JPH11190216A - ディーゼルエンジンの燃料燃焼方法及び燃焼装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの燃料燃焼方法及び燃焼装置

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JPH11190216A
JPH11190216A JP9357770A JP35777097A JPH11190216A JP H11190216 A JPH11190216 A JP H11190216A JP 9357770 A JP9357770 A JP 9357770A JP 35777097 A JP35777097 A JP 35777097A JP H11190216 A JPH11190216 A JP H11190216A
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JP
Japan
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combustion chamber
fuel
combustion
temperature
wall surface
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JP9357770A
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English (en)
Inventor
Fumihiro Toyoyama
文博 豊山
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温始動時における排気ガス中の炭化水素の
低減及び白煙発生の防止と、高負荷時におけるNOx 及
びスモークの発生の抑制とを両立させる。 【解決手段】 シリンダヘッド3にはシリンダボア4と
対向する位置にほぼ球形状の燃焼室7が設けられ、その
頂部に噴射ノズル8が配設されている。噴射ノズル8は
噴射した燃料が燃焼室7内にその壁面7aに沿って液膜を
形成するように構成されている。燃焼室7の壁はヒータ
12を挟むように設けられた耐熱材13で構成され、その外
側が断熱材14で覆われている。ヒータ12は電線17を介し
て電力供給部18に接続され、コントローラ19の指令によ
って電力供給部18から供給される電力で燃焼室7の内壁
面7a全体を加熱する。コントローラ19は温度センサ20の
検出信号に基づいて内壁面7aの温度を演算し、少なく
ともエンジンの低温始動時に内壁面7a全体を所定温度以
上に加熱するようにヒータ12への供給電力を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディーゼルエンジン
の燃料燃焼方法及び燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ディーゼルエンジンの燃焼方式と
しては、直接噴射式、M方式、予燃焼室式及び渦室式が
ある。直接噴射式はシリンダ内を往復動するピストンの
上部に燃焼室を形成し、噴射ノズルから前記燃焼室へ向
けて燃料を直接噴射する。このタイプは燃焼室の構造が
簡単で熱効率が高く、燃料消費量が少なくてすむ。M方
式は直接噴射式の一種であり、ピストンの上部に球状の
燃焼室を形成し、燃料噴霧を燃焼室に沿わせるように行
う。M方式では燃焼室壁に付着した燃料は薄い膜を形成
し、高温によって蒸発、着火する。
【0003】予燃焼室式は、噴口を備えた副室に圧縮行
程を利用して圧縮空気を送り、これに噴射された燃料の
燃焼エネルギーを利用して半燃焼状態のガスを主燃焼室
内に噴射し、その中の空気と混合させて燃焼を完了させ
る。しかし、副室内への空気圧縮に要する損失エネルギ
ーが大きく、また、燃焼室内のガス流動の流速が大きい
ので熱負荷が高いという問題がある。渦室式は副室によ
って燃料と空気とを混合するという点は予燃焼室式と同
じであるが、そのメカニズムが異なる。渦室式では、圧
縮行程中の空気を渦室内に導入して渦室内に強いスワー
ルを発生させ、これに燃料を噴射して渦室内でできるだ
け十分な混合及び燃焼を図り、次いで主室内で燃焼を完
成させる。渦室式は副室式ではあるが噴口面積が広いた
め絞り損失が少なく、燃料消費率は予燃焼室式に比較し
て優れている。しかし、副室を使用する方式は、副室と
