JPH10168312A - 電子部品搬送体用キャリアテープ及びその製造方法 - Google Patents

電子部品搬送体用キャリアテープ及びその製造方法

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JPH10168312A
JPH10168312A JP8344437A JP34443796A JPH10168312A JP H10168312 A JPH10168312 A JP H10168312A JP 8344437 A JP8344437 A JP 8344437A JP 34443796 A JP34443796 A JP 34443796A JP H10168312 A JPH10168312 A JP H10168312A
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JP
Japan
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group
soluble
carrier tape
polymer
acid group
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Application number
JP8344437A
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English (en)
Inventor
Shigeru Shimizu
茂 清水
Masashi Uzawa
正志 鵜沢
Takashi Saito
隆司 齋藤
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Nitto Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nitto Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水及び含水有機溶媒に可溶でプラスチックシ
ート表面に簡単に被覆することができる導電層組成物で
あって、該組成物を被覆したプラスチックシートはIC
やLSI等の電子部品搬送時に絶縁破壊等を起こし難い
性能を有する、電子部品搬送体用キャリアテープ及びそ
の製造方法の提供。 【解決の手段】 1.スルホン酸基及び/又はカルボン
酸基などを有する酸性基置換の可溶性アニリン系導電性
ポリマーとバインダーポリマーとを有効成分とする組成
物からなる導電層を、基材の片面もしく両面に形成して
なる電子部品搬送体用キャリアテープ。2.基材の少な
くとも一つの面上に、前記組成物を塗布し、導電層被膜
を形成させる方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可溶性導電ポリマ
ーとバインダーとを有効成分とする組成物を導電層とす
る電子部品搬送体用キャリアテープ及びその製造方法に
関する。本発明における組成物は溶媒特に水及び含水有
機溶媒などに可溶なためプラスチックシート表面に簡単
に被覆することができ、しかも該組成物を導電層として
被覆したプラスチックシートは、ICやLSI等の電子
部品搬送時の絶縁破壊等を防止することができるなど、
電子部品搬送体用キャリアテープとして優れた性能を有
する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】従来からICやLSIを用
いた電子機器部品の包装形態として、真空形成トレー、
エンボスキャリアーテープなどが知られている。この真
空形成トレーや、エンボスキャリアーテープの原板とな
るプラスチックシートは、一般に固有表面抵抗値が高い
ため、帯電しやすく、ICの機能を破壊する可能性が高
い。
【0003】この為、その改善策として包装容器の表面
に帯電防止剤を塗布する方法(特開昭62−26031
3号公報)が提案されているが、この方法は、塗布直後
は帯電防止効果を示すが、水により帯電防止剤が流出し
たり、表面の摩擦により帯電防止剤が除去されたりし、
長期の使用は難しい。
【0004】また、導電塗料を塗布する方法(特開平5
−42969号公報、同7−216199号公報、同7
−214739号公報等)も提案されているが、この方
法では導電性塗料と基板との接着性の面で対象となる基
板が限定され、更に塗布が不均一になりやすいため、表
面の摩擦に弱く、導電層がはがれてしまい、ICを破壊
する恐れがある。
【0005】帯電防止剤、もしくはカーボンブラック等
の導電剤を成形樹脂に練り込む方法(特開平8−183
868号公報)も提案されているが、添加量が多くなる
と成形性が悪くなり、逆に少なくなると導電性が不十分
になりICを破壊する恐れがでてくる。
【0006】このような状況の中、現在は塩化ビニール
にカーボンブラックを練り込んだ導電性プラスチックシ
ートが多く使用されている。しかし、塩化ビニール樹脂
は、燃焼時に有毒ガスを発生させ、さらには長期使用に
より、塩化ビニール樹脂中の可塑剤がブリードしてしま
