JPH10168686A - 防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊維及びその製造方法並びにそのポリオレフィン捲縮繊維を用いた防ダニ性カーペット - Google Patents
防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊維及びその製造方法並びにそのポリオレフィン捲縮繊維を用いた防ダニ性カーペットInfo
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- JPH10168686A JPH10168686A JP33765796A JP33765796A JPH10168686A JP H10168686 A JPH10168686 A JP H10168686A JP 33765796 A JP33765796 A JP 33765796A JP 33765796 A JP33765796 A JP 33765796A JP H10168686 A JPH10168686 A JP H10168686A
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 安全で、使用、洗濯等により防ダニ性能が低
下せず、かつ防ダニ効果を高める繊維形状とカーペット
素材として好適な嵩高性を有する防ダニ性ポリオレフィ
ン繊維を提供し、また、その繊維を用いた防ダニ性カー
ペットを提供する。 【解決手段】テルペンまたは更に二塩基酸アルキルエス
テルからなる防虫剤が1〜10重量%配合されたポリオ
レフィンからなり、紡糸後の延伸、ホットエアー加工に
より製造された防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊維、並び
にその繊維を用いて防ダニ性カーペットとする。
下せず、かつ防ダニ効果を高める繊維形状とカーペット
素材として好適な嵩高性を有する防ダニ性ポリオレフィ
ン繊維を提供し、また、その繊維を用いた防ダニ性カー
ペットを提供する。 【解決手段】テルペンまたは更に二塩基酸アルキルエス
テルからなる防虫剤が1〜10重量%配合されたポリオ
レフィンからなり、紡糸後の延伸、ホットエアー加工に
より製造された防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊維、並び
にその繊維を用いて防ダニ性カーペットとする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防ダニ性ポリオレ
フィン捲縮繊維及びその製造方法並びにその防ダニ性ポ
リオレフィン捲縮繊維を用いてなる防ダニ性カーペット
関する。
フィン捲縮繊維及びその製造方法並びにその防ダニ性ポ
リオレフィン捲縮繊維を用いてなる防ダニ性カーペット
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生活の洋式化、住居での暖房効率
向上等からカーペットの使用が多くなるに伴い、室内塵
性ダニの発生が問題となっている。カーペット内にいる
塵性ダニの駆除方法としては、主として衛生害虫用の薬
剤をダニが生息しているカーペットに噴霧、塗布する方
法や衛生害虫用の薬剤を付着させた紙やシートをカーペ
ットの下に敷いてダニ駆除する方法が一般的に知られて
いる。また、後加工処理等で薬剤をカーペットに付与す
る防ダニカーペットの製造方法も提案されている。
向上等からカーペットの使用が多くなるに伴い、室内塵
性ダニの発生が問題となっている。カーペット内にいる
塵性ダニの駆除方法としては、主として衛生害虫用の薬
剤をダニが生息しているカーペットに噴霧、塗布する方
法や衛生害虫用の薬剤を付着させた紙やシートをカーペ
ットの下に敷いてダニ駆除する方法が一般的に知られて
いる。また、後加工処理等で薬剤をカーペットに付与す
る防ダニカーペットの製造方法も提案されている。
【0003】しかしながら、前記方法には、(1)効果
が短期間であるので繰り返し処理する必要がある、
(2)悪臭や刺激臭がある、(3)多量の薬剤を使用し
ないと効果が確実でない、(4)人体又は動物が直接触
れる物体には薬剤処理ができない、(5)一般家庭では
日常手軽に薬剤処理ができない、(6)後加工法では洗
濯等の処理で容易に効果が減失する、等の問題点があ
る。
が短期間であるので繰り返し処理する必要がある、
(2)悪臭や刺激臭がある、(3)多量の薬剤を使用し
ないと効果が確実でない、(4)人体又は動物が直接触
れる物体には薬剤処理ができない、(5)一般家庭では
日常手軽に薬剤処理ができない、(6)後加工法では洗
濯等の処理で容易に効果が減失する、等の問題点があ
る。
【0004】また、防虫剤或いは防ダニ剤として、有機
リン酸、ジアルキルフタレート等の有機物質や、オルト
硼酸、硼酸ソーダ、8硼酸ナトリウム4水和物等の無機
系の硼素化合物も使用され、これらの物質を粉体のまま
散布したり、繊維に担持させた防虫カーペットも知られ
ている。しかしながら、かかる防ダニ効果のある有機物
質は、毒性が強いため、多量に使用すると人体に対する
悪影響が懸念される。一方、無機系の硼素化合物は、毒
性の問題はないものの、水溶性であるため短期間で薬効
が失なわれるという問題がある。
リン酸、ジアルキルフタレート等の有機物質や、オルト
硼酸、硼酸ソーダ、8硼酸ナトリウム4水和物等の無機
系の硼素化合物も使用され、これらの物質を粉体のまま
散布したり、繊維に担持させた防虫カーペットも知られ
ている。しかしながら、かかる防ダニ効果のある有機物
質は、毒性が強いため、多量に使用すると人体に対する
悪影響が懸念される。一方、無機系の硼素化合物は、毒
性の問題はないものの、水溶性であるため短期間で薬効
が失なわれるという問題がある。
【0005】また、特開平5−271023号公報に開
示されているような防虫処理が施されている防虫カーペ
ット、特開平5−320015号公報に開示されている
ような硼酸ガラスの粉末を繊維内に分散させた防虫寝具
等もある。しかし前者は、防虫剤をバインダー中に混合
し、カーペットのパイルをディッピングし防虫カーペッ
