JPH10169783A - バッファリング構造 - Google Patents

バッファリング構造

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JPH10169783A
JPH10169783A JP34457896A JP34457896A JPH10169783A JP H10169783 A JPH10169783 A JP H10169783A JP 34457896 A JP34457896 A JP 34457896A JP 34457896 A JP34457896 A JP 34457896A JP H10169783 A JPH10169783 A JP H10169783A
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Katsuhiko Furuhata
克彦 古籏
Norikazu Tamenaga
憲和 爲永
Kazumasa Kanematsu
和正ー 兼松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定のシール機能を発揮して減圧作用を実現
できるのはもちろんのこと、所定の蓄圧開放作用をも実
現でき、減圧シール構造として油圧シリンダへの利用に
最適となる。 【解決手段】 バックアップリング3が外部側環状端面
3bに該外部側環状端面3bの径方向の全幅にわたる切
欠溝3cを有してなると共にエキスパンダリング1の内
周に摺接する外周にあるいはロッド体Rの外周に摺接す
る内周に一端が切欠溝3cに連通し他端がシステム側環
状端面3aに開口する連通溝3dを有してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、バッファリング
構造に関し、特に、油圧シリンダの軸受部などに設けら
れる減圧シール構造としてのバッファリング構造の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧シリンダは、シリンダ体内
でのシステムによる油圧作用でシリンダ体の軸芯部を挿
通するロッド体がシリンダ体に対して出没されるように
構成されているが、たとえば、ロッド体を隙間を有して
隣接させるシリンダ体側の軸受部には、それぞれの目的
に応じたシール構造が設けられるとしている。
【0003】すなわち、シリンダ体側の軸受部には、シ
リンダ体内側たるシステム側に対して反対側となる外部
側の最外部にダストシール構造が設けられ、このダスト
シール構造より内側部にオイルシール構造が設けられ、
さらに、このオイルシール構造より内側部に、すなわ
ち、最もシステム側寄りとなる最内側部に減圧シール構
造たるバッファリング構造が設けられるとしている。
【0004】そして、このバッファリング構造として
は、従来から種々の提案があるが、旧来のエキスパンダ
リングとスライドリングの二部品からなる構成のものに
あっては、他部材たる可動側部材としてのロッド体に摺
接するスライドリングが破損され易く、結果として、高
圧シール性に劣る不具合が指摘されていた。
【0005】そこで、たとえば、実開平2−65705
号公報に開示されているようなエキスパンダリングとス
ライドリングの他にバックアップリングを加えた三部品
からなる構成のバッファリング構造が提案されるに至っ
ている。
【0006】すなわち、このバッファリング構造は、図
6に示すように、シリンダ体(図示せず)側に配在され
て内周にシリンダ体の軸芯部を挿通する可動側部材たる
ロッド体Rの外周を隙間S1,S2を有して隣接させる
軸受部Bと、この軸受部Bに形成されてロッド体Rの外
周に向けて開口する断面凹状の環状溝Dと、この環状溝
Dにおける言わば内底面に相当する内周面D1に外周が
摺接されてこの環状溝D内に移動可能に収装される筒状
に形成のエキスパンダリング1と、このエキスパンダリ
ング1の内周にそれぞれの外周が摺接すると共にそれぞ
れの内周がロッド体Rの外周に摺接してそれぞれこの環
状溝D内に移動可能に収装される筒状に形成のスライド
リング2および筒状もしくは環状に形成のバックアップ
