JPH10168726A - 長繊維不織布及びそれを用いた吸収性物品 - Google Patents

長繊維不織布及びそれを用いた吸収性物品

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JPH10168726A
JPH10168726A JP8323129A JP32312996A JPH10168726A JP H10168726 A JPH10168726 A JP H10168726A JP 8323129 A JP8323129 A JP 8323129A JP 32312996 A JP32312996 A JP 32312996A JP H10168726 A JPH10168726 A JP H10168726A
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真吾 堀内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高接着性、低温接着性が良好で、柔軟性や肌
触り等の風合い、不織布の均一性に優れ、紡糸性などの
操業性も良好な複合繊維からなる長繊維不織布及びそれ
を用いた吸収性物品を提供する。 【解決手段】 エチレン−酢酸ビニル共重合体と低密度
ポリエチレンの混合樹脂(前者含有率30重量%)に、
ポリエチレンワックス5重量%及び炭酸カルシウム3500
0重量ppmをブレンドした第一成分とアイソタクチックポ
リプロピレンからなる第二成分を、紡糸口金から鞘芯偏
心型複合繊維に溶融紡糸し、スパンボンド法で長繊維フ
リースを得る。これを加熱された凹凸ロールと平滑ロー
ルとで構成されたポイントボンド加工機の加圧されたロ
ール間に導入し長繊維相互間が熱融着された長繊維不織
布を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長繊維不織布及び
それを用いた吸収性物品に関するものである。特に本発
明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはその鹸化物
を含有し、かつ繊維表面の少なくとも一部を繊維の長さ
方向に形成している第一成分と、第一成分よりも高融点
の結晶性熱可塑性樹脂を第二成分とした熱融着性複合長
繊維不織布及びそれを用いた吸収性物品に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】長繊維不織布の代表例であるスパンボン
ド不織布は、溶融紡糸口金から吐出した長繊維群をエア
ーサッカーなどに導入して牽引延伸し、開繊して捕集コ
ンベア上に集積して繊維ウェブを得た後、長繊維相互間
を適宜の手段で交絡あるいは熱融着させて製造されてい
る。従って、連続繊維とも言える長繊維を構成繊維とす
るものであるため、短繊維を構成繊維とする短繊維不織
布に比べて、引張強度等の機械的性質に優れている。ま
た、溶融紡糸して得られた長繊維を、そのまま開繊及び
集積して不織布が得られるため、短繊維を乾式法や湿式
法で開繊及び集積して得られる不織布に比べて、合理的
に生産しうるという利点があり、生産性に優れ、近年そ
の生産量も大きく増加してきている。
【0003】特に、第一の成分としてエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体またはその鹸化物を含有した樹脂を用い、
第二の成分として結晶性熱可塑性樹脂を用いた複合長繊
維不織布は、長繊維不織布としての上記の利点のほか
に、熱融着性に優れているため加工がしやすく、加えて
第一の成分として2種以上のオレフィンを共重合したオ
レフィン系の低融点共重合体を用いる場合に比べて、他
素材との熱融着性により優れているためバインダーが必
要なく、良好な品質の不織布が得られる場合には、他素
材との接着積層による応用分野も広がるので大幅な需要
の増大が見込まれている。
【0004】また、従来から医療衛生材料の紙おむつ等
の使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品は、
その態様によっても多少異なるが、尿や血液などの体液
を吸収し漏れを防止するため、少なくとも、尿や血液な
どの体液を吸収し保持する液体吸収層と、その表面側
(肌に接する側)に配置される例えば不織布などからな
る液体透過性の表カバーと、裏側面に配置され、吸収し
た体液が外部にもれるのを防ぐための液体非透過性バッ
クシートとを有する構成となっている。また、通常、紙
おむつ等の使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性
物品においては、バックシートのほかにも、吸収性物品
が身体の動きによって所定の着用状態から位置がずれた
り、横向きに寝転んだりした場合に、吸収した体液など
の液体が漏れるのを防止するために吸収性物品の両脇に
撥水性シートからなるサイドシート(使い捨ておむつな
どの場合にはギャザーが付与されている場合が多いので
サイドギャザーとかレッグカフなどとも言われており、
使い捨ておむつの場合には、サイドシートは使い捨てお
むつを着用した場合に太もものつけね又は太ももを回っ
てそれを把持する様な位置に設けられている。)なども
設けられていたり、また、使い捨ておむつに於いては、
更に腹部などを覆う部分やその反対側の臀部上部を覆う
部分の肌側には、吸収した体液などの液体が、転んだ
り、寝転んだり、身体を回転させるなど着用者の動きに
より、腹部や臀部上部に漏れてきた場合にそれを吸水性
物品外に漏らさないようにするための不織布などからな
る撥水性のラウンドシートなども設けられている。更に
使い捨ておむつなどの場合には、ウェスト位置肌側に帯
状にウェストギャザーなどが設けられているものもあ
り、これらも例えば不織布などからなる撥水性のシート
で構成されている。
【0005】また、液体吸収層には、例えばフラッフパ
ルプなどのセルロース系繊維、更に必要に応じて合成繊
維等が混合された繊維集合体に高吸水性樹脂が混合され
たものを圧縮して固めたものなどからなる適宜の各種液
体吸収層が使用されている。通常、液体吸収層は、ティ
ッシュペーパーなどにより包まれている。また、バック
シートとしては、熱可塑性フィルムが使用されていて、
該熱可塑性フィルムは、着用中の内部の蒸れを防止する
ために無数の微細孔を有し、通気性をもたせることが一
般的である。また、フィルム特有のプラスチック性の感
触と外観を改良し、また、強力を改良する観点から不織
布と複合化させたものも使用されいる。そして、これら
の各構成部材を使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸
収性物品につくりあげる場合に、各部材の必要部位をホ
ットメルト接着剤によって熱接着させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、熱融着性複
合長繊維不織布に関して言及すると、熱融着性複合長繊
維不織布の熱融着成分として用いられるエチレン−酢酸
ビニル共重合体またはその鹸化物を含有する共重合体
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはその鹸化物を
含有する共重合体により、低結晶性、低融点化または低
軟化点化されている。
【0007】また、エチレン−酢酸ビニル共重合体また
はその鹸化物を含有する共重合体によってその大小はあ
るものの比較的、繊維相互間或いは繊維と金属間の摩擦
抵抗値が大きくなっている。
【0008】このため、紡糸ノズル孔より吐出した糸条
が金属製のエアーサッカーで牽引される際に繊維と金属
間或いは繊維相互間の摩擦によって繊度斑が生じたり、
繊維が束になり開繊しにくいという問題があった。
【0009】また、この様に結晶性が低下している樹脂
を用いた場合には、紡糸ノズル孔から溶融状態で吐出し
たその樹脂の糸条が結晶化し固化するまでの時間或いは
距離(固化長)が著しく長くなっている。
【0010】従って、摩擦によって長繊維が束になり繊
度斑や開繊不良を生じるだけでなく、長繊維相互間の距
離は短くなることを引き金に、固化長が長くなった糸条
が未だ溶融状態すなわち、低融点または低軟化点の前記
共重合体が溶融状態で接触するために、いわゆる糸切れ
が発生し操業性が悪いということがあった。
【0011】特開平5−5261号には、エチレン−プ
ロピレンランダム共重合体とアイソタクチックポリプロ
ピレンの複合型長繊維よりなる不織布が開示されてい
る。しかしながら、ここでは、上述したような問題を解
決するための手段は特に示されていない。また、エチレ
ン−プロピレンランダム共重合体とは性質の異なるエチ
レン−酢酸ビニル共重合体またはその鹸化物を含有する
共重合体を一成分として含有する複合繊維からなる長繊
維不織布における前述の様な問題点を解決する方法は提
案されていない。
