JPH10168040A - 4,6−ジアミノレゾルシノール及び/又はその塩の製造方法 - Google Patents

4,6−ジアミノレゾルシノール及び/又はその塩の製造方法

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JPH10168040A
JPH10168040A JP8342448A JP34244896A JPH10168040A JP H10168040 A JPH10168040 A JP H10168040A JP 8342448 A JP8342448 A JP 8342448A JP 34244896 A JP34244896 A JP 34244896A JP H10168040 A JPH10168040 A JP H10168040A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】式[1](式中、Rは例えばハロゲン原子又は低級
アルキル基を表し、nは0又は1〜5を表す。)の4,6-
ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールを溶媒中、貴
金属触媒の存在下に水素還元し,4,6- ジアミノレゾルシ
ノール及び/又はその塩を得る方法において、テレフタ
ール酸との重合に対する品質問題がなく、副生する(置
換)アニリンを効率的に回収できる上記方法の提供。 【解決手段】上記の方法において、原料溶液中にN 塩基
酸を4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノール
に対し(2/N)X(0.25-5)倍モル加え、還元反応終了後の反応
液中のN 塩基酸の量を、該アゾレゾルシノールに対して
(2/N)X(0.55-1.0)倍モルに調整し、副成する(置換)ア
ニリンを分離することを特徴とする4,6−ジアミノレ
ゾルシノールまたはその塩の製造方法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4,6−ジアミノ
レゾルシノール及び/又はその塩の製造に関する。更に
詳しくいえば、下記反応式で示される4,6−ビス(置
換)フェニルアゾレゾルシノールの還元により4,6−
ジアミノレゾルシノールを製造する際の精製及び副生成
する(置換)アニリンの分離、リサイクルに関する:
【化2】 (式中、Rはハロゲン原子、炭素原子数1〜5のアルキ
ル基、ヒドロキシカルボニル基又は炭素原子数1〜5の
アルコキシ基を表し、nは0又は1〜5のいずれかの整
数を表し、2個以上のRは互いに同一又は異なっていて
もよい。)。
【0002】4,6−ジアミノレゾルシノールは、ポリ
ベンゾオキサゾールのモノマーであり、このポリベンゾ
オキサゾールは高強度、高弾性率を有し、また耐熱性、
耐薬品性に優れた特性を有するポリマーである(特表昭
61−501452号公報、特開平2−229143号
公報)。
【0003】
【従来の技術】特表平2−500743によれば、4,
6−ジニトロー2ークロルレゾルシノールを貴金属触媒
下、水素により還元した反応液より4,6−ジアミノレ
ゾルシノールを取り出す方法は下記の通りである。反応
液より触媒を濾過により分離した後、多量の塩酸を加え
て4,6−ジアミノレゾルシノールを塩酸塩として塩析
し、ロ集している(この操作を1次晶析とする)。
【0004】その後、1次晶を水に溶解し活性炭処理を
した後、活性炭をロ別し、ロ液に多量の塩酸を加え塩析
により、4,6−ジアミノレゾルシノール塩酸塩を析出
させロ集、乾燥し4,6−ジアミノレゾルシノールを得
る。
【0005】このようにして得られた物は、なんら問題
なくテレフタール酸と重合する。一方、特開平7−24
2604号公報には、4,6−ジアミノレゾルシノール
をジアゾ化して得た4,6−ビス(置換)フェニルアゾ
レゾルシノールを還元し4,6−ジアミノレゾルシノー
ルを得る方法が知られている。この方法は、還元後の反
応液から、上記の晶析法と同様の方法にて取り出した
4,6−ジアミノレゾルシノール塩酸塩は、しばしば重
合がうまくいかず再度、再結晶が必要な事が多い。これ
は工業的にきわめて大きな問題である。重合不調の原因
は、4,6−ジアミノレゾルシノール塩酸塩中に少量存
在するアニリンによる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、この還
元後の反応液の精製法を検討した。その結果、一次晶析
後の4,6−ジアミノレゾルシノール塩酸塩には、少な
からぬ量のアニリン塩酸塩が存在していた。その量は、
晶析条件にもよるが、還元工程において生成するアニリ
ンの10〜50%に相当する。また、4,6−ジアミノ
レゾルシノール塩酸塩の回収率も、アニリンのない場合
に比較し5〜10%低下する。
【0007】一次晶にアニリンが存在する為、二次晶析
