JPH10169054A - カーテンウォールの取付構造 - Google Patents

カーテンウォールの取付構造

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Publication number
JPH10169054A
JPH10169054A JP33099896A JP33099896A JPH10169054A JP H10169054 A JPH10169054 A JP H10169054A JP 33099896 A JP33099896 A JP 33099896A JP 33099896 A JP33099896 A JP 33099896A JP H10169054 A JPH10169054 A JP H10169054A
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JP
Japan
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curtain wall
rod body
hole
lock member
building structure
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Application number
JP33099896A
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Inventor
Masataka Sekine
正孝 関根
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Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
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Publication date
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  • Load-Bearing And Curtain Walls (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 層間変位があまり大きくない中小規模の地震
時にはカーテンウォールに被害が及ぶことを防止し、層
間変位の大きい大規模な地震時などにはカーテンウォー
ルを積極的に構造補強材として機能させて建物変形の抑
制に寄与させるカーテンウォールの取付構造を提供する
こと。 【解決手段】 カーテンウォール2裏側のボルト4b
は、ファスナー8bに横長なルーズホールを介して締結
され、そこから水平に突出している。ボルト4bの先端
部はロック部材32の横穴部36内に挿通され、ロック
部材32はボルト4bにその自重を預け支持されてい
る。また、ロック部材32は支持体30に取付部34を
介し水平方向への相対移動が規制されて取り付けられて
いる。ボルト4bが水平変位し横穴部36の端部に達す
ると、ロック部材32が落下移動して縦穴部38にボル
ト4bが嵌合されボルト4bと支持体30とが一体化さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物構造体に設け
られるカーテンウォールの取付構造に係り、特に、中小
規模の地震時におけるカーテンウォールの損傷防止と、
大地震時における建物構造体の変位抑制とを併せて図れ
るようにしたカーテンウォールの取付構造に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図9(a)は、従来のカーテンウォール
2の取付構造の一例を示したものである。ここで、建物
構造体6の上層階から下層階にわたって並設されたカー
テンウォール2は、各々の荷重が、その下端部と建物構
造体6の下層階側の床スラブ14との間に配設された荷
重受けボルト10を介して前記床スラブ14に支持され
ている。また、カーテンウォール2は、その裏面に上下
各二ヶ所の四隅に打ち込まれて埋設されて一体的に設け
られたアンカーボルト4が、建物構造体6の上層階側の
梁部材12及び下層階側の床スラブ14にそれぞれ対応
して溶接などにより一体的に固設された断面L字状の金
具等からなるファスナー8に締結されていて、面外方向
への位置規制がなされて取付けられている。
【0003】ところで、建物は風や地震等により振動し
て変形するが、この変形が大きい場合には、その変形に
伴う建物構造体6の上層階側と下層階側との層間変位が
そのままカーテンウォール2に伝わって、カーテンウォ
