JPH10168514A - 鋼材の連続式加熱炉およびその操業方法 - Google Patents

鋼材の連続式加熱炉およびその操業方法

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JPH10168514A
JPH10168514A JP8330593A JP33059396A JPH10168514A JP H10168514 A JPH10168514 A JP H10168514A JP 8330593 A JP8330593 A JP 8330593A JP 33059396 A JP33059396 A JP 33059396A JP H10168514 A JPH10168514 A JP H10168514A
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JP
Japan
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burner
furnace
temperature
steel material
heating furnace
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JP8330593A
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English (en)
Inventor
Yutaka Suzukawa
豊 鈴川
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Tunnel Furnaces (AREA)
  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各バーナー間の温度制御の干渉を最小にする
ことにより、炉長方向でのきめ細かな温度制御を可能と
し、鋼材の加熱精度を高め得る連続式加熱炉及びその操
業方法を提供する。 【解決手段】 連続式加熱炉1の両側に蓄熱式バーナー
100が1組ずつ対面して、炉長方向に複数組が設置さ
れている。加熱炉内の雰囲気温度を測定する温度計11
4、115の測定値から、個々の蓄熱式バーナー100
近傍の雰囲気温度を演算し、演算結果の温度とあらかじ
め予定された温度とが一致するように、蓄熱式バーナー
100個々の単位時間当たりのエネルギー投入量を調節
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼材の連続式加熱
炉及びその操業方法に関するもので、特に、鋼材の加熱
精度を高め得る連続式加熱炉及びその操業方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の鋼材の連続式加熱炉は、常温ない
しは数百度℃の鋼材を加熱炉の装入口より炉内に入れ、
炉内に設置したウォーキングビームやスキッドレール上
を抽出口に向けて連続的に搬送しながら、炉壁に設置し
た複数のバーナにより所定の温度まで加熱して抽出口よ
り搬出するものである。従来の加熱炉の寸法・形状は、
単位時間当たりの鋼材の加熱処理能力や、鋼材の大きさ
・形状により異なる他、炉壁に設置するバーナの位置に
よっても大きく異なる。
【0003】図3は、日本国内の製鉄所における代表的
な連続式鋼材加熱炉形状の概略断面図を示すものであ
る。これらの連続式加熱炉は、常温ないしは数百度℃の
鋼材を1200〜1300℃程度まで加熱するもので、
1時間当たり200〜600トンの鋼材を加熱できるも
のである。またこれらの加熱炉の大きさは、炉長30〜
40m、炉幅約10mであり、加熱する鋼材の大きさ
は、例えば、厚さ200〜250mm程度、幅500〜
1500mm程度、長さ5000〜10000mm程度
である。以下、この連続式鋼材加熱炉についてより詳細
に説明する。
【0004】図3において、1は加熱炉で、2は鋼材の
装入口、3は加熱を完了した鋼材の抽出口、4はウォー
キングビームやスキッドレール等、鋼材を搬送するため
の装置、5は鋼材である。通常、加熱炉は図3に示すよ
うに、炉長方向に、装入側より、予熱帯11、加熱帯1
2、均熱帯13等に分けられていることが多く、それぞ
れの帯の長さは、炉長を帯の数で割った値に近い。ま