トを得る方法であり、後者は、硼酸ガラス粉末を10重
量%ポリマーに含有させ延伸し防虫繊維を得る方法であ
り、高濃度のため繊維強度の低い繊維しか得られない。
また、特開平6−123004号公報に開示の微放射性
鉱物粉体が混合されるか、被覆されている防虫性材料
は、カーペット生機の裏面のバッキング剤に微放射性鉱
物粉体を配合し防虫性材料を得る方法である。
示されているような防虫処理が施されている防虫カーペ
ット、特開平5−320015号公報に開示されている
ような硼酸ガラスの粉末を繊維内に分散させた防虫寝具
等もある。しかし前者は、防虫剤をバインダー中に混合
し、カーペットのパイルをディッピングし防虫カーペッ
トを得る方法であり、後者は、硼酸ガラス粉末を10重
量%ポリマーに含有させ延伸し防虫繊維を得る方法であ
り、高濃度のため繊維強度の低い繊維しか得られない。
また、特開平6−123004号公報に開示の微放射性
鉱物粉体が混合されるか、被覆されている防虫性材料
は、カーペット生機の裏面のバッキング剤に微放射性鉱
物粉体を配合し防虫性材料を得る方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のような問題点に鑑み、後加工ではなく、繊維内に防ダ
ニに有効な薬剤成分を練り込んだことにより、安全で、
使用、洗濯等により防ダニ性能が低下せず、かつ防ダニ
効果を高める繊維形状とカーペット素材として好適な嵩
高性を有する防ダニ性ポリオレフィン繊維を提供するこ
とにあり、また、その防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊維
を用いた防ダニ性カーペットを提供することにある。
のような問題点に鑑み、後加工ではなく、繊維内に防ダ
ニに有効な薬剤成分を練り込んだことにより、安全で、
使用、洗濯等により防ダニ性能が低下せず、かつ防ダニ
効果を高める繊維形状とカーペット素材として好適な嵩
高性を有する防ダニ性ポリオレフィン繊維を提供するこ
とにあり、また、その防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊維
を用いた防ダニ性カーペットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、テルペンまた
は更に下記一般式[1]で示される二塩基酸アルキルエ
ステルからなる防虫剤が1〜10重量%配合されたポリ
オレフィンからなることを特徴とする防ダニ性ポリオレ
フィン捲縮繊維、 R1OOC(CH2)nCOOR2 [1] (式中、R1、R2は炭素数1〜8のアルキル基、nは5
〜12の整数を示す)
は更に下記一般式[1]で示される二塩基酸アルキルエ
ステルからなる防虫剤が1〜10重量%配合されたポリ
オレフィンからなることを特徴とする防ダニ性ポリオレ
フィン捲縮繊維、 R1OOC(CH2)nCOOR2 [1] (式中、R1、R2は炭素数1〜8のアルキル基、nは5
〜12の整数を示す)
【0008】及び、テルペンまたは更に下記一般式
[1]で示される二塩基酸アルキルエステルからなる防
虫剤を1〜10重量%配合したポリオレフィンを、溶融
紡糸した後、延伸倍率2〜7倍の範囲で延伸を行い、引
き続き熱風温度110〜150℃、緩和率20%以上の
条件下でホットエアー加工することを特徴とする防ダニ
性ポリオレフィン捲縮繊維の製造方法、 R1OOC(CH2)nCOOR2 [1] (式中、R1、R2は炭素数1〜8のアルキル基、nは5
〜12の整数を示す)
[1]で示される二塩基酸アルキルエステルからなる防
虫剤を1〜10重量%配合したポリオレフィンを、溶融
紡糸した後、延伸倍率2〜7倍の範囲で延伸を行い、引
き続き熱風温度110〜150℃、緩和率20%以上の
条件下でホットエアー加工することを特徴とする防ダニ
性ポリオレフィン捲縮繊維の製造方法、 R1OOC(CH2)nCOOR2 [1] (式中、R1、R2は炭素数1〜8のアルキル基、nは5
〜12の整数を示す)
【0009】並びに、前記防ダニ性ポリオレフィン捲縮
繊維を用いて構成され、該ポリオレフィン捲縮繊維中の
防虫剤がカーペット全体に対して0.3重量%以上含ま
れたことを特徴とする防ダニ性カーペット、にある。
繊維を用いて構成され、該ポリオレフィン捲縮繊維中の
防虫剤がカーペット全体に対して0.3重量%以上含ま
れたことを特徴とする防ダニ性カーペット、にある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の防ダニ性ポリオレフィン
捲縮繊維の基材ポリマーとなるポリオレフィンとして
は、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられが、ポ
リプロピレンであることことが好ましく、特にメルトフ
ローレートが10〜50g/10分(230℃で測定)
のポリプロピレンであることが好ましく、また、基材ポ
リマーは、ポリオレフィンを主体とし、ポリアミド、ポ
リエステル、他のポリオレフィン等が含まれるものであ
ってもよい。
捲縮繊維の基材ポリマーとなるポリオレフィンとして
は、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられが、ポ
リプロピレンであることことが好ましく、特にメルトフ
ローレートが10〜50g/10分(230℃で測定)
のポリプロピレンであることが好ましく、また、基材ポ
リマーは、ポリオレフィンを主体とし、ポリアミド、ポ
リエステル、他のポリオレフィン等が含まれるものであ
ってもよい。
【0011】本発明において、ポリオレフィンに配合さ
れる防虫剤は、テルペンのみから構成されていてもよい
し、または更に前記一般式[1]で示される二塩基酸飽
和アルキルエステルを含んで構成されていてもよい。
れる防虫剤は、テルペンのみから構成されていてもよい
し、または更に前記一般式[1]で示される二塩基酸飽
和アルキルエステルを含んで構成されていてもよい。
【0012】テルペンは、(C5H8)n(但し、n≧
2)で示される炭化水素及びそれから導かれる含酸素化
合物、不飽和度を異にする化合物であり、好ましくはテ