ール2に過大な力が作用して破壊される虞がある。この
ようなことから、カーテンウォール2については、層間
変位による破壊を防止するために、層間変位をある程度
吸収し得るように取り付ける必要がある。この層間変位
を吸収し得る取付方式の1つとして、従来から水平移動
(スウェー)方式が知られている。
【0004】この水平移動(スウェー)方式は、図10
に示すように、カーテンウォール2の上部側アンカーボ
ルト4aを建物構造体6の上層階側に固設した図9
(b)に示すような上部側ファスナー8aにこれに形成
された挿通孔9aを介して締結固定して剛に接合させ
て、カーテンウォール2を建物構造体6の上層階側と一
体に変位させるようにする一方、下部側アンカーボルト
4bを建物構造体6の下層階側に取付台座16を介して
固設した図9(c)に示すようなファスナー8bに対し
てそのファスナー8bに形成されたルーズホールとされ
る横長な挿通孔9bを介して水平方向に相対的にスライ
ド移動可能に締結したものである。
【0005】すなわち、上部側アンカーボルト4aは建
物構造体6の上層階側に剛に締結接合されているのに対
し、下部側アンカーボルト4bは、建物構造体6の下層
階側に水平方向への相対移動できるようになっているた
め、カーテンウォール2は、建物構造体6に層間変位が
生じたときに、この層間変位を前記ルーズホール9bで
吸収できるようになっている。
【0006】一方、近年になって、上記の如くカーテン
ウォール2に層間変位を吸収する機能を持たせてその損
傷を防止するという考えとは逆に、カーテンウォール2
に地震時のエネルギーを常に吸収させる機能をもたせ
て、建物構造体6の変位を抑制するという考え方がなさ
れ始めている。図11(a)は、このような考え方に基
づくカーテンウォール2の取付構造の一例を示したもの
である。このカーテンウォール2の取付構造において
は、カーテンウォール2は、建物構造体6側の床スラブ
14に埋設一体化されたインサート20にアングル材2
1を介して一体的に溶接接合されて設けられた角形チュ
ーブ状の取付金具22に対して、コネクター23を介し
てボルトで締結固定されている。コネクター23は、図
11(b)に示すように、角形チューブ状を呈してい
て、その対向する一対の側面が、それぞれ取付金具22
及びカーテンウォール2に対してボルトで締結されてい
る一方、残り一対の側面には上下両端部にテーパ部24
が切欠形成されている。
【0007】そして、建物構造体6の上層階側と下層階
側との間に層間変位が発生したときには、コネクター2
3のテーパ部24に塑性変形を生じさせて履歴エネルギ
ー吸収機能を発揮させ、これにより常に地震エネルギー
を吸収して建物構造体に生じる変位を抑制するようにな
っている(『 Passive Control of Building RespnseUs
ing Energy dissipating Cladding Connection 』 Eart
hquake Spectra,Vol.9,No.3,1993 参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たようにコネクター23のテーパ部位などを利用して小
振幅時から塑性変形させて地震エネルギーを常に吸収す
るようにした構造では、中小規模の地震によってもコネ
クター23などに変形が生じて残留するため、中小規模
の地震が頻発する我が国においては、カーテンウォール
2が整然と並ばず不揃いになることがあって、美観上好
ましくないという問題があった。
【0009】そこで、中小規模の地震時には、前記コネ
クター23などのような部材を塑性変形させることなく
地震エネルギーを吸収しないようにする一方で、大規模
な地震時においては、前記コネクターなどのような部材
を塑性変形させて地震エネルギーを吸収させるようにす
る取付構造が望まれていた。
【0010】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、層間変位があまり大きくない中
小規模の地震時などには、従来の水平移動方式と同様に
水平方向の層間変位を許容吸収してカーテンウォールの
損傷を防ぎ、層間変位の大きい大規模な地震時などに
は、カーテンウォールの相対変位を規制し建物構造体側
に一体化させてカーテンウォールを構造補強材として積
極的に機能させるとともに、更に部材の塑性変形によっ
て地震エネルギーを吸収して建物構造体の変形を可及的
に抑制することができるカーテンウォールの取付構造を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明に係るカーテンウォールの取付構造にあって