でも少ない量であるが4,6−ジアミノレゾルシノール
塩酸塩に混入し、重合に悪影響を与える。アニリン存在
下の4,6−ジアミノレゾルシノール塩酸塩の取り出し
は、下記3点の問題点がある。 1 重合に対する品質問題 2 回収率の低下 3 アニリンが分散し回収の作業が煩雑になる。 本発明の目的は、4,6−ビス(置換)フェニルアゾレ
ゾルシノールを溶媒中、貴金属触媒の存在下に水素還元
し4,6−ジアミノレゾルシノール及び/又はその塩を
得る方法において、テレフタール酸との重合に対する品
質問題がなく、副生する(置換)アニリンを効率的に回
収できる、4,6−ジアミノレゾルシノール及び/又は
その塩の製造方法の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
の結果、前記3つの問題を解決す方法を見出し本発明を
完成させた。即ち、本発明は、式〔1〕
【化3】 (式中、Rはハロゲン原子、炭素原子数1〜5のアルキ
ル基、ヒドロキシカルボニル基又は炭素原子数1〜5の
アルコキシ基を表し、nは0又は1〜5のいずれかの整
数を表し、2個以上のRは互いに同一又は異なっていて
もよい。)で表される4,6−ビス(置換)フェニルア
ゾレゾルシノールを溶媒中、金属触媒の存在下に水素還
元し4,6−ジアミノレゾルシノール及び/又はその塩
(その塩とは、4,6−ジアミノレゾルシノールの酸塩
を意味する。以下、同じ)を得る方法において;還元反
応前に、原料溶液中の4,6−ビス(置換)フェニルア
ゾレゾルシノールの(2/N)×(0.25〜5)倍モ
ルのN塩基酸を、原料溶液中に添加し;還元反応終了
後、触媒のろ過による除去の後に、上記の加えた酸の量
を、該アゾレゾルシノールの(2/N)×(0.55〜
1.0)倍モルに上記とは同種又は異種のN塩基酸また
はアルカリの添加又は不添加により調整し、上記還元反
応により同時に生成した(置換)アニリンのみを分液に
より除去することを特徴とする4,6−ジアミノレゾル
シノール及び/又はその塩の製造方法に関する。
【0009】4,6−ジアミノレゾルシノールの塩の結
晶化による精製の前に、(置換)アニリンの大部分が除
かれるため、結晶化と再結晶の際の回収率が良く、その
上、結晶化と再結晶の結果得られる4,6−ジアミノレ
ゾルシノールの塩の純度が高い。この精製により得られ
た4,6−ジアミノレゾルシノールの塩は、高分子原料
のとしての品質問題がない。又、 還元反応の際に副生
したアニリンの大部分は、上記結晶化の前に、分液によ
り容易に回収される利点がある。
【0010】又、本発明は、(置換)アニリンと4,6
−ジアミノレゾルシノールとの混合物からの(置換)ア
ニリンの新規な分離法も提供する。即ち、本発明は、
(置換)アニリンと4,6−ジアミノレゾルシノールの
水性混合物に、4,6−ジアミノレゾルシノールのアミ
ノ基の0.55〜1.0倍当量のハロゲン化水素酸もし
くは硫酸の無機酸又は有機酸である酸を添加して、水に
難溶性ないし不溶性の有機溶媒の存在下又は非存在下、
(置換)アニリンのみを水層から分液して除去する方法
に関する。この方法により得られた4,6−ジアミノレ
ゾルシノール及び/又はその塩の結晶化とそれに続く再
結晶化による精製が容易になり、得られる4,6−ジア
ミノレゾルシノールの純度が高く、回収率が高いという
利点がある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の出発原料である4,6−
ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールは、式〔2〕
【化4】 (式中、Rとnは式〔1〕中と同じに定義される。)で
表される(置換)アニリンをジアゾ化し(置換)ベンゼ
ンジアゾニウム塩を得、該ジアゾニウム塩を、レゾルシ
ノールとカップリング反応させて得ることができる。具
体的には、式と5〜10重量倍の水との混合物中に、冷
却下、アニリンに対して2.5〜4当量の無機酸を滴下
し、この混合液中へ、(置換)アニリンに対し2〜3重
量倍の水に溶解した1〜1.5倍モルの亜硝酸ナトリウ
ム又は亜硝酸カリウムを10℃以下で滴下することによ
り(置換)ベンゼンジアゾニウム塩を得る。無機酸とし
ては塩酸、臭化水素酸、硫酸及び燐酸の中から選ばれた
少なくとも1種の無機酸が用いられる。これらの無機酸
の中で塩酸が工業経済的に好ましい。
【0012】具体的には、例えばアニリン、2−クロル
アニリン、4−クロルアニリン、2,6−ジクロルアニ
リン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジ
ン、アントラニル酸、o−アニシジン、m−アニシジン
及びp−アニシジン等を挙げることができ、これらのア
ニリンのいずれかを使用することが好ましい。経済性、
化合物の安定性などでアニリンが最も好ましい。
【0013】式(置換)ベンゼンジアゾニウム塩とレゾ
ルシノールのカップリング反応は、公知の方法が用いら