た、各帯の間には仕切壁144が設置されていることも
ある。帯の数は、本例の3帯に限らず、より多いものも
ある。15は燃焼排ガスを炉外に排出するための煙道で
装入側に近い位置に設置されている。
【0005】16は、予熱帯、加熱帯および均熱帯下部
の炉側壁から炉内側に向けて設置したバーナ、いわゆる
サイドバーナで、図において○印は、手前側に設置した
バーナ、●印は奥側に設置したバーナである。これらの
バーナは、炉長方向で千鳥配置されていることが多い。
また、燃焼排ガスの全量を、炉の装入側に設置した煙道
15より排出するため、予熱帯の装入口近傍にはあえて
バーナを配置せず、燃焼排ガスの顕熱を鋼材に伝えてこ
れを加熱する一方、炉から排出する燃焼排ガスの温度を
下げる設計がなされる場合もある。
【0006】17は均熱帯上部から下部に向けて設置し
た小容量のバーナ、いわゆるルーフバーナである。これ
らの加熱炉で用いられているバーナは、燃料と燃焼用空
気を所定量連続的に供給して連続燃焼させるものであ
る。
【0007】このような連続式加熱炉では、炉に装入さ
れた鋼材は、予熱帯11、加熱帯12ではサイドバーナ
16により加熱され、均熱帯13では、下部のサイドバ
ーナ16および上部のルーフバーナ17により抽出目標
温度まで加熱されて炉外に搬出される。このとき、予熱
帯、加熱帯および均熱帯の燃焼調整を個別に行うことに
より、鋼材加熱温度制御を実施している。
【0008】従って、このような加熱炉では、各帯毎、
さらには、各帯の上下毎、またさらに、均熱帯において
は炉の手前側と奥側に分けてゾーン分割し、ゾーン内の
複数のバーナーをまとめてゾーン毎に燃焼調整ができる
機構を備えていることが多い。また、各帯の燃焼負荷が
小さい場合には、特定のバーナの使用を中断することが
できる機構を備えていることが多い。
【0009】このようにして、温度や寸法の異なる鋼材
が装入された場合や、抽出温度が異なる鋼材が装入され
た場合でも所定の鋼材温度で抽出できるような操業がな
される。なお、各帯に設置するバーナの容量、本数は、
鋼材を所定の温度に加熱するに必要な燃焼容量を計算
し、一方、製作可能なバーナ容量、初期コストを計算し
て、燃焼容量をバーナ容量で割った値として経済的バー
ナ本数を決定しているのが実態である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図3に示すような、サ
イドバーナを多数用いた従来の加熱炉では、加熱炉全体
を複数の燃焼制御ゾーンに分割してはいるものの、ゾー
ン内の複数のバーナーをまとめて一個の制御単位として
燃焼制御している。従って、個々の鋼材を異なった加熱
条件で加熱しようとする場合に、精度の良い加熱ができ
ないという問題点があった。
【0011】また、同一燃焼制御ゾーン内でバーナー負
荷が同一であるため、バーナ近傍のガス温度がバーナー
毎に異なる温度となり、部分的にガス温度が過度に上昇
し、窒素酸化物の発生が促進されるという問題もあっ
た。
【0012】これらの問題は、単純に考えると、バーナ
ー1本毎に対応して温度検出器を設置し、バーナー1本
毎に目標温度が得られるように燃焼制御を行うことによ
って解決できるように思える。また、バーナー1本毎に
対応して温度検出器を設置しなくとも、公知の数式モデ
ルを使用してバーナー近傍の温度を推定し、この推定温
度が目標温度になるように個々のバーナーの燃焼制御を
行うことによっても解決できるように思える。
【0013】しかしながら、このような方式では良好な
加熱制御を行うことができない。その理由は、燃焼排ガ
スが炉の装入側に流れるため、炉の装入側にあるバーナ
ーの温度制御が、炉の抽出側にあるバーナーの燃焼の影
響を受けるためである。
【0014】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、各バーナー間の温度制御の干
渉を最小にすることにより、炉長方向でのきめ細かな温
度制御を可能とし、鋼材の加熱精度を高め得る連続式加
熱炉及びその操業方法を提供することを目的とする。更
に、局部的なガス温度の上昇を防止して、窒素酸化物の
発生をより抑制することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題は、鋼材を搬送
