JPH10168193A - 芳香族ポリスルホン重合体およびその製造方法 - Google Patents

芳香族ポリスルホン重合体およびその製造方法

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JPH10168193A
JPH10168193A JP8336714A JP33671496A JPH10168193A JP H10168193 A JPH10168193 A JP H10168193A JP 8336714 A JP8336714 A JP 8336714A JP 33671496 A JP33671496 A JP 33671496A JP H10168193 A JPH10168193 A JP H10168193A
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】有用な反応性の官能基が十分な量導入され、且
つ、高い機械的性質を有する新規ポリスルホン重合体お
よびその製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】側鎖官能基として、下記一般式(I)で示
される基{但し、式中、Eはポリ(アルキルアミノアル
キレン)基を示し、R1 は炭素数1〜20のアルキル基
を示し、R2 は水素原子、または、炭素数1〜5のアル
キル基を示し、R1 とR2 は同一でも異なっていても良
い。}が導入されてなることを特徴とする芳香族ポリス
ルホン重合体。 E−CH(R1 )−CO−NR2 −CH2 − (I)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、側鎖としてポリ
(アルキルアミン)残基をグラフト基として導入した芳
香族ポリスルホン重合体およびその製造方法に関するも
のであり、さらに詳しくは、イオン性物質や生理活性物
質などの吸着、分離、固定などに好適に使用し得るポリ
(アルキルアミン)グラフト芳香族ポリスルホン重合体
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特定の生理活性物質等を不溶性担
体に固定化したものは、アフィニティークロマトグラフ
用吸着剤、治療用血液処理材、細胞培養用器材、抗菌性
材料、その他、分析用試薬などとして広く利用されてお
り、今後、さらに幅広い応用が期待される重要な分野で
ある。
【0003】不溶性担体としてはセルロース、アガロー
ス、ポリスチレンなどが古くから知られているが、これ
らは不溶性の成型品として存在する。一方、芳香族ポリ
スルホン重合体は成型性が良く、透析用中空糸として利
用できるので、吸着能を発揮する官能基を導入すると、
その利用価値は高い。そのためクロルメチル化ポリスル
ホン{樋口ほかJ.Appl.Polymer Chem. 46, 449-457 (1
992)}やアミドメチル化ポリスルホン(特開平6−50
0925)などが開発され、これらを坦体として用いる
研究がなされ始めている。
【0004】しかし、芳香族ポリスルホン重合体はポリ
マー主鎖の凝集力でその高い機械的性質を保っているの
で、その主鎖または側鎖に官能基をあまりに多数導入し
過ぎると、その優れた機械的性質が失われてしまう。一
方、官能基の導入密度が少なすぎると吸着能が小さすぎ
て目的を果たせないジレンマがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題点を解決しようとするものであり、有用な反
応性の官能基が十分な量導入され、且つ、高い機械的性
質を有する新規ポリスルホンおよびその製造方法を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、下記の構成を有する。
【0007】「(1)側鎖官能基として、下記一般式
(I)で示される基{但し、式中、Eはポリ(アルキル
アミノアルキレン)基を示し、R1 は炭素数1〜20の
アルキル基を示し、R2 は水素原子、または、炭素数1