れるが、本出願人等が特願平7−309803号として
出願した式〔3〕
【化5】 (式中、Rとnは式〔1〕中と同じに定義され、XはC
l、Br、OSO3 H又はOPO3 2 を表す。)で表
される(置換)ベンゼンジアゾニウム塩をアルカリ性に
した溶媒中で反応させることによる方法、或いは特願平
7−346483号として出願した、式〔3〕で表され
る(置換)ベンゼンジアゾニウム塩の溶液とアルカリ金
属又はアルカリ土類金属の水酸化物の溶液又は懸濁液と
を混合し、アルカリ性とした混合液を得、この混合液と
レゾルシノール及び/又はそのアルカリ金属塩若しくは
アルカリ土類金属塩を混合し反応させる方法が、好まし
い。
【0014】4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾル
シノールの還元は通常、貴金属触媒を用い水素で還元す
る。貴金属触媒としては白金、パラジウム、ロジウム、
ルテニウム及びイリジウムなどが用いられる。貴金属触
媒の形態は活性炭、けいそう土、アルミナなどに担持し
た担持触媒が用いられる。好ましい貴金属触媒は、パラ
ジウム及び/又は白金である。貴金属触媒の量は4,6
−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールに対して金
属分として0.001〜0.5重量%である。好ましく
は0.002〜0.3重量%である。
【0015】水素圧は常圧〜100kg/cm2である
が、好ましくは常圧〜10kg/cm2である。特開平
7−242604号公報によれば、還元は中性条件で実
施されてる。しかし、生成する4,6−ジアミノレゾル
シノールは、中性またはアルカリ性では安定性が悪く、
反応に長時間かかると収率が低くなる。特に、大スケー
ルでは反応時間が長くなり、重大な収率低下を起こす。
【0016】このために通常は、N塩基酸〔N塩基酸と
は、供与しうるプロトンをN個だけ持つ酸をいう。即
ち、塩基度Nの酸をいう。一塩基酸の例は塩酸、酢酸;
二塩基酸の例は、硫酸(H2 SO4 )、シュウ酸(H2
2 4 );三塩基酸の例はリン酸(H3 PO4 )であ
る。〕を加えて酸性下で還元する。酸としては、塩酸、
リン酸、硫酸等の無機酸;酢酸、シュウ酸等の有機酸が
用いられる。その量は、4,6−ビス(置換)フェニル
アゾレゾルシノールに対して(2/N)×(0.25〜
5)倍モル、好ましくは(2/N)×(0.55〜1.
0)倍モルのN塩基酸を用いる。酸としては塩酸が好ま
しい。
【0017】通常、還元は溶媒中で行われる。溶媒とし
ては、水、低級アルコール類、芳香族炭化水素、ハロ置
換ベンゼン類、エーテル類が用いられる。低級アルコー
ル類としては、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ールなどがあり、芳香族炭化水素としてはベンゼン、キ
シレン、トルエンなどがあり、ハロ置換ベンゼン類とし
ては、クロルベンゼン、ジクロロベンゼンなどがあり、
エーテル類としては、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、グライムなどがある。これら溶媒は単独、または二
種類以上混合して使用しても良い。
【0018】通常は、低級アルコールまたは低級アルコ
ールと水の混合溶媒が使用されるが、本発明の場合、反
応後生成するアニリンを分液操作で除く目的で、還元反
応時の溶媒としては、水と芳香族炭化水素またはハロ置
換ベンゼン類の混合が好ましい。水だけでも、芳香族炭
化水素またはハロ置換ベンゼン類だけでは反応は好まし
くないが、混合の場合は反応収率の点でも、反応時間の
点でも問題ない。更に、水と芳香族炭化水素またはハロ
置換ベンゼン類の混合液に、水溶性有機溶媒を加えた3
種類の混合溶媒系が、反応収率、反応時間の点でより効
果があり、特に好ましい。
【0019】溶媒量としては、4,6−ビス(置換)フ
ェニルアゾレゾルシノールを基準とし1〜50重量倍、
好ましくは2〜20重量倍である。3種類の混合溶媒の
場合、4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノー
ルに対して、0.5〜10重量部の芳香族炭化水素また
はハロ置換ベンゼン類、2〜20重量部の水及び1〜5
重量部の水溶性有機溶媒0.1〜50重量部の範囲が好
ましい。
【0020】次に、還元後の処理について説明する。触
媒を分離後の4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾル
シノールの還元反応液を、4,6−ジアミノレゾルシノ
ールの1.1〜2.0の酸塩になるように調整し、遊離
(置換)アニリンを先に分離し、4,6−ジアミノレゾ
ルシノールの酸塩を単離する方法について述べる。還元
反応溶媒として低級アルコールを用いた場合、酸を加え
て低級アルコールを留去した後、上記調整を行う。