しながら所定の温度まで加熱する鋼材の連続式加熱炉で
あって、炉の両側に1組が対面して設けられ、炉長方向
に複数組が設置された蓄熱式バーナーと、加熱炉内に設
置された、加熱炉内の雰囲気温度を測定する温度計と、
これらの温度計の測定値から、個々の蓄熱式バーナー近
傍の雰囲気温度を演算する演算手段と、演算結果の温度
とあらかじめ予定された温度とが一致するように、蓄熱
式バーナー個々の単位時間当たりのエネルギー投入量を
調節する調節手段を有してなることを特徴とする鋼材の
連続式加熱炉によって解決される。
【0016】また、前記課題は、鋼材を搬送しながら所
定の温度まで加熱する鋼材の連続式加熱炉であって、炉
の両側に1組が対面して設けられ、炉長方向に複数組が
設置された蓄熱式バーナーと、加熱炉内に複数設置され
た、加熱炉内の雰囲気温度を測定する温度計を有するも
のの操業方法において、前記温度計の測定値から、個々
の蓄熱式バーナー近傍の雰囲気温度を演算し、演算結果
の温度とあらかじめ予定された温度とが一致するよう
に、蓄熱式バーナー個々の単位時間当たりのエネルギー
投入量を調節することを特徴とする鋼材の連続式加熱炉
の操業方法により解決される。
【0017】蓄熱式バーナーとは、バーナー個々に蓄熱
体を有し、ある時間には炉内ガスを吸引してその顕熱を
蓄熱体に蓄え(蓄熱状態)、別の時間には蓄えた顕熱を
燃焼空気に与えて高温の予熱空気を得て燃焼し(燃焼状
態)、これら蓄熱状態と燃焼状態を交互に繰り返して燃
焼を行うバーナーのことであり、周知のものである。
【0018】この蓄熱式バーナーが炉加熱炉の両側に1
組が対面して設けられ、一方のバーナーが燃焼状態にあ
るとき他方のバーナーは蓄熱状態にある。そして、これ
らを交互に繰り返して燃焼を行う。
【0019】本発明の加熱炉においては、蓄熱式バーナ
ーの燃焼排ガスのうちの大部分は、対向する蓄熱バーナ
ーに吸引されて炉外に排出され、従来の加熱炉のように
装入側に流れることがない。よって、炉長方向のバーナ
ー間での温度の干渉が最小限に押さえられる。従って、
バーナー個々に温度制御を行っても、温度制御制御の干
渉が起こらず、良好な制御を行うことができる。また、
温度制御が各バーナーについて行われる結果、局部的な
ガス温度の上昇が防止され、窒素酸化物の発生が抑制さ
れる。
【0020】炉内に設置された温度計の検出温度から個
々のバーナーの近傍の雰囲気温度を演算する方法は、周
知の伝熱計算を使用した周知の数式モデルを適宜採用し
たり、経験や実験により求められたモデルを適用するこ
とにより実施できる。個々のバーナー近傍の雰囲気温度
の目標値(予定値)は、鋼材の目標温度から同じく伝熱
計算を使用した周知の数式モデルを採用したり、経験や
実験により求められたモデルを適用することにより計算
できる。
【0021】蓄熱式バーナー個々の単位時間当たりのエ
ネルギー投入量を調節する方法として、蓄熱式バーナー
の燃焼時間、燃焼負荷の内、少なくとも一つを調節する
方法を採用すれば、各バーナーの制御をきめ細かく行う
ことができる。
【0022】また、各バーナー近傍の温度の目標値であ
るあらかじめ予定された温度を、装入される鋼材の装入
温度、抽出温度、加熱炉内での昇温パターンにより決定
することで、炉内温度を鋼材ごとに最適化することがで
き、加熱温度の異なる鋼材の加熱において加熱温度外れ
を小さくすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例を図1
に示す。なお、図1においては、図3中の装置と同じ装
置については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0024】図1は、連続式鋼材加熱炉に、蓄熱式バー
ナを多数設置した本発明による加熱炉の概略断面図を示
すものである。この連続式加熱炉は、常温ないしは数百
度℃の鋼材を1200〜1300℃程度まで加熱するも
ので、1時間当たり200〜600トンの鋼材を加熱で
きるものである。また加熱炉の大きさは、炉長約36
m、炉幅約10mであり、加熱する鋼材の大きさは、例
えば、厚さ200〜250mm程度、幅500〜150
0mm程度、長さ5000〜9500mm程度である。
【0025】図1において、パスラインの上下に蓄熱式
サイドバーナ100が設置されている。図1では蓄熱式