〜5のアルキル基を示し、R1 とR2 は同一でも異なっ
ていても良い。}が導入されてなることを特徴とする芳
香族ポリスルホン重合体。
【0008】 E−CH(R1 )−CO−NR2 −CH2 − (I) (2)下記一般式(III)で示されるハロゲン置換基
(但し、式中、Xはハロゲン原子を示す。)を有する芳
香族ポリスルホン重合体を、ポリアミン化合物と反応さ
せることを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリスルホ
ン重合体の製造方法。
【0009】 X−CH(R1 )−CO−N(R2 )−CH2 − (III)」
【0010】
【発明の実施の形態】続いて、本発明について詳細に説
明する。
【0011】本発明で言う、側鎖として一般式(I)で
示される基を導入した芳香族ポリスルホン重合体(以
下、ポリスルホンという場合がある)とは、主鎖に芳香
核とスルホニル基をもつポリスルホン重合体であって、
その芳香核が一般式(I)で示される基で置換されてい
るものであればよく、かかる一般式(I)で示される基
は、繰り返し単位当たり0.0001〜0.3の密度で
置換されていることが好ましい。
【0012】当該芳香族ポリスルホン重合体の具体例と
しては、市場に広く出回っているポリ(p−フェニレン
エーテルスルホン):−{(p−C64 )−SO2
(p−C64 )−O−}n−や、”ユーデル・ポリス
ルホン”:−{(p−C64)−SO2 −(p−C6
4 )−O−(p−C64 )−C(CH32 −(p
−C64 )−O}n−のほか、−{(p−C64
−SO2 −(p−C64 )−O−(p−C64 )−
O}n−、−{(p−C64 )−SO2 −(p−C6
4 )−S−(p−C64 )−O}n−、−{(p−
64 )−SO2 −(p−C64 )−O−(p−C
64 )−C(CF32 −(p−C64 )−O}n
などの構造を有する重合体であって、その芳香核が一般
式(I)で示される基、例えば、(N1 ,N2 ,N3
トリオクチル−ジエチレントリアミノ)−アセトアミド
メチル基、(N1 ,N2 ,N3 ,N4 −テトラオクチル
−トリエチレンテトラアミノ)−アセトアミドメチル
基、{ポリ(N−ラウリルテトラエチレンイミノ)}−
アセトアミドメチル基、ポリ(N−ラウリルエチレンイ
ミノ)−アセトアミドメチル基などによって置換されて
いるものをあげることができる。
【0013】さらに詳しく一般式(I)で示される基を
説明すると、R1 およびR2 は水素原子、または、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル
基を示し、R1 とR2 は同一でも異なっていても良い
が、R2 が水素原子のもの、とりわけ、R1 、R2 が共
に水素原子のものが最も製造しやすく、かつ、反応性も
高いので好ましい。また、一般式(I)中のEのポリ
(アルキルアミノアルキレン)基とはポリ(エチレンイ
ミン)基などで代表されるポリ(アミノアルキレン)基
のアミノ基に結合した水素原子の一部または全部を炭素
数1〜24のアルキル基で置換したものを意味する。炭
素数が少ないものは親水性が高く、炭素数が多いものは
疎水性が高いが、吸着剤として用いる場合には適度な疎
水性があるほうが好ましい。一般的に炭素数6〜18の
ものが吸着剤として特に好ましく用いられる。当該水素
原子のアルキル基による置換率は、アルキル基の炭素数
にもよるが、低すぎると、親水性が高すぎて吸着剤とし
て必要な適度な疎水性が出にくいので、通常、アルキル
基炭素数10以下では1%〜100%、より好ましくは
10%〜100%、炭素数10以上では0.1%〜10
0%、より好ましくは1%〜50%である。
【0014】また、本発明においては、上記一般式
(I)中のEが、下記一般式(II)で示される基の窒素
原子に結合した水素原子の一部または全部を炭素数2〜
24のアルキル基で置換したものであることが吸着性能
の点で好ましい。
【0015】 R34 N(A1 −NR5 −A2 −NR6n− (II) 一般式(II)中のR3 、R4 、R5 、R6 は水素原子、
