JPH10115374A - バッファリング構造 - Google Patents

バッファリング構造

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JPH10115374A
JPH10115374A JP28752896A JP28752896A JPH10115374A JP H10115374 A JPH10115374 A JP H10115374A JP 28752896 A JP28752896 A JP 28752896A JP 28752896 A JP28752896 A JP 28752896A JP H10115374 A JPH10115374 A JP H10115374A
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JP
Japan
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annular
seal member
slide ring
groove
annular groove
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JP28752896A
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English (en)
Inventor
Takanobu Uchiumi
孝信 内海
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の減圧作用を実現できるのはもちろんの
こと、減圧用として設けられるシール構造におけるシー
ル部材の破損を防ぎ、油圧シリンダへの利用に最適とな
る。 【解決手段】 シール部材4の外周に形成される圧抜き
溝4cがシール部材4の環状一端面4aに形成される突
起4bを配在させるエリアA内にあるいは該エリアAに
掛け渡されるように配在される一方で、シール部材4の
内周側へのスライドリング3の収装時に上記エリアA内
にあるいは該エリアAに掛け渡されるようにスライドリ
ング3の環状一端面3aに形成の通路3bが照準されて
圧抜き溝4cの突起4b間に形成される隙間Sを介して
の通路3bへの連通状態が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、バッファリング
構造に関し、特に、油圧シリンダの軸受部に減圧用とし
て設けられるシール構造としてのバッファリング構造の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧シリンダは、シリンダ体内
でのシステムによる油圧作用でシリンダ体の軸芯部を挿
通するロッド体がシリンダ体に対して出没されるように
設定されるが、ロッド体を隙間を有して隣接させるシリ
ンダ体側の軸受部には、それぞれの目的に応じたシール
構造が設けられるとしている。
【0003】すなわち、シリンダ体側の軸受部には、シ
リンダ体内側(システム側)たる内部側に対して外部側
となる最外部にダストシール構造が設けられ、このダス
トシール構造より内部側にオイルシール構造が設けら
れ、さらに、このオイルシール構造より内部側に、すな
わち、システム側寄りとなる最内部側に減圧用のシール
構造としてのバッファリング構造が設けられるとしてい
る。
【0004】そして、このバッファリング構造として
は、従来から種々の提案があるが、たとえば、実公平3
−38486号公報に開示の提案にあっては、図6に示
すような構成とされている。
【0005】すなわち、このバッファリング構造は、シ
リンダ体(図示せず)側に配在されて内周にシリンダ体
の軸芯部を挿通するロッド体Rの外周を隙間(符示せ
ず)を有して隣接させる軸受部1と、この軸受部1に形
成されてロッド体Rの外周に向けて開口する断面凹状の
環状溝2と、この環状溝2内に移動可能に収装されてロ
ッド体Rの外周に摺接する筒状に形成のスライドリング
3と、環状溝2内に移動可能に収装されてスライドリン
グ3の外周に摺接すると共に外周が環状溝2の内周2a
に摺接される筒状に形成のシール部材4とを有してな
る。
【0006】そして、スライドリング3は、図7にも示
すように、環状溝2のシステム側環状接触面2b(図6
参照)に対向する環状一端面3aに形成されてこのスラ
イドリング3の一端における内外周側の連通を可能にす
る複数(図示例では二個)の通路3bを有してなるとし
ている。
【0007】また、シール部材4は、図8に示すよう