サイドバーナは図の手前側と奥側に、対となって対向し
て取り付けられている。炉長方向のバーナピッチは炉の
装入側では1.5m〜2.5mである。バーナーピッチ
は炉の抽出口側でより小さくしており1.0m〜2.0
mである。バーナー容量は、炉の装入側で大きく、炉の
抽出側で小さい。
【0026】なお、図が煩雑になるのですべてを図示し
ないが、各蓄熱式サイドバーナ100には、燃焼空気流
量調節弁111、燃焼排ガス流量調節弁112、および
燃料流量調節弁113が取り付けられている。
【0027】当該バーナーの燃焼状態にあってはこれら
の流量調節弁のうち、燃焼空気流量調節弁111および
燃料流量調節弁113は所定開度で開き、燃焼排ガス流
量調節弁112は閉じる。また、当該バーナーの蓄熱状
態にあってはこれらの流量調節弁のうち、燃焼空気流量
調節弁111および燃料流量調節弁113は閉じ、燃焼
排ガス流量調節弁112は所定開度で開く。各対の蓄熱
式サイドバーナーは、その一方が燃焼状態にあるとき他
方は蓄熱状態にあり、所定時間毎に燃焼状態と蓄熱状態
が切り替わる。
【0028】炉の天井より炉内に挿入された熱電対11
4が、炉幅方向に3〜4個所、炉長方向に約4mピッチ
で取り付けられている。さらに、炉の側壁より炉内に挿
入された熱電対115が、炉長方向に約5mピッチで取
り付けられている。8は排気ブロワで、蓄熱体を通過し
た燃焼排ガスを吸引し、煙突1より大気に放出する。1
5は蓄熱バーナを通過しない燃焼排ガスの煙道であり、
燃焼排ガスが煙突2より大気に放出される。
【0029】211は燃焼制御装置である。燃焼制御装
置211には、上位の計算機より各鋼材毎の装入順序、
加熱条件(装入温度、抽出温度、加熱炉内での昇温パタ
ーン等)が与条件として入力される。また、熱電対11
4、115により検出された炉内各部の温度、各蓄熱バ
ーナーの燃焼状態がプロセス状態データーとして入力さ
れる。
【0030】燃焼制御装置211は、与条件より各鋼材
の加熱パターンを演算する。同時に、装入順序データー
と合わせて各鋼材の現時点での炉内位置と加熱温度を数
式モデルを使用して演算する。そして、これらの値とプ
ロセス状態データより、各鋼材の実温度を加熱パターン
に一致させるのに必要な各蓄熱サイドバーナー100近
傍の温度(Ts)を計算する。更に、燃焼制御装置21
1はプロセス状態データーとして入力される炉内各部の
温度から、炉内温度分布を演算する。そして、この温度
分布から、周知の数式モデル用いて各蓄熱サイドバーナ
ー100近傍の炉内ガス温度(Tp)を演算する。
【0031】特許請求の範囲に記載される「個々の蓄熱
式バーナー近傍の雰囲気温度を演算する手段」は、この
実施の形態においては、燃焼制御装置211の内、この
数式モデルを実行する部分に対応する。
【0032】最後に、TpをTsに一致させるために必
要な各サイドバーナー100へのエネルギー投入量を、
周知の数式モデルを使用して計算し、各蓄熱サイドバー
ナー100の燃焼状態を変更する制御信号を各蓄熱サイ
ドバーナーの100の流量調節弁111及び113に発
信する。
【0033】特許請求の範囲に記載される「演算結果の
温度とあらかじめ予定された温度とが一致するように、
蓄熱式バーナー個々の単位時間当たりのエネルギー投入
量を調節する調節手段」は、この実施の形態において
は、燃焼制御装置211の内、この数式モデルを実行す
る部分と、燃焼制御装置211からの指令を受けてエネ
ルギー投入量を制御する燃焼吸気流量調節弁111、燃
料流量調節弁113に対応する。
【0034】なお、蓄熱サイドバーナーであっても、発
生する燃焼排ガスの一部しか対向するバーナーに吸引し
ない操業もありうるので、その場合に燃焼排ガスが炉尻
に流れることを考慮し、ガス流れの上流側を優先して燃
焼制御を行うことが好ましい。また、炉内温度を計算す
る数式モデルにおいては、これら炉尻に流れる燃焼排ガ
スの影響を考慮するのは言うまでもない。なお、プロセ
ス状態データーの測定は1秒間隔で行い、15秒間での
移動平均データーに変換する。燃焼制御装置でのバーナ
ー燃焼制御演算はこの移動平均したデーターと与条件に
より15秒毎になされる。
【0035】本実施の形態で使用されている蓄熱式バー
ナーでは、バーナーの燃焼負荷が最大燃焼負荷の40%
以下になると、バーナーにより形成される火炎が短くな