リング3とを有してなる。
【0007】エキスパンダリング1は、環状溝Dの内底
面からの言わば起ち上り面に相当する平坦面に形成のシ
ステム側環状接触面D2に対向する平坦面に形成のシス
テム側環状端面1aに、図7に示すように、径方向の中
央に周方向に適宜の間隔で円弧状に形成された突起1b
を有し、この突起1bの先端がシステム側環状接触面D
2に隣接されるとき(図9参照)に、システム側環状端
面1aとシステム側環状接触面D2との間に突起1bの
高さ寸法に相当する幅の隙間(符示せず)を形成すると
している。
【0008】そして、このエキスパンダリング1は、外
周にこのエキスパンダリング1の軸芯線方向に沿うよう
に形成されて上記のシステム側環状接触面D2との間に
出現される隙間に連通する圧抜き溝1cを有すると共
に、環状溝Dのシステム側環状接触面D2と同様に平坦
面に形成の外部側環状接触面D3に離着座可能に対向す
る平坦面に形成の外部側環状端面1dに圧抜き溝1cを
開口させる一方で、この外部側環状端面1dが外部側環
状接触面D3に密接されるときに、両者間で圧力の遮断
作用が実現されるとしている。
【0009】スライドリング2は、環状溝Dのシステム
側環状接触面D2に離着座可能に対向する平坦面に形成
のシステム側環状端面2aに、図8にも示すように、こ
のスライドリング2におけるシステム側環状端面2a側
の端部における内外周側の連通を可能にする複数の、す
なわち、図示例では二個の通路2bを有している。
【0010】そして、このスライドリング2の外部側環
状端面2cは、平坦面に形成されて同じく平坦面に形成
されているバックアップリング3のシステム側環状端面
3aに隣接されるとしている。
【0011】さらに、バックアップリング3の外部側環
状端面3bは、環状溝Dにおける外部側環状接触面D3
に離着座可能に対向する平坦面に形成されていて、この
外部側環状端面3bが外部側環状接触面D3に密接され
るときに、両者間で圧力の遮断作用が実現されるとして
いる。
【0012】それゆえ、エキスパンダリング1の内周に
スライドリング2だけでなくバックアップリング3をも
有するこのバッファリング構造にあっては、システム側
からの高圧がロッド体Rと軸受部Bとの間に形成されて
いるシステム側隙間S1を介して環状溝D内のスライド
リング2およびエキスパンダリング1の各システム側環
状端面2a,1aに作用することになると、スライドリ
ング2およびバックアップリング3とエキスパンダリン
グ1が外部側に押し出されるように環状溝D内を摺動し
て、図6に示すような状態になる。
【0013】すなわち、エキスパンダリング1の外部側
環状端面1dが環状溝Dの外部側環状接触面D3に圧接
されると共に、スライドリング2の外部側環状端面2c
がバックアップリング3のシステム側環状端面3aに圧
接されることで、このバックアップリング3の外部側環
状端面3bが環状溝Dの外部側環状接触面D3に圧接さ
れることになる。
【0014】そして、このときに、エキスパンダリング
1と共にスライドリング2が径方向に膨出変形する傾向
になり、その結果、スライドリング2の内周によるロッ
ド体Rの外周に対するシール機能が発揮されることにな
る。
【0015】また、このときには、スライドリング2の
外部側環状端面2cがバックアップリング3のシステム
側環状端面3aに圧接されていて、このスライドリング
2における内周側の端部がバックアップリング3の内周
とロッド体Rの外周との間に入り込むこと、すなわち、
スライドリング2の内周側の端部におけるはみ出し現象
が防止されることになる。
【0016】したがって、このバッファリング構造によ
れば、スライドリング2のはみ出し現象が防止されて、
このはみ出し現象に起因するスライドリング2の破損が
防止されることになり、その結果、スライドリング2に
よる所定のシール機能が保障された状態で、システム側
からの従来に比較しても高圧となる高圧が外部側に配在
されているオイルシール構造に及ぶことを阻止する所定
の圧力の遮断作用、すなわち、減圧作用が実現されるこ
とになる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、およそ
