残留する
などの問題が生ずる。5重量%未満では3.0μm以上
の膜厚を有する均一なポリイミド層が得られにくい。
【0053】本発明のポジ型感光性樹脂組成物のワニス
は、PAEとオルトキノンジアジド化合物および/また
はオルトキノンジアジドスルホンアミドスルホンエステ
ル化合物とを有機溶媒中で撹拌混合することにより調製
することができる。
【0054】有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロ
リドン、N,N'−ジメチルアセトアミド、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジ
グライム、γ−ブチロラクトン、フェノール、トルエ
ン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、スルホラン、ヘ
キサメチルホスホルアミドなどが使用できる。
【0055】[5] ポリイミド膜 本発明のポリイミド膜は、上記ポジ型感光性樹脂組成物
のワニスを用いて成膜できる。まず、上記ワニスを固形
物体上(一般的にはガラス板やシリコンウエハ等の基板
上)にスピンコートなどにより塗布する。膜厚は0.5
〜20μm程度である。
【0056】塗布後、40〜90℃で1〜6分程度プリ
ベークして、溶媒をある程度蒸発させプリベーク膜を形
成する。次いで、所望のパターンを有するフォトマスク
を介して紫外線を照射する。上記のワニスを用いること
により、少ない露光量、具体的には100〜400mJ
/cm2で感光させるとができる。
【0057】紫外線を照射したら、前述のアルカリ水溶
液に浸漬して露光部をエッチングする。
【0058】上記のワニスを用いた場合、露光部での溶
解促進が優れているため、いわゆるエッジ切れが良好
で、所望のパターンを有するポリイミド膜が得られる。
また、溶解モードが優れている。例えば、100μm角
を有するフォトマスクを使用した場合、得られるポリイ
ミド膜(膜厚2.5〜6.5μmの範囲で)のパターンを
97〜103μm内に収めることができる。
【0059】エッチング後は水洗し、熱イミド化させて
ポリイミド膜とする。現像後の熱イミド化温度は200
〜450℃、特に、300〜450℃が好ましい。
【0060】本発明では、この熱イミド化の際に未露光
部のオルトキノンジアジド化合物および/またはオルト
キノンジアジドスルホンアミドスルホンエステル化合物
が一部揮発すると共に、ポリアミド酸エステルのカルボ
キシル基が脱炭酸するため、絶縁性や耐熱性に優れたポ
リイミド膜となる。
【0061】以上のように、本発明のポジ型感光性樹脂
組成物を用いると、アルカリ水溶液で現像でき、微細で
信頼性の高いポジ型レリーフパターンを有するポリイミ
ド膜を形成することができる。
【0062】[6] 電子装置への適用 本発明のポジ型感光性樹脂組成物からのポリイミド膜
は、半導体素子の層間絶縁膜、パッシベーション膜、多
層プリント基板用の絶縁膜など、種々の電子装置の絶縁
層として用いることができる。こうした電子装置として
はマイコン、メモリ、ゲートアレイ、ロジックなどが挙
げられ、それらの形態としてはPGA(Pin Grid Arra
y),QFP(Quad Flat Package),SOJ(Small
Out-line-j-bended Package),SOP(Small Outl
ine Package),TSOP(ThinSmall Outline Pac
kage),TQFP(Thin Quad Flat Package),ZI
P(Zigzag in-line Package),BGA(Ball Gri
d Array),CSP(ChipSize Package),COB
(Chip on Board)などがある。
【0063】本発明の電子装置の一例として樹脂封止型
半導体装置の製造例の工程を図1に示す。
【0064】(a) タブ3の上にLSIチップ2、そ
の上にボンデイングパッド1a,1bを積層したものを
用意する。
【0065】(b) ボンデイングパッド1a,1bを
被覆するようにして、LSIチップ2の上に本発明のポ
ジ型感光性樹脂組成物のワニスを塗布する。
【0066】(c) プリベークした後、ボンディング
パッド1bに対応する部分に穴部を有するフィトマスク
を用いて露光する。次いで、アルカリ水溶液によるエッ
チングを行ない、加熱処理する。形成されたポリイミド
膜5のボンデイングパッド1bに対応する部分には、ス
ルーホール50が設けられる。
【0067】(d) スルーホール50を貫通するボン
ディングワイヤ6によりボンデイングパッド1bとリー