主室とを連通する連絡通路での熱損失が大きく、また、
強い空気流動を引き起こすために圧縮比が高くなること
よる圧縮損失が大きく、直接噴射式に比較して燃費が悪
くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】M方式以外の直接噴射
式は騒音が大きく、NOx (窒素酸化物)及びスモーク
が多い。また、燃料の気化促進を微粒化で行うために高
圧の噴射系を必要とし、コストが高くなるという問題が
ある。一方、M方式では、燃焼室内の壁面に沿って噴射
された燃料が壁面で液膜となった後、蒸発したものが燃
焼するため、緩やかな燃焼となり、NOx 及びスモーク
が少なく、副室を使用する方式よりも騒音が少ない。
【0005】ところが、M方式では低温始動時には燃焼
室の壁面の温度が低いので、壁面に付着した燃料が気化
し難く、付着した燃料が燃焼されずに残り、排気ガス中
に炭化水素(HC)の量が増加して悪臭がするととも
に、白煙が発生するという問題がある。そのため、ディ
ーゼルエンジンの高負荷時における前記利点にも拘わら
ず、現在実用化はされていない。
【0006】特開平9−53452号公報には、副燃焼
室内における燃料の着火性及び着火安定性を確保する燃
焼室構造が提案されている。この燃焼室構造は図3に示
すように、シリンダブロック51内で摺動するピストン
52の上部に形成された主燃焼室53と、シリンダヘッ
ド54に形成された副燃焼室55とを備えている。副燃
焼室55は噴射口55aを介して主燃焼室53と連通さ
れている。副燃焼室55には燃料噴射弁56が噴射口5
5aと対向する位置に配設されている。円筒状の副燃焼
室ハウジング57の内部にはタングステンコイル58が
埋設された加熱部59が形成されている。そして、低温
始動時には加熱部59が加熱された状態で燃料噴射を行
うことにより、着火補助を行う。
【0007】従って、M方式において燃焼室の周囲に加
熱部を設ければ、M方式の利点を生かしてしかも、低温
始動時における白煙やHCの増加を防止できる。しか
し、M方式では燃焼室はピストンに設けられているた
め、高速で往復移動するピストンに外部から制御可能な
加熱部を設けることは難しい。
【0008】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であって、その目的は低温始動時における炭化水素の低
減及び白煙発生の防止と、高負荷時におけるNOx 及び
スモークの発生の抑制とを両立できるディーゼルエンジ
ンの燃料燃焼方法及び燃焼装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め請求項1に記載の発明では、ディーゼルエンジンのシ
リンダヘッドに燃焼室と、該燃焼室の内壁面を加熱する
加熱手段とを設け、噴射ノズルから燃焼室の内壁面に沿
って燃料液膜を形成するように燃料を噴射し、その液膜
の蒸発燃焼により燃料を燃焼させるとともに、少なくと
もディーゼルエンジンの低温始動時には前記加熱手段に
より燃焼室の内壁面を加熱するようにした。
【0010】請求項2に記載の発明では、シリンダヘッ
ドにシリンダボアと対向するように設けられた燃焼室
と、前記燃焼室内にその内壁面に沿って液膜を形成する
ように燃料を噴射する噴射ノズルと、前記燃焼室の内壁
面全体を所定温度以上に加熱可能な加熱手段と、少なく
ともエンジンの低温始動時に前記加熱手段を駆動させる
とともに始動時以外の全負荷運転時にはその駆動を停止
させるように制御する制御手段とを備えた。
【0011】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記燃焼室はほぼ球形状に形成さ
れ、前記噴射ノズルは該燃焼室の頂部にその噴射口が位
置するように配設されている。
【0012】請求項4に記載の発明では、請求項2又は
請求項3に記載の発明において、前記制御手段は前記燃
焼室の壁面温度を直接又は間接的に検出する壁面温度検
出手段の検出信号に基づいて前記加熱手段の加熱制御を
行う。
【0013】従って、請求項1に記載の発明では、シリ
ンダヘッド側に設けられた燃焼室内に、噴射ノズルから
燃焼室の内壁面に沿って燃料液膜を形成するように燃料
が噴射される。そして、液膜状の燃料が内壁面の熱によ
って蒸発するとともに、燃焼室内に発生するスワールと
混合気を形成して自然着火する。自然着火後は液面蒸発