【0021】還元反応で多量の酸を用いた場合、アルカ
リを加えて4,6−ジアミノレゾルシノールのアミノ基
に対して0.55〜1.0倍当量の酸が存在するように
調整する。残存酸量が0.55倍当量未満であると、
4,6−ジアミノレゾルシノールのフリーの物が固体と
なり分液が困難になる。残存酸量が1.0倍当量を越え
ると上層(有機溶媒層)に移行するアニリンの量が少な
くなる。好ましくは、残存酸量は、4,6−ジアミノレ
ゾルシノールのアミノ基の0.55〜0.75倍当量で
ある。
【0022】反応溶媒として、水と混合しない有機溶媒
(換言すれば、水に難溶性ないし不溶性である溶媒)、
例えば、芳香族炭化水素、ハロ置換ベンゼン類などを用
いた場合、残存する酸量を調し、分液するだけで、
(置換)アニリンの回収およびその後の4,6−ジアミ
ノレゾルシノール酸塩の分離精製が容易に行なわれる。
上記の水と混合しない有機溶媒は、4,6−ジアミノレ
ゾルシノール及びその塩を溶解し難いことが望ましい。
【0023】上述の還元反応の際に使用される有機溶媒
が水溶性の場合は、この有機溶媒が留去された後、必要
に応じたアルカリ又は酸の添加の後、水層からの(置
換)アニリンの分離が起こる。この場合はアニリンその
ままの形での分液により分離しても良いが、水に混合し
ないで(即ち、水に難溶性ないし不溶性であって)、
4,6−ジアミノレゾルシノールを溶解し難い溶媒、例
えば上述の還元反応で使用された水に混合しない(還元
すれば水に難溶性ないし不溶性の)有機溶媒又はハロゲ
ン化脂肪族炭化水素例えば塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素、二塩化エタンを添加してその有機溶媒
層に(置換)アニリンを移行させるのが好ましい。この
有機溶媒層中へのアニリンの移行によりアニリンの回収
率は高まる。
【0024】水層を下層にすることを所望する場合は、
水層より低い比重の有機溶媒を使用する。 水層を上層
にすることを所望する場合は、水層より高い比重の有機
溶媒を使用する。又、所望により上記の有機溶媒による
(置換)アニリンの抽出を2回以上してもよい。
【0025】(置換)アニリンと4,6−ジアミノレゾ
ルシノールは、例えば塩酸を加えた場合、塩の生成は平
衡関係にあり、4,6−ジアミノレゾルシノールのアミ
ノ基の0.55倍未満当量の塩酸では、フリーの4,6
−ジアミノレゾルシノールが残り、それが不溶物となっ
て、分液が困難となる。塩酸が4,6−ジアミノレゾル
シノールのアミノ基の1.0倍当量より多くなると、
(置換)アニリンの塩酸塩が多くなり分液で水層から分
離される(置換)アニリンの量は少なくなる。このよう
に添加される酸の当量を、4,6−ジアミノレゾルシノ
ールのアミノ基の0.55〜1.0倍当量、好ましくは
0.55〜0.75倍当量に調整することにより、副生
成する(置換)アニリンの50〜80%を除去(換言す
れば、回収)できることが判明した。更に、この50〜
80%の(置換)アニリンの除去により、塩酸(塩析効
率を高めることのできる濃度の塩酸、例えば濃塩酸)を
加えて得た4,6−ジアミノレゾルシノールの一次晶に
は(置換)アニリンがほとんど存在しないこと、そして
一次晶を精製した二次晶は極めて純度が高いものである
ことそして回収率が高いものであることを見出した。
【0026】更に、還元反応時加えるN塩基酸の量を
4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールに対
して(2/N)×(0.55〜1.0)倍モル好ましく
は(2/N)×(0.55〜0.75)倍モルとする
と、酸量の調製も必要なくより簡便になる。
【0027】触媒分離後、有機溶媒を分液により分離し
た後、水層に4,6−ジアミノレゾルシノールのアミノ
基に対し2.5〜15倍当量の酸を加え、0〜10℃に
冷却し、析出した固体をろ集し、更に、得られた固体を
水に溶解し、4,6−ジアミノレゾルシノールに対して
0.01〜0.5部の活性炭を加え、60〜100℃で
処理した後、活性炭をろ別し、更に4,6−ジアミノレ
ゾルシノールのアミノ基に対し2.5〜15倍当量の酸
を加え、0〜10℃に冷却し、析出した固体をろ集する
事が好ましい。このようにして得た4,6−ジアミノレ
ゾルシノール及びその酸塩は、ポリベンゾオキサゾール
の原料として問題無く使用できるものである。
【0028】以下に本願発明の好ましい実施態様例を記
載する。 4,6−ジアミノレゾルシノール及び/又はその塩の製
造方法の好ましい実施態様: (1)原料溶液中の4,6−ビス(置換)フェニルアゾ
レゾルシノールの(2/N)×(0.55〜1.0)倍
モル、好ましくは(2/N)×(0.55〜0.75)
倍モルのN塩基酸を、原料溶液中に添加する製造方法。
また、還元反応終了後、触媒のろ過による除去の後に、
上記の加えた酸の量を、該アゾレゾルシノールの(2/