または、炭素数1〜24のアルキル基で、かつ、該置換
水素原子の数が窒素原子の数の99%以下であれば、何
でも良く、特に制限は無い。ここで、R3 、R4
5 、R6 は同一でも異なっていても良いが、同一のも
のが最も作りやすい。これらが炭素数10以上の長鎖ア
ルキル基である場合は、疎水性が強く出るので、疎水性
相互作用の吸着剤に好ましく用いられる。
【0016】一般式(II)中のA1 、A2 の例として
は、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、
ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン
基、1−メチルエチレン基、2−エチルエチレン基、p
−キシリレン基などを上げることができるが、A1 とA
2 は同一でも異なっていても良い。
【0017】側鎖置換基の一般式(II)中のnは小さす
ぎるとグラフト構造の効果が出にくく、一方、大きすぎ
ると有機溶媒に対する溶解性が落ちて、加工しにくくな
るので、2〜5000、とりわけ、5〜2000が好ま
しい。また、一般式(I)で示される基の密度とnの関
係は重合体の性能を大きく左右する。即ち、一般式
(I)で示される基の密度が高い場合は、nは小さくし
ないとポリスルホンの優れた物理的性質が維持されにく
いので、nは小さい方が良く、一方、該密度が低い場合
は、nが小さいと、グラフト構造の効果が出にくいの
で、nは大きい方が良い。このポリ(アミノアルキレ
ン)基は一部分岐していても良い。これらの基は単独
で、あるいは、使用目的によっては複数で存在しても良
い。
【0018】さらに一般式(I)中のEのポリ(アミノ
アルキレン)基がエチレンイミンの重合体である場合、
重合度が低すぎると、官能基の効果が出すためには、側
鎖官能基密度を高くしなければならず、得られるものの
物理的特性が低くなる傾向があるので、重合度は4以上
であることが好ましい。また、重合度が高すぎると得ら
れるものの粘度が高くなりすぎたり、親水性のために加
工性が低下したりする場合があるので、4以上で100
00以下、とりわけ、10以上4000以下が好まし
い。このエチレンイミンの重合体は一部分岐していても
良い。これらの基は単独で、あるいは、使用目的によっ
ては複数で存在しても良い。
【0019】一般式(I)で示される基がポリスルホン
の主鎖に結合している位置はどこでも良く、特に限定は
ないが、アミドメチル化反応によって導入するのが容易
であるので、主鎖のエーテル基に対してオルト位置のも
のが得やすい。例えば、ビスフールAとジ(クロルフェ
ニル)スルホンから合成される”ユーデル・ポリスルホ
ン”では、ビスフェノールAの水酸基からオルトの位置
に一般式(I)で示される基が入ったものが得やすい。
【0020】本発明重合体中における一般式(I)で示
される基の適正な量、即ち、密度は幹となる重合体の化
学構造および用途により異なるが、少なすぎるとその機
能が発現しにくく、一方、多すぎると、単独では強靭な
膜に成りにくく、また、ポリスルホンと混合して用いる
にしても、ポリスルホンとの相溶性が悪くなり、成膜し
にくくなる傾向があるので、通常、繰り返し単位当たり
0.0001〜0.3個、とりわけ、0.001〜0.
1個が好ましい。
【0021】本発明重合体の製造方法の一例としては、
ハロアセトアミドメチル化ポリスルホンの溶液中に対応
したポリアミン化合物を加えて、0〜100℃の温度で
反応させる方法が挙げられる。ポリアミンの量には特に
制限はないが、可溶性のポリマーを得るためにはハロア
セトアミドメチル基に対し2倍モル以上用いるのが望ま
しい。とりわけ、分岐のあるポリアミンの場合は、可溶
性の重合体を得るためにはポリアミンを大過剰用いるの
が好ましい。ポリアミン化合物としては最終的に必要な
量のN−アルキル基を持ったポリアミンを使用するのが
常法であるが、N−アルキル化率が高くなると溶媒に溶
けにくくなるので、最終的に必要な量よりも少ないN−