に、環状溝2のシステム側環状接触面2bに対向する環
状一端面4aに周方向に適宜の間隔に設定される各エリ
アA内に円弧状に形成された突起4bを有して相隣する
突起4b間に形成されこのシール部材4の一端における
内外周側の連通を可能にする隙間Sを有すると共に、外
周にこのシール部材4の軸芯線方向に沿うように形成さ
れた圧抜き溝4cを有してなるとしている。
【0008】なお、スライドリング3およびシール部材
4の各環状他端面3c,4dは、図6に示すように、そ
れぞれ平坦面に形成されていて、同じく平坦面に形成さ
れている環状溝2における外部側環状接触面2cに圧接
されるとき、圧力の遮断作用を実現し得るように設定さ
れているが、このバッファリング構造は、図中に仮想線
図で示すように、スライドリング3に直列するように環
状溝2内にバックアップリングBを有してなることもあ
り、また、このバックアップリングBを環状溝2外の軸
受部1に有してなることある。
【0009】それゆえ、このスライドリング3とシール
部材4とを有して構成されるバッファリング構造にあっ
ては、図6中で右側となるシリンダ体内側、すなわち、
システム側からの高圧がロッド体Rと軸受部1との間の
隙間を介して環状溝2内のスライドリング3およびシー
ル部材4の各環状一端面3a,4aに作用すると、図示
しないが、スライドリング3およびシール部材4が図6
中で左行するように環状溝2内を摺動し、各環状他端面
3c,4dが環状溝2の外部側環状接触面2cに圧接さ
れることになり、このとき、所定の圧力遮断作用、すな
わち、減圧作用を発揮することになる。
【0010】一方、なんらかの理由で、たとえば、油漏
れなどで軸受部1における外部側、すなわち、システム
側に対して反対側となる図6中で左側となる側に蓄圧現
象が招来されるような場合には、この蓄圧がロッド体R
と軸受部1との間の隙間を介して環状溝2内のスライド
リング3およびシール部材4の各環状他端面3c,4d
に作用することになる。
【0011】その結果、スライドリング3およびシール
部材4がそれぞれ図6中で右行するように摺動して、図
示すように、各環状一端面3a,4aが環状溝2のシス
テム側環状接触面2bに圧接されることになり、このと
き、外部側の蓄圧がシステム側環状接触面2bと摺動し
たスライドリング3およびシール部材4との間に出現す
る隙間(符示せず)を介すると共に、シール部材4にお
ける圧抜き溝4c,突起4b間に形成される隙間Sおよ
びスライドリング3における通路3bを介してシステム
側に解放される、すなわち、蓄圧解放作用が発揮される
ことになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来例としてのバッファリング構造にあっては、所定
の蓄圧解放作用を発揮し得なくなる場合があり得ること
が危惧されている。
【0013】すなわち、上記したバッファリング構造で
は、シール部材4における圧抜き溝4cと、シール部材
4において突起4b間に形成される隙間Sと、スライド
リング3における通路3bとが常に連通し得る状態に維
持されること、すなわち、シール部材4の内周側にスラ
イドリング3を収装した際に、上記の連通状態が確保さ
れる状態になっていることが肝要となる。
【0014】少し説明すると、システム側の反対側から
の蓄圧は、環状溝2内でスライドリング3およびシール
部材4の各環状一端面3a,4aを環状溝2のシステム
側環状接触面2bに圧接させる状態になるが、特に、シ
ール部材4にあっては、その材質の関係から環状一端面
4aにおいて、突起4bが押し潰される傾向になり、こ
のとき、相隣する突起4b間に形成される隙間Sが部分
的に閉塞される状態になる。
【0015】すなわち、図9に示すように、上記の圧接
の際には、隙間Sを形成する環状一端面4aの一部4e
(図中にハッチング表示した部分)がシステム側環状接
触面2bに密着されて、このハッチング表示した一部4
eの出現によって隙間Sを周方向に分断する部分的な閉
塞状態が招来されることになる。
【0016】このとき、突起4bの周囲には、図示しな
いが、押し潰されない突起4bの基端と環状一端面4a
との境界部分にいわゆる通路としての隙間が残り、した
がって、図9中に矢印aで示すように、圧抜き溝4cが
この残った隙間を介してスライドリング3に形成の通路
3bと連通する状態になる。
【0017】すなわち、突起4bが形成されているエリ
アA内にあるいはエリアAに掛け渡されるように圧抜き
溝4cが配在されるとき、このエリアA内にあるいはエ
リアAに掛け渡されるようにスライドリング3の通路3
