JPH10168242A - オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物

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JPH10168242A
JPH10168242A JP8332485A JP33248596A JPH10168242A JP H10168242 A JPH10168242 A JP H10168242A JP 8332485 A JP8332485 A JP 8332485A JP 33248596 A JP33248596 A JP 33248596A JP H10168242 A JPH10168242 A JP H10168242A
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藤 雄 一 伊
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゴム弾性、引張強度、成形性などに優れるオレ
フィン系熱可塑性エラストマー組成物を得ること。 【解決手段】(A)結晶性ポリオレフィン:10〜60
重量部、および (B)(i)エチレンと、(ii)炭素原子数が3〜20
のα−オレフィンと、(iii)スチレンと、(iv)直鎖
状または分岐鎖状の非共役トリエンまたはテトラエンと
から得られる不飽和性オレフィン系共重合体:90〜4
0重量部(但し、(A)と(B)との合計は100重量
部)を、有機過酸化物の存在下に動的に熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン熱可塑
性エラストマー組成物に関し、さらに詳しくは、ゴム弾
性、引張強度、成形性などに優れるオレフィン熱可塑性
エラストマー組成物に関するものである。
【0002】
【発明の技術的背景】オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーは、軽量でリサイクルが容易であることから、省エネ
ルギー、省資源タイプのエラストマーとして、特に加硫
ゴムの代替として自動車部品、工業機械部品、電気・電
子部品、建材等に広く使用されている。しかし、従来の
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、一般に加硫ゴム
に比べてゴム弾性および引張強度が劣るという欠点があ
り、その改良が強く求められていた。
【0003】このような加硫ゴム代替のオレフィン系熱
可塑性エラストマーとして、従来より、架橋度を高くし
たいわゆる完全架橋型のオレフィン系熱可塑性エラスト
マー(例えば特公昭55−18448公報)が提案され
ていたが、これらは部分架橋型に比べてゴム弾性には優
れているものの、成形性あるいは成形外観に問題があり
使用される用途が限られていた。
【0004】またWO96/07681号公報には、エ
チレン・スチレン・エチリデンノルボルネン共重合体と
ポリプロピレンとからなる熱可塑性架橋体が記載されて
いるが、この熱可塑性架橋体は、ゴム弾性、引張強度、
低温特性および表面強度のバランスが必ずしも充分では
なかった。
【0005】本発明者らは、上記のような問題点につき
鋭意検討した結果、エチレンと、炭素原子数が3〜20
のα−オレフィンと、芳香族ビニル化合物と、特定の非
共役トリエンまたはテトラエンとから得られる不飽和性
オレフィン系共重合体、および、結晶性ポリオレフィン
を、有機過酸化物の存在下に動的に熱処理して得られる
組成物は、ゴム弾性、引張強度、成形性などに優れるこ
とを見い出した。また、前記不飽和性オレフィン系共重
合体および結晶性ポリオレフィンに、エチレン・α−オ
レフィン・非共役ポリエン共重合体、ペルオキシド非架
橋型炭化水素系ゴムおよび軟化剤から選ばれる少なくと
も1つの成分を配合して、有機過酸化物の存在下に動的
に熱処理して得られる組成物は、ゴム弾性、引張強度、
成形性などに優れることを見い出した。さらに、このよ
うな組成物に結晶性ポリオレフィンを配合した組成物
は、ゴム弾性、引張強度、成形性などに優れることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、ゴム弾性、引
張強度、成形性などに優れるオレフィン系熱可塑性エラ
ストマー組成物を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラ
ストマー組成物は、 (A)結晶性ポリオレフィン:10〜60重量部、およ
び (B)(i)エチレンと、(ii)炭素原子数が3〜20
のα−オレフィンと、(iii)下記式(I)で表される
芳香族ビニル化合物と、(iv)非共役トリエンまたはテ
トラエンとから得られる不飽和性オレフィン系共重合
体:90〜40重量部(但し、(A)と(B)との合計
は100重量部)を、有機過酸化物の存在下に動的に熱
処理して得られることを特徴としている。
【0008】
【化10】
【0009】(式中、R1 、R2 およびR3 は、互いに
同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子
数が1〜8のアルキル基を示し、nは0〜5の整数であ
る。) 本発明では、前記(A)結晶性ポリオレフィンおよび
(B)不飽和性オレフィン系共重合体に、さらに(C)
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体、
(D)ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム、(E)軟
化剤を配合して、有機過酸化物の存在下に動的に熱処理
してオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造し
てもよく、このようなオレフィン系熱可塑性エラストマ
ー組成物としては、(I)(A)結晶性ポリオレフィ
ン:10〜60重量部と、(II)(B)不飽和性オレフ
ィン系共重合体:90〜10重量部と、(III)1〜5
0重量部の(C)エチレン・α−オレフィン・非共役ポ
リエン共重合体、1〜20重量部の(D)ペルオキシド
非架橋型炭化水素系ゴムおよび、1〜40重量部の
(E)軟化剤から選ばれる少なくとも1つの成分(但
し、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)の合計は
100重量部)とを、有機過酸化物の存在下に動的に熱
処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー組
成物がある。
【0010】本発明では、前記(B)不飽和性オレフィ
ン系共重合体は、エチレン(i)から導かれる構成単位
と、炭素原子数が3〜20のα−オレフィン(ii)から
導かれる構成単位とのモル比(エチレン/α−オレフィ
ン)が99/1〜40/60の範囲にあり、エチレン
(i)から導かれる構成単位と炭素原子数が3〜20の
α−オレフィン(ii)から導かれる構成単位との合計量
と、芳香族ビニル化合物(iii)から導かれる構成単位
とのモル比(エチレン+α−オレフィン/芳香族ビニル
化合物)が99.5/0.5〜85/15の範囲にある
共重合体であることが好ましい。
【0011】また前記(B)不飽和性オレフィン系共重
合体は、135℃、デカリン中で測定した極限粘度
[η]が0.1〜10dl/gの範囲にある共重合体で
あることが好ましい。
【0012】さらに前記(B)不飽和性オレフィン系共
重合体は、ヨウ素価が1〜50の範囲にある共重合体で
あることが好ましい。本発明では、前記(iv)非共役ト
リエンまたはテトラエンとして、下記一般式(II-a)で
表され、かつ該非共役トリエンまたはテトラエンから導
かれる構成単位が下記一般式(II-b)で表される化合物
および、下記一般式(III-a)で表され、かつ該非共役
トリエンまたはテトラエンから導かれる構成単位が下記
一般式(III-b)で表される化合物から選ばれる少なく
とも1種の非共役トリエンまたはテトラエンを挙げるこ
とができる。
【0013】
【化11】
【0014】(式中、pおよびqは、互いに同一でも異
なっていてもよく、0または1であり(但し、pとqは
同時に0ではない)、fは0〜5の整数であり(但し、
pとqが共に1の場合は0ではない)、gは1〜6の整
数であり、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 および
7 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子
または炭素原子数が1〜5のアルキル基を示し、R8
炭素原子数が1〜5のアルキル基を示し、R9 は水素原
子、炭素原子数が1〜5のアルキル基または−(C
2n−CR10=CR1112で表される基(ここで、n
は1〜5の整数であり、R10およびR11は、互いに同一
でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数が
1〜5のアルキル基を示し、R12は炭素原子数が1〜5
のアルキル基を示す)を示す(但し、pとqが共に1の
場合、R9 は水素原子または炭素原子数が1〜5のアル
キル基である)。)
【0015】
【化12】
【0016】(式中、p、q、f、g、R1 〜R9 は、
前記一般式(II-a)の場合と同じ意味である。)
【0017】
【化13】
【0018】(式中、p、q、f、g、R1 〜R9 は、
前記一般式(II-a)の場合と同じ意味である。)
【0019】
【化14】
【0020】(式中、p、q、f、g、R1 〜R9 は、
前記一般式(II-a)の場合と同じ意味である。) 前記一般式(II-a)で表される非共役トリエンまたはテ
トラエンは、下記一般式(IV-a)で表され、かつ該非共
役トリエンまたはテトラエンから導かれる構成単位が下
記一般式(IV-b)で表される化合物であることが好まし
く、前記一般式(III-a)で表される非共役トリエンま
たはテトラエンは、下記一般式(V-a)で表され、かつ
該非共役トリエンまたはテトラエンから導かれる構成単
位が下記一般式(V-b)で表される化合物であることが
好ましい。
【0021】
【化15】
【0022】(式中、fは0〜5の整数であり、gは1
〜6の整数であり、R1 ,R2 ,R5,R6 およびR
7 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子ま
たは炭素原子数が1〜5のアルキル基を示し、R8 は炭
素原子数が1〜5のアルキル基を示し、R9 は水素原
子、炭素原子数が1〜5のアルキル基または−(C
2n−CR10=CR1112で表される基(ここで、n
は1〜5の整数であり、R10およびR11は、互いに同一
でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数が
1〜5のアルキル基を示し、R12は炭素原子数が1〜5
のアルキル基を示す)を示す。)
【0023】
【化16】
【0024】(式中、f、g、R1 、R2 、R5 〜R9
は、前記一般式(IV-a)の場合と同じ意味である。)
【0025】
【化17】
【0026】(式中、f、g、R1 、R2 、R5 〜R9
は、前記一般式(IV-a)の場合と同じ意味である。)
【0027】
【化18】
【0028】(式中、f、g、R1 、R2 、R5 〜R9
は、前記一般式(IV-a)の場合と同じ意味である。) 本発明では、前記(iv)非共役トリエンまたはテトラエ
ンが、前記一般式(II-a)で表され、かつ該非共役トリ
エンまたはテトラエンから導かれる構成単位が前記一般
式(II-b)で表される化合物から選ばれる少なくとも1
種の非共役トリエンまたはテトラエンであることが好ま
しく、特に前記一般式(IV-a)で表され、かつ該非共役
トリエンまたはテトラエンから導かれる構成単位が前記
一般式(IV-b)で表される化合物から選ばれる少なくと
も1種の非共役トリエンまたはテトラエンであることが
好ましい。
【0029】本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラス
トマー組成物は、さらに結晶性ポリオレフィン(F)を
配合してもよく、この場合オレフィン系熱可塑性エラス
トマー組成物100重量部に対し、結晶性ポリオレフィ
ン(F)5〜200重量部の量で配合される。
【0030】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るオレフィン系
熱可塑性エラストマー組成物について具体的に説明す
る。
【0031】本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラス
トマー組成物は、(A)結晶性ポリオレフィンおよび
(B)特定の不飽和性オレフィン系共重合体を、有機過
酸化物の存在下に動的に熱処理して得られる。まず、本
発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に
用いられる各成分について説明する。
【0032】(A)結晶性ポリオレフィン 結晶性ポリオレフィン樹脂(A)としては、炭素原子数
2〜20のα−オレフィンの単独重合体または共重合体
が挙げられる。ここでα−オレフィンとして具体的に
は、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペ
ンテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどが挙げられる。
【0033】結晶性ポリオレフィン樹脂(A)の具体的
な例としては、以下のような(共)重合体が挙げられ
る。 (1)エチレン単独重合体(製法は、低圧法、高圧法の
いずれでも良い) (2)エチレンと、10モル%以下の他のα−オレフィ
ンまたは酢酸ビニル、エチルアクリレートなどのビニル
モノマーとの共重合体 (3)プロピレン単独重合体 (4)プロピレンと10モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体 (5)プロピレンと30モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのブロック共重合体 (6)1-ブテン単独重合体 (7)1-ブテンと10モル%以下の他のα−オレフィン
とのランダム共重合体 (8)4-メチル-1-ペンテン単独重合体 (9)4-メチル-1-ペンテンと20モル%以下の他のα
−オレフィンとのランダム共重合体 本発明で特に好ましく用いられる結晶性ポリオレフィン
樹脂(A)としては(3)プロピレン単独重合体、
(4)プロピレンと10モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体、(5)プロピレンと30モル
%以下の他のα−オレフィンとのブロック共重合体を挙
げることができる。
【0034】本発明で使用される結晶性ポリオレフィン
樹脂(A)は、230℃荷重2.16kgで測定したメ
ルトフローレートが0.1〜100g/10分、好ましく
は0.3〜60g/10分の範囲内にあることが望まし
い。
【0035】(B)不飽和性オレフィン系共重合体 (B)不飽和性オレフィン共重合体は、(i)エチレン
と、(ii)炭素原子数が3〜20のα−オレフィンと、
(iii)下記式(I)で表される芳香族ビニル化合物
と、(iv)非共役トリエンまたはテトラエンとのランダ
ム共重合体である。
【0036】(ii)炭素原子数が3〜20のα−オレフ
ィンとして具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペン
テン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペ
ンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、
4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-
ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル
-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-
テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エ
イコセンなどが挙げられ、好ましくはプロピレン、1-ブ
テン、1-ヘキセン、1-オクテンが用いられる。これらの
α−オレフィンは、1種単独でまたは2種以上組合わせ
て用いることができる。
【0037】(iii)芳香族ビニル化合物として具体的
には、下記一般式(I)で表される化合物が用いられ
る。
【0038】
【化19】
【0039】式中、R1 、R2 およびR3 は、互いに同
一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数
1〜8アルキル基を示し、好ましくは水素原子または炭
素原子数1〜3のアルキル基である。
【0040】nは0〜5、好ましくは0〜3の整数であ
る。上記のような芳香族ビニル化合物としては、たとえ
ば、スチレン、アリルベンゼン、4-フェニルブテン-1、
3-フェニルブテン-1、4-(4-メチルフェニル)ブテン-
1、4-(3-メチルフェニル)ブテン-1、4-(2-メチルフ
ェニル)ブテン-1、4-(4-エチルフェニル)ブテン-1、
4-(4-ブチルフェニル)ブテン-1、5-フェニルペンテン
-1、4-フェニルペンテン-1、3-フェニルペンテン-1、5-
(4-メチルフェニル)ペンテン-1、4-(2-メチルフェニ
ル)ペンテン-1、3-(4-メチルフェニル)ペンテン-1、
6-フェニルヘキセン-1、5-フェニルヘキセン-1、4-フェ
ニルヘキセン-1、3-フェニルヘキセン-1、6-(4-メチル
フェニル)ヘキセン-1、5-(2-メチルフェニル)ヘキセ
ン-1、4-(4-メチルフェニル)ヘキセン-1、3-(2-メチ
ルフェニル)ヘキセン-1、7-フェニルヘプテン-1、6-フ
ェニルヘプテン-1、5-フェニルヘプテン-1、4-フェニル
ヘプテン-1、8-フェニルオクテン-1、7-フェニルオクテ
ン-1、6-フェニルオクテン-1、5-フェニルオクテン-1、
4-フェニルオクテン-1、3-フェニルオクテン-1、10-フ
ェニルデセン-1などが挙げられる。
【0041】これらの芳香族ビニル化合物のうち、スチ
レン、アリルベンゼン、4-フェニルブテン-1が好まし
く、特に、スチレン、4-フェニルブテン-1が好ましく用
いられる。芳香族ビニル化合物は、1種単独でまたは2
種以上組合わせて用いることができる。
【0042】(iv)非共役トリエンまたはテトラエン
は、1分子中に1個のビニル基を有する非共役トリエン
またはテトラエンあるいは、1分子中に1個の5-ノルボ
ルネン-2-イル基を有する非共役トリエンまたはテトラ
エンである。この(iv)非共役トリエンまたはテトラエ
ン1分子当たりの総炭素原子数(2種以上の非共役トリ
エンまたはテトラエンを含む場合にはその平均炭素原子
数で示す)は、通常特に限定されないが、好ましくは9
〜30個、より好ましくは10〜25個、特に好ましく
は10〜22個であることが望ましい。炭素原子数がこ
のような範囲にある非共役トリエンまたはテトラエン
は、精製などの取扱いが容易であるので有利である。こ
こで「トリエン」とは、1分子中に炭素−炭素二重結合
(C=C)を3個有する炭化水素化合物を意味し、また
「テトラエン」とは1分子中に炭素−炭素二重結合を4
個有する炭化水素化合物を意味する。なお、この炭素−
炭素二重結合には、ビニル基の炭素−炭素二重結合およ
び5-ノルボルネン-2-イル基の炭素−炭素二重結合が含
まれる。
【0043】(iv)非共役トリエンまたはテトラエンに
は、ビニル基または5-ノルボルネン-2-イル基を含めて
3個(トリエンの場合)または4個(テトラエンの場
合)の炭素−炭素二重結合(C=C)が含まれている
が、この(iv)非共役トリエンまたはテトラエン1分子
中に含まれる全ての炭素−炭素二重結合に隣接した炭素
原子に直接結合している水素原子の総数は、通常特に限
定されないが、好ましくは9〜33個、より好ましくは
12〜33個、特に好ましくは14〜33個であること
が望ましい。水素原子の総数がこのような範囲にある
と、架橋反応速度の速い共重合体が得られるので好まし
い。なお、この水素原子数は、用いられる非共役トリエ
ンまたはテトラエンが2種以上の混合物である場合には
これらの水素原子数の平均で示す。
【0044】本発明では、非共役トリエンまたはテトラ
エンのなかでは、ビニル基または5-ノルボルネン-2-イ
ル基がメチレン基(−CH2 −)に結合している非共役
トリエンまたはテトラエンが好ましい。
【0045】このような(iv)非共役トリエンまたはテ
トラエンのなかでも、下記一般式(II-a)または下記一
般式(III-a)で表される化合物が好ましい。
【0046】
【化20】
【0047】式中、pおよびqは、互いに同一でも異な
っていてもよく、0または1である(但しpとqは同時
に0ではない)。fは0〜5の整数であり、好ましくは
0〜2の整数である(但しpとqが共に1の場合は0で
はない)。
【0048】gは1〜6の整数であり、好ましくは1〜
3の整数である。R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6
およびR7 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水
素原子または炭素原子数が1〜5のアルキル基を示し、
好ましくは水素原子または炭素原子数が1〜3のアルキ
ル基、より好ましくはR1 ,R2,R3 ,R4 ,R5
よびR6 が水素原子でありR7 が水素原子または炭素原
子数が1〜3のアルキル基である。
【0049】R8 は、水素原子または炭素原子数が1〜
5のアルキル基を示し、好ましくは水素原子または炭素
原子数が1〜3のアルキル基、より好ましくは炭素原子
数が1〜3のアルキル基である。
【0050】R9 は水素原子、炭素原子数が1〜5のア
ルキル基または−(CH2n−CR 10=CR1112で表
される基(ここで、nは1〜5の整数であり、R10およ
びR 11は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
子または炭素原子数が1〜5のアルキル基を示し、R12
は炭素原子数が1〜5のアルキル基を示す)を示し、好
ましくは水素原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基ま
たは−(CH2n−CR10=CR1112で表される基
(ここで、nは1〜3の整数であり、R10およびR
11は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子ま
たは炭素原子数が1〜3のアルキル基を示し、R12は炭
素原子数が1〜3のアルキル基を示す)である。但し、
pとqが共に1の場合、R9 は水素原子または炭素原子
数が1〜5のアルキル基である。
【0051】
【化21】
【0052】(式中、p、q、f、g、R1 〜R9 は、
前記一般式(II-a)の場合と同じ意味である。) このような前記一般式(II-a)で表される非共役トリエ
ンまたはテトラエンとして具体的には、以下のような化
合物が挙げられる。
【0053】
【化22】
【0054】また、前記一般式(III-a)で表される非
共役トリエンまたはテトラエンとして具体的には、前記
一般式(II-a)で表される非共役トリエンまたはテトラ
エンとして例示した化合物のビニル基を5-ノルボルネン
-2-イル基に置き換えた化合物が挙げられる。
【0055】前記一般式(II-a)で表される非共役トリ
エンまたはテトラエンの中では、下記一般式(IV-a)で
表される非共役トリエンまたはテトラエンが好ましい。
この非共役トリエンまたはテトラエンは、前記一般式
(II-a)で表される非共役トリエンまたはテトラエンに
おいて、pが1であり、qが0の化合物である。
【0056】また、前記一般式(III-a)で表される非
共役トリエンまたはテトラエンの中では、下記一般式