アルキル基を持ったポリアミンを使用するか、あるい
は、全くN−アルキル化していないポリアミンを使用し
た後、ハロゲン化アルキル等のアルキル化試薬で必要量
のアルキル化を行う方法も適宜採用される。
【0022】また、反応溶媒としては、均一系で反応さ
せる場合にはテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリドンなどが好ましく用
いられる。また、ハロアセトアミドメチル化ポリスルホ
ンを成形後、表面処理する方法により、ポリアミンを導
入することも可能で、そのためには水、メタノール、エ
タノールなどのポリスルホンを溶かさず、ポリアミンを
溶かす溶媒が好ましく用いられる。
【0023】本発明の重合体はそれ自体で吸着剤とし
て、あるいは、より高度な機能をもつ吸着剤の製造中間
体として用いられ、また、平膜、中空糸膜の形で各種物
質の濾過分離・濃縮などに用いられる。また、細胞培養
用器具、人工臓器、人工血管、カテーテル等への用途な
どが考えられる。
【0024】
【実施例】以下、実験例により本発明をさらに具体的に
説明する。
【0025】なお、本実施例中の評価方法は、以下に従
った。
【0026】1.赤外線吸収スペクトル ポリマーをクロロホルムに溶解し、ガラス板上に流し
て、フィルム状に成型したものを、島津フーリエ変換赤
外分光光度計FT−IR4300を用いて測定した。
【0027】実施例1 ニトロベンゼン8mLと硫酸15mLの混合溶液を0℃
に冷却後、2.0gのN−メチロール−α−クロルアセ
トアミドを加えて溶解し、これを、300gのユーデル
ポリスルホンP3500を3Lのニトロベンゼンに溶か
した溶液に、良く撹拌しながら加えた。さらに、室温で
3時間撹拌した後、反応混合物を大過剰の冷メタノール
中に入れ、ポリマーを沈殿させた。沈殿をメタノールで
良く洗った後、乾燥した。これをジメチルホルムアミド
に溶解した後、メタノールで再沈殿させて、精製し、3
08gのα−クロルアセトアミドメチル化ポリスルホン
(重合体−I)を得た。このポリマーは赤外線吸収スペ
クトルで1676cm-1にアミド基の吸収を示した。
【0028】ポリエチレンイミン(平均分子量1000
0:和光純薬)60gを300mLのジメチルホルムア
ミドに溶かした溶液に臭化ラウリル34.9gを加え、
室温で3日間撹拌して、ラウリルポリエチレンイミン溶
液を調製した。別に、上記で得た重合体−I 30gを
300mLのジメチルホルムアミドに溶かした溶液を作
り、ラウリル化ポリエチレンイミン溶液と混合して、室
温で3日間撹拌した。反応混合物を大過剰の飽和食塩水
中に投じて、ポリマーを沈殿させ、沈殿を水およびメタ
ノールで良く洗った後、乾燥して、29gの本発明重合
体を得た。
【0029】このポリマーは赤外線吸収スペクトルで1
666cm-1にアミド基の吸収を示し、2966cm-1
と2926cm-1および2853cm-1にメチレン基
(エチレンジアミノ基とラウリル基)の吸収を示した。
これはテトラヒドロフラン、クロロホルム、ジメチルホ
ルムアミドによく溶けた。元素分析による窒素含有量は
は2.8ミリモル/gであった。
【0030】このポリマーのジメチルアセトアミド溶液
をガラス上に塗布し、水の中に入れて成膜した結果、ポ
リスルホンと比較して機械的特性の変わらない半透膜が
得られた。
【0031】実施例2 実施例1で得た重合体−I 40gを400mLのジメ
チルホルムアミドに溶かし、これに30%ポリエチレン
イミン水溶液(平均分子量70000:和光純薬)27
0mLを減圧濃縮して脱水したものを240mLのジメ
チルホルムアミドに溶かした溶液に加え、室温で3日間
撹拌した。反応混合物を大過剰の飽和食塩水中に投じ
て、ポリマーを沈殿させ、沈殿を水およびメタノールで
良く洗った後、乾燥して、38gの重合体を得た。この
重合体8gを100mLのジメチルホルムアミドに溶か
し、これにヨウ化カリウム2gと臭化ラウリル4mLを
加え、室温で24時間撹拌した。反応混合物を大過剰の
メタノール中に入れ、ポリマーを沈殿させ、沈殿をメタ