ルペン炭化水素であり、具体的には、モノテルペン(C
10H16)、セスキテルペン(C15H24)、ジテルペン
(C20H32)、セスタテルペン(C25H40)、トリテル
ペン(C30H48)、テトラテルペン(C40H64)やポリ
テルペンが挙げられ、特にポリテルペンであることが好
ましい。これらテルペンは、単独或いは混合物であって
もよい。
2)で示される炭化水素及びそれから導かれる含酸素化
合物、不飽和度を異にする化合物であり、好ましくはテ
ルペン炭化水素であり、具体的には、モノテルペン(C
10H16)、セスキテルペン(C15H24)、ジテルペン
(C20H32)、セスタテルペン(C25H40)、トリテル
ペン(C30H48)、テトラテルペン(C40H64)やポリ
テルペンが挙げられ、特にポリテルペンであることが好
ましい。これらテルペンは、単独或いは混合物であって
もよい。
【0013】また、前記一般式[1]で示される二塩基
酸アルキルエステルは、テルペンによる防ダニ性に使
用、洗濯等に対してのより耐久性を付与するものであ
り、二塩基酸アルキルエステルとしては、具体的には、
ヘプタン二酸(=ピメリン酸)、オクタン二酸(=スベ
リン酸)、ノナン二酸(=アゼライン酸)、デカン二酸
(=セバシン酸)、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ト
リデカン二酸、テトラデカン二酸のジメチル、ジエチ
ル、ジブチル、ジヘキシル、ジオクチル等のジアルキル
エステルが挙げられ、これらは単独或いは混合物であっ
てもよい。防虫剤に二塩基酸アルキルエステルを含む場
合は、その量が重量比でテルペンの0.2〜1.5倍の
範囲とすることが好ましい。
酸アルキルエステルは、テルペンによる防ダニ性に使
用、洗濯等に対してのより耐久性を付与するものであ
り、二塩基酸アルキルエステルとしては、具体的には、
ヘプタン二酸(=ピメリン酸)、オクタン二酸(=スベ
リン酸)、ノナン二酸(=アゼライン酸)、デカン二酸
(=セバシン酸)、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ト
リデカン二酸、テトラデカン二酸のジメチル、ジエチ
ル、ジブチル、ジヘキシル、ジオクチル等のジアルキル
エステルが挙げられ、これらは単独或いは混合物であっ
てもよい。防虫剤に二塩基酸アルキルエステルを含む場
合は、その量が重量比でテルペンの0.2〜1.5倍の
範囲とすることが好ましい。
【0014】防虫剤は、ポリオレフィンに1〜10重量
%、好ましくは1.5〜7重量%配合される。防虫剤の
配合量が1重量%未満では、防ダニ効果、すなわちダニ
忌避効果が不十分であり、また、10重量%を超える
と、溶融紡糸による繊維形成時の糸切れにより繊維自体
得ることが困難である。
%、好ましくは1.5〜7重量%配合される。防虫剤の
配合量が1重量%未満では、防ダニ効果、すなわちダニ
忌避効果が不十分であり、また、10重量%を超える
と、溶融紡糸による繊維形成時の糸切れにより繊維自体
得ることが困難である。
【0015】本発明の防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊維
は、繊維の単一構造の基材ポリマーのポリオレフィンに
防虫剤が均一に配合されていてもよいし、また、繊維の
構造を鞘芯構造とし、鞘部をポリオレフィン或いはポリ
アミド、ポリエステル若しくは他のポリオレフィン等と
して、芯部のポリオレフィンに防虫剤が配合されていて
もよい。繊維が鞘芯構造であるときは、芯部に防虫剤を
高配合量に配合することができる。また、繊維の断面形
状は、円形断面であってもよいが、より高い防ダニ効果
を得るためには繊維の表面積の大きいことが好ましく、
Y字、三角等の異型断面であることが好ましい。
は、繊維の単一構造の基材ポリマーのポリオレフィンに
防虫剤が均一に配合されていてもよいし、また、繊維の
構造を鞘芯構造とし、鞘部をポリオレフィン或いはポリ
アミド、ポリエステル若しくは他のポリオレフィン等と
して、芯部のポリオレフィンに防虫剤が配合されていて
もよい。繊維が鞘芯構造であるときは、芯部に防虫剤を
高配合量に配合することができる。また、繊維の断面形
状は、円形断面であってもよいが、より高い防ダニ効果
を得るためには繊維の表面積の大きいことが好ましく、
Y字、三角等の異型断面であることが好ましい。
【0016】本発明の防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊維
は、嵩高性が6cm3/g以上、忌避率が70%以上で
あり、開繊性の良好な優れた嵩高性と共に優れた防ダニ
性を有する。
は、嵩高性が6cm3/g以上、忌避率が70%以上で
あり、開繊性の良好な優れた嵩高性と共に優れた防ダニ
性を有する。
【0017】本発明の防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊維
は、以下に説明する製造方法により製造される。すなわ
ち、本発明の防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊維は、テル
ペンまたは更に前記一般式[1]で示される二塩基酸ア
ルキルエステルからなる防虫剤を1〜10重量%ポリオ
レフィンに配合し、防虫剤を配合したポリオレフィン
を、溶融紡糸した後、延伸倍率2〜7倍の範囲で延伸を
行い、引き続き、熱風温度110〜150℃、緩和率2
0%以上の条件下でホットエアー加工することにより製
造される。
は、以下に説明する製造方法により製造される。すなわ
ち、本発明の防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊維は、テル
ペンまたは更に前記一般式[1]で示される二塩基酸ア
ルキルエステルからなる防虫剤を1〜10重量%ポリオ
レフィンに配合し、防虫剤を配合したポリオレフィン
を、溶融紡糸した後、延伸倍率2〜7倍の範囲で延伸を
行い、引き続き、熱風温度110〜150℃、緩和率2
0%以上の条件下でホットエアー加工することにより製
造される。
【0018】ポリオレフィンとしては、ポリプロピレ
