JPH10167834A - 窒化ケイ素セラミックス焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化ケイ素セラミックス焼結体の製造方法

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JPH10167834A
JPH10167834A JP8326716A JP32671696A JPH10167834A JP H10167834 A JPH10167834 A JP H10167834A JP 8326716 A JP8326716 A JP 8326716A JP 32671696 A JP32671696 A JP 32671696A JP H10167834 A JPH10167834 A JP H10167834A
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JP
Japan
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silicon nitride
surface layer
atmosphere
sintered body
ceramic sintered
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JP8326716A
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Koji Watanabe
宏二 渡邉
Shuji Asada
修司 浅田
Muneyuki Imafuku
宗行 今福
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面まで内部と同一色で、破壊強度特性が焼
結体全体に均一な窒化ケイ素セラミックス焼結体を製造
する。 【解決手段】 窒化ケイ素を焼結する際に、窒素又はア
ルゴン雰囲気とすることにより、還元性雰囲気の発生を
防いで焼成する。 【効果】 焼成時に還元性雰囲気の発生を防ぐことによ
り、焼結体表面から酸素やSiO2 の揮散を抑制し、粒
界の状態が内部と均一になることにより、いわゆる表面
層色調部を内部と同一色にすることができ、破壊強度も
内部と同等にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化ケイ素セラミ
ックス焼結体で生じるいわゆる表面層を無くして表面層
色調を内部と同色にし、同時に表面層と内部で生じる破
壊強度差の問題も無くした窒化ケイ素セラミックス焼結
体の製造方法であり、これにより表面研削代を大幅に軽
減出来るものである。
【0002】
【従来の技術】窒化ケイ素セラミックス焼結体は、その
耐磨耗性、耐熱衝撃性、高靭性などの特徴から、精密治
具品として使用されている。このものは原料の特殊性か
ら焼結助剤が添加され、窒素あるいはアルゴン雰囲気で
高温焼結されるが、焼結体にいわゆる表面層ができ、表
層部と内部とで色調の違いや破壊強度特性に違いがある
ことが認められている(「材料」、44,620 (1995) )。
表層部と内部との破壊強度特性の違いの原因は表面層に
存在する気孔とされているが、亀裂の進展の差は表面層
色調部厚さと特定元素(Al,Yなど)の濃度差にある
ことも示唆されている。
【0003】色調の商品特性への影響は定かでないもの
の、見栄えという点で問題にされ、破壊強度特性の違い
は用途そのものに問題を生じかねない。そのため、商品
によっては表面色調部全体を研削して出荷するものもあ
る。しかしながら、窒化ケイ素セラミックス焼結体はそ
の特徴である硬度から研削は困難であり、コスト高につ
ながる要因となっている。
【0004】これに関して、特開平2−157162号
公報に見られるように、種々金属化合物の添加により最
初から窒化ケイ素セラミックス焼結体を黒く着色して表
層部と内部との色調差を隠す方法や、特願平8−306
55号のように表面層を極力薄くする方法も提案されて
いる。
【0005】しかしながら、窒化ケイ素セラミックス焼
結体は焼結時の雰囲気ガスとの反応や原料の分解物質に
揮散などから焼結体表面の面荒れは避けられず、表層の
研削は必須である。従って、その表層の研削代を如何に
少なくするかが課題である。この研削代を決めるのが表
層色調部厚と破壊強度特性に影響を及ぼす特定元素の濃
化層と考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、窒化ケイ素
セラミックス焼結体で生じる表面層色調部の生成を防
ぎ、同時に表面層、内部の破壊強度特性も均一にして、
焼結体表面の研削代の軽減を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の要旨は
次の通りである。 (1) 窒化ケイ素セラミックス焼結体の製造に際し、
窒素又はアルゴン雰囲気下、還元性雰囲気の発生を防い
だ状況で焼成することを特徴とする窒化ケイ素セラミッ
クス焼結体の製造方法。 (2) 窒化ケイ素セラミックス焼結体の製造に際し、
窒素又はアルゴン雰囲気下で用いる発熱体および焼成物