は、カーテンウォールに突設したロッド体を、これに対
応して建物構造体側に一体的に設けたファスナーにこれ
に形成された横長なルーズホールを介して係合させて、
該建物構造体の上層階側と下層階側との間で発生した層
間変位を該ルーズホールで吸収するようにしたカーテン
ウォールの取付構造であって、前記ロッド体と、該ロッ
ド体に対応させて前記建物構造体側に一体的に設けた支
持体との間に、水平方向に沿って横長に形成された横穴
部と該横穴部の両端部に上向きに連続して形成された縦
穴部とを有し、該横穴部内に該ロッド体が挿通されて該
ロッド体の上端部にその自重が預けられ支持されている
とともに、該支持体によって水平方向への移動が規制さ
れ、該ロッド体が水平方向へ移動して該横穴部の端部に
達したときに該縦穴部を介して落下移動して、該縦穴部
が該ロッド体に嵌合して該ロッド体の相対変位を規制す
るロック部材を介設したことを特徴とする。
【0012】このような構成を有するカーテンウォール
の取付構造においては、建物構造体の上層階側と下層階
側との間に発生した層間変位によって、カーテンウォー
ルが建物構造体に対して水平方向に相対変位したとき、
カーテンウォールに突設されたロッド体は、これに係合
した建物構造体側のファスナーに対しルーズホールにお
いて水平方向への相対移動が許容されるとともに、建物
構造体側に一体的に設けられた支持体によって水平移動
が規制されているロック部材の横穴部においても水平方
向への相対移動が許容される。また、ロック部材は、ロ
ッド体の上端部にその自重を預けて支持されているとと
もに、前記横穴部の両端部にはこれに連続して上向きに
縦穴部が形成されているため、前記層間変位が大きく前
記ロッド体が大幅に水平移動して横穴部の端部に達した
場合には、ロック部材は、その縦穴部を介して落下移動
する。これによって、ロッド体は、ロック部材の縦穴部
に嵌合されてその相対変位が規制される。
【0013】このようなことから、層間変位がさほど大
きくない中小規模の地震時には、ロッド体をファスナー
のルーズホール及びロック部材の横穴部を介して水平方
向に相対移動させて層間変位を吸収できるので、カーテ
ンウォールには過大な力が加わることはなく、その損傷
は防止される。
【0014】他方、層間変位の大きい大規模な地震時に
は、カーテンウォールに突設されたロッド体の相対移動
をロック部材によって規制して、ロッド体をロック部材
及び支持体を介して建物構造体側に一体化させることが
できる。それ以後、ロッド体は縦穴部内から外れること
はなく、カーテンウォールは建物構造体に一体化され、
構造補強材として機能を発揮し建物構造体の変形を抑制
する。さらに、支持体には、荷重を集中させることがで
き、これにより塑性変形を起こさせ、履歴エネルギー吸
収機能を発揮させて、建物構造体の変形を可及的に抑制
することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係るカーテンウォ
ールの取付構造の実施の形態について、添付図面に基づ
き詳述する。尚、従来例と同一の構成要素には同一符号
を付すものとする。
【0016】図1〜4は、本発明に係るカーテンウォー
ル2の取付構造の第1の実施の形態を示したものであ
る。カーテンウォール2は、プレキャストコンクリート
製のカーテンウォールで、裏面には上部左右両側及び下
部左右両側の四隅部に配置されてアンカーボルト4が突
設されているとともに、また裏面下方部には、ボックス
状に一体的に隆起して突出形成された隆起ブロック2a
を有している。隆起ブロック部2aの下側と建物構造体
6の下層階側の床スラブ14との間には、荷重受けボル
ト10が配設されていて、カーテンウォール2の荷重
が、この荷重受けボルト10を介して床スラブ14に支
持されている。また、4本のアンカーボルト4は、建物
構造体6側にそれぞれ対応して設けられたファスナー8
に締結されている。このうち、カーテンウォール2の上
部左右両側に設けられた2本の上部側アンカーボルト4
aは、前記従来例と同様に、建物構造体6の上層階側の
梁部材12に設けられた図9(b)に示すような上部フ
ァスナー8aにそのタイトホール9aを介して剛に締結
固定されている。他方、カーテンウォール2の下部左右
両側に設けられた2本の下部側アンカーボルト4bは、
前記隆起ブロック部2aに埋設されて裏面に水平に突設
されていて、前記従来例と同様に、建物構造体6の下層
階側の床スラブ14に一体的に設けられた図9(c)に
示すような下部ファスナー8bに、これに形成された横
長なルーズホール9bを介して締結されている。
【0017】このようにして、前記カーテンウォール2