い、包装しているICを汚染する危険がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な従来技術の問題点を解決するためになされたものであ
って、水及び含水有機溶媒に可溶でプラスチックシート
表面に簡単に被覆することができる導電性組成物であっ
て、しかも該組成物を被覆したプラスチックシートはI
CやLSI等の電子部品搬送時の絶縁破壊等を防止する
ことができる、電子部品搬送体用キャリアテープ及びそ
の製造方法の開発を目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討した結果、特定の可溶性ア
ニリン系導電性ポリマーとバインダーポリマーとを有効
成分とする組成物を導電層として被覆したプラスチック
シートが電子部品搬送体用キャリアテープとして優れた
性能を示すことを見出し、本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明の一つは、スルホン酸基
及び/又はカルボン酸基などを有する酸性基置換の可溶
性アニリン系導電性ポリマー(a)とバインダーポリマ
ー(b)とを有効成分とする組成物からなる導電層を、
基材(c)の片面もしくは両面に形成してなる電子部品
搬送体用キャリアテープに関する。
【0010】本発明の他の一つは、基材(c)の少なく
とも一つの面上に、スルホン酸基及び/又はカルボン酸
基などを有する酸性基置換の可溶性アニリン系導電性ポ
リマー(a)とバインダーポリマー(b)とを有効成分
とする組成物を塗布し、導電層被膜を形成させることを
特徴とする電子部品搬送体用キャリアテープの製造方法
に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して詳しく説明
する。本発明における前記可溶性導電ポリマー(a)と
しては、下記の一般式(1)で示される可溶性導電ポリ
マーが好ましく用いられる。
【化3】 (式中、R1 〜R18は、それぞれ単独に、水素、炭素数
1〜24の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜24
の直鎖又は分岐のアルコシキ基、酸性基、水酸基、アミ
ノ基、ニトロ基及びハロゲン基よりなる群から選ばれた
基を示す。酸性基の導入割合は、芳香環に対して20%
以上含有している。また、ここで酸性基とはスルホン酸
基、炭素数1〜4のアルキルスルホン酸基又はカルボン
酸基、炭素数1〜4のアルキルカルボン酸基、そのアル
カリ塩、アンモニウム塩及び置換アンモニウム塩よりな
る群から選ばれた一つの基を示す。xは、0〜1の任意
の数を表し、nは重合度を示す1〜5000の数であ
る。)
【0012】また、前記可溶性導電ポリマー(a)は、
水に対する溶解性の高い方が使用上より好ましいという
観点から、下記の一般式(2)で示される可溶性導電ポ
リマーが好ましく用いられる。
【化4】 (式中、A1 〜A4 は、スルホン酸基、カルボン酸基、
そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換アンモニ
ウム塩から選ばれた一つの基であり、B1 〜B4は、水
素、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数
1〜4の直鎖又は分岐のアルコシキ基、酸性基、水酸
基、ニトロ基及びハロゲン基よりなる群から選ばれた一
つの基を示す。xは、0〜1の任意の数を表し、nは重
合度を示す1〜5000の数である。)
【0013】上記の一般式(1)、一般式(2)の可溶
性導電ポリマーにおいて、芳香環に対する酸性基の含有
量は20%以上が好ましく、30〜100%がより好ま
しく、50〜100%が更に好ましく、70〜100%
が特に好ましい。
【0014】また、置換基としては、溶解性及び導電性
の面からアルキル基、アルコシキ基、ハロゲン基などの
電子供与基を有する可溶性導電ポリマーが好ましく用い
られる。
【0015】可溶性導電ポリマーの重量平均分子量は、
GPCのポリエチレングリコール換算で、1000以上
のものが導電性、成膜性、耐久性および膜強度の面で優
れており好ましく用いられ、2000以上100万以下
のものがより好ましく、3000以上50万以下のもの
が更に好ましい。ここで、重量平均分子量が1000未
満のものは、溶解性は優れているが、導電性が不十分で
ある。
【0016】これら可溶性導電ポリマーは、例えばアニ
リン類を重合した後に硫酸や発煙硫酸でスルホン化する
方法〔J.Am.Chem.Soc.,(1991)1
13,2665、特開平05−178989号公報〕、
アニリンスルホン酸類を直接化学酸化重合または電解酸
化重合する方法(特開平06−293838号公報、特
開平07−196791号公報、特開平07−3241
32号公報)など、公知の方法により製造することがで
きる。
【0017】本発明に用いられるバインダーポリマー
(b)としては、前記の可溶性導電ポリマー(a)と混
合して膜形成が可能なものであれば特に限定されない
が、以下に説明するポリマーが好ましく用いられる。バ
