JPH10168082A - アルキルチオフェニルマグネシウムハライドの製造方法 - Google Patents

アルキルチオフェニルマグネシウムハライドの製造方法

Info

Publication number
JPH10168082A
JPH10168082A JP32676896A JP32676896A JPH10168082A JP H10168082 A JPH10168082 A JP H10168082A JP 32676896 A JP32676896 A JP 32676896A JP 32676896 A JP32676896 A JP 32676896A JP H10168082 A JPH10168082 A JP H10168082A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
represented
general formula
alkyl
group
chloride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32676896A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuusaku Tsukijihara
有作 築地原
Shuzo Satake
秀三 佐竹
Yukio Iida
幸生 飯田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd filed Critical Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Priority to JP32676896A priority Critical patent/JPH10168082A/ja
Publication of JPH10168082A publication Critical patent/JPH10168082A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 グリニャール試薬として用いられるアルキル
チオフェニルマグネシウムハライドを、位置異性体を含
まずに、高純度で容易に製造する方法を提供する。 【解決手段】 一般式(1)で表されるジハロベンゼン
を一般式(2)で表されるアルキルメルカプチドアルカ
リ金属塩と反応させて一般式(3)で表されるアルキル
チオハロベンゼンとなし、さらに、触媒の存在下、溶媒
中でマグネシウムと反応させることを特徴とする一般式
(4)で表されるアルキルチオフェニルマグネシウムハ
ライドの製造方法。 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基またはアルコキ
シ基を置換基として有する炭素数1〜8のアルキル基
を、Xは塩素原子または臭素原子を、YはNaまたはK
を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルキルチオフェ
ニルマグネシウムハライドの製造方法および該化合物か
らなるアルキルチオ芳香族グリニャール試薬に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】アルキル
チオ芳香族グリニャール試薬は、いわゆるグリニャール
反応と称される求電子試薬との反応において、種々の医
薬、農薬および機能材の合成原料となる重要な鍵化合物
である。例えば、ステロイド系化合物である17β−ヒ
ドロキシ−17α−(3−ヒドロキシ−1−プロピニ
ル)−11β−〔4−(メチルチオ)フェニル〕エスト
ラ−4,9−ジエン−3−オンの合成にアルキルチオ芳
香族グリニャール試薬を用いた例が知られている(特開
平2−188599号公報)。
【0003】従来、アルキルチオ芳香族グリニャール試
薬としては、アルキルチオフェニルマグネシウムブロマ
イドが知られている。このアルキルチオフェニルマグネ
シウムブロマイドは、アルキルチオベンゼンを臭素化し
て得られるアルキルチオブロモベンゼンを原料として用
い、これをマグネシウムと反応させることにより得られ
る。しかしながら、この方法では、原料となるアルキル
チオブロモベンゼンを合成する際に、オルト体およびパ
ラ体の位置異性体がそれぞれ互いに副生するため、グリ
ニャール試薬を得るには、原料のアルキルチオブロモベ
ンゼンを分離精製した後にマグネシウムと反応させる必
要があり、経済的でない。
【0004】本発明は、アルキルチオ芳香族グリニャー
ル試薬として用いられるアルキルチオフェニルマグネシ
ウムハライドを、位置異性体を含まずに、高純度で容易
に製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の課