【0012】また、吸収性物品に関しては、前述した様
に各構成部材を使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸
収性物品につくりあげる場合に、各部材をホットメルト
接着剤を使用して接着しているが、ホットメルト接着剤
を使用すると、吸収性物品の重量アップ、コスト高とな
る。また、構成部材として従来の短繊維不織布などを使
用すると、これらは、通常、繊維表面に油剤が付着して
おり、ヒートシールなどの熱接着性にも多少の影響を及
ぼす。したがって、例えば親水性を付与するなど油剤処
理が必要な部材は別として、特に油剤処理を必要としな
い部材においては、油剤などで処理されていない方がよ
り好ましい。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体また
はその鹸化物を含有する共重合体を複合繊維の一成分と
して含有する長繊維不織布は、他素材との熱接着性に優
れるが、それ自身ではぬめり感があり、肌に当たる吸収
性物品には使用し難いと言う問題もあった。
【0013】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたものであり、エチレン−酢酸ビニル共重合体ま
たはその鹸化物を含有する共重合体を複合繊維の一成分
として含有する高接着性、低温接着性が良好で、得られ
る長繊維不織布の柔軟性や肌触り等の風合い、不織布の
均一性に優れ、しかも紡糸性などの操業性も良好な複合
繊維からなる長繊維不織布を提供することを目的とする
ものである。
【0014】また、本発明は、前記従来の吸収性物品の
問題点を解決し、吸収性物品の一部に本発明の熱接着性
の優れた長繊維不織布を用いることにより、柔軟性や風
合を低下させず、重量アップが軽減され、コストも安く
でき、用いた部材の他部材との接着性が良好で、肌に触
れてもぬめり感の軽減された吸収性物品を提供すること
を目的とするものである。
【0015】本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、少
なくとも低融点または低軟化点成分である第一成分へ炭
化水素系滑剤を添加することにより、炭化水素系滑剤が
繊維表面へ露出し、薄膜を形成することで繊維表面を平
滑にし、紡糸中に繊維相互間が粘着することを防止でき
るので、糸切れなどを減少させ、操業性を良好にし、し
かも炭化水素系滑剤の添加によっても前記第一成分を構
成する樹脂の結晶化温度の上昇はほとんど起こらず、結
晶化度の増加も著しく小さく、従って、低融点または低
軟化点のエチレン−酢酸ビニル共重合体またはその鹸化
物を含有する共重合体の柔軟性や高接着性、低温接着性
等の特徴を損なわず、柔軟性や肌触り等の風合いが良好
かつ他部材との接着性に優れる長繊維不織布が得られ、
また、かかる長繊維不織布を吸収性物品の一部に用いる
ことにより、かかる長繊維不織布を用いた部分はその接
合を必要とする部分でホットメルト接着剤を使用しなく
ても、容易に接着でき、したがって重量増加も少なく、
低コストでしかもエチレン−酢酸ビニル共重合体または
その鹸化物成分によるぬめり感もなく風合の良好な吸収
性物品が得られることを知り本発明を完成するに至っ
た。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の長繊維不織布は、エチレン−酢酸ビニル
共重合体またはその鹸化物を含有し、かつ繊維表面の少
なくとも一部を繊維の長さ方向に形成している第一成分
と、第一成分よりも高融点の結晶性熱可塑性樹脂を第二
成分とした熱融着性複合長繊維からなり、少なくとも第
一成分中に炭化水素系滑剤を含有し、前記炭化水素系滑
剤の含有率が繊維中濃度にして2〜20重量%であるこ
とを特徴とする。
【0017】本発明の長繊維不織布に於いては、少なく
とも第一成分に、更に無機物粉末を含有し、前記無機物
粉末の含有率が繊維中濃度にして500〜50000重
量ppmであることが好ましい。
【0018】また、本発明の長繊維不織布に於いては、
エチレン−酢酸ビニル共重合体またはその鹸化物の組成
が酢酸ビニル及びその鹸化物の分率にして5〜40重量
%であることが好ましい。
【0019】また、本発明の長繊維不織布に於いては、
第一成分を構成する樹脂成分におけるエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体またはその鹸化物の含有率が5重量%以上
であることが好ましい。
【0020】また、本発明の長繊維不織布に於いては、
第一成分の樹脂成分が、エチレン−酢酸ビニル共重合体
またはその鹸化物とポリエチレンとの混合物であること
が好ましい。
【0021】また、本発明の長繊維不織布に於いては、
炭化水素系滑剤の融点または軟化点が、50〜155℃
であることが好ましい。また、本発明の長繊維不織布に
於いては、炭化水素系滑剤が、天然パラフィン、マイク
ロパラフィン、合成パラフィン、ポリエチレンワックス
及びポリプロピレンワックスからなる群から選ばれた少
なくとも1種の炭化水素系滑剤であることが好ましい。
【0022】また、本発明の長繊維不織布に於いては、
無機物粉末の粒子径が、平均粒子径で0.04〜2μm
であることが好ましい。また、本発明の長繊維不織布に
於いては、無機物粉末が、二酸化チタン、シリカ、ミョ
ウバン、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネ
シウム、タルクから選ばれた少なくとも1種の無機粉末
であることが好ましい。
【0023】また、本発明の長繊維不織布に於いては、
第二成分の結晶性熱可塑性樹脂がポリプロピレンである
ことが好ましい。また、本発明の長繊維不織布に於いて
は、第二成分の結晶性熱可塑性樹脂がポリエチレンテレ
フタレートであることが好ましい。
【0024】また、本発明の長繊維不織布に於いては、
長繊維不織布がスパンボンド法により得られた長繊維不
織布であることが好ましい。また、本発明の吸収性物品
は前記のいずれかに記載の長繊維不織布を、一部に用い
た吸収性物品である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の長繊維不織布は、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体またはその鹸化物を含有し、か
つ繊維表面の少なくとも一部を繊維の長さ方向に形成し
ている第一成分と、第一成分よりも高融点の結晶性熱可
塑性樹脂を第二成分とした熱融着性複合長繊維からな
り、少なくとも第一成分中に炭化水素系滑剤を含有し、
前記炭化水素系滑剤を繊維中濃度にして2〜20重量%
含有する複合長繊維使いの不織布である。
【0026】前記エチレン−酢酸ビニル共重合体または
その鹸化物を含有し、かつ繊維表面の少なくとも一部を
繊維の長さ方向に形成している樹脂を第一成分とし、結
晶性熱可塑性樹脂を第二成分とした複合繊維としては、
第一成分が鞘成分、第二成分が芯成分となる鞘芯型の複
合繊維、前記に於いて芯成分の断面における位置が偏心
しているいわゆる鞘芯偏心型の複合繊維、第一成分と第
二成分が貼り合わされているいわゆる並列型複合繊維
(サイドバイサイド型複合繊維)が好適に用いられる。
特に鞘芯偏心型複合繊維や並列型複合繊維を用いると捲
縮繊維を容易に得ることが出来、嵩高で風合のよい長繊
維不織布が得られる点では好ましい。並列型複合繊維の
断面における第一成分と第二成分の割合(複合比)は
1:1であってもよく、一方の成分が繊維断面において
他方の成分より大きな断面積を占める形になっていても
よいことはもちろんである。
【0027】複合繊維の第一成分と第二成分の容積割合
(繊維断面を採用した場合にはその断面の面積割合に該
当する=複合比)は、通常、第一成分:第二成分の比率
で10:90〜90:10、好ましくは30:70〜7
0:30のものが用いられる。
【0028】本発明において第一成分としては、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体またはその鹸化物を含有した樹
脂が用いられる。エチレン−酢酸ビニル共重合体として
は、酢酸ビニル分率(すなわち酢酸ビニル成分の共重合
割合)が約5〜40重量%のエチレン−酢酸ビニル共重
合体が好ましく用いられる。特にエチレン−酢酸ビニル
2元共重合体が好ましく用いられるが本発明の目的を疎
外しないで若干の他の成分が共重合されていてもよい。
酢酸ビニル分率が約5〜40重量%のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体は、融点が低過ぎたり、また粘着性を持つ
こともなく、繊維表面を構成する材料としての必要な性
質を満足しており、また、熱安定性も比較的よいので溶
融紡糸においての熱分解、変質の問題も少なくは好適で
あり、しかもエチレン−酢酸ビニル共重合体の特質であ