ノールおよび水で良く洗った後、乾燥して、6.3gの
本発明重合体を得た。
【0032】このポリマーは赤外線吸収スペクトルで1
666cm-1にアミド基の吸収を示し、2966cm-1
と2926cm-1および2853cm-1にメチレン基
(エチレンジアミノ基とラウリル基)の吸収を示した。
これはテトラヒドロフラン、クロロホルム、ジメチルホ
ルムアミドによく溶けた。元素分析による窒素含有量は
は1.0ミリモル/gであった。
【0033】このポリマーのジメチルアセトアミド溶液
をガラス上に塗布し、水の中に入れて成膜した結果、ポ
リスルホンと比較して機械的特性の変わらない半透膜が
得られた。
【0034】実施例3 ポリエチレンイミン(平均分子量10000:和光純
薬)20gを100mLのジメチルホルムアミドに溶か
した溶液に臭化ラウリル11gを加え、室温で3日間撹
拌してラウリル化ポリエチレンイミン溶液を調製した。
別に、実施例1で得た重合体−I 10gを100mL
のジメチルホルムアミドに溶かした溶液を作り、上記ラ
ウリル化ポリエチレンイミン溶液と混合して、室温で1
日間撹拌した。さらに臭化ラウリル55gを加え、室温
で2日間撹拌した。反応混合物を大過剰のメタノール中
に投じて、ポリマーを沈殿させ、沈殿を水およびメタノ
ールで良く洗った後、乾燥して、10gの本発明重合体
をえた。
【0035】このポリマーは赤外線吸収スペクトルで1
666cm-1にアミド基の吸収を示し、2966cm-1
と2926cm-1および2854cm-1にメチレン基
(エチレンジアミノ基とラウリル基)の吸収を示した。
特に、2926cm-1の吸収が2966cm-1および2
854cm-1の吸収に比べ、大きい。これはテトラヒド
ロフラン、クロロホルム、ジメチルホルムアミドによく
溶けた。元素分析による窒素含有量は2.8ミリモル/
gであった。
【0036】このポリマーのジメチルアセトアミド溶液
をガラス上に塗布し、水の中に入れて成膜した結果、ポ
リスルホンと比較して機械的特性の変わらない半透膜が
得られた。
【0037】実施例4 ポリエチレンイミン(平均分子量10000:和光純
薬)20gを100mLのジメチルホルムアミドに溶か
した溶液に臭化ヘキシル15gを加え、室温で2日間撹
拌してヘキシル化ポリエチレンイミン溶液を調製した。
別に、実施例1で得た重合体−I 10gを100mL
のジメチルホルムアミドに溶かした溶液を作り、ヘキシ
ル化ポリエチレンイミン溶液と混合して、室温で3日間
撹拌した。反応混合物を大過剰の飽和食塩水中に投じ
て、ポリマーを沈殿させ、沈殿を水およびメタノールで
良く洗った後、乾燥して、10gの本発明重合体をえ
た。
【0038】このポリマーは赤外線吸収スペクトルで1
670cm-1にアミド基の吸収を示し、2968cm-1
と2932cm-1および2872cm-1にメチレン基
(エチレンジアミノ基とヘキシル基)の吸収を示した。
これはテトラヒドロフラン、クロロホルム、ジメチルホ
ルムアミドによく溶けた。元素分析による窒素含有量は
2.6ミリモル/gであった。
【0039】このポリマーのジメチルアセトアミド溶液
をガラス上に塗布し、水の中に入れて成膜した結果、ポ
リスルホンと比較して機械的特性の変わらない半透膜が
得られた。
【0040】実施例5 ポリエチレンイミン(平均分子量25000:アルドリ
ッチ・カンパニー)20gを100mLのジメチルホル
ムアミドに溶かした溶液に臭化ラウリル11gを加え、
室温で2日間撹拌してラウリルポリエチレンイミン溶液
を調製した。別に、実施例1で得た重合体−I 10g
を100mLのジメチルホルムアミドに溶かした溶液を
作り、ラウリルポリエチレンイミン溶液と混合して、室
温で3日間撹拌した。反応混合物を大過剰の飽和食塩水
中に投じて、ポリマーを沈殿させ、沈殿を水およびメタ
ノールで良く洗った後、乾燥して、乾燥して、11gの
本発明重合体を得た。
【0041】このポリマーは赤外線吸収スペクトルで1
670cm-1にアミド基の吸収を示し、2966cm-1
と2923cm-1および2853cm-1にメチレン基