は、基本的には従来とほぼ同様な形態で取付けられてい
て、建物構造体6が風や地震などにより振動して変形し
たときに建物構造体6の上層階側と下層階側との間に層
間変位が発生した場合であっても、これを前記下部ファ
スナー8bのルーズホール9bで吸収できるようになっ
ている。
【0018】一方、このカーテンウォール2の取付構造
においては、前記層間変位が大きいときには、カーテン
ウォール2を建物構造体6に一体化させて構造補強材と
して積極的に利用し、建物構造体6の変形を抑制する構
造を備えている。この構造は、本発明のロッド部材とし
てカーテンウォール2に突設され、前記下部側アンカー
ボルト4bとして使用されている長尺なアンカーボルト
4bと、この長尺なアンカーボルト4bに対応して建物
構造体6側に一体的に設けられた支持体30と、これら
長尺なアンカーボルト4bと支持体30との間に介設さ
れたロック部材32とからなる。
【0019】ここで、支持体30は、逆U字形に成形さ
れた帯板状の鋼材から形成されていて、その下端部が建
物構造体6側の床スラブ14上に接合されて一体的に固
設されている。支持体30の内側面には、相対向した位
置に、U字形に成形されたロッド状の取付部34が1
対、ロック部材32の取付用として一体的に設けられて
いる。
【0020】また、長尺なアンカーボルト4bは、下部
側ファスナー8bのルーズホール9bから水平方向に突
出されていて、その先端部には前記ロック部材32が配
設されている。
【0021】ロック部材32は、その外形がU字形に成
形されかつ鋼材から形成されていて、図5(a)に示す
ように、その下方部に横方向に沿って横長に貫通形成さ
れた横穴部36と、この横穴部36の両端部に上向きに
連続して貫通形成された縦穴部38とを有している。こ
の横穴部36の内側には、前記長尺なアンカーボルト4
bの先端部が横方向中間部に位置して挿通されていて、
ロック部材32はその自重が長尺なアンカーボルト4b
の上端部に預けられて支持されている。また、横穴部3
6の縦幅は、長尺なアンカーボルト4bの外径よりも若
干大きな寸法に設定されていて、長尺なアンカーボルト
4bは横穴部36内側においてこれに沿って横方向に相
対移動できるようになっている。
【0022】他方、ロック部材32の各縦穴部38内側
には、前記支持体30のロッド状の取付部34が上下方
向中間部に位置して各々挿通されている。取付部34
は、ロック部材32の縦穴部38内側に挿通された底辺
部34aと、この底辺部34aの両端部から延出して前
記支持体30の内側面に接続された側辺部34bとから
構成されている。底辺部34aは、縦穴部38の内側上
下方向中間部に位置して挿通されていて、この底辺部3
4aと縦穴部38の上端内壁部38aとの間にはクリア
ランス40が確保されている。
【0023】ここで、ロック部材32の縦穴部38の横
幅寸法は前記取付部34の底辺部34aの外径寸法より
も大きく設定されていて、底辺部34aは縦穴部38の
内側において上下方向に沿って相対移動できるようにな
っている。すなわち、ロック部材32は、支持体30に
対し上下方向へに沿って相対移動できるようになってい
る。一方、水平方向への相対移動については、ロック部
材32は、縦穴部38の内側に取付部34の底辺部34
aが嵌合されているため、規制されている。
【0024】さらに、縦穴部38の横幅寸法は、長尺な
アンカーボルト4bの外径寸法よりも若干大きく設定さ
れていて、縦穴部38の内側に長尺なアンカーボルト4
bが嵌合されるようになっている。
【0025】これらのことから、図5(b)に示すよう
に、長尺なアンカーボルト4bがロック部材32の横穴
部36に沿って左右いずれかの方向に水平に大きく相対
変位して横穴部36のいずれか一方の端部に達した場合
には、ロック部材32は、長尺なアンカーボルト4bに
よる支持から開放されて二点鎖線で示す位置から実線で
示す位置まで落下移動する。そして、ロック部材32
は、前記クリアランス40分だけ落下移動すると、縦穴
部38の上端内壁部38aに取付部34の底辺部34a
が当接され、ロック部材32が取付部34に引っかかっ
て係止される。また、ロック部材32の縦穴部38の内
側には、前記長尺なアンカーボルト4bがはまり込ん
で、長尺なアンカーボルト4bの相対変位はロック部材
32によって規制される。
【0026】なお、長尺なアンカーボルト4bがロック
部材32の横穴部36の端部に達したときに、この長尺
なアンカーボルト4bと取付部34の側辺部34aとの
間に形成されるクリアランス41については、ロック部
材32の回転を防止するために、できるだけ小さい方が