bが照準されるときに、上記した圧抜き、すなわち、蓄
圧解放作用が実現される得ることになる。
【0018】したがって、たとえば、図9中に破線図で
示すように、スライドリング3の通路3bが上記した条
件に合わないように配在される場合には、圧抜きのため
のいわゆる通路が遮断されることになり、所定の蓄圧解
放作用を実現し得ないことになる。
【0019】そして、上記した的確な照準状態の実現に
ついては、シール部材4の内周側へのスライドリング3
の収装時に留意されても、軸受部1に形成の環状溝2内
への収装の際、あるいは、その内周側へのロッド体Rの
挿通の際などのいわゆる位置ずれによって実現されなく
なることが予想され、事実上、実現が困難になる危惧が
ある。
【0020】その結果、所定の蓄圧解放作用を実現し得
なくなり、その場合には、油圧シリンダの使用中にスラ
イドリング3およびシール部材4への作用する蓄圧が過
大になり、特に、材質の関係からシール部材4の破損が
招来されることになり、シール部材4が破損される場合
には、圧抜き作用についてはともかく、所望の減圧作用
の発揮を期待し得なくなる。
【0021】この発明は、上記した事情に鑑みて創案さ
れたものであって、その目的とするところは、所定の減
圧作用を実現できるのはもちろんのこと、減圧用として
設けられるシール構造におけるシール部材の破損を防
ぎ、油圧シリンダへの利用に最適となるバッファリング
構造を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明の構成を、基本的には、シリンダ体側
に配在されて内周にシリンダ体の軸芯部を挿通するロッ
ド体の外周を隙間を有して隣接させる軸受部と、該軸受
部に形成されてロッド体の外周に向けて開口する断面凹
状の環状溝と、該環状溝内に移動可能に収装されてロッ
ド体の外周に摺接する筒状に形成のスライドリングと、
環状溝内に移動可能に収装されてスライドリングの外周
に摺接すると共に外周が環状溝の内周に摺接される筒状
に形成のシール部材とを有し、スライドリングが環状溝
のシステム側環状接触面に対向する環状一端面に形成さ
れて該スライドリングの一端における内外周側の連通を
可能にする通路を有し、シール部材が環状溝のシステム
側環状接触面に対向する環状一端面に周方向に適宜の間
隔に設定される各エリア内に円弧状に形成された突起を
有して相隣する突起間に形成され該シール部材の一端に
おける内外周側の連通を可能にする隙間を有すると共に
外周に該シール部材の軸芯線方向に沿うように形成され
た圧抜き溝を有してなり、圧抜き溝が突起を配在させる
エリア内にあるいは該エリアに掛け渡されるように配在
される一方で、シール部材の内周側へのスライドリング
の収装時に上記エリア内にあるいは該エリアに掛け渡さ
れるように通路が照準されて圧抜き溝の隙間を介しての
通路への連通状態が実現されてなるとする。
【0023】そして、より具体的には、圧抜き溝が一個
あるいは二個とされ、通路数が突起数に対して異数とさ
れて、シール部材の内周側へのスライドリングの収装状
態の如何にかかわりなく、圧抜き溝の隙間を介しての通
路への連通状態が必ず実現されるとする。
【0024】また、圧抜き溝が一個とされる一方で、通
路数が突起数に対して同数とされ、かつ、通路が突起間
に形成される隙間より大きく形成されてなるとする。
【0025】そしてまた、圧抜き溝が二個とされる一方
で、通路数が突起数に対して異数とされ、かつ、突起間
に形成される隙間に突起から独立する補強突起が形成さ
れてなるとする。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図示した実施の形態に基づ
いてこの発明を説明するが、図1乃至図5に示すよう
に、この発明の実施の形態によるバッファリング構造
は、基本的には、前記した従来例としてのバッファリン
グ構造(図6参照)と同様に構成されている。
【0027】したがって、その構成の同一なるところに
ついては、要する場合を除いて、図中に同一の符号を付
するのみとし、以下には、図示する各実施の形態におい
て特徴となるところを中心に説明する。
【0028】なお、図示しないが、各バッファリング構
造は、前記した従来例と同様に、油圧シリンダを構成す
るシリンダ体側に配在されて内周にシリンダ体の軸芯部
を挿通するロッド体R(図6参照)の外周を隙間を有し
て隣接させる軸受部1(図6参照)と、この軸受部1に
形成されてロッド体Rの外周に向けて開口する断面凹状
の環状溝2(図6参照)とを有してなり、この環状溝2
内に移動可能にスライドリング3とシール部材4とを収