(エチレンジアミノ基とラウリル基)の吸収を示した。
特に、2926cm-1の吸収が2966cm-1および2
854cm-1の吸収に比べ、大きい。これはテトラヒド
ロフラン、クロロホルム、ジメチルホルムアミドによく
溶けた。元素分析による窒素含有量は2.9ミリモル/
gであった。このポリマーのジメチルアセトアミド溶液
をガラス上に塗布し、水の中に入れて成膜した結果、ポ
リスルホンと比較して機械的特性は変わらないが、親水
性が高い半透膜が得られた。
【0042】実施例6 実施例1で得た重合体−I 20gを200mLのジメ
チルホルムアミドに溶かし、これにポリエチレンイミン
(平均分子量700:アルドリッチ・カンパニー)40
gを200mLのジメチルホルムアミドに溶かした溶液
に加え、室温で3日間撹拌した。反応混合物を大過剰の
飽和食塩水中に投じて、ポリマーを沈殿させ、沈殿を水
およびメタノールで良く洗った後、乾燥して、18gの
重合体をえた。この重合体8gを100mLのジメチル
ホルムアミドに溶かし、これにヨウ化カリウム2gと臭
化ステアリル16mLを加え、室温で24時間撹拌し
た。反応混合物を大過剰のメタノール中に入れ、ポリマ
ーを沈殿させ、沈殿をエタノールおよび水で良く洗った
後、乾燥して、8.3gの本発明重合体をえた。 この
ポリマーは赤外線吸収スペクトルで1668cm-1にア
ミド基の吸収を示し、2968cm-1と2926cm-1
および2853cm-1にメチレン基(エチレンジアミノ
基とステアリル基)の吸収を示した。特に、2926c
-1の吸収が2966cm-1および2854cm-1の吸
収に比べ、大きい。これはテトラヒドロフラン、クロロ
ホルム、ジメチルホルムアミドによく溶けた。元素分析
による窒素含有量は0.9ミリモル/gであった。
【0043】このポリマーのジメチルアセトアミド溶液
をガラス上に塗布し、水の中に入れて成膜した結果、ポ
リスルホンと比較して機械的特性の変わらない半透膜が
得られた。
【0044】実施例7 ニトロベンゼン16mLと硫酸31mLの混合溶液を0
℃に冷却後、4.2g(0.034モル)のN−メチロ
ール−α−クロルアセトアミドを加えて、溶解し、この
液を、300g(0.68モル)のユーデルポリスルホ
ンP3500を360mLのニトロベンゼンに溶かした
溶液に、良く撹拌しながら加えた。さらに、室温で3時
間撹拌した。その後、反応混合物を大過剰の冷メタノー
ル中に入れ、ポリマーを沈殿させた。沈殿をメタノール
で良く洗った後、乾燥して、308gのα−クロルアセ
トアミドメチル化ポリスルホン(重合体−II)をえ
た。このものは赤外線吸収スペクトルで1676cm-1
にアミド基の吸収を示した。
【0045】上記で得た重合体−II 20gを200m
Lのジメチルホルムアミドに溶かし、 ポリエチレンイ
ミン(平均分子量25000:アルドリッチ・カンパニ
ー)20gを100mLのジメチルホルムアミドに溶か
した溶液に臭化ラウリル11gを加え、室温で2日間撹
拌してラウリルポリエチレンイミン溶液を調製した。別
に、上記で得た重合体−II 10gを100mLのジメ
チルホルムアミドに溶かした溶液を作り、ラウリルポリ
エチレンイミン溶液と混合して、室温で3日間撹拌し
た。反応混合物を大過剰の飽和食塩水中に投じて、ポリ
マーを沈殿させ、沈殿を水およびメタノールで良く洗っ
た後、乾燥して、乾燥して、11gの本発明重合体をえ
た。
【0046】このポリマーは赤外線吸収スペクトルで1
670cm-1にアミド基の吸収を示し、2966cm-1
と2923cm-1および2853cm-1にメチレン基
(エチレンジアミノ基とラウリル基)の吸収を示した。
特に、2926cm-1の吸収が2966cm-1および2
854cm-1の吸収に比べ、大きい。これはテトラヒド
ロフラン、クロロホルム、ジメチルホルムアミドによく
溶けた。元素分析による窒素含有量は2.9ミリモル/
gであった。このポリマーのジメチルアセトアミド溶液
をガラス上に塗布し、水の中に入れて成膜した結果、ポ
リスルホンと比較して機械的特性は変わらないが、親水