る、他の異質素材との熱接着性にも優れており好適に用
いられる。この点は鹸化物であっても同様である。
【0029】本発明に用いる上記エチレン−酢酸ビニル
共重合体は、鹸化しないで用いいることもできるし、ま
た、その鹸化物も用いられる。鹸化度は100%までの
任意のものでよい。すなわち部分鹸化物でもよい。鹸化
物はコストが若干高くなるが、風合は良好である。エチ
レン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物を用いる場合の酢酸
ビニルとその鹸化物成分の分率(共重合割合)はその両
成分の合計量で5〜40重量%の範囲のものが前述した
理由により好ましく用いられる。前記において例えば鹸
化度が0%の場合は“5〜40重量%”は酢酸ビニルの
共重合割合を示すことになり、鹸化度が100%の場合
はその鹸化物成分の共重合割合を示すことになる。
【0030】また、第一成分を構成する樹脂成分に於い
ては、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはその鹸化物
は、第一成分中の樹脂成分の合計重量に基づいて5重量
%以上含有していることが低温接着性や他の異質素材と
の接着性を良好に保つ上で好ましい。エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体またはその鹸化物は、第一成分中の樹脂成
分の合計重量に基づいて100重量%の割合まで使用す
ることも出来るが、必要に応じて、溶融紡糸が可能な範
囲で比較的低融点または低軟化点の樹脂を混合して使用
することができる。
【0031】第一成分においてエチレン−酢酸ビニル共
重合体またはその鹸化物と混合して使用する比較的低融
点または低軟化点の樹脂のうちでは、相溶性と低融点温
度を確保するうえからポリエチレンが好ましく、ポリエ
チレンは各種のものが使用できるが特に低密度ポリエチ
レンが好ましい。ポリエチレンを併用することにより、
溶融紡糸中における前述したエアーサッカーなどの金属
との摩擦をより低減し、繊維間の接着をより好適に防止
でき好ましい。
【0032】本発明において用いるエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体またはその鹸化物を含有する第一成分として
は、第二成分の結晶性熱可塑性樹脂よりも低温で熱溶融
または軟化して熱融着性を発揮し得るものであればよ
く、好ましくは、第二成分の結晶性熱可塑性樹脂が熱溶
融または軟化する温度より5℃以上、より好ましくは3
0℃以上低い温度で熱溶融または軟化し得るものが、得
られた長繊維フリースを熱融着させる場合に第二成分へ
の熱による物理的性質の低下などのダメージを与えず好
ましい。
【0033】本発明で用いる第二成分の結晶性熱可塑性
樹脂としては、前記第一成分のエチレン−酢酸ビニル共
重合体またはその鹸化物を含有したものの融点または軟
化点よりも、融点または軟化点が高く、前記第一成分と
共に複合紡糸ができる結晶性熱可塑性樹脂が用いられ、
好ましくは、ポリプロピレンまたはポリエチレンテレフ
タレートが挙げられる。前記第二成分としてポリプロピ
レンを用いると、比較的柔軟な長繊維不織布が得られ好
ましい。また、前記第二成分としてポリエチレンテレフ
タレートを用いた場合には、より強力が大きく、また、
捲縮を発現させた時の弾力性(クッション性)のより優
れた長繊維不織布を得ることができ好ましい。
【0034】用いる樹脂のMFR(メルトフローレー
ト)は、特に限定するものではないが、第一成分、第二
成分とも(但し、第二成分はオレフィン系樹脂を用いる
場合)、一般的に10〜100g/10分のものが用い
られる。
【0035】本発明で用いる炭化水素系滑剤は、繊維表
面に薄膜を付与せしめ、繊維同士の粘着を防止し得るも
のであればどの様なものを用いてもよい。中でも、融点
または軟化点が50〜155℃である炭化水素系滑剤
が、融点または軟化点が余りに低過ぎてその内部滑性に
よって流動性が向上した第一成分の溶融紡糸における固
化長がより長くなり、滑剤による表面平滑化の効果より
もこれが大きく影響するために、糸条が今だ溶融状態で
接触する確率を高くし、操業性が悪くなると言うことも
なく、また、融点または軟化点が余りに高過ぎて得られ
る長繊維の第一成分であるエチレン−酢酸ビニル系共重
合体またはその鹸化物を含有する樹脂成分の軟化点また
は融点を高くし、柔軟性や高接着性、低温接着性などの
特徴を十分発揮できなくなると言う問題もなく、炭化水
素系滑剤の添加効果が十分に発揮され好ましい。
【0036】炭化水素系滑剤の具体例としては、天然パ
ラフィン、マイクロパラフィン、合成パラフィン、ポリ
エチレンワックス、ポリプロピレンワックス、塩素化炭
化水素、フルオロカルボン等が挙げられるが、廃棄後焼
却した時に有毒ガスの発生が無い点において、天然パラ
フィン、マイクロパラフィン、合成パラフィン、ポリエ
チレンワックス及びポリプロピレンワックスが特に好ま
しい。
【0037】ここで言うマイクロワックスとは、石油か
ら得られる微結晶ワックスのことである。また、ポリエ
チレンワックスとは、低分子量のポリエチレンまたはそ
の不完全酸化物のことであり、ポリプロピレンワックス
も同様に、低分子量のポリプロピレンまたはその不完全
酸化物のことである。ポリエチレンワックスやポリプロ
ピレンワックスは、市販のポリエチレンワックスやポリ
プロピレンワックスをいずれも使用することが出来るの
で、特に制限するものではないが、その分子量は、数平
均分子量にしてポリエチレンワックスが1000〜50
00程度、ポリプロピレンワックスが1000〜450
0程度のものが好適に用いられる。数平均分子量の測定
は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ
ィー)を用いて測定することができる。
【0038】炭化水素系滑剤は、樹脂成分の押出機に設
けられているサイドフィーダーより導入して溶融押出し
と共に混練添加してもよい。また、事前に例えば第一成
分と混練したコンパウンドあるいはマスターバッチのよ
うな形態で用いて添加してもよい。
【0039】これらの炭化水素系滑剤は、複合長繊維表
面へ薄膜を形成し、その外部滑性の結果、紡糸中におけ
る繊維相互間の粘着を防止し、スパンボンド不織布など
の複合長繊維不織布において、前述した様に繊度斑や開
繊性が良好で、糸切れなどが改善され操業性がよく、し
かも、これらの炭化水素系滑剤は造核作用が無視できる
ほど小さく、さらにその内部滑性により第一成分の流動
性が向上し、第一成分である低融点または低軟化点のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体またはその鹸化物を含有す
る第一成分の樹脂成分の柔軟性や高接着性、低温接着性
等の特徴を十分に発揮でき、柔軟性や肌触り等の風合い
が良好でかつ他部材との接着性に優れる長繊維不織布が
得られるのである。特に、静電気を利用した開繊法、例
えば強制帯電法や摩擦帯電法などによって本発明の不織
布を生産するような場合、炭化水素系滑剤の帯電しやす
い性質によって、さらに開繊性に優れた地合の良い不織
布が得られるのである。
【0040】炭化水素系滑剤の添加量は繊維中濃度にし
て2〜20重量%含有していることが必要であり、炭化
水素系滑剤の添加量が2重量%未満の場合には、繊維表
面への薄膜付与による紡糸中に於ける繊維相互間の粘着
防止効果が十分発揮されず、摩擦によって長繊維が束に
なり繊度斑や開繊不良を生じたり、糸切れが発生し操業
性が低下し好ましくない。また、炭化水素系滑剤の添加
量が20重量%より多い場合には、紡糸時に異物として
作用し、逆に糸切れが発生して操業性低下の原因になっ
たり、過度のブリードアウトによって、得られる不織布
がいわゆる油っぽい、ベタツキ感のある肌触りになる傾
向があるので、好ましくない。また、炭化水素系滑剤
は、少なくとも第一成分に添加することが必要であり、
第一成分と第二成分の両者に添加されていてもよい。
【0041】炭化水素系滑剤の含有量は、石油エーテル
による抽出で求められる。例えば、計量した10gの不
織布を適当な大きさに切り刻み、40〜60℃の水30
0ccで5分間攪拌洗浄した後自然乾燥させその重量M
を測定する。次に、この試料に石油エーテル100cc
を用い、可溶成分を抽出する。この抽出液から減圧乾固
したものの重量Xを測定し、(X/M)×100(重量
%)で求められる。また、物質の同定は、NMR(核磁
気共鳴)測定やIR(赤外吸収分光)測定によって行わ
れ得る。
【0042】本発明においては、少なくとも第一成分
に、更に無機物粉末を添加して用いることがより好まし
い。本発明で用いる無機物粉末は、繊維表面に凹凸を付
与せしめ、繊維同士の粘着を防止し得るものであればど
の様なものを用いてもよい。
【0043】無機物粉末の粒子径は、平均粒子径で0.