る結果、炉幅方向のガス温度分布が不均一になり好まし
くない。従って、各蓄熱バーナーの流量調節弁に発信さ
れる信号は、当該バーナーの燃焼負荷が40%以上の時
には、調節弁の開度を調整して流量を変更する信号を発
信する。また、当該バーナーの燃焼負荷が40%以下の
時には、調節弁の開度を40%負荷相当に維持し、燃焼
時間を短縮する信号を発信する。
【0036】即ち、各バーナーから炉内に投入されるエ
ネルギー量が大きい場合には、バーナー個々に設置した
燃料ガス流量調節弁および燃焼空気流量調節弁の開度を
調節し、燃焼負荷を変えることにより制御する。投入さ
れるエネルギー量が小さくなった場合には、バーナー個
々に設置した燃料ガス流量調節弁および燃焼空気流量調
節弁をバーナーにより形成される火炎が短くならない程
度開いた状態で、一対のうちのどちらかの蓄熱式バーナ
ーを燃焼させる時間と、どちらの蓄熱式バーナーも燃焼
させない時間との長さの比率を変えて、時間平均値とし
ての燃焼負荷を制御する。
【0037】勿論、燃焼負荷が40%以下とならないこ
とが保証される場合には、燃焼負荷のみをかえるような
制御方式を採用することができる。また、場合によって
は、全制御範囲にわたって燃焼時間を変化させることに
よって単位時間当たりのエネルギー投入量を調節するこ
ともできる。
【0038】以下、蓄熱式バーナーによる加熱方式につ
いて詳細に説明する。図2は、加熱炉1に2対の蓄熱式
バーナ6、7を設置した例の概略断面を示す図である。
蓄熱式バーナーは鋼材5の上下に各1対づつ設けられて
いるが、上下の対は全く同じ物であるので、上部の蓄熱
式バーナーにのみ符号を付して説明する。
【0039】図2において、61、71は蓄熱体であ
る。蓄熱体は比表面積が大きくガスの通過抵抗が小さい
ことが好ましい。さらに、質量が小さく温度変化に対す
る応答性が良いのが好ましく、例えばセラミックハニカ
ムが用いられている。62、72は燃料遮断弁で図には
示されていない燃料供給源より加圧された燃料が供給さ
れる。63、73は燃焼空気弁で図には示されていない
空気供給源より加圧された空気が供給される。64、7
4は燃焼排ガス弁である。
【0040】また、8は排気ブロワで、蓄熱体を通過し
た燃焼排ガスを吸引し、煙突1より大気に放出する。1
5は蓄熱バーナを通過しない燃焼排ガスの煙道であり、
燃焼排ガスが煙突2より大気に放出される。99はドレ
ン排出装置で、各バーナの底部に設置されている。
【0041】図2において、例えばバーナ6が燃焼状態
にある場合には、燃料遮断弁62が開いて燃料が供給さ
れる。また、燃焼空気弁63が開き燃焼排ガス弁64が
閉じて蓄熱体61に空気が押込まれ供給される。蓄熱体
を通過した空気は蓄熱体より熱を奪って高温の予熱空気
となってバーナ6に供給される。一方、このときバーナ
7では、燃料遮断弁72、燃焼空気弁73が閉じ、燃焼
排ガス弁74が開いており、燃焼排ガスは、バーナ7よ
り吸引され、蓄熱体71を経てこれを加熱した後排気ブ
ロワ8により排気される。
【0042】また、余剰の燃焼排ガスがある場合には燃
焼排ガス煙道15からも排気される。このとき、例えば
炉内ガス温度が1300℃の場合、蓄熱体に供給される
燃焼空気の温度が30℃とすると、蓄熱体61で加熱さ
れて1250℃の予熱空気となってバーナ6に供給され
る。また、燃焼排ガスの大部分はバーナ7を経て135
0℃の温度で蓄熱体71に入り、これを加熱して約20
0℃で排気される。
【0043】蓄熱式バーナを用いた加熱炉で蓄熱燃焼を
行う場合には、一定時間毎にバーナ6と7の燃焼を切り
替える交番燃焼が行われる。切り替え時間は概略30秒
〜2分間と短いのが普通である。
【0044】そして、燃焼が切り替わり、バーナ7が燃
焼状態になった場合には、燃料遮断弁72が開き、燃焼
空気弁73が開き燃焼排ガス弁74が閉じて蓄熱体71
に空気が供給される。蓄熱体を通過した空気は蓄熱体よ
り熱を奪って高温の予熱空気となってバーナ7に供給さ
れる。一方、このときバーナ6では、燃料遮断弁62、
燃焼空気弁63は閉じて燃焼排ガス弁64が開いてお
り、燃焼排気ガスは、バーナ6より吸引され、蓄熱体6
1を経てこれを加熱した後排気ブロワ8により排気され
る。
【0045】燃料遮断弁62、燃焼空気弁63の開状態
での開度を調節することにより、バーナ6へのエネルギ
