JPH10168574A - 堆積膜形成装置のクリーニング方法、及び堆積膜形成方法 - Google Patents

堆積膜形成装置のクリーニング方法、及び堆積膜形成方法

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JPH10168574A
JPH10168574A JP35198896A JP35198896A JPH10168574A JP H10168574 A JPH10168574 A JP H10168574A JP 35198896 A JP35198896 A JP 35198896A JP 35198896 A JP35198896 A JP 35198896A JP H10168574 A JPH10168574 A JP H10168574A
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cleaning
deposited film
gas
reaction vessel
film forming
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JP35198896A
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Tatsuyuki Aoike
達行 青池
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、堆積膜の形成装置におけるクリーニ
ングに要する時間を短縮し、その保守時間を短縮して、
生産性に優れた堆積膜形成装置のクリーニング方法及び
堆積膜形成方法を提供することを目的としている。 【解決手段】本発明は、減圧可能な反応容器と、該反応
容器内を排気する排気部からなる堆積膜形成装置を用
い、該反応容器内に原料ガス及び放電電力を導入し、該
放電電力によって前記原料ガスを分解して前記反応容器
内に設置された基体上に堆積膜を形成した後、前記反応
容器内と前記排気部内とに残留する堆積膜形成時に発生
した副生成物をエッチング処理することにより、該反応
容器内及び排気部内のクリーニング処理を行う堆積膜形
成装置のクリーニング方法において、前記クリーニング
処理を前記反応容器と前記排気部とを切り離してそれら
を個別にクリーニング処理することを特徴とするもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、堆積膜形成装置の
クリーニング方法、及び堆積膜形成方法に関し、特に、
プラズマCVD法により基体上に電子写真用光受容部
材、太陽電池、画像入力用ラインセンサー、撮像デバイ
ス、TFT等の半導体素子として特に好適な堆積膜形成
装置のクリーニング方法、及び堆積膜形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】堆積膜作製方法の1つとして、低温プラ
ズマを利用するCVD法が脚光を浴びている。この方法
は反応容器を高真空に減圧し、原料ガスを反応容器内に
導入した後、放電電力を印加しグロー放電によって原料
ガスを分解し、反応容器内に配置された基体上に堆積膜
を作製する方法で、たとえば非晶質珪素膜の作製に応用
されている。この方法でたとえばシランガス(SiH
4)を成膜原料ガスとして作製した非晶質珪素膜は、非
晶質珪素の禁止帯中に存在する局材準位が比較的少な
く、不純物のドーピングにより価電子制御が可能であ
り、アモルファスシリコン電子写真感光体として優れた
特性を有するものが得られると検討が続けられている。
特公昭60−35059号公報に、水素化アモルファス
シリコンを光導電部に応用した電子写真用光受容部材に
ついて開示されている。また、特開昭62−20874
号公報に、この様な電子写真用光受容部材の作製のため
の、プラズマCVDによる堆積膜作製装置が開示されて
いる。
【0003】このような、プラズマ処理装置において
は、堆積膜作製後の真空容器内部及び排気配管内に、ポ
リシランや非晶質膜等が堆積している。従来においても
プラズマエッチング等のドライクリーニング処理やアル
カリ溶液中でのクリーニング処理、サンドブラストやガ
ラスビーズ吹きつけ等によるホーニング処理によって、
堆積物の除去が行われている。その中でも、プラズマエ
ッチングによるクリーニングが高スループットが得られ
る事や、真空容器を大気に晒さずに処理できる事から、
多く利用されている。特開昭59−142839号公報
には、エッチングガスとしてCF4とO2混合ガスを用い
て、反応室内壁等のプラズマエッチングによるクリーニ
ングを行う事で、エッチングガスと堆積物との反応によ
る新たな堆積物も発生せずにクリーニングが行える事が
開示されている。また、特開平3−157667号公報
には、エッチングガスにClF3を用いて、処理槽内堆
積物の除去工程を含む製造方法が開示されている。さら
に、特開平3−200261号公報には、ClF3ガス
を導入して反応室と基体表面の洗浄を行う事を含む製造
方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年の電子写真装置に
おいては、電子写真装置の小型化・コストダウンが求め
られており、その結果、電子写真装置に組み込まれる電
子写真用光受容部材においても大幅なコストダウンが求
められており、そのためにも電子写真用光受容部材のよ
り一層の生産性の向上が求められている。従って、上記
のような堆積膜形成装置のクリーニング方法において
も、クリーニング時間を短縮することによるタクトタイ
ムの更なる短縮や、堆積膜形成装置の保守時間を減少さ
せることによる稼働率の更なる向上が求められている
が、従来の堆積膜形成装置のクリーニング方法では限界
があり、十分な効果が得られなかった。
【0005】そこで、本発明は上記従来のものにおける
課題を解決し、堆積膜の形成装置におけるクリーニング
に要する時間を短縮し、その保守時間を短縮して、生産
性に優れた堆積膜形成装置のクリーニング方法及び堆積
膜形成方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のクリーニング方
法は、上記課題を解決するため、減圧可能な反応容器
と、該反応容器内を排気する排気部からなる堆積膜形成
装置を用い、該反応容器内に原料ガス及び放電電力を導
入し、該放電電力によって前記原料ガスを分解して前記
反応容器内に設置された基体上に堆積膜を形成した後、
前記反応容器内と前記排気部内とに残留する堆積膜形成
時に発生した副生成物をエッチング処理することによ
り、該反応容器内及び排気部内のクリーニング処理を行
う堆積膜形成装置のクリーニング方法において、前記ク
リーニング処理を前記反応容器と前記排気部とを切り離
してそれらを個別にクリーニング処理することを特徴と
している。本発明においては、前記反応容器内のクリー
ニング処理は、該反応容器をクリーニング処理専用の排
気部に接続して行う構成を採ることができる。また、本
発明においては、前記排気部内のクリーニング処理は、
該排気部にクリーニング処理用エッチングガス導入部を
接続して行う構成を採ることができる。本発明において
は、前記エッチングガスとして、三フッ化塩素ガスを用
いることが好ましく、前記三フッ化塩素ガスを、アルゴ
ンガス、ヘリウムガス又は窒素ガスの中の少なくとも一
つのガスで希釈して用いることができる。また、エッチ
ングガスとして、四フッ化炭素ガスと酸素の混合ガスを
用いることもできる。また、本発明においては、前記反
応容器内及び/又は前記排気部内のエッチング処理が、
該反応容器内及び/又は前記排気部内に放電電力を導入
することによりエッチングガスを分解しながら行なうこ
とが好ましい。また、本発明においては、 前記反応容
器は、基体を設置してなる複数の反応容器により構成さ
れ、該複数の反応容器内を共通の排気部を用いて排気す
るようにしてもよい。また、前記反応容器は、内部に基
体を配した放電電極を複数個有し、該複数の放電電極を
共通の反応容器内に設置した構成のものでもよい。ま
た、本発明の堆積膜形成方法は、上記した本発明の堆積
膜形成装置のクリーニング処理を行った後、前記反応容
器と前記排気部とを接続して再度堆積膜を形成すること
を特徴としている。その際、上記した本発明の排気部の
クリーニング処理中に、クリーニング処理が終了した反