この種のバッファリング構造にあっては、上記の減圧作
用の他に蓄圧開放作用が実現されるとしており、なんら
かの理由で、たとえば、油漏れなどで図6中で左側とな
る外部側に蓄圧現象が招来される場合には、この蓄圧が
外部側隙間S2を介して環状溝D内のバックアップリン
グ3およびエキスパンダリング1の各外部側環状端面3
b,1dに作用するようになる。
【0018】そして、この状態からシステム側が外部側
の蓄圧に比較して負圧傾向になるときに、外部側の蓄圧
によってバックアップリング3およびこれに隣接するス
ライドリング2とエキスパンダリング1が図6中で右行
するように摺動して、図9に示すように、スライドリン
グ2のシステム側環状端面2aおよびエキスパンダリン
グ1のシステム側環状端面1aに形成の突起1bが環状
溝Dのシステム側環状接触面D2に圧接される状態にな
る。
【0019】そして、この状態のとき、外部側の蓄圧が
環状溝Dの外部側環状接触面D3と摺動したバックアッ
プリング3およびエキスパンダリング1の各外部側環状
端面3b,1dとの間に出現する隙間(符示せず)を介
すると共に、エキスパンダリング1の外周の圧抜き溝1
c,エキスパンダリング1のシステム側環状端面1aと
環状溝Dの外システム側環状接触面D2との間に形成さ
れる隙間,スライドリング2のシステム側環状端面2a
における通路2bおよびシステム側隙間S1を介してシ
ステム側に解放される、すなわち、蓄圧解放作用が実現
されることになる。
【0020】しかし、上記した従来例としてのバッファ
リング構造にあっては、この蓄圧解放作用が実現されな
くなるばかりか、所定の減圧作用も実現し得なくなる危
惧がある。
【0021】すなわち、上記したバッファリング構造で
は、エキスパンダリング1の内周に配在されるスライド
リング2とバックアップリング3は、本来的には独立さ
れていて、互いに隣接される状態に配在されるとしてい
る。
【0022】それゆえ、何らかの理由で、たとえば、シ
ステム側からの漏油がスライドリング2の内周側を交わ
して、あるいは、外部側に発現された蓄圧現象に起因す
る蓄圧がバックアップリング3の内周側を交わしてバッ
クアップリング3とスライドリング2との間に及んで、
図10に示すように、バックアップリング3とスライド
リング2との間に蓄圧室Aを出現させることがある。
【0023】この蓄圧室Aの出現は、システム側からの
高圧を外部側に及ばせないようにするこのバッファリン
グ構造の減圧シールとしての機能を発揮させる上のみか
らは問題にならないと言い得るが、このバッファリング
構造を蓄圧解放シールとして機能させる上からは障害に
なり、事実上、蓄圧現象を解消し得なくするだけでな
く、スライドリング2に破損を招来させて、所定のシー
ル機能さえ発揮し得なくすることになる危惧がある。
【0024】すなわち、蓄圧室Aでの蓄圧は、環状溝D
内でバックアップリング3を外部側に移動させて、外部
側環状端面3bを環状溝Dの外部側環状接触面D3に圧
接させると共に、環状溝D内でスライドリング2をシス
テム側に移動させて、システム側環状端面2aを環状溝
Dのシステム側環状接触面D2に圧接させる状態にな
る。
【0025】それゆえ、この状態でシステム側がこの蓄
圧に比較して負圧傾向となるとしても、蓄圧室Aでは、
いわゆるオイルロック状態が現出されていることにな
り、したがって、環状溝D内でのバックアップリング3
のシステム側への摺動を不能にし、その結果、環状溝D
内でのエキスパンダリング1のシステム側への摺動を不
能にして外部側からの蓄圧の解放を不能にすることにな
る。
【0026】一方、蓄圧室Aにおける蓄圧がシステム側
の高圧に勝る状態になると、スライドリング2が環状溝
D内でシステム側環状接触面D2に一層圧接される状態
になり、したがって、このスライドリング2において、
システム側環状端面2aの内周側の端部がシステム側隙
間S1にはみ出すことになり、このはみ出し現象でスラ
イドリング2が破損され、爾後に、このスライドリング
2による所定のシール機能を発揮し得ないことになる。
【0027】この発明は、上記した事情に鑑みて創案さ
れたものであって、その目的とするところは、所定のシ