04〜2μmであることが好ましく、特に0.04〜1
μmの範囲が好ましい。余り粒子径の小さいものを用い
ても、コストが高くなること、二次凝集を起こしやす
く、フィルターや紡糸ノズルの目詰まりが生じたり、糸
切れが発生して操業性が低下する原因になりやすいし、
また、余りに粒子径が大き過ぎる場合には、無機物粉末
の分散性が不良になったり、フィルターや紡糸ノズルの
目詰まりが生じたり、糸切れが発生して操業性が低下す
る原因になりやすい傾向があるので、上記の範囲が特に
好ましい。無機物粉末の粒子径は電子顕微鏡観察により
測定し得る。例えば、複合長繊維中に含有されている無
機物粉末の粒子径を測定する場合には、複合長繊維を真
空下で加熱することにより、複合長繊維を構成している
重合体と無機物粉末とを分離してから電子顕微鏡観察に
より測定することができる。その際に粒子が球形以外の
形の場合には、粒子と同体積の球と仮定した場合の粒子
径に換算する。
【0044】本発明で用いる無機物粉末の具体例として
は、二酸化チタン、シリカ、ミョウバン、炭酸カルシウ
ム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、タルクなど各
種の安定な不活性な無機物粉末が挙げられる。これらの
無機物粉末は、複合繊維表面へ微細な凹凸を付与する事
ができ、その結果、紡糸中における繊維相互間の粘着を
防止し、スパンボンド不織布などの複合長繊維不織布に
おいて、前述した様に繊度斑や開繊性が良好で、糸切れ
などが改善され操業性がよく、しかも、これらの無機物
粉末は造核作用が比較的小さい事で第一成分の樹脂成分
である低融点または低軟化点のエチレン−酢酸ビニル共
重合体またはその鹸化物を含有する樹脂成分の柔軟性や
高接着性、低温接着性等の特徴を損なわず、柔軟性や肌
触り等の風合いが良好でかつ他部材との接着性に優れる
長繊維不織布が得られるのである。特に、二酸化チタ
ン、シリカ、ミョウバン、炭酸カルシウム、酸化カルシ
ウム、酸化マグネシウム、タルクが造核作用などもより
小さく好ましい。これらの無機物粉末は純粋なものを用
いてもよいが、工業的にはコストが高くなるので、本発
明の目的を損わない限り、無機物粉末として不純物が含
まれているものを使用することは何ら差し支えない。ま
た、二酸化チタンにはルチル型二酸化チタンやアナター
ゼ型二酸化チタンがあり、いずれも使用できるが、耐候
性及び耐熱性が良好な点においてルチル型二酸化チタン
が好ましい。また、無機物粉末は、少なくとも第一成分
に添加することが必要であり、第一成分と第二成分の両
者に添加されていてもよい。
【0045】無機物粉末は、樹脂成分の押出機に設けら
れているサイドフィーダーより導入して溶融押出しと共
に混練添加してもよい。また、事前に例えば第一成分と
混練したコンパウンドあるいはマスターバッチのような
形態で用いて添加してもよい。この無機物粉末を混練す
る際は、通常、分散性をよくするために適宜の分散剤が
用いられる。
【0046】また、前述した紡糸ノズル孔から溶融状態
で吐出した際の当該樹脂の結晶化に関しては、無機物粉
末の添加により、比較的見掛けの結晶化速度は早くな
り、比較的多くの小さな結晶を生成し得るが、これらの
造核作用は比較的小さく、結晶化温度の上昇はほとんど
起こらず、結晶化度の増加も著しく小さいので、低融点
または低軟化点のエチレン−酢酸ビニル共重合体やその
鹸化物を含む第一成分の樹脂成分の柔軟性や高接着性、
低温接着性等の特徴を損なわず、柔軟性や肌触り等の風
合いが良好かつ他部材との接着性に優れる長繊維不織布
が得られやすく好ましい。また、当該樹脂の糸条が結晶
化し固化するまでの時間或いは距離(固化長)が特に長
くなることもなく、無機物粉末の添加により、無機物粉
末が繊維表面に露出し、繊維表面へ微細な凹凸を付与で
き、繊維相互間の接触面積が減少し紡糸中に繊維相互間
が粘着することを防止できるので、炭化水素系滑剤との
併用によって、さらに糸切れなどが生じにくく紡糸性を
向上させることができ、より好ましい。この様に炭化水
素系滑剤と無機物粉末の併用によって、相乗的な効果が
発揮されるのは、炭化水素系滑剤による膜形成と無機物
粉末による繊維表面への微細な凹凸の付与と言う両者が
全く異なる機構によってそれぞれが相乗的に効果をもた
らすからである。しかも、他の異質物質との熱接着性は
優れた接着性を十分発揮できる。
【0047】無機物粉末の添加量は繊維中濃度にして5
00〜50000重量ppm含有していることが好まし
い。余りに無機物粉末の添加量が少な過ぎると繊維表面
の微細な凹凸付与による紡糸中に於ける繊維相互間の粘
着防止効果の発現への寄与が十分発揮されず、摩擦によ
って長繊維が束になり繊度斑や開繊不良を生じたり、糸
切れが発生し操業性が低下することを防止する効果への
寄与が小さくなる傾向があり、添加した効果が十分に発
揮されない傾向にあり、余りに無機物粉末の添加量が多
過ぎるとフィルターや紡糸ノズルの目詰まりが生じた
り、糸切れが発生して操業性が低下する原因になりやす
い傾向があるので、上記の範囲が特に好ましい。尚、本
発明の長繊維不織布を、特に生理用ナプキンに用いる場
合には、無機物粉末の添加量は樹脂灰分の合計量で12
000重量ppm以下にすることが好ましい。
【0048】本発明において前記した炭化水素系滑剤及
び無機物粉末の添加量における繊維中濃度とは複合繊維
の場合、複合繊維の一成分中における濃度ではなく、複
合繊維全体において平均した濃度で示した。従って仮に
第一成分のみに炭化水素系滑剤や無機物粉末を添加した
場合でも、その濃度は第一成分と第二成分とからなる複
合繊維全体の平均的な濃度を示すことになる。
【0049】本発明において不織布を構成する複合長繊
維の繊度は特に限定するものではなく、用いる素材樹脂
の種類や用途に応じて適宜の繊度とすればよい。好まし
くは1〜8d/f程度であり、例えば紙おむつ、生理用
ナプキン、失禁パッド、手術用着衣、手術用掛布、ハッ
プ材などで代表される衛生材料に用いる場合には1〜5
d/fが好ましい。
【0050】本発明の長繊維不織布の目付も特に限定は
なく、用いる素材樹脂の種類や用途に応じて適宜の目付
の不織布とすればよく、好ましくは10〜50g/m2
程度であり、特に衛生材料に用いる場合には10〜30
g/m2 程度が好ましい。
【0051】以上説明した様な第一成分、第二成分の樹
脂組成物を用い、溶融紡糸して口金から複合長繊維を得
て、本発明にかかる長繊維不織布を得ることができる
が、かかる長繊維不織布は、よく知られているスパンボ
ンド法によって容易に製造することができる。
【0052】スパンボンド法は、すでによく知られてい
るので詳細な説明は省略するが、例えば、エチレン−酢
酸ビニル共重合体またはその鹸化物を含有した低融点樹
脂成分と炭化水素系滑剤またはそれと無機物粉末の混合
物を第一成分として用意し、結晶性熱可塑性樹脂(必要
に応じて炭化水素系滑剤及び/または無機物粉末が混合
された結晶性熱可塑性樹脂を用いてもよい)を第二成分
として用意する。これら樹脂組成物を、それぞれ個別の
押出機に投入し、複合紡糸口金を用いて溶融紡糸する。
紡糸口金より吐出した繊維群をエアーサッカーに導入し
て牽引延伸し、長繊維群を得、続いて、エアーサッカー
より排出された長繊維群を、コロナ放電装置などの適宜
の帯電装置によりに同電荷を付与せしめ帯電させた後、
一対の振動する羽根状物(フラップ)の間を通過させる
ことで開繊させ、或いは適宜の反射板などに衝突させて
開繊し、開繊された長繊維群は裏面に吸引装置を設けた
無端ネット状コンベア上に、長繊維フリースとして捕集
する。捕集した長繊維フリースは、無端コンベアに載せ
られたまま搬送され、加熱された凹凸ロールと平滑ロー
ルとで構成されたポイントボンド加工機の加圧されたロ
ール間に導入し、長繊維フリースを前記凹凸ロールの凸
部に対応する区域において第一成分が溶融または軟化し
て長繊維相互間が熱融着された長繊維不織布を得る。長
繊維不織布の目付は、例えば紡糸吐出速度(時間当たり
の吐出量)や無端コンベアの移動速度などを調整するこ
とにより調整することができる。なお、長繊維フリース
の不織布化(交絡あるいは熱融着)は、ポイントボンド
法に限らず、その他、熱風加熱法、高圧水流法、ニード
ルパンチ法、超音波加熱法などで行われても良く、これ
ら不織布化法の複数の組み合わせも採用し得る。
【0053】また、本発明の長繊維不織布は前記で説明
した方法によって製造されたものに限定されるものでは
ないが、スパンボンド法が引張強度等の機械的性質に優
れている不織布が容易に得られ、また、溶融紡糸して得
られた長繊維を、そのまま開繊及び集積して不織布が得
られるため生産性が非常に優れ安価に製造でき好まし
い。
【0054】かくして得られた、本発明の長繊維不織布
は、高接着性、低温接着性、異種素材との接着性が良好
で、得られる長繊維不織布の柔軟性や肌触り等の風合
い、不織布の均一性に優れ、しかも紡糸性などの操業性
も良好な複合繊維からなる長繊維不織布がえられるの
で、各種の用途に使用でき、特に他の素材と接合或いは
接着させて使用したり、または他の素材と組み合わせて
複合材料を形成する場合に容易に熱接着ができるので、
かかる複合材料の製造にも効果的に使用できる。