応容器を接続するようにすると効果的である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、上記したように反応容
器と排気部を別個にクリーニング処理することによっ
て、クリーニング処理に要する時間を短縮し、ひいては
堆積膜の生産タクトタイムを短縮可能としたものである
が、それは本発明者によるつぎのような知見に基づくも
のである。すなわち、従来の堆積膜形成装置のクリーニ
ング方法では、例えば前記特開平3−157667号公
報に記載されているように、反応容器部と排気部で形成
された堆積膜形成装置により、成膜及びクリーニング処
理を繰り返して行なわれてきた。この方法の場合、反応
容器内と排気部を合わせて同時にクリーニング処理する
ために、クリーニング処理を完了するまでに長時間を要
し、更には排気部への負担が大きくて、排気部の保守回
数が増加する要因にもなっていた。本発明者は、堆積膜
形成装置のクリーニング処理中の状況を詳細に検討した
所、実際には、まずクリーニング処理開始直後は、主に
反応容器内の副生成物がクリーニング処理され、反応容
器内の副生成物のかなりの部分がクリーニング処理され
た後に、排気部内の副生成物のクリーニング処理が開始
されることが判明した。したがって、反応容器内と排気
部内の副生成物を同時にクリーニング処理しているつも
りでも、実施には各々のクリーニング処理を行なってい
る時間に差が生じ、その分だけ全体のクリーニング処理
時間が長くなることが判明した。このクリーニング処理
のプロセスは、導入するエッチングガスの流量及び濃
度、反応容器内の圧力及び投入される放電電力等の条件
を変化させても、基本的には変化しなかった。
【0008】そこで本発明者は、反応容器部と排気部を
別個にクリーニング処理することにより、クリーニング
処理に要する時間を短縮し、ひいては堆積膜の生産タク
トタイムを短縮可能であることを見いだしたものであ
る。更には、エッチングによりクリーニング処理を行な
う際に、未反応のエッチングガスは排気ポンプまで流れ
込むことにより、排気ポンプヘの負荷が高まり、排気ポ
ンプの保守間隔が短くなってしまうが、反応容器部と排
気部を別個にクリーニング処理することにより、排気部
の排気ポンプにかかる負荷が減少する為に、排気部の保
守間隔を伸ばすことが可能となり、ひいては堆積膜形成
装置の稼働率を向上可能であることを見いだしたもので
ある。また、一般的には、反応容器部単体よりも排気部
単体のほうがクリーニング処理に必要な時間が短い為、
あらかじめ別の反応容器部を用意しておき、排気部のク
リーニング処理中に該反応容器を接続して、該排気部の
クリーニング処理終了後に直ちに堆積膜の形成を開始す
ることにより、より一層の生産タクトタイムの短縮が可
能となり効果的である。
【0009】以下、図面に基づいて本発明の堆積膜形成
装置のクリーニング方法をより詳細に説明する。図1
は、電源としてRF帯の周波数を用いた高周波プラズマ
CVD法による、本発明の堆積膜形成装置のクリーニン
グ方法を用いた、電子写真用光受容部材の堆積膜形成装
置の1例の縦断面を模式的に示した図である。図1にお
いて堆積膜形成装置100は、反応容器部101と排気
部121から構成されている。102は高周波電極を兼
ねる反応容器であり、排気管112及び排気バルブ11
1を介して排気部121に接続されている。反応容器1
02は、真空気密構造であればよく、その形状は電子写
真用光受容部材の基体103の形状に合わせるのが好ま
しく、基体103の形状が円筒状の場合は、反応容器1
02も同様に、円筒の形状が一般に用いられる。またそ
の材質は、機械的強度、高周波電極を兼ねるなどの観点
からAl、ステンレス等の金属が望ましい。原料ガスは
ボンベ、圧力調整器、マスフローコントローラー、バル
ブ等により構成される原料ガス供給系(不図示)に接続
された導入バルブ108、ガス導入管107及びガス供
給管105を介して反応容器102内に供給される。
【0010】高周波電極を兼ねる反応容器102は、マ
ッチングボックス106を介して高周波電源(不図示、
例えば13.56MHz)と接続されている。高周波電
極を兼ねる反応容器102と、電子写真用光受容部材の
基体103の間に高周波電力を印加することによって、
反応容器102内にグロー放電を発生させる。基体10
3はヒーター104によって、堆積膜の形成に必要な温
度まで加熱される。124は排気装置(真空ポンプ)で
あり、ロータリーポンプ122及びメカニカルブースタ
ーポンプ123から構成されており、排気バルブ125
及び128、排気管126及び接続管127を介して反
応容器部101に接続されている。
【0011】次に図1の装置を用いた堆積膜形成の手順
について説明する。この装置を用いた堆積膜の形成は、
例えば以下のように行なうことができる。まず、反応容
器102内に、あらかじめ脱脂洗浄した基体103を設
置し、排気装置124により反応容器102内を排気す
る。続いて、ヒーター104により基体103の温度を
50℃〜400℃の所望の温度に制御する。基体103
が所望の温度になったところで、原料ガス供給系(不図
示)より原料ガスを原料ガス供給管105を通して反応
容器102内に供給する。このときガスの突出等、極端
な圧力変動が起きないよう注意する。次に原料ガスの流
量が所定の流量になったところで、真空計110を見な
がら排気装置124の排気速度を調整し、所望の内圧を
得る。内圧が安定したところで、高周波電源(不図示)
を所望の電力に設定して、マッチングボックス106を
通じて高周波電極を兼ねる反応容器102に高周波電力
を印加し、反応容器102内にグロー放電を生起させ
る。この放電エネルギーによって反応容器102内に導
入された原料ガスが分解され、基体103上に所定の堆
積膜が形成されるところとなる。この時、周方向の膜
厚、膜特性の一様性をさらに高めるために、基体回転用
モーター(不図示)によって、所望の回転速度で基体1
03を回転させることも有効である。所望の膜厚の形成
が行われた後、高周波電力の供給を止め、反応容器への
原料ガスの流入を止め、堆積膜の形成を終える。目的と
する堆積膜の特性のため、基体上に複数の層からなる堆
積膜を形成する場合には、前記の操作を繰り返すことに
よって、所望の層構成の堆積膜を得ることができる。
【0012】本発明において堆積膜形成装置100のク
リーニングを行うには、基体103上に堆積膜を形成終
了後、排気バルブ111及び128を閉じて、リークバ
ルブ129より不活性ガス(例えば窒素ガス)を導入
し、反応容器部101と排気部121を切り離す。次
に、反応容器部101をクリーニング処理専用の別の排
気部121に接続する。反応容器102内から電子写真
用光受容部材の基体103を取り出した後にダミーシリ
ンダー103を入れ、原料ガスの代わりにエッチングガ
スをエッチングガス供給系(不図示)より導入バルブ1
08、ガス導入管107及びガス供給管105を介して
反応容器102内に供給し、反応容器102内の副生成
物をエッチング処理する。エッチング処理を行なうに際
しては、必要に応じて、高周波電極を兼ねる反応容器1
02にマッチングボックス106を介して高周波電源
(不図示)と接続し、高周波電極を兼ねる反応容器10
2と基体(ダミーシリンダー)103の間に高周波電力
を印加することによって、反応容器102内にグロー放
電を発生させることにより、エッチング処理効果をより
高めることが出来る。また、エッチング処理を行なう際
には、排気バルブ111を開けて、エッチングガスを所
望の流量を供給しつづけながらエッチング処理を行なっ
てもよいし、排気バルブ111を閉めて、エッチングガ
スを反応容器102内に一旦溜めてエッチング処理を行
なっても良い。
【0013】図2は本発明の堆積膜形成装置のクリーニ
ング方法を用いる電子写真用光受容部材の堆積膜形成装
置の排気部の1例の縦断面図を模式的に示した図であ
る。堆積膜形成装置の反応容器部と排気部221を切り
離した後、排気部221内のクリーニング処理を行なう
には、排気部221にエッチングガス供給部241を接
続する。該エッチングガス供給部241には、エッチン
グガスボンベ、圧力調整器、マスフローコントローラ
ー、バルブ等により構成されるエッチングガス供給系
(不図示)に接続された導入バルブ246よりエッチン