望ましい。また、ロック部材32の回転を確実に防止し
たい場合には、図6に示すように、支持体30の内側面
に前記取付部34よりも下方部位に位置させて回転スト
ッパー42を突設すれば、この回転ストッパー42によ
って、ロック部材32を両側から規制してその回転を防
止することができる。
【0027】これによって、建物構造体6の上層階側と
下層階側との間に発生する層間変位が大きい場合には、
長尺なアンカーボルト4bをロック部材32を介して支
持体30に一体化させることができ、カーテンウォール
2を建物構造体6側に一体化することができる。したが
って、層間変位の大きい特に大規模な地震時などには、
カーテンウォール2を構造補強材として機能させて建物
構造体6の変形を抑制することができる。ここで、カー
テンウォール2を建物構造体6側に一体化させるときの
層間変位の大きさについては、ロック部材32の横穴部
36の横幅寸法に応じて設定することができる。
【0028】さらに、支持体30の剛性をカーテンウォ
ール2の剛性よりも低く設定しておくことで、長尺なア
ンカーボルト4bと支持体30とが一体化された後、支
持体30に塑性変形を起こさせて地震エネルギーを吸収
させることができ、この際に支持体30は図7に実線で
示すような履歴エネルギー吸収機能を発揮するようにな
る。これによって、建物構造体6の変形を可及的に抑制
することができる。なお、同図に二点鎖線で示すもの
は、層間変位がファスナーのルーズホールに吸収されア
ンカーボルトが建物構造体側に一体化されない従来タイ
プのものにおける履歴エネルギー吸収特性を示してい
る。また、支持体30の剛性をカーテンウォール2の剛
性よりも低く設定するにあっては、例えば逆U字形の支
持体30の高さや幅を調節することによって行う。
【0029】以上のことから、建物構造体に発生する層
間変位がさほど大きくない中小規模の地震時などには、
長尺なアンカーボルト4bを下部側ファスナー8bのル
ーズホール9b及びロック部材32の横穴部36を介し
て水平方向に相対移動させて層間変位を吸収できるの
で、カーテンウォール2には過大な力が加わることはな
く、その損傷を防止することができる。
【0030】一方、層間変位の大きい大規模な地震時な
どには、下部側アンカーボルト4b、即ち長尺なアンカ
ーボルトをロック部材32によって支持体30に一体化
させてカーテンウォール2を建物構造体6側に一体化さ
せることができるため、カーテンウォール2を構造補強
材として利用して建物構造体6の変形を抑制することが
できる。また、支持体30に塑性変形を起こさせて、履
歴エネルギー吸収機能により地震エネルギーを吸収させ
て建物構造体6の変形を可及的に抑制することができ
る。
【0031】しかも、地震エネルギーの吸収を支持体3
0に地震による被害を集中させることができるため、地
震による被害位置を容易に特定でき、大地震被災後のチ
ェックや補修工事などが非常に簡単になる上、補修作業
については支持体30の交換だけで簡単に済ませること
ができる。
【0032】図8は、本発明に係るカーテンウォール2
の取付構造の第2の実施の形態を示したものである。こ
の第2の実施の形態では、ロック部材32が、横穴部3
6及び縦穴部38が形成された板材から形成されてい
る。このようにロック部材32が板材から形成されて
も、前記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏するこ
とができる。
【0033】以上のような実施の形態では、建物構造体
6に発生した層間変位を吸収するために、カーテンウォ
ール2の裏面の四隅部に各々突設されたアンカーボルト
4のうち上部側アンカーボルト4aがファスナー8aの
タイトホール9aを介して、また下部側アンカーボルト
4bがファスナー8bのルーズホール9bを介して締結
されて取付けられていたが、上部側アンカーボルト4a
がルーズホール9bを、また下部側アンカーボルト4b
がタイトホール9aを介して締結され、前記支持体30
や前記ロック部材32などが建物構造体6の上層階側に
設けられた取付構造であってもよく、この他、他の形態
の取付構造であってもよい。
【0034】
【発明の効果】以上発明の実施の形態で説明したように
本発明に係るカーテンウォールの取付構造によれば、層
間変位がさほど大きくない中小規模の地震時などには、
カーテンウォールに突設されたロッド体が、これに対応
して建物構造体側に設けられたファスナーの横長なルー
ズホール内及びロック部材の横穴部内を介して水平方向
に相対変位して、層間変位が許容吸収されるので、カー
テンウォールには過大な力が加わることがなく、その損