ドフレーム7とを接続した後、全体を封止剤8で封止
し、樹脂封止型半導体装置とする。
【0068】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0069】表1に各実施例で用いたポジ型感光性樹脂
組成物の組成を示す。なお、実施例および比較例で用い
た化合物の略号を次に示す。
【0070】3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテト
ラカルボン酸二無水物:DSDA、 メチルアルコール:MeOH プロピルアルコール:1−PrOH ブチルアルコール:1−BuOH ヘキシルアルコ−ル:1−HeOH オクチルアルコール:1−OcOH ドデシルアルコール:1−DoOH 3.5−ジアミノ−安息香酸:DABA p,p'−ジアミノジフェニルエーテル:DDE 1.3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロ
キサン:BAT n−メチル−2−ピロリドン:NMP 4,4'−ビス(1.2−ナフトキノン−2−ジアジド−−
5−スルホニルアミノ)ジアミノジフェニルエーテル:
DDE−Q 4−(1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホ
ニルアミノ)−1−(1,2−ナフトキノン−2−ジアジ
ド−5−スルホニルオキシ)ベンゼン:AMP−Q N−メチル−1,2−ビス(1,2−ナフトキノン−2−
ジアジド−−5−スルホニルアミノ)エタン:MEDA
−Q 2−(1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホ
ニルアミノ)−1−(1, 2−ナフトキノン−2−ジア
ジド−5−スルホニルオキシ)エタン:AME−Q 1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルフォン
酸クロライドと2,3,4,4'−テトラヒドロキシベンゾ
フェノンとのエステル化合物:4NT−300(東洋合
成社製)
【0071】
【表1】
【0072】〔実施例 1〕まずPAEの製造例を示
す。13.72gのDSDA(0.03833モル)に1
−BuOH12.0gを加え1時間環流した後、過剰の
1−BuOHを減圧留去して3,3',4,4'−ジフェニ
ルスルホンテトラカルボン酸のブチルエステルを得た。
【0073】これに精製した12.0gの塩化チオニー
ル(0.09モル)を加え1時間環流した後、過剰の塩
化チオニールを留去し3,3',4,4'−ジフェニルスル
ホンテトラカルボン酸のブチルエステルジクロリド2
7.2gを得た。これに27.2gのNMPを加え溶解し
て濃度50%の酸クロ溶液を作製する。
【0074】一方、3.50gの3.5−DABA(0.
023モル)と2.68gのDDE(0.0134モル)
と、0.48gのBAT(0.0019モル)に45gの
NMPを加え溶解したのも(DABA/DDE/BAT
のモル比60/35/5)をジアミン溶液とした。
【0075】10℃以下に冷却した該ジアミン溶液に、
上記の酸クロリド溶液を1時間かけてゆっくり滴下し、
そのまま1時間撹拌を行なった。次いで、この混合溶液
を3リットルの水に投入し、沈殿物をくり返し洗浄した
後、ろ別乾燥(40℃で72時間減圧乾燥)して、目的
のMWが72,000のPAEを得た。
【0076】次に、感光剤は次のようにして合成した。
10.8gの1.2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−
塩化スルホニル(0.04モル)および4.00gのDD
E(0.02モル)を含むジオキサン溶液(50ml)
に、トリエチルアミン6.7ml(0.12モル)を滴下
し、室温で3時間撹拌した。ろ液を2リットルの1N塩
酸水溶液に滴下することにより沈殿物を得た。これをろ
別した後、40℃で48時間減圧乾燥してDDE−Qを
得た。
【0077】上記PAE10gに2.5gのDDE−Q
(25重量%)と23.2gのNMP(NV35%)と
を加えて溶解した後、孔径1.0μmのフィルタで加圧
ろ過してポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。使用
した原料,組成を表1に示す。
【0078】得られたポジ型感光性樹脂組成物のワニス
を、無処理のシリコンウエハ上に2,000rpm,3
0秒でスピンコートした。次いで80℃のホットプレー
ト上で3分プリベークし、膜厚7.0μmの塗膜を得
