JPH10169526A - 直接筒内噴射式火花点火機関 - Google Patents

直接筒内噴射式火花点火機関

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JPH10169526A
JPH10169526A JP8340547A JP34054796A JPH10169526A JP H10169526 A JPH10169526 A JP H10169526A JP 8340547 A JP8340547 A JP 8340547A JP 34054796 A JP34054796 A JP 34054796A JP H10169526 A JPH10169526 A JP H10169526A
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JP
Japan
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fuel injection
injection valve
heater
fuel
spark ignition
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JP8340547A
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English (en)
Inventor
Takeshi Taniyama
剛 谷山
Yutaka Matayoshi
豊 又吉
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷機始動時における燃料の噴射特性の劣化を
防止する。 【解決手段】 燃焼室内に直接燃料を噴射すべくシリン
ダヘッド11に燃料噴射弁12を取り付けてなる直接筒
内噴射式火花点火機関において、燃料噴射弁12の先端
部を加熱するヒータ19を設け、冷機始動時にヒータ1
9を作動させる。ヒータ19の設置位置は、シリンダヘ
ッド11の燃料噴射弁12が取り付けられた部分の近傍
に埋設し、あるいは燃料噴射弁12に直接内蔵させるこ
とができる。冷機始動時に燃料噴射弁12の先端部をヒ
ータ19により加熱して、燃料噴射弁12の先端部の温
度を上昇させるようにしたから、冷機始動時における燃
料噴射弁12と燃焼室内との温度差を小さくすることが
でき、燃料噴射弁12を構成する各部品の熱変形量を小
さくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼室内に直接燃
料を噴射すべくシリンダヘッドに燃料噴射弁を取り付け
てなる直接筒内噴射式火花点火機関に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の直接筒内噴射式火花点火機関とし
ては、例えば、特開平6−207542号公報に開示さ
れたものが知られている。その概略構成を図8を参照し
て説明する。
【0003】同図において、31はシリンダブロックで
あり、シリンダブロック31の内部にはピストン32が
摺動自在に嵌挿されている。ピストン32の冠面(頂
面)の一部には凹部32aが形成されている。シリンダ
ブロック31の上部にはシリンダヘッド33が取り付け
られている。
【0004】シリンダヘッド33には、その概略中央部
に点火プラグ34が取り付けられ、点火プラグ34の外
側の位置に、吸気弁35aを有する吸気流路35及び排
気弁36aを有する排気流路36が形成されている。シ
リンダヘッド33の吸気流路35のさらに外側には、燃
料噴射弁37が取り付けられている。燃料噴射弁37
は、シリンダブロック31の内面とピストン32の冠面
とシリンダヘッド33の内面により画成される燃焼室内
に燃料を直接噴射する。
【0005】このような構成を採用することにより、低
負荷条件での運転時には圧縮行程末期に燃料噴射弁37
からピストン32の冠面の凹部32aに向けて燃料を噴
射することで、点火プラグ34の周辺の限られた領域に
のみ可燃混合気を形成して、希薄燃焼を実現するもので
ある。
【0006】点火プラグ34の周辺の限られた領域にの
み適切な可燃混合気を形成させるためには、燃料噴射弁
37の燃料噴射量や噴霧構造(噴霧形状)の正確さが要
求される。このため、燃料噴射弁37の先端部(その近
傍を含む。以下同じ。)は加工精度を高くできるよう
に、複数の部品により構成されている。
【0007】すなわち、燃料噴射弁37の先端部は、噴
射口を有するとともに該噴射口を開閉するプランジャが
挿入されたノズル部品、該ノズル部品を受容するノズル
受容部品、該ノズル部品の該噴射口の内側に設けられた
噴射燃料を旋回させる燃料旋回素子等の複数の部品から
構成されている。
【0008】また、シリンダヘッド33に燃料噴射弁3
7を取り付ける際には、ガスシール機能を有するガスシ