N)×(0.55〜0.75)倍モルに上記とは同種又
は異種のN塩基酸またはアルカリの添加又は不添加によ
り調整することを特徴とする製造方法。 (2)式[1]の(置換)ベンゼンジアゾニウム塩が塩
化ベンゼンジアゾニウムである本願発明又は実施態様
(1)の製造方法。 (3)N塩基酸が塩酸である本願発明又は実施態様
(1)と(2)の製造方法。 (4)生成した(置換)アニリンを水に難溶性の有機溶
媒で抽出、分液する本願発明又は実施態様(1)ないし
(3)の製造方法。
【0029】(5)還元反応時の溶媒が、4,6−ビス
(置換)フェニルアゾレゾルシノール1重量部に対し
て、0.5〜10重量部の芳香族炭化水素、2〜20重
量部の水及び1〜5重量部の水溶性有機溶媒よりなる混
合溶媒である本願発明又は実施態様(1)ないし(4)
の製造方法。 (6)貴金属触媒が、白金、パラジウム、ロジウム、ル
テニウム及びイリジウムの中から選ばれた少なくとも1
種の貴金属である本願発明又は実施態様(1)ないし
(5)の製造方法。 (7) 貴金属触媒が活性炭、珪藻土及びアルミナの中
から選ばれる少なくとも1種を担体とした担持触媒であ
る本願発明又は実施態様(1)ないし(6)の製造方
法。 (8) 貴金属の使用される量が4,6−ビス(置換)
フェニルアゾレゾルシノールに対して金属分として0.
001〜0.5重量%である本願発明又は実施態様
(1)ないし(7)の製造方法。 (9) 貴金属触媒が、白金及び/又はパラジウムであ
る本願発明又は実施態様(1)ないし(7)の製造方
法。(10) 水素圧が1〜10kg/cm2である本
願発明又は実施態様(1)ないし(9)の製造方法。
【0030】(11)分液により有機溶媒層と分離、除
去した後の水層に、該水層中の4,6−ジアミノレゾル
シノールの5〜30倍モルの塩酸を加え、析出した固体
をろ集し、得られた固体を水に溶解し、得られた溶液に
活性炭を加え、加熱処理した後、活性炭をろ別、更に得
られたろ液にろ液中の4,6−ジアミノレゾルシノール
の5〜30倍モルの塩酸を加え析出した固体をろ集する
本願発明又は実施態様(1)ないし(10)の製造方
法。 (12)分液により有機溶媒層を分離、除去した後の水
層に水層中の4,6−ジアミノレゾルシノールの5〜3
0倍モルの塩酸を加え、析出した固体をろ集し、得られ
た固体を水に溶解し、得られた溶液に、該溶液中の4,
6−ジアミノレゾルシノール1部に対して0.01〜
0.5部の活性炭を加え、60〜100℃で加熱処理し
た後、活性炭をろ別、更に得られたろ液にろ液中の4,
6−ジアミノレゾルシノールの5〜30倍モルの塩酸を
加え析出した固体をろ集する実施態様(11)の製造方
法。
【0031】4,6−ジアミノレゾルシノール及び/又
はその塩の精製方法:(置換)アニリンがアニリン、o
−トルイジン、p−トルイジン、2,5−ジメチル−ア
ニリン、3,4−ジメチルアニリン、o−クロロアニリ
ン又はp−クロロアニリンであり、酸が塩酸であり、上
記混合物中に存在する(置換)アニリンと4,6−ジア
ミノレゾルシノールのモル比が1:0.9〜1.1であ
る精製方法。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本願発明を更に詳細に説
明する。 製造例1 (4,6−ビスフェニルアゾレゾルシノールの製造)ア
ニリン41g、35%塩酸98g、水100gの混合溶
液中に、0〜5℃で亜硝酸ナトリウム30gを水55g
に溶解させた溶液を滴下し、塩化ベンゼンジアゾニウム
水溶液を合成した。この塩化ベンゼンジアゾニウム水溶
液を水酸化ナトリウム55g、水110gよりなる混合
液に10℃以下で滴下した。この混合液をレゾルシノー
ル22g、水酸化ナトリウム24g、水22gよりなる
混合液に10℃で40分かけ滴下した。滴下終了後10
℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に塩酸を
加え酸性とし、析出した固体を濾集、水洗、乾燥して6
2gの暗赤色固体を得た。純度は4,6−ビスフェニル
アゾレゾルシノールが90%であり、約5%の2,4,
6−トリフェニルアゾレゾルシノールを含む。
【0033】実施例1 4,6−ビスフェニルアゾレゾルシノール(純度90
%)3.54g(0.01mol)、トルエン17.5
g、水14.8g、35%塩酸4.2g(0.04mo
l)、5%Pd−C 0.16gをハステロイB製のオ
ートクレーブに仕込み、水素を4kg/cm2 の一定圧力
で水素蓄圧器より供給しながら50℃で水素吸収(蓄圧
器の圧力低下)がなくなるまで約3.5時間反応させ
た。反応終了後、オートクレーブを冷却後、水素圧を常
圧に戻し、窒素置換した。濾過により反応液中の触媒を
分離後、分液できるガラス容器で、窒素雰囲気下ゆっく
り10%水酸化ナトリウム水溶液11.2g(0.02
8モル)を滴下した。
【0034】混合液の静置後、水酸化ナトリウムの添加