た。
【0079】上記塗膜に、微細なパターンを有するフォ
トマスクを介してマスクアライナ(大日本スクリーン社
製、MAP−1300型,光源:ウシオ電機社製、UV
D−405PD型超高圧水銀灯)で300mJ/cm2
照射した。
【0080】露光後23℃のアルカリ現像液(水酸化テ
トラメチルアンモニウムの2.38%水溶液)に90秒
間浸漬して現像を行った。その後、純水で30秒間洗浄
し、未露光部が侵食されていない膜厚6.2μmのレリ
ーフパターンを得た。
【0081】さらに温風乾燥機を用いて100℃/30
分+160℃/30分+250℃/30分+350℃/
30分の条件で熱イミド化し、良好なポジ型のレリーフ
パターンを有するポリイミド膜(膜厚3.5μm)を得
た。
【0082】〔実施例 2〕表1に示す組成で、実施例
1に準じてMW510,000のPAEを合成し、ポジ
型感光性樹脂組成物のワニスを調製した。なお感光剤と
して使用したAMP−Qは次のように合成した。
【0083】1.2−ナフトキノン−2−ジアジド−5
−塩化スルホニルを21.9g(0.081モル)含むピ
リジン溶液100mlに、6.35gの4−アミノフェ
ノ−ル(0.058モル)のピリジン溶液200mlを
5℃以下に保ちながら滴下し、滴下後に30分間撹拌し
た。
【0084】次いで、6.7mlのトリエチルアミン
(0.12モル)を滴下し、室温で3時間撹拌した。続
いて、15.6gの1.2−ナフトキノン−2−ジアジド
−5−塩化スルホニル(0.058モル)のピリジン溶
液100mlと、トリエチルアミン15mlの反応溶液
を15℃以下に保ちながら滴下し、室温で3時間撹拌し
た。
【0085】ろ液を5リットルの1N塩酸水溶液に滴下
することにより沈殿物を得た。これをろ別し、40℃で
48時間減圧乾燥してAMP−Qを得た。
【0086】調製したポジ型感光性樹脂組成物のワニス
を用いて、実施例1に準じてポリイミド膜を形成した。
その結果、未露光部が侵食されていない良好なポジ型の
レリーフパターンを有するポリイミド膜(膜厚3.8μ
m)を得た。
【0087】〔実施例 3〕表1に示す組成で、実施例
1に準じてMW22,000のPAEを合成し、ポジ型
感光性樹脂組成物のワニスを調製した。なお、感光剤と
して使用したMEDA−Qは次のように合成した。
【0088】5.52gの1.2−ナフトキノン−2−ジ
アジド−5−塩化スルホニル(0.02モル)のジオキ
サン溶液50mlに、0.644gのN−メチレンジア
ミン(0.0086モル)のジオキサン溶液50mlを
−20℃以下に保ちながら滴下し、30分間撹拌した。
【0089】反応液を室温に戻した後、1.3mlのト
リエチルアミン(0.011モル)を滴下し1時間撹拌
した。ろ液を1リットルの1N塩酸水溶液に滴下するこ
とにより沈殿物を得た。これをろ別し、40℃で48時
間減圧乾燥してMEDA−Qを得た。
【0090】調製したポジ型感光性樹脂組成物のワニス
を用いて、実施例1に準じポリイミド膜を形成した。そ
の結果、未露光部を侵食されていない良好なポジ型のレ
リーフパターンを有するポリイミド(膜厚3.6μm)
を得た。
【0091】〔実施例 4〕表1に示す組成で、実施例
1に準じてMW22,000のPAEを合成し、ポジ型
感光性樹脂組成物のワニスを調製した。なお、感光剤と
して使用したMEDA−Qは次のように合成した。
【0092】6.62gの1.2−ナフトキノン−2−ジ
アジド−5−塩化スルホニル(0.024モル)のピリ
ジン溶液15mlを−25℃に保ちながら0.648g
の2−アミノエタノール(0.0106モル)のピリジ
ン溶液5mlを滴下し、30分間撹拌する。
【0093】反応溶液を室温に戻し、6.7mlのトリ
エチルアミン(0.12モル)を滴下し3時間撹拌す
る。ろ液を1リットルの1N塩酸水溶液に滴下すること
により沈殿物を得た。これをろ別し40℃で48時間減
圧乾燥してAME−Qを得た。
【0094】調製したポジ型感光性樹脂組成物のワニス
を用いて、実施例1に準じポリイミド膜を形成した。そ
の結果、未露光部を侵食されていない良好なポジ型のレ
リーフパターンを有するポリイミド(膜厚3.7μm)
を得られた。
【0095】〔実施例 5〕表1に示す組成で、実施例
1に準じてMW19,000のPAEおよびDDE−Q
を合成し、ポジ型感光性樹脂組成物ワニスを調製した。
【0096】得られたポジ型感光性樹脂組成物のワニス
を用いて、実施例1に準じポリイミド膜を形成した。そ
の結果、未露光部が侵食されていない良好なポジ型のレ
リーフパターンを有するポリイミド膜(膜厚3.7μ
m)を得られた。