装してなるとしている。
【0029】まず、図1に示す実施の形態のバッファリ
ング構造は、スライドリング3およびシール部材4を有
してなることもちろんであるが、シール部材4の外周に
形成される圧抜き溝4cが二個とされ、スライドリング
3に形成の通路3bの数がシール部材4の環状一端面4
aに形成の四個の突起4bに対して一つ少ない三個とな
る異数とされている。
【0030】なお、図示しないが、スライドリング3お
よびシール部材4における各環状一端面3a,4aは、
環状溝2におけるシステム側環状接触面2bに対向し、
各環状他端面3c,4dは、それぞれ平坦面に形成され
ていて、同じく平坦面に形成されている環状溝2におけ
る外部側環状接触面2cに対向するように設定されてい
る。
【0031】シール部材4において、圧抜き溝4cは、
これが二個とされるについて、それぞれエリアA内に位
置決められるように配在される一方で、互いに最大限に
離れた位置に位置決められる、すなわち、具体的には、
筒状に形成されたシール部材4において対角線位置に位
置決められるとしている。
【0032】なお、圧抜き溝4cは、これがエリアA内
に位置決められるのに代えて、図示しないが、エリアA
に掛け渡されるように位置決められるとしても良く、い
ずれにしても、圧抜き溝4cが突起4bの基端と環状一
端面4aとの境界部分に形成される隙間を介してスライ
ドリング3に形成の通路3bと連通する状態になるよう
に設定される。
【0033】また、シール部材4において、エリアA内
に配在される突起4bは、環状一端面4aにおいて等間
隔に設定される隙間Sを介して等間隔となるように設定
されており、スライドリング3において、通路3bは、
環状一端面3aにおいて等間隔となるように設定されて
いる。
【0034】それゆえ、この図1に示す実施の形態にあ
っては、突起4bが形成されているエリアA内に圧抜き
溝4cが配在されているとき、シール部材4の内周側へ
のスライドリング3の収装状態の如何にかかわりなく、
すなわち、スライドリング3のすべての通路3bがシー
ル部材4の隙間SあるいはエリアAの何れかに必ず照準
されるように配慮しながら収装されたか否かにかかわり
なく、圧抜き溝4cの隙間Sを介しての通路3bへの連
通状態が必ず実現されることになる。
【0035】すなわち、環状溝2内に収装されたスライ
ドリング3およびシール部材4がシステム側の反対側か
らの蓄圧の作用によって摺動し、各環状一端面3a,4
aが環状溝2のシステム側環状接触面2bに圧接される
状況になって、特に、シール部材4の環状一端面4aに
おいて、突起4bが押し潰される傾向になると共に、隙
間Sを形成する環状一端面4aの一部4eがシステム側
環状接触面2bに圧接される状況になり、したがって、
隙間Sが部分的に閉塞された状態になっても、突起4b
の周囲に、図示しないが、押し潰されない突起4bの基
端と環状一端面4aとの境界部分にいわゆる通路として
の隙間が残り、それゆえ、圧抜き溝4cがこの残った隙
間を介してスライドリング3に形成の通路3bと連通す
る状態になり(図9中の矢印a参照)、その結果、上記
蓄圧の解放作用が必ず実現されることになる。
【0036】つぎに、図2に示す実施の形態のバッファ
リング構造では、シール部材4の外周に形成される圧抜
き溝4cが一個とされ、スライドリング3に形成の通路
3bの数がシール部材4の環状一端面4aに形成の四個
の突起4bに対して一つ多い五個となる異数とされてい
る。
【0037】また、図3に示す実施の形態のバッファリ
ング構造では、シール部材4の外周に形成される圧抜き
溝4cが二個とされ、スライドリング3に形成の通路3
bの数がシール部材4の環状一端面4aに形成の五個の
突起4bに対して一つ少ない四個となる異数とされてい
る。
【0038】それ故、この図2および図3に示す実施の
形態の各バッファリング構造にあっても、シール部材4
の内周側へのスライドリング3の収装状態の如何にかか
わりなく、圧抜き溝4cの隙間Sを介しての通路3bへ
の連通状態が必ず実現されることになる。
【0039】図4示す実施の形態のバッファリング構造
では、シール部材4の外周に形成される圧抜き溝4cが
一個とされる一方で、スライドリング3に形成の通路3
bの数とシール部材4の環状一端面4aに形成される突
起4bの数、すなわち、隙間Sの数がそれぞれ四個とな
る同数とされている。
【0040】そして、この実施の形態における通路3b
は、その幅が隙間Sを超えて両端がエリアAに掛け渡さ
れる状態になるように設定されるとしている。