によりアニリンは、上層であるトルエン層中に含有され
る。4,6−ジアミノレゾルシノールを含有する水層
(下層)を分液しながら、直接に窒素雰囲気下35%塩
酸10.4g(0.1モル)を入れた容器に注入する。
水層と塩酸の混合物を0〜5℃で1時間撹拌した後、析
出した固体をろ集した。得られた固体を水17gで溶解
し、0.2gの活性炭を加え60℃で1時間撹拌した。
活性炭を濾過分離した後、ロ液に35%塩酸10.4g
を加え、0〜5℃で1時間撹拌した後濾過した。これを
減圧乾燥して1.8gの白色固体を得た。この白色固体
はMASS及び 1H−NMR分析により4,6−ジアミ
ノレゾルシノール塩酸塩である事を確認した。また、ト
ルエン層を液クロ分析した結果、1.5gのアニリンが
検出された。このようにして得られた4,6−ジアミノ
レゾルシノール二塩酸塩中には、液体クロマトグラフィ
ーによる分析ではアニリンは検出されなかった。
【0035】実施例2 4,6−ビスフェニルアゾレゾルシノール(純度90
%)3.54g(0.01mol)、エタノール30
g、水10g、35%塩酸4.2g(0.04mo
l)、5%Pd−C 0.16gをハステロイB製のオ
ートクレーブに仕込み、実施例1と同様に水素を4kg
/cm2 で供給しながら50℃で水素吸収がなくなるまで
約4時間反応させた。反応終了後、水素圧を常圧に戻
し、窒素置換した。濾過により反応液中の触媒を分離
後、ろ液から、50℃以下で、エタノール約30gを減
圧留去し、残留分に水10gを加え、分液できるガラス
容器に移し、窒素雰囲気下ゆっくり10%水酸化ナトリ
ウム水溶液11.2g(0.028モル)を滴下した。
【0036】混合液の静置後、水酸化ナトリウムを加え
るとアニリンは、上層として分離する。4,6−ジアミ
ノレゾルシノールを含有する水層(下層)を分液しなが
ら、直接に窒素雰囲気下35%塩酸10.4g(0.1
モル)を入れた容器に注入する。水層と塩酸の混合物を
0〜5℃で1時間撹拌した後、析出した固体をろ集し
た。得られた固体を水17gで溶解し、0.2gの活性
炭を加え60℃で1時間撹拌した。活性炭を濾過分離し
た後、ロ液に35%塩酸10.4gを加え、0〜5℃で
1時間撹拌した後濾過した。これを減圧乾燥して1.8
gの白色固体を得た。このようにして得られた4,6−
ジアミノレゾルシノール二塩酸塩中には、液体クロマト
グラフィーによる分析ではアニリンは検出されなかっ
た。
【0037】実施例3 4,6−ビスフェニルアゾレゾルシノール(純度90
%)3.54g(0.01mol)、トルエン17.5
g、水14.8g、35%塩酸1.2g(0.012m
ol)、2ープロパノール3g、5%Pd−C 0.1
6gをハステロイB製のオートクレーブに仕込み、水素
を4kg/cm2 で供給しながら50℃で水素吸収がなく
なるまで反応した。約2時間。反応終了後、水素を常圧
に戻し、窒素置換した。反応液から濾過により触媒を分
離後、分液できるガラス容器に移した。
【0038】反応ろ液を静置後、4,6−ジアミノレゾ
ルシノールの塩酸塩を含む水層を分液しながら、35%
塩酸10.4gを入れた容器に窒素雰囲気下で注入し
た。水層と塩酸の混合物を0〜5℃で1時間撹拌した
後、析出した固体をろ集した。得られた固体を水17g
で溶解し、0.2gの活性炭を加え60℃で1時間撹拌
した。活性炭を濾過分離した後、ロ液に35%塩酸1
0.4gを加え、0〜5℃で1時間撹拌した後濾過し
た。これを減圧乾燥して1.8gの白色固体を得た。こ
のようにして得られた4,6−ジアミノレゾルシノール
二塩酸塩中には、液体クロマトグラフィーによる分析で
はアニリンは検出されなかった。
【0039】実施例4 4,6−ビスフェニルアゾレゾルシノール(純度98
%)3.24g(0.01mol)、トルエン 8.0
g、水15.9g、35%塩酸1.6g(0.015m
ol)、2ープロパノール1.6g、5%Pd−C
4.7mgをハステロイB製のオートクレーブに仕込
み、水素を4kg/cm2 で供給しながら50℃で水素吸
収がなくなるまで反応した。約2時間。反応終了後、水
素を常圧に戻し、窒素置換した。反応液から濾過により
触媒を分離後、分液できるガラス容器に移した。
【0040】反応ろ液を静置後、4,6−ジアミノレゾ
ルシノールの塩酸塩を含む水層を分液しながら、35%
塩酸10.4gを入れた容器に窒素雰囲気下で注入し
た。水層と塩酸の混合物を0〜5℃で1時間撹拌した
後、析出した固体をろ集した。得られた固体を水17g
で溶解し、0.2gの活性炭を加え60℃で1時間撹拌
した。活性炭を濾過分離した後、ロ液に35%塩酸1
0.4gを加え、0〜5℃で1時間撹拌した後濾過し
た。これを減圧乾燥して1.8gの白色固体を得た。こ
のようにして得られた4,6−ジアミノレゾルシノール
二塩酸塩中には、液体クロマトグラフィーによる分析で
はアニリンは検出されなかった。
【0041】実施例5 実施例1に於いて、触媒を2%Pt−C 0.071g