傷が防止される。一方、層間変位の大きい大規模な地震
時などには、前記ロッド体が前記横穴部の端部に達した
ことによって、ロック部材が落下移動してこのロッド体
に横穴部端部の縦穴部が嵌合してその水平方向への相対
変位を規制して、ロッド体を建物構造体側に一体化させ
ることができる。これによって、カーテンウォールを構
造補強材として機能させて建物構造体の変形を抑制する
ことができるとともに、支持体に荷重を集中させて塑性
変形を起こさせ、履歴エネルギー吸収機能を発揮させて
建物構造体の変形を可及的に抑制させることができる。
【0035】特に、本発明では、地震エネルギーを吸収
する支持体に地震による被害を集中させるので、地震に
よる被害位置を容易に特定でき、大地震被災後のチェッ
クや補修工事などが非常に簡単になる上、補修作業につ
いては支持体の交換だけで簡単に済ませることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカーテンウォールの取付構造の第
1の実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】図1のカーテンウォールの取付構造の下部側フ
ァスナー周辺部分を示す部分縦断面図である。
【図3】図1のカーテンウォールの取付構造の下部側フ
ァスナー周辺部分をカーテンウォール表側から見たとき
の部分斜視図である。
【図4】図1のカーテンウォールの取付構造の下部側フ
ァスナー周辺部分をカーテンウォール裏側から見たとき
の部分斜視図である。
【図5】ロック部材の横穴部両端の縦穴部にアンカーボ
ルトが嵌合するときの様子を説明する図である。
【図6】ロック部材の回転を防止するために支持体に回
転ストッパーを設けたときのロック部材及び支持体を示
す側面図である。
【図7】本発明の支持体における履歴エネルギー吸収特
性を示す図である。
【図8】本発明に係るカーテンウォールの取付構造の第
2の実施の形態を示す斜視図である。
【図9】(a)従来のカーテンウォールの取付構造の一
例を示した縦断面図である。 (b)タイトホールが形成されたファスナーを示した斜
視図である。 (c)ルーズホールが形成されたファスナーを示した斜
視図である。
【図10】層間変位を吸収する取付方法として、従来か
ら採用されている水平移動(スウェー)方式を概略的に
説明するための図である。
【図11】(a)従来の変位吸収(エネルギー吸収)方
式のカーテンウォール取付構造の要部を示す側面図であ
る。 (b)図11(a)中のコネクターを示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
2 カーテンウォール 4b 長尺なアンカーボルト 6 建物構造体 8 ファスナー 10 荷重受けボルト 12 梁部材 14 床スラブ 30 支持体 32 ロック部材 34 取付部 36 横穴部 38 縦穴部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーテンウォールに突設したロッド体
    を、これに対応して建物構造体側に一体的に設けたファ
    スナーにこれに形成された横長なルーズホールを介して
    係合させて、該建物構造体の上層階側と下層階側との間
    で発生した層間変位を該ルーズホールで吸収するように
    したカーテンウォールの取付構造であって、 前記ロッド体と、該ロッド体に対応させて前記建物構造
    体側に一体的に設けた支持体との間に、水平方向に沿っ
    て横長に形成された横穴部と該横穴部の両端部に上向き
    に連続して形成された縦穴部とを有し、該横穴部内に該
    ロッド体が挿通されて該ロッド体の上端部にその自重が
    預けられ支持されているとともに、該支持体によって水
    平方向への移動が規制され、該ロッド体が水平方向へ移
    動して該横穴部の端部に達したときに該縦穴部を介して
    落下移動して、該縦穴部が該ロッド体に嵌合して該ロッ
    ド体の相対変位を規制するロック部材を介設したことを
    特徴とするカーテンウォールの取付構造。
JP33099896A 1996-12-11 1996-12-11 カーテンウォールの取付構造 Pending JPH10169054A (ja)

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CN106149929B (zh) * 2014-10-21 2019-02-22 深圳市中装建设集团股份有限公司 幕墙用背栓式连接件

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