ン、特にメルトフローレートが10〜50g/10分
(230℃で測定)のポリプロピレンが好ましく用いら
れ、メルトフローレートが10g/10分未満である
と、溶融紡糸温度を高温に設定せねばならず、高温では
防虫剤の変質を招き満足すべき防ダニ性能が得られず、
また紡糸口金部の圧力上昇が速く紡糸口金の寿命を縮め
るだけでなく製糸安定性が不良となり、メルトフローレ
ートが50g/10分を超えると断面斑が発生し製糸安
定性が悪化する。
ン、特にメルトフローレートが10〜50g/10分
(230℃で測定)のポリプロピレンが好ましく用いら
れ、メルトフローレートが10g/10分未満である
と、溶融紡糸温度を高温に設定せねばならず、高温では
防虫剤の変質を招き満足すべき防ダニ性能が得られず、
また紡糸口金部の圧力上昇が速く紡糸口金の寿命を縮め
るだけでなく製糸安定性が不良となり、メルトフローレ
ートが50g/10分を超えると断面斑が発生し製糸安
定性が悪化する。
【0019】防虫剤は、ポリオレフィンに対し1〜10
重量%、好ましくは1.5〜10重量%配合する。ポリ
オレフィンへの防虫剤の配合は、ポリオレフィンの溶融
紡糸以前の工程で行われるが、その配合方法について
は、特に制限はなく、高濃度の防虫剤をポリオレフィン
に添加してマスターバッチとし、防虫剤無添加のポリオ
レフィンで防虫剤を所定量の配合量となるよう希釈して
もよい。また、ポリオレフィンには、熱安定剤、耐候性
安定剤、滑剤、染顔料、帯電防止剤、難燃剤等の添加剤
を適宜配合してもよい。
重量%、好ましくは1.5〜10重量%配合する。ポリ
オレフィンへの防虫剤の配合は、ポリオレフィンの溶融
紡糸以前の工程で行われるが、その配合方法について
は、特に制限はなく、高濃度の防虫剤をポリオレフィン
に添加してマスターバッチとし、防虫剤無添加のポリオ
レフィンで防虫剤を所定量の配合量となるよう希釈して
もよい。また、ポリオレフィンには、熱安定剤、耐候性
安定剤、滑剤、染顔料、帯電防止剤、難燃剤等の添加剤
を適宜配合してもよい。
【0020】防虫剤の配合されたポリオレフィンの溶融
紡糸には、公知の任意の溶融紡糸法が採用され、繊維を
単一構造とするときは、通常の紡糸法が、また繊維を鞘
芯構造とするときは、鞘芯複合紡糸法等が用いられる。
また、繊維の断面形状を円形断面、異型断面とするとき
は、それぞれ円形ノズル、異型ノズルを用いた溶融紡糸
法が採用されるが、より高い防ダニ効果を得るためには
繊維の表面積を大きくすることが好ましく、Y字形、三
角形等の異型ノズルを用いることが好ましい。
紡糸には、公知の任意の溶融紡糸法が採用され、繊維を
単一構造とするときは、通常の紡糸法が、また繊維を鞘
芯構造とするときは、鞘芯複合紡糸法等が用いられる。
また、繊維の断面形状を円形断面、異型断面とするとき
は、それぞれ円形ノズル、異型ノズルを用いた溶融紡糸
法が採用されるが、より高い防ダニ効果を得るためには
繊維の表面積を大きくすることが好ましく、Y字形、三
角形等の異型ノズルを用いることが好ましい。
【0021】溶融紡糸後の未延伸糸は、延伸倍率2〜7
倍の範囲で延伸が行われるが、延伸倍率が2倍未満で
は、繊維強度が低下し、7倍を超えると、製糸安定性が
低下する。
倍の範囲で延伸が行われるが、延伸倍率が2倍未満で
は、繊維強度が低下し、7倍を超えると、製糸安定性が
低下する。
【0022】延伸に引き続き行われるホットエアー加工
は、熱風によって捲縮を付与する捲縮加工であり、ホッ
トエアー加工には、図1に示すような熱風を噴射するフ
ィードノズルを備えた熱風導入室、熱風を排気する筒体
全体に放射状のスリットのある円筒状の捲縮ノズルを備
えた捲縮室及び捲縮定着室を順次配置した捲縮付与装置
が用いられる。なお、捲縮ノズルにおけるスリットは孔
であってもよい。図1中、aは延伸糸、1は糸条案内
管、2は熱風導入室、3は熱風フィードノズル、4は捲
縮室、5は捲縮ノズル、6は捲縮定着室、7は熱風導入
口、8は熱風排気口、bは捲縮糸を示す。
は、熱風によって捲縮を付与する捲縮加工であり、ホッ
トエアー加工には、図1に示すような熱風を噴射するフ
ィードノズルを備えた熱風導入室、熱風を排気する筒体
全体に放射状のスリットのある円筒状の捲縮ノズルを備
えた捲縮室及び捲縮定着室を順次配置した捲縮付与装置
が用いられる。なお、捲縮ノズルにおけるスリットは孔
であってもよい。図1中、aは延伸糸、1は糸条案内
管、2は熱風導入室、3は熱風フィードノズル、4は捲
縮室、5は捲縮ノズル、6は捲縮定着室、7は熱風導入
口、8は熱風排気口、bは捲縮糸を示す。
【0023】図1において、延伸糸aは、糸条入口の近
傍の熱風導入室2にて糸条案内管1の側壁の熱風フィー
ドノズル3から糸条の走行方向とほぼ同方向の斜め方向
に温度110〜150℃の熱風が熱風圧3〜5kg/c
m2で噴射され、加熱された状態で捲縮室4に送られ、
捲縮室4にて、図2に示すように、糸条の走行路に対し
てほぼ直角にかつ筒体全体に放射状に熱風のみを排気す
るスリット5aを走行路の筒体側壁に有する円筒状の捲
縮ノズル5によって熱風の排気圧と渦流との作用により
捲縮が付与され、非加熱の捲縮定着室6にて糸条は徐冷
されて捲縮形態が固定されて、捲縮糸bとされる。
傍の熱風導入室2にて糸条案内管1の側壁の熱風フィー
ドノズル3から糸条の走行方向とほぼ同方向の斜め方向
に温度110〜150℃の熱風が熱風圧3〜5kg/c
m2で噴射され、加熱された状態で捲縮室4に送られ、
捲縮室4にて、図2に示すように、糸条の走行路に対し
てほぼ直角にかつ筒体全体に放射状に熱風のみを排気す
るスリット5aを走行路の筒体側壁に有する円筒状の捲
縮ノズル5によって熱風の排気圧と渦流との作用により
捲縮が付与され、非加熱の捲縮定着室6にて糸条は徐冷
されて捲縮形態が固定されて、捲縮糸bとされる。
【0024】ホットエアー加工における熱風温度は、1
10〜150℃の範囲とし、この温度範囲にて、用いる
ポリオレフィンに応じ、その糸条を軟化することがで
き、かつ溶融には至らぬ温度を適宜選択する。また、ホ
ットエアー加工における緩和率は20%以上とし、この
ホットエアー加工により、良好な捲縮性と嵩高性のある