【0055】更に本発明の長繊維不織布は、生理用ナプ
キンや使い捨ておむつなどの吸水性物品の一部に用いる
こともできる。紙おむつ等の使い捨ておむつや生理用ナ
プキン等の吸収性物品は、その態様によっても多少異な
るが、尿や血液などの体液を吸収し漏れを防止するた
め、少なくとも、尿や血液などの体液を吸収し保持する
液体吸収層と、その表面側(肌に接する側)に配置され
る例えば不織布などからなる液体透過性の表カバーと、
裏側面に配置され、吸収した体液が外部にもれるのを防
ぐための液体非透過性バックシートとを有する構成とな
っている。また、通常、紙おむつ等の使い捨ておむつや
生理用ナプキン等の吸収性物品においては、バックシー
トのほかにも、吸収性物品が身体の動きによって所定の
着用状態から位置がずれたり、横向きに寝転んだりした
場合に、吸収した体液などの液体が漏れるのを防止する
ために吸収性物品の両脇に不織布などからなる撥水性の
サイドシート(使い捨ておむつなどの場合にはギャザー
が付与されている場合が多いのでサイドギャザーとかレ
ッグカフなどとも言われており、使い捨ておむつの場合
には、サイドシートは使い捨ておむつを着用した場合に
太もものつけね又は太ももを回ってそれを把持する様な
位置に設けられている。)なども設けられていたり、ま
た、使い捨ておむつに於いては、更に腹部などを覆う部
分やその反対側の臀部上部を覆う部分の肌側には、吸収
した体液などの液体が、転んだり、寝転んだり、身体を
回転させるなど着用者の動きにより、腹部や臀部上部に
漏れてきた場合にそれを吸水性物品外に漏らさないよう
にするための不織布などからなる撥水性のラウンドシー
トなども設けられている。更に使い捨ておむつなどの場
合には、ウェスト位置肌側に帯状にウェストギャザーな
どが設けられているものもあり、これらも例えば不織布
などの撥水性のシートで構成されている。
【0056】また、液体吸収層には、例えばフラッフパ
ルプなどのセルロース系繊維、更に必要に応じて合成繊
維等が混合された繊維集合体に高吸水性樹脂が混合され
たものを圧縮して固めたものなどからなる適宜の各種液
体吸収層が使用されている。この液体吸収層は、ティッ
シュペーパーなどにより包まれているのが一般的であ
る。また、バックシートとしては、通常、熱可塑性フィ
ルムが使用されていて、該熱可塑性フィルムは、着用中
の内部の蒸れを防止するために無数の微細孔を有し、通
気性をもたせることが一般的である。また、フィルム特
有のプラスチック性の感触と外観を改良し、また、強力
を改良する観点から不織布と複合化させたものも使用さ
れいる。このほかにも更に種々の機能を付与するために
更に他のシートが挿入され、より多層になっているもの
も本発明の前述の長繊維不織布は、目的に応じてこれら
の吸収性物品の表カバー、サイドシート、ラウンドシー
ト、バックシートの一部(液体非透過性シートとの積層
など)、液体吸収層などに用いることができる。液体吸
収層に用いる場合には、例えば液体吸収層の中間に挿入
して熱接着することにより、液体吸収層の吸収特性を余
り阻害することなく、着用中の体重がかかった状態での
身体の動きにより応力がかかって液体吸収層が崩れるの
を防止する補強の作用を果たすことができる。そして、
これらの各部材の相互間は、必要な部分が適宜熱接着さ
れて固定されている。
【0057】尚、熱プレスや熱圧着は、使用部分にもよ
るが、通常多数の点接着ができる様な部分的な点接着が
好ましく採用される。以下図面を用いて、吸収性物品の
本発明による前記長繊維不織布が、吸収性物品のどの様
な部分に使用されるかその代表例を挙げて説明するが、
図示した吸収性物品の構造は一例であって、吸収性物品
がこの図示した構造のもののみに限定されると言う意味
ではない。
【0058】図1は使い捨ておむつの一例の肌側から見
た展開平面図であり、図2はそのX−X´部分の断面の
概略端面図、図3はそのY−Y´部分の断面の概略端面
図である。図1〜3において、1、1´は体液を吸収し
保持するための液体吸収層であり、特に限定するもので
はないが、例えばフラッフパルプなどのセルロース系繊
維、高吸水性樹脂、必要に応じ合成繊維の混合物などを
圧縮して固めたものなどからなっている。尚、液体吸収
層1、1´は、ティッシュペーパー(図示せず)などに
包み込まれている。本発明のこの態様では、液体吸収層
1、1´の間に本発明の長繊維不織布からなる補強層6
が挿入されて液体吸収層1、1´の間を熱接着し、液体
吸収層が、体重や身体の動きにより崩れない様な補強の
役割をしている。2はその表面側(肌に接する側)に配
置される液体透過性の表カバーである。この表カバー2
にも本発明の長繊維不織布が使用できる。そして3は液
体非透過性が要求されるバックシートである。このバッ
クシート3の裏側にバックシート積層物8として本発明
の長繊維不織布が積層されている。この様な吸収性物品
のバックシートに積層してプラスチックフィルムの冷た
い感触やプラスチック特有の外観を改良し、布様の暖か
みのある感触と外観を付与できると共にバックシートの
補強を行うことができる。
【0059】ラウンドシート4は必ずしも必要ではない
が、図2、図3においては液体吸収層1´とバックシー
ト3との間にラウンドシート4が設けられている例を図
示した。ラウンドシート4としても本発明の長繊維不織
布が使用できる。そして5、5´が前述した様に吸収性
物品が身体の動きによって所定の着用状態から位置がず
れたり、横向きに寝転んだりした場合に、吸収した体液
などの液体が漏れるのを防止するために吸収性物品の両
脇にサイドシート(使い捨ておむつなどの場合にはギャ
ザーが付与されている場合が多いのでサイドギャザーと
かレッグカフなどとも言われており、使い捨ておむつの
場合には、サイドシートは使い捨ておむつを着用した場
合に太もものつけね又は太ももを回って太ももを把持す
る様な位置に設けられている。)である。このサイドシ
ートにも本発明の長繊維不織布が使用できる。そして特
に図2、図3では図示していないが、図1の7として示
したウェスト位置の肌側に帯状にウェストギャザーなど
が設けられていても良い。本発明の長繊維不織布はウェ
ストギャザーにも使用できる。これらの各部材は、図面
では記載を省略しているが、適宜の部分が熱接着されて
いて、脱落しない様になっている。この熱接着が施され
る部材として本発明の長繊維不織布が使用されている場
合には、ホットメルト接着剤を使用しないで熱接着でき
る。そして本発明の長繊維不織布はその繊維素材に前述
した様に炭化水素系滑剤、また、更には無機物粉末など
が添加されているので、ぬめり感も軽減されており、風
合いの良好な吸収性物品が得られる。
【0060】尚、本発明の長繊維不織布が使用されてい
る部分は、上記で説明した部材全てに使用されていなく
てもよく、そのいずれか一つまたはそれ以上でもよい。
次に図4に生理用ナプキンの一例の肌側から見た展開平
面図を示し、また、図5にそのX−X´部分の断面の概
略端面図を示した。1、1´がティッシュペーパー(図
示せず)に包み込まれている液体吸収層、2がその表面
側(肌に接する側)に配置される液体透過性の表カバ
ー、3が液体非透過性が要求されるバックシートであ
る。そして5、5´がサイドシートである。そして本発
明のこの態様では、液体吸収層1、1´の間に本発明の
長繊維不織布からなる補強層6が挿入されて液体吸収層
1、1´の間を熱接着し、液体吸収層が、体重や身体の
動きにより崩れない様な補強の役割をしている。そして
バックシート3の裏側にバックシート積層物8として本
発明の長繊維不織布が積層され、また、サイドシート
5、5´にも、本発明の長繊維不織布が用いられてい
る。
【0061】これらの各部材は、図面では記載を省略し
ているが、適宜の部分が接着されていて、脱落しない様
になっている。この熱接着が必要な部材に本発明の長繊
維不織布が使用されている場合には、ホットメルト接着
剤を使用しないで熱接着できる。本発明の長繊維不織布
は前述した様にぬめり感も軽減されており、風合いの良
好な吸収性物品が得られる。
【0062】もちろん、本発明の長繊維不織布が使用さ
れている部分は、上記で説明した部材の全てに使用され
ていなくてもよく、そのいずれか一つまたはそれ以上で
よいことは、前述の場合と同様である。
【0063】本発明の長繊維不織布はぬめり感も軽減さ
れており、風合いの良好な吸収性物品が得られる。そし
て接合を必要とする部材に本発明の長繊維不織布が用い
られている場合には、ホットメルト接着剤を使用しなく
ても、容易に熱接着でき、したがって重量増加も少な
く、低コストの吸収性物品が得られる。
【0064】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて具体的に本発
明を説明するが、本発明はこれらの実施例に挙げられた
もののみに限定されるものではない。
【0065】実施例1〜13、比較例1〜4 表1は、エチレン−酢酸ビニル2元共重合体またはその
鹸化物あるいはこれと他の樹脂との混合樹脂(前記樹脂
と混合した樹脂は低密度ポリエチレンで表1中にはLD
PEと略記している。)と、表1に示した炭化水素系滑
剤、或いは炭化水素系滑剤及び無機物粉末との混合物を