ール部材を燃料噴射弁37とシリンダヘッド33との間
に介装し、燃焼室内からシリンダヘッド32の燃料噴射
弁取付口を通過してガスが漏洩するのを防止するように
している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の直接筒内噴射式火花点火機関にあっては、複数
の部品により構成される燃料噴射弁の先端部の温度管理
を行うことができないため、冷機始動時における燃焼室
内外の温度差が大きい低温条件下(例えば、外気温:−
10℃〜−20℃)では、燃料噴射弁の先端部を構成す
る各部品の熱変形量(熱膨張率)が異なった場合に、燃
料の噴射特性にばらつきを生じ、その結果として燃焼安
定性が悪化するという問題点があった。
【0010】さらに図9に示す具体的データを参照して
詳細に説明する。図9はポート内噴射機関との対比にお
ける直接筒内噴射機関の特性を示すグラフである。ここ
で、横軸は機関温度(℃)であり、縦軸は機関の燃焼安
定度を示す筒内の燃焼圧力変動量(σPi)を示してい
る。
【0011】同図に示されているように、直接筒内噴射
機関は機関温度が−20℃より低温になると、燃料噴射
弁の先端部と燃焼室内との温度差が大きくなり、燃料噴
射弁の先端部を構成する各部品の熱変形量が一様でなく
なるため、プランジャ(針弁)と燃料噴射口との相対的
な位置関係がばらつき、燃料噴射量や噴霧構造(噴霧形
状)等の噴射特性のばらつき幅が大きくなってしまうの
で、筒内圧変動が急激に大きくなり燃焼安定度が悪化す
る。
【0012】燃焼安定度が悪化すると、機関出力が低下
することは勿論のこと、騒音を増加させ、さらに未燃ガ
スが排出されるおそれもある。
【0013】本発明は、このような点に鑑みてなされた
ものであり、冷機始動時における燃料の噴射特性、燃焼
安定性に優れた直接筒内噴射式火花点火機関を提供する
ことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、請求項1記載の本発明の直接筒内噴射式火花点
火機関は、燃焼室内に直接燃料を噴射すべくシリンダヘ
ッドに燃料噴射弁を取り付けてなる直接筒内噴射式火花
点火機関において、前記燃料噴射弁を加熱するヒータ手
段を設け、冷機始動時に該ヒータ手段を作動させるよう
にしたことを特徴とする。
【0015】請求項1記載の本発明の直接筒内噴射式火
花点火機関によると、冷機始動時に燃料噴射弁をヒータ
手段により加熱して、燃料噴射弁の温度を上昇させるよ
うにしたから、冷機始動時における燃料噴射弁と燃焼室
内との温度差を小さくすることができ、燃料噴射弁を構
成する各部品の熱変形量を小さくすることができる。
【0016】従って、各部品の熱変形に伴う噴射特性の
劣化が防止され、冷機始動時における燃焼安定性を向上
することができる。また、ヒータ手段は、燃料噴射弁自
体のみならず、その内部の燃料をも間接的に加熱するこ
とになるから、冷機始動時における燃料の流動性が良好
となり、噴霧の微粒化が促進されるため、これによる噴
射特性の向上も図ることができる。
【0017】請求項2記載の本発明の直接筒内噴射式火
花点火機関は、請求項1記載の直接筒内噴射式火花点火
機関において、前記ヒータ手段は、前記シリンダヘッド
に埋設されていることを特徴とする。
【0018】請求項1記載の直接筒内噴射式火花点火機
関のヒータ手段の設置場所を具体的に特定したものであ
り、この場合は燃料噴射弁はシリンダヘッドに埋設され
たヒータ手段により該シリンダヘッドを介して加熱され
ることになる。
【0019】請求項3記載の本発明の直接筒内噴射式火
花点火機関は、請求項1記載の直接筒内噴射式火花点火
機関において、前記ヒータ手段は、前記燃料噴射弁に内
蔵されていることを特徴とする。
【0020】請求項1記載の直接筒内噴射式火花点火機
関のヒータ手段の設置場所を具体的に特定したものであ
り、この場合は燃料噴射弁は該燃料噴射弁に内蔵された
ヒータ手段により直接的に加熱されることになる。
【0021】請求項4記載の本発明の直接筒内噴射式火
花点火機関によると、請求項1記載の直接筒内噴射式火
花点火機関において、前記ヒータ手段は、前記燃料噴射
弁と前記シリンダヘッドとの間に介装されたガス漏洩防
止用のシール部材に内蔵されていることを特徴とする。
【0022】請求項1記載の直接筒内噴射式火花点火機
関のヒータ手段の設置場所を具体的に特定したものであ
り、燃料噴射弁は該燃料噴射弁とシリンダヘッドとの間
に介装されたガス漏洩防止用のシール部材に内蔵された
ヒータ手段によりに加熱される。
【0023】この請求項4記載の本発明の直接筒内噴射
式火花点火機関によると、燃焼安定性の向上に加えて、
従来の直接筒内噴射式火花点火機関に対してシール部材
の交換のみで対応することができ、他の部分に大幅な設
計変更を必要とせず、部品数も増加しないので、コスト
の上昇を最小限に抑えることができる。