防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊維が得られる。
10〜150℃の範囲とし、この温度範囲にて、用いる
ポリオレフィンに応じ、その糸条を軟化することがで
き、かつ溶融には至らぬ温度を適宜選択する。また、ホ
ットエアー加工における緩和率は20%以上とし、この
ホットエアー加工により、良好な捲縮性と嵩高性のある
防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊維が得られる。
【0025】本発明の防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊維
は、ダニに対する忌避効果に優れるだけでなく、蚊に対
する忌避効果にも優れ、また防虫剤の飛散、消失が少な
く、安全で忌避効果の耐久性に優れ、また、良好な捲縮
性と嵩高性を有することから、カーペットに好適な素材
として用いられ、本発明の防ダニ性ポリオレフィン捲縮
繊維を単独で或いは他の繊維と組み合わせて構成され、
かつポリオレフィン捲縮繊維中の防虫剤がカーペット全
体に対して0.3重量%以上含まれたカーペットは、優
れた防ダニ性を奏するものである。
は、ダニに対する忌避効果に優れるだけでなく、蚊に対
する忌避効果にも優れ、また防虫剤の飛散、消失が少な
く、安全で忌避効果の耐久性に優れ、また、良好な捲縮
性と嵩高性を有することから、カーペットに好適な素材
として用いられ、本発明の防ダニ性ポリオレフィン捲縮
繊維を単独で或いは他の繊維と組み合わせて構成され、
かつポリオレフィン捲縮繊維中の防虫剤がカーペット全
体に対して0.3重量%以上含まれたカーペットは、優
れた防ダニ性を奏するものである。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中、防ダニ性能及び嵩高性の評価は、
次の方法に拠った。
る。なお、実施例中、防ダニ性能及び嵩高性の評価は、
次の方法に拠った。
【0027】〈防ダニ性能評価〉直径4cm、高さ0.
6cmのプラスチックシャーレに直径4cmに切り抜い
た試料繊維の編地を敷き込み、この上にダニの入ってい
ない誘引用粉末飼料0.05gをおく。これを、直径9
cm、高さ1.5cmのプラスチックシャーレの中央に
置く。この大小のシャーレの間に、よく繁殖したダニ培
地を生存ダニ数として約3000個体投入し、均一に広
げる。これを粘着シート上に置き、27×13×9cm
の食品保存用プラスチック製容器に粘着シートごと入
れ、飽和食塩水を入れて蓋をして容器内の湿度を75%
に保ち、25℃±1℃の恒温器に格納して1昼夜ダニを
飼育した後、ウォータージェット法にてダニを回収して
その数を計測し、次式によりダニ忌避率を求めた。な
お、試験は、ばらつきを考慮し、3回繰り返し行った。 ダニ忌避率(%)=(1−処理区のダニ数/対照区のダ
ニ数)×100 * 供試ダニ:ヤケヒョウダニ * ウォータージェット法:試料を直径18cmの30
メッシュのふるいの上に広げ、下に同径のバット(容量
5リットル)を置いて、シャワーで勢いよく試料に水を
吹き付ける。この操作により、試料に付着したダニは洗
い出され、下のバットに落ちる。バットが満水になった
ら、バット内の水を全て吸引濾過する。この操作をダニ
が見られなくなるまで2〜3回繰り返す。なお、防ダニ
性があると言えるダニ忌避率は、70%以上である。
6cmのプラスチックシャーレに直径4cmに切り抜い
た試料繊維の編地を敷き込み、この上にダニの入ってい
ない誘引用粉末飼料0.05gをおく。これを、直径9
cm、高さ1.5cmのプラスチックシャーレの中央に
置く。この大小のシャーレの間に、よく繁殖したダニ培
地を生存ダニ数として約3000個体投入し、均一に広
げる。これを粘着シート上に置き、27×13×9cm
の食品保存用プラスチック製容器に粘着シートごと入
れ、飽和食塩水を入れて蓋をして容器内の湿度を75%
に保ち、25℃±1℃の恒温器に格納して1昼夜ダニを
飼育した後、ウォータージェット法にてダニを回収して
その数を計測し、次式によりダニ忌避率を求めた。な
お、試験は、ばらつきを考慮し、3回繰り返し行った。 ダニ忌避率(%)=(1−処理区のダニ数/対照区のダ
ニ数)×100 * 供試ダニ:ヤケヒョウダニ * ウォータージェット法:試料を直径18cmの30
メッシュのふるいの上に広げ、下に同径のバット(容量
5リットル)を置いて、シャワーで勢いよく試料に水を
吹き付ける。この操作により、試料に付着したダニは洗
い出され、下のバットに落ちる。バットが満水になった
ら、バット内の水を全て吸引濾過する。この操作をダニ
が見られなくなるまで2〜3回繰り返す。なお、防ダニ
性があると言えるダニ忌避率は、70%以上である。
【0028】〈嵩高性評価〉試料を束ねて、約12万デ
ニールのカセ状のサンプルを作成する。このカセ試料を
測定台に乗せ、その上に初荷重A(20g)を乗せる。
1分後、初荷重Aの上に更に荷重B(200g)を乗せ
る。1分後、試料の高さ(Hcm)を読み取る。試料台
よりはみ出た試料を切り落とし、残った試料の重量(X
g)を測定し、次式により嵩高性を求める。 嵩高性(cm3/g)=4H/X
ニールのカセ状のサンプルを作成する。このカセ試料を
測定台に乗せ、その上に初荷重A(20g)を乗せる。
1分後、初荷重Aの上に更に荷重B(200g)を乗せ
る。1分後、試料の高さ(Hcm)を読み取る。試料台
よりはみ出た試料を切り落とし、残った試料の重量(X
g)を測定し、次式により嵩高性を求める。 嵩高性(cm3/g)=4H/X
【0029】(実施例1)防虫剤として、ポリテルペン
(ピネン/ジペンテン重合物、平均分子量800)/ド
デカン二酸ジオクチル、混合比2:1)を用い、メルト
フローレート(以下MFRという)30g/10分(2
30℃測定)のポリプロピレンに防虫剤を10重量%配
合したポリマーを、MFR30g/10分(230℃測
定)のポリプロピレンで防虫剤が1.5重量%となるよ
うに希釈した。得られた希釈ポリマーを第1ゾーン20
0℃、第2ゾーン220℃に設定された押出機を用いて
溶融し、孔形がY字形の紡糸ノズルにて吐出し、引取速