題を解決するために鋭意検討した結果、o−、m−、p
−体等の特定のジハロベンゼンの2個のハロゲン原子の
一方を、アルキルメルカプチドアルカリ金属塩を用いて
置換してアルキルチオ化すると、元の位置関係を保った
ままでアルキルチオハロベンゼンを得ることができるこ
と、従って、位置異性体の副生は実質的に起こらないた
め、生成物の分離精製を行う必要がなくなり、これにマ
グネシウムを反応させることにより、容易に高純度のア
ルキルチオフェニルマグネシウムハライドが得られるこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0006】本発明は、一般式(1)で表されるジハロ
ベンゼンを一般式(2)で表されるアルキルメルカプチ
ドアルカリ金属塩と反応させて一般式(3)で表される
アルキルチオハロベンゼンとなし、さらに、触媒の存在
下、溶媒中でマグネシウムと反応させることを特徴とす
る一般式(4)で表されるアルキルチオフェニルマグネ
シウムハライドの製造方法である。
【0007】
【化3】
【0008】式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基また
はアルコキシ基を置換基として有する炭素数1〜8のア
ルキル基を、Xは塩素原子または臭素原子を、YはNa
またはKを示す。
【0009】また、本発明の新規なアルキルチオフェニ
ルマグネシウムクロライドは、一般式(5)で表され
る。
【0010】
【化4】
【0011】式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基また
はアルコキシ基を置換基として有する炭素数1〜8のア
ルキル基を示す。
【0012】上記のアルキルチオフェニルマグネシウム
クロライドは、グリニャール試薬として用いることがで
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0014】本発明においては、一般式(1)で表され
るジハロベンゼンを一般式(2)で表されるアルキルメ
ルカプチドアルカリ金属塩と反応させて一般式(3)で
表されるアルキルチオハロベンゼンとなし、さらに、触
媒の存在下、溶媒中でマグネシウムと反応させることに
より、一般式(4)で表されるアルキルチオフェニルマ
グネシウムハライドを製造することができる。
【0015】本発明においては、まず、一般式(1)で
表されるジハロベンゼンを、一般式(2)で表されるア
ルキルメルカプチドアルカリ金属塩による求核置換反応
により、一般式(3)で表されるアルキルチオハロベン
ゼンとする。
【0016】一般式(1)で表されるジハロベンゼンと
しては、例えば、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロ
ベンゼン、p−ジクロロベンゼン、o−ジブロモベンゼ
ン、m−ジブロモベンゼン、p−ジブロモベンゼンが挙
げられるが、o−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベン
ゼン、o−ジブロモベンゼン、p−ジブロモベンゼンが
好ましい。
【0017】一般式(2)で表されるアルキルメルカプ
チドアルカリ金属塩のアルキル基(R)は、炭素数1〜
8のアルキル基またはアルコキシ基を置換基として有す
る炭素数1〜8のアルキル基を示している。炭素数1〜
8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル
基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチ
ル基、iso−ペンチル基、sec−ペンチル基、n−
ヘキシル基、iso−ヘキシル基、sec−ヘキシル
基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。アルコ
キシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、ブトキシ基等を挙げることができる。アル
カリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等を使
用することができるが、経済的見地からは、ナトリウム
塩の水溶液が好ましく用いられる。
【0018】アルキルメルカプチドアルカリ金属塩の使
用量は、一般式(1)で表わされるジハロベンゼンに対
して、通常0.1〜3倍モル、好ましくは0.2〜2倍
モルである。
【0019】反応温度は、通常70〜200℃、好まし
くは100〜150℃である。
【0020】反応は、ジハロベンゼンとアルキルメルカ
プチドアルカリ金属塩を混合して撹拌するだけでも進行
するが、界面活性剤の存在下で行うと、さらに円滑に進