【0024】
【発明の効果】請求項1乃至3に記載の本発明の直接筒
内噴射式火花点火機関によると、燃料噴射弁を構成する
各部品の熱変形に伴う噴射特性の劣化が防止され、冷機
始動時における燃焼安定性を向上することができるとい
う効果がある。また、燃料噴射弁内の燃料をも間接的に
加熱することになるから、これによる噴射特性の向上も
図ることができるという効果がある。従って、機関出力
の低下、騒音の増加、さらに有毒な未燃ガスの大量排出
を防止することができる。
【0025】また、請求項4記載の本発明の直接筒内噴
射式火花点火機関によると、上記の効果に加えて、コス
トの上昇を最小限に抑えることができるという効果もあ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して詳細に説明する。図1乃至図5は本発明の第1
の実施形態に係る直接筒内噴射式火花点火機関を説明す
るための図である。まず、図1の要部構成を示す断面図
を参照する。
【0027】図1において、11はシリンダヘッドであ
り、シリンダヘッド11は、図示は省略しているが、そ
の冠面(頂面)の一部に凹部が形成されたピストンが嵌
挿されたシリンダブロックの上部に固定されている。
【0028】また、シリンダヘッド11には、図示は省
略しているが、その概略中央部に点火プラグが取り付け
られ、点火プラグの外側の位置に、吸気弁を有する吸気
流路及び排気弁を有する排気流路が形成されている。シ
リンダヘッド11の吸気流路のさらに外側には、シリン
ダブロックの内面とピストンの冠面とシリンダヘッド1
1の内面により画成される燃焼室内に燃料を直接噴射す
る燃料噴射弁12が配置されている。
【0029】図1に示されているように、シリンダヘッ
ド11には、燃料噴射弁12が取り付けられる貫通する
取付穴13が形成されており、この取付穴13は、燃焼
室側(同図中で下側)が細径でこれと反対側(同図中で
上側)が太径に形成されることにより、段差面13aが
形成された断面が円形の穴である。
【0030】燃料噴射弁12の先端部(その近傍を含
む。以下同じ。)は、ピストンの冠面の凹部との協力に
より点火プラグの周辺の限られた領域にのみ適切な可燃
混合気を形成させるために高精度が要求されるので、複
数の部品により構成されている。すなわち、燃料噴射弁
12の先端部は、ノズル部品14、プランジャ(針弁)
15、ノズル受容部品16、燃料旋回素子17、及びガ
スシール部材18等を備えて構成されている。
【0031】ノズル部品14は、概略円筒状に形成され
た部材であり、燃焼室側端部に燃料噴射口14aを有す
るとともに、中間部分に外側に張り出したフランジ部を
有している。ノズル部品14の燃料噴射口14aの内側
部分は、テーパ状に形成されている。ノズル部品14の
燃焼室側端部の内面には燃料噴射口14aの周囲に位置
するように、リング状の燃料旋回素子17が配置されて
いる。燃料旋回素子17は、図2に示されているよう
に、複数の溝17aを有しており、燃料噴射時にこれら
の溝17aの作用によって、燃料が旋回されて燃料噴射
口14aから噴射される。
【0032】ノズル部品14の内側には、プランジャ1
5が配置されている。プランジャ15は、先端が先細テ
ーパ状に形成された概略円柱状の部材であり、その軸心
に沿う方向にスライドされることにより、燃料噴射口1
4aを開閉する。なお、プランジャ15の先端をボール
状に形成したものであってもかまわない。
【0033】ノズル受容部品16は、その燃焼室側端部
に貫通穴を有する概略円筒状の部材であり、ノズル受容
部品16の該貫通穴には内側からノズル部品14が挿入
・嵌合され、ノズル部品14の燃焼室側端部及びその近
傍がノズル受容部品16から突出するとともに、ノズル
受容部品16の燃焼室側端部の内面とノズル部品14の
フランジ部が当接した状態で、ノズル部品14はノズル
受容部品16に一体的に固定されている。
【0034】このように構成された燃料噴射弁12は、
ノズル部品14の燃焼室側端部及びその近傍がシリンダ
ヘッド11の取付穴13の細径部に挿入され、ノズル受
容部品16がシリンダヘッド11の取付穴13の太径部
に挿入された状態で、シリンダヘッド11に固定されて
いる。
【0035】ノズル受容部品16の燃焼室側端面の貫通
穴の周囲と、シリンダヘッド11の取付穴13の段差面
13aとの間には、燃焼室からのガスの漏洩を防止する
ためのリング状のガスシール部材18が介装されてい
る。
【0036】シリンダヘッド11の取付穴13の細径部
の近傍には、通電により発熱する電熱線からなるヒータ
19が埋設されている。このヒータ19は、図3に示さ
れているようなヒータ制御回路によってそのオン/オフ
(ON/OFF)が選択的に制御される。
【0037】ヒータ制御回路は、バッテリー20に接続
されたヒータ配線21、ヒータ配線21の途中に介装さ
れたリレー回路22、リレー回路22によるヒータ19