度350m/分で巻き取り未延伸糸を得た。
(ピネン/ジペンテン重合物、平均分子量800)/ド
デカン二酸ジオクチル、混合比2:1)を用い、メルト
フローレート(以下MFRという)30g/10分(2
30℃測定)のポリプロピレンに防虫剤を10重量%配
合したポリマーを、MFR30g/10分(230℃測
定)のポリプロピレンで防虫剤が1.5重量%となるよ
うに希釈した。得られた希釈ポリマーを第1ゾーン20
0℃、第2ゾーン220℃に設定された押出機を用いて
溶融し、孔形がY字形の紡糸ノズルにて吐出し、引取速
度350m/分で巻き取り未延伸糸を得た。
【0030】この未延伸糸を、延伸温度80℃、延伸倍
率4.09倍で延伸し、引き続き、図1に示すような捲
縮付与装置で、熱風温度120℃、緩和率30%でホッ
トエアー加工して1000デニール/60フィラメント
のY字断面の捲縮糸を製糸安定性よく得た。得られた捲
縮糸の糸物性、防ダニ性能及び嵩高性を表1に示した。
また、得られた捲縮糸の繊維断面写真を図3に示した。
率4.09倍で延伸し、引き続き、図1に示すような捲
縮付与装置で、熱風温度120℃、緩和率30%でホッ
トエアー加工して1000デニール/60フィラメント
のY字断面の捲縮糸を製糸安定性よく得た。得られた捲
縮糸の糸物性、防ダニ性能及び嵩高性を表1に示した。
また、得られた捲縮糸の繊維断面写真を図3に示した。
【0031】(実施例2)MFR30g/10分(23
0℃測定)のポリプロピレンに実施例1で用いたと同じ
防虫剤を10重量%配合したポリマーを、MFR30g
/10分(230℃測定)のポリプロピレンで防虫剤が
2重量%となるように希釈して得られた希釈ポリマーを
用いた以外は、実施例1と同様にして1000デニール
/60フィラメントの捲縮糸を得た。得られた捲縮糸の
糸物性を表1に示した。また、この捲縮糸に対して、M
FR30g/10分(230℃測定)の防虫剤無配合の
ポリプロピレンを用いて実施例1と同様にして紡糸後、
延伸、ホットエアー加工して得た捲縮糸を2倍量用い
て、エアー交絡処理しミックス糸を得た。このミックス
糸における防虫剤の含有量は0.6重量%であり、ミッ
クス糸の防ダニ性能と嵩高性を表1に示した。
0℃測定)のポリプロピレンに実施例1で用いたと同じ
防虫剤を10重量%配合したポリマーを、MFR30g
/10分(230℃測定)のポリプロピレンで防虫剤が
2重量%となるように希釈して得られた希釈ポリマーを
用いた以外は、実施例1と同様にして1000デニール
/60フィラメントの捲縮糸を得た。得られた捲縮糸の
糸物性を表1に示した。また、この捲縮糸に対して、M
FR30g/10分(230℃測定)の防虫剤無配合の
ポリプロピレンを用いて実施例1と同様にして紡糸後、
延伸、ホットエアー加工して得た捲縮糸を2倍量用い
て、エアー交絡処理しミックス糸を得た。このミックス
糸における防虫剤の含有量は0.6重量%であり、ミッ
クス糸の防ダニ性能と嵩高性を表1に示した。
【0032】(実施例3)実施例2において、MFR3
0g/10分(230℃測定)のポリプロピレンに実施
例1で用いたのと同じ防虫剤を10重量%配合したポリ
マーを、MFR30g/10分(230℃測定)のポリ
プロピレンで防虫剤が4.5重量%となるように希釈し
て得られた希釈ポリマーを用いた以外は、実施例2と同
様にして、エアー交絡処理によるミックス糸を得た。こ
のミックス糸における防虫剤の含有量は1.5重量%で
あり、ミックス糸の防ダニ性能と嵩高性を表1に示し
た。
0g/10分(230℃測定)のポリプロピレンに実施
例1で用いたのと同じ防虫剤を10重量%配合したポリ
マーを、MFR30g/10分(230℃測定)のポリ
プロピレンで防虫剤が4.5重量%となるように希釈し
て得られた希釈ポリマーを用いた以外は、実施例2と同
様にして、エアー交絡処理によるミックス糸を得た。こ
のミックス糸における防虫剤の含有量は1.5重量%で
あり、ミックス糸の防ダニ性能と嵩高性を表1に示し
た。
【0033】(実施例4)MFR30g/10分(23
0℃測定)のポリプロピレンに実施例1で用いたと同じ
防虫剤を10重量%配合したポリマーを、MFR30g
/10分(230℃測定)のポリプロピレンで防虫剤が
2重量%となるように希釈した。得られた希釈ポリマー
に顔料0.5重量%を添加し、第1ゾーン185℃、第
2ゾーン190℃、第3ゾーン195℃、第4〜7ゾー
ン200℃に設定された押出機Aにて、またMFR30
g/10分(230℃測定)の防虫剤無配合のポリプロ
ピレンに顔料0.5重量%を添加し、押出機Aと同じ条
件に設定した押出機B、Cにて、溶融し、孔形が三角形
の紡糸ノズルにて吐出し、引取速度533m/分で巻き
取り未延伸糸を得た。
0℃測定)のポリプロピレンに実施例1で用いたと同じ
防虫剤を10重量%配合したポリマーを、MFR30g
/10分(230℃測定)のポリプロピレンで防虫剤が
2重量%となるように希釈した。得られた希釈ポリマー
に顔料0.5重量%を添加し、第1ゾーン185℃、第
2ゾーン190℃、第3ゾーン195℃、第4〜7ゾー
ン200℃に設定された押出機Aにて、またMFR30
g/10分(230℃測定)の防虫剤無配合のポリプロ
ピレンに顔料0.5重量%を添加し、押出機Aと同じ条
件に設定した押出機B、Cにて、溶融し、孔形が三角形
の紡糸ノズルにて吐出し、引取速度533m/分で巻き
取り未延伸糸を得た。
【0034】この未延伸糸を延伸温度100℃、延伸倍
率2.70倍で延伸し、引き続き、図1に示すような捲
縮付与装置で、熱風温度125℃、緩和率20%でホッ
トエアー加工し、更にエアー交絡処理して2400デニ
ール/180フィラメントの三角断面の捲縮糸を製糸安
定性よく得た。この捲縮糸における防虫剤の含有量は
0.6重量%であり、得られた捲縮糸の糸物性、防ダニ
性能及び嵩高性を表1に示した。また、得られた捲縮糸
の繊維断面写真を図4に示した。
率2.70倍で延伸し、引き続き、図1に示すような捲
縮付与装置で、熱風温度125℃、緩和率20%でホッ
トエアー加工し、更にエアー交絡処理して2400デニ
ール/180フィラメントの三角断面の捲縮糸を製糸安