(V-a)で表される非共役トリエンまたはテトラエンが
好ましい。この非共役トリエンまたはテトラエンは、前
記一般式(III-a)で表される非共役トリエンまたはテ
トラエンにおいて、pが1であり、qが0の化合物であ
る。
【0057】
【化23】
【0058】式中、fは、0〜5の整数であり、好まし
くは0〜2の整数である。gは、1〜6の整数であり、
好ましくは1〜3の整数である。R1 ,R2 ,R5 ,R
6 およびR7 は、互いに同一でも異なっていてもよく、
前記一般式(II-a)と同じであり、好ましくは水素原子
または炭素原子数が1〜3のアルキル基、より好ましく
はR1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 およびR6 が水素原子
でありR7 が水素原子または炭素原子数が1〜3のアル
キル基である。
【0059】R8 は、前記一般式(II-a)と同じであ
り、好ましくは水素原子または炭素原子数が1〜3のア
ルキル基、より好ましくは炭素原子数が1〜3のアルキ
ル基である。
【0060】R9 は、前記一般式(II-a)と同じであ
り、好ましくは水素原子または炭素原子数が1〜3のア
ルキル基である。
【0061】
【化24】
【0062】(式中、f、g、R1 、R2 、R5 〜R9
は、前記一般式(IV-a)の場合と同じ意味である。) このような前記一般式(IV-a)で表される非共役トリエ
ンまたはテトラエンとして具体的には、以下のような化
合物が挙げられる。
【0063】
【化25】
【0064】
【化26】
【0065】
【化27】
【0066】
【化28】
【0067】前記一般式(V-a)で表される非共役トリ
エンまたはテトラエンとして具体的には、前記一般式
(IV-a)で表される非共役トリエンまたはテトラエンと
して例示した化合物のビニル基を5-ノルボルネン-2-イ
ル基に置き換えた化合物が挙げられる。
【0068】本発明では、(iv)非共役トリエンまたは
テトラエンは、前記一般式(II-a)で表される化合物で
あることがさらに好ましく、前記一般式(IV-a)で表さ
れる化合物であることが特に好ましい。
【0069】前記非共役トリエンまたはテトラエンは、
トランス体およびシス体の混合物であってもよく、トラ
ンス体単独またはシス体単独であってもよい。これらの
非共役トリエンまたはテトラエンは、1種単独でまたは
2種以上組合わせて用いることができる。
【0070】前記(iv)非共役トリエンまたはテトラエ
ンは、たとえば、EP0691354A1公報、WO9
6/20150公報に記載されているような従来公知の
方法によって調製することができる。
【0071】(B)不飽和性オレフィン系共重合体は、
エチレン(i)から導かれる構成単位と、炭素原子数が
3〜20のα−オレフィン(ii)から導かれる構成単位
と、芳香族ビニル化合物(iii)から導かれる構成単位
と、非共役トリエンまたはテトラエン(iv)から導かれ
る構成単位が、それぞれランダムに配列して結合し、
(iv)非共役トリエンまたはテトラエンに起因する分岐
構造を有するとともに、主鎖は、実質的に線状構造とな
っている。この共重合体が実質的に線状構造を有してお
り実質的にゲル状架橋重合体を含有しないことは、該共
重合体が有機溶媒に溶解し、不溶分を実質的に含まない
ことにより確認することができる。たとえば極限粘度
[η]を測定する際に、該共重合体が135℃、デカリ
ンに完全に溶解することにより確認することができる。
【0072】(B)不飽和性オレフィン系共重合体は、
エチレン(i)から導かれる構成単位と、炭素原子数が
3〜20のα−オレフィン(ii)から導かれる構成単位
とのモル比(エチレン/α−オレフィン)が99/1〜
40/60、好ましくは95/5〜70/30の範囲に
あり、エチレン(i)から導かれる構成単位と炭素原子
数が3〜20のα−オレフィン(ii)から導かれる構成
単位との合計量と、芳香族ビニル化合物(iii)から導
かれる構成単位とのモル比(エチレン+α−オレフィン
/芳香族ビニル化合物)が99.5/0.5〜85/1
5、好ましくは95/5〜85/15の範囲にあること
が望ましい。
【0073】(B)不飽和性オレフィン系共重合体は、
極限粘度[η]が、通常0.1〜10dl/g、好まし
くは1.0〜5.0dl/gの範囲にあることが望まし
い。(B)不飽和性オレフィン系共重合体は、ヨウ素価
が、通常1〜50、好ましくは5〜30の範囲にあるこ
とが望ましい。
【0074】本発明では(B)不飽和性オレフィン系共
重合体は、各構成単位のモル比、極限粘度[η]および
ヨウ素価のうち、少なくとも1つが前記範囲内にあるこ
とが好ましく、2つ以上が前記範囲内にあることがより
好ましく、特に各構成単位のモル比、極限粘度[η]お
よびヨウ素価のすべてが前記範囲内にあることが好まし
い。
【0075】このような(B)不飽和性オレフィン系共
重合体において(iv)非共役トリエンまたはテトラエン
が前記一般式(II-a)で表される場合には、不飽和性オ
レフィン系共重合体(B)中においては該非共役トリエ
ンまたはテトラエンから導かれる構成単位は、下記一般
式(II-b)で表される構造を有している。
【0076】
【化29】
【0077】(式中、p、q、f、g、R1 〜R9 は、
前記一般式(II-a)の場合と同じ意味である。) また、(iv)非共役トリエンまたはテトラエンが前記一
般式(III-a)で表される場合には、不飽和性オレフィ
ン系共重合体(B)中においては該非共役トリエンまた
はテトラエンから導かれる構成単位は、下記一般式(II
I-b)で表される構造を有している。
【0078】
【化30】
【0079】(式中、p、q、f、g、R1 〜R9 は、
前記一般式(II-a)の場合と同じ意味である。) さらに、(iv)非共役トリエンまたはテトラエンが前記
一般式(IV-a)で表される場合には、不飽和性オレフィ
ン系共重合体(B)中においては該非共役トリエンまた
はテトラエンから導かれる構成単位は、下記一般式(IV
-b)で表される構造を有している。
【0080】
【化31】
【0081】(式中、f、g、R1 、R2 、R5 〜R9
は前記一般式(IV-a)の場合と同じ意味である。) また、(iv)非共役トリエンまたはテトラエンが前記一
般式(V-a)で表される場合には、不飽和性オレフィン
系共重合体(B)中においては該非共役トリエンまたは
テトラエンから導かれる構成単位は、下記一般式(V-
b)で表される構造を有している。
【0082】
【化32】
【0083】(式中、f、g、R1 、R2 、R5 〜R9
は前記一般式(IV-a)の場合と同じ意味である。) なお(iv)非共役トリエンまたはテトラエンから導かれ
る構成単位が、不飽和性オレフィン系共重合体(B)に
おいて前記各構造を有していることは、共重合体の13
−NMRスペクトルを測定することによって確認するこ
とができる。
【0084】不飽和性オレフィン系共重合体(B)の製
上記のような不飽和性オレフィン系共重合体(B)は、
(i)エチレンと、(ii)炭素原子数が3〜20のα−
オレフィンと、(iii)芳香族ビニル化合物と、(iv)
非共役トリエンまたはテトラエンとを、オレフィン重合
用触媒の存在下に共重合させて得られる。
【0085】このようなオレフィン重合用触媒として
は、(a)バナジウム、ジルコニウム、チタニウムなど
の遷移金属の化合物と、(b)有機アルミニウム化合物
(有機アルミニウムオキシ化合物)および/またはイオ
ン化イオン性化合物とからなる触媒などが使用できる。
具体的には、固体状チタン触媒成分と有機アルミニウ
ム化合物とからなるチタン系触媒、可溶性バナジウム
化合物と有機アルミニウム化合物とからなるバナジウム
系触媒、周期律表第4族から選ばれる遷移金属のメタ
ロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物および
/またはイオン化イオン性化合物とからなるメタロセン
系触媒などが挙げられ、これらのうちでは特にメタロセ
ン系触媒が好ましい。
【0086】メタロセン系触媒を形成する周期律表第4
族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物は、具体的
には、次式(VI)で表される。 M1 1 x … (VI) 式中、Mは周期律表第4族から選ばれる遷移金属であ
り、具体的にはジルコニウム、チタンまたはハフニウム
である。xは遷移金属Mの原子価を示し、遷移金属に配
位する配位子Lの個数を示す。
【0087】Lは遷移金属に配位する配位子であり、こ
れらのうち少なくとも1個の配位子Lは、シクロペンタ
ジエニル基、インデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロイン
デニル基、フルオレニル基などのシクロペンタジエニル
骨格を有する配位子であり、このシクロペンタジエニル
骨格を有する配位子は、アルキル基、シクロアルキル
基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子などの置換基
を有していてもよい。
【0088】該メタロセン化合物が配位子Lとしてシク
ロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有する場合
には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有す
る基同士は、アルキレン基、置換アルキレン基、シリレ
ン基、置換シリレン基などの結合基を介して結合されて
いてもよい。
【0089】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外のLとしては、炭素原子数が1〜12の炭化水素
基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルホン酸含有基
(−SO3a 、但し、Ra はアルキル基、ハロゲン原
子で置換されたアルキル基、アリール基、ハロゲン原子
で置換されたアリール基またはアルキル基で置換された
アリール基である。)、ハロゲン原子、水素原子などが
挙げられる。
【0090】以下に、Mがジルコニウムであり、かつシ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子を2個含むメタ
ロセン化合物を例示する。ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(1-メチル-3-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス
(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、エチレン-ビス(インデニル)ジメチルジル
コニウム、エチレン-ビス(インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル
-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニル
シリレン-ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、メチルフェニルシリレン-ビス(インデニル)ジル
コニウムジクロリド、rac-エチレン-ビス(2-メチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス(2-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(4,7-ジメチル-1
-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス(2,4,7-トリメチル-1-インデニル)ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2,4,
6-トリメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(4-フェニル-1-インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチ
ル-4-(α-ナフチル)-1-インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-
(β-ナフチル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(1-アン
トリル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリドな
ど。
【0091】また、上記のような化合物においてジルコ
ニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置き
換えたメタロセン化合物を例示することもできる。また
本発明では、メタロセン化合物として下記一般式(VI
I)で示される遷移金属化合物を用いることもできる。
【0092】L2 2 2 … (VII) M2 は、周期率表第4族またはランタニド系列の金属で
あり、L2 は、非局在化π結合基の誘導体であり、金属
2 活性サイトに拘束幾何形状を付与しており、Xは、
互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子もしくは
ハロゲン原子であるか、または20個以下の炭素原子、
ケイ素原子もしくはゲルマニウム原子を含有する炭化水
素基、シリル基もしくはゲルミル基である。
【0093】このような前記一般式(VII)で示される
化合物のうちでは、下記一般式(VII') で示される遷移
金属化合物が好ましい。
【0094】
【化33】
【0095】式中、M2 はチタン、ジルコニウムまたは
ハフニウムであり、Xは、上記と同じである。CpはM
2 にπ結合しており、かつ置換基Zを有する置換シクロ
ペンタジエニル基である。
【0096】Zは酸素、イオウ、ホウ素または周期率表
第14族の元素(たとえばケイ素、ゲルマニウムまたは
スズ)であり、Yは窒素、リン、酸素またはイオウを含
む配位子であり、ZとYとで縮合環を形成してもよい。
【0097】このような前記一般式(VII')で示される
化合物としては、具体的に、(ジメチル(t-ブチルアミ
ド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラ
ン)チタンジクロリド、((t-ブチルアミド)(テトラ
メチル-η5-シクロペンタジエニル)-1,2-エタンジイ
ル)チタンジクロリドなどが挙げられる。
【0098】上記のようなメタロセン化合物は、1種単
独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。ま
た上記のようなメタロセン化合物は、粒子状担体に担持
させて用いることもできる。
【0099】このような粒子状担体としては、Si
2 、Al23 、B23 、MgO、ZrO2 、Ca
O、TiO2 、ZnO、SnO2 、BaO、ThOなど
の無機担体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ-1-
ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテン、スチレン-ジビニル
ベンゼン共重合体などの有機担体を用いることができ
る。これらの粒子状担体は、1種単独でまたは2種以上
組合わせて用いることができる。
【0100】次に、メタロセン系触媒を形成する(b-
2)有機アルミニウムオキシ化合物およびイオン化イオ
ン性化合物について説明する。(b-2)有機アルミニウ
ムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであって
もよく、また特開平2−78687号公報に例示されて
いるようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化
合物であってもよい。
【0101】従来公知のアルミノキサンは、具体的に
は、下記一般式で表される。
【0102】
【化34】
【0103】式中、Rはメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基などの炭化水素基を示し、好ましくはメチ
ル基、エチル基、特に好ましくはメチル基である。mは
2以上の整数であり、好ましくは5〜40の整数であ
る。
【0104】ここで、アルミノキサンは式(OAl(R
1 ))で表されるアルキルオキシアルミニウム単位およ
び式(OAl(R2 ))で表されるアルキルオキシアル
ミニウム単位(ここで、R1 およびR2 はRと同様の炭
化水素基であり、R1 およびR2 は相異なる基を示
す。)からなる混合アルキルオキシアルミニウム単位か
ら形成されていてもよい。
【0105】なお有機アルミニウムオキシ化合物は、少
量のアルミニウム以外の金属の有機化合物成分を含有し
ていてもよい。イオン化イオン性化合物としては、ルイ
ス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン
化合物を例示することができる。
【0106】ルイス酸としては、BR3 (式中、Rはフ
ッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換
基を有していてもよいフェニル基またはフッ素原子であ
る。)で示される化合物が挙げられ、たとえばトルフル
オロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロ
フェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)
ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-
トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス
(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0107】イオン性化合物としては、トリアルキル置
換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジ
アルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム
塩などを挙げることができる。具体的に、トリアルキル
置換アンモニウム塩としては、たとえばトリエチルアン
モニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアン
モニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)
アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられ
る。ジアルキルアンモニウム塩としては、たとえばジ
(1-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフ
ェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ
(フェニル)ホウ素などが挙げられる。さらにイオン性
化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルア
ニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートなどを挙げることもできる。
【0108】ボラン化合物としては、デカボラン(1
4)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ノナボレ
ート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカボレ
ート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ド
デカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)
などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0109】カルボラン化合物としては、4-カルバノナ
ボラン(14)、1,3-ジカルバノナボラン(13)、ビ
ス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハ
イドライド-7-カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩
(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げら
れる。
【0110】上記のようなイオン化イオン性化合物は、
1種単独でまたは2種以上組合わせて用いることができ
る。前記有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化
イオン性化合物は、上述した粒子状担体に担持させて用
いることもできる。
【0111】また触媒を形成するに際しては、有機アル
ミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合物と
ともに以下のような有機アルミニウム化合物を用いても
よい。
【0112】有機アルミニウム化合物としては、分子内
に少なくとも1個のAl−炭素結合を有する化合物が利
用できる。このような化合物としては、たとえば下記一
般式で表される有機アルミニウム化合物が挙げられる。
【0113】(R1 m Al(O(R2 ))npq (式中、R1 およびR2 は、互いに同一でも異なってい
てもよく、炭素原子数が通常1〜15、好ましくは1〜
4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは
0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0
≦q<3を満たす数であって、しかも、m+n+p+q
=3である。) 本発明では、上記のようなオレフィン重合用触媒の存在
下に(i)エチレン、(ii)α−オレフィン、(iii)
芳香族ビニル化合物および(iv)非共役トリエンまたは
テトラエンを、通常液相で共重合させる。この際、一般
に炭化水素溶媒が用いられるが、α−オレフィンを溶媒
として用いてもよい。共重合はバッチ法または連続法の
いずれの方法でも行うことができる。
【0114】メタロセン系触媒を用い、共重合をバッチ
法で実施する場合には、重合系内のメタロセン化合物の
濃度は、重合容積1リットル当り、通常0.00005
〜0.1ミリモル、好ましくは0.0001〜0.05
ミリモルの量で用いられる。有機アルミニウムオキシ化
合物は、メタロセン化合物中の遷移金属原子(M)に対
するアルミニウム原子(Al)のモル比(Al/M)
で、1〜10000、好ましくは10〜5000となる
ようなの量で用いられる。
【0115】イオン化イオン性化合物は、メタロセン化
合物に対するイオン化イオン性化合物のモル比(イオン
化イオン性化合物/メタロセン化合物)で、0.5〜2
0、好ましくは1〜10となるような量で用いられる。
【0116】また有機アルミニウム化合物が用いられる
場合には、重合容積1リットル当り、通常約0〜5ミリ
モル、好ましくは約0〜2ミリモルとなるような量で用
いられる。
【0117】共重合反応は、通常、温度が−20〜15
0℃、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは0〜
100℃の範囲で、圧力が0を超えて〜80kg/cm
2 、好ましくは0を超えて〜50kg/cm2 の範囲の
条件下に行なわれる。
【0118】(i)エチレン、(ii)α−オレフィン、
(iii)芳香族ビニル化合物および(iv)非共役トリエ
ンまたはテトラエンは、上述のような特定組成の(B)
不飽和性オレフィン系共重合体が得られるような量で重
合系に供給される。さらに共重合に際しては、水素など
の分子量調節剤を用いることもできる。
【0119】上記のようにして(i)エチレン、(ii)
α−オレフィン、(iii)芳香族ビニル化合物および(i