への電源の供給又は遮断を各種のセンサからの信号に応
じて制御するコントロールユニット23を備えている。
【0038】コントロールユニット23は、潤滑油等の
油温を検出するセンサ又はラジエータ等の水温を検出す
るセンサからの信号及び必要に応じて燃料噴射弁12の
先端部付近の温度を検出するセンサからの信号に基づ
き、リレー回路22のオン又はオフを制御する。
【0039】コントロールユニット23による制御を、
図4に示すフローチャートを参照して説明する。このフ
ローチャートは油温又は水温に基づき、ヒータ19のオ
ン又はオフを制御する場合の処理を示している。
【0040】まず、イグニッションスイッチがオン(O
N)にされると(ステップ「図ではSTと表示」1)、
油温又は水温が0℃以下であるか否かが判断され(ステ
ップ2)、真(T)である場合、すなわち、油温又は水
温が0℃以下である場合には、リレー回路22にヒータ
19への通電を行うことを指示するリレーオン信号を送
り、これによりヒータ19に通電が開始される(ステッ
プ3)。次いで、予め設定された所定の時間T(秒)が
経過したか否かが判断され(ステップ4)、偽(F)の
場合、すなわち所定の時間が経過していない場合にはそ
のままの状態を保つ。
【0041】ステップ4において、真(T)の場合、す
なわち所定の時間が経過した場合には、リレー回路22
にヒータ19への通電を停止することを指示するリレー
オフ信号を送り、これによりヒータ19に対する通電が
遮断され、加熱が終了される(ステップ5)。次いで、
クランキング(燃料噴射)が開始される(ステップ
6)。ステップ2において、偽(F)である場合、すな
わち、油温又は水温が0℃以上である場合には、ただち
にクランキングが開始される(ステップ6)。
【0042】なお、前記所定の時間Tは、燃料噴射弁1
2の先端部付近の温度を十分に上昇(例えば、0℃以
上)させるのに必要な時間が実験等により求められて予
め設定されている。
【0043】コントロールユニット23による他の制御
を、図5に示すフローチャートを参照して説明する。こ
のフローチャートは油温又は水温及び燃料噴射弁の先端
部付近の温度に基づき、ヒータのオン又はオフを制御す
る場合の処理を示している。
【0044】まず、イグニッションスイッチがオン(O
N)にされると(ステップ「図ではSTと表示」1)、
油温又は水温が0℃以下であるか否かが判断され(ステ
ップ2)、真(T)である場合、すなわち、油温又は水
温が0℃以下である場合には、リレー回路22にヒータ
19への通電を行うことを指示するリレーオン信号を送
り、これによりヒータ19に通電が開始される(ステッ
プ3)。次いで、燃料噴射弁12の先端部付近の温度が
0℃以下であるか否かが判断され(ステップ4)、偽
(F)の場合、すなわち燃料噴射弁12の先端部付近の
温度が0℃以下である場合にはそのままの状態を保つ。
【0045】ステップ4において、真(T)の場合、す
なわち燃料噴射弁12の先端部付近の温度が0℃以上で
ある場合には、リレー回路22にヒータ19への通電を
停止することを指示するリレーオフ信号を送り、これに
よりヒータ19に対する通電が遮断され、加熱が終了さ
れる(ステップ5)。次いで、クランキング(燃料噴
射)が開始される(ステップ6)。ステップ2におい
て、偽(F)である場合、すなわち、油温又は水温が0
℃以上である場合には、ただちにクランキングが開始さ
れる(ステップ6)。
【0046】上述した本発明の第1の実施形態による
と、機関温度が低い場合(油温又は水温が0℃以下の場
合)に、ヒータ19によって燃料噴射弁12の先端部を
加熱するようにしたから、燃料噴射弁12の先端部を構
成する各部品の熱変形量を一様化させ、噴射特性のばら
つき幅の拡大を抑制するため、冷機始動時の燃焼安定性
を向上することができる。
【0047】すなわち、燃料噴射弁12の先端部と燃焼
室内との温度差が小さくなり、燃料噴射弁12の先端部
を構成する各部品の熱変形量が一様化され、例えば、プ
ランジャ(針弁)15の先端と燃料噴射口14aとの相
対的な位置関係が適切に保たれることにより燃料噴射量
や噴霧構造(噴霧形状)等の噴射特性が安定し、図9に
示したような筒内圧変動が低くなり、燃焼安定度が向上
する。従って、機関出力の低下、騒音の増加、さらに有
毒な未燃ガスの大量排出を防止することができる。
【0048】上述した本発明の第1の実施形態では、燃
料噴射弁12の先端部を加熱するヒータ19を、シリン
ダヘッド11の取付穴13の細径部の近傍に埋設した
が、本発明はこれに限定されず、燃料噴射弁12自体
に、例えば、燃料噴射弁12のノズル部品14の壁の肉
厚内に埋設することができ、このように構成しても上述
した本発明の第1の実施形態と同様の効果を得ることが
できる。
【0049】次に、本発明の第2の実施形態について、
図6及び図7を参照して説明する。上述した本発明の第