燃焼のため、緩やかな燃焼となる。低温始動時には燃焼
室の内壁面が加熱手段によって加熱されるため、壁面温
度が液膜の蒸発が円滑に行われる温度となって、液面蒸
発燃焼が適正に行われる。従って、白煙や悪臭の発生が
防止される。
【0014】請求項2に記載に記載の発明では、請求項
1に記載の発明の燃料燃焼を実施する場合、加熱手段の
駆動制御が制御手段によって行われる。加熱手段は少な
くともエンジンの低温始動時に駆動され、始動時以外の
全負荷運転時にはその駆動が停止される。
【0015】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、ほぼ球形状に形成された燃焼室の頂
部に配設された噴射ノズルから燃料が噴射され、燃焼室
の内壁面に沿って燃料の液膜が形成され易くなる。
【0016】請求項4に記載の発明では、請求項2又は
請求項3に記載の発明において、燃焼室の壁面温度が壁
面温度検出手段によって直接又は間接的に検出される。
前記温度検出手段の検出信号に基づいて前記加熱手段の
加熱制御が制御手段によって行われる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態を図1及び図2(a)に従って説明する。図1は
ディーゼルエンジンの部分模式断面図である。図1に示
すように、ディーゼルエンジン1はシリンダブロック2
と、その上に配置されたシリンダヘッド3とを備えてい
る。シリンダブロック2に形成されたシリンダボア4内
には、ピストン5が往復動可能に収容されている。ピス
トン5はコネクチングロッド6を介してクランクシャフ
ト(図示せず)に連結されている。
【0018】シリンダヘッド3にはシリンダボア4と対
向する位置に燃焼室7が設けられている。燃焼室7はほ
ぼ球形状に形成されている。噴射ノズル8は燃焼室7の
頂部にその噴射口9が位置するように、かつノズルの中
心軸がシリンダボア4の中心軸と一致するように配設さ
れている。噴射ノズル8は管路8aを介して噴射ポンプ
(図示せず)に接続されている。噴射ノズル8は噴射し
た燃料が燃焼室7内にその壁面7aに沿って液膜を形成
するように構成されている。図2(a)に示すように、
噴射ノズル8はノズルボディ10内をニードル弁11が
往復移動する構成となっている。ニードル弁11の先端
には、噴射ノズル8から噴射される噴流をほぼ円錐状に
拡散するように案内する円盤状のガイド部11aが形成
されている。
【0019】燃焼室7はシリンダヘッド3に形成された
凹部内に配設されている。燃焼室7は加熱手段としての
ヒータ12を挟むように設けられた耐熱材13で構成さ
れ、その外側が断熱材14で覆われている。この実施の
形態では耐熱材としてのセラミック壁の内部にヒータ1
2を構成する発熱線が埋設された構造となっている。燃
焼室7は吸気ポート15及び排気ポート(図示せず)の
開口部をシリンダボア4と対向する位置に形成可能な大
きさに形成されている。燃焼室7の周縁にバルブ16に
より開閉される吸気ポート15と、排気ポートとが配設
されている。
【0020】ヒータ12は電線17を介して電力供給部
(電源)18に接続されている。電力供給部18は制御
手段としてのコントローラ19に電気的に接続され、コ
ントローラ19からの指令によって燃焼室7の内壁面7
a全体を所定温度以上に加熱可能な電力をヒータ12に
供給可能になっている。コントローラ19は燃焼室7の
内壁面7aの温度を検出する壁面温度検出手段としての
温度センサ20と電気的に接続されている。温度センサ
20として熱電対が使用され、その検出端子が耐熱材1
3の内部に埋設されている。コントローラ19は温度セ
ンサ20の検出信号に基づいて内壁面7aの温度を演算
し、その値に基づいてヒータ12の加熱制御を行うよう
になっている。
【0021】コントローラ19は低温始動時において適
正な燃焼が進行する内壁面7aの温度と、部分負荷運転
時における負荷に応じて適正な燃焼が進行する内壁面7
aの温度とが記憶されたメモリ(図示せず)を備えてい
る。そして、コントローラ19は少なくともエンジンの
低温始動時に前記ヒータ12を駆動させるとともに、始
動時以外の全負荷運転時にはその駆動を停止させるよう
に制御する。
【0022】次に前記のように構成された燃焼装置の作
用を説明する。ディーゼルエンジン1の作動時には、燃
料噴射ポンプから噴射ノズル8へ周期的に燃料が供給さ