を入れる函体を炭素を含有しない部材で構成したことを
特徴とする前項(1) 記載の窒化ケイ素セラミックス焼結
体の製造方法。 (3) 発熱体として、タングステン、スーパーカンタ
ルの少なくとも1種、函体として窒化ホウ素、窒化ケイ
素、窒化アルミニウム、サイアロン、アルミナ、マグネ
シア、ジルコニアの少なくとも1種からなることを特徴
とする前項(2) 記載の窒化ケイ素セラミックス焼結体の
製造方法。
【0008】本発明は、窒化ケイ素セラミックス焼結体
における表面層、内部色調差の要因及び特定元素の表層
濃化要因を解明し、初めて達成できたものである。即
ち、窒化ケイ素セラミックス焼結体における表面層、内
部色調差の要因は以下によるものである。
【0009】窒化ケイ素(Si3 4 )の原料粉体は必
ずしも安定なものでなく、自然放置により酸化分解して
シリカ(SiO2 )に変化する。この時の反応はSi3
4+3O2 →3SiO2 +2N2 であるが、その中間
生成物の酸窒化ケイ素は定比化合物(nSi3 4 ・m
SiO2 )とはならず、不定比化合物(Six
y z ;4x ≠3y +2z )となっているものと考えら
れる。このことは電子スピン共鳴(ESR)によって明
らかにされた。
【0010】即ち、定比化合物であれば不対電子は存在
せず、ESRには検知されないものとなる。これに対
し、不定比化合物はそのどこかに格子欠陥を生じ、そこ
に不対電子を持ち、そのためESR活性となる。実際、
原料の市販窒化ケイ素粉末もESR活性であり、Si3
4 の表面に生成したSiO2 により、格子欠陥を持っ
た不定比化合物(Six y z ;4x ≠3y +2z
が出来ていることを示している。この格子欠陥はカラー
センターとも呼ばれ、着色要因となるものである。
【0011】窒化ケイ素セラミックス焼結体でもあらゆ
る部分、箇所で格子欠陥の存在が確認されており、これ
が表面層、内部の色を呈すと考えられる。即ち、窒化ケ
イ素セラミックス焼結体における表面層、内部の色調差
はまさに酸窒化ケイ素不定比化合物におけるNとOの含
有量の違いによる、Oプアー酸窒化ケイ素不定比化合物
(表面層)、Oリッチ酸窒化ケイ素不定比化合物(内
部)の生成によるものと考える。
【0012】つまり、一般に窒化ケイ素の焼成は炭素製
発熱体の炉を用い、炭素製函体の中で、窒素あるいはア
ルゴンなどの雰囲気下で行われるが、焼結体切断面のE
PMA(X線マイクロアナライザー)による各元素の濃
度分布は表面層で酸素の濃度低下があり、同時に極表面
でSiの濃化があることから、還元性雰囲気が発生して
いることが伺える。
【0013】表層色調部厚は窒素雰囲気焼成では1mm程
度、アルゴン雰囲気焼成では約0.3mmであり、この表
層部の酸素の濃度低下域と表面色調部厚はほぼ一致す
る。これにより、表層部ではOプアーな酸窒化ケイ素不
定比化合物により呈色しており、内部では表面に比べO
リッチな酸窒化ケイ素不定比化合物の色を呈しているも
のと考える。
【0014】一方、特定元素の表面層、内部濃度差は一
般に用いられるAl2 3 −Y2 3 系焼結助剤使用で
は顕著に見られ、Al,Yの表層濃化が確認されてい
る。これは表層部にAl化合物が生成し、このことが特
定元素表層濃化要因と考える。この時、窒素雰囲気焼成
時に表層部に大量に析出するAl化合物は、XRD解析
よりSi3 4 ,Al2 3 ,Y2 3 の反応生成物Y
10Al2 Si3 184 で、一般に粒界形成に重要な役
割をするSiO2 が関与していないものである。このこ
とは、焼結体表層部で雰囲気窒素による窒化反応が起き
ていることを示している。
【0015】一般に窒化ケイ素セラミックス焼結体の粒
界はガラス相となるが、これは原料窒化ケイ素粉体表面
のSiO2 が粒界形成に関与するからである。事実、ア
ルゴン雰囲気焼成では表層粒界で窒化反応が生じないた
め、粒界形成物は窒素雰囲気焼成時の内部粒界と同様に
殆どガラス質であるが、XRD解析より極微量の、Al
2 3 を含んだY20Si12484 様物質が観測されて
いるが、このものはSiO2 が絡んだ化合物である。こ
れらのことから、窒素雰囲気焼成体で発見されたY10
2 Si3 184は、表層部粒界のSiO2 が雰囲気
窒素によって窒化された結果生じたものであることがわ
かる。
【0016】これらの粒界形成結晶化物の存在に伴う特
定元素の表層濃化厚は、窒素雰囲気焼成では約400μ
m程度であり、アルゴン雰囲気焼成では約100μm程
度で、表層色調部厚とは大きく異なる。また、SiO2
が窒化されSi3 4 になることは重要な意味を持つ。
即ち、SiO2 を窒化してSi3 4 にするには還元剤
の存在が必須であるからである。アルゴン雰囲気焼成で
も表層部において、酸素の濃度低下や極表面でSiの濃
化が見られている。このことからも炭素製発熱体炉、炭
素製函体中での焼成は還元雰囲気となっていることが裏
付けられる。
【0017】これらのことから、還元雰囲気の発生しな
い焼成を行えば焼結体に表面層色調部は無くなり、ま
た、表面層における特定元素の濃化も無く、破壊強度特
性の表層部と内部の差も無くすことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】上述のように、窒化ケイ素セラミ