ー投入量を変化させることができる。
【0046】なお、蓄熱体にセラミックハニカムを用い
た高性能蓄熱式バーナでは、蓄熱燃焼により得られる予
熱空気の温度は概ね炉温−50℃であることが知られて
いる。
【0047】このような蓄熱式バーナでは、交番燃焼が
おこなわれるため炉内温度分布が均一化され、かつ一方
のバーナの燃焼で発生した燃焼排ガスを蓄熱中の他のバ
ーナが吸引するため、バーナペア間でガス流れ収支が満
足され、これらのバーナから離れた部分への燃焼排ガス
の流れ込みが少なくなって他の部分への熱的影響が極め
て小さくなる特徴がある。また、燃焼排ガスの顕熱を回
収し極めて高温の予熱空気が得られるので、大幅な省エ
ネルギが期待できる。
【0048】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、各バーナー間の温度制御の干渉を最小にすることが
でき、その結果、炉長方向でのきめ細かな温度制御を可
能とし、鋼材の加熱精度を高めることができる。更に、
局部的なガス温度の上昇を防止して、窒素酸化物の発生
をより抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の例を示す図である。
【図2】 蓄熱式バーナーを使用した加熱炉の概念図で
ある。
【図3】 従来の加熱炉を示す図である。
【符号の説明】
1:加熱炉、2:装入口、3:抽出口、4:鋼材搬送装
置、5:鋼材、8:排気ブロワ、15:煙道、100:
蓄熱式サイドバーナー、111:燃焼空気流量調節弁、
112:燃焼排ガス流量調節弁、113:燃料流量調節
弁、114、115:熱電対、155:ダンパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F27B 9/40 F27B 9/40 F27D 19/00 F27D 19/00 A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼材を搬送しながら所定の温度まで加熱
    する鋼材の連続式加熱炉であって、炉の両側に1組が対
    面して設けられ、炉長方向に複数組が設置された蓄熱式
    バーナーと、加熱炉内に複数設置された、加熱炉内の雰
    囲気温度を測定する温度計と、これらの温度計の測定値
    から、個々の蓄熱式バーナー近傍の雰囲気温度を演算す
    る演算手段と、演算結果の温度とあらかじめ予定された
    温度とが一致するように、蓄熱式バーナー個々の単位時
    間当たりのエネルギー投入量を調節する調節手段を有し
    てなることを特徴とする鋼材の連続式加熱炉。
  2. 【請求項2】 蓄熱式バーナー個々の単位時間当たりの
    エネルギー投入量を調節する調節手段が、蓄熱式バーナ
    ーの燃焼時間、燃焼負荷の内、少なくとも一つを調節す
    る手段である請求項1に記載の鋼材の連続式加熱炉。
  3. 【請求項3】 鋼材を搬送しながら所定の温度まで加熱
    する鋼材の連続式加熱炉であって、炉の両側に1組が対
    面して設けられ、炉長方向に複数組が設置された蓄熱式
    バーナーと、加熱炉内に複数設置された、加熱炉内の雰
    囲気温度を測定する温度計を有するものの操業方法にお
    いて、前記温度計の測定値から、個々の蓄熱式バーナー
    近傍の雰囲気温度を演算し、演算結果の温度とあらかじ
    め予定された温度とが一致するように、蓄熱式バーナー
    個々の単位時間当たりのエネルギー投入量を調節するこ
    とを特徴とする鋼材の連続式加熱炉の操業方法。
  4. 【請求項4】 蓄熱式バーナー個々の単位時間当たりの
    エネルギー投入量を調節する方法が、蓄熱式バーナーの
    燃焼時間、燃焼負荷の内、少なくとも一つを調節する方
    法である請求項3に記載の鋼材の連続式加熱炉の操業方
    法。
  5. 【請求項5】 あらかじめ予定された温度が、装入され
    る鋼材の装入温度、抽出温度、加熱炉内での昇温パター
    ンにより決定された温度であることを特徴とする請求項
    3又は請求項4に記載の鋼材の連続式加熱炉の操業方
    法。
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