性が高い半透膜が得られた。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、主鎖の
芳香族ポリスルホンに、側鎖として特定のポリアルキル
アミングラフト基を導入することにより、優れた特性を
有する可溶性の新規芳香族ポリスルホン重合体を得るこ
とができ、イオン性物質や生理活性物質などの吸着、分
離、固定などの処理材料として有用である。
【0048】また、当該芳香族ポリスルホン重合体は、
シャーレ、瓶、膜、繊維、中空糸、粒状物またはこれら
を用いた組み立て品などの成型品の形で、アフィニティ
ークロマトグラフ用吸着剤、治療用血液処理剤、抗菌性
材料等の原材料として好適に使用することができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】側鎖官能基として、下記一般式(I)で示
    される基{但し、式中、Eはポリ(アルキルアミノアル
    キレン)基を示し、R1 は炭素数1〜20のアルキル基
    を示し、R2 は水素原子、または、炭素数1〜5のアル
    キル基を示し、R1 とR2 は同一でも異なっていても良
    い。}が導入されてなることを特徴とする芳香族ポリス
    ルホン重合体。 E−CH(R1 )−CO−NR2 −CH2 − (I)
  2. 【請求項2】一般式(I)中のEが、下記一般式(II)
    で示される基 (但し、式中、A1 、A2 は炭素数2〜
    12のアルキレン基、または、メチル基が分岐した炭素
    数3〜12のアルキレン基、エチル基が分岐した炭素数
    4〜12のアルキレン基、または、キシリレン基を示
    す。A1 とA2 は同一でも異なっていても良い。R3
    4 、R5 、R6 は水素原子、または、炭素数1〜24
    のアルキル基を示し、R3 、R4 、R5 、R6 は同一で
    も異なっていても良いが、水素原子の数は窒素原子の数
    の99%以下である。また、nは2以上の整数を示
    す。)であることを特徴とする請求項1記載の芳香族ポ
    リスルホン重合体。 R34 N(A1 −NR5 −A2 −NR6n− (II)
  3. 【請求項3】一般式(I)中のポリ(アルキルアミノア
    ルキレン)基が重合度4以上10000以下のN−アル
    キルエチレンイミンの重合体であることを特徴とする請
    求項1記載の芳香族ポリスルホン重合体。
  4. 【請求項4】芳香族ポリスルホン重合体の主鎖がポリ
    (p−フェニレンエーテルスルホン)であることを特徴
    とする請求項1記載の芳香族ポリスルホン重合体。
  5. 【請求項5】芳香族ポリスルホン重合体の主鎖が化学式
    −{(p−C64)−SO2 −(p−C64 )−O
    −(p−C64 )−C(CH32 −(p−C6
    4 )−O}n−で表されることを特徴とする請求項1記
    載の芳香族ポリスルホン重合体。
  6. 【請求項6】側鎖官能基の密度が主鎖の繰り返し単位当
    たり0.0001〜0.3であることを特徴とする請求
    項1記載の芳香族ポリスルホン重合体。
  7. 【請求項7】一般式(II)中のnが2〜5000である
    ことを特徴とする請求項2記載の芳香族ポリスルホン重
    合体。
  8. 【請求項8】有機溶媒に可溶であることを特徴とする請
    求項1記載の重合体。
  9. 【請求項9】下記一般式(III)で示されるハロゲン置
    換基(但し、式中、Xはハロゲン原子を示す。)を有す
    る芳香族ポリスルホン重合体を、ポリアミン化合物と反
    応させることを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリス
    ルホン重合体の製造方法。 X−CH(R1 )−CO−N(R2 )−CH2 − (III)
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