インダーポリマーは、水溶性、エマルション、有機溶剤
可溶性ポリマーなどに分類できる。
【0018】水溶性ポリマーとしては、「12996の
化学品、化学工業日報刊」p1188−90に挙げられ
ている水溶性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶
性尿素樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性アクリル樹
脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリブタジエン樹脂、
ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマールなどが好
ましく用いられる。
【0019】エマルションポリマーとしては、「129
96の化学品、化学工業日報刊」p1187−88に挙
げられている酢酸ビニル系エマルション、アクリル系エ
マルション、ポリエステル系エマルション、スチレン−
ブタジエン系エマルションなどが好ましく用いられる。
また、これらエマルションポリマー鎖中に、カルボン酸
基やスルホン酸基等の酸性基が導入されたポリマーを用
いると、エマルションの安定性、プラスチックシートへ
の接着性が向上するためより好ましい。
【0020】有機溶剤可溶性ポリマーとしては、「12
996の化学品、化学工業日報刊」p1177−87に
挙げられているフェノール樹脂、アルキド樹脂、アミノ
アルキド樹脂、ビニル樹脂、塩化ゴム樹脂、エポキシ樹
脂、アルキル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ
イミドなどが好ましく用いられる。
【0021】これらバインダーの中では水溶性ポリマ
ー、エマルションポリマーが好ましく、エマルションポ
リマーが特に好ましい。具体的には、酢酸ビニル系エマ
ルション、アクリル系エマルション、ポリエステル系エ
マルション、アクリルスチレン系エマルジョン等が好ま
しく用いられる。特に、基材への接着性及びコーテング
液の安定性の面から、バインダーポリマーの主鎖に酸性
基を有するモノマー及び/又は長鎖アルキル基を有する
モノマーを含むエマルジョン系ポリマーを用いるのがよ
い。また、プラスチックシート表面に塗布後不溶化した
方が、より耐久性が向上するため、熱硬化型、UV/E
B硬化型樹脂がより好ましく用いられる。
【0022】本発明の電子部品搬送体用キャリアテープ
は、通常、水及び/又は有機溶剤に溶解もしくは分散し
た組成物をプラスチックシートに塗布し製造される。用
いられる溶剤(d)としては、可溶性導電ポリマー及び
バインダーポリマーを溶解もしくは分散可能なものであ
れば特に限定されないが、水、メタノール、エタノー
ル、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブ
タノール等のアルコール類、エチレングリコール、エチ
レングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエ
チルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、エ
チレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコー
ルジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエー
テル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブ
チルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジブチルエーテル等のエチレングリコール
類、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチ
ルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プ
ロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコ
ールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチル
エーテル、プロピレングリコールジブチルエーテルなど
のプロピレングリコール、乳酸メチル、乳酸エチル、乳
酸ブチルなどの乳酸エステル類、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなど
の極性溶剤、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、プ
ロピルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キ
シレン、テトラリン、デカリン等の芳香族炭化水素系溶
剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢
酸アミル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチ
ルセロソルブ、3−メトキシイソ酪酸メチル、3−メト
キシイソ酪酸エチル等のエステル系溶剤等が好ましく用
いられ、これらの溶剤は混合して用いても良い。この中
でも特に環境などの観点から、水又は水を主成分とする
混合溶媒が好ましく用いられる。
【0023】電子部品搬送体用キャリアテープを製造す
る際、使用する可溶性導電性ポリマー(a)、バインダ
ーポリマー(b)及び溶剤(d)の各成分の割合は、溶
剤(d)100重量部に対して、可溶性導電ポリマー
(a)が0.01〜500重量部、好ましくは0.05
〜200重量部、更に好ましくは0.1〜100重量部
であり、バインダーポリマー(b)が0.01〜100
0重量部、好ましくは0.05〜500重量部、更に好
ましくは0.1重量部〜200重量部である。
【0024】また、本発明における組成物には、その分
散性や塗布性を向上させるために様々な添加剤を添加し
て使用することができる。添加剤としては、界面活性
剤、ブロッキング防止剤等が挙げられる。界面活性剤と
しては、アニオン系、ノニオン系、カチオン系界面活性
剤が用いられる。この中でもノニオン系界面活性剤は可
溶性導電性ポリマー(a)との相溶性、コーティング剤
(本発明における組成物)の安定性の向上に優れており
好ましい。特に、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル系などのノニオン系界面活性剤や分子内にオレ
フィンなどを有する反応性界面活性剤が好ましい。ま
た、組成物塗布後の耐水性および耐溶剤性を向上させる
ために架橋剤を添加することもできる。架橋剤として
は、可溶性導電ポリマーとエステル結合する置換基を持
っているものであれば限定されないが、ポリビニルアル
コール、シクロヘキサントリオール等のポリオール類、
水溶性エポキシ樹脂等を用いるのが好ましい。
【0025】本発明の電子部品搬送体用キャリアテープ
は、基材(C)表面に可溶性導電性ポリマー(a)とバ
インダーポリマー(b)を有効成分とする組成物を塗布
した後に、加熱乾燥することによって形成される。塗布
方法としては、エアスプレーコート法、エアレススプレ
ーコート法、ディップコート法、ロールコート法、グラ
ビアコート法、リバースコート法、ロールコート法、エ
アナイフコート法、カーテンコート法等の簡便な手法で
導電層を形成することができる。基板(c)としては、
ブラスチックシートであれば特に限定されないが、「1
2996の化学品、化学工業日報刊」p847−927
に挙げられているABS、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレ
ン、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポ
リエステル、ポリウレタン等の単独もしくは混合物、又
は変性樹脂の成型物、さらにはこれらの樹脂を強化した
もの等が用いられる。
【0026】また、本発明の電子部品搬送体用キャリア
テープは、エンボス加工などの成形加工をして用いるこ
とができる。この場合、本発明の組成物は成形加工前又
は成形加工後のいずれでもコーティング剤として用いる
ことができる。特に、本発明の可溶性導電性ポリマーは
特定の高分子化合物あるため成形追随性が優れており、
成形加工後の導電性低下が非常に少ないという特性を有
する。更に、本発明の組成物はその一成分である可溶性
導電性ポリマーが非常に低濃度で良好な導電性(例え
ば、濃度10重量%、表面抵抗値1×109 Ω/□)を
発現するため、他の成分であるバインダーポリマーの特
性を低下させることなく導電性能を十分に発揮させる。
即ち、本発明における導電層はキャリアテープやそのカ
バーテープなどの電子部品用包装材の帯電防止を兼ね備
えた接着層、粘着層としての作用を発現するため、帯電
防止層と接着層、粘着層を別に形成する必要がない。従
って、コーティング工程を簡素化することができ、工業
的実施に極めて有用なものである。
【0027】また、本発明の電子部品搬送体用キャリア
テープには、その導電性を更に向上させるために導電性
物質を含有させることができる。導電性物質としては、
導電性カーボンブラック、黒鉛等の炭素系物質、酸化
錫、酸化亜鉛等の金属酸化物、銀、ニッケル、銅等の金
属が挙げられる。
【0028】電子部品搬送体用キャリアテープ製造の
際、使用する組成物を塗布する前に基板(c)を表面処
理することで、基板と組成物との接着性が更に向上す
る。表面処理法としては特に制限されるものではない
が、プラズマ処理、コロナ処理、UV/EB処理などが
あげられる。
【0029】塗布膜厚は、0.1〜50μmの範囲が好
ましく、乾燥温度は通常40℃以上、好ましくは40〜
500℃、より好ましくは50〜300℃である。
【0030】本発明によるキャリアテープは、成形性に
優れており、真空成形、圧空成形等により、微小リブの
賦形が可能であり、成形物としてICやICを用いた電
子機器部品の包装用の真空成形トレー、エンボスキャリ