グガス供給室242内にエッチングガスが導入され、排
気バルブ248を介して、排気部221内にエッチング
ガスを供給することにより排気部221内の副生成物を
エッチング処理する。エッチング処理を行なうに際して
は、必要に応じて、前記エッチング供給室242に高周
波電極243、対向電極244を設置し、該高周波電極
243にマッチングボックス245を介して高周波電源
(不図示)と接続して高周波電力を印加することによっ
て、エッチングガス供給室242内にグロー放電を発生
させることにより、エッチング処理効果をより高めるこ
とが出来る。また、エッチング処理を行なう際には、排
気バルブ225を開けて、エッチングガスを所望の流量
を供給しつづけながらエッチング処理を行なってもよい
し、排気バルブ225を閉めて、エッチングガスを排気
管226内及び接続管227内に一旦溜めてエッチング
処理を行なっても良い。本発明に用いるエッチングガス
としては、例えばCF4、CF4とO2の混合ガス、Cl
F3、ClF3と不活性ガス(例えばヘリウムガス、アル
ゴンガス、窒素ガス)の混合ガス等が用いられている。
また、ClF3ガスは、プラズマ化せずとも効率的なク
リーニング処理を行う事も可能で有るという点でClF
3ガスを用いることが好ましい。
【0014】本発明において、クリーニング処理を行う
場合の反応容器102内、エッチングガス供給室242
内又は排気管226内の圧力は、10Pa以上、800
00Pa以下、好ましくは50Pa以上、70000P
a以下に調整制御する事が好ましい。また、全体を効率
良くクリーニングするために処理工程中に内圧を変化さ
せる事も有効である。本発明において、エッチングガス
のプラズマを発生させ場合に、反応容器102内又はエ
ッチングガス供給室242内に投入する高周波電力(例
えば13.56MHz)は、10w以上5000w以
下、好ましくは50w以上3000w以下で、放電が安
定するように適宜調整する事が好ましい。これらの条件
は、一義的に決定される物ではなく、装置形態やガス流
量等も含め総合的に判断されて選択される物である。
【0015】本発明において放電電力として例えば高周
波電力を使用する場合、該高周波電力の発振周波数は、
0.2MHz〜30MHzであれば何れであっても差し
支えない。高周波の波形は特に制限は無いが、正弦波、
矩形波等が適する。また高周波電力の大きさは、目的と
する堆積膜の特性等により、適宜決定されるが、基体1
個あたり10〜5000wが望ましく、さらに20〜2
000wがより望ましい。
【0016】本発明において使用される原料ガスは、例
えばアモルファスシリコン(以下「a−Si」と表記す
る)膜を形成する場合にはSiH4、Si2H6等のガス
状態の、またはガス化し得る水素化珪素(シラン類)
が、シリコン導入用ガスとして有効に使用される。ま
た、水素化珪素のほかにも、弗素原子を含む珪素化合
物、いわゆる弗素原子で置換されたシラン誘導体、具体
的には、たとえばSiF4、Si2F6等のフッ化珪素
や、SiH3F、SiH2F2、SiHF3等の弗素置換水
素化珪素等、ガス状の、またはガス化し得る物質も本発
明のシリコン導入用ガスとしては有効である。また、こ
れらのシリコン導入用の原料ガスを必要に応じてH2、
He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用しても本
発明には何等差し支えない。
【0017】またa−Si膜にハロゲン原子を含有させ
るためのハロゲン導入用ガスとして有効なのは、たとえ
ばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲンをふくむハロ
ゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等の
ガス状のまたはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく
挙げられる。また、さらにはシリコン原子とハロゲン原
子とを構成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハ
ロゲン原子を含む水素化珪素化合物も有効なものとして
挙げることができる。好適に使用し得るハロゲン化合物
としては、具体的には弗素ガス(F2)、BrF、Cl
F、ClF3、BrF3、BrF5、IF3、IF7等のハ
ロゲン間化合物を挙げることができる。ハロゲン原子を
含む珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換されたシ
ラン誘導体としては、具体的には、たとえばSiF4、
Si2F6等の弗化珪素が好ましいものとして挙げること
ができる。
【0018】本発明においては、ハロゲン導入用ガスと
して上記されたハロゲン化合物或いはハロゲン原子を含
む珪素化合物が有効なものとして使用されるものである
が、その他に、HF、HCl、HBr、HI等のハロゲ
ン化水素、SiH3F、SiH2F2、SiHF3、SiH
2I2、SiH2Cl2、SiHCl3、SiH2Br2、S
iHBr3等のハロゲン置換水素化珪素、等々のガス状
態の或いはガス化し得る、水素原子を構成要素の1つと
するハロゲン化物も有効な原料ガスとして挙げることが
できる。これ等の水素原子を含むハロゲン化物は、ハロ
ゲン原子と共に水素原子も導入されるので、本発明にお
いては好適なハロゲン原子導入用ガスとして使用され
る。更に、a−Si膜に水素原子を含有させるための水
素導入用ガスとして有効なのは、上記の他にH2、D2あ
るいはSiH4、Si2H6、Si3H8、Si4H10等の水
素化珪素が挙げられる。さらには前記のガスに加えて、
必要に応じて周期律表3族に属する元素(以後「第3族
元素」と略記する)、または周期律表5族に属する元素
(以後「第5族元素」と略記する)を伝導性を制御する
元素、いわゆるドーパントとして用いることもできる。
【0019】第3族元素としては、具体的には、硼素
(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イ
ンジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特に
B、Al、Gaが好適である。第5族元素としては、具
体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(S
b)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適
である。例えば硼素導入用ガスとしては、B2H6、B4
H10等の水素化硼素、BF3、BCl3等のハロゲン化硼
素等が挙げられる。この他の第3族元素導入用ガスとし
て、AlCl3、GaCl3、Ga(CH3)3、InCl
3、TlCl3等も挙げることができる。また燐導入用ガ
スとしては、PH3、P2H4等の水素化燐、PH4I、P
F3、PCl3、PBr3、PI3等のハロゲン化燐が使用
できる。この他の第5族元素導入用ガスとして、AsH
3、AsF3、AsCl3、AsBr3、AsF5、SbH
3、SbF3、SbF5、SbCl3、SbCl5、BiH
3、BiCl3、BiBr3等も挙げることができる。ま
た、これらの伝導性を制御する元素導入用ガスを必要に
応じてH2および/またはHeにより希釈して使用して
もよい。
【0020】また、例えばアモルファスシリコンカーバ
イト(a−SiC)を形成する場合には、前記の原料ガ
スのほかに、炭素原子導入用のガスとして、CとHとを
構成原子とする、例えば炭素数1〜5の飽和炭化水素、
炭素数2〜4のエチレン系炭化水素、炭素数2〜3のア
セチレン系炭化水素等を使用できる。具体的には、飽和
炭化水素としては、メタン(CH4)、エタン(C2H
6)等、エチレン系炭化水素としては、エチレン(C2H
4)、プロピレン(C3H6)等、アセチレン系炭化水素
としては、アセチレン(C2H2)、メチルアセチレン
(C3H4)等が挙げられる。
【0021】また、例えばアモルファス酸化シリコン
(a−SiO)を形成する場合には、前記の原料ガスの
ほかに、酸素原子導入用のガスとして使用出来るものと
して、酸素(O2)、オゾン(O3)、一酸化窒素(N
O)、二酸化窒素(NO2)、一二酸化窒素(N2O)、
三二酸化窒素(N2O3)、四二酸化窒素(N2O4)、五