れる。その燃料の圧力の変化に応じてニードル弁11が
昇降する。燃料圧力が低い状態ではニードル弁11はノ
ズルボディ10に当接する閉鎖位置に保持され、燃料は
噴射されない。燃料圧力の上昇にともないニードル弁1
1が上昇し、ニードル弁11とノズルボディ10との間
に環状の隙間が形成されて燃料噴射ポンプからの加圧燃
料が、環状の隙間から燃焼室7へ向けて噴射される。
【0023】燃料はガイド部11aの作用によって、噴
射口9を中心に放射状に拡がるように噴射されるととも
に、ほぼ円錐状となって燃焼室7の内壁面7aに沿って
液膜状に拡散する。そして、この液膜状の噴流が燃焼室
7の内壁面7aとピストン5の圧縮行程で圧縮されて高
温となった雰囲気から熱をもらい、液膜状に蒸発すると
ともに強いスワール流と混合気を形成して自然着火す
る。自然着火後は液面蒸発燃焼の緩やかな燃焼となり、
NOx 及びスモーク(黒煙)の少ない状態で燃焼が進行
する。
【0024】ディーゼルエンジン1の低温始動時にはシ
リンダブロック2及びシリンダヘッド3が温まっていな
いため、ピストン5の圧縮行程での空気の圧縮による熱
がシリンダブロック2及びシリンダヘッド3に奪われ
る。従って、前記空気の圧縮による熱だけでは、燃焼室
7の内壁面7aの温度が液膜状に噴射された燃料を円滑
に蒸発させるのに十分な値まで到達しない。
【0025】コントローラ19は温度センサ20の検出
信号に基づいて内壁面7aの温度を演算し、その温度が
メモリに記憶された所定温度以上となるようにヒータ1
2への電力供給を制御する。従って、低温始動時におい
ても燃焼室7内に液膜状に噴射された燃料が、液面蒸発
燃焼によって緩やかに、かつ確実に燃焼する。その結
果、噴射された燃料の一部が気化せずに未燃焼のまま排
気されたり、内壁面7aに付着したまま気化せずに残る
ことに起因する排気ガス中の炭化水素の量の増加及び白
煙の発生が防止される。
【0026】また、通常運転時においても、コントロー
ラ19は温度センサ20の検出信号に基づいて内壁面7
aの温度を演算し、その温度が負荷に応じた所定温度に
達していないときは、ヒータ12に電力を供給する。従
って、ディーゼルエンジンを部分負荷(特に低負荷)で
運転した場合においても、燃焼室7内に液膜状に噴射さ
れた燃料が、液面蒸発燃焼によって緩やかに、かつ確実
に燃焼する。
【0027】この実施の形態では以下の効果を有する。 (イ) 燃焼室7の内壁面7aに沿って燃料液膜を形成
するように燃料を噴射し、その液膜の蒸発燃焼により燃
料を燃焼させるため、緩やかに燃焼が進行してNOx 及
びスモークの発生を抑制できる。また、直接噴射式の欠
点である騒音も低下する。
【0028】(ロ) 燃料の気化促進が微粒化によらず
燃焼室7の内壁面7aからの液面蒸発のため、高圧で微
粒化を図る高価なディーゼル噴射系が不要となる。 (ハ) 圧縮行程による空気の圧縮の熱だけでは燃焼室
7内の温度が適正温度に達しないディーゼルエンジンの
低温始動時に、ヒータ12により内壁面7aが加熱され
る。従って、噴射された燃料の一部が気化せずに未燃焼
のまま排気されたり、内壁面7aに付着したまま気化せ
ずに残ることに起因する排気ガス中の炭化水素量の増加
及び白煙の発生を防止できる。
【0029】(ニ) ヒータ12により内壁面7aを加
熱して所定温度以上に保持できるため、圧縮比を低くし
ても低温始動時の燃焼を適正に行うことができる。従っ
て、燃焼室7の容積を従来のディーゼルエンジンより大
きくすることが可能となり、圧縮損失が低減されてエン
ジンの性能が向上する。従来のエンジンでは低温始動時
の性能を高めるために、圧縮比を全負荷時の要求性能に
必要な圧縮比より大きくしている。その結果、圧縮損失
が大きくなるとともに、耐圧性を確保するためにエンジ
ンの体格の小型化が難しい。しかし、圧縮比を小さくす
ることにより、同じ性能であれば、小型化が容易とな
る。
【0030】(ホ) 燃焼室7がほぼ球形状に形成さ
れ、噴射ノズル8は燃焼室7の頂部にその噴射口9が位
置するように配設されているため、燃焼室7の内壁面7
aに沿って燃料の液膜が形成され易くなる。その結果、
液面蒸発燃焼が円滑に行われる。
【0031】(ヘ) コントローラ19は温度センサ2
0により検出された内壁面7aの温度に基づいて、内壁
面7aの温度が所定温度以上となるようにヒータ12へ
の電力供給を制御する。従って、無駄な電力を使用せず