アーテープなどに使用される。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて更に具体的に
説明するが、本発明はこの実施例にのみ限定されるもの
ではない。
【0032】[測定法]IRスペクトルはパーキンエル
マー製(モデル1600)の装置を用いて測定した。分
子量分布及び分子量の測定には、水溶媒用のGPCカラ
ムを用いて、GPC測定(ポリエチレンオキシド換算)
を行った。カラムは、水用のものを3種類連結して用い
た。また、溶離液には0.2mol/lのリン酸バッフ
ァ溶液を用いた。ポリマーの導電性測定は、導電率の測
定には4端子法、表面抵抗の測定には2端子法により行
った。
【0033】導電ポリマー1 2−アミノアニソール−4−スルホン酸100mmol
を25℃で4mol/lのアンモニア水溶液に溶解し、
ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolの水溶液
を滴下した。滴下終了後25℃で12時間撹拌したの
ち、反応生成物をろ別洗浄後乾燥し、導電ポリマー粉末
15gを得た。得られた導電ポリマーの導電率は0.1
S/cmであった。分子量測定の結果、数平均分子量
(Mn)15,000、重量平均分子量(Mw)19,
000、Z平均分子量21,000、分散度Mw/Mn
=1.5、Mz/Mw=1.3であった。
【0034】導電ポリマー2 J.Am.Chem.Soc.,(1991)112,
2800記載方法に基づき、0.5gのポリアニリン
(エメラルディン)を40mlの発煙硫酸中で2時間撹
拌し、この溶液を200mlのメタノールに滴下し、1
00mlのアセトンを加え生成物を沈殿させた後、分
離、乾燥し0.3gのスルホン化ポリアニリンを得た。
このものの導電率は0.01S/cmであった。
【0035】導電ポリマー3 0.05molのピリジン溶液150mlに2−アミノ
アニソール−4−スルホン酸 4.06g(0.02m
ol)を溶解し、この溶液に作用極として白金、陰極と
してグラッシーカーボンを浸漬し、撹拌しながら室温に
て1.5Vの定電圧を印加して1時間電解重合を行っ
た。電解重合開始直後より重合極表面で重合反応が生
じ、5分後には無色透明の反応溶液は茶褐色へと変化し
た。重合反応終了後に重合極上へのポリマーの析出等は
なく重合液は均一であった。また、重合極からの金属成
分の溶出や、オリゴマー等はほとんど検出されなかっ
た。得られた重合液をスピンコート法によりガラス基板
上に塗布し100℃で乾燥させた。これにより膜厚0.
1μmの表面の平滑な表面抵抗値2×105 Ω/□のフ
ィルムが得られた。
【0036】実施例1〜7及び比較例1〜2 上記の可溶性の導電ポリマー1〜3のそれぞれについ
て、可溶性導電ポリマー3.0重量部、バインダーポリ
マー10.0重量部と水100重量部を混合し、室温で
撹拌し電子部品搬送体用キャリアテープ組成物を調製し
た。得られた電子部品搬送体用キャリアテープ組成物を
PETフィルム(0.5mm)にグラビアコート法によ
り塗布し、100℃で乾燥させ、0.5μmの硬化被膜
を形成した。また、比較例1としてアルキッド樹脂に導
電性カーボンを分散させたキャリアテープ組成物を塗布
たもの(1μm)を同様な条件で作成した。比較例2に
はアルキッド樹脂に導電層を形成しない場合を示した。
この様にして形成した電子部品搬送体用キャリアテープ
のそれぞれについて、その性能を調べた。その結果を表
1及び表2に示す。なお、性能の評価は下記により判定
した。
【0037】塗膜の密着性 シートをクロスカット試験機にのせ、片刃かみそりを入
れクロスハッチを作る。クロスハッチの上にセロハン粘
着テープを貼り付けテープシートに対して直角方向に強
く引っ張り被覆膜の剥離状態を調べた。表中、○;剥離
なし、×;5%以上剥離
【0038】シート状態の導電性 シート被覆面の表面抵抗をハイレスター〔三菱油化
(株)製MCP−TESTER〕を用いて測定した。表
中、○;1×107 Ω/□以下、×;1×107 Ω/□
以上
【0039】真空成形後の導電性 シートを絞り率25%の条件で真空成形し、この時の被
覆面の表面抵抗値を前記ハイレスターで測定した。表
中、○;1×107 Ω/□以下、△;部分的に1×10
9 Ω/□以上が生じる、×;1×109 Ω/□以上
【0040】耐ブロッキング性 シートの被覆面を互いに重ね合わせ、50℃雰囲気中
で、1Kg/cm2 の荷重をかけ24時間放置後、室温
で2時間放置した後シートを剥離して、接触面のブロッ
キングの状態を調べた。表中、○;ブロッキングなし、
△;少しブロッキングあり、×;ブロッキングあり
【0041】爪スクラッチ性 シート被覆面を爪で強くこすった時の傷のつきかたを調
べた。表中、○;傷なし、△;少し傷あり、×;傷あり
【0042】耐高温高湿性 シートの被覆面にキャリアーテープ用カバーテープSP
−82〔信越ポリマー(株)製)をのせ、温度140
℃、荷重4Kg/cm2 、1秒でシールしたものを温度
40℃、相対湿度90%の室温中に24時間放置した後
180℃剥離を行い、剥離力を比較した。表中、○;変
化率10%未満、△;変化率10〜50%、×;変化率
50%以上