二酸化窒素(N2O5)、三酸化窒素(NO3)、シリコ
ン原子(Si)と酸素原子(O)と水素原子(H)とを
構成原子とする例えば、ジシロキサン(H3SiOSi
H3)、トリシロキサン(H3SiOSiH2OSiH3)
等の低級シロキサン等を挙げることができる。
【0022】本発明において、例えばアモルファス窒化
シリコン(a−SiN)を形成する場合には、前記の原
料ガスのほかに、窒素原子導入用のガスとして使用出来
るものとして、窒素(N2)、アンモニア(NH3)、ヒ
ドラジン(H2NNH2)、アジ化水素(HN3)、アン
モニウム(NH4N3)等のガス状のまたはガス化し得る
窒素、窒素物及びアジ化物等の窒素化合物を挙げること
ができる。この他に、窒素原子の導入に加えて、ハロゲ
ン原子の導入も行えるという点から、三弗化窒素(F3
N)、四弗化窒素(F4N2)等のハロゲン化窒素化合物
を挙げることができる。
【0023】本発明を用いて電子写真用光受容部材を作
成する場合の層構成の代表例は以下のようなものであ
る。図6は、層構成を説明するための模式的構成図であ
る。図6(A)に示す電子写真用光受容部材600は、
基体601の上に水素及び/又はハロゲンを含有するa
−Si(以下、「a−Si(H、X)」と記す)からな
り光導電性を有する光導電層602が設けられている。
図6(B)に示す電子写真用光受容部材600は、基体
601の上に、a−Si(H、X)からなり光導電性を
有する光導電層602と、アモルファスシリコン系表面
層603とから構成されている。図6(C)に示す電子
写真用光受容部材600は、基体601の上に、a−S
i(H、X)からなり光導電性を有する光導電層602
と、アモルファスシリコン系表面層603と、アモルフ
ァスシリコン系電荷注入阻止層604とから構成されて
いる。図6(D)に示す電子写真用光受容部材600
は、基体601の上に、光導電層602が設けられてい
る。該光導電層602はa−Si(H、X)からなる電
荷発生層605ならびに電荷輸送層606とからなり、
その上にアモルファスシリコン系表面層603が設けら
れている。図6(E)に示す電子写真用光受容部材60
0は、基体601の上に、a−Si(H、X)からなり
光導電性を有する光導電層602と、アモルファスシリ
コン系表面層603と、アモルファスシリコン系電荷注
入阻止層604と、アモルファスシリコン系上部阻止層
607から構成されている。
【0024】電子写真用光受容部材の基体としては、導
電性でも電気絶縁性であってもよい。導電性基体として
は、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、
Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれらの合
金、例えばステンレス等が挙げられる。また、ポリエス
テル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースア
セテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチ
レン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシー
ト、ガラス、セラミック等の電気絶縁性基体の少なくと
も光受容層を形成する側の表面を導電処理した基体も用
いることができる。さらに光受容層を形成する側と反対
側も導電処理することが望ましい。
【0025】基体601の形状は円筒状であることが好
ましく、その厚さは、所望通りの電子写真用光受容部材
600を形成し得るように適宜決定するが、電子写真用
光受容部材600としての可撓性が要求される場合に
は、基体601としての機能が充分発揮できる範囲内で
可能な限り薄くすることができる。しかしながら、基体
601は製造上および取り扱い上、機械的強度等の点か
ら通常は10μm以上とされる。基体601の表面形状
は平滑平面、または凹凸表面とすることができる。例え
ば電子写真用光受容部材などで、レーザー光などの可干
渉性光を用いて像記録を行う場合には、可視画像におい
て現われる干渉縞模様による画像不良を解消するため
に、特開昭60−168156号公報、同60−178
457号公報、同60−225854号公報等に記載さ
れた公知の方法により作製された凹凸表面であることが
できる。
【0026】光導電層602は基体601上に、所望特
性が得られるように適宜成膜パラメーターの数値条件が
設定されて作成される。光導電層602を形成するに
は、基本的には前述したようなシリコン導入用ガスと、
水素導入用ガスまたは/及びハロゲン導入用ガスを、堆
積室内に所望のガス状態で導入して、該堆積室内にグロ
ー放電を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置されて
ある所定の基体601上にa−Si(H、X)からなる
層を形成させる。また、光導電層602中のa−Si膜
に水素原子または/及びハロゲン原子が含有されること
により、Si原子の未結合手を補償し、層品質の向上、
特に光導電性および電荷保持特性を向上させるために必
須不可欠であるからである。よって水素原子またはハロ
ゲン原子の含有量、または水素原子とハロゲン原子の和
の含有量は1〜40原子%、より好ましくは5〜35原
子%とされるのが望ましい。
【0027】光導電層602中に含有される水素原子ま
たは/及びハロゲン原子の量を制御するには、例えば基
体601の温度、水素原子または/及びハロゲン原子を
含有させるために使用される原料物質の堆積室内へ導入
する量、放電電力等を制御すればよい。光導電層602
には必要に応じて伝導性を制御する元素を含有させるこ
とが好ましい。伝導性を制御する元素は、光導電層60
2中に万偏なく均一に分布した状態で含有されても良い
し、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有して
いる部分があってもよい。前記伝導性を制御する元素と
しては、前述した第3族元素または第5族元素を用いる
ことができる。
【0028】光導電層602に含有される伝導性を制御
する元素の含有量としては、好ましくはl×10-2〜1
×102原子ppm、より好ましくは5×10-2〜50
原子ppm、最適には0.1〜10原子ppmとされる
のが望ましい。伝導性を制御する元素、たとえば、第3
族元素あるいは第5族元素を構造的に導入するには、層
形成の際に、前述した第3族元素導入用ガスあるいは第
5族元素導入用ガスを堆積室中に、光導電層602を形
成するための他のガスとともに導入してやればよい。さ
らに光導電層602に炭素原子及び/または酸素原子及
び/または窒素原子を含有させることも有効である。炭
素原子及び/または酸素原子/及びまたは窒素原子の含
有量は好ましくは1×10-5〜30原子%、より好まし
くは1×10-4〜20原子%、最適には1×10-3〜1
0原子%が望ましい。炭素原子及び/または酸素原子及
び/または窒素原子は、光導電層602中に万遍なく均
一に含有されても良いし、光導電層602の層厚方向に
含有量が変化するような不均一な分布をもたせた部分が
あっても良い。
【0029】炭素原子及び/または酸素原子及び/また
は窒素原子を構造的に導入するには、層形成の際に、前
述した炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素
原子導入用ガスを堆積室中に、光導電層602を形成す
るための他のガスとともに導入してやればよい。光導電
層602の層厚は所望の電子写真特性が得られること及
び経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定さ
れ、好ましくは5〜80μm、より好ましくは10〜6
0μm、最適には15〜45μmとされるのが望まし
い。目的を達成し得る特性を有する光導電層602を形
成するには、基体601の温度、堆積室内のガス圧を所
望にしたがって、適宜設定する必要がある。
【0030】基体601の温度(Ts)は、層設計にし
たがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好
ましくは50〜400℃、より好ましくは150〜35
0℃、最適には200〜300℃とするのが望ましい。