ール機能を発揮して減圧作用を実現できるのはもちろん
のこと、所定の蓄圧開放作用をも実現でき、減圧シール
構造として油圧シリンダへの利用に最適となるバッファ
リング構造を提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明の構成を、シリンダ体側に配在されて
内周にシリンダ体の軸芯部を挿通するロッド体の外周を
隙間を有して隣接させる軸受部と、該軸受部に形成され
てロッド体の外周に向けて開口する断面凹状の環状溝
と、該環状溝の内周面に外周が摺接されて該環状溝内に
移動可能に収装される筒状に形成のエキスパンダリング
と、該エキスパンダリングの内周にそれぞれの外周が摺
接すると共にそれぞれの内周がロッド体の外周に摺接し
てそれぞれ該環状溝内に移動可能に収装される筒状に形
成のスライドリングおよび筒状もしくは環状に形成のバ
ックアップリングとを有してなり、スライドリングがシ
ステム側環状端面を環状溝を形成するシステム側環状接
触面に離着座可能に対向させると共に外部側環状端面を
バックアップリングのシステム側環状端面に隣接させて
なり、かつ、該バックアップリングが外部側環状端面を
環状溝を形成する外部側環状接触面に離着座可能に対向
させてなるバッファリング構造において、バックアップ
リングが外部側環状端面に該外部側環状端面の径方向の
全幅にわたる切欠溝を有してなると共にエキスパンダリ
ングの内周に摺接する外周にあるいはロッド体の外周に
摺接する内周に一端が切欠溝に連通し他端がシステム側
環状端面に開口する連通溝を有してなるとする。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図示した実施の形態に基づ
いてこの発明を説明するが、この発明の実施の形態によ
るバッファリング構造は、基本的には、前記した図6乃
至図8に示す従来例としてのバッファリング構造と同様
に構成されている。
【0030】したがって、その構成が同一となるところ
については、要する場合を除いて、図中に同一の符号を
付するのみとしてその説明を省略し、以下には、図示す
る実施の形態において特徴となるところを中心に説明す
る。
【0031】すなわち、この発明の一実施の形態による
バッファリング構造にあっては、図1および図2に示す
ように、バックアップリング3が外部側環状端面3bに
この外部側環状端面3bの径方向の全幅にわたるように
形成された切欠溝3cを有してなると共に、エキスパン
ダリング1の内周に摺接する外周に一端が切欠溝3cに
連通し他端がシステム側環状端面3aに開口するように
形成された連通溝3dを有してなるとしている。
【0032】その結果、バックアップリング3とスライ
ドリング2とは、互いに独立していながら隣接している
のみであるから、図3に示すように、バックアップリン
グ3とスライドリング2との間に蓄圧室Aが形成される
場合には、この蓄圧室Aと外部側隙間S2とが切欠溝3
cおよび連通溝3dを介して連通可能な状態になるもの
で、この切欠溝3cおよび連通溝3dは、言わば連通路
として機能することになる。
【0033】以上からすれば、この連通路、すなわち、
切欠溝3cおよび連通溝3dは、図示する実施の形態で
は、前記した図8に示すスライドリング2における通路
2bの場合と同様に直径方向の二か所に設けられるとし
ている(図2参照)が、要する場合には、一か所とさ
れ、あるいは、三か所以上とされるとしても良い。
【0034】また、この連通路を構成する連通溝3d
は、図示する実施の形態に代えて、図4に示すように、
ロッド体Rの外周に摺接するバックアップリング3の内
周に設けられるとしても良いと言える。
【0035】そして、切欠溝3cと連通溝3dとの接続
は、図1および図4の実施の形態のように、いわゆる直
結状態に接続されるのに代えて、図5に示すように、バ
ックアップリング3の外部側環状端面3bの外周側とな
る隅部に環状切欠部3eを形成して、この環状切欠部3
eを介して接続されるとしても良く、この場合には、切
欠溝3cと連通溝3dの数を必要に応じて異数に設定す
ることが可能になる点で有利となる。
【0036】さらに、この環状切欠部3eをバックアッ