v)非共役トリエンまたはテトラエンを共重合させる
と、不飽和性オレフィン系共重合体は通常これを含む重
合液として得られる。この重合液は、常法により処理さ
れ(B)不飽和性オレフィン系共重合体が得られる。
【0120】本発明では、オレフィン系熱可塑性エラス
トマー組成物を製造するに際して(A)結晶性ポリオレ
フィンは10〜60重量部、好ましくは15〜50重量
部、(B)不飽和性オレフィン系共重合体は90〜40
重量部、好ましくは85〜50重量部(但し、(A)、
(B)の合計は100重量部)の量で用いられる。
【0121】本発明では、前記(A)結晶性ポリオレフ
ィンと(B)不飽和性オレフィン系共重合体とからオレ
フィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造する際に、
さらに下記のような(C)エチレン・α−オレフィン・
非共役ポリエン共重合体、(D)ペルオキシド非架橋型
炭化水素系ゴム、(E)軟化剤を配合してもよい。
【0122】(C)エチレン・α−オレフィン・非共役
ポリエン共重合体 エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体
(C)は、エチレンと炭素原子数が3〜20のα−オレ
フィンと非共役ポリエンとからなる共重合体である。こ
こで、α−オレフィンとして具体的には、エチレン、プ
ロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセ
ン、1-オクテンなどが挙げられる。
【0123】非共役ポリエンとして具体的には、ジシク
ロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、シクロオクタジエ
ン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネンな
どのジエン、および、前記(iv)非共役トリエンまたは
テトラエンとして例示した非共役トリエンまたはテトラ
エンが挙げられる。
【0124】エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体(C)は、エチレン単位とα−オレフィン単
位との比(エチレン/α−オレフィン、モル比)は、9
0/10〜50/50の範囲にあることが好ましい。
【0125】また、エチレン・α−オレフィン・非共役
ポリエン共重合体(C)のムーニー粘度ML1+4(1
00℃)は、通常10〜250、好ましくは40〜15
0の範囲にあることが望ましく、ヨウ素価は、25以下
であることが好ましい。
【0126】エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体(C)は、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ー組成物中においては、通常架橋された状態で存在して
いる。
【0127】エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体(C)を配合すると、耐寒性がさらに優れる
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。(D)ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム(D)とは、ペル
オキシド(有機過酸化物)の存在下で、その分解温度以
上の温度で動的に熱処理を行っても、架橋せず、流動性
が低下しない炭化水素系のゴム状物質をいう。具体的に
はブチルゴム、ポリイソブチレンゴム、プロピレン含量
が50モル%以上のプロピレン・エチレン共重合体ゴ
ム、プロピレン・1-ブテン共重合体ゴム等を挙げること
ができる。この中では、ブチルゴムまたはポリイソブチ
レンゴムが特に好ましく用いられる。
【0128】これらのペルオキシド非架橋型炭化水素系
ゴム(D)を配合すると、成形性および成形外観がさら
に優れるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が得
られる。
【0129】(E)軟化剤 軟化剤(E)としては、従来ゴムに配合されている軟化
剤が広く用いられ、具体的には、プロセスオイル、潤滑
油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、
ワセリン等の石油系物質、コールタール、コールタール
ピッチ等のコールタール類、ヒマシ油、アマニ油、ナタ
ネ油、大豆油、椰子油等の脂肪油、トール油、蜜ロウ、
カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類、リシノール酸、
パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸またはその金属
塩、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポ
リプロピレン等の合成高分子、ジオクチルフタレート、
ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエス
テル系可塑剤、その他マイクロクリスタリンワックス、
液状ポリブタジエンまたはその変性物あるいは水添物、
液状チオコール等を例示することができる。
【0130】軟化剤(E)を添加すると、成形時の流動
性に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が
得られるが、下記割合より多く用いると得られる組成物
の機械物性が低下することがある。
【0131】本発明において(A)結晶性ポリオレフィ
ンおよび(B)不飽和性オレフィン系共重合体に加え
て、(C)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン
共重合体、(D)ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム
および(E)軟化剤から選ばれる少なくとも1つの成分
を用いてオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製
造する際は、(A)結晶性ポリオレフィンは10〜60
重量部、好ましくは15〜50重量部の量で用いられ、
(B)不飽和性オレフィン系共重合体は90〜10重量
部、好ましくは85〜50重量部の量で用いられ、
(C)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重
合体1〜50重量部、好ましくは5〜40重量部の量で
用いられ、(D)ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム
は、1〜20重量部、より好ましくは5〜15重量部の
量で用いられ、(E)軟化剤は、1〜40重量%、好ま
しくは5〜40重量%、より好ましくは10〜35重量
部(但し、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)の
合計は100重量部)の量で用いられる。
【0132】より具体的には、以下のような組合せおよ
び量で用いられる。 (1) (A)結晶性ポリオレフィン:10〜60重量部、 (B)不飽和性オレフィン系共重合体:90〜10重量
部、および (C)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重
合体:1〜50重量部(但し、(A)、(B)、(C)
の合計は100重量部)。
【0133】(2) (A)結晶性ポリオレフィン:10〜60重量部、 (B)不飽和性オレフィン系共重合体:90〜10重量
部、および (D)ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム:1〜20
重量部(但し、(A)、(B)、(D)の合計は100
重量部)。
【0134】(3) (A)結晶性ポリオレフィン:10〜60重量部、 (B)不飽和性オレフィン系共重合体:90〜10重量
部、および (E)軟化剤:1〜40重量部(但し、(A)、
(B)、(E)の合計は100重量部)。
【0135】(4) (A)結晶性ポリオレフィン:10〜60重量部、 (B)不飽和性オレフィン系共重合体:90〜10重量
部、 (C)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重
合体:1〜50重量部、および (D)ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム:1〜20
重量部(但し、(A)、(B)、(C)、(D)の合計
は100重量部)。
【0136】(5) (A)結晶性ポリオレフィン:10〜60重量部、 (B)不飽和性オレフィン系共重合体:90〜10重量
部、 (D)ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム:1〜20
重量部、および (E)軟化剤:1〜40重量部(但し、(A)、
(B)、(D)、(E)の合計は100重量部)。
【0137】(6) (A)結晶性ポリオレフィン:10〜60重量部、 (B)不飽和性オレフィン系共重合体:90〜10重量
部、 (C)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重
合体:1〜50重量部、および (E)軟化剤:1〜40重量部(但し、(A)、
(B)、(C)、(E)の合計は100重量部)。
【0138】(7) (A)結晶性ポリオレフィン:10〜60重量部、 (B)不飽和性オレフィン系共重合体:90〜10重量
部、 (C)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重
合体:1〜50重量部、 (D)ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム:1〜20
重量部、および (E)軟化剤:1〜40重量部(但し、(A)、
(B)、(C)、(D)、(E)の合計は100重量
部)。
【0139】本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマ
ー組成物には、必要に応じて、さらに耐熱安定剤、帯電
防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、充填剤、着色剤、滑
剤などの添加物を、本発明の目的を損なわない範囲で配
合することができる。
【0140】本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラス
トマー組成物は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)およ
び不飽和性オレフィン系共重合体(B)からなる混合物
を、有機過酸化物の存在下で動的に熱処理して得られる
ものであり、不飽和性オレフィン系共重合体(B)が架
橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であ
る。なお、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)と不飽和性
オレフィン系共重合体(B)とが架橋する場合もある。
【0141】また、本発明に係るオレフィン系熱可塑性
エラストマー組成物は、結晶性ポリオレフィン樹脂
(A)および不飽和性オレフィン系共重合体(B)に、
さらにエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合
体(C)、ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム(D)
および軟化剤(E)から選ばれる少なくとも1種の成分
を加えた混合物を、有機過酸化物の存在下で動的に熱処
理して得られるものであり、不飽和性オレフィン系共重
合体(B)同士、エチレン・α−オレフィン・非共役ジ
エン共重合体(C)同士および、不飽和性オレフィン系
共重合体(B)とエチレン・α−オレフィン・非共役ジ
エン共重合体(C)とが架橋されたオレフィン系熱可塑