堆積室内のガス圧も同様に層設計にしたがって適宜最適
範囲が選択されるが、通常の場合、好ましくは0.01
〜1000Pa、より好ましくは0.05〜500P
a、最適には0.1〜100Paとするのが好ましい。
光導電層602を形成するための基体温度、ガス圧の望
ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、そ
の他にもシリコン導入用のガスやその他の原子導入用ガ
スとの混合比、放電電力等を適宜設定することが必要で
ある。これら条件は通常は独立的に別々に決められるも
のではなく、所望の特性を有する電子写真光受容部材を
形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を
決めるのが望ましい。
【0031】上述のようにして基体601上に形成され
た光導電層602の上に、更にアモルファスシリコン系
の表面層603を形成することが好ましい。この表面層
603は主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的耐
圧性、使用環境特性、耐久性向上を主たる目的として設
けられる。表面層603は、アモルファスシリコン系の
材料であればいずれの材質でも可能であるが、例えば、
水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有
し、更に炭素原子を含有するアモルファスシリコン(以
下「a−SiC(H、X)」と表記する)、水素原子
(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に
酸素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−
SiO(H、X)」と表記する)、水素原子(H)及び
/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に窒素原子を
含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiN
(H、X)」と表記する)、水素原子(H)及び/また
はハロゲン原子(X)を含有し、更に炭素原子、酸素原
子、窒素原子の少なくとも一つを含有するアモルファス
シリコン(以下「a−Si(C、O、N)(H、X)」
と表記する)等の材料が好適に用いられる。
【0032】表面層603は真空堆積膜形成方法によっ
て、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの
数値条件が設定されて作成される。例えば、a−SiC
(H、X)よりなる表面層603を形成するには、基本
的には前述したシリコン原子導入用ガスと、炭素原子導
入用ガスと、水素原子導入用ガスまたは/及びハロゲン
原子導入用ガスを、内部を減圧にし得る堆積室内に所望
のガス状態で導入して、該堆積室内にグロー放電を生起
させ、あらかじめ所定の位置に設置された光導電層60
2を形成した基体601上にa−SiC(H、X)から
なる層を形成すればよい。表面層603をa−Si
(C、O、N)(H、X)を主成分として構成する場合
の炭素量及び/または酸素原子及び/または窒素原子の
含有量は1%から90%の範囲が好ましく、5%から7
0%がより好ましく、最適には10%から50%が望ま
しい。また、表面層603中に水素原子または/及びハ
ロゲン原子が含有されることが必要であるが、これはシ
リコン原子や炭素原子及び/又は酸素原子及び/又は窒
素原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導電
性特性および電荷保持特性を向上させるために重要であ
る。水素原子及び/またはハロゲン原子の含有量は、通
常の場合1〜70原子%、好適には10〜60原子%、
最適には20〜50原子%とするのが望ましい。
【0033】表面層603中に含有される水素原子また
は/及びハロゲン原子の量を制御するには、例えば基体
601の温度、水素原子または/及びハロゲン原子を含
有させるために使用される原料物質の堆積室内へ導入す
る量、放電電力等を制御すればよい。炭素原子及び/ま
たは酸素原子及び/または窒素原子は、表面層603中
に万遍なく均一に含有されても良いし、表面層603の
層厚方向に含有量が変化するような不均一な分布をもた
せた部分があっても良い。さらに表面層603には必要
に応じて伝導性を制御する元素を含有させても良い。伝
導性を制御する元素は、表面層603中に万偏なく均一
に分布した状態で含有されても良いし、あるいは層厚方
向には不均一な分布状態で含有している部分があっても
よい。前記の伝導性を制御する元素としては、前述した
第3族元素または第5族元素を用いることができる。
【0034】表面層603に含有される伝導性を制御す
る元素の含有量としては、好ましくは1×10-3〜1×
103原子ppm、より好ましくは5×10-3〜5×1
2原子ppm、最適には1×10-2〜1×102原子p
pmとされるのが望ましい。伝導性を制御する元素、た
とえば、第3族元素あるいは第5族元素を構造的に導入
するには、層形成の際に、前述した第3族元素導入用ガ
スあるいは第5族元素導入用ガスを堆積室中に、表面層
603を形成するための他のガスとともに導入してやれ
ばよい。表面層603の層厚としては、通常0.01〜
3μm、好適には0.05〜2μm、最適には0.1〜
1μmとされるのが望ましいものである。層厚が0.0
1μmよりも薄いと電子写真用光受容部材を使用中に摩
耗等の理由により表面層603が失われてしまい、3μ
mを越えると残留電位の増加等の電子写真特性の低下が
みられる。
【0035】表面層603は、その要求される特性が所
望通りに与えられるように注意深く形成される。即ち、
Si、C及び/またはN及び/またはO、H及び/また
はXを構成要素とする物質はその形成条件によって構造
的には結晶からアモルファスまでの形態を取り、電気物
性的には導電性から半導体性、絶縁性までの間の性質
を、又、光導電的性質から非光導電的性質までの間の性
質を各々示すので、本発明においては、目的に応じた所
望の特性を有する化合物が形成される様に、所望に従っ
てその形成条件の選択が厳密になされる。例えば、表面
層603を耐圧性の向上を主な目的として設けるには、
使用環境に於いて電気絶縁性的挙動の顕著な非単結晶材
料として作成される。又、連続繰り返し使用特性や使用
環境特性の向上を主たる目的として表面層603が設け
られる場合には、上記の電気絶縁性の度合はある程度緩
和され、照射される光に対して有る程度の感度を有する
非単結晶材料として形成される。目的を達成し得る特性
を有する表面層603を形成するには、基体601の温
度、堆積室内のガス圧を所望にしたがって、適宜設定す
る必要がある。
【0036】基体601の温度(Ts)は、層設計にし
たがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好
ましくは50〜400℃、より好ましくは150〜35
0℃、最適には250〜300℃とするのが望ましい。
堆積室内のガス圧も同様に層設計にしたがって適宜最適
範囲が選択されるが、通常の場合、好ましくは0.01
〜1000Pa、より好ましくは0.05〜500P
a、最適には0.1〜100Paとするのが好ましい。
表面層603を形成するための基体温度、ガス圧の望ま
しい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、条件
は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望
の特性を有する電子写真用光受容部材を形成すべく相互
的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望ま
しい。また表面層603と光導電層602との間に炭素
原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子の含有
量が光導電層602に向かって連続的に減少する領域を
設けても良い。これにより表面層と光導電層602の密
着性を向上させ、界面での光の反射による干渉の影響を
より少なくすることができると同時に、界面でのキャリ
アのトラップを防止し、電子写真用光受容部材の特性向