【0097】〔実施例 6〕実施例1で得られたポジ型
感光性樹脂組成物ワニスを使用して、図1の製造工程に
基づき樹脂封止型半導体装置を製造した。
【0098】(a) タブ3の上にLSIチップ2(大
きさ5mm×5mm)、その上にボンディングパッド1
a,1bを積層したものを用意した。
【0099】(b)スピンコータを用いて2600rp
mで30秒間、LSIチップ2の上に実施例1で得られ
たポジ型感光性樹脂組成物のワニスを塗布した。
【0100】(c) 80℃のホットプレートで3分間
プリベークした後、ボンディングパッド1bに対応する
部分に孔部(100μm×100μm)を有するフォト
マスクを介してマスクアライナ(大日本スクリーン社
製、MAP−1300型、光源:ウシオ電機社製、UV
D−405PD形超高圧水銀灯)で300mJ/cm2
照射した。
【0101】露光後、23℃のアルカリ水溶液(水酸化
テトラメチルアンモニウムの2.38%水溶液)に1.5
分間浸漬して現像を行なった。その後純水で30秒間洗
浄し、未露光部が侵食されていないスルーホール部(9
9μm×99μm)を有する(膜厚5.8μm)ものを
得た。
【0102】さらに温風乾燥機を用いて100℃/30
分+160℃/30分+250℃/30分+350℃/
30分で熱イミド化し、良好なレリーフパターンを有す
るポリイミド膜(膜厚3.5μm)を得た。
【0103】(d)スルーホール50を貫通するボンデ
ィングワイヤ6(直径:25μm)によりボンディング
パッド1bとリードフレーム7とを接続した後、全体を
エポキシ系の封止剤8(RM370、日立化成社製)で
封止し、樹脂封止型半導体装置とした。
【0104】〔比較例 1〕実施例1で用いたPAE
と、オルトキノンジアジドのスルホンエステルである4
NT−300とを使用して、実施例1に準じてポジ型感
光性樹脂組成物のワニスを調製し、ポリイミド膜を形成
した。このとき、露光量としては500mJ/cm2
必要とした。
【0105】得られたポリイミド膜(膜厚3.2μm)
は、良好なポジ型のレリーフパターンではなかった。
【0106】〔比較例 2〕表1に示す組成(アルコー
ル:MeOH)で実施例1に準じてMW23,000の
PAEおよびDDE−Qを合成し、ポジ型感光性樹脂組
成物のワニスを調製した。
【0107】得られた、ポジ型感光性樹脂組成物のワニ
スを用いて、実施例1に準じてポリイミド膜を形成し
た。その結果、得られたポリイミド膜(膜厚3.3μ
m)は未露光部が侵食されており、良好なポジ型のレリ
ーフパターンではなかった。
【0108】〔比較例 3〕表1に示す組成(DAB
A:40%)で、実施例1に準じてMW23,000の
PAEを合成すると共に、実施例4に準じてAME−Q
を合成し、ポジ型感光性樹脂組成物ワニスを調製した。
【0109】得られたポジ型感光性樹脂組成物のワニス
を用いて、実施例1に準じてポリイミド膜を形成した。
現像時間は6〜7分と長く、得られたポリイミド膜(膜
厚3.3μm)は、良好なポジ型のレリーフパターンで
はなかった。
【0110】〔比較例 4〕表1に示す組成(DAB
A:95%)で、実施例1に準じてMW18,000の
PAEおよびDDE−Qを合成し、ポジ型感光性樹脂組
成物のワニスを調製した。
【0111】得られたポジ型感光性樹脂組成物のワニス
を用いて、実施例1に準じてポリイミド膜を形成した。
現像時間は数秒と短く、得られたポリイミド膜は、良好
なポジ型のレリーフパターンではなかった。
【0112】〔参考例 1〕29.1gの3,3',4,4'
−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物のブチ
ルエステルクロリドにエンドキャップ剤であるアニリン
を0.31g添加する以外、実施例1と同様にしてPA
Eを合成した。
【0113】得られたPAEのMWは7300であっ
た。また、実施例1に準じてDDE−Qを合成し、上記
PAEと組み合わせてポジ型感光性樹脂組成物のワニス
を調製した。
【0114】得られたポジ型感光性樹脂組成物のワニス
を用い実施例1に準じてポリイミド膜(膜厚3.2μ
m)の形成を行なったが、使用したPAEのMWが7,
000と小さいため、得られたポリイミド膜は実用に耐
え得るものではなかった。
【0115】〔参考例 2〕水分量を10ppm以下に
したNMPを用い、ジアミン溶液を−18℃以下に保持
して、酸クロリド溶液を3時間かけて滴下した以外は実
施例1と同様にしてPAEを合成し、さらに実施例1に
準じてDDE−Qを合成しポジ型感光性樹脂組成物のワ
ニスを調製した。