第一成分として用意した。尚、表1中の炭化水素系滑剤
の種類は、記号で示してあり、それぞれ次のものを意味
する。a:天然パラフィン(融点57℃)、b:マイク
ロパラフィン(軟化点95℃)、c:合成パラフィン
(融点123℃)、d:ポリエチレンワックス(軟化点
105℃、数平均分子量1500)、e:ポリプロピレ
ンワックス(軟化点150℃、数平均分子量400
0)。
【0066】また、炭化水素系滑剤及び無機物粉末の表
1に示した添加率及び添加量は、先に定義した繊維中濃
度で示してある。従って第一成分中のみの炭化水素系滑
剤及び無機物粉末の濃度は表に示した濃度よりも高くな
る(第一成分中のみの炭化水素系滑剤ならびに無機物粉
末の濃度は、繊維中濃度と複合比から容易に計算し得
る。)。尚、実施例13のエチレン−酢酸ビニル2元共
重合体は鹸化されており、鹸化度は80%である。尚、
この場合の酢酸ビニル分率は、鹸化部分も含めた値であ
る。また、第二成分としては、同じく表1に示した性状
の結晶性熱可塑性樹脂を用意した。表1中PPはポリプ
ロピレン、PETはポリエチレンテレフタレートを示す
ものである。
【0067】これら樹脂組成物を、それぞれ個別の60
mmφ押出機に投入し、第一成分側が押出温度220℃
で、第二成分側は、ポリプロピレンの場合は押出温度2
50℃で、ポリエチレンテレフタレートの場合は押出温
度280℃で、押出機から押出た。
【0068】それぞれ第一成分、第二成分の複合比に応
じて両者のトータル量が2200cc/分の割合となる
様に押し出し(具体的には、第一成分(A)、第二成分
(B)の複合比A/Bが50/50の場合には第一成分
の押し出し割合は1100cc/分の割合、第二成分の
押し出し割合は1100cc/分の割合となる)、それ
ぞれ、表の複合様式の欄に記載した様な並列型、鞘芯型
あるいは鞘芯偏心型の紡糸口金を用いて溶融紡糸した。
紡糸口金は、孔径0.35mmの円形紡糸孔を口金の長
手方向に550個×3列で持つものを使用した。この紡
糸口金より吐出した繊維群をエアーサッカーに導入して
牽引延伸し、長繊維群を得た。続いて、エアーサッカー
より排出された長繊維群を、コロナ放電装置にて同電荷
を付与せしめ帯電させた後、一対の振動する羽根状の間
を通過させることで開繊した。開繊された長繊維群は裏
面に吸引装置を設けた無端コンベア上に、長繊維フリー
スとして捕集した。このときの長繊維の繊度は2.2d
/fとなるように繊維の種類に応じてエアーサッカーの
牽引延伸速度を適宜調整した。また、繊維中無機物の粉
末の濃度は表記載の通りであった。捕集した長繊維フリ
ースは、無端コンベアに載せられたまま搬送し、加熱さ
れた凹凸ロールと平滑ロールとで構成されたポイントボ
ンド加工機の加圧されたロール間に導入した。導入され
た長繊維フリースは、凹凸ロールの凸部に対応する区域
において第一成分が溶融または軟化して長繊維相互間が
熱融着された長繊維不織布が得られた。この長繊維不織
布の目付は28g/m2 となるように繊維の種類に応じ
て無端コンベア移動速度を50m/min.を基準にし
てその前後で調整した。なお、凹凸ロールの周速度は無
端コンベアの移動速度と同一にした。ロール間の線圧及
びロール温度の設定は、長繊維不織布の剛軟度(JIS
L 1096のA法の45°カンチレバー法に準拠、
但し試料の大きさは5cm×15cmとした。)の縦及
び横方向の値の平均値が30mm付近となるように適宜
設定した。
【0069】なお、実施例における全ての不織布化(長
繊維相互間の熱融着)は、官能試験時の条件合わせのた
めにポイントボンド法で行ったが、熱風加熱法、高圧水
流法、ニードルパンチ法、超音波加熱法などで行われて
も良く、これら不織布化法の複数の組み合わせであって
もかまわない。
【0070】また、第二成分としてポリプロピレンを用
いた場合にはMFR(メルトフローレート:JIS K
7210 表1の条件14にて測定)が35のものを
使用した。また、第二成分としてポリエチレンテレフタ
レートを使用した場合は、そのIV(極限粘度)値が
0.64のものを使用した。IV値の測定は、フェノー
ルと四塩化エタンの等重量混合物を溶媒として、20℃
で測定した。
【0071】尚、表1に記載した無機物粉末のうち、T
iO2 としてはルチル型二酸化チタンを用いた。また表
1中、複合比の欄の容積比A/Bは、Aが第一成分、B
が第二成分の数値を示しており、複合繊維全体で100
としている。
【0072】以上の如く得られた長繊維不織布の評価結
果を表2に示した。また、実施例1〜13で得られた本
発明の長繊維不織布を吸収性物品に使用し着用試験を実
施した。
【0073】(1)実施例1で得られた長繊維不織布を
使い捨ておむつの表カバー2として使用した。この時、
液体透過性を付与するために、ポリエチレングリコール
ジメチルラウレート(分子量400)50%、ポリエチ
レングリコールモノラウレート(分子量500)50%
で構成された親水性油剤を0.5重量%不織布に付着さ
せた。前記表カバーは、直鎖状低密度ポリエチレン製フ
ィルムからなるバックシートおよび液体吸収層を包んで
いるティッシュペーパーにヒートシールした。得られた
使い捨ておむつを着用試験したところ、風合いが良好
で、液漏れがなく、液体吸収層のズレもなく良好な吸収
性物品が得られた。
【0074】尚、ここで上記使い捨ておむつは、上述の
表カバー、フラッフパルプと高吸水性樹脂からなりティ
ッシュペーパーに包まれた液体吸収層、ポリプロピレン
製長繊維不織布のサイドシート、ポリプロピレン製長繊
維不織布のラウンドシート、直鎖状低密度ポリエチレン
製フィルムのバックシートからなるものである。
【0075】(2)実施例2で得られた長繊維不織布を
使い捨ておむつのサイドシートとして使用した。前記サ
イドシートは、ポリプロピレン製短繊維不織布の表カバ
ーおよびポリプロピレン製長繊維不織布のラウンドシー
トにヒートシールした。得られた使い捨ておむつを着用
試験したところ、風合いが良好で、液漏れがなく良好な
吸収性物品が得られた。
【0076】尚、ここで上記使い捨ておむつは、ポリプ
ロピレン製短繊維不織布の表カバー、フラッフパルプと
高吸水性樹脂からなりティッシュペーパーに包まれた液
体吸収層、上述のサイドギャザー、ポリプロピレン製長
繊維不織布のラウンドシート、直鎖状低密度ポリエチレ
ン製フィルムのバックシートからなるものである。
【0077】(3)実施例3で得られた長繊維不織布を
使い捨ておむつのラウンドシートとして使用した。前記
ラウンドシートは、ポリプロピレン製短繊維不織布の表
カバーにヒートシールした。得られた使い捨ておむつを
着用試験したところ、風合いが良好で、液漏れがなく良
好な吸収性物品が得られた。
【0078】尚、ここで上記使い捨ておむつは、ポリプ
ロピレン製短繊維不織布の表カバー、フラッフパルプと
高吸水性樹脂からなりティッシュペーパーに包まれた液
体吸収層、ポリプロピレン製長繊維不織布のサイドシー
ト、上述のラウンドシート、直鎖状低密度ポリエチレン
製フィルムのバックシートからなるものである。
【0079】(4)実施例4で得られた長繊維不織布を
使い捨ておむつのバックシート積層物として使用した。
前記バックシート積層物は、直鎖状低密度ポリエチレン
製フィルムにヒートシールした。得られた使い捨ておむ
つを着用試験したところ、風合いが良好で、外観が良好
な吸収性物品が得られた。
【0080】尚、ここで上記使い捨ておむつは、ポリプ
ロピレン製短繊維不織布の表カバー、フラッフパルプと
高吸水性樹脂からなりティッシュペーパーに包まれた液
体吸収層、ポリプロピレン製長繊維不織布のサイドシー
ト、ポリプロピレン製長繊維不織布のラウンドシート、
直鎖状低密度ポリエチレン製フィルムのバックシート及
び上述のバックシート積層物からなるものである。
【0081】(5)実施例5で得られた長繊維不織布を
使い捨ておむつのウエストギャザーとして使用した。前
記ウエストギャザーは、ポリプロピレン製長繊維不織布
のラウンドシートにヒートシールした。得られた使い捨
ておむつを着用試験したところ、風合いが良好で、液漏
れがなく良好な吸収性物品が得られた。
【0082】尚、ここで上記使い捨ておむつは、ポリプ
ロピレン製短繊維不織布の表カバー、フラッフパルプと
高吸水性樹脂からなりティッシュペーパーに包まれた液
体吸収層、ポリプロピレン製長繊維不織布のサイドシー
ト、ポリプロピレン製長繊維不織布のラウンドシート、
直鎖状低密度ポリエチレン製フィルムのバックシート及
び上述のウエストギャザーからなるものである。
【0083】(6)実施例6、7で得られた長繊維不織
布を使い捨ておむつの液体吸収層の一部として使用し
た。前記液体吸収層は、図2に示した様にフラッフパル
プと高吸水性樹脂からな液体吸収層1、1´の中間に前
記本発明の長繊維不織布を挿入しヒートシールした。そ
して得られた液体吸収層の外側をティッシュペーパーで
包んだ。得られた使い捨ておむつを着用試験したとこ
ろ、液体吸収層の崩れがなく、液漏れもなく良好な吸収
性物品が得られた。
【0084】尚、ここで上記使い捨ておむつは、ポリプ
ロピレン製短繊維不織布の表カバー、上述の液体吸収
層、ポリプロピレン製長繊維不織布のサイドシート、ポ