上を達し得る。
【0037】必要に応じて導電性基体と光導電層602
との間に、導電性基体側からの電荷の注入を阻止する働
きのある電荷注入阻止層604を設けてもよい。すなわ
ち、電荷注入阻止層604は電子写真用光受容部材が一
定極性の帯電処理をその表面に受けた際、基体側より光
導電層602側に電荷が注入されるのを阻止する機能を
有し、逆の極性の帯電処理を受けた際にはそのような機
能は発揮されない、いわゆる極性依存性を有している。
そのような機能を付与するために、電荷注入阻止層60
4には伝導性を制御する元素を光導電層602に比べ比
較的多く含有させる。更に必要に応じて光導電層602
と表面層603との間に、表面層側からの電荷の注入を
阻止する働きのある上部阻止層607を設けてもよい。
すなわち、上部阻止層607は電子写真用光受容部材が
一定極性の帯電処理をその表面に受けた際、表面層60
3側より光導電層602側に電荷が注入されるのを阻止
する機能を有し、逆の極性の帯電処理を受けた際にはそ
のような機能は発揮されない、いわゆる極性依存性を有
している。そのような機能を付与するために、上部阻止
層607には電荷注入阻止層604と同様に伝導性を制
御する元素を光導電層602に比べ比較的多く含有させ
る。
【0038】該層に含有される伝導性を制御する元素
は、該層中に万偏なく均一に分布されても良いし、ある
いは層厚方向には万偏なく含有されてはいるが、不均一
に分布する状態で含有している部分があってもよい。分
布濃度が不均一な場合には、基体側に多く分布するよう
に含有させるのが好適である。しかしながら、いずれの
場合にも基体の表面と平行面内方向においては、均一な
分布で万偏なく含有されることが面内方向における特性
の均一化をはかる点からも必要である。電荷注入阻止層
604及び/または上部阻止層607に含有される伝導
性を制御する元素としては、前述した第3族元素または
第5族元素を用いることができる。
【0039】電荷注入阻止層604及び/または上部阻
止層607中に含有される伝導性を制御する元素の含有
量としては、所望にしたがって適宜決定されるが、好ま
しくは10〜1×104原子ppm、より好適には50
〜5×103原子ppm、最適には1×102〜3×10
3原子ppmとされるのが望ましい。さらに、電荷注入
阻止層604及び/または上部阻止層607には、炭素
原子、窒素原子及び酸素原子の少なくとも一種を含有さ
せることによって、該電荷注入阻止層604及び/また
は上部阻止層607に直接接触して設けられる他の層と
の間の密着性の向上をよりいっそう図ることができる。
該層に含有される炭素原子または窒素原子または酸素原
子は該層中に万偏なく均一に分布されても良いし、ある
いは層厚方向には万偏なく含有されてはいるが、不均一
に分布する状態で含有している部分があってもよい。し
かしながら、いずれの場合にも基体の表面と平行面内方
向においては、均一な分布で万偏なく含有されることが
面内方向における特性の均一化をはかる点からも必要で
ある。電荷注入阻止層604及び/または上部阻止層6
07の全層領域に含有される炭素原子及び/または窒素
原子および/または酸素原子の含有量は、所望の膜特性
が得られるよう適宜決定されるが、一種の場合はその量
として、二種以上の場合はその総和として、好ましくは
1×10-3〜50原子%、より好適には5×10-3〜3
0原子%、最適には1×10-2〜10原子%とされるの
が望ましい。
【0040】また、電荷注入阻止層604及び/または
上部阻止層607に含有される水素原子および/または
ハロゲン原子は層内に存在する未結合手を補償し膜質の
向上に効果を奏する。電荷注入阻止層604及び/また
は上部阻止層607中の水素原子またはハロゲン原子あ
るいは水素原子とハロゲン原子の和の含有量は、好適に
は1〜50原子%、より好適には5〜40原子%、最適
には10〜30原子%とするのが望ましい。電荷注入阻
止層604の層厚は所望の電子写真特性が得られるこ
と、及び経済的効果等の点から好ましくは0.1〜10
μm、より好ましくは0.3〜5μm、最適には0.5
〜3μmとされるのが望ましい。上部阻止層607の層
厚は所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効
果等の点から好ましくは0.01〜3μm、より好まし
くは0.05〜2μm、最適には0.1〜1μmとされ
るのが望ましい。
【0041】電荷注入阻止層604及び/または上部阻
止層607を形成するには、前述の光導電層602を形
成する方法と同様の真空堆積法が採用される。光導電層
602と同様に、シリコン原子導入用ガスとその他の原
子の導入用ガスとの混合比、堆積室内のガス圧、放電電
力ならびに基体601の温度を適宜設定することが必要
である。堆積室内のガス圧は適宜最適範囲が選択される
が、通常の場合0.01〜1000Pa、好ましくは
0.05〜500Pa、最適には0.1〜100Paと
するのが好ましい。電荷注入阻止層604及び/または
上部阻止層607を形成するための希釈ガスの混合比、
ガス圧、放電電力、基体温度等の層作成ファクターは通
常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特
性を有する電荷注入阻止層604及び/または上部阻止
層607を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づい
て各層作成ファクターの最適値を決めるのが望ましい。
基体601と光導電層602あるいは電荷注入阻止層6
04との間の密着性の一層の向上を図る目的で、例え
ば、Si3N4、SiO2、SiO、あるいはシリコン原
子を母体とし、水素原子及び/またはハロゲン原子と、
炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子と
を含む非晶質材料等で構成される密着層を設けても良
い。更に、基体からの反射光による干渉模様の発生を防
止するための光吸収層を設けても良い。
【0042】
【実施例】以下に、実施例によって本発明をさらに詳し
く説明する。 [実施例1]図1に示した堆積膜形成装置において、ア
ルミニウム製の円筒状基体103上にa−Si膜を表1
に示す成膜条件に従って成膜し、図6(C)に示す層構
成の電子写真用光受容部材を作成した。電子写真用光受
容部材作成後、反応容器部101と排気部121を切り
離し、反応容器部101をクリーニング処理用の別の排
気部121と接続し、表2に示すエッチング処理条件に
従って反応容器102内のクリーニング処理を行なっ
た。また、排気部は図2に示すエッチングガス供給系2
41に接続し、表2に示すエッチング処理条件に従って
排気部221内のクリーニング処理を行なった。反応容
器部101と排気部121のクリーニング処理終了後、
各々を接続し再び電子写真用光受容部材を作成した。
【0043】(比較例1)電子写真用光受容部材作成
後、反応容器部101と排気部121を切り離さずに、
表2に示すエッチング処理条件に従って反応容器部10
1及び排気部121のクリーニング処理を行なった以外
は、実施例1と同様にして、電子写真用光受容部材の作
成及び堆積膜形成装置のクリーニング処理を行なった。
実施例1及び比較例1で行なった堆積膜形成装置のクリ
ーニング方法について次の方法で評価した。 (1)処理時間評価 電子写真用光受容部材作成開始から、堆積膜形成装置の
クリーニング処理が終了し、再び電子写真用光受容部材
を作成開始するまでにかかる時間を測定した。処理時間
が短いほどタクトタイムが短く、生産性に優れているこ
とを示す。尚、堆積膜形成装置のクリーニング処理終了
は、堆積膜形成装置の各部の温度変動及び内圧変動をモ
ニターして判断した。 (2)耐久性評価 電子写真用光受容部材作成及堆積膜形成装置のクリーニ
ング処理を、30回繰り返した後に、排気部121の排
気能力を測定した。排気能力の測定は、一定流量のガス
を流して、反応容器102内の到達圧力を測定すること
により求めた。到達圧力が小さいほど排気装置の劣化が
少なく、生産性に優れていることを示す。以上の評価を
表2に示す。表2においては、比較例1−1の評価結果
を1とする相対値で示した。表2からわかる通り、比較
例1の堆積膜形成装置のクリーニング方法に対して実施