プリング3における外部側環状端面3bの外周側となる
隅部に形成する場合には、外部側の隙間S2からの蓄圧
をエキスパンダリング1の外部側環状端面1dに作用さ
せ易くなり、この環状切欠部3eを形成しない場合に比
較して、環状溝D内におけるエキスパンダリング1のシ
ステム側への摺動を容易にさせることになる点で有利と
なる。
【0037】そしてさらに、この環状切欠部3eをバッ
クアップリング3に配在することに代えて、図5中に仮
想線図で示すように、エキスパンダリング1の外部側環
状端面1dの内周側となる隅部に環状切欠部1eを配在
するとしても良く、この場合には、バックアップリング
3部分に環状切欠部3eを配在する場合に比較して、エ
キスパンダリング1部分に環状切欠部1eを配在する場
合の方がこのエキスパンダリング1に受圧作用を受け易
くすることになる点で有利となる。
【0038】また、この環状切欠部1eをエキスパンダ
リング1に形成する場合には、このエキスパンダリング
1が環状溝D内で外部側環状接触面D3に強く圧接され
るときに、このエキスパンダリング1の外部側環状端面
1dの内周側の端部がバックアップリング3の外部側環
状端面3bと環状溝Dの外部側環状接触面D3との間に
食い込むことになるような不具合をあらかじめ排除でき
る点で有利となる。
【0039】ちなみに、図4に示す実施の形態による場
合には、図示しないが、上記の環状切欠部3eがバック
アップリング3の外部側環状端面3bの内周側となる隅
部に形成されることになるのはもちろんである。
【0040】それゆえ、以上のように形成されたこの実
施の形態によるバッファリング構造にあっては、基本的
には、前記した従来の三部品からなるバッファリング構
造と同様に、所定のシール機能と蓄圧解放機能を発揮す
ることになる。
【0041】すなわち、システム側からの高圧がシステ
ム側隙間S1を介して環状溝D内のスライドリング2と
エキスパンダリング1の各システム側環状端面2a,1
aに作用するときには、スライドリング2およびこのス
ライドリング2に隣接するバックアップリング3がエキ
スパンダリング1と共に環状溝D内を摺動して、バック
アップリング3の外部側環状端面3bとエキスパンダリ
ング1の外部側環状端面1dがそれぞれ環状溝Dの外部
側環状接触面D3に圧接される。
【0042】そして、このときに、エキスパンダリング
1とスライドリング2がそれぞれ径方向に膨出変形する
傾向になり、スライドリング2の内周によるロッド体R
の外周に対するシール機能が発揮される。
【0043】なお、このときに、バックアップリング3
が配在されているがゆえに、スライドリング2の外部側
環状端面2cの内周側の端部がバックアップリング3の
内周側に入り込む現象、すなわち、スライドリング2に
おけるはみ出し現象が阻止されることもちろんである。
【0044】一方、油漏れなどで軸受部Bにおける外部
側に招来される蓄圧現象による蓄圧が外部側隙間S2を
介して環状溝D内のバックアップリング3およびエキス
パンダリング1の各外部側環状端面3b,1dに作用す
るときには、システム側が外部側の蓄圧に比較して負圧
傾向になると、バックアップリング3とこれに隣接する
スライドリング2がエキスパンダリング1と共に摺動し
て、スライドリング2のシステム側環状端面2aとエキ
スパンダリング1のシステム側環状端面1aに形成の突
起1bが環状溝Dのシステム側環状接触面D2に圧接さ
れる状態になる(図8参照)。
【0045】そして、このとき、外部側の蓄圧が環状溝
Dの外部側環状接触面D3と摺動したバックアップリン
グ3およびエキスパンダリング1の各外部側環状端面3
b,1dとの間に出現する隙間,エキスパンダリング1
の外周の圧抜き溝1c,エキスパンダリング1のシステ
ム側環状端面1aと環状溝Dのシステム側環状接触面D
2との間に形成される隙間,スライドリング2のシステ
ム側環状端面2aにおける通路2bおよびシステム側隙
間S1を介してシステム側に解放されて蓄圧解放作用が
実現される。
【0046】上記の蓄圧解放作用のとき、図示する実施
の形態では、バックアップリング3の外部側環状端面3