に内壁面7aの温度が所定温度以上に保持される。
【0032】(ト) 始動時以外にも温度センサ20の
検出信号に基づいて内壁面7aの温度を検出し、部分負
荷運転時にも負荷に応じた適正な温度となるようにヒー
タ12への電力供給が制御される。従って、部分負荷運
転時にも炭化水素が排気ガスに混入する量を低下でき
る。
【0033】(チ) 温度センサ20が燃焼室7の壁面
を構成する耐熱材13内に埋設されているため、外気温
の影響を受けずに内壁面7aの温度を正確に検出でき
る。なお、実施の形態は前記に限定されるものではな
く、例えば、次のように具体化してもよい。
【0034】○ 内壁面7aをヒータ12で加熱して所
定温度以上に保持する時期を低温始動時のみとして、部
分負荷運転時にはヒータ12による加熱を行わない構成
としてもよい。例えば、始動時から所定時間だけヒータ
12に電力を供給する構成としたり、外気温を検出する
温度センサを設けて、外気温によってヒータ12への電
力供給時間あるいは供給量を変更するようにしてもよ
い。この場合も、排気ガス中の炭化水素量の増加及び白
煙の発生が最大となる低温始動時において、従来の直接
噴射式ディーゼルエンジンに比較して排気ガス中の炭化
水素量が減少し、白煙の発生が少なくなる。
【0035】○ ヒータ12の加熱制御方法として、供
給電力を一定として所定温度に達すると通電を停止する
方法に限らず、供給電力を変更可能とし所定温度との差
が大きいときに大電力を供給し、差が小さいときに小電
力を供給するようにしてもよい。
【0036】○ 燃焼室7の形状はほぼ球状に限らず、
噴射ノズル8から噴射された燃料がその内壁面に沿って
液膜状に拡がり易い形状であればよく、例えば円錐状、
半球状であってもよい。
【0037】○ 圧縮行程において燃焼室7内にスワー
ルを形成し易くするため、ピストン5の上部にスワール
助勢部を設ける。スワール助勢部は凸部であっても凹部
であってもよい。この場合、ピストン5の往復動に伴っ
て燃焼室7内の空気が圧縮されるときに、ピストン5の
上部に形成されたスワール助勢部の作用によって燃焼室
内に強いスワールが発生し、燃焼室7内で蒸発した燃料
と空気とが十分に混合される。
【0038】○ 噴射ノズル8は前記実施の形態の構成
に限らず、ニードル弁11及びノズルボディ10の先端
の形状を変更したり、図2(b)に示すようにノズルボ
ディ21の先端に形成されたサック室22に連通する複
数の噴孔21aを備えた構成としてもよい。この構成で
はニードル弁11が上昇すると各噴孔から同時に燃料が
噴射されるとともに、内壁面に沿って液膜状に拡がる。
【0039】○ 内壁面7aあるいはその近傍の温度を
測定する代わりに、内壁面7aの温度との相関関係を予
め求めておいた箇所の温度を測定して、その温度と前記
相関関係とにより内壁面7aの温度を検出(演算)する
ようにしてもよい。例えばエンジン冷却水の温度を検出
する水温センサの検出温度に基づいて内壁面7aの温度
を演算するようにしてもよい。この場合、高温の内壁面
7aの温度より低い温度を検出するため、温度センサの
耐久性が向上する。
【0040】○ 発熱手段として、例えばSiC質、M
oSi2 質、LaCrO3 質等のセラミック発熱体を使
用してもよい。また、燃焼室7の壁をセラミック発熱体
で形成してもよい。この場合、燃焼室7の壁の内部ある
いは壁の外部にヒータ12を構成する発熱線を設ける手
間がいらなくなる。
【0041】前記各実施の形態から把握できる請求項記
載以外の技術思想(発明)について、以下にその効果と
ともに記載する。 (1) 請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の発
明において、前記シリンダボア内に往復動可能に配設さ
れたピストンの上部には、前記燃焼室の開放端と対応す
る位置に前記燃焼室内にスワールを形成し易くするスワ
ール助勢部が形成されている。この場合、ピストンの往
復動に伴って燃焼室内の空気が圧縮されるときに、スワ
ール助勢部の作用によって燃焼室内に強いスワールが発
生し、燃焼室内で蒸発した燃料と空気とが十分に混合さ
れて燃焼が効率よく行われる。
【0042】(2) 請求項2〜請求項4のいずれか一
項に記載の発明において、前記制御手段は部分負荷運転
時に、負荷に応じた所定温度となるように前記加熱手段
の加熱制御を行う。この場合、部分負荷運転時にも炭化
水素が排気ガスに混入する量を低下できる。