行する。界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸
塩、アルキルスルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤、高
級アミンハロゲン酸塩、ハロゲン化アルキルピリジニウ
ム、4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤、ポリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキル
エーテル等の非イオン界面活性剤、アミノ酸等の両性界
面活性剤等が挙げられるが、中でもポリエチレングリコ
ール、4級アンモニウム塩が経済的見地から好ましく用
いられる。
【0021】界面活性剤を用いる場合の使用量は、ジハ
ロベンゼンに対して、通常0.001〜5倍重量、好ま
しくは0.005〜2倍重量の範囲である。界面活性剤
の使用量が0.001倍重量未満の場合には、効果が充
分あらわれず、一方、5倍重量を超えて用いても、それ
に見合う効果が得られず経済的に不利である。
【0022】アルキルメルカプチドアルカリ金属塩の水
溶液を使用する場合には、反応系内から水を除きながら
行うと、さらに反応は円滑に進行する。
【0023】反応時間は、通常1〜20時間、好ましく
は3〜10時間の範囲である。
【0024】溶媒は、特に限定されるものではなく、無
溶媒またはジハロベンゼン自身を溶媒として好んで用い
るが、例えば、へキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等
の炭化水素類、ジクロロエタン、トリクロロエタン等の
ハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素類等を用いることもできる。溶媒を
用いる場合、その使用量は、特に限定されるものではな
いが、通常、一般式(1)で表されるジハロベンゼンに
対して、0.1〜10倍重量である。
【0025】このようにして得た、一般式(3)で表さ
れるアルキルチオハロベンゼンは、蒸留などの常法によ
り単離することができる。
【0026】一般式(3)で表されるアルキルチオハロ
ベンゼンの具体例としては、例えば、o−メチルチオク
ロロベンゼン、p−メチルチオクロロベンゼン、o−エ
チルチオクロロベンゼン、p−エチルチオクロロベンゼ
ン、o−n−プロピルチオクロロベンゼン、p−n−プ
ロピルチオクロロベンゼン、o−iso−プロピルチオ
クロロベンゼン、p−iso−プロピルチオクロロベン
ゼン、o−n−ブチルチオクロロベンゼン、p−n−ブ
チルチオクロロベンゼン、o−iso−ブチルチオクロ
ロベンゼン、p−iso−ブチルチオクロロベンゼン、
o−sec−ブチルチオクロロベンゼン、p−sec−
ブチルチオクロロベンゼン、o−n−ペンチルチオクロ
ロベンゼン、p−n−ペンチルチオクロロベンゼン、o
−iso−ペンチルチオクロロベンゼン、p−iso−
ペンチルチオクロロベンゼン、o−sec−ペンチルチ
オクロロベンゼン、p−sec−ペンチルチオクロロベ
ンゼン、o−n−ヘキシルチオクロロベンゼン、p−n
−ヘキシルチオクロロベンゼン、o−iso−ヘキシル
チオクロロベンゼン、p−iso−ヘキシルチオクロロ
ベンゼン、o−sec−ヘキシルチオクロロベンゼン、
p−sec−ヘキシルチオクロロベンゼン、o−シクロ
ヘキシルチオクロロベンゼン、p−シクロヘキシルチオ
クロロベンゼン、o−メトキシメチルチオクロロベンゼ
ン等のアルキルチオクロロベンゼン、o−メチルチオブ
ロモベンゼン、p−メチルチオブロモベンゼン、o−エ
チルチオブロモベンゼン、p−エチルチオブロモベンゼ
ン、o−n−プロピルチオブロモベンゼン、p−n−プ
ロピルチオブロモベンゼン、o−iso−プロピルチオ
ブロモベンゼン、p−iso−プロピルチオブロモベン
ゼン、o−n−ブチルチオブロモベンゼン、p−n−ブ
チルチオブロモベンゼン、o−iso−ブチルチオブロ
モベンゼン、p−iso−ブチルチオブロモベンゼン、
o−sec−ブチルチオブロモベンゼン、p−sec−
ブチルチオブロモベンゼン、o−n−ペンチルチオブロ
モベンゼン、p−n−ペンチルチオブロモベンゼン、o
−iso−ペンチルチオブロモベンゼン、p−iso−
ペンチルチオブロモベンゼン、o−sec−ペンチルチ
オブロモベンゼン、p−sec−ペンチルチオブロモベ
ンゼン、o−n−ヘキシルチオブロモベンゼン、p−n
−ヘキシルチオブロモベンゼン、o−iso−ヘキシル
チオブロモベンゼン、p−iso−ヘキシルチオブロモ
ベンゼン、o−sec−ヘキシルチオブロモベンゼン、
p−sec−ヘキシルチオブロモベンゼン、o−シクロ
ヘキシルチオブロモベンゼン、p−シクロヘキシルチオ
ブロモベンゼン、o−メトキシメチルチオブロモベンゼ