【0043】 〔註〕アクリル系;ニカゾールRX−301C(日本カーバイド製) ポリエステル系;バイロナールMD−1400(東洋紡績製)
【0044】
【0045】
【効果】本発明の電子部品搬送体用キャリアテープは、
非常に優れた帯電防止効果、耐ブロッキング効果、耐摩
擦性、耐高温高湿性を示し、かつプラスチックシート表
面に簡単に被膜を形成することができ、工業的に有利に
適用できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 101/14 C08L 101/14 // C08G 73/02 C08G 73/02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホン酸基及び/又はカルボン酸基な
    どを有する酸性基置換の可溶性アニリン系導電性ポリマ
    ー(a)とバインダーポリマー(b)とを有効成分とす
    る組成物からなる導電層を、基材(c)の片面もしくは
    両面に形成してなる電子部品搬送体用キャリアテープ。
  2. 【請求項2】 可溶性導電ポリマー(a)が、下式
    (1)で示される構造式を有する可溶性導電ポリマーで
    ある請求項1記載の電子部品搬送体用キャリアテープ。 【化1】 (式中、R1 〜R18は、それぞれ単独に、水素、炭素数
    1〜24の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜24
    の直鎖又は分岐のアルコシキ基、酸性基、水酸基、アミ
    ノ基、ニトロ基及びハロゲン基よりなる群から選ばれた
    基を示す。酸性基の導入割合は、芳香環に対して20%
    以上含有している。また、ここで酸性基とはスルホン酸
    基、炭素数1〜4のアルキルスルホン酸基又はカルボン
    酸基、炭素数1〜4のアルキルカルボン酸基、そのアル
    カリ塩、アンモニウム塩及び置換アンモニウム塩よりな
    る群から選ばれた一つの基を示す。xは、0〜1の任意
    の数を表し、nは重合度を示す1〜5000の数であ
    る。)
  3. 【請求項3】 可溶性導電ポリマー(a)が、下式
    (2)で示される構造式を有する可溶性導電ポリマー
    (a)である請求項1記載の電子部品搬送体用キャリア
    テープ。 【化2】 (式中、A1 〜A4 は、スルホン酸基、カルボン酸基、
    そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換アンモニ
    ウム塩から選ばれた一つの基であり、B1 〜B4は、水
    素、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数
    1〜4の直鎖又は分岐のアルコシキ基、酸性基、水酸
    基、ニトロ基及びハロゲン基よりなる群から選ばれた一
    つの基を示す。xは、0〜1の任意の数を表し、nは重
    合度を示す1〜5000の数である。)
  4. 【請求項4】 可溶性導電性ポリマー(a)における酸
    性基導入割合が、30〜100%である請求項1、2又
    は3記載の電子部品搬送体用キャリアテープ。
  5. 【請求項5】 可溶性導電性ポリマー(a)の重量平均
    分子量が、1000〜100万である請求項1、2、3
    又は4記載の電子部品搬送体用キャリアテープ。
  6. 【請求項6】 バインダーポリマー(b)が、水溶性ポ
    リマー及び/又はエマルションポリマーである請求項1
    記載の電子部品搬送体用キャリアテープ。
  7. 【請求項7】 バインダーポリマー(a)が、ポリオー
    ル化合物を含むものである請求項1記載の電子部品搬送
    体用キャリアテープ。
  8. 【請求項8】 基材(c)の少なくとも一つの面上に、
    スルホン酸基及び/又はカルボン酸基などを有する酸性
    基置換の可溶性アニリン系導電性ポリマー(a)とバイ
    ンダーポリマー(b)とを有効成分とする組成物を塗布
    し、導電層被膜を形成させることを特徴とする電子部品
    搬送体用キャリアテープの製造方法。
  9. 【請求項9】 導電層被膜の形成が、前記組成物を基材
    (c)の少なくとも一つの面上に塗布後、加熱及び/又
    はUV・EB照射することによるものである請求項8記
    載の電子部品搬送体用キャリアテープの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010109813A (ko) * 2000-06-02 2001-12-12 오권오 가용성 폴리아닐린 염을 이용한 전자기파 흡수체용 도료제조방법
WO2005073294A1 (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Nagoya Oilchemical Co., Ltd. 耐熱性シート

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