bに連通路を構成する切欠溝3cが形成されているか
ら、外部側の蓄圧をエキスパンダリング1の外部側環状
端面1dに作用させ易くなり、エキスパンダリング1が
摺動され易くなる。
【0047】ところで、システム側からの漏油がスライ
ドリング2の内周側を交わして、あるいは、外部側に発
現された蓄圧現象に起因する蓄圧がバックアップリング
3の内周側を交わしてバックアップリング3とスライド
リング2との間に入り込み、図3に示すように、このバ
ックアップリング3とスライドリング2との間に蓄圧室
Aが出現されるような状態になるときには、以下のよう
にして、蓄圧室Aの出現が阻止されることになる。
【0048】すなわち、この蓄圧室Aは、前記した従来
例の場合のように言わば独立した状態に出現される場合
には、いわゆるオイルロック状態を呈するようになり圧
抜きを困難にするが、この発明では、バックアップリン
グ3に連通路たる切欠溝3cと連通溝3dが配在されて
いるので、まず、蓄圧室Aにおける蓄圧が外部側隙間S
2における蓄圧と同一になる。
【0049】それゆえ、この状態でシステム側がこの蓄
圧室Aにおける蓄圧に比較して負圧傾向となると、蓄圧
室Aの蓄圧が連通路を介して外部側隙間S2の蓄圧と共
にエキスパンダリング1の外部側環状端面1dに作用
し、したがって、環状溝D内でバックアップリング3お
よびエキスパンダリング1がシステム側へ摺動し、前述
したような蓄圧解放作用を実現させる。
【0050】そして、このときには、蓄圧室Aが圧抜け
によっていわゆる消滅される傾向になり、したがって、
この発明のバッファリング構造によるときには、蓄圧室
Aが形成されなくなり、その結果、蓄圧室Aにおける蓄
圧でスライドリング2のシステム側環状端面2aが環状
溝Dのシステム側環状接触面D2に一層圧接されるよう
な事態が招来されなくなる。
【0051】そして、蓄圧室Aが形成されなくなる、す
なわち、バックアップリング3とスライドリング2とを
隣接させた状態に維持し得ることで、エキスパンダリン
グ1の内周にそれぞれ独立形成されたバックアップリン
グ3とスライドリング2とを従来通りに配在させるのみ
で足り、このバックアップリング3とスライドリング2
とを一体形成しなくても済むことになる。
【0052】以上のことは、蓄圧室Aにおける蓄圧がシ
ステム側の高圧に勝る状態になるような場合にも同様に
発現される。
【0053】そして、上記したところでは、バックアッ
プリング3が切欠溝3cおよび連通溝3dからなる言わ
ば連通路を有してなるとしたが、この連通路と同じ作用
を達成させるためには、この連通路に代えて、図示しな
いが、バックアップリング3が割りを有してなるとして
も良いと言える。
【0054】そして、バックアップリング3が割りを有
してなるとする場合には、このバックアップリング3が
エキスパンダリング1やスライドリング2に比較して高
硬度に設定されることから同じ作用効果を期待できるの
はもちろんのこと、このバックアップリング3のエキス
パンダリング1の内周への配在が容易に行えるようにな
る点でも有利となる。
【0055】前記したところは、この発明によるバッフ
ァリング構造がロッド体Rとこのロッド体Rの外周に隣
接する軸受部Bとの間に設けられる場合を例にしたが、
この発明の意図するところを勘案すれと、このバッファ
リング構造が、たとえば、シリンダ体の内周に摺接する
ピストン部の外周に配在されるとしても良く、その場合
の作用効果も同様であることもちろんである。
【0056】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、エキ
スパンダリングの内周にスライドリングとバックアップ
リングを有するバッファリング構造において、所定のシ
ール機能の発揮、および、スライドリングとバックアッ
プリングとの間に蓄圧室が形成されない場合における所
定の蓄圧解放機能の発揮が可能になるのはもちろんのこ
と、バックアップリングに連通路を形成して、この連通
路によってこのバッファリング構造の外部側における蓄
圧とスライドリングとバックアップリングとの間に形成
されることがある蓄圧室における蓄圧とを同一にすると
共に、この蓄圧をバックアップリングの外周に摺接する