ン等のアルキルチオブロモベンゼンが挙げられる。
【0027】このようにして得られた一般式(3)で表
されるアルキルチオハロベンゼンは、次に、触媒の存在
下、溶媒中でマグネシウムと反応させることにより目的
とするアルキルチオフェニルマグネシウムハライドとす
る。
【0028】本発明で用いるマグネシウムとしては、リ
ボン状または削り屑状のマグネシウムが好ましい。マグ
ネシウムの使用量は、一般式(3)で表されるアルキル
チオハロベンゼンに対して0.9〜1.3倍モル、好ま
しくは1.0〜1.1倍モルである。マグネシウムの使
用量が0.9倍モル未満だと収率が低下し、1.3倍モ
ルを超えて用いると反応後の除去操作の煩雑さおよび経
済的な見地から得策でない。
【0029】本発明で用いる触媒としては、ヨウ素また
は1,2−ジブロモエタンが挙げられる。これらは、単
独で用いても、あるいは併用しても構わないが、操作上
および経済的見地から1,2−ジブロモエタンの使用が
好ましい。触媒の使用量は、一般式(3)で表されるア
ルキルチオハロベンゼンに対して0.001〜0.2倍
モル、好ましくは0.01〜0.1倍モルである。触媒
量が0.001倍モル未満だと収率が低下し、0.2倍
モルを超えて用いても反応に何ら影響を及ぼすものでは
ないが、過剰の触媒は経済的な見地から得策ではない。
【0030】本発明で使用できる溶媒としては、例え
ば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶媒が挙げら
れる。中でも、反応性と反応温度の点でテトラヒドロフ
ランが好ましい。
【0031】反応溶媒としては無水であるものが好まし
いが、溶媒中の水分量が数百ppmから0.1重量%程
度のものならば、一般市販品をそのまま本発明に使用す
ることもできる。
【0032】反応は低温でも進行するが、反応温度は工
業的な見地から30〜150℃の範囲が好ましく、反応
に用いる溶媒の還流温度が特に好ましい。
【0033】反応時間は、通常1〜4時間、好ましくは
2〜3時間の範囲である。
【0034】本発明においては、マグネシウムと触媒を
加えた溶媒中に、アルキルチオハロベンゼンを反応に用
いる溶媒に溶解させた溶液を滴下しながら反応させるこ
とにより、アルキルチオフェニルマグネシウムハライド
を得ることができる。
【0035】上記のようにして得られる本発明の新規な
アルキルチオフェニルマグネシウムクロライドは、前述
の一般式(5)で表される。式中、Rは炭素数1〜8の
アルキル基またはアルコキシ基を置換基として有する炭
素数1〜8のアルキル基を示す。炭素数1〜8のアルキ
ル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−
ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso
−ペンチル基、sec−ペンチル基、n−ヘキシル基、
iso−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、シクロヘキ
シル基等を挙げることができる。アルコキシ基として
は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、
ブトキシ基等を挙げることができる。
【0036】一般式(5)で表されるアルキルチオフェ
ニルマグネシウムクロライドの具体例としては、例え
ば、o−メチルチオフェニルマグネシウムクロライド、
p−メチルチオフェニルマグネシウムクロライド、o−
エチルチオフェニルマグネシウムクロライド、p−エチ
ルチオフェニルマグネシウムクロライド、o−n−プロ
ピルチオフェニルマグネシウムクロライド、p−n−プ
ロピルチオフェニルマグネシウムクロライド、o−is
o−プロピルチオフェニルマグネシウムクロライド、p
−iso−プロピルチオフェニルマグネシウムクロライ
ド、o−n−ブチルチオフェニルマグネシウムクロライ
ド、p−n−ブチルチオフェニルマグネシウムクロライ
ド、o−iso−ブチルチオフェニルマグネシウムクロ
ライド、p−iso−ブチルチオフェニルマグネシウム
クロライド、o−sec−ブチルチオフェニルマグネシ
ウムクロライド、p−sec−ブチルチオフェニルマグ
ネシウムクロライド、o−n−ペンチルチオフェニルマ
グネシウムクロライド、p−n−ペンチルチオフェニル
マグネシウムクロライド、o−iso−ペンチルチオフ
ェニルマグネシウムクロライド、p−iso−ペンチル
チオフェニルマグネシウムクロライド、o−sec−ペ
ンチルチオフェニルマグネシウムクロライド、p−se
c−ペンチルチオフェニルマグネシウムクロライド、o
−n−ヘキシルチオフェニルマグネシウムクロライド、
p−n−ヘキシルチオフェニルマグネシウムクロライ