ックス焼結体におけるいわゆる表面層の形成は、焼成時
の還元雰囲気の発生が要因であることから、焼成時に還
元雰囲気の発生を阻止すればよい。即ち、この焼成時の
還元雰囲気の発生は焼成に使用する部材から生じる問題
と考えられることから、このような部材を使用しなけれ
ばよい。
【0019】しかしながら、窒化ケイ素セラミックスの
焼結は1600℃以上の高温で行われるため、これに耐
え得る発熱素材、函体が必要である。幸い、窒化ケイ素
の焼結は原料の分解防止の目的で窒素やアルゴンなどの
雰囲気で焼成されるため、使用素材は必ずしも限定され
ない。例えば、窒素又はアルゴン雰囲気下での発熱体と
して、タングステン、スーパーカンタルなど、焼成物を
入れる函体には窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニ
ウム、サイアロン、アルミナ、マグネシア、ジルコニア
などの炭素を含有しない部材が好適である。これによ
り、特定元素の表層濃化やいわゆる表面層の形成を無く
し、表面層と内部の破壊強度特性も均一にすることがで
きる。
【0020】
【実施例】
(実施例1)市販窒化ケイ素;95重量部、酸化イット
リウム;3.5重量部、酸化アルミニウム;3.5重量
部に有機バインダーと水を加え、ボールミル中でよく混
合した後、スプレードライヤーで造粒し、100×50
×30mmの形状に1.4TでCIP成形した。次いで大
気中500℃で脱脂した後、これを試験片とし、BN粉
を敷いたBN製函体に入れ、窒素雰囲気又はアルゴン雰
囲気中、タングステン発熱体炉を用いて1750℃で焼
成した。
【0021】このものを切断したところ、いわゆる表面
層の形成は見られなかった。EPMAによる焼成体断面
分析の結果からも特定元素の表層濃化は見られず、XR
D測定でも表層部における粒界結晶性物質の存在は確認
されなかった。このもののビッカース硬度(荷重=1Kg
f )は表層部が1555、内部が1550で、表層部と
内部の硬さは変わらなかった。
【0022】(比較例1)実施例1と同一の試験片を同
様にBN粉を敷いた炭素製函体に入れ、窒素雰囲気中、
炭素性発熱体炉を用いて1750℃で焼成した。このも
のを切断したところ、表層部は灰白色、内部は薄鼠色に
なった。灰白色の表面着色層厚は約1mmで、EPMAに
よる焼成体断面分析の結果、特定元素の表層濃化が見ら
れ、その厚みは約400μmであった。このもののビッ
カース硬度(荷重=1Kgf )は表層部が1610、内部
が1560で、表層部が内部に比べかなり硬いものとな
っていた。また、XRD測定により表層部には多量の粒
界結晶性物質の存在が確認され、これは100μmの研
削でもなお検出された。
【0023】(比較例2)実施例1と同一の試験片を同
様にBN粉を敷いた炭素製函体に入れ、アルゴン窒素雰
囲気中、炭素性発熱体炉を用いて1750℃で焼成し
た。このものを切断したところ、比較例1と同様に表層
部、内部との色調層が生成し、灰白色の表面着色層厚は
約0.3mmで、特定元素の表層濃化厚は100μmであ
った。このもののビッカース硬度(荷重=1Kgf )は表
層部が1580、内部が1550で、表層部と内部の硬
さは近いものであった。また、XRD測定で観測された
表層部に生成した極微量の粒界結晶性物質は、30μm
程度の表層研削で観測できなくなった。
【0024】
【発明の効果】本発明は、窒化ケイ素セラミックス焼結
体における、表面層と内部の色調を同一にし、且つ破壊
強度特性も全体を均一化するものであり、工業上非常に
有効な技術である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化ケイ素セラミックス焼結体の製造に
    際し、窒素又はアルゴン雰囲気下、還元性雰囲気の発生
    を防いだ状況で焼成することを特徴とする窒化ケイ素セ
    ラミックス焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 窒化ケイ素セラミックス焼結体の製造に
    際し、窒素又はアルゴン雰囲気下で用いる発熱体および
    焼成物を入れる函体を炭素を含有しない部材で構成した
    ことを特徴とする請求項1記載の窒化ケイ素セラミック
    ス焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】 発熱体として、タングステン、スーパー
    カンタルの少なくとも1種、函体として窒化ホウ素、窒
    化ケイ素、窒化アルミニウム、サイアロン、アルミナ、
    マグネシア、ジルコニアの少なくとも1種からなること
    を特徴とする請求項2記載の窒化ケイ素セラミックス焼
    結体の製造方法。
JP8326716A 1996-12-06 1996-12-06 窒化ケイ素セラミックス焼結体の製造方法 Withdrawn JPH10167834A (ja)

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Effective date: 20040302