性エラストマー組成物である。なお、結晶性ポリオレフ
ィン樹脂(A)と不飽和性オレフィン系共重合体
(B)、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)とエチレン・
α−オレフィン・非共役ジエン共重合体(C)とが架橋
する場合もある。
【0142】ここで本発明において、「動的に熱処理す
る」とは溶融状態で前記各成分を混練することを意味す
る。本発明において使用される有機過酸化物の例として
は、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシ
ド、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)
ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオ
キシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシ
イソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert-ブチルペル
オキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-
4,4-ビス(tert-ブチルペルオキシ)バレレート、ベン
ゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシ
ド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert-ブチ
ルペルオキシベンゾエート、tert-ブチルペルベンゾエ
ート、tert-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネー
ト、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシ
ド、tert-ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられ
る。
【0143】これらのうちでは、臭気性、スコーチ安定
性の点で、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオ
キシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチル
ペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert-ブチルペル
オキシイソプロピル)ベンゼンが好ましく、なかでも、
2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキ
サンが最も好ましい。本発明において有機過酸化物は、
被架橋処理物の主成分である結晶性ポリオレフィン樹脂
(A)と、不飽和性オレフィン系共重合体(B)と、エ
チレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体(C)
との合計量100重量%に対して、0.05〜2重量
%、好ましくは0.1〜1.6重量%の割合で用いられ
る。
【0144】本発明で前記各成分を有機過酸化物の存在
下に動的に処理するに際して、硫黄、p-キノンジオキシ
ム、p,p'-ジベンゾイルキノンジオキシム、N-メチル-N-
4-ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニル
グアニジン、トリメチロールプロパン-N,N'-m-フェニレ
ンジマレイミドなどのペルオキシ架橋用助剤、またはジ
ビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エチレング
リコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメ
タクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリ
ルメタクリレートなどの多官能性メタクリレートモノマ
ー、ビニルブチラート、ビニルステアレートなどの多官
能性ビニルモノマーを用いることができる。
【0145】このような化合物を用いることにより、均
一かつ緩和な架橋反応が期待できる。前記化合物のなか
では、ジビニルベンゼンが最も好ましい。ジビニルベン
ゼンは、取扱い易く、被架橋処理物の主成分である結晶
性ポリオレフィン樹脂(A)と、不飽和性オレフィン系
共重合体(B)と、エチレン・α−オレフィン・非共役
ジエン共重合体(C)との相溶性が良好であり、かつ、
有機過酸化物を可溶化する作用を有し、有機過酸化物の
分散剤として働くため、熱処理による架橋効果が均質
で、流動性と物性とのバランスのとれたオレフィン系熱
可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0146】架橋助剤、多官能性メタクリレートモノマ
ー、多官能性ビニルモノマーは、被架橋処理物全体に対
して、0.05〜3重量%、特に0.1〜2重量%の割
合で用いることが好ましい。架橋助剤、多官能性メタク
リレートモノマー、多官能性ビニルモノマーの配合割合
が3重量%を超えると、有機過酸化物の配合量が多い場
合には、架橋反応が速く進行し過ぎるため、得られるオ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、流動性に劣
り、一方、有機過酸化物の配合量が少ない場合には、架
橋助剤、多官能性メタクリレートモノマー、多官能性ビ
ニルモノマーが、オレフィン系熱可塑性エラストマー組
成物中に未反応のモノマーとして残存し、オレフィン系
熱可塑性エラストマー組成物は、加工成形の際に熱履歴
による物性の変化が生じたりする。したがって、架橋助
剤、多官能性メタクリレートモノマー、多官能性ビニル
モノマーは、過剰に配合すべきではない。
【0147】動的な熱処理は、非開放型の装置中で行う
ことが好ましく、また、窒素等の不活性ガス中で行うこ
とが好ましい。熱処理時の温度は通常(A)結晶性ポリ
オレフィン樹脂の融点から300℃までの範囲であり、
混練時間は1〜10分であることが好ましい。また、加
えられる剪断力は500〜10,000sec-1の範囲
であることが望ましい。混練装置としては、ミキシング
ロール、インテンシブミキサー例えばバンバリーミキサ
ー、ニーダー、一軸または二軸押出機などを用いること
ができるが、非開放型の装置が好ましい。
【0148】本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラス
トマー組成物は、不飽和性オレフィン系共重合体(B)
およびエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合
体(C)が架橋されているが、この「架橋された」と
は、下記の方法で測定したゲル含量が20%以上である
場合をいう。ゲル含量が前記範囲より少ないとゴム弾性
が低下する傾向にある。
【0149】[ゲル含量の測定法]試料としてオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物のペレット(サイズ:
0.5×0.5×0.5mm)を約100mg秤量し、
密閉容器中にて30mlのシクロヘキサンに、23℃で
48時間浸漬する。
【0150】次に、この試料を濾紙上に取り出し、室温
にて恒量になるまで72時間以上乾燥する。この乾燥残
査の重量からポリマー成分以外の全てのシクロヘキサン
不溶成分(充填剤、顔料、繊維状フィラー等)の重量お
よび、シクロヘキサン浸漬前の試料中の(A)結晶性ポ
リオフィン成分の重量を減じたものを「補正された最終
重量(Y)」とする。
【0151】一方、試料の架橋性成分、すなわち不飽和
性オレフィン系共重合体(B)およびエチレン・α−オ
レフィン・非共役ジエン共重合体(C)の重量の合計を
「補正された初期重量(X)」とする。これらの値から
次式によってゲル含有量が決定される。
【0152】ゲル含有量(%)=(補正された最終重量
(Y))/(補正された初期重量(X))×100 また、上記のようにして得られるオレフィン系熱可塑性
エラストマー組成物は、必要に応じて結晶性オレフィン
樹脂(F)と混合して使用することができる。このとき
用いられる結晶性ポリオレフィン樹脂(F)としては、
上述の結晶性ポリオレフィン樹脂(A)と同様の結晶性
ポリオレフィンが挙げられる。
【0153】結晶性ポリオレフィン樹脂(F)の量は、
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物100重量部
に対し、5〜200重量部、好ましくは5〜100重量
部である。結晶性ポリオレフィン樹脂(F)を混合する
ことにより、成形加工性が改良される傾向にある。しか
しながら、前記範囲より多く結晶性ポリオレフィン樹脂
(F)を用いると、エラストマー本来の柔軟性が損なわ
れるばかりでなく、ゴム弾性が低下する傾向にある。
【0154】オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
と結晶性ポリオレフィン樹脂(F)とを混合する場合に
は従来公知の方法を用いることができ、たとえば、オレ
フィン系熱可塑性エラストマー組成物と、結晶性ポリオ
レフィン樹脂(F)とを、押出機、ニーダー等を用いて
機械的にブレンドする方法が用いられる。
【0155】なお、このようなオレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物において、不飽和性オレフィン系共重
合体(B)と結晶性ポリオレフィン樹脂(F)と、エチ
レン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体(C)と
結晶性ポリオレフィン樹脂(F)は、架橋していない。
【0156】
【発明の効果】本発明者に係るオレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物は、ゴム弾性および引張強度に優れ、
かつ成形性および成形外観に優れている。
【0157】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0158】
【合成例1】1.5リットルのオートクレーブを窒素で
充分に置換し、ヘキサン430ml、スチレン35m
l、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン(以下「E
MND」という)6.5mlを仕込んだ。さらにプロピ
レンを2.5kg/cm2 になるように導入した。次い
で攪拌しながら系内を40℃に昇温しエチレンを8kg
/cm2 になるように導入した。次に、別の反応器にメ
チルアルミノオキサン(東ソーアクゾ社製、3重量%ト
ルエン溶液)9.2mmol、公知の方法により合成し
た(ジメチル(tert-ブチルアミド)(テトラメチル-η
5-シクロペンタジエニル)シラン)ジクロライドチタン
0.018mmolを加え、この混合溶液を15分間攪
拌した後、オートクレーブに導入し重合を開始した。こ
の重合中系内の圧力を8kg/cm2 に保つようにエチ
レンを連続供給し、30分間重合した。その後、5ml
のメタノールを添加し重合を終了した。重合終了後、1
リットルのメタノールで重合溶液からポリマーを析出さ
せた。析出したポリマーをさらに1リットルのメタノー
ルで2回洗浄し、130℃、12時間減圧乾燥した。得
られたポリマーは、15gであり、エチレンから導かれ
る構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位とのモ
ル比(エチレン/プロピレン)は74/26であり、エ
チレンから導かれる構成単位とプロピレンから導かれる
構成単位との合計量と、スチレンから導かれる構成単位
とのモル比(エチレン+プロピレン/スチレン)は96
/4であった。この共重合体のヨウ素価は18であり、
135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]は2.