に変えた以外は、全く同様に還元反応及び後処理操作を
行ない、4,6−ジミノレゾルシノール二塩酸塩の白色
固体1.7gを得た。また、この得られた4,6−ジア
ミノレゾルシノール二塩酸塩中には、アニリンが含まれ
ないことを液体クロマトグラフィーで確認した。
【0042】
【発明の効果】4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾ
ルシノールを溶媒中、貴金属触媒の存在下に水素還元し
4,6−ジアミノレゾルシノール及び/又はその塩を得
る方法において、原料溶液中にN塩基酸を4,6−ビス
(置換)フェニルアゾレゾルシノールに対し(2/N)
×(0.25〜5)倍モル加え、還元反応終了後の反応
液中の酸の量を、該アゾレゾルシノールのアミノ基に対
して0.55ないし1.0倍当量に調整し、副生する
(置換)アニリンを、所望により水に溶けない有機溶媒
を使用して、分液により分離することにより、(置換)
アニリン及び/又はその塩の混入を大幅に減少すること
ができた。
【0043】このように(置換)アニリンの大部分を除
去して得た4,6−ジアミノレゾルシノール及び/又は
その塩は、結晶化とそれに続く再結晶化による精製が容
易であり、高純度の4,6−ジアミノレゾルシノール及
び/又はその塩を、高い回収(結晶化)収率で得ること
ができる。この方法により得られた4,6−ジアミノレ
ゾルシノール及び/又はその塩は、テレフタール酸との
重合に対する品質問題がない。また、この方法により、
副生(置換)アニリンも効率的に回収できる。
【0044】(置換)アニリンと4,6−ジアミノレゾ
ルシノールの水性混合物に、4,6−ジアミノレゾルシ
ノールのアミノ基の0.55〜1.0倍当量のハロゲン
化水素酸もしくは硫酸の無機酸又は有機酸である酸を添
加して、水に難溶性ないし不溶性の有機溶媒の存在下又
は非存在下、(置換)アニリンのみを水層から分液して
除去することによる4,6−ジアミノレゾルシノール及
び/又はその塩の精製方法では、得られた4,6−ジア
ミノレゾルシノール及び/又はその塩は、結晶化とそれ
に続く再結晶化による精製が容易であり、高純度の4,
6−ジアミノレゾルシノール及び/又はその塩を、高い
回収(結晶化)収率で得ることができる。この方法によ
り得られた4,6−ジアミノレゾルシノール及び/又は
その塩は、テレフタール酸との重合に対する品質問題が
ない。また、この方法により、副生(置換)アニリンも
効率的に回収できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 23/46 311 B01J 23/46 311X C07C 213/02 C07C 213/02 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 橋場 功 千葉県船橋市坪井町722番地1 日産化学 工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 鈴木 秀雄 千葉県船橋市坪井町722番地1 日産化学 工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 河合 喜久 大阪市淀川区西三国4丁目2番11号 田岡 化学工業株式会社内 (72)発明者 宮崎 修暢 大阪市淀川区西三国4丁目2番11号 田岡 化学工業株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式〔1〕 【化1】 (式中、Rはハロゲン原子、炭素原子数1〜5のアルキ
    ル基、ヒドロキシカルボニル基又は炭素原子数1〜5の
    アルコキシ基を表し、nは0又は1〜5のいずれかの整
    数を表し、2個以上のRは互いに同一又は異なっていて
    もよい。)で表される4,6−ビス(置換)フェニルア
    ゾレゾルシノールを溶媒中、貴金属触媒の存在下に水素
    還元し4,6−ジアミノレゾルシノール及び/又はその
    塩を得る方法において;還元反応前に、原料溶液中の
    4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの
    (2/N)×(0.25〜5)倍モルのN塩基酸を、原
    料溶液中に添加し;還元反応終了後、触媒のろ過による
    除去の後に、上記の加えた酸の量を、該アゾレゾルシノ
    ールの(2/N)×(0.55〜1.0)倍モルに上記
    とは同種又は異種のN塩基酸またはアルカリの添加又は
    不添加により調整し、上記還元反応により同時に生成し
    た(置換)アニリンのみを分液により除去することを特
    徴とする4,6−ジアミノレゾルシノール及び/又はそ
    の塩の製造方法。
  2. 【請求項2】原料溶液中の4,6−ビス(置換)フェニ
    ルアゾレゾルシノールの(2/N)×(0.55〜1.