【0041】それ故、この実施の形態のバッファリング
構造にあっては、シール部材4の内周側へのスライドリ
ング3の収装状態の如何にかかわりなく、圧抜き溝4c
が隙間Sを介しての通路3bと連通する状態に必ずなる
ことになる。
【0042】図5に示す実施の形態のバッファリング構
造は、前記した図1乃至図4に示す各実施の形態におい
て、シール部材4がシステム側の反対側からの蓄圧の作
用によって環状溝2内で摺動し、環状一端面4aが環状
溝2のシステム側環状接触面2bに圧接されて突起4b
が押し潰される傾向になるときに、隙間Sを形成する環
状一端面4aの一部4eがシステム側環状接触面2bに
圧接される状況になるとして、したがって、隙間Sが一
部4eで部分的に閉塞された状態になるとしているのに
代えて、この一部4eに補強突起4fを設けるとするも
のである。
【0043】そして、この補強突起4fは、その高さが
突起4bと同一か、あるいは、やや低い位に設定される
のが好ましく、突起4bの高さを超えるようには設定さ
れないとしている。
【0044】また、この補強突起4fは、隙間Sにおい
て、環状一端面4aの内周縁から外周縁に掛けて形成さ
れるとしており、この補強突起4fを交わすようにして
の圧力の抜けが招来されないように配慮している。
【0045】なお、この実施の形態では、シール部材4
の外周に形成される圧抜き溝4cが二個とされ、スライ
ドリング3に形成される通路3bの数がシール部材4の
環状一端面4aに形成される四個の突起4bに対して一
つ少ない三個となる異数とされている。
【0046】それゆえ、この実施の形態による場合に
は、突起4bの端部と補強突起4fの端部との間にいわ
ゆる通路としての隙間が必ず確保されることになり、前
記した各実施の形態による場合と同様に、シール部材4
の内周側へのスライドリング3の収装状態の如何にかか
わりなく、圧抜き溝4cが隙間Sを介して通路3bと連
通する状態が必ず出現されることになる。
【0047】前記した各実施の形態によるバッファリン
グ構造にあって、図示しないが、シリンダ体内側、すな
わち、システム側からの高圧がロッド体Rと軸受部1と
の間の隙間を介して環状溝2内のスライドリング3およ
びシール部材4の各環状一端面3a,4aに作用すると
きには、スライドリング3およびシール部材4が環状溝
2内を摺動し、各環状他端面3c,4dが環状溝2の外
部側環状接触面2cに圧接され、このとき、所定の圧力
遮断作用、すなわち、減圧作用を発揮することになるの
はもちろんである。
【0048】また、前記した各実施の形態にあって、シ
ール部材4の環状一端面4aに形成される突起4bの基
端は、環状一端面4aに対して小さいアールで食い込む
ような態様に連設されてなるとするのが好ましく、この
場合には、突起4bが環状溝2のシステム側環状接触面
2bに圧接されて押し潰されるような状況になるときに
も、突起4bの基端と環状一端面4aとの連設部分に圧
抜きを可能にする通路としての隙間を確保することが容
易になる点で有利となる。
【0049】前記したところは、ロッド体Rの外周にス
ライドリング3が隣接される場合を例にして説明した
が、この発明の意図するところからすれば、前記した従
来例における場合と同様に、図6中に仮想線図で示すよ
うに、スライドリング3に直列するように環状溝2内に
バックアップリングBを有してなるとしても良く、さら
には、このバックアップリングBを環状溝2外の軸受部
1に有してなるとしても良い。
【0050】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、シー
ル部材の外周に形成される圧抜き溝が該シール部材の一
端環状面に形成される突起を配在させるエリア内にある
いは該エリアに掛け渡されるように配在される一方で、
シール部材の内周側へのスライドリングの収装時に上記
エリア内にあるいは該エリアに掛け渡されるようにスラ
イドリングに形成の通路が照準されて圧抜き溝のシール
部材の一端環状面に形成の隙間を介しての通路への連通
状態が実現されるとするから、シール部材の内周側への
スライドリングの収装状態の如何にかかわりなく、軸受
部におけるシステム側に対して反対側となる外部側に油
漏れなどに起因する蓄圧現象が招来されるような場合に
も、この蓄圧が圧抜き溝,突起間に形成の隙間および通
路を介してシステム側に解放されることになる。
【0051】その結果、このバッファリング構造におい
て、蓄圧が過大になりシール部材が破損するおそれがな
くなり、シリンダ体内側たるシステム側からの高圧が外
部側に及ぶことを阻止して、所定の圧力遮断作用、すな