ド、o−iso−ヘキシルチオフェニルマグネシウムク
ロライド、p−iso−ヘキシルチオフェニルマグネシ
ウムクロライド、o−sec−ヘキシルチオフェニルマ
グネシウムクロライド、p−sec−ヘキシルチオフェ
ニルマグネシウムクロライド、o−シクロヘキシルチオ
フェニルマグネシウムクロライド、p−シクロヘキシル
チオフェニルマグネシウムクロライド、o−メトキシメ
チルチオフェニルマグネシウムクロライド等が挙げられ
るが、ここに示す範囲に何ら限定されるものではない。
中でも、o−メチルチオフェニルマグネシウムクロライ
ドまたはp−メチルチオフェニルマグネシウムクロライ
ドが好ましい。
【0037】本発明のアルキルチオフェニルマグネシウ
ムクロライドからなるアルキルチオ芳香族グリニャール
試薬は、カルボニル化合物、エステル化合物、ハロゲン
化合物等の種々の化合物と反応して医薬、農薬等の有用
な有機化合物を合成する鍵化合物として有用である。
【0038】
【実施例】以下、実施例により更に詳しく本発明を説明
するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるもので
はない。
【0039】実施例1 撹拌機、温度計、滴下ロート、リービッヒ冷却器および
受器を備え付けた500ml四つロフラスコに、o−ジ
クロロベンゼン294g(2.00モル)およびポリエ
チレングリコール(重量平均分子量300)54g
(0.18モル)を仕込み、撹拌下、約135℃で30
%メチルメルカプチドナトリウム塩水溶液140g
(0.60モル)を4時間かけて滴下した。この条件下
で、水96gおよびo−ジクロロベンゼン74gが系外
に留去された。さらに1時間撹拌し、反応を終了した。
水を添加して分液し、蒸留によりo−メチルチオクロロ
ベンゼン75gを得た。
【0040】別途、500mlの四つ口フラスコに、窒
素雰囲気下で、マグネシウム8.9g(0.37モ
ル)、テトラヒドロフラン87mlおよび触媒の1,2
−ジブロモエタン1.3g(0.007モル)を仕込
み、混合した。この混合物に、o−メチルチオクロロベ
ンゼン55.0g(0.35モル)のテトラヒドロフラ
ン溶液200mlを40℃で2時間かけて滴下し、マグ
ネシウムと反応させた。滴下終了後、溶媒還流温度で3
時間熟成した後、冷却して反応液(A)を得た。
【0041】この反応液にアセトアルデヒド15.4g
(0.35モル)のテトラヒドロフラン溶液125m1
を滴下した後、加水分解して生成物を単離したところ、
α−メチル−o−(メチルチオ)−ベンゼンメタノール
51.7gが得られた。すなわち、下記の反応式に示さ
れるように、前記反応液(A)中に、o−メチルチオフ
ェニルマグネシウムクロライドが生成していることが確
認された。このことから、o−メチルチオフェニルマグ
ネシウムクロライドのo−メチルチオクロロベンゼンに
対する収率は88%と計算された。
【0042】
【化5】
【0043】実施例2 撹拌機、温度計、滴下ロート、リービッヒ冷却器および
受器を備え付けた500ml四つロフラスコに、p−ジ
クロロベンゼン294g(2.00モル)およびポリエ
チレングリコール(重量平均分子量300)54g
(0.18モル)を仕込み、撹拌下、約135℃で30
%メチルメルカプチドナトリウム塩水溶液140g
(0.60モル)を4時間かけて滴下した。この際、水
96gおよびp−ジクロロベンゼン74gが系外に留去
された。さらに1時間撹拌し、反応を終了した。水を添
加して分液し、蒸留によりp−メチルチオクロロベンゼ
ン75gを得た。
【0044】別途、500mlの四つ口フラスコに、窒
素雰囲気下で、マグネシウム8.9g(0.37モ
ル)、テトラヒドロフラン87mlおよび触媒の1,2
−ジブロモエタン1.3g(0.007モル)を仕込
み、混合した。この混合物に、p−メチルチオクロロベ
ンゼン55.0g(0.35モル)のテトラヒドロフラ
ン溶液200mlを40℃で2時間かけて滴下し、マグ
ネシウムと反応させた。滴下終了後、溶媒還流温度で3
時間熟成した後、冷却して反応液(B)を得た。
【0045】この反応液にアセトアルデヒド15.4g
(0.35モル)のテトラヒドロフラン溶液125m1
を滴下した後、加水分解して生成物を単離したところ、
α−メチル−p−(メチルチオ)−ベンゼンメタノール
50.6gが得られた。この結果より、前記反応液
(B)中に、p−メチルチオフェニルマグネシウムクロ
ライドが生成していることが確認された。このことか
ら、p−メチルチオフェニルマグネシウムクロライドの
p−メチルチオクロロベンゼンに対する収率は86%と
計算された。
【0046】実施例3 o−ジクロロベンゼンの替わりにo−ジブロモベンゼン
472gを用いた以外は実施例1と同様に反応を行い、
反応液(C)を得た。