定性よく得た。この捲縮糸における防虫剤の含有量は
0.6重量%であり、得られた捲縮糸の糸物性、防ダニ
性能及び嵩高性を表1に示した。また、得られた捲縮糸
の繊維断面写真を図4に示した。
【0035】(実施例5)実施例1において、紡糸ノズ
ルを孔形が円形の紡糸ノズルに代えた以外は、実施例1
と同様にして1000デニール/60フィラメントの円
形断面の捲縮糸を製糸安定性よく得た。得られた捲縮糸
の糸物性、防ダニ性能及び嵩高性を表1に示した。ま
た、得られた捲縮糸の繊維断面写真を図5に示した。
ルを孔形が円形の紡糸ノズルに代えた以外は、実施例1
と同様にして1000デニール/60フィラメントの円
形断面の捲縮糸を製糸安定性よく得た。得られた捲縮糸
の糸物性、防ダニ性能及び嵩高性を表1に示した。ま
た、得られた捲縮糸の繊維断面写真を図5に示した。
【0036】(比較例1)実施例1において、希釈ポリ
マーをMFR30g/10分(230℃測定)のポリプ
ロピレンで防虫剤が0.5重量%となるように希釈して
得た希釈ポリマーに代えた以外は、実施例1と同様にし
て、1000デニール/60フィラメントのY字断面の
捲縮糸を得た。得られた捲縮糸の糸物性、防ダニ性能及
び嵩高性を表1に示した。得られた捲縮糸は、嵩高性は
良好であるものの、防ダニ性能に劣るものであった。
マーをMFR30g/10分(230℃測定)のポリプ
ロピレンで防虫剤が0.5重量%となるように希釈して
得た希釈ポリマーに代えた以外は、実施例1と同様にし
て、1000デニール/60フィラメントのY字断面の
捲縮糸を得た。得られた捲縮糸の糸物性、防ダニ性能及
び嵩高性を表1に示した。得られた捲縮糸は、嵩高性は
良好であるものの、防ダニ性能に劣るものであった。
【0037】(比較例2)実施例1において、MFR3
0g/10分(230℃測定)の防虫剤無配合のポリプ
ロピレンを用い、紡糸ノズルとして孔形がY字形の紡糸
ノズルを用いた以外は、実施例1と同様にして紡糸後、
延伸しただけで、ホットエアー加工せずにY字断面の延
伸糸を得た。この延伸糸の嵩高性を表1に示した。
0g/10分(230℃測定)の防虫剤無配合のポリプ
ロピレンを用い、紡糸ノズルとして孔形がY字形の紡糸
ノズルを用いた以外は、実施例1と同様にして紡糸後、
延伸しただけで、ホットエアー加工せずにY字断面の延
伸糸を得た。この延伸糸の嵩高性を表1に示した。
【0038】(比較例3)実施例1において、MFR3
0g/10分(230℃測定)の防虫剤無配合のポリプ
ロピレンを用い、紡糸ノズルとして孔形が三角形の紡糸
ノズルを用いた以外は、実施例1と同様にして紡糸後、
延伸しただけで、ホットエアー加工せずに三角断面の延
伸糸を得た。この延伸糸の嵩高性を表1に示した。
0g/10分(230℃測定)の防虫剤無配合のポリプ
ロピレンを用い、紡糸ノズルとして孔形が三角形の紡糸
ノズルを用いた以外は、実施例1と同様にして紡糸後、
延伸しただけで、ホットエアー加工せずに三角断面の延
伸糸を得た。この延伸糸の嵩高性を表1に示した。
【0039】(比較例4)実施例1において、MFR3
0g/10分(230℃測定)の防虫剤無配合のポリプ
ロピレンを用い、紡糸ノズルとして孔形が円形の紡糸ノ
ズルを用いた以外は、実施例1と同様にして紡糸後、延
伸しただけで、ホットエアー加工せずに円形断面の延伸
糸を得た。この延伸糸の嵩高性を表1に示した。
0g/10分(230℃測定)の防虫剤無配合のポリプ
ロピレンを用い、紡糸ノズルとして孔形が円形の紡糸ノ
ズルを用いた以外は、実施例1と同様にして紡糸後、延
伸しただけで、ホットエアー加工せずに円形断面の延伸
糸を得た。この延伸糸の嵩高性を表1に示した。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明の防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊
維は、ダニ、蚊、特にダニに対する優れた忌避性能を有
し、練り込みによる防ダニ性の付与により、安全で、使
用、洗濯等による防ダニ性能の低下もなく、かつダニ忌
避効果を高める開繊性と嵩高性を有するものであり、ま
た、その嵩高性によりカーペット素材として好適なるも
のである。また、本発明の防ダニ性ポリオレフィン捲縮
繊維を用いてなるカーペットも防ダニ性カーペットとし
て有用なるものである。
維は、ダニ、蚊、特にダニに対する優れた忌避性能を有
し、練り込みによる防ダニ性の付与により、安全で、使
用、洗濯等による防ダニ性能の低下もなく、かつダニ忌
避効果を高める開繊性と嵩高性を有するものであり、ま
た、その嵩高性によりカーペット素材として好適なるも
のである。また、本発明の防ダニ性ポリオレフィン捲縮
繊維を用いてなるカーペットも防ダニ性カーペットとし
て有用なるものである。
【図1】本発明の防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊維を得
るに際し用いるホットエアー加工における捲縮付与装置
の例の縦断面図である。
るに際し用いるホットエアー加工における捲縮付与装置
の例の縦断面図である。
【図2】図1の捲縮付与装置における捲縮ノズルの拡大
横断面図である。
横断面図である。
【図3】実施例1で得られた捲縮糸の繊維断面写真(倍
率200倍)である。
率200倍)である。
【図4】実施例4で得られた捲縮糸の繊維断面写真(倍
率200倍)である。
率200倍)である。
【図5】実施例5で得られた捲縮糸の繊維断面写真(倍
率200倍)である。
率200倍)である。
a 延伸糸 1 糸条案内管 2 熱風導入室 3 熱風フィードノズル 4 捲縮室 5 捲縮ノズル 5a スリット 6 捲縮定着室 7 熱風導入口 8 熱風排気口 b 捲縮糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D02J 1/00 D02J 1/00 C 1/22 301 1/22 301A // A01N 37/04 A01N 37/04 (72)発明者 坂倉 秀夫 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 (72)発明者 佐山 有紀子 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 (72)発明者 村松 高広 東京都江戸川区中央4丁目17番28号 大和 化学工業株式会社内