5dl/gであった。
【0159】
【合成例2】1.5リットルのオートクレーブを窒素で
充分に置換し、トルエン460ml、スチレン25m
l、EMND4ml、1-オクテンを25mlを仕込ん
だ。次いで攪拌しながら系内を70℃に昇温しエチレン
を7kg/cm2 になるように導入した。
【0160】その後、重合中系内の圧力を7kg/cm
2 に保つようにエチレンを連続供給したこと以外は合成
例1と同様にして重合反応を行った。得られたポリマー
は、21gであり、エチレンから導かれる構成単位と、
1-オクテンから導かれる構成単位とのモル比(エチレン
/1-オクテン)は90/10であり、エチレンから導か
れる構成単位と1-オクテンから導かれる構成単位との合
計量と、スチレンから導かれる構成単位とのモル比(エ
チレン+1-ブテン/スチレン)は97/3であった。こ
の共重合体のヨウ素価は8であり、135℃、デカリン
中で測定した極限粘度[η]は1.8dl/gであっ
た。
【0161】
【実施例1〜3、比較例1〜3】下記に示す原料を表1
に示す量(重量部)で配合し、バンバリーミキサーを用
いて窒素雰囲気中、180℃で5分間混練した後、この
混練物をロールに通してシート状とし、シートカッター
で裁断して角ペレットを製造した。この角ペレットと、
ジビニルベンゼン(以下「DVB」という)と、2,5-ジ
メチル-2,5-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン(以下
「POX」という)を表1に示す量(重量部)で配合し
ヘンシェルミキサーで攪拌混合した。次いで、この混合
物を、L/D=40、スクリュー径50mmの二軸押出
機を用いて窒素雰囲気下に220℃の温度で押出し、オ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0162】得られたオレフィン系熱可塑性エラストマ
ー組成物のゲル含量は、上記した方法により求めた。ま
た、ゴム弾性の指標である圧縮永久歪(圧縮条件70
℃、22時間)及び引張強度は、JIS K6301に
示される方法で測定した。
【0163】さらに、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ー組成物の成形性・成形外観を評価するため、スクリュ
ー径50mmの一軸押出機にASTM−A法のダイ(ガ
ーベダイ)を取り付け、以下の条件で断面がくさび型の
成形体を押出成形した。
【0164】[押出成形条件] 設定温度:C1/C2/C3/C4/C5/H/D=1
60/180/200/220/220/220/20
0℃、 スクリュー回転数 :45回転、 スクリーンメッシュ:40/80/40メッシュ 成形性・成形外観は、成形品の側面部(肌)および鋭角
部(エッジ)を指で触ることにより1〜5の5段階
(5:良い、1:悪い)で評価(相対評価)した。結果
を表1に示す。
【0165】[実施例および比較例で用いた原料](A)結晶性ポリオレフィン (A-1)プロピレン・エチレンブロック共重合体(メル
トフローレート(ASTM D1238、230℃、
2.16kg荷重)12g/10分、エチレン含量10モ
ル%)(B)不飽和性オレフィン系共重合体 (B-1)合成例1で合成したエチレン・プロピレン・ス
チレン・EMND共重合体(エチレン/プロピレン=7
4/26、(エチレン+プロピレン)/スチレン=96
/4、ヨウ素価18、ムーニー粘度ML1+4(100
℃)75) (B-2)合成例2で合成したエチレン・1-オクテン・ス
チレン・EMND共重合体(エチレン/1-オクテン=9
0/10、(エチレン+プロピレン)/スチレン=97
/3、ヨウ素価8、ムーニー粘度ML1+4(100
℃)102)(C)エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合
(C-1)エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノル
ボルネン共重合体ゴム (エチレン含有量73モル%、ヨウ素価18、ムーニー
粘度ML1+4(100℃)80)(D)ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム (D-1)ブチルゴム(不飽和度0.7モル%、ムーニー
粘度ML1+8(100℃)45)(E)軟化剤 (E-1)鉱物油系プロセスオイル(出光興産社製、PW
−380)(G)エチレン・α−オレフィン・スチレン・非共ジエ
ン共重合体 (G-1)エチレン・1-オクテン・スチレン・5-エチリデ
ン-2-ノルボルネン共重合体(エチレン/1-オクテン=
90/10、(エチレン+プロピレン)/スチレン=9
7/3、ヨウ素価8、ムーニー粘度ML1+4(100
℃)96)
【0166】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 212:06 236:22) (C08L 23/08 23:02 23:16 23:20)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)結晶性ポリオレフィン:10〜60
    重量部、および (B)(i)エチレンと、(ii)炭素原子数が3〜20
    のα−オレフィンと、(iii)下記式(I)で表される
    芳香族ビニル化合物と、(iv)非共役トリエンまたはテ
    トラエンとから得られる不飽和性オレフィン系共重合
    体:90〜40重量部(但し、(A)と(B)との合計
    は100重量部)を、有機過酸化物の存在下に動的に熱
    処理して得られることを特徴とするオレフィン系熱可塑
    性エラストマー組成物; 【化1】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、互いに同一でも異な
    っていてもよく、水素原子または炭素原子数が1〜8の
    アルキル基を示し、nは0〜5の整数である。)
  2. 【請求項2】(A)結晶性ポリオレフィン:10〜60
    重量部、 (B)(i)エチレンと、(ii)炭素原子数が3〜20
    のα−オレフィンと、(iii)前記式(I)で表される
    芳香族ビニル化合物と、(iv)非共役トリエンまたはテ
    トラエンとから得られる不飽和性オレフィン系共重合
    体:90〜10重量部、および (C)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重
    合体:1〜50重量部(但し、(A)、(B)、(C)
    の合計は100重量部)を、有機過酸化物の存在下に動
    的に熱処理して得られることを特徴とするオレフィン系
    熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】(A)結晶性ポリオレフィン:10〜60
    重量部、 (B)(i)エチレンと、(ii)炭素原子数が3〜20
    のα−オレフィンと、(iii)前記式(I)で表される
    芳香族ビニル化合物と、(iv)非共役トリエンまたはテ
    トラエンとから得られる不飽和性オレフィン系共重合
    体:90〜10重量部、および (D)ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム:1〜20
    重量部(但し、(A)、(B)、(D)の合計は100
    重量部)を、有機過酸化物の存在下に動的に熱処理して
    得られることを特徴とするオレフィン系熱可塑性エラス
    トマー組成物。
  4. 【請求項4】(A)結晶性ポリオレフィン:10〜60
    重量部、 (B)(i)エチレンと、(ii)炭素原子数が3〜20
    のα−オレフィンと、(iii)前記式(I)で表される
    芳香族ビニル化合物と、(iv)非共役トリエンまたはテ
    トラエンとから得られる不飽和性オレフィン系共重合
    体:90〜10重量部、および (E)軟化剤:1〜40重量部(但し、(A)、
    (B)、(E)の合計は100重量部)を、有機過酸化
    物の存在下に動的に熱処理して得られることを特徴とす
    るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】(A)結晶性ポリオレフィン:10〜60
    重量部、 (B)(i)エチレンと、(ii)炭素原子数が3〜20
    のα−オレフィンと、(iii)前記式(I)で表される
    芳香族ビニル化合物と、(iv)非共役トリエンまたはテ
    トラエンとから得られる不飽和性オレフィン系共重合
    体:90〜10重量部、 (C)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重
    合体:1〜50重量部、および (D)ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム:1〜20
    重量部(但し、(A)、(B)、(C)、(D)の合計
    は100重量部)を、有機過酸化物の存在下に動的に熱
    処理して得られることを特徴とするオレフィン系熱可塑
    性エラストマー組成物。
  6. 【請求項6】(A)結晶性ポリオレフィン:10〜60
    重量部、 (B)(i)エチレンと、(ii)炭素原子数が3〜20
    のα−オレフィンと、(iii)前記式(I)で表される
    芳香族ビニル化合物と、(iv)非共役トリエンまたはテ
    トラエンとから得られる不飽和性オレフィン系共重合
    体:90〜10重量部、 (D)ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム:1〜20