例1のクリーニング方法は、処理時間が短く、耐久性に
優れている。 以上の結果より、本発明に従えば、タクトタイムが短縮
され、保守時間が少なくてすみ、生産性に優れた堆積膜
を形成することが出来ることが判明した。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】 [実施例2]表3に示すエッチング処理条件に従って堆
積膜形成装置100内のクリーニング処理を行なった以
外は、実施例1と同様にして、電子写真用光受容部材の
作成及び堆積膜形成装置のクリーニング処理を行なっ
た。
【0046】(比較例2)表3に示すエッチング処理条
件に従って堆積膜形成装置100内のクリーニング処理
を行なった以外は、比較例1と同様にして、電子写真用
光受容部材の作成及び堆積膜形成装置のクリーニング処
理を行なった。実施例2及び比較例2で行なった堆積膜
形成装置のクリーニング方法について、実施例1と同様
の方法で評価した。以上の評価を表3に示す。表3にお
いては、比較例2−1の評価結果を1とする相対値で示
した。表3からわかる通り、比較例2の堆積膜形成装置
のクリーニング方法に対して実施例2のクリーニング処
理方法は、処理時間が短く、耐久性に優れている。以上
の結果より、本発明に従えば、タクトタイムが短縮さ
れ、保守時間が少なくてすみ、生産性に優れた堆積膜を
形成することが出来ることが判明した。
【0047】
【表3】 [実施例3]表4に示すエッチング処理条件に従って堆
積膜形成装置100内のクリーニング処理を行なった以
外は、実施例1と同様にして、電子写真用光受容部材の
作成及び堆積膜形成装置のクリーニング処理を行なっ
た。
【0048】(比較例3)表4に示すエッチング処理条
件に従って堆積膜形成装置100内のクリーニング処理
を行なった以外は、比較例1と同様にして、電子写真用
光受容部材の作成及び堆積膜形成装置のクリーニング処
理を行なった。実施例3及び比較例3で行なった堆積膜
形成装置のクリーニング方法について、実施例1と同様
の方法で評価した。以上の評価を表4に示す。表4にお
いては、比較例3−1の評価結果を1とする相対値で示
した。表4からわかる通り、比較例3の堆積膜形成装置
のクリーニング方法に対して実施例3のクリーニング処
理方法は、処理時間が短く、耐久性に優れている。以上
の結果より、本発明に従えば、タクトタイムが短縮さ
れ、保守時間が少なくてすみ、生産性に優れた堆積膜を
形成することが出来ることが判明した。
【0049】
【表4】 [実施例4]図3に示す、排気部321用のエッチング
ガス供給系341を組みこんだ堆積膜形成装置300を
用い、実施例1と同様に電子写真用光受容部材を作成
後、反応容器部301と排気部321を切り離し、反応
容器部301は実施例1と同様の条件で反応容器301
内のクリーニング処理を行なった。排気部321はエッ
チングガス供給系341よりエッチングガスを供給して
実施例1と同様の条件で排気部321内のクリーニング
処理を行なうと共に、排気部321のクリーニング処理
中に、予めクリーニング処理を終えた別の反応容器部3
01を接続した。排気部321のクリーニング処理終了
後、再び電子写真用光受容部材を作成した。実施例4で
行なった堆積膜形成装置のクリーニング方法について、
実施例1と同様の方法で評価した結果、比較例1−1に
対して、処理時間で0.79、耐久性で0.88優れて
いた。以上の結果より、本発明に従えば、タクトタイム
が短縮され、保守時間が少なくてすみ、生産性に優れた
堆積膜を形成することが出来ることが判明した。
【0050】[実施例5]実施例2と同様のエッチング
処理条件に従って堆積膜形成装置100内のクリーニン
グ処理を行なった以外は、実施例4と同様にして、電子
写真用光受容部材の作成及び堆積膜形成装置のクリーニ
ング処理を行なった。実施例5で行なった堆積膜形成装
置のクリーニング方法について、実施例1と同様の方法
で評価した結果、比較例2−1に対して、、処理時間で
0.75、耐久性で0.85優れていた。以上の結果よ
り、本発明に従えば、タクトタイムが短縮され、保守時
間が少なくてすみ、生産性に優れた堆積膜を形成するこ
とが出来ることが判明した。
【0051】[実施例6]表5に示すエッチング処理条
件に従って堆積膜形成装置100内のクリーニング処理
を行なった以外は、実施例4と同様にして、電子写真用
光受容部材の作成及び堆積膜形成装置のクリーニング処
理を行なった。実施例6で行なった堆積膜形成装置のク
リーニング方法について、実施例1と同様の方法で評価
した結果、実施例4と同様の結果が得られ、本発明に従
えば、タクトタイムが短縮され、保守時間が少なくてす
み、生産性に優れた堆積膜を形成することが出来ること
が判明した。
【0052】[実施例7]表5に示すエッチング処理条
件に従って堆積膜形成装置100内のクリーニング処理
を行なった以外は、実施例5と同様にして、電子写真用
光受容部材の作成及び堆積膜形成装置のクリーニング処
理を行なった。実施例7で行なった堆積膜形成装置のク
リーニング方法について、実施例1と同様の方法で評価
した結果、実施例5と同様の結果が得られ、本発明に従
えば、タクトタイムが短縮され、保守時間が少なくてす
み、生産性に優れた堆積膜を形成することが出来ること
が判明した。
【0053】
【表5】 [実施例8]図4に示した、各々の反応容器402内に
それぞれ基体403を設置した複数の反応容器402か
らなる反応容器部401を組みこんだ堆積膜形成装置4
00を用い、表6に示す成膜条件に従って電子写真用光
受容部材を作成後、反応容器部401と排気部421を
切り離し、反応容器部401は表7に示すエッチング処
理条件にしたがった以外は、実施例1と同様にして反応
容器402内のクリーニング処理を行なった。排気部4
21は表7に示すエッチング処理条件にしたがった以外
は、実施例1と同様にして排気部421内のクリーニン
グ処理を行なった。その後、反応容器部401と排気部
421を接続して、再び電子写真用光受容部材を作成し
た。
【0054】(比較例4)電子写真用光受容部材作成
後、反応容器部401と排気部421を切り離さずに、
表7に示すエッチング処理条件に従って堆積膜形成装置
400内のクリーニング処理を行なった以外は、実施例
8と同様にして、電子写真用光受容部材の作成及び堆積
膜形成装置のクリーニング処理を行なった。実施例8及
び比較例4で行なった堆積膜形成装置のクリーニング方
法について、実施例1と同様の方法で評価した。以上の
評価を表7に示す。表7においては、比較例4−1の評
価結果を1とする相対値で示した。表7からわかる通
り、比較例4の堆積膜形成装置のクリーニング方法に対
して実施例8のクリーニング方法は、処理時間が短く、
耐久性に優れている。以上の結果より、本発明に従え
ば、タクトタイムが短縮され、保守時間が少なくてす
み、生産性に優れた堆積膜を形成することが出来ること
が判明した。
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】 [実施例9]図5に示した、各々の高周波電極504内
にそれぞれ基体503を設置した複数の高周波電極を一
つの反応容器502に納めた反応容器部501を組みこ
んだ堆積膜形成装置500を用い、表8に示す成膜条件
に従って電子写真用光受容部材を作成後、反応容器部5
01と排気部521を切り離し、反応容器部501は表
9に示すエッチング処理条件に従った以外は、実施例4
と同様にして反応容器502内のクリーニング処理を行
なった。排気部521はエッチングガス供給部541を
用い表9に示すエッチング処理条件に従った以外は、実
施例4と同様にして排気部521内のクリーニング処理
を行なった。排気部521のクリーニング処理中に、実
施例4と同様に、予めクリーニング処理を終えた別の反
応容器部501を排気部521に接続し、排気部521
のクーニング処理終了後に、再び電子写真用光受容部材
を作成した。
【0057】(比較例5)電子写真用光受容部材作成
後、反応容器部501と排気部521を切り離さずに、
表9に示すエッチング処理条件に従って堆積膜形成装置
500内のクリーニング処理を行なった以外は、実施例
9と同様にして、電子写真用光受容部材の作成及び堆積
膜形成装置のクリーニング処理を行なった。実施例9及
び比較例5で行なった堆積膜形成装置のクリーニング方