Claims (8)
- 【請求項1】 テルペンまたは更に下記一般式[1]で
示される二塩基酸アルキルエステルからなる防虫剤が1
〜10重量%配合されたポリオレフィンからなることを
特徴とする防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊維。 R1OOC(CH2)nCOOR2 [1] (式中、R1、R2は炭素数1〜8のアルキル基、nは5
〜12の整数を示す) - 【請求項2】 ポリオレフィンが、メルトフローレート
が10〜50g/10分(230℃測定)のポリプロピ
レンである請求項1記載の防ダニ性ポリオレフィン捲縮
繊維。 - 【請求項3】 嵩高性が6cm3/g以上、ダニ忌避率
が70%以上である請求項1または請求項2記載の防ダ
ニ性ポリオレフィン捲縮繊維。 - 【請求項4】 繊維断面が異型断面である請求項1、請
求項2または請求項3記載の防ダニ性ポリオレフィン捲
縮繊維。 - 【請求項5】 異型断面が三角断面またはY字断面であ
る請求項4記載の防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊維。 - 【請求項6】 テルペンまたは更に下記一般式[1]で
示される二塩基酸アルキルエステルからなる防虫剤を1
〜10重量%配合したポリオレフィンを、溶融紡糸した
後、延伸倍率2〜7倍の範囲で延伸を行い、引き続き熱
風温度110〜150℃、緩和率20%以上の条件下で
ホットエアー加工することを特徴とする防ダニ性ポリオ
レフィン捲縮繊維の製造方法。 R1OOC(CH2)nCOOR2 [1] (式中、R1、R2は炭素数1〜8のアルキル基、nは5
〜12の整数を示す) - 【請求項7】 ポリオレフィンとして、メルトフローレ
ートが10〜50g/10分(230℃測定)のポリプ
ロピレンを用いる請求項6記載の防ダニ性ポリオレフィ
ン捲縮繊維の製造方法。 - 【請求項8】 請求項1、請求項2、請求項3または請
求項4記載の防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊維を用いて
構成され、該ポリオレフィン捲縮繊維中の防虫剤がカー
ペット全体に対して0.3重量%以上含まれたことを特
徴とする防ダニ性カーペット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33765796A JPH10168686A (ja) | 1996-12-04 | 1996-12-04 | 防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊維及びその製造方法並びにそのポリオレフィン捲縮繊維を用いた防ダニ性カーペット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33765796A JPH10168686A (ja) | 1996-12-04 | 1996-12-04 | 防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊維及びその製造方法並びにそのポリオレフィン捲縮繊維を用いた防ダニ性カーペット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10168686A true JPH10168686A (ja) | 1998-06-23 |
Family
ID=18310725
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33765796A Pending JPH10168686A (ja) | 1996-12-04 | 1996-12-04 | 防ダニ性ポリオレフィン捲縮繊維及びその製造方法並びにそのポリオレフィン捲縮繊維を用いた防ダニ性カーペット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10168686A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008001927A3 (en) * | 2006-06-27 | 2008-03-20 | Sumitomo Chemical Co | Resin composition for filament, filament and process for producing the filament |
WO2008047604A1 (en) * | 2006-09-29 | 2008-04-24 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Polymer composition, process for producing fiber and the fiber |
-
1996
- 1996-12-04 JP JP33765796A patent/JPH10168686A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008001927A3 (en) * | 2006-06-27 | 2008-03-20 | Sumitomo Chemical Co | Resin composition for filament, filament and process for producing the filament |
WO2008047604A1 (en) * | 2006-09-29 | 2008-04-24 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Polymer composition, process for producing fiber and the fiber |
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