【0116】得られたポジ型感光性樹脂組成物のワニス
を用いて実施例1に準じてポリイミド膜(膜厚3.5μ
m)の形成を行なったが、使用したPAEのMWが2
3,600と大きいため、現像時間が3.5分と長く、ポ
ジ型レリーフパターンは良好でなかった。
【0117】
【発明の効果】本発明によれば未露光部に侵食のない良
好なポジ型レリーフパターンを有するポリイミド膜が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いた樹脂
封止型半導体装置の製造工程の模式図である。
【符号の説明】
1a,1b…ボンディングパッド、2…LSIチップ、
3…タブ、4…ポジ型感光性樹脂組成物、5…ポリイミ
ド層、50…スルーホール、6…ボンディングワイヤ、
7…リードフレーム、8…封止剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/312 H01L 21/30 502R (72)発明者 三輪 崇夫 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 上野 巧 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 ジェラルディン ラメス ラングラーデ 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔1〕 【化1】 (式中、R1は2価の有機基(但し、R1の55〜85モ
    ル%はカルボキシル基)、R2は疎水性基を示し、Xは
    −SO2−、nは6〜570の整数を示す。)で表わさ
    れるポリアミド酸エステルと、一般式〔2〕 【化2】 (式中、R3はオルトキノンジアジドスルホニル基、R4
    は炭素数2〜30の有機基、R5はアルキル基または水
    素、mは1〜6の整数を示す。)で表わされるオルトキ
    ノンジアジドスルホンアミド化合物および/または一般
    式〔3〕 【化3】 (式中、R3はオルトキノンジアジドスルホニル基、R4
    は炭素数2〜30の有機基、R5はアルキル基または水
    素、pは1〜5、qは1〜6の整数を示す。)で表わさ
    れるオルトキノンジアジドスルホンアミドスルホンエス
    テル化合物を含みアルカリ水溶液で現像可能であること
    を特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記オルトキノンジアジドスルホンアミ
    ド化合物および/またはオルトキノンジアジドスルホン
    アミドスルホンエステル化合物の配合量が、前記ポリア
    ミド酸エステルに対して5〜40重量%である請求項1
    に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のポジ型感光性
    樹脂組成物と有機溶媒を含み、前記ポリアミド酸エステ
    ルと、前記オルトキノンジアジドスルホンアミド化合物
    および/またはオルトキノンジアジドスルホンアミドス
    ルホンエステル化合物との合計濃度が4〜45重量%で
    あるポジ型感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のポジ型感光性樹脂組成
    物を固形物体上に塗布し、プリベークした後、所定のパ
    ターンを有するフォトマスクを用いて露光し、次いでア
    ルカリ水溶液によるエッチングを行ない、加熱処理する
    ことを特徴とするポリイミド膜の形成法。
JP8331870A 1996-12-12 1996-12-12 ポジ型感光性樹脂組成物とそれを用いたポリイミド膜の形成法 Pending JPH10171116A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018082185A (ja) * 2017-12-08 2018-05-24 信越化学工業株式会社 高効率太陽電池の製造方法
US10998463B2 (en) 2016-11-15 2021-05-04 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. High efficiency solar cell and method for manufacturing high efficiency solar cell

Cited By (3)

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