    0)倍モルのN塩基酸を、原料溶液中に添加する請求項
    1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 式[1]の(置換)ベンゼンジアゾニウ
    ム塩が塩化ベンゼンジアゾニウムである請求項1又は2
    に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 N塩基酸が塩酸である請求項1乃至3の
    いずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 生成した(置換)アニリンを水に難溶性
    の有機溶媒で抽出、分液する請求項1乃至4のいずれか
    に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 還元反応時の溶媒が、4,6−ビス(置
    換)フェニルアゾレゾルシノール1重量部に対して、
    0.5〜10重量部の芳香族炭化水素、2〜20重量部
    の水及び1〜5重量部の水溶性有機溶媒よりなる混合溶
    媒である請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 貴金属触媒が、白金、パラジウム、ロジ
    ウム、ルテニウム、イリジウムの中から選ばれた少なく
    とも1種の貴金属である請求項1乃至6のいずれかに記
    載の製造方法。
  8. 【請求項8】 貴金属触媒が活性炭、珪藻土及びアルミ
    ナの中から選ばれる少なくとも1種を担体とした担持触
    媒である請求項1乃至7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 貴金属の使用される量が4,6−ビス
    (置換)フェニルアゾレゾルシノールに対して金属分と
    して0.001〜0.5重量%である請求項1乃至8の
    いずれかに記載の製造方法。
  10. 【請求項10】貴金属触媒が、白金及び/又はパラジウ
    ムである請求項1乃至9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 水素圧が1〜10kg/cm2である
    請求項1乃至10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 【請求項12】分液により有機溶媒層と分離、除去した
    後の水層に、該水層中の4,6−ジアミノレゾルシノー
    ルの5〜30倍モルの塩酸を加え、析出した固体をろ集
    し、得られた固体を水に溶解し、得られた溶液に活性炭
    を加え、加熱処理した後、活性炭をろ別、更に得られた
    ろ液にろ液中の4,6−ジアミノレゾルシノールの5〜
    30倍モルの塩酸を加え析出した固体をろ集する請求項
    1乃至11のいずれかに記載の製造方法。
  13. 【請求項13】分液により有機溶媒層を分離、除去した
    後の水層に水層中の4,6−ジアミノレゾルシノールの
    5〜30倍モルの塩酸を加え、析出した固体をろ集し、
    得られた固体を水に溶解し、得られた溶液に、該溶液中
    の4,6−ジアミノレゾルシノール1部に対して0.0
    1〜0.5部の活性炭を加え、60〜100℃で加熱処
    理した後、活性炭をろ別、更に得られたろ液にろ液中の
    4,6−ジアミノレゾルシノールの5〜30倍モルの塩
    酸を加え析出した固体をろ集する請求項12記載の製造
    方法。
  14. 【請求項14】(置換)アニリンと4,6−ジアミノレ
    ゾルシノールの水性混合物に、4,6−ジアミノレゾル
    シノールのアミノ基の0.55〜1.0倍当量のハロゲ
    ン化水素酸もしくは硫酸の無機酸又は有機酸である酸を
    添加して、水に難溶性ないし不溶性の有機溶媒の存在下
    又は非存在下、(置換)アニリンのみを水層から分液し
    て除去することによる4,6−ジアミノレゾルシノール
    及び/又はその塩の精製方法。
  15. 【請求項15】(置換)アニリンがアニリン、o−トル
    イジン、p−トルイジン、2,5−ジメチル−アニリ
    ン、3,4−ジメチルアニリン、o−クロロアニリン又
    はp−クロロアニリンであり、酸が塩酸であり、上記混
    合物中に存在する(置換)アニリンと4,6−ジアミノ
    レゾルシノールのモル比が1:0.9〜1.1である請
    求項14記載の精製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999037601A1 (fr) * 1998-01-27 1999-07-29 Nissan Chemical Industries, Ltd. Procede pour produire du 4,6-diaminoresorcinol ou ses sels

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999037601A1 (fr) * 1998-01-27 1999-07-29 Nissan Chemical Industries, Ltd. Procede pour produire du 4,6-diaminoresorcinol ou ses sels
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