    重量部、および (E)軟化剤:1〜40重量部(但し、(A)、
    (B)、(D)、(E)の合計は100重量部)を、有
    機過酸化物の存在下に動的に熱処理して得られることを
    特徴とするオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  7. 【請求項7】(A)結晶性ポリオレフィン:10〜60
    重量部、 (B)(i)エチレンと、(ii)炭素原子数が3〜20
    のα−オレフィンと、(iii)前記式(I)で表される
    芳香族ビニル化合物と、(iv)非共役トリエンまたはテ
    トラエンとから得られる不飽和性オレフィン系共重合
    体:90〜10重量部、 (C)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重
    合体:1〜50重量部、および (E)軟化剤:1〜40重量部(但し、(A)、
    (B)、(C)、(E)の合計は100重量部)を、有
    機過酸化物の存在下に動的に熱処理して得られることを
    特徴とするオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  8. 【請求項8】(A)結晶性ポリオレフィン:10〜60
    重量部、 (B)(i)エチレンと、(ii)炭素原子数が3〜20
    のα−オレフィンと、(iii)前記式(I)で表される
    芳香族ビニル化合物と、(iv)非共役トリエンまたはテ
    トラエンとから得られる不飽和性オレフィン系共重合
    体:90〜10重量部、 (C)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重
    合体:1〜50重量部、 (D)ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム:1〜20
    重量部、および (E)軟化剤:1〜40重量部(但し、(A)、
    (B)、(C)、(D)、(E)の合計は100重量
    部)を、有機過酸化物の存在下に動的に熱処理して得ら
    れることを特徴とするオレフィン系熱可塑性エラストマ
    ー組成物。
  9. 【請求項9】前記(B)不飽和性オレフィン系共重合体
    は、エチレン(i)から導かれる構成単位と、炭素原子
    数が3〜20のα−オレフィン(ii)から導かれる構成
    単位とのモル比(エチレン/α−オレフィン)が99/
    1〜40/60の範囲にあり、エチレン(i)から導か
    れる構成単位と炭素原子数が3〜20のα−オレフィン
    (ii)から導かれる構成単位との合計量と、芳香族ビニ
    ル化合物(iii)から導かれる構成単位とのモル比(エ
    チレン+α−オレフィン/芳香族ビニル化合物)が9
    9.5/0.5〜85/15の範囲にある共重合体であ
    る請求項1〜8のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑
    性エラストマー組成物。
  10. 【請求項10】前記(B)不飽和性オレフィン系共重合
    体は、135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]
    が0.1〜10dl/gの範囲にある共重合体である請
    求項1〜9のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑性エ
    ラストマー組成物。
  11. 【請求項11】前記(B)不飽和性オレフィン系共重合
    体は、ヨウ素価が1〜50の範囲にある共重合体である
    請求項1〜10のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑
    性エラストマー組成物。
  12. 【請求項12】前記(iv)非共役トリエンまたはテトラ
    エンは、下記一般式(II-a)で表され、かつ該非共役ト
    リエンまたはテトラエンから導かれる構成単位が下記一
    般式(II-b)で表される化合物および、下記一般式(II
    I-a)で表され、かつ該非共役トリエンまたはテトラエ
    ンから導かれる構成単位が下記一般式(III-b)で表さ
    れる化合物から選ばれる少なくとも1種の非共役トリエ
    ンまたはテトラエンである請求項1〜11のいずれかに
    記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物; 【化2】 (式中、pおよびqは、互いに同一でも異なっていても
    よく、0または1であり(但し、pとqは同時に0では
    ない)、fは0〜5の整数であり(但し、pとqが共に
    1の場合は0ではない)、gは1〜6の整数であり、R
    1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 およびR7 は、互い
    に同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原
    子数が1〜5のアルキル基を示し、R8 は炭素原子数が
    1〜5のアルキル基を示し、R9 は水素原子、炭素原子
    数が1〜5のアルキル基または−(CH2n−CR10
    CR1112で表される基(ここで、nは1〜5の整数で
    あり、R10およびR11は、互いに同一でも異なっていて
    もよく、水素原子または炭素原子数が1〜5のアルキル
    基を示し、R12は炭素原子数が1〜5のアルキル基を示
    す)を示す(但し、pとqが共に1の場合、R9 は水素
    原子または炭素原子数が1〜5のアルキル基であ
    る)。) 【化3】 (式中、p、q、f、g、R1 〜R9 は、前記一般式
    (II-a)の場合と同じ意味である。) 【化4】 (式中、p、q、f、g、R1 〜R9 は、前記一般式
    (II-a)の場合と同じ意味である。) 【化5】 (式中、p、q、f、g、R1 〜R9 は、前記一般式
    (II-a)の場合と同じ意味である。)
  13. 【請求項13】前記一般式(II-a)で表される非共役ト
    リエンまたはテトラエンは、下記一般式(IV-a)で表さ
    れ、かつ該非共役トリエンまたはテトラエンから導かれ
    る構成単位が下記一般式(IV-b)で表される化合物であ
    り、前記一般式(III-a)で表される非共役トリエンま
    たはテトラエンは、下記一般式(V-a)で表され、かつ
    該非共役トリエンまたはテトラエンから導かれる構成単
    位が下記一般式(V-b)で表される化合物である請求項
    12に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成
    物; 【化6】 (式中、fは0〜5の整数であり、gは1〜6の整数で
    あり、R1 ,R2 ,R5,R6 およびR7 は、互いに同一
    でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数が
    1〜5のアルキル基を示し、R8 は炭素原子数が1〜5
    のアルキル基を示し、R9 は水素原子、炭素原子数が1
    〜5のアルキル基または−(CH2n−CR10=CR11
    12で表される基(ここで、nは1〜5の整数であり、
    10およびR11は、互いに同一でも異なっていてもよ
    く、水素原子または炭素原子数が1〜5のアルキル基を
    示し、R12は炭素原子数が1〜5のアルキル基を示す)
    を示す。) 【化7】 (式中、f、g、R1 、R2 、R5 〜R9 は、前記一般
    式(IV-a)の場合と同じ意味である。) 【化8】 (式中、f、g、R1 、R2 、R5 〜R9 は、前記一般
    式(IV-a)の場合と同じ意味である。) 【化9】 (式中、f、g、R1 、R2 、R5 〜R9 は、前記一般
    式(IV-a)の場合と同じ意味である。)
  14. 【請求項14】前記(iv)非共役トリエンまたはテトラ
    エンは、前記一般式(II-a)で表され、かつ該非共役ト
    リエンまたはテトラエンから導かれる構成単位が前記一
    般式(II-b)で表される化合物から選ばれる少なくとも
    1種の非共役トリエンまたはテトラエンである請求項1
    〜11のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑性エラス
    トマー組成物。
  15. 【請求項15】前記一般式(II-a)で表される非共役ト
    リエンまたはテトラエンは、前記一般式(IV-a)で表さ
    れ、かつ該非共役トリエンまたはテトラエンから導かれ
    る構成単位が前記一般式(IV-b)で表される化合物から
    選ばれる少なくとも1種の非共役トリエンまたはテトラ
    エンである請求項14に記載のオレフィン系熱可塑性エ
    ラストマー組成物。
  16. 【請求項16】請求項1〜15に記載のオレフィン系熱
    可塑性エラストマー組成物100重量部と、結晶性ポリ
    オレフィン(F)5〜200重量部とからなることを特
    徴とするオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
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