エキスパンダリングの端面に作用させ易くしたから、蓄
圧室におけるオイルロック現象の発現の危惧がなく、ま
た、蓄圧室自体が出現されず、したがって、バックアッ
プリングおよびエキスパンダリングのシステム側への摺
動が常に可能になって、所定の蓄圧解放作用の実現が常
に可能になると共にスライドリングとバックアップリン
グとの間に蓄圧室が形成されないから、スライドリング
におけるシステム側へのはみ出し現象をも阻止し得るこ
とになり、高いシール性を保障し得ることになる利点が
ある。
【0057】その結果、この発明によれば、所定のシー
ル機能を発揮して減圧作用を実現できるのはもちろんの
こと、所定の蓄圧開放作用をも実現でき、減圧シール構
造として油圧シリンダへの利用に最適となる利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態によるバッファリング
構造を示す縦断面図である。
【図2】図1のバッファリング構造を構成するバックア
ップリングを外部側環状端面側から示す斜視図である。
【図3】図1のバッファリング構造においてバックアッ
プリングとスライドリングとの間に蓄圧室が出現された
状態を示す縦断面図である。
【図4】この発明の他の実施の形態によるバッファリン
グ構造を図1と同様に示す縦断面図である。
【図5】この発明の他の実施の形態によるバッファリン
グ構造の要部を拡大して示す部分縦断面図である。
【図6】従来例としてのバッファリング構造を図1と同
様に示す縦断面図である。
【図7】図6中のエキスパンダリングのシステム側環状
端面を示す図である。
【図8】図6中のスライドリングのシステム側環状端面
を示す図である。
【図9】図6のバッファリング構造の作動状態を示す縦
断面図である。
【図10】図6のバッファリング構造においてバックア
ップリングとスライドリングとの間に蓄圧室が出現され
た状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 エキスパンダリング 1a,2a,3a システム側環状端面 1b 突起 1c 圧抜き溝 1d,2c,3b 外部側環状端面 1e,3e 環状切欠部 2 スライドリング 2b 通路 3 バックアップリング 3c 切欠溝 3d 連通溝 A 蓄圧室 B 軸受部 D 環状溝 D1 内周面 D2 システム側環状接触面 D3 外部側環状接触面 R ロッド体 S1 システム側隙間 S2 外部側隙間

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ体側に配在されて内周にシリン
    ダ体の軸芯部を挿通するロッド体の外周を隙間を有して
    隣接させる軸受部と、該軸受部に形成されてロッド体の
    外周に向けて開口する断面凹状の環状溝と、該環状溝の
    内周面に外周が摺接されて該環状溝内に移動可能に収装
    される筒状に形成のエキスパンダリングと、該エキスパ
    ンダリングの内周にそれぞれの外周が摺接すると共にそ
    れぞれの内周がロッド体の外周に摺接してそれぞれ該環
    状溝内に移動可能に収装される筒状に形成のスライドリ
    ングおよび筒状もしくは環状に形成のバックアップリン
    グとを有してなり、スライドリングがシステム側環状端
    面を環状溝を形成するシステム側環状接触面に離着座可
    能に対向させると共に外部側環状端面をバックアップリ
    ングのシステム側環状端面に隣接させてなり、かつ、該
    バックアップリングが外部側環状端面を環状溝を形成す
    る外部側環状接触面に離着座可能に対向させてなるバッ
    ファリング構造において、バックアップリングが外部側
    環状端面に該外部側環状端面の径方向の全幅にわたる切
    欠溝を有してなると共にエキスパンダリングの内周に摺
    接する外周にあるいはロッド体の外周に摺接する内周に
    一端が切欠溝に連通し他端がシステム側環状端面に開口
    する連通溝を有してなるバッファリング構造
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