わち、減圧作用を恒久的に発揮し得ることになる。
【0052】そして、この発明によれば、シール部材お
よびスライドリングにおいて、一端環状面の態様を変更
するのみで足り、従来より利用されているバッファリン
グ構造の収容部、すなわち、シリンダ体側に配在される
軸受部およびこの軸受部に形成される環状溝についての
設計変更を要しないから、その利用が容易に可能にな
り、所望のバッファリング構造を設けるにあって、生産
コストのいたずらな高騰化を招来させないことにもな
る。
【0053】その結果、この発明によれば、所定の減圧
作用を実現できるのはもちろんのこと、減圧用として設
けられるシール構造としてのバッファリング構造におけ
るシール部材の破損を防ぎ、油圧シリンダへの利用に最
適となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態によるバッファリング
構造を構成するシール部材とこのシール部材に同じくバ
ッファリング構造を構成するスライドリングを収装した
状態を拡大して示す平面図である。
【図2】この発明の他の実施の形態によるバッファリン
グ構造を図1と同様に示す平面図である。
【図3】この発明の他の実施の形態によるバッファリン
グ構造を図1と同様に示す平面図である。
【図4】この発明の他の実施の形態によるバッファリン
グ構造を図1と同様に示す平面図である。
【図5】この発明の他の実施の形態によるバッファリン
グ構造を図1と同様に示す平面図である。
【図6】従来例としてのバッファリング構造を示す部分
縦断面図である。
【図7】図6のバッファリング構造を構成するスライド
リングを示す平面である。
【図8】図6のバッファリング構造を構成するシール部
材を示す平面図である。
【図9】従来例としてのバッファリング構造を図1と同
様に示す平面図である。
【符号の説明】
1 軸受部 2 環状溝 2a 内周 2b システム側環状接触面 2c 外部側環状接触面 3 スライドリング 3a,4a 環状一端面 3b 通路 3c,4d 環状他端面 4 シール部材 4b 突起 4c 圧抜き溝 4e 隙間を形成する環状一端面の一部 4f 補強突起 A 突起を有するエリア R ロッド体 S 突起間に形成される隙間

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ体側に配在されて内周にシリン
    ダ体の軸芯部を挿通するロッド体の外周を隙間を有して
    隣接させる軸受部と、該軸受部に形成されてロッド体の
    外周に向けて開口する断面凹状の環状溝と、該環状溝内
    に移動可能に収装されてロッド体の外周に摺接する筒状
    に形成のスライドリングと、環状溝内に移動可能に収装
    されてスライドリングの外周に摺接すると共に外周が環
    状溝の内周に摺接される筒状に形成のシール部材とを有
    し、スライドリングが環状溝のシステム側環状接触面に
    対向する環状一端面に形成されて該スライドリングの一
    端における内外周側の連通を可能にする通路を有し、シ
    ール部材が環状溝のシステム側環状接触面に対向する環
    状一端面に周方向に適宜の間隔に設定される各エリア内
    に円弧状に形成された突起を有して相隣する突起間に形
    成され該シール部材の一端における内外周側の連通を可
    能にする隙間を有すると共に外周に該シール部材の軸芯
    線方向に沿うように形成された圧抜き溝を有してなり、
    圧抜き溝が突起を配在させるエリア内にあるいは該エリ
    アに掛け渡されるように配在される一方で、シール部材
    の内周側へのスライドリングの収装時に上記エリア内に
    あるいは該エリアに掛け渡されるように通路が照準され
    て圧抜き溝の隙間を介しての通路への連通状態が実現さ
    れてなることを特徴とするバッファリング構造
JP28752896A 1996-10-09 1996-10-09 バッファリング構造 Pending JPH10115374A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012197908A (ja) * 2011-03-23 2012-10-18 Kyb Co Ltd 流体圧シリンダのピストン軸受け構造

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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