1の実施形態と実質的に同一の構成部分については同一
の番号を付し、その説明は省略する。
【0050】この第2の実施形態においては、上述した
第1の実施形態のように、ヒータ19をシリンダヘッド
11に埋設するのではなく、ガスシール部材に内蔵させ
ている。すなわち、ノズル受容部品16の燃焼室側端面
の貫通穴の周囲と、シリンダヘッド11の取付穴13の
段差面13aとの間には、ヒータが内蔵されたリング状
のヒータ付きガスシール部材24が介装されている。
【0051】このヒータ付きガスシール部材24は、上
述した第1の実施形態におけるガスシール部材18の機
能、すなわち燃料噴射弁12とシリンダヘッド11との
隙間からのガスの漏洩を防止する機能を受け持つシール
部25と、内部に電熱線26aが収容されたヒータ部2
6から構成されている。このヒータ部26の電熱線26
aに、図7に示すヒータ制御回路により通電されること
により、燃料噴射弁12及びシリンダヘッド11が加熱
される。
【0052】その他の構成、ヒータ制御回路による制御
フロー、作用効果は、上述した第1の実施形態と同様で
ある。
【0053】但し、この第2の実施形態では、燃焼安定
性の向上等の効果に加えて、従来の直接筒内噴射式火花
点火機関に対して、そのシール部材を前記ヒータ付きガ
スシール部材24に交換するだけで対応することがで
き、シリンダヘッド11や燃料噴射弁12自体の設計変
更をする必要が無く、部品数も増加しないので、それほ
どコストを上昇させることなく、噴射特性、燃焼安定性
を向上することができる。
【0054】また、この第2の実施形態のヒータ付きガ
スシール部材24を、上述した第1の実施形態に適用し
ても良いことは勿論である。
【0055】なお、以上説明した実施形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。従って、
上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的
範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の要部構成を示す断面
図である。
【図2】図1の燃料旋回素子の構成を示す平面図であ
る。
【図3】本発明の第1の実施形態のヒータ制御回路の構
成を示す回路図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のヒータ制御回路の処
理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態のヒータ制御回路の他
の処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態の要部構成を示す断面
図である。
【図7】本発明の第2の実施形態のヒータ制御回路の構
成を示す回路図である。
【図8】従来技術の構成を示す断面図である。
【図9】機関温度と筒内圧変動との関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
11…シリンダヘッド 12…燃料噴射弁 13…取付穴 14…ノズル部品 15…プランジャ 16…ノズル受容部品 17…燃料旋回素子 18…ガスシール部材 19…ヒータ 20…バッテリー 22…リレー回路 23…コントロールユニット 24…ヒータ付きガスシール部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室内に直接燃料を噴射すべくシリン
    ダヘッドに燃料噴射弁を取り付けてなる直接筒内噴射式
    火花点火機関において、 前記燃料噴射弁を加熱するヒータ手段を設け、冷機始動
    時に該ヒータ手段を作動させるようにしたことを特徴と
    する直接筒内噴射式火花点火機関。
  2. 【請求項2】 前記ヒータ手段は、前記シリンダヘッド
    に埋設されていることを特徴とする請求項1記載の直接
    筒内噴射式火花点火機関。
  3. 【請求項3】 前記ヒータ手段は、前記燃料噴射弁に内
    蔵されていることを特徴とする請求項1記載の直接筒内
    噴射式火花点火機関。
  4. 【請求項4】 前記ヒータ手段は、前記燃料噴射弁と前
    記シリンダヘッドとの間に介装されたガス漏洩防止用の
    シール部材に内蔵されていることを特徴とする請求項1
    記載の直接筒内噴射式火花点火機関。
JP8340547A 1996-12-05 1996-12-05 直接筒内噴射式火花点火機関 Pending JPH10169526A (ja)

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Cited By (9)

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