法について、実施例1と同様の方法で評価した。以上の
評価を表9に示す。表9においては、比較例5−1の評
価結果を1とする相対値で示した。表9からわかる通
り、比較例5の堆積膜形成装置のクリーニング方法に対
して実施例9のクリーニング方法は、処理時間が短く、
耐久性に優れている。以上の結果より、本発明に従え
ば、タクトタイムが短縮され、保守時間が少なくてす
み、生産性に優れた堆積膜を形成することができること
が判明した。
【0058】
【表8】
【0059】
【表9】
【0060】
【発明の効果】以上のように、本発明は反応容器と排気
部を別個にクリーニング処理することによって、クリー
ニング処理に要する時間を短縮することができ、ひいて
は堆積膜の生産タクトタイムが短縮され、堆積膜形成装
置の保守時間が短くてすみ、堆積膜のコストダウンが可
能となり、生産性に優れた堆積膜形成装置のクリーニン
グ方法および堆積膜形成方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の堆積膜形成装置のクリーニング方法を
用いた電子写真用光受容部材の堆積膜形成装置の一例を
示す模式図である。
【図2】本発明の堆積膜形成装置のクリーニング方法を
用いた、電子写真用光受容部材の堆積膜形成装置の排気
部をクリーニング処理する場合の一例を示す模式図であ
る。
【図3】本発明の堆積膜形成装置のクリーニング方法を
用いた別の電子写真用光受容部材の堆積膜形成装置の一
例を示す模式図である。
【図4】本発明の堆積膜形成装置のクリーニング方法を
用いた別の電子写真用光受容部材の堆積膜形成装置の一
例を示す模式図である。
【図5】本発明の堆積膜形成装置のクリーニング方法を
用いた別の電子写真用光受容部材の堆積膜形成装置の一
例を示す模式図である。
【図6】本発明の堆積膜形成装置で作成される電子写真
用光受容部材の層構成の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
100,300,400,500:堆積膜形成装置 101,301,401,501:反応容器部 102,302,402,502:反応容器 103,303,403,503:基体 104,304:ヒーター 105,305,405,505:ガス供給管 106,245,306,406,506:マッチング
ボックス 107,307:ガス導入管 108,246,308:導入バルブ 109,309:リークバルブ 110,247,310:真空計 111,248,311,411,511:排気バルブ 112,249,312,412,512:排気管 121,221,321,421,521:排気部 122,222,322:ロータリーポンプ 123,223,323:メカニカルブースターポンプ 124,224,324:排気装置(真空ポンプ) 125,225,325:排気バルブ 126,226,326:排気管 127,227,327:接続管 128,228,328:排気バルブ 129,229,329:リークバルブ 200:排気部のクリーニング処理装置 241:エッチングガス供給部 242:エッチングガス供給室 243,504:高周波電極 244:対向電極 600:電子写真用光受容部材 601:基体 602:光導電層 603:表面層 604:電荷注入阻止層 605:電荷発生層 606:電荷輸送層 607:上部阻止層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】減圧可能な反応容器と、該反応容器内を排
    気する排気部からなる堆積膜形成装置を用い、該反応容
    器内に原料ガス及び放電電力を導入し、該放電電力によ
    って前記原料ガスを分解して前記反応容器内に設置され
    た基体上に堆積膜を形成した後、前記反応容器内と前記
    排気部内とに残留する堆積膜形成時に発生した副生成物
    をエッチング処理することにより、該反応容器内及び排
    気部内のクリーニング処理を行う堆積膜形成装置のクリ
    ーニング方法において、前記クリーニング処理を前記反
    応容器と前記排気部とを切り離してそれらを個別にクリ
    ーニング処理することを特徴とする堆積膜形成装置のク
    リーニング方法。
  2. 【請求項2】前記反応容器内のクリーニング処理が、該
    反応容器をクリーニング処理用排気部に接続して行われ
    ることを特徴とする請求項1に記載の堆積膜形成装置の
    クリーニング方法。
  3. 【請求項3】前記排気部内のクリーニング処理が、該排
    気部にクリーニング処理用エッチングガス導入部を接続
    して行われることを特徴とする請求項1に記載の堆積膜
    形成装置のクリーニング方法。
  4. 【請求項4】前記エッチングガスが、三フッ化塩素ガス
    であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか
    1項に記載の堆積膜形成装置のクリーニング方法。
  5. 【請求項5】前記三フッ化塩素ガスを、アルゴンガス、
    ヘリウムガス又は窒素ガスの中の少なくとも一つのガス
    で希釈して用いることを特徴とする請求項4に記載の堆
    積膜形成装置のクリーニング方法。
  6. 【請求項6】前記エッチングガスが、四フッ化炭素ガス
    と酸素の混合ガスであることを特徴とする請求項1〜請
    求項3のいずれか1項に記載の堆積膜形成装置のクリー
    ニング方法。
  7. 【請求項7】前記反応容器内及び/又は前記排気部内の
    エッチング処理が、該反応容器内及び/又は前記排気部
    内に放電電力を導入することによりエッチングガスを分
    解しながら行なうことを特徴とする請求項1〜請求項6
    のいずれか1項に記載の堆積膜形成装置のクリーニング
    方法。
  8. 【請求項8】前記反応容器が、基体を設置してなる複数
    の反応容器により構成され、該複数の反応容器内を共通
    の排気部を用いて排気することを特徴とする請求項1〜
    請求項7のいずれか1項に記載の堆積膜形成装置のクリ
    ーニング方法。
  9. 【請求項9】前記反応容器が、内部に基体を配した放電
    電極を複数個有し、該複数の放電電極を共通の反応容器
    内に設置した構成を備えていることを特徴とする請求項
    1〜請求項7のいずれか1項に記載の堆積膜形成装置の
    クリーニング方法。
  10. 【請求項10】請求項1〜請求項7のいずれか1項に記
    載の堆積膜形成装置のクリーニング処理を行った後、前
    記反応容器と前記排気部とを接続して再度堆積膜を形成
    することを特徴とする堆積膜形成方法。
  11. 【請求項11】請求項3に記載の排気部のクリーニング
    処理中に、クリーニング処理が終了した反応容器を接続
    することを特徴とする堆積膜形成方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20170200591A1 (en) * 2016-01-13 2017-07-13 Mks Instruments, Inc. Method and Apparatus for Deposition Cleaning in a Pumping Line
US10337105B2 (en) 2016-01-13 2019-07-02 Mks Instruments, Inc. Method and apparatus for valve deposition cleaning and prevention by plasma discharge
US11664197B2 (en) 2021-08-02 2023-05-30 Mks Instruments, Inc. Method and apparatus for plasma generation
US11745229B2 (en) 2020-08-11 2023-09-05 Mks Instruments, Inc. Endpoint detection of deposition cleaning in a pumping line and a processing chamber

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