【0043】(3) 請求項2〜請求項4のいずれか一
項に記載の発明において、前記燃焼室の壁はセラミック
発熱体で形成されている。この場合、燃焼室の壁の内部
又は外部に発熱線を設ける手間が不要になり、製造時の
工数が少なくなる。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載の発
明の燃焼方法によれば、低温始動時における排気ガス中
の炭化水素量の低減及び白煙発生の防止と、高負荷時に
おけるNOx 及びスモークの発生の抑制とを両立でき
る。
【0045】請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載
の発明によれば、請求項1に記載の発明の燃焼方法を好
適に実施できる。請求項3に記載の発明によれば、燃焼
室の内壁面に沿って燃料の液膜が形成され易くなり、燃
料が確実に液膜蒸発燃焼により燃焼される。
【0046】請求項4に記載の発明によれば、無駄な電
力を使用せずに内壁面の温度を所定温度以上に保持でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ディーゼルエンジンの部分模式断面図。
【図2】 (a)は噴射ノズルの模式部分拡大断面図、
(b)は別の実施の形態の噴射ノズルの模式部分拡大断
面図。
【図3】 従来装置の部分断面図。
【符号の説明】
1…ディーゼルエンジン、3…シリンダヘッド、4…シ
リンダボア、7…燃焼室、7a…内壁面、8…噴射ノズ
ル、9…噴射口、12……加熱手段としてのヒータ、1
9…制御手段としてのコントローラ、20…壁面温度検
出手段としての温度センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 61/14 310 F02M 61/14 310D 61/18 360 61/18 360J F02N 17/02 F02N 17/02 D

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディーゼルエンジンのシリンダヘッドに
    燃焼室と、該燃焼室の内壁面を加熱する加熱手段とを設
    け、噴射ノズルから燃焼室の内壁面に沿って燃料液膜を
    形成するように燃料を噴射し、その液膜の蒸発燃焼によ
    り燃料を燃焼させるとともに、少なくともディーゼルエ
    ンジンの低温始動時には前記加熱手段により燃焼室の内
    壁面を加熱するようにしたディーゼルエンジンの燃料燃
    焼方法。
  2. 【請求項2】 シリンダヘッドにシリンダボアと対向す
    るように設けられた燃焼室と、 前記燃焼室内にその内壁面に沿って液膜を形成するよう
    に燃料を噴射する噴射ノズルと、 前記燃焼室の内壁面全体を所定温度以上に加熱可能な加
    熱手段と、 少なくともエンジンの低温始動時に前記加熱手段を駆動
    させるとともに始動時以外の全負荷運転時にはその駆動
    を停止させるように制御する制御手段とを備えたディー
    ゼルエンジンの燃焼装置。
  3. 【請求項3】 前記燃焼室はほぼ球形状に形成され、前
    記噴射ノズルは該燃焼室の頂部にその噴射口が位置する
    ように配設されている請求項2に記載のディーゼルエン
    ジンの燃焼装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は前記燃焼室の壁面温度を
    直接又は間接的に検出する壁面温度検出手段の検出信号
    に基づいて前記加熱手段の加熱制御を行う請求項2又は
    請求項3に記載のディーゼルエンジンの燃焼装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002042620A1 (de) * 2000-11-21 2002-05-30 Robert Bosch Gmbh Brennkraftmaschine mit wenigstens einem zylinder und einem in diesem beweglichen hubkolben
JP2012122412A (ja) * 2010-12-08 2012-06-28 Nippon Soken Inc 内燃機関の制御装置

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