【0047】この反応液にアセトアルデヒド15.4g
(0.35モル)のテトラヒドロフラン溶液125ml
を滴下した後、加水分解して生成物を単離したところ、
α−メチル−o−(メチルチオ)−ベンゼンメタノール
50.0gが得られた。この結果より、前記反応液
(C)中に、o−メチルチオフェニルマグネシウムブロ
マイドが生成していることが確認された。このことか
ら、o−メチルチオフェニルマグネシウムブロマイドの
o−メチルチオブロモベンゼンに対する収率は85%と
計算された。
【0048】比較例1 撹拌機、温度計、滴下ロート、冷却管を備え付けた50
0mlの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、チオアニ
ソール12.4g(0.10モル)および四塩化炭素2
00mlを仕込み、撹拌下、室温で臭素15.9g
(0.10モル)の四塩化炭素溶液50mlを20分か
けて滴下した。滴下終了後、溶媒還流温度で1時間熟成
した後、冷却して水を添加して分液し、o−メチルチオ
ブロモベンゼンとp−メチルチオブロモベンゼンの混合
物の四塩化炭素溶液を得た。これを蒸留により分離し、
p−メチルチオブロモベンゼン14.2gを得た。この
ものを、実施例1と同様にしてマグネシウムと反応さ
せ、反応液(D)を得た。
【0049】この反応液にアセトアルデヒド4.4g
(0.1モル)のテトラヒドロフラン溶液40mlを滴
下した後、加水分解して生成物を単離したところ、α−
メチル−p−(メチルチオ)−ベンゼンメタノール1
3.8gが得られた。この結果より、前記反応液(D)
中に、p−メチルチオフェニルマグネシウムブロマイド
が生成していることが確認された。このことから、p−
メチルチオフェニルマグネシウムブロマイドのp−メチ
ルチオブロモベンゼンに対する収率は82%、チオアニ
ソールに対する収率は57%と計算された。
【0050】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ジハロベンゼン
をアルキルメルカプチドアルカリ金属塩によりアルキル
チオ化することにより、従来問題であったアルキルチオ
ハロベンゼンの位置異性体の副生が抑制でき、中間生成
物の分離精製を行う必要がなくなった結果、容易に高純
度のアルキルチオフェニルマグネシウムハライドを得る
ことができる。
【0051】本発明のアルキルチオフェニルマグネシウ
ムクロライドからなるグリニャール試薬は、カルボニル
化合物、エステル化合物、ハロゲン化合物等の種々の化
合物と反応して医薬、農薬等の有用な有機化合物を合成
する鍵化合物として極めて有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表されるジハロベンゼン
    を一般式(2)で表されるアルキルメルカプチドアルカ
    リ金属塩と反応させて一般式(3)で表されるアルキル
    チオハロベンゼンとなし、さらに、触媒の存在下、溶媒
    中でマグネシウムと反応させることを特徴とする一般式
    (4)で表されるアルキルチオフェニルマグネシウムハ
    ライドの製造方法。 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基またはアルコキ
    シ基を置換基として有する炭素数1〜8のアルキル基
    を、Xは塩素原子または臭素原子を、YはNaまたはK
    を示す。)
  2. 【請求項2】 一般式(5)で表されるアルキルチオフ
    ェニルマグネシウムクロライド。 【化2】 (式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基またはアルコキ
    シ基を置換基として有する炭素数1〜8のアルキル基を
    示す。)
  3. 【請求項3】 一般式(5)で表されるアルキルチオフ
    ェニルマグネシウムクロライドが、o−メチルチオフェ
    ニルマグネシウムクロライドまたはp−メチルチオフェ
    ニルマグネシウムクロライドである請求項2に記載のア
    ルキルチオフェニルマグネシウムクロライド。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載のアルキルチオ
    フェニルマグネシウムクロライドからなるグリニャール
    試薬。