リプロピレン製長繊維不織布のラウンドシート、直鎖状
低密度ポリエチレン製フィルムのバックシートからなる
ものである。
【0085】(7)実施例8で得られた長繊維不織布を
生理用ナプキンの表カバーとして使用した。この時、液
体透過性を付与するために、ポリエチレングリコールジ
メチルラウレート(分子量400)50%、ポリエチレ
ングリコールモノラウレート(分子量500)50%で
構成された親水性油剤を0.5重量%不織布に付着させ
た。前記表カバーは、直鎖状低密度ポリエチレン製フィ
ルムのバックシートおよび液体吸収層を包んでいるティ
ッシュペーパーにヒートシールした。得られた生理用ナ
プキンを着用試験したところ、風合いが良好で、液漏れ
がなく、液体吸収層のズレもなく良好な吸収性物品が得
られた。
【0086】尚、ここで、上記生理用ナプキンは、上述
の表カバー、フラッフパルプと高吸水性樹脂からなりテ
ィッシュペーパーに包まれた液体吸収層、ポリプロピレ
ン製長繊維不織布のサイドシート、直鎖状低密度ポリエ
チレン製フィルムのバックシートからなるものである。
【0087】(8)実施例9で得られた長繊維不織布を
生理用ナプキンのサイドシートとして使用した。前記サ
イドシートは、ポリプロピレン製短繊維不織布の表カバ
ーにヒートシールした。得られた生理用ナプキンを着用
試験したところ、風合いが良好で、液漏れがなく、良好
な吸収性物品が得られた。
【0088】尚、ここで、上記生理用ナプキンは、ポリ
プロピレン製短繊維不織布の表カバー、フラッフパルプ
と高吸水性樹脂からなりティッシュペーパーに包まれた
液体吸収層、上述のサイドシート、直鎖状低密度ポリエ
チレン製フィルムのバックシートからなるものである。
【0089】(9)実施例10、11で得られた長繊維
不織布を生理用ナプキンのバックシート積層物として使
用した。前記バックシート積層物は、直鎖状低密度ポリ
エチレン製フィルムにヒートシールした。得られた生理
用ナプキンを着用試験したところ、風合いが良好で、外
観が良好な吸収性物品が得られた。
【0090】尚、ここで、上記生理用ナプキンは、ポリ
プロピレン製短繊維不織布の表カバー、フラッフパルプ
と高吸水性樹脂からなりティッシュペーパーに包まれた
液体吸収層、ポリプロピレン製長繊維不織布のサイドシ
ート、直鎖状低密度ポリエチレン製フィルムのバックシ
ート及び上述のバックシート積層物からなるものであ
る。
【0091】(10)実施例12、13で得られた長繊
維不織布を生理用ナプキンの液体吸収層の一部として使
用した。前記液体吸収層は、図4に示した様にフラッフ
パルプと高吸水性樹脂からな液体吸収層1、1´の中間
に前記本発明の長繊維不織布を挿入しヒートシールし
た。そして得られた液体吸収層の外側をティッシュペー
パーで包んだ。得られた生理用ナプキンを着用試験した
ところ、液体吸収層の崩れがなく、液漏れがなく良好な
吸収性物品が得られた。
【0092】尚、ここで、上記生理用ナプキンは、ポリ
プロピレン製短繊維不織布の表カバー、上述の液体吸収
層、ポリプロピレン製長繊維不織布のサイドシート、直
鎖状低密度ポリエチレン製フィルムのバックシートから
なるものである。
【0093】尚、本発明における各評価項目の測定法や
評価基準は次の通りである。 (引張強度):JIS L 1096に準拠し、テンシ
ロン引張試験を行い、縦及び横方向の引張強力を測定し
これを目付及び試料幅で割った値を縦及び横方向の引張
強度とした。これを(縦方向の引張強度×横方向の引張
強度)1/2 の式に代入し、引張強度として算出した。こ
こで縦方向とは長繊維が無端コンベアで搬送される、い
わゆる機械方向であり、横方向はこれに直交する方向を
言う。単位はkg/cm(g/m2 )で示してあるがカ
ッコ内の(g/m2 )の意味は不織布の単位目付当たり
に換算された値であることを意味するものである。
【0094】(長繊維不織布の均一性指数):5×5c
mのサンプルを不織布の横方向に5点等間隔にて採取
し、それぞれを1cm角に裁断し重量を測定した。これ
より、5点の試料それぞれについて((最大値)−(最
小値))/(平均値)を算出し、これらの平均値を求め
た。開繊斑や繊度斑の尺度として用いた。この値が小さ
いほど均一性が高く、80以下で均一性がよいと考えて
良い。
【0095】(風合い):モニター10人が、長繊維不
織布表面の手触りによる官能試験を行い、肌触りが良い
と感じたら1点/1人で加点した。 (紡糸性):溶融紡糸を3時間行い、糸切れの発生回数
を測定した。糸切れ回数が3回以下の時紡糸性は良好で
あると考えて良い。
【0096】(ヒートシール性<剥離強さ>)各実施
例、比較例で得られた試料(長繊維不織布)とポリプロ
ピレン長繊維不織布(目付20g/m2 )とをそれぞれ
10cm×2.5cmの大きさに切断した。これら試料
の四隅が揃うように重ね合わせ、その重ね合わせた試料
の短辺方向、つまり幅方向に細長いヒートシールを施
す。ヒートシールを施す位置は、重ね合わせた試料の短
辺の一端より長手方向に1cm内側に入った部分から2
cm内側迄の部分である。つまり試料の短辺の一端より
短辺と平行に1cm幅のヒートシールのない余白部分を
設け、その余白部分に隣接して短辺と平行に1cm幅の
ヒートシールを行った。ヒートシール条件は、温度12
0℃(上下とも)、3kg/cm2 ,3秒であり、ヒー
トシール装置として“ヒートシールテスター TP−7
01”(テスター産業株式会社製)を用いた。
【0097】上記操作によって得られた引張り試験用の
試料を、ヒートシールを施さなかった側の他端の短辺側
から開き、それぞれその端部を10cm間隔に設定した
テンシロン引張試験機(“RDM−100”株式会社オ
リエンテック製)のチャツク間に、捩れなどが生じない
ように固定した。剥離強さの測定は、引張り速度100
mm/分で測定し、剥離強さの計算方法はJIS L
1086-1983 に準拠した。
【0098】(融点、軟化点の測定)本発明において融
点の測定は、昇温速度10℃/分のDSC(示査走査熱
量測定)による吸熱ピーク曲線の吸熱ピークの頂点の温
度として測定できる。また、軟化点の測定はJIS K
2531に準拠する。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【発明の効果】
(1)本発明の長繊維不織布は、従来の長繊維不織布の
欠点を改良し、高接着性、低温接着性が良好で、得られ
る長繊維不織布の柔軟性や肌触り等の風合い、不織布の
均一性に優れ、しかも紡糸性などの操業性も良好な複合
繊維からなる長繊維不織布を提供でき、その工業的価値
は極めて大きい。すなわち、少なくとも低融点または低
軟化点成分である第一成分へ炭化水素系滑剤を添加する
ことにより、炭化水素系滑剤が繊維表面へ露出し、薄膜
を形成することで繊維表面を平滑にし、紡糸中に繊維相
互間が粘着することを防止できるので、糸切れなどを減
少させ、操業性を良好にし、しかも炭化水素系滑剤の添
加によっても第一成分の樹脂成分の結晶化温度の上昇は
ほとんど起こらず、結晶化度の増加も著しく小さく、ま
たその内部滑性によって第一成分の樹脂成分の流動性も
よく、従って、低融点または低軟化点のエチレン−酢酸
ビニル共重合体またはその鹸化物を含有する樹脂成分の
柔軟性や高接着性、低温接着性等の特徴を十分に発揮
し、柔軟性や肌触り等の風合いが良好かつ他部材との接
着性に優れる長繊維不織布を提供できる。
【0102】(2)前記本発明の長繊維不織布におい
て、少なくとも第一成分に、更に無機物粉末を含有し、
前記無機物粉末の含有率が繊維中濃度にして500〜5
0000重量ppmである本発明の好ましい態様とする
ことにより、糸条が結晶化し固化するまでの時間或いは
距離(固化長)が特に長くなることもなく、無機物粉末
の添加により、無機物粉末が繊維表面に露出し、繊維表
面へ微細な凹凸を付与でき、繊維相互間の接触面積が減
少し紡糸中に繊維相互間が粘着することを防止できるの
で、炭化水素系滑剤との併用によって、さらに糸切れな
どが生じにくく紡糸性を向上させることができ、より好
ましい。
【0103】(3)また本発明の長繊維不織布に於い
て、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはその鹸化物の
組成が酢酸ビニル及びその鹸化物の分率にして5〜40
重量%である好ましい態様にすることにより、共重合体
の融点が余りに低すぎることがなく、熱安定性も良好で
変質、熱劣化などが生じる事なく溶融紡糸することがで
き、また、他の異質素材との熱接着性に優れるものとな
る。また、共重合体特有の柔らかさを良好に発揮出来、
また、繊維表面に炭化水素系滑剤の膜が形成されたり、
更に無機物粉末を含有する場合には、無機物粉末が露出
し繊維表面に微細な凹凸を付与することにより、複合長
繊維が束になりにくくなり、繊度斑が小さく開繊性に優
れ、糸切れなどが生じにくく紡糸性を向上させることが
でき好ましい。
【0104】(4)また、本発明の長繊維不織布に於い
て、第一成分を構成する樹脂成分中におけるエチレン−
酢酸ビニル共重合体またはその鹸化物の含有率が5重量
%以上の好ましい態様にすることにより低温接着性およ
び他の異質素材との熱接着性が安定して発揮でき好まし