JP32676896A 1996-12-06 1996-12-06 アルキルチオフェニルマグネシウムハライドの製造方法 Pending JPH10168082A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32676896A JPH10168082A (ja) 1996-12-06 1996-12-06 アルキルチオフェニルマグネシウムハライドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32676896A JPH10168082A (ja) 1996-12-06 1996-12-06 アルキルチオフェニルマグネシウムハライドの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10168082A true JPH10168082A (ja) 1998-06-23

Family

ID=18191485

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32676896A Pending JPH10168082A (ja) 1996-12-06 1996-12-06 アルキルチオフェニルマグネシウムハライドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10168082A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2368717A (en) * 2000-06-29 2002-05-08 Marconi Applied Techn Ltd Gunn diodes

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2368717A (en) * 2000-06-29 2002-05-08 Marconi Applied Techn Ltd Gunn diodes

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2012127969A1 (ja) 1,2-ベンズイソチアゾール-3-オン化合物の製造方法
JP2013043882A (ja) 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン化合物の製造方法
JP2008074804A (ja) イソシアネート基含有シラン化合物の製造方法
JPH10168082A (ja) アルキルチオフェニルマグネシウムハライドの製造方法
JP2002088072A (ja) 1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の製造方法
JP3701044B2 (ja) シアノベンゼンスルフェニルハライドおよびそれを用いる3−置換ベンゾイソチアゾールの製造方法
JP2002241361A (ja) ジフェニルジスルフィド誘導体の製造法
JPH0881473A (ja) 接触アルキル化方法
JP3787791B2 (ja) ジシクロヘキシルジスルフィドの製造方法。
JP2003171384A (ja) テトラキス(ジメチルアミノ)シランの塩素分低減方法
JP4220619B2 (ja) 炭酸インデンの製造方法
JPH09110768A (ja) 2−クロロ−4−メチルフエノールの製造法
JP2506376B2 (ja) 2−(4−メチルアミノブトキシ)ジフェニルメタン・塩酸塩の製造方法
JP2002179612A (ja) 2,3−ジブロモ琥珀酸類の製造方法
WO2017033813A1 (ja) アルケニルハライドの製造方法
JP2001058968A (ja) 1,3−ジ(2−p−ヒドロキシフェニル−2−プロピル)ベンゼンの製造方法
JP3309202B2 (ja) ニトロベンゼンスルホニルハライド類の製造方法
JP2949428B2 (ja) 2−シアノビフェニル化合物の製造方法
JP3845786B2 (ja) ジフェニルホスホリルアジドの製造方法
JP2000327685A (ja) シリル化されたアニリン誘導体の製造方法
JP2016169192A (ja) 7−オクテニルハライドの製造方法
JPS63162674A (ja) 1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オンの製造方法
JP2995410B2 (ja) 2―シアノビフェニル化合物の製造方法
JP2020200331A (ja) ハロゲン化カルボン酸無水物の調製方法
WO2007039127A1 (en) A process for the preparation and purification of bicalutamide

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060605

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060823

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061220