い。また、共重合体特有の柔らかさを良好に発揮でき、
風合の優れた長繊維不織布を提供できるので好ましい。
【0105】(5)また、本発明の長繊維不織布に於い
て、第一成分の樹脂成分が、エチレン−酢酸ビニル共重
合体またはその鹸化物とポリエチレンとの混合物である
好ましい態様にすることにより、ポリエチレンを併用す
ることにより、溶融紡糸中における前述したエアーサッ
カーなどの金属との摩擦をより低減し、繊維間の接着を
より好適に防止でき好ましい。
【0106】(6)また、本発明の長繊維不織布におい
て、炭化水素系滑剤の融点または軟化点が、50〜15
5℃である本発明の好ましい態様とすることにより、炭
化水素系滑剤の融点または軟化点が余りに低過ぎてその
内部滑性によって流動性が向上した第一成分は溶融紡糸
における固化長がより長くなり、滑剤による表面平滑化
の効果よりもこれが大きく影響するために、糸条が今だ
溶融状態で接触する確率を高くし、操業性が悪くなると
言うこともなく、また、炭化水素系滑剤の融点または軟
化点が余りに高過ぎて得られる長繊維の第一成分の樹脂
成分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体またはその鹸
化物を含有する樹脂成分の軟化点または融点を高くし、
柔軟性や高接着性、低温接着性などの特徴を十分発揮で
きなくなると言う問題もなく、炭化水素系滑剤の前述し
た添加効果が十分に発揮され好ましい。
【0107】(7)また、前記本発明の長繊維不織布に
おいて、炭化水素系滑剤が、天然パラフィン、マイクロ
パラフィン、合成パラフィン、ポリエチレンワックス及
びポリプロピレンワックスからなる群から選ばれた少な
くとも1種の炭化水素系滑剤である本発明の好ましい態
様とすることにより、生産時や焼却時に有毒ガスの発生
もなく、また、第一成分の樹脂成分であるエチレン−酢
酸ビニル共重合体またはその鹸化物を含有する樹脂成分
とのなじみもよく、混合しやすく好ましい。
【0108】(8)また、本発明の長繊維不織布に於い
て、無機物粉末の粒子径が、平均粒子径で0.04〜2
μmである本発明の好ましい態様とすることにより、こ
の範囲の平均粒子径の無機物粉末は、より小さい粒子径
のものに比べてコストの上昇が少なく、無機物粉末の2
次凝集を起こしたり、フィルターや紡糸ノズルの目詰ま
りが生じたり、糸切れが発生して操業性が低下すること
もなく、また、より粒子径が大きい無機物粉末を使用す
る場合に比べて、無機物粉末の分散性が不良になった
り、フィルターや紡糸ノズルの目詰まりが生じたり、糸
切れが発生して操業性が低下する恐れもなく、前記効果
を十分に達成でき好ましい。
【0109】(9)また、本発明の長繊維不織布に於い
て、無機物粉末が、二酸化チタン、シリカ、ミョウバ
ン、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウ
ム、タルクから選ばれた少なくとも1種の無機粉末であ
る本発明の好ましい態様とすることにより、これらの無
機物粉末は造核作用が比較的小さく、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体またはその鹸化物を含有する第一成分の樹
脂成分の結晶化温度の上昇はほとんど起こらず、結晶化
度の増加も著しく小さく、従って、第一成分である低融
点または低軟化点の前記樹脂の柔軟性や高接着性、低温
接着性等の特徴をより損ないにくく、柔軟性や肌触り等
の風合いが良好でかつ他部材との接着性に優れる長繊維
不織布が得られ好ましい。
【0110】(10)また、本発明の長繊維不織布に於
いて、第二成分の結晶性熱可塑性樹脂がポリプロピレン
である本発明の好ましい態様とすることにより、比較的
柔軟な長繊維不織布を得ることができ好ましい。
【0111】(11)また、本発明の長繊維不織布に於
いて、第二成分の結晶性熱可塑性樹脂がポリエチレンテ
レフタレートである本発明の好ましい態様とすることに
より、より強力が大きく、また、捲縮を発現させた時の
弾力性(クッション性)のより優れた長繊維不織布を得
ることができ好ましい。
【0112】(12)また、本発明の長繊維不織布に於
いて、長繊維不織布がスパンボンド法により得られた長
繊維不織布である本発明の好ましい態様とすることによ
り、引張強度等の機械的性質に優れている不織布が容易
に得られ、また、溶融紡糸して得られた長繊維を、その
まま開繊及び集積して不織布が得られるため生産性が非
常に優れ好ましいと共に、スパンボンド法により上述し
た作用効果が特に効果的に発揮され、スパンボンド法に
より得られた複合長繊維不織布の従来の欠点を効果的に
改良することができ好ましい。
【0113】(13)また、本発明の吸収性物品は、そ
の一部に本発明の熱接着性の優れた長繊維不織布を用い
ることにより、柔軟性や風合を低下させず、重量アップ
が軽減され、コストも安くでき、用いた部材の他部材と
の熱接着性が良好で、肌に触れてもぬめり感の軽減され
た吸収性物品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の長繊維不織布を一部に用いた使い捨て
おむつの一例の肌側から見た展開平面図。
【図2】図1のX−X´部分の断面の概略端面図。
【図3】図1のY−Y´部分の断面の概略端面図。
【図4】本発明の長繊維不織布を一部に用いた生理用ナ
プキンの一例の肌側から見た展開平面図。
【図5】図4のX−X´部分の断面の概略端面図。
【符号の説明】
1、1´ 液体吸収層 2 表カバー 3 バックシート 4 ラウンドシート 5、5´ サイドシート 6 補強層 7、7´ ウェストギャザー 8 バックシート積層物

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−酢酸ビニル共重合体またはそ
    の鹸化物を含有し、かつ繊維表面の少なくとも一部を繊
    維の長さ方向に形成している第一成分と、第一成分より
    も高融点の結晶性熱可塑性樹脂を第二成分とした熱融着
    性複合長繊維からなり、少なくとも第一成分中に炭化水
    素系滑剤を含有し、前記炭化水素系滑剤の含有率が繊維
    中濃度にして2〜20重量%であることを特徴とする長
    繊維不織布。
  2. 【請求項2】 少なくとも第一成分に、更に無機物粉末
    を含有し、前記無機物粉末の含有率が繊維中濃度にして
    500〜50000重量ppmである請求項1に記載の
    長繊維不織布。
  3. 【請求項3】 エチレン−酢酸ビニル共重合体またはそ
    の鹸化物の組成が酢酸ビニル及びその鹸化物の分率にし
    て5〜40重量%である請求項1または2のいずれかに
    記載の長繊維不織布。
  4. 【請求項4】 第一成分を構成する樹脂成分におけるエ
    チレン−酢酸ビニル共重合体またはその鹸化物の含有率
    が5重量%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の
    長繊維不織布。
  5. 【請求項5】 第一成分の樹脂成分がエチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体またはその鹸化物とポリエチレンとの混合
    物である請求項1〜4のいずれかに記載の長繊維不織
    布。
  6. 【請求項6】 炭化水素系滑剤の融点または軟化点が、
    50〜155℃である請求項1〜5のいずれかに記載の
    長繊維不織布。
  7. 【請求項7】 炭化水素系滑剤が、天然パラフィン、マ
    イクロパラフィン、合成パラフィン、ポリエチレンワッ
    クス及びポリプロピレンワックスからなる群から選ばれ
    た少なくとも1種の炭化水素系滑剤である請求項1〜6
    のいずれかに記載の長繊維不織布。
  8. 【請求項8】 無機物粉末の粒子径が、平均粒子径で
    0.04〜2μmである請求項1〜7のいずれかに記載
    の長繊維不織布。
  9. 【請求項9】 無機物粉末が、二酸化チタン、シリカ、
    ミョウバン、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化マ
    グネシウム、タルクから選ばれた少なくとも1種の無機
    粉末である請求項1〜8のいずれかに記載の長繊維不織
    布。
  10. 【請求項10】 第二成分の結晶性熱可塑性樹脂がポリ
    プロピレンである請求項1〜9のいずれかに記載の長繊
    維不織布。
  11. 【請求項11】 第二成分の結晶性熱可塑性樹脂がポリ
    エチレンテレフタレートである請求項1〜9のいずれか
    に記載の長繊維不織布。
  12. 【請求項12】 長繊維不織布がスパンボンド法により
    得られた長繊維不織布である請求項1〜11のいずれか
    に記載の長繊維不織布。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の長
    繊維不織布を